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今日の感謝盤一覧2006.04下

 

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1

4/16(日)
ワイルドだぜ
cover
Wild Thing
Troggs

1966/5

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
Wild Thing
Troggs
1966年5月の全英大ヒット(最高位3位)の曲であります。その時の1位が気になりますかい。私も。見てみると
「Manfred Mann /Pretty Flamingo」
そして「Rolling Stones /Paint It, Black」。
わ、やべ。これは無理ない。
私製コンピ「Ultimate British Hard Rock & Heavy Metal」の一環でござる。
エントリー・ナンバー3。1,2は昨日讃えさせてもろたキンクス64年の2発で。
時は過ぎ去り2年あまり。その間吹き荒れしはマーシー・ビートの嵐。えー、さすがにハードなロックでござってもハードロックですって断言出来るものは無し。同時にブレークはモッズの嵐。こちらは「Ultimate Mods」の方で暴れて貰うとして、ハードロック第3弾となると、30分悩んでこのトロッグスとなりや。
なんでまー悩むかとゆうとバンド名がトロッグスだし(^0^)。何だトロッグって。トロかな。腰が抜けます。
その代表曲かつ1発目のブレーク曲が
ワイルド・シング。
ジミ・ヘンドリクス神のモンタレーでの「燃えろ燃えろー俺のギタア」の方が断然有名だぞ、だけんどこれがあればこその「燃えろー」だ。64年にイングランドはハンプシャーで結成されております。曲の作曲者はどゆう訳かフォーク、カントリー畑のチップ・テイラーさんっておじちゃん。地味に派手な歌詞のこれを、派手に派手でやらかしたのがミソ。ハード&メタルの重大要素、どでかい音でギャグ爆発があるからの、エントリーだ。
何と言ってもリフだ。
じゃーじゃーずずじゃんじゃん、じゃあじゃずずじゃんじゃん
の犬でも3秒で覚えられる強烈物。
世に”スポーツ・ロック”とゆうジャンルがあるらしく、「メジャー・リーグ」だっけ映画で使われて以来、あれはジョーン・ジェット氏のヴァージョンだったか、9回裏2アウト満塁のテーマでもあるな。
弁解しません「バカロック」です。

ワイルドだぜ お前は俺のハートを歌わせる
お前は全てをグルーヴィに変身させる
ワイルドだぜ

ワイルドだぜ 俺はお前を愛してるらしい
でもさ それは確かなことだと思いてぇ
カモン 抱いてきつく
好きさ

ワイルドだぜ お前は俺のハートを歌わせる
お前は全てをグルーヴィに変身させる
ワイルドだぜ

ワイルドだぜ お前は俺をぐいぐいさせると思う
でもさ それは確かなことだと思いてぇ
だからカモン 抱いてきつく
好きさ

ワイルドだぜ お前は俺のハートを歌わせる
お前は全てをグルーヴィに変身させる
ワイルドだぜ

ワイルドだぜ

シェキシェキ ワイルドだぜ

ああ、ワイルドだ。30分、ハード&メタルに入れていいのか悩んだのは、間奏にあり。だってリコーダーなんだもん。しかもどうしたらいいのかのフレーズ。誰が考えたのだろうか。その方は”ロックの殿堂”に入ってね。
ワイルドだぜ。
グルーヴィ、べいべ。
あ、ギター・コードはA、D,E,Gの4つも有ります。ご自由に。
(山)2005.4.16

試聴はここで

4/16(日)
紫の煙だ
cover
Purple Haze
Jimi Hendrix Experience
1967/3

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングル」は
Purple Haze/紫のけむり
Jimi Hendrix Experience
です。
私製コンピ
「Ultimate British Hard Rock & Heavy Metal」
エントリー・ナンバー4。
ナンバー3のトロッグス「ワイルドだぜ」から1年、海の向こうからとんでもない黒い怪物がやって来ました。まずは67年正月早々に「ヘイ・ジョー」で壮大なるイントロを。最高位6位までかます。泣くよウグイス、ヘイ・ジョー。そして間髪入れず3月にUK人民を完膚無きまでに叩きのめす一発が登場だ。初登場35位。4月下旬には最高位4位まで登りつめる。その時の1位気になりますかい。
私も。
サンディ・ショー嬢のパペット・オン・ア・ストリング。何かむかつく(^0^)。
2位はナンシー・シナトラ&フランク・シナトラ父娘のサムシン・ストゥピッド。
これは逆らうと抹殺されてしまうので、当然です2位ではい。
3位はモンキーズ「A Little Bit Me A Little Bit You」。
これはもう、モンキーズだからしゃあない。
で、もひとつ、何が気になるって日本盤シングルジャケに書いてある「第51回記念祭」の文字。えー、このシングル持ってませんので、ある筋から秘密諜報部員木工ボンド氏に頼んでゲットしてもろたのですけど、何なんだ記念祭。51回って第1回は1916年だろが。気になる。
はともかく、すげー曲であるってえことは皆さんには釈迦に説法ですね。これで始まるニュー・ロック、サイケ、ハード・ロック、ヘヴィ・メタル、しかもブルースでファンクで、何よりジミ・ヘンドリクスが始まった訳でこりゃ大変なことだ。
私だってバンドでカバーしたぞ。コピーじゃ無くてカバア。「♪カモは美味い、とても美味い、えらく美味い、だからいつも鍋ね」って歌詞だ。ボコっ、バカっ、ズゴ。ひとしきり殴られたところで
大体、このイントロは何なんだ。
ゴッゲ、ごっげ、ゴッゲ、ごっげ
って。どこからこんなん出てくるか。責任者出て来い。
で、ギョガグガー、ダドデドオ、ぶんっ
ギョガグガー、ダドデドオ、ぶんっ
ジョドグガー、ネボバボー、ぶんっ
チョチャチャチョ、ぷぱ、ボベゲマー、ぼーん
って、古今和歌集の和歌みたいじゃないか。
「ひとめらに けこすてて めしかまし くいそこね おもいあまりに めしさんばいくらう ぶん」
で、
ヒップホップ・リズムのカッティングが鳴り響き
登場するのが
♪こぶ平♪
お前かーー。
違います。
パーポー平次でも無し。

紫のもや 全部一杯俺の脳みそに
最近何でも同じには見えなくなってしまってよ すいません
バカなことしてしまいます でも一体なんででしょ
弁解してる間にお空にキスしましょ

紫のもや そこらじゅう
盛り上がろうが盛り下がろうがオラしらね
俺は幸せ?それとも悲惨
まあ何にしてもオナゴがおればけっこう

あー
あー

紫のもや 目の中にいっぱい
昼だか夜だかわかんね
お前は俺をぶっとばしたな 心まで
明日のことですか それともこれでもう仕舞いですかい

へっみー
へっみー
♪ 
パルス及び発信音のギタアソロが鳴いてます。
仕舞いじゃありません。始まりです。

(山)2005.4.16

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4/17(月)
憑依された男
cover
Mahogany Rush IV
Mahogany Rush
1976

シリーズ「ギター屋」

*フランク・マリノ氏率いる3人組マホガニー・ラッシュの1976年の4thアルバムです。
マリノとは申してもネプチューン名倉の嫁さんとは多分違う。多分。(顔だけ合成した写真作ろうかと思たけど名倉氏に血相変えて突っ込まれると怖いので中止)。フランクの方のマリナさんは1954年8月22日カナダ生まれ、10歳の時からドラムをやっておったそうですけど13歳の時にギターに転向、何故ってあの男が眼前(つうか耳前)に現れたからだ。
ジミ・ヘンドリクス翁。
惚れて惚れて惚れちゃったのよー。鬼のように練習をばして71年にモントリオールで自身のバンド、マホガニー・ラッシュを結成、デビューと。その時御年17才。
惚れた相手が相手です。あまりにも巨大なジミさん。最初から「あ、フォロワーだ。」って一言で指差される運命なり。指差され仲間としては海を渡った英国のロビン・トロワーおじさん、
そして直弟子つうかまとわりついてかわいがって貰った甥みたいなアイズレー・ブラザースの末っ子アーニー・アイズレーちゃん。
それぞれにハマリ様は甲乙付けがたし。ロビンさんは顔が怖かったので、ハマりながらも己の音が顔のように自然と出て自分の音楽を邁進し、アーニーちゃんは格好までまんま、おじさんみたいになりたいようと心底思ったと想像しますが、何しろ兄貴とやってる音楽がソウルでファンク。そこでやる道を見つけるしかありません。
危険度からいやあ、マリノ氏が一番やばい。思春期からずっぼりだし。下手すりゃアーニーちゃんみたいにルックスまでそっくりにして、曲もジミさん丸コピー、となると・・・確実に音楽としては楽しみ方が違ってくるわ。日本にもおるようで、何回か私もTVで見たことあります。気持ちもよくわかり、楽しいのは楽しいけど、やり手も聴き手もある了解の元楽しむって感じとなるは仕方が無し。うーむ。私は金と自分の人生の時間を使って見る気にはちょっとならないかな。
マリノちゃんにはさらなる才能が有りました。ならば亡くなった師匠の意志を継ぐのが心の弟子の使命じゃ。壁に貼ってるポスターのジミ先生は目でしゃべってる。お前の音楽をやれと。
苦悶しながら激闘し、その結実がこの「4」であります。
共に戦ってくれる友は二人
ベースのポール・ハーウッド氏
そして
ドラムスのジム・アユーボ氏
師匠がやり残した道、ファンクをもぶちかまし、聴いて下さいこの音を。
私ならこうやります。聴いて下さいこの音を。
とあっちの世界のジミさんと会話してるがごとく。
そしたら5曲目「雨が降り始める」あたりから
師匠が降りて来た。我慢出来なくなって。
マリノ氏に憑依して、共に弾くのだギターを。最早意識しててめえの音楽をやろうとか考える必要も無し。
身を任して出来たこれが。
最高に素敵です。
うらやましい。

