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今日の推薦盤一覧2003.10下

 

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10/16(木)
cover
Talking Heads: 77
Talking Heads
1977

シリーズ「新波倶楽部」

テレビジョンがデビューしたのと同年、もう一つのNYパンクの雄、トーキング・ヘッズがこの盤でデビューしました。プロデュースはボン・ジョン・ジョビの従兄弟だったか兄貴だったかのトニイ・ボン・ジョビ。確かこの方、スタジオ付のエンジニアさんじゃ無かったかな。とゆう人選からわかるようにまったくストレートなヘッズで1枚目は勝負です。いや物凄いヘッズ・ファンなんですが私、実は聴きだしたのが2枚目のモア・ソングスから。ここへさかのぼったのはけっこう後なんです。もちろんサイコ・キラーはライブなんぞでお馴染み、コピーバンドでベース弾いたのでがっちり頭に入っております。そのサイコちゃんが入ってるアルバムだと認識され他の曲はその後ライブで取り上げられることも無いんで習作助走みたいな感じでとらえられてる節あるようで、実際あっしも長いことそう思ってた。ところが最近何かと聴いちゃうのがこれなんです。一発キャッチーなのは確かに無いかも。でもねえかわいいわ、1曲目なんか君たちパンクだろーって突っ込まれるに違いなしスティール・ドラム入りの南国ムード。そして続くはヘッズヘッズのファンキイ・チューン。ヴォーカルはブライアン・フェリー後継者だーってお初の時思いました。バックは最近つとに思うスタックスそして同じくサザン・ソウルのハイ・レーベルの音を強烈に引き継いでるのだなって。テクのこともあるけどストイックなミディアム8ビート。とするとヴァン・モリソンとかボイちゃんみたいにソウル歌いしたくて修行苦労のあげく自分なりに七転八倒のあげくのこの唱法、同じく七転八倒のフェリーさんと奇しくも同じ終点になったのかと想像したりして。これぞ換骨脱脂の鏡、好きなソウルへの愛情表現として最高。こうゆう風にして新しい音楽を生んでいくのだなと感動の1stです。そのクセゆえに好き嫌い分かれるとこでしょうけど、ヘッズ最初の一枚としてはどうかしら、わからん、後から聴いていくとしたら同じようにこれから旅をしていくのも楽しいかも。一番好きなのはラストのプルド・アップです。何回も聴けちゃう盤だよ。それは絶対確かだ。

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試聴はここで。

10/17(金)
cover
More Songs About Buildings and Food
Talking Heads
1978/7/14

シリーズ「新波倶楽部」

いやーほんともう最高っす。何百回聴いたかわかりませんがいまだに聴くたびに鳥肌100匹の興奮なのこのトーキング・ヘッズのセカンド。裸のファーストから1年後、出会いましたのがあのピカチュウ、ブライアン・イーノ氏。変てこ感大好き同士が出会ってプロデュースでこれだけ音楽って美味しくなるもんかいのうてゆう最高の見本です。当時イーノちゃんが夢中だったのはドイツ電子音楽とこってこてに黒いP-FUNK。欧州爆発はデビッドのボイちゃんとこで炸裂させてこちらでは黒い弾連射しました。そこは興味が同じだったバーンさんと息がぴったり合って稀代の名作が誕生だこれが。まずスピード感が前作と違います。曲のポップ感が増したぞ、バーンさんがバーンさん肥大させたぞ。イーノさん黒い弾連発ですがそこに欧州耽美が巧妙に練りこまれててねえ、哀愁のわわわわわストリングス、SFチックなポンポンオルガンが良い所で入るんだこれが。そこに2本のリズムギター、これでもかのファンキイ・カッティング、これがユニゾンで随所で微妙にずれさせて発狂しそうな気持ち良さ。歌詞が頭に飛び込んできます。「わしは塗りたくる塗りたくる、わしは消しまくる消しまくる」アーティスト・オンリー。「警報発令中!警報発令中!」。ステイ・ハングリーでラジオ体操。曲のつなぎ絶妙で最後まで踊らされちゃったよ。これだけの最高の変てこ野郎どもは世間を巻き込んで大ヒット「テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー」。はいサザンソウル、ハイ・レーベルの稼ぎ頭アル・グリーンのカバーです。最後はでっかくビッグ・カントリー。大いなる西部。眼前にあの映画のでっかい茶色の風景をさあああっと出させて、そうですまぎれもなくアメリカのバンドです。
人と時代がベストマッチ、音楽の神様が降りてきた私にとっても人生アルバム、ありがとう、また聴けた。

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10/18(土)
cover
Anthology 3
The Beatles
1996/10/29

シリーズ「トルズを聴こう」

ビートルズのもっと聴きたい秘密のテイクを正式に発表のアンソロジイ・シリーズ第3弾にして完結編です。今回はホワイト・アルバム、レット・イット・ビー、アビー・ロードから。時期が時期だからしょうがないんですけど、これがまた相当に寂しさがつのる一品です。秋の夜長に聴いてしまうと染みちゃって染みちゃって。泣いちゃうじゃないか[(^o^)]。例によってデモ、完成前テイク、未発表曲の3本立。1枚目はジョージさん宅に集合してのホワイトアルバム用新曲ご披露会。各人主導の下、みなさん協力して下さいねのコンセプトでしたんで、弾き語りのこれらもまた強力です。油断してる完成前テイクよりもしかすると最