曲目等詳細

試聴はここで

4/18(火)
さわやか革命
cover
Pretzel Logic
Steely Dan
1974

シリーズ「steely dan 探検」

*スティーリー・ダン、1974年の3作目
「プリッツ屋さん事情」
いかにも寒そうな公園で、しかも寒過ぎて誰もいなそう。売らなきゃ生活出来んのよの事情。裏ジャケを見ると遠くにエンパイアステートビルみたいなのが。とするとここはセントラル・パークなのかな。などと想像。行ったこと無いもので(^0^)。邦題は議論沸騰
「さわやか革命」
です。まるで中身と関係ないみたいだけど、何か言いえて妙みたいな。好きだな俺は。
えー、もう30うん年、何回聴いたことか。確実にこれからも何回も聴く。家でも車でも。とにかく好きで、えー何を書いたらいいかわからない。わはは。
中ジャケをご覧下さい。
とりあえずメンバーの5人の姿が。かっこ悪いです。どうにもかっこ悪い時代のダンの大傑作。イメージは田舎都会。前作は2ndらしく挑
戦先鋭のブツでした。3枚目はゆったりと楽しむ。どこか懐かしい感じがするのはデビュー前に書き溜めてた取って置きの曲をここに開陳ってこともあるか。田舎の空気を醸し出しておるのはジェフ”スカンク”バクスター氏のスティール・ギター大活躍てのがある。
何つってもキラー完璧シングル「リキの電話番号」で幕開け。こちらで無謀にも歌詞解析に挑戦して爆死。
2.夜また夜
・・・「点線ライン」の空耳入り。ずううっと先まで見据えたダンのハードボイルド夜の都会ソングです。覚悟して歌に精進するフェイゲン氏の目が据わる。
3.Any Major Dude Will Tell You
・・・「寝坊しな」の空耳入り。タイトルはどう訳さばええのかな。「どんなその辺の奴だってアンタに言うだろう」かな。2.の追われるサスペンスに比べるとずっとリラックスして。夜ベッドに入る前の空気が漂います。歌詞はけっこうキツそうなのが怖い。
4.バリータウン
・・・デビュー前のデモでこの曲のヴァージョンを聴きました。ですから骨格はピアノで弾き語る裸の歌。数々のゲストを迎えて空想のバンド、スティーリーダンの音楽をし始めたのがこのアルバムからだけど、この曲は始まりの始まり。こんなシンガーソングライターなダンちゃんはこの盤で聞き納めです。愛しい。歌がまた。牧歌な感じに逆らうように喰い付くように歌う。ジョニー・ロットンのように。
「穴」の空耳入り。
5.イースト・セントルイス・トゥードゥル・オー
・・・唯一のインスト、そしてカバー。NYの音楽王者と申せばデューク・エリントン伯爵です。やりました田舎都会ヴァージョンで。バクスターさんがおらなかったら出来なかったこの楽しいヴァージョンは。いぢる必要も気持ちも無く嬉しそうにカバってるからこっちも嬉しいすよ。これでエリントン伯爵の音世界に入場した人は世界中に135万6238人いるらしい。私もそうです。
6.パーカーの楽団
・・・パーカーってのはペネロープの運転手さん鳥塚ひでき氏・・では無くて、モダンジャズ始祖アルト・サックス奏者のチャーリー・パーカー氏です。これまたベッカー&フェイゲン両氏のアイドルに相違なく

サヴォイ社がお送りするはニューなサクソフォーン・センセーショナル
それはパーカーの楽団!スムース・スタイルのシンコペーション!
カンサス・シティが産みそして育てた
彼ら小僧達が吹いてるさま、貴方は信じられないでしょう。
さあおいでおいで
そしていかがですかい ミスター・パーカーの楽団を

モダン・ジャズでやるんじゃ無くて、歌詞の通り戦前の新聞のラジオ広告CMみたいな感じでやるとこが憎いねこの。
「出歯ガメ女出ろー」の空耳入り。
7.スルー・ウイズ・バズ
・・・・「騒音をくぐり抜けて」って意味かな。騒音ならぬ甘美なストリングスをくぐり抜けて。1分半、正にくぐり抜け。
8.プレッチェル・ロジック
・・・シングルカットされ全米最高位57位。よりによってこのヘヴィなブルースをカットするとわ。完全ブルースなれど、サビになると謎のコード展開でダンに変身。多分ウルトラセブンス・コードを使っているのでしょう。じゅわ。

南部への旅は好きだろうかと
ドサ廻り一座に加わっての
そうさ、南部への旅は大好き
ドサ廻り一座に加わっての
そう俺は星になって死にかかってるところ、やつらを笑わせるために
サウンドは正にフォノグラフのレコードのようで
去りし日は永遠に遠く
遠い遠い昔にとっくに おいえ

俺はナポレオンに会ったことは無い
でもそうしようと計画を練った時はあったぞ
俺はナポレオンに会ったことは無い
でもそうしようと計画を練った時はあったぞ
だってヤツは丘の上にそそり立ち、えれーかっこよかった
やつらは俺に彼は寂しいヤツだって言う 彼はまだ寂しいのだと
去りし日は永遠に遠く
遠い遠い昔にとっくに おいえ

俺はプラットフォームに踏み込んだ
男が俺にニュースを教えてくれた
やつは言った「馬鹿げた話だけどよ
その靴をどこで手に入れたんだい?
その靴をどこで手に入れたんだい?」
「ああ、俺はTVか、映画で見たんだ」
人は言う、時は流れ変わると でも俺にはわからない
去りし日は永遠に遠く
遠い遠い昔にとっくに おいえ

いつプリッツ屋さんの事情が明かされるかと、全部訳しちゃったよ。
「xん毛」と「死ぬまでTV」の空耳入り。
9。ウイス・ザ・ガン
・・・ダンのウエスタンだ。ここだけで聴けるんだよ。ダンのウエスタン。
10.チャーリー・フリーク
・・・この曲もデビュー前デモで印象的だったもの。どかんと真ん中にピアノ。ですからずんどこ期のロクシー・ミュージックと共通してたりして。何とも言えませんこの空気。チャーリーはチャップリンかまたまたパーカー氏か。時はクリスマス。ジャケットの絵につながります。「イエス・ジャック!!」の箇所。
11.モンキー・イン・ユア・ソウル
・・・ラストはものすごーく「続く」の印象が残ります曲、おめーの魂の猿。この続くの感じの為、最初に戻ってエンドレスにまた聴くか、次のアルバムに容赦なく続いてしまう。計略に違いないこれは。

「aja」がえいじゃとダンに入場した方が次に聴いたらこりゃ何じゃとなるかもよ。責任は取れません。
でも74年のダンは容赦無くダンです。
もろですダン。じゅわ。

曲目等詳細

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4/19(水)
おーままままー
cover
栄光のグループ・サウンズ
オリジナル・ゴールデン・ヒット
1975

シリーズ「GOLDEN 60'S」

*その頃(どの頃だ)日本ではGSだったのです。
昭和41年から昭和44年頃までの約4年間。わたしゃ35年生まれだから、6歳から10歳までの栄光の小学生時代だ。洋楽聴き始めは13歳なんでウルトラQ、ウルトラマンを見ながら音楽はこれだったんだな。興味はまるで無かったけど。怪獣とプラモデルに夢中で。まあ当時の男の子なんてーもんはそんなものだ。しかしこうしてオムニバスを聴かば、知ってる知ってる、あの曲もこの曲も。算数のつるかめ算はさっぱし理解出来なかったくせに歌は脳裏に焼き付いてるらしい。らしいどころか、おそらくこれらの歌の数々は気付かぬ内に今に至るまでの音楽嗜好に影響を及ぼしているかと思うと恐ろしくて夜はぐっすり。愛憎半ばしてるような気がする。こうゆう感じが嫌で洋楽好きになったから。同時にときめいてしまう。ロックでGS味のものがえらい好きなのです。モノクローム・セットとかREMとか。原体験とは怖いぞ。小学生のお子様をお持ちの親御さんは心するように。気が付けば親の意向に逆らって嫌ーな音楽ばっか聴くように。「うるせーそんなもん聞くなっ」と歴史は繰り返す。
妙な感じが終始付きまといます。知ってるヤツは懐かしさが先にたつつうか、懐かしさだけになってしまう。
「オー、ママままー、神様おねがあいだー、好きさ好きさ、森とんかつ泉にんにく、かーこんにゃく、まれ天ぷら、若さゆえー」
と全部丸ごと混在の記憶。
一方、知らんものは、完全新譜状態。全然違って聴こえるつう。時代が違えば人も違うまるで想像も出来んからこりゃ洋楽とおんなじだ。
とゆうことで、「懐かしさ」だけの皆様と「まるで新譜」の皆様と「両方で妙」の皆様と三者かと思われます。
って、当たり前か。洋楽も同じさ。
ジャケを貼ったのは75年に出たオムニバスです。
栄光のグループ・サウンズ / オリジナル・ゴールデン・ヒット
GSつうのは何だ。歌謡曲でもない。しかしてロックでも無いような。グループ・サウンズってジャンルなのね。ビートルズ来日で堰を切ったように現れたつう。素晴らしいネーミングで、まず形から入ったことがわかります。グループでサウンズ。電気ギター持ってグループでやる。歌入りで。ヴェンチャーズの時代の次に。しかして、ここは日本ですからR&Bだのブルースだのロックの元の元はちゃぶ台でメシ喰ってた若者に縁があったようにはとても思えず。直接マーシー・ビートの薄〜い香りだけを参考に女子に持ててやるって目的だけでやった感がこれ充満。本来根に持ってます歌謡曲の血とそれがざっくり混ざった相当生々しさござる。
スパイダースの「夕陽が泣いている」を聴いてみましょう。
これを33回転スピードに落として聴けばキング・クリムゾンの「ムーン・チャイルド」になります。メロトロンの妙なる調べが鳴り渡ります。まだ出て来てないけど(^0^)。
ジャガーズの「君に会いたい」を聴いてみましょう。
「ファイアー〜〜〜」って叫びたくなります。あ、こりゃREM。
スパイダースのかまやつさんの曲が今も生きます。かまやつさんの曲はロックです。
やたら困ってしまうのはパープル・シャドウズの「小さなスナック」です。おそろく俺が一番嫌いな類の音楽。であるにも関わらず脳裏にこびり付いて離れない。ふと気付けばくちづさんじゃうじゃないか。誰か助けてくれ。名曲なんだよきっと。時代がいつであろうと名曲の力はストロングだぜ。だから神様お願い、助けてー。
で、これには入ってないけど
モップスの「たどりついたらいつも雨ふり」
を引っ張り出して聴く。
一気に「傷だらけの天使」の世界に。
これは完璧なシングルです。
なるべく鈴木さんの顔を思い出さないようにして。

で、結局、インパクト大賞は、今も昔も

♪お前のすべーってを♪

このシャウトは大爆発でござんす。

文章いつもにも増してまるで脈略なし。しかも何やらやましいつうか情けないつうか、困った気持ちになっちゃった。
音楽だけでなく色んなものを連れて来ちゃうからだなきっと。

曲目等詳細

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4/20(木)
モダンポップだ
cover
G-Force
Gary Moore's G-Force
1979

シリーズ「ギター屋」

*北アイルランドの寺内タケシことゲイリー・ムーアちゃん(岩顔兄弟)のソロ3rdアルバムにしてGフォース冠バンドの唯一盤です。先日開始した「ヘヴィメタとは何だ」パート1のオムニバス「メタル・トレジャーズ」にも入ってましたのを幸運にもやったその直後ゲット出来たぞ。やれ嬉しや。聴いたらまー。

ほんとゲイリーさん、貴方にはびっくりさせられっぱなしです。

ネックが折れるんじゃないかつうグワシ・ギターは不変ながらその音楽はっ。「メタ何」パート2の「ヘヴィメタル・エクスプロージョン」で3曲大フューチャーはこの前のアルバム「バック・オン・ザ・ストリーツ」。そこではワイアードみたいな格闘メタ・フュージョンだで。あんたは一体・・・すげーと驚き、同年79年、アメリカに渡って現地米人ばっかのこの盤Gフォース。
ノッてます。
気合入ってます。
ジャケで力こぶ。はいいけれど隣でカマ・ポーズ決めてる人がいて台無し。誰なんだ。お姿皆さんジャケに載せて貰たのに裏ジャケ見ても曲
目しか載ってません。いやん。その隣の方はその顔相からしてベースさんだな。問題は一番左の人で。
すげー人相。子連れ狼かはたまたダイ・ハードとかに悪役で登場してナイフで人質を顔の表情一つ変えずにカッっとかやりそうな。
怖いよ。
多分、ドラマーのマーク・マシーフさんとゆう方か。元エルフでソロも出してる、イアン・ギラン・バンドでも叩いていたのか。まずこの顔なら無敵だ。
レーベルはミドルなヘヴィメタさん及びミドルな英国音楽屋さん達の梁山泊「JET」から。ここから出してしまうと売上げはまずもってせいぜいミドルになってしまうつう運命が。
気合は入れどお茶目も忘れてません。レコード盤のレーベルには「SIDE 7」「SIDE 8」だって(^0^)。6まではどこだ。
で、7面の1曲目は
「YOU」。
やばい中身が違うレコードが入ってると一瞬焦る。中古LP買うと千分の5の割合で遭遇するんで。でもな、この声はムーアちゃんみたいだし。やっぱそうか。「ゆー」って歌ってるし。
POPなんです。
あんたこりゃ間違えればヒットしちゃうじゃないか。
そうこうしてる内に、あのアタック強すぎて弦が発振しちゃってるギタアソロ登場。
紛れも無し。ゲイリー父ちゃん。
2曲目で「ホワイト・ナックルズ」。おー、これだ。オムニ「メタルお宝」で入ってたヤツ。北アイルランドの寺内タケシ君に相応しき弾きまくり。やー気持ちよか。
歌も歌えるんだよなあ。顔の岩そのものの声で。ギタリスト歌手としてかなり上位横綱だと確信いたす。
これがシングル・カットされた模様。
3.の「シーズ・ガット・ユー」で、あら?と思い出す。何かの臭いがして来た。堂々たる大バラードです。
途中からレゲエになるよ。メタル・ファンは腰抜けるか。レゲなんて一生縁が無いかもしれんからなあ。しかしてソロになるとレゲぶっ飛ぶ。ぎゅうぃーん。ぺこぽこぷこ。どじゃー、きゃーーーん。
7面ラストも大バラード。益々、あの臭いがして来たでは無いか。悶える。この感じは。



あれだ。オーツ&ホールだ。
「赤い断層」「モダン・ポップ」の頃の。
でもさ。「赤い」は78年、「モダン」は79年。パクるにしては早過ぎる。プロデュースはええと、デビッド・フォスター氏?いいんやゲイリー父さん自身だな。隣のスタジオでレコーディングしてたとか。謎だ。
この頃のLAの空気なのか。
8面に突入してアッパーな曲が登場。
「ビコーズ・オブ・ユア・ラブ」。これまたシングル・カットOKの大POPチューン。一つ間違えれば歌謡曲入り喜ぶ。
こうゆうチンコチンコ・シンバルに弱いっす。
続く「ユー・キスド・ミー・スイーティ」もアッパー。レインボーの曲をダリル・ホール氏が歌いみたいな。ストリングスの辛味がH&Oまんま。こうゆうハードなのホール氏やりたかったに違いなし。組めば良かったのに。
しかも甲乙付けがたしのモダンポップな音楽です。
7.ホット・ゴシップで、もうトドメ。こりゃ担当はジョン・オーツ氏。歌わせて上げてー。リフにマリンバ使うとは。ツボだよー。リフレインの「ホ・ゴシッ」もバシと決まり、裏サビもピシと、ツインな短いソロも。
完璧なシングルだ。ちゃんとプロモートすりゃ大スターだったに。ゲイリーさん。
8.ザ・ウーマン・イン・ラブで・・・もう笑うしか無し。今度は「ロックン・ソウル」時代のホール&オーツが。こりゃ確信犯だぜ。好きだったに違いなし。サックス・ソロまで登場。もちろん弦ストリングスも。
9.ダンシンは「モダン・ポップ」内に納まるハード・ロック!

しつこくてすまぬ。しかしてこの盤、一番にお奨めしたいのはオーツ&ホールのファンの皆さんです。
当人達は聴いたのかな。
一大決心、大陸に渡ったからには、制覇してやるの意気込み相当だったに違いなし。POP名曲だらけ、裏ジャケでは「やったるで」の拳突合せも。
しかし、アルバム、シングルともチャートにかすりもせず。
こりゃショックだったろうなあ。今ようやっと聴いて、俺だってショックだよ。
今からでも何とかならんか。

曲目等詳細

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4/21(金)
俺達だ
cover
We're an American Band
Grand Funk
1973/11

シリーズ「直球野郎一本勝負」

*アメリカン・ロックの魅力といやあカラっと湿度無しスコーンと抜けた青空の魅力だぜベイベ。そんなメリケンな快感の全てを毛穴全部から放出してるのがグランド・ファンク・レイルロード。
1973年必殺のアルバム「アメリカン・バンド」です。
てめえで宣言してるからもう間違い無し。
6年3組の朝のホームルームで先生が言いました。
「お前たちー、今度班ごとで卒業記念の何か作ることになりましたー。そんでほら、そこのフランドファンク組ー。君たちは元気があるのはいいけれどどーもおっちょこちょいなのがいかん。今回は東から転校生のキテレツ・トッド君と一緒にやるように。」
「はあい。」「仕方ないなりー。」
「あ、それと馬鹿がもう一人増えるけどもう一人転校生のクレイグ・フロスト君も一緒にね。キテレツ君のゆうことをよーく聞いてやるように。」
とゆういきさつでそれを言った先生は多分水谷アキラ豊先生であろうが、渋々承知したマーク、ブリュウワー、メルの3人組。どうなることやら。
そしたら思いのほかキテレツ・トッド君愉快なヤツで、うるさいことも言わんし、「さーどんどん好きなように演ってぇ。」って。「わーい。好きなようにやっていいのー。」って嬉しくてノリノリでどかどかやりました。
「もー、いいよー。外で遊んでちょっと待ってて。」
「え、いいの?じゃ馬に乗ってくるから。」「俺はバイクで女子を追いかけるぜ。」「俺は釣り。」
2時間後、お腹が空いたので戻って見ると
「あ、みんな、出来たよ。聴いて聴いて。」
ってみんなで聴きました。先生も心配になったのでやって来て一緒に聴いたよ。
そしたらまー、なんとゆうことでしょう。あれほど好き勝手にやった演奏が見事に作品になってるではないでしゅか。
「さすがキテレツ君は真実の魔法使いは真実のスターだねえ。」
と感心。
その作品は全校で優勝して、全国でも優勝して、全米でも優勝しちゃったよ。
本当はさ、俺達の班はグランド・ファンク・レイル道路ってゆうんだけどさ、表紙作る時に「レイル道路」書くの忘れちゃってさ。
ま、いいか。中にレイルロードって曲入ってるし。
裏ジャケに一応曲目書いたんだけどそれも滅茶苦茶順番になっちゃった。ま、いいか。聴きゃなんとなくわかるべ。
中ジャケは、そりゃも俺達はアメリカン・バンドだからよ、星条旗にプライド裸祭だ。まいったか。
で、「おめーたち」マークだ。
これだ。
これでもいいんだけどよ。
これじゃ「グワッシ」マークだとファーナー君がシャウト。
何のかんの自分達で面倒なこと考えずに済んだんで、キラーな曲が出来ただよ。
そりゃタイトル・チューン
「俺らアメリカン・バンド」。
わー、初めて全米1位になっちゃたよ。
よっしゃ、次に何をカットしようかなー。よしそりゃも「ブラック・リコリス」に決まってるだろが。丁度31アイスクリームのそれ食ってるし。すげー味で口真っ黒。
って、言ったのに、誰か間違えて「ウォーク・ライカ・マン」カットしちゃったよ。ま、いいか。
勢いで全米最高位19位。
いつものようにやっっちゃってる曲も無いでは無いよ。でもそれがよ、何とまあワンダホに変身。
ワンダホな曲はよりワンダホに。「レイルロード」なんてもろグラファン音、6分長尺だけんど、緩むことなんかねえぜ。
それもこれもキテレツ君のおかげです。
オルガンの音がまた来てて、フロストちゃんも泣いて喜ぶ。
クレージーな野郎どもとクレージーなPOP知り尽くし大百科の出会いが生んだ大輪の鼻、いや花ここにあり。
これから梅雨を迎えるに当たって、お早目の準備怠ること無きように。

曲目等詳細

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4/22(土)
だつごく
cover
Whiskey In The Jar & Jailbreak
Thin Lizzy
1963-1976

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
ウイスキー・イン・ザ・ジャー
そして
脱獄
シン・リジー、1973年、76年のキラー2発です。
かねてより製作画策中の
「Ultimate British Hard Rock & Heavy Metal」って私製コンピ。
最初から行ってみようとキンクス、トロッグス、ジミ・ヘンドリックス翁と続けさせてもろたのはいいけれど、何せ順番にキチンと整理立ててやるつうことが丸で駄目男なワシなもんで、飛ぶ。びょーん。後でまとめりゃ何とかなるわいの。
だから、シン・リジーです。メタルかー?となると???マークがエンドレスに点灯しちまうは必須。強烈なリジー・ミュージックとしか言えん。しかしてブリティッシュ・ハードだぜとは高らかに言えるぞ。ロック冬の時代だった、70’s中盤のUKチャートで、ステイタス・クオーと共に踏ん張るはこの方たちなり。言ってみりゃ鬼っ子だがんね。ハードが駄目、メタルも駄目って人にも行けちゃうのだ。ライブにはさぞかし無茶苦茶な風体の方が集まり燃えていたのであろう。リジーが好き一本で連帯する。音楽の力でそれは最大のものかと思います。一歩外に出たら殴り合い??でも。それでも、それだけでもいいのだ。
そんなシン・リジーの最初のヒットが1973年1月4週に35位でランクインの
Whiskey In The Jar
最高位6位。アルバムは「西部の天才バカボン」、70年に結成、71年にデラム・レコードからデビュー、3枚目のアルバムにしてようやく出ました大ヒットです。もうギリギリぽん状態だったに違いなし。3人組だった訳でギタリストは初代エリック・ベルさん。この成功の結果を待つに待てず脱退しちゃう。オリジナルはトラッドです。同郷の最初にチャート・ヒットを連発したトラッド・バンド、ダブリナーズのヴァージョンがアイルランドでは夢の曲だったに違いなし。録音は3人だけでマジで決行、リノットさんは生アコ・ギターを弾いている。ってことはベースレスな訳で、すっかすか。何でベースをダビングしなかったんだろうか。予算が無かったのかー。一発録りみたいな。まさかな。そうかもしれん。デラムひどすぎ。で、それがヒットしちゃうんだから世の中最高な面もあるぜ。すっかすかだけんど、聴けば聴くほど「これでいいのだ、悪いか」となる。さすが西部の天才バカボンのパパなのだ。ダブリナーズの方は正に正調トラッド。酒飲みの与太歌。リジーの大発明はエリック・ベルさん考案(多分)のギター・リフなのである。それをそのまま受け継ぎ、メタリカがアルバム「ガレージ・インク」でカバー、1999年2月に英国でも最高位29位のヒットとなる。メタリカはこれまた受け継ぎながらも正調メタリカ、「うんにゃ」炸裂なのはさすがだ。

俺はコークとゆう地、そしてケリー山脈にその時望んだのだ
俺はファレル船長に遭遇した ヤツはてめえの金を数えていた
俺は最初に自分のピストルを懐中でまさぐり、そして俺の剣をいざ抜かんと欲す
俺は言ってやった「そこにいな。お見舞いしてやるぜ。」
しかしてヤツは悪魔の所業を選択したのだ

ミューシャの指輪はダムドゥーダ
俺の親父をぶちのめし お
俺の親父をぶちのめし お
瓶入りウイスキーがござい

俺はヤツの金を全部巻き上げ そいつはけっこうな数のペニーだった
俺はヤツの金を全部巻き上げ 俺はモニーに家を買ってやったさ
彼女は俺を愛すると誓ってくれた 絶対に離れないでいてくれると
でも悪魔の所業が彼女を襲い お前にも想像つくだろう
彼女は俺のことをないがしろにしやがった

ミューシャの指輪はダムドゥーダ
俺の親父をぶちのめし お
俺の親父をぶちのめし お
瓶入りウイスキーがござい

しこたま飲んでフラフラの俺は、モリーの部屋に行った
懐に金を忍ばせて そいつがとてもヤバイってことを俺はまだ知らず
たしか6時か7時だったか ファレル船長が入場
俺はサッと飛び上がり ピストルをぶちかます 2丁拳銃でな

ミューシャの指輪はダムドゥーダ
俺の親父をぶちのめし お
俺の親父をぶちのめし お
瓶入りウイスキーがござい

まあ魚釣りが好きなヤツもいりゃあ、鳥撃ちが好きなヤツもいるさ
大砲の唸る音が好きだってヤツだっている
俺か?俺はとびきり俺のモリーの部屋で寝るのが好きだよ
でも俺はここ、刑務所にいる ここで俺は鎖と重石に繋がれた身だぜ いや

ミューシャの指輪はダムドゥーダ
俺の親父をぶちのめし お
俺の親父をぶちのめし お
瓶入りウイスキーがござい

歌声がブルース・スプリングスティーン兄貴に似てます。この時から大西洋をまたいでボール・アンド・チェインで繋がれていたのか。

このヒットが幸いしてか、マーキュリー・レーベルに移籍、バンドも新体制となり、スコット・ゴーハム、ブライアン・ロバートソン両氏豪腕ギタリストが加入しての最初のアルバムが翌74年の「ナイトライフ」。75年「フィイティング」と快作が続き、満を持してのブレーク・シングルが
「ヤツらが町へ」
でこれは最初のリジー完璧で感謝いたしそうろう。

最早向かうところ敵無しも、決着をつけねばならぬ。それが76年アルバム「脱獄」からのタイトル・ナンバー、シングル・カット
ジェイルブレーク
だ。瓶入りウイスキーの男がムショから帰って来るぜ。

ざ・だだどど・だ どどだど ざ・だだどど・だ どどだど

今夜脱獄は決行される
この街のどこかで
俺を見ていろ 俺達がむかつくガキども
だからやってやる 腹くくってな

腹ばいになって 右左と見渡し
もしお前が俺達がやってくるのを見つけたら
逃げるが勝ち 俺が言うことがわかるか こっそり教えてやるぜ

今夜脱獄は決行される
この街のどこかで
今夜脱獄は決行される
その辺でウロウロしてるな

その辺でウロウロしてるな

今夜トラブルが起こるぜ
何人かは生き残れないだろうな
ガキどもよ 見ていな 俺のヤバい仕事を
確実に命のやりとりだぜ

逃げ道でバオバオ吼える犬の鳴き声
地獄全部がドバっと 警報とサイレンが鳴り渡る
ゲームみたいなもんだ もしお前は負けても
ムショに逆戻りするだけ

今夜脱獄は決行される
この街のどこかで
今夜脱獄は決行される
その辺でウロウロしてるな

今夜トラブルが起こるぜ
俺はその真っ只中
今夜脱獄は決行される
だからオナゴども 集まっておとなしくしてな

それが安全とゆうものさ

決行!!

(うおーーーーーーん)
(じりじりじりじりじり)
(わんわんわんわん)

ざ・だだどど・だ どどだど ざ・だだどど・だ どどだど
ざ・だだどど・だ どどだど ざ・だだどど・だ どどだど

今夜ムショ破りがあるぜ
街のど真ん中で
誰が俺達を止められるってんだ
できねえ相談だ

俺の逃げ道にサーチライト
今夜その夜 まるごとシステムダウン
へいユー イケてるネエチャンだね
こっちへ来いや!

今夜脱獄は決行される
この街のどこかで
今夜脱獄は決行される
その辺でウロウロしてるな

今夜トラブルが起こるぜ
俺はその真っ只中
今夜トラブルが起こるぜ
だからオナゴども 集まっておとなしくしてな

ひえ、かっこいー。途中の「ブレークアウト!」から続く「うおーん」で鳥肌が立たぬヤツがおるのだろうか。
音の網走番外地なり。
最高位31位。成功も不成功も詮索無用。

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4/23(日)
今一度しろ
cover
Do It Again
Steely Dan
1972/12

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングル」は
Do It Again
スティーリー・ダン
です。
スティーリー・ダン「完璧シングル」第1回は「リキの電話番号」をやらせて貰いました。特に難しい言葉は無いものの、限り無く想像力喚起するその歌詞に歓喜&苦悩しただよ。
ぐわ、しかし、最初はやはりこれです。
ドゥ・イット・アゲイン。
ほんとの最初シングルは「ダラス」って曲で、こりゃも売上げ大コケだったから、それで「もう一回しろ」てか。そうじゃないか(^0^)。1972年の暮どん詰まり、5週にTOP40、37位エントリー。年またぎは不利にも関わらず6週目に最高位6位に。3週堅持。このヒットが出なかったら、同レーベルのオーリアンズみたいに彷徨いの実力バンドになってたかも。その後、AJAもガウチョも作れなかったかと思うとスリル満点だわ。アルバムは1st「キャント・バイ・ア・スリル〜スリルは金で買えねえよ」から。冒頭の1曲目です。
えー、我がバンド、LOVERSHOLIDAYでカバーさせてもろてライブでやらせていただきました。リズム部分はイントロのとこをサンプリングしてループで。これがまた簡単だなと思ったらとんでもハップン。短く切っても長く斬ってもずれちゃうんです。一見ステディなビートに聴こえて実は揺れていたのだ。これが人力グルーヴの魔力。機械では出来ぬ。若い衆思い知れ。って俺は機械でやっちゃった。すまぬ。何とかループ化に成功して、歌詞はそりゃも日本語で、ラテンですからムード歌謡にしてしまったよ。成功東京ロマンチカ化。ギター・ソロは私がやったつうんだから無謀に無謀を無限大に賭けたようなものじゃ。もちろんライブの1曲目。お客さん目が点。
目が点って意味じゃ、当時のヤンキーさん達も同じだったかも。こんな感触の曲今までに有ったかつうの。しかしてなんせ曲の良さがそんなハンデをぶち飛ばし、ヒットだ。魔力たっぷし、今でもまるで生命力衰えぬ、これぞ完璧シングルです。

その朝、お前はぶちかましに行く
お前の水を盗んだその男のために
そして弾丸が確実に男の体内に食い込むまでお前はファイア
しかしヤツラは国境でお前を逮捕する

そして嘆き人は皆で歌っている
お前の足を持ってひきづりながら
しかし首吊り人は絞首しなかった
そう ヤツラはお前を釈放したのだ いえー

お前は戻る ジャック もう一度するのだ
車輪は廻るぐるぐると
お前は戻る ジャック もう一度するのだ

お前が知る時 アイツが無茶な人間では無いってことを
その時お前にはわかる お前の唯一の友人が
部屋には二つの目覚まし時計
そして確かだ お前達は近くジ・エンド

その時お前は愛した ちっちゃなワイルド・ワンを
そしてアイツは悲しみだけをお前にもたらす
全ての時に、お前は知ってるだろ、アイツは笑っている
お前は明日には膝小僧を抱えているだろう いえ

お前は戻る ジャック もう一度するのだ
車輪は廻るぐるぐると
お前は戻る ジャック もう一度するのだ

今お前は誓う 蹴飛ばす そしてご容赦願う
それはだな お前はギャンブル野郎じゃ無いってことだ
そしてお前は自分がベガスに戻ってる自分を発見
その地はミルクとハネーの地だ
お前は当然のごとくテーブルにつく いえ

お前は戻る ジャック もう一度するのだ
車輪は廻るぐるぐると
お前は戻る ジャック もう一度するのだ

ご覧の通りグルグル・ループ揺れラテンビートは歌詞にしっかり寄り添ってます。
コードはEmとAm7、Bm7の三つ。マイナー・ブルースなのだこりゃ。慄然&
ハードボイルドだど。
まさに最初のダンに相応しき
このかっこつけ野郎め。ははは。

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4/23(日)
ハイチ式離婚
cover
Haitian Divorce
Steely Dan
1976/12

シリーズ「完璧なシングル」

*スティーリー・ダン「完璧なシングル」第4回は、いきなし時を飛んで、5枚目のアルバム「幻想の摩天楼」からのシングル・カット
「ハイチ式離婚」
ただし英国でだけ。突然、76年の暮にランクインして、年越して一旦下がったかと思ったら17位に急上昇、そして落ちて消えるつう摩訶不思議な現象が発生しました。謎の円盤UFOのように。
ダンの人気はブリテンではどうだったか。これ以前はぐっとさかのぼって75年の8月に「ドゥ・イット・アゲイン」が最高位39位のギリギリ・ヒット。そうです。75年です。2年ずれてる。これまた摩訶不思議。してこの後は、「ペグ」も「エイジャ」も「ディーコン・ブルース」も全くヒットせず。しかしてアルバムは全てTOP40入り。つう。一体全体。シングル・カットはやったんだよな。所謂アルバム・ロックってか。中で何故この「ハイチ式離婚」だけがヒットしたのでしょう。ままま、考えても一向に答えは出ず。英国のサイトを見てもはっきり書いておりません。
もしや歌詞に秘密有りか。解釈訳してみよ。


バブとピッカリ・ウイリーは恋愛中。
彼らはそう申しております。
ですから恋愛中なもんですから牧師さんだって顔を赤らめるほどでして。
程なくみんながみんな、それが終結したのを知ることとなります。
彼は叫びます、彼女は噛み付きます、ドツき合いは夜通し続きました。
彼女はすっかりトサカに来てしまい、出て行こうとしました。
パパが申します。

「おーノー、遠慮は無用じゃ。
涙もいらぬ、痛手もいらぬ、後悔だってする必要無し。
おー、おめでとう。
これが君たちのハイチ式離婚てなもんだよ。」

彼女はタクシーに乗り込み、最高のホテルに行きました。
「あら随分お安いざますわね。」が彼女の決まり文句。
彼女はカカオの殻に入った悪魔のカクテルを飲みます。
随分気分が良くなってからに、今夜はフィーバーしちゃうぞ
「運転手さん、どっか音楽を演ってるとこに連れてって頂戴。」
パパが申します。

「おーノー、遠慮は無用じゃ。
涙もいらぬ、痛手もいらぬ、後悔だってする必要無し。
おー、おめでとう。
これが君たちのハイチ式離婚てなもんだよ。」

洞窟クラブにて
ぎらぎら脂ぎった椅子に
てっかてかローション&ニグロ・パーマの男、チャーリーが座っている。
彼女は笑いかけて。その笑顔が全て言いたい事を代弁。
バンドはそりゃもうホットに演奏中。
有名なメレンゲで彼女達はダンス。
今は俺達は人形同然さ
そう今、闇に消えていく

そのアメリカ合衆国でのお涙頂戴の再会劇。
日に日にそんな記憶は消えていく。
中にはみょうちきりんな育ち方をする子もいるわな。
万物変化、万物増大。みんな気付いていること。
お守りみたいなもんだな。
このパーマ野郎はいったいぜんたい誰なんだよ
パパが申します。

「おーノー、遠慮は無用じゃ。
涙もいらぬ、痛手もいらぬ、後悔だってする必要無し。
おー、おめでとう。
これが君たちのハイチ式離婚てなもんだよ。」

ぎゃはは、こりゃやっぱ歌詞かも。英国風黒ジョークだがや。アメリカ人ネタだし。大ウケみたいな。
コードは
Em7 / Em6 / Em7 /
Em6 / Em7 / Em6 / E / G#m7 A B /F#m/E/C#m7
B / F#m / E /C#m7
Amaj7 / Amaj7/Bb / E /A /G#m7
F#m7/ B/ F#m7/B
A (flat 5th)/ Bbm11
Em /D6 / C6/G7/
Cmaj7/Bm7/ Em7
Em / D6/ Am/G13/
Cmaj7/Bm7 /Cmaj7
/Bm7
Em7/Em6/Em7/
Em6/
E/G#m7/A
(Em6) / Cmaj7/Em7/
D7
G /G7 /Cmaj7
F7/ G7/F7/G7
A7/C7
Guitar solo:G / F7 / C / Bb7
A7(play three times)
Cmaj7 / / Bm7 Em7 / Em6 / Em7 / Em6 / Em7 / Em6 / E / G#m7 A。
ぐお。載せて快感、何じゃこりゃ。聴いてると単純に聴こえるんだけんどもさ。レゲだし、レゲエつうのは3コード定番だってのを逆手に取手って。わざとだな。ニヤニヤ笑って楽しみながら。
ドラムスはオカズからして神様バーナード”プリティ”パーディさん。レゲでも揺れてグルーヴィ。
ベースはチャック・レイニーおじさんか。モジョー。
得意そうにヒットさせてる英国民の顔が見えます。
80’s以降、この傷は深々と刺さる模様。

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4/24(月)
暗黒への曵航
cover
Point of Know Return
Kansas
1977

シリーズ「プログレ支部」

*アメリカン・プログレの東横綱と来たらカンサスだ。
カンサスと来たら「伝承」でんしょ。そして「すべては風の中に〜ダスト・イン・ザ・ウインド」。おお、完璧なシングル。
が入っていますアルバムがこの
「暗黒への曵航」
原題
Point Of Know Return
ノータリーンじゃ無し。マリリンモンローのーたり〜ん。問題です。「暗黒への曵航」、読めますか?多分「あんこくへのえいこう」だと思うが心配になってネット辞書を引く。うわ大辞林 第二版 (三省堂)には載っておらん。つうかどこにも。いや絶対えいこうだなB子じゃ無い。ネプリーグの「漢字でどかん」のコーナーでも俺はそう答えるぞ。
はともかく、76年「伝承」入りブレーク・アルバム「レフトオーバーチュアー」に続く、ノリに乗ってる天辺状態カンサスを監査する。なんちゃて。
ジャケを見てピンと来たら貴方は相当なファンです。エドガー・アラン・ポーの。「こ、これは」と小説題名まで即座に出たらすげえ。12分間私は悶えてあ、あれだ。「瓶の中の手記」だ。確か、難破した船乗りさんが、ある船に助けられた。助けられたはいいけんど、その乗組員は生きた屍のような連中ばかり。これは幽霊船か。ひたすら南へ南へと向かう。そしていよいよ果ての極地へとさしかかった時・・・・。その結末はここでお読み下さい。すらすらっと。読めるかー。えージャケのような状態になる訳です。怖いです。
そしてその状態を喝破した曲がアルバム・タイトルでも有り、1曲目の
「帰らざる航海」。
シングル・カットされ最高位28位にまで登りつめましたが、これはやっぱ「完璧なアルバム1曲目」だと思う。はたして内容はポーしてるのであろうか。

私はその男達の話を聞いた
船長は言う
「報酬は沢山だぞ」
そして
「俺達は海切り開く船乗りを募集中だぜ、で今日出航だ。」
君なんだ 言ったのは
「どれくらいの時があるのか、どれくらいだ」

彼らは海はやたら暗黒に変貌すると言う あんたはその時を知っている その兆候がわかる
彼らはまた悪魔達が守護するところ、それが海の墓場だと
君なんだ 言ったのは
「どれくらい時があるのだ、どれくらいなんだ戻ることの出来る場所に到達するまで。」

お前の父、彼はお前が必要だと言った
お前の母、彼女はお前を愛してると言う
お前の兄、彼はお前の言葉を木霊する
「どれくらい遠く、どれくらい遠く、どれくらい遠く、
どれくらいなんだ戻ることの出来る地点に到達するまで。
戻ることの出来る場所に到達するまで
戻ることの出来る場所に到達するまで
おお、どれくらい どれくらい

今日私は海に浮かぶ手紙を発見したのだ 君から私への
君はそれを発見できた時に書いたのだね
君は恐怖で叫んだ その場所は近いと
君なんだ 言ったのは
「どれくらいの時があるのか、どれくらいだ
どれくらいなんだ戻ることの出来る地点に到達するまで。」
どれくらいだ 
 どれくらいだ 
   どれくらいだ

うーむ、上手く訳せん。no returnじゃなくてknow returnなのがミソだわな。てのはわかるけどそれがknow出来んのが辛し。ほぼポーの小説に沿ったものかと。しかしまあ、けっこう情けなくビクビクしてたりして。音だけだと勇壮極まりなく「俺は海の男だぜ」してますけど、強がりだったのかー。歌声はイーグルスのドン&フライ&バーニー&マイズナーさんたちを4で割って3賭けたようなスコーンと抜けるアメリカン。
プログレるには何か、相当の訳と事情が無ければならんと思いに思って、到達したのがアメリカン・ゴシックの父、エドガー氏の世界だったかと想像します。しかして、持ち前の好青年ぶりとブ厚いステーキを喰ってきた体臭はしゃあないねん。あんまり悩まないし。
好きなクリムゾン、イエス、ジェントル・ジャイアントの世界を猪突猛進ブギーな精神でぶっ飛ばす。
ここに、わー、楽しい楽しいと筋肉モリモリ男達が一緒に同じ模様の手芸を完成させておるような音楽が完成。やたら細かくてしかもサイズがでっかいぞ。
何かわかりやすくいようでわかりにくいような(^0^)。そんな米プログレの極地がこのアルバムです。
一発でやられる曲と繰り返しで威力発揮の曲が混在。
一発でやられる曲はカンサスの手を離れて世界に。繰り返しのはとてつもなくマイナー。

どれくらいなんだ 
 どれくらいだ 
   どれくらいだ
わかってくれる地点に到達するまで

曲目等詳細

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4/25(火)
ロックンロール医師
cover
Feats Don't Fail Me Now
Little Feat
1974

シリーズ「tHe FuN」

*もうすっかり春だとゆうのに風邪をひいてしまいました。仕事山盛りで期限目の前なんで自力で治さねばならぬわ。医者はおらんか。いた。Cold Cold Coldを治してくれるロックンロール・ドクターが。
なので、リトル・フィート1974年の4作目
「アメイジング!」
の2回目、3回目かなの感謝でござる。
新体制フィート、確実に冥府魔道入り。六道四正順逆の境を無くした地獄のギグを連日敢行しておった。それだけのメンツが集まっちまったもんで。まずは73年に地獄の1丁目次は骨ツボ〜を覗いた上で敢えてスキン・イット・バック、白菜のサクっと一夜漬かのやうなスッキリ爽やかグルーヴ・アルバム「ディキシー・チキン」をものし、さらに鬼どもは血の池ギグ続ける。金には縁が無し。正に修羅の道です。どうせ修羅ならシュラシュシュシュだってんで次のアルバムは30年もの古漬にしてしまえまいったかのアルバムとなり候。
とにもかくにも1曲目
「ロックンロール・ドクター」
先生私のCOLD治して下さい。当時てめえといやあ中学生日記だった訳で初めてこの曲を聴いた時のアホヅラを想像してみておくんなまし。メインは全米TOP40だったガキがいきなしこんなん。
今でも言えるこりゃ
「完璧な非シングル」
だ。世界で一番シングル向きで無い曲。カットせようとしやがったら羽交い絞めにしてやるわ。曲の長さと言えば2分57秒。パンクかー。恐ろしく腰ダメ、ゆったりビートで始まる。8ビートであることは確かだ。ニュー・オリンズのミーターズをお手本って思わば思えないでもねえけんども、伝言ゲームで「白樺のカバが会見で簡単に感激しました。」が最終的に「白木みのるの加藤茶が怪盗ルパン3世の峰不二子ワルサーP38」くらいに変貌してます。考えて作れる曲では無し。実際、ローウェル氏が曲出来たもんねってメンバーに開陳した時、全員目が点、ありとあらゆる世界のビートを試行錯誤してここに辿り着いたらしい。
訳を試みながらその異形振りを讃えるとせば

(イントロ)じょじゃーじょ、じざざざざ じょじゃーじょ、じざざざざ
↑ポール・バレル氏のフェイズ・シフターかけまくりのあの音でギター・カッティング2回。ローウェル氏が「ひやーん」とスライド・ギターで突入したかと思えば歌に、小節をすでに勘定出来んわここまでで11秒

ある女がいた ジョージアに あまり調子がよくありません
一日中熱があって 夜にはすっかり寒気ゾクゾク

(とんでも無い音のビル・ペイン氏のエレピ”ウリツァー”の合いの手)

もうどんどん事態は悪化、そうマジでヤバい
こんな時には俺だってそんなに見つけることの出来ない療法を持つ男を連れて来なければならんわ
(↑このややこしい言い廻しはローウェルさんのオハコ)
ココロのボスならぬドクターだぞ

ひゅーん、だどでっとーー

もしお前がブギー・ビートな王国が好きなら ヤツこそが会わねばならぬ男だ

(2回タメ)

もしお前がシャッフル足拍子が好きなら ヤツは出来ん
もしお前がすっかり良くなりたいなら 正にロックンロール・ドクターのアドバイスを受けんさい

(全く中途半端な間)

そりゃもド田舎町だけんども患者は来るぞ
モリーンあたりまで何マイルもの周辺から
ニュー・オリンズからナゴドッチェ(テキサスの地名)まで
チューンナップされたクラシックカーやらリムジンやらで
魂のドクターに会いに 彼じゃなきゃあかんのだ

(スライド・ギタア・ソロ)つまり療法中ってことだ。

ビバップ2級、スイングでPHD(謎)
ヤツはリズムの帝王 ロックンロール・キングだい

もしお前がブギー・ビートな王国が好きなら ヤツこそが会わねばならぬ男だ
(会わねばならぬ)←ボンゴ男サム・クレイトンちゃんの野太い声
もしお前がシャッフル足拍子が好きなら ヤツは出来ん
(俺が出来ねえって言ってんだ)←ボンゴ男サム・クレイトンちゃんの野太い声
もしも・・・ もしお前が・・・もしもしもしお前が
すっかり良くなりたいなら 正にロックンロール・ドクターのアドバイスを受けんさい

後ろスライドギター。まとめようとする気まるで無いのにまとまる。


問題はこの曲がまるっきりロックンロールで無い事だよ。なのかこれが。おおよそどこからこんな音楽が出来るか想像出来ん。コピーしようとしりゃスライドの音は取れるけど。コードは何なんだ。聞けばE D B7 Aだって。嘘だろー。
15の歳にしてそれまで夢中だったビートルズやアメリカンPOPと最も縁遠い音に遭遇してしまった。
で、こんなに重症に。
ロックンロール・ドクターのアドバイスを受けたばっかに。
責任取って風邪治してくれ。

次回オー・アトランタ編に続く いづれ

曲目等詳細

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4/26(水)
パンキーとキラーズ
cover
Killers
Iron Maiden
1981

シリーズ「ヘビメタ虎の穴」

*アイアン・メイデン1981年の2ndっ。
その名も
「キラアアアアアアアズ」
やかましー。こんなにやかましーレコードは滅多に無いっすよ。鋼板に、いや後半に行くに従って勘弁してくれるどころか益々やかましくなりますので要注意。
どんなに小音量で聴いても無駄です。
なもんで
「東京12チャンネル春の大ヘビメタ祭大漁」に出演時楽屋で呼び出される。誰にって、トリで出演のリチ・ブラックモア氏に。
隣にはキャンデス奥様は魔女。
「お前らなあ名前なんてったっけ?あ、アイロン・メイデンか。」
「アイアンです。」
「ま、どっちでもいいだろ。そのアイアンさんよー。俺はな、まー一応この世界では名の知れた男としてな。メタル界のことを日夜考えておる訳よ。お前達もかわいい後輩だ。何とか成功して貰いたい訳でよ。ま、本番前にちょっと話聞いてくれや。」
「へーい」
全員ガムを噛んでる。
「まーさっき、リハで音聞かせて貰ったんだけどよ。お前達のやりたことはわかる。ほら何だったっけ、ニュー・ビーズ・オブ・ブリテッシュ・ヘビー・メタメタメタメタメタ・・・」
「あなたメタルよん。」
「そうそう知ってるよ俺もメタルだから。そのニュー・ウエー・・・何とかでもてはやされるのはそりゃいい事だ。エデーとかゆう人形で小金稼ぐのも、そりゃお前達にも生活があるんだからいい。でも、何だ。ロックつうのはな。ただでかい音でやりゃいいってもんじゃねえんだよ。わかるか。俺の言ってること?」
「あ、まあ、何となく」
「そうか。こりゃ説教じゃないよ。言っとくけど。それで・・・何だったっけ」
「あなた”でかい音”でしょ。ごめんなさいね。最近忘れっぽくなっちゃって。あらあんたかわいいじゃない。」
「キーっ。そうそれ。いくらヘビメタとは言えどもだな。音に心が無くちゃいかん。わかるかココロだ。」
「あ、まあ、何となく」
「ココロってのはメロディだ。研ぎ澄まされた甘美で美しいメロディがあってこそデカい音でそれが引き立つってなもんだ。それが何だ。お前達のロックは。”殺す殺す”って。ほらそこの歌詞カード見せてみろ。何だその曲は?
”モルグ街の殺人”
へー、お前達、エドガー・アラン・ポーのファンかよ。俺も好きだよ。何だって。

私は真昼のようにそれを記憶している
夜も遅く闇の中でそれは起こった訳だが
私はパリの街並みをぶらつくつもりであった
とても寒く 雨までも降り始めたのだ
そしてその時、私は身も凍るような叫びを聞いたのだ
私はその犯罪現場に急行した
しかし私がそこで発見したのは見るも無残な二人の少女の寄り添う亡骸であった

モルグ街の殺人
誰かが憲兵に通報
モルグ街の殺人
殺人者が野放しになる前に追え

通りには何人かは人通りがあった
私の叫びを聞いたものもあったとみえ
私には理解出来なかった 彼らが私を疑いの眼差しで見ている
私は誓って何もしていない
しかし私の両手には血がベットリとついていた
私はフランス語がしゃべれず 釈明が出来ない
まるで阿呆の様に私は逃げ出したのだ

モルグ街の殺人
誰かが憲兵に通報
モルグ街の殺人
私は自由になれるのだろうか

そして今や私は方の手から逃れることが出来た
全てのフランスが私を探している
私は確実に逃走経路を確保せねば 南の国境のイタリアに向けて

モルグ街の殺人
誰かが憲兵に通報
モルグ街の殺人
私は故郷には帰れない

ああ、ついに私は国境までたどりついた。
しかし私はその時のことをけっして記憶から消すことが出来ない
どんな時でも誰かが私のことを見つめている
私はメクラ滅法に走り始めた
おお、私は夜の影の中をうごめいていたのだ
見つめる目から逃れるために
いつまでも奴らは私を探し続けるだろう
何故なら私にはわかっている 私は見た その兆候を

モルグ街の殺人
誰かが憲兵に通報
モルグ街の殺人
法の手からの逃走

モルグ街の殺人
誰かが憲兵に通報
モルグ街の殺人
私は自由になれるのだろうか

長い時が経ち 私は疲労困憊している
隠れ場所から抜け出そうとする
私は犯罪現場に戻らなければならぬのか
二人の若き犠牲者が亡くなった
それこそが確実にこの困難から私を解放してくれることだ
しかし私は覚えている
私の良き理解者であるある医師が、
「あんたはとっくの昔にそれはやったでは無いか」
と言ったのを

モルグ街の殺人
誰かが憲兵に通報
モルグ街の殺人
私は故郷には帰れない

「おいおい、キャンデス。これ、面白いよ。イケてるじゃないか。あ、・・・あら、あいつらは。」
「もうとっくに本番に行っちゃったわよ。凄い歓声でアンコール3回やって、みんなに胴上げされながら帰っちゃったわ。」
「何だ。せっかく褒めてやろうと思ったのに。あ、そうか。次は俺達の出番か。行かなきゃ。」

”タマオキヒロシでございます。夜のシジマールに美しいメロディをどうぞ。
ブラックモアちゃんちのナイト、さーどうぞ。”



「あなた誰もいないわ。」
「あはは。じゃ戻ってさっきの続き聴こうっと。」

本日のところは
パンキーなキラーズの勝ち。

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4/27(木)
虹を翔ける覇者
cover
Rising
Rainbow
1976

シリーズ「直球野郎一本勝負」

*「あっしは乱暴雷神〜ちゃあららら〜♪」
「あ、あなた、こっそり何か聞いてると思ったら・・レインボウじゃない。まさかまたメタルなんかやりたいって思ってんじゃ・・私をスターにしたくないのねキーっ。」
「いや、その、違う違う。アイロン何とか聴いたら、何か昔思い出しちゃって。それだけそれだけ。おろおろ。」
「ほんとにそれだけ?」
「ほんとほんと。キャンディーズ。」
「え?」
「いやキャンデス。あんたが一番。電話は2番。」
「それならいいけど。そりゃ私は世界で一番美しいわ。おほほほほ。で、何聴いてたの?」
「あ、これか。これはな今をさかのぼること30年前・・・・」

ぴろろんぴろろんやむやむシュウィーン(回想音)
・・・・・・・・・

「今日から2ndアルバムのレコーディングだ。ここは一つガツーンと締めていかなきゃな。最初が肝心肝心。」
「あ、リッチーだ。サイン下さい。」
「おわ、何かすげえ顔のガキだな。サイン?仕方ないなあ。スタアは辛い辛い。えーと、どこに書けばいいのかな。」
「あ、このTシャツにお願いします。」
「ここにー?よっしゃ。”人生努力一筋 by リッチーぶらくもあ”。はいどーぞ。」
「わーいわーい」
「何だあいつら。礼も言わないで行っちゃったよ。」
「わーいわーい。リッチーのサイン貰っちゃった。踏んで遊ぼうぜ。」



録音スタジオにて
「よっしゃ。皆の衆よーく聞け。今日からレインボウの2ndアルバムのレコ開始だ。
その前にーーーーーー。恒例のリチさーん静粛人事。
今日から新しい友達がバンドに加わります。皆さん仲良くして下さいね。」
「ばうばうばう。ぐお。ぐおーーー。」
「何ですかディオ君。え?元エルフの連中は?って。事務所を通じて後で連絡が行きます。次の仕事もちゃんと用意させてるから安心しなさい。」


一方元エルフの名前をまだ世間に覚えて貰ってないドラマーさんの自宅では
「まだかなあ。そろそろ2ndの録音始まると思うんだけど。連絡遅いなあ。」
「あなた大丈夫なの?下の子供ももうすぐ生まれるし。家だって買っちゃったじゃない。これからスターになるから大丈夫だってゆうから。」
「大丈夫だいじょーぶ。ドラム上手だったねって親方もこの前言ってくれたし。ギャラだってほらこの前3万円もくれたじゃん。」
ピンポーン
「郵便でーす。」
「パパ、手紙が来たよ。ねえガンダム買って買ってーー」
「ああ、後でな。えーと、あ、親分からの手紙だ。何だって
”ごくろーさん。大変だろうからもう君は叩かなくていいんだよ。次の仕事は下に書いてあるからねー。でわでわ。”
ガーン。次の仕事って・・・東京都新宿区新宿8965の4(株)Aこむ。ってティッシュ配りかー。」
「あなた、あなた、ねえ、あなたーーー。」


再び録音スタジオ。ミュンヘン・ミュージック・ランドにて。
「とゆうことで、皆さんとても幸せになりました。さて新しいお友達を紹介しましょうね。
まずはベース担当のジミー・ペイン君。」
「♪コミニケーショぶれーくだうん、こみにけー(おんち)」
「君じゃ無いつうの。帰って下さい。君、君。」
「はじめまして、ぼくジミーベイ・・」
「あ、ありがとう。頑張ってね。次はジミー君から紹介の鍵盤担当。えーと名前なんだっけ。ジョン・・・道路だ。」
「違います。トニー・カレイです。華麗なの。」
「あ、そう。頑張ってね。えーとあと一人。太鼓屋さんがまだ来てないな。」
ぎぃーーーっばたん。
「あ、来た。えーこの人がドラムのコージー・・・」

「♪ハイホーしるばーライニーング(おんち)」
「違うんじゃないか。歌は募集してません。帰って下さい。あ、来た。」

「こいつだ。コージ・パウエル君です。」
「どすどすどすどす、どだだんばすばす。」
「ドラム語しかしゃべれません。”こんちわ”だって。
よっしゃ、これで黄金のレインボー第2期が始まったぞ。みんな気合入れてやるように。」
「ぐおぐお、がお、ぐおがおーーー」
「ディオ君、君はほどほどでいいから。」



再び現在のリッチー家居間にて
「とまあこんな感じだったんだ。」
「へー、そうなの。でもやっぱあなたギターうまいわぁ。ステキっつ」
「いやあそれほどでも。」
「何かパープルでやり遂げられなかった勇壮なるリズムと甘美なるメロディの合体。曲の長尺さを微塵も感じさせない見事なる構成。特にB面の2曲。スターゲイザーとア・ライト・イン・ザ・ブラックは圧巻だ。まるで日本海の荒波に敢然と立ち向かうロココ模様の古城をあしらった小型漁船1万5千トンのごとくのサウンドが私を完全なるハードロック世界にいざなうのだ。もちろんA面にも注目。4曲の歌のグレードの高さたるやリッチーこそが完全たるハードロック美学の持ち主たることを完璧にしめしておろう。そしてドゥ・ユー・クローズ・ユア・アイズでは君のハートのストラトを完膚無きまでに破壊するのである。」
「わ、わ、どうしたキャンディス。顔が急にウナギイヌに。」

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4/28(金)
帰ってきたウルトラ
cover
The Michael Schenker Group
The Michael Schenker Group
1980

シリーズ「ヘビメタ虎の穴」

*今年の我が家は紛れも無く21世紀のメタル元年ですっ。特にマイケルのシェンカー兄さんブレーク。今頃かよって申されてもこればっかは宿縁と申すものでござろうかのう。しゃあないす。逆に今こそ聴けて幸せとネイションに向けて叫ぶ。中でもこの80年の「帰ってきたウルトラ・シェンカー」アルバム。あはは、あははと只もう喜んで聴くばっかで言葉にならず。いつありがとございまつと感謝させてもらおうか悩んでしもたのだ。やるぜよ。パート1ってことにさせて貰えばいいのだ。
いやもう真に名盤、人生盤でござる。
とんでも無い値段で入手してしもたのが申し訳無いくらいフォー・ザ・ネイションズ。しかし初遭遇が少なくとも身銭を切って買わせて貰ったもので良かった。うんこらしょうんこらしょと日夜働いてゲトしたお金と引き換えに聴かせて貰うのにこんなに相応しきものはありませぬ。UFO時代の持って無い盤も返す刀で全て注文しました。待ち遠しき次第。それでお金が無くなってお酒の御つまみが海苔だけになっても本望。これを生み出すまでのマイケル兄の艱難辛苦を思わばそれくらいもう。命を賭けた音楽にはこっちも命を賭けようぞえ。

どれくらい惚れたか。

わたしゃミュージシャンを「神」などと崇めるのはいささか抵抗大有りでございます。
しかしマイケル兄なら抵抗なぜか無し。無理もねえよと思っちゃう。「神様」つうより音楽の「巫女」さんって思いますけど。
そんな大きな重石を膝に抱かせるのは、これに至る経緯を聞けば聞くほど気の毒に。

どれくらい惚れたか。

例わば、メタルしか聴いて来なかった方が、「ビッグ・ピンク」や「ウエイティング・フォー・コロンブス」や「ペット・サウンズ」や「スカイラーキング」や「ピーガブ3」や「夢のさまよい」や、「ジャンプ」を聴いてびつくりくらい。
すなわち人生盤になり候。
ですからもうメタルかどうかなんて完全無関係なのだ。

どれくらい惚れたかあああ。

結局、この時点まででマイケル氏は英語をどれくらい喋れたのでありましょうか。UFO脱退の原因も言葉の問題もありの、周りは冗談のつもりでも本人には至ってキツイ、ドイツ人ネタのしつこいからかいとかもあったと聞きます。曲作りはどうだったのか。リフを作り概略のメロとこれだけはお願いしますのサビメロを提示して後はヴォーカルのモグたんに任せたか。モグたんは持ち前の語尾口ごもり節で、突き抜けぬ(それが魅力)曲が次々と完成。
ソロでデビューのこの時に出会った相棒ゲイリー・バーデン氏。確かにどっかうらぶれた風情漂う御仁ではござろうが、声質も風情も吹っ切れ突き抜けていると感じいります。
1曲目「完全武装で準備OK」で正しくタイトル通り。足元なんかジェイムス・ブラウン親父のサササササの足裁き。余計なこと考えなくて良いぞつう喜びがこっちだって嬉しいすよ。
それで
2曲目「この地のために泣き叫べ」と解釈していいのか。イントロから驚く。花畑の一輪のひな菊のごとしのこのかわゆいのは一体。一転どっかんと爆発して開始。この謎はやはり歌詞を見なければ。わかるのか。

恐怖の時間 それは遠き昔
邸宅に住む男あり
それは彼の暗き不可思議な部屋
彼は来るべき時を見つめる
そして全ては解き明かされ 水面に写る光景は真実を物語る
この地のために泣き叫べ
この地のために泣き叫べ
光一閃 闇に満ちる
そして血は血管をとうとうと
力は彼の精神を制するであろうか 鎖帷子の魂を
そして全ては解き明かされ  彼の流す涙はあなた方のために有った
この地のために泣き叫べ
この地のために泣き叫べ
王達の戦い そして愚か者たちの
変わるべきやり方を 一度は必ず知ったものども
日々はページをめくるがごとく消え去る
彼は己を見失い

この地のために泣き叫べ
この地のために泣き叫べ
この地のために泣き叫べ
この地のために泣き叫べ

対等な立場でこうゆう歌が作りたいんだとゲイリー氏と話し合い、作られたものと信じます。
生まれはドイツ、生きるはドイツに正面から向き合ったとゆう。
メロディも構成も何から何までこれほどわかりやすい音楽は無し。
極まった音楽は一筋の筆の線のようにとことん明快だと思う次第。もしくはその徹底的な逆。
ちなみに
サバイバーの「アイ・オブ・ザ・タイガー」に似てる。白状さば、あっちはこれほど嫌いな曲はねえよってくらい嫌い。
こちらはこれほど好きな曲はありませんってくらい好き。
その違いは空よりも高く海よりも深い。
どこが違うってそれは曲が生み出される以前にもう決まっていたことと申すしか申せぬわ。

ところ変わって
リッチー家の居間では
今日もいちゃいちゃお二人さん。
「あ、あなた、またこっそりメタル聞いてたでしょ。キーっ。」
「あ、あのその、あの」
「何よ今日は。その足裏マッサージ待機みたいなジャケは?見せて御覧なさいっ。」
「あ、あのその、あの。こ、これ。」
「あ、これは、この前のアイロンメイデンじゃないさ。違うでしょそっちの。あ、マイケル・シェンカーだって。
あんたの弟子筋じゃないの、この人って。いいからちょっと聴かせなさい。」
「ダメ。絶対にダメ。こればっかは叩かれてもぶたれてもダメ。ダメだめーーーーー。」
レコード抱えて走って逃げますリチさん。
残ったものは床に落ちてる黒いフサフサしたもの。
「あなたーーー、もういいから。落としちゃったわよー。それで外に出たらもうお仕舞いよう。」

パート2に続く・・・・いづれ。

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4/29(土)
お互い理解せずの魅力
cover
Boogie Nights
Heatwave
1977/1

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
Boogie Nights
欧州のスーパー・ディスコ・バンド
ヒートウエイブの最初のスーパー・デスコな曲です。
えー、文化とホームドラマは誤解から成り立つとか申しまして、誤解と思い込み&おせっかいが無けりゃ事件も起こらず、事件が起こらなきゃドラマも生まれないよ。今みたいにネットとか衛星TVが無かったその昔、ポピュラー音楽(死語の世界だ)も世界各地でそりゃもう独自の賑わいを見せておりました。そんな中、英なり米なりで、何か一大ムーヴメントが発生いたしますとおっとり刀で世界中にそれが伝染し勝手に解釈されてその地でその地なりの歌謡曲となってバカウケ。GSしかりプログレしかりメタルしかり、そしてディスコっ。踊るのはとにかく楽しいのデスコ。その威力たるや無用な理屈要らずじゃ。欧州に最初にデスコが伝播したのは1543年種子島に・・じゃなくて・・えと、1974年フロリダ発ジョージ・マックレー氏のロック・ユア・ベイビーからではないかと推測しております。いきなり登場して英国で正月早々に最高位1位獲得。世はグラム成熟期の時でありました。作はKC&ザ・サンシャイン・バンドのハリー・ウエイン・ケーシーちゃんとリチャード・フィンチちゃん。本家はどうもフロリダ日差しが眩しすぎてか今一あっちでは受けなかったものの、マックレーさんのぼよよーんとした声が良かったのか、こっちでブレークしちゃっただよ。さー、いきなし寒い国でぽっかぽかな踊り音楽がウケちゃったからもう大変。フロリダ・サウンド自体、アメリカ真ん中のソウル・ファンクから外れて発生、しかも作ったのは白人って訳で妙に相性が良かったのか。とにかく踊りたい踊りたいの気持ちEC各国で大盛り上がり、期待に答えて音楽作らねばとなり候。さー、どこでドンピシャのサウンドが生まれたか。それが意外や意外。何か最も硬そうな人民が生活してそうなドイツの地でありました。60’sビートの影の発生地点もドイツだったもんな。東と西の設置点。色んな人種つどい、硬い国民性ってことは反面暴れる時は相当暴れるてな噂を聞いた事有り。
 とにかく早く早くってんでその音楽をとことん咀嚼してる暇も無かったよー、ええいとばかり最初にブレークしたのがシルバー・コンベンション。待ってましたとばかりバカ受け。ドイツだけどころか本家アメリカまでも。大成功となると続くものが続々登場するのだ。当初はどうしたってシルコンみたいにレコード会社のプロダクション先行、ゴミみたいも当然沢山。の中で一番金色に光ったゴミがゴミじゃ無くなったのがホット・ブラッドのソウル・ドラキュラ。怪し過ぎ。76年秋英チャート最高位32位。わ、それがいいのかとソウル・フランケンシュタイン、ソウル・ネッシーとか続く。そうこうしてるうちに、そうゆうのがやりたいつう酔狂な連中が現れて集って、腰が座ったバンドが登場して来るのだ。時は77年に入る早々。それはボニーM。
そして本日の主人公、ヒートウエイブであります。
前置き長過ぎー。
結成は1975年とのこと。アメリカ人ブラックなセールスマン業を営むジョニー&キース・ワイルダー兄弟はドイツで兵役をしておったそうな。兵役期間終えた後も水があったのか当地に住み着き、好きな音楽を各地のクラブで営業しておりました。そこそこの人気を得たもののそこはやはりローカルだよなーって本気でやろうと決意し、一路活路を求めてイギリスに旅立つ。なぜ故郷に戻ろうとしなかったかは不明。航空運賃が無かったか。そこで出会ったのがロッド・テンパートンつう白い作曲家、鍵盤奏者さん。おいらの歌を歌っておくれとばかり意気投合、バンド結成を目論見ます。そこに集った連中がまた凄い。まずはスペイン人のベーシスト、マリオ・マンテス氏。そしてチェコスロバキア人のドラマー、アーネスト・バーガー氏。ギターのお二人はアメリカ人ジェシ・ウイッテンズ、エリック・ジョンズ氏。どうやって音楽作るのに話し合いしたのか。面白れー。見てみたい。とりあえず英語でやったんだろうけど。メンツも揃い曲もどんどん出来て少しづつ評判を得てさーレコードを出そうとコンタクト取ったのが米エピック傘下のGTOレーベル。プロデューサーも決まりました。そこの専属のバリー・ブルーさん。元ユーライア・ヒープ(確かベース)で、リンジー・ディ・ポール嬢の作曲コンビ、自らも「Dancing On A Saturday Night」をはじめとする、もう英国POPど真ん中の暖かいシングルをかなりヒットさせていた人です。レコーディングは難航した模様。ギタリストの一人ウイッテンズさんがクビになって、ロイ・カーター氏にチェンジとか人事異動も影響したんだろうけど、何しろ製作者バリー兄さん、デスコ&ファンキーわかってたのかどうか。そりゃもうプロ中のプロだけんども。しかもメンバーの音楽性ばんらんばんらでしょうから、いざ本気でレコとなるとそりゃもう大騒ぎだったろうな。
 最初の2枚のシングルは不発となりました。「Ain't No Half Steppin'」と 「Super Soul Sister」ってやつ。ベタなタイトル(^0^)。共に1stアルバム「Too Hot to Handle」からカットです。
そして3枚目のシングルで来たーーー。
Boogie Nights
だ。何でこれを最初にカットしなかっただよー。って誰が聴いてもわかる傑曲。前2曲はアルバム内でキラって曲だもんよ。
キラキラキラリンのストリングスが鳴り響く中、意表を突いて4ビート、ジャズのです、で始まり、嫌が応にもムード盛り上がるぞ。何が出てくるかと思たら、いきなしシンセ・ベース鳴り渡るスペース・ファンクだ。スペイン人のベースさんはうにょうにょとシンセに絡み、チェコ人のドラマーさんは見事なるハイハットでファンキーしてるぞこれが。で、なんつっても歌。薄情つうかつっけんどんこの上なし。「ブーギ・ナイっ。火元、確かめたーんか♪」ってね。一見やる気あるんかつうこの非人間ぽさが欧州デスコの最大の特徴であり魅力でござる。ボニーMしかりシルコンしかり。誰が始めたかってそりゃアバだろな。寒いんで余計なことしてられねえよってのあるのかー。ほんとか。この硬派な風情、パンク登場期の時代にも合致したのかとニヤニヤ。肝心のサウンドの異様さもそりゃもう。当然アメリカ産とは大違い。そのSFぽさ格別です。これはどこの国の音楽かと眩暈発生する。後半訳のわからん南米風言語飛び交うし。もうヤケクソ気味だったのかな。当時、プロモーション・フィルムを見ました(ユーチューブに有れば良かったんだけど無かったくー)。グラム以上にキンキラキン衣装で、ボーカル陣両手パタパタ上下に振りながら歌う姿のみょうちくりんなことと言ったら・・・一発でファンになっちゃった。
変なものがわたしゃ大好きです。

ブギー夜 あーあーあー
ブギー夜 あーあーあー

ブギー夜 俺たちゃ朝までここにおるのは疑いなし
ブギー夜 いらっしゃいまし おっぱじめますから

ブギで盛り上がって踊りやがれ
だってブギ夜はいつだって街で最高さ
(ド低音で)
踊り続けましょうや
踊りましょー
踊り続けましょうや
踊りましょー

パーテー夜
どうやったらいいかあんたは見せてくれること可能
ブギ夜
しなさいな しなさいな
パーテー夜
音楽のサウンドに身もココロもずぶずぶと
ブギ夜
音楽 音楽

ブギ夜
盛り上がるグルーヴをゲットしなはい
ブギ夜
この場所をメラメラ炎上させようぜっ

ブギ夜
感じた時が最高
ブギ夜
タイトにかっこよくキメようぜい

まいったかー。

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4/30(日)
さー行っちゃろ
cover
So It Goes and
Heart of the City
Nick Lowe
1976/8/14

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングル」は
So It Goes and Heart of the City
ニック・ロウ兄さんの1stソロ・シングルだ。
パンクなるものがUKヒット・チャートに初めて登場したのが1976年の12月3週。36位でセックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・UK」。ってあまりにもはまり過ぎて嘘みたいな話だがこりゃほんとでございます。
しかあし何事もいきなしつうのはあり得んことで、表に出る時には既に根っこは深々と地中で広がっているのだ。その前にさあ祭おっぱじめようぜとやらかした連中がおる。若きパンカーから見りゃ一番縁遠き爺さんミュージシャン達によって。キンキラキンのグラム・ロック時代を通じて、その正反対、格好なぞ丸で気にしない、俺たちゃ音楽だけで生きるもんねのバンドのマネージメントを一気に引き受けていた男が一人。その名もジェイク・リビエラ父さん。そりゃもう終始イライラしっぱなしでございます。この世の中変。グラムも終焉に向かった75年にはレコード売上げも減少の一途を辿って、さあぶち切れた。幸いにしてお抱えバンド、ドクター・フィールグッドがブレーク。これなら行けるんじゃないかとジミ・ヘンドリクス氏の元ローディだったデイブ・ロビンソン氏と画策し、400ポンド(当時25万円くらい?)をフィールグッズのボーカル、リー・ブリローちゃんから借りて、インディー・レーベル「STIFF」を設立したのだ。
しかあし、既にそのフィールグッズはUAと契約しており、同時に3番でエースだったグラハム・パーカー氏もヴァーティゴと契約済みだったもんでさあ困った。誰のレコード出そうかな。とにかく急いで出したいな。
あ、いた。
それはニック・ロウ兄さん。
早く気付けよ。
ジェイク氏はニックさんがおったパブ・ロックの横綱バンド、ブリンズレイ・シュワルツのマネージャーでありましたから、パーカー氏の1stも誰もやる人がおらなかったってとんでもな理由でプロデュースやってましたから。
あまりに身近で気が付かなかったか。
スティッフの本拠地はロンドン北のパースウエイと言う場所にある小汚い小スタジオ兼レコ店だったとゆう。
曲ならいくらでも持ってたニックさん、の1stシングルは
So It Goes
あまりに簡単すぎて訳せんじゃないか。「そう、行くぞ」てか。レコード番号は「BUY1」そう「買え1」。嘘みたいな話だけどほんとだ。
時は1976年の8月14日。リリース後2週間でアメリカで1位になったと宣伝す。
実際問題、この時スティッフは配給元を獲得しておらず。てめえのレコ店でのみの販売。だからよ英チャートにすら登場する訳無いじゃん。
しかし、そう行くぞ。始めなきゃ始まらない。
全ては歌詞の中にあり。

僕はそのガキが自分の右手を切り落としたのを覚えている
あり余るパワーをちょっとばっかし発散するために
ヤツはでっかい図体の中に5千万ボルトの電圧を充満させている
今夜の警備はやたらタイトで
それでも、おお、連中は乱闘の準備完了
バックステージ・パスは大切に持ってな
だってお前のプロモーターは筋肉もりもりマンだからよ

さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう

でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ

さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう

でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ

崩れ落ちかけたビルの中で
俺たちの国の首領(ドン)なんか罵倒三昧
サピンだかタイだかわからんとこから来たお偉いさん達は
一日中ロシア人と議論開催
しかあし、ヤツらは前進しておって、その計画を拒否
今や米国代表はでっかくジャンプ
彼は疲れた目を持つ男だ
深夜便の747
平和維持の任務から飛んで帰りやがった

さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう

でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ

さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう

でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ

(ラブリーなギターソロ)

勘弁してくれの雰囲気が充満
蛇のペルシャ人の目覚めの中で
ヤツの腕には深々とくっきり刺青
彼女がヒステリーにどんなになりたがってるか、考えてもみろや

さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう

でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ

さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう

でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ

でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ

でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ

スティーリー・ダンのリーリン・イン・ジ・イヤーズが元ネタだって噂流すヤツおるがほんとかよ。ほんとだったりして。
そしてB面は

Heart of the City

パンクだろがー。歌詞を見れば

街のど真ん中
そこはワニが歩き回るところ
オラいつ貰ったわからないようなものは失いようが無いよ
行き場所まるで無し
さあ俺は1分だって持ってない
背中に受ける罵倒を我慢する時間は
全く持って急がねば
戻ることなんか考えられぬわ
家を探しているんだ
今街のど真ん中で

街へ繰り出して
丘にだって繰り出して
恋する人を探す
探す探す あらゆるとこを
おわ、多分チャンスをゲットすんだろ
俺はクリケット風コチって音を聞いた
こりゃ神の啓示だわ
俺は彼女を発見 
ストップ
チェック
とにかく速攻でアタック
俺は恋する人を探している
街のど真ん中で

探して探して 探して探して探して探して探して探してそこらじゅうを探してる
街のど真ん中で

おわ、街のど真ん中で
おわ、そいつは星々の一部だ
俺は音楽をかきならすやつらを発見
千のギターでもって
へい、うろついてるガキどもよ
ヤツらは肉を漁っている
ヤツらは既に掌中にあり
街で2つだけある価値有るものを
ヤツらは肉を漁っている
街のど真ん中で
そう、俺は言ってるのだ 街のど真ん中のことを
おいえ
ど真ん中 街のど真ん中
ど真ん中 街のど真ん中

ギンギラギンに尖がってるぞ。
そのトンガリ・ニック兄さんが大好きだ。
ガキどもよ、お前らいい兄貴を持ったな。

1976年の8月14日の英国チャート。
1位はロングランでエルトン・ジョン&キキ・ディーの「恋のデュエット」。
36位に26位から落ちたTレックスの「アイ・ラブ・トゥ・ブギー」
39位で初登場はシン・リジーの「ジェイルブレーク」。

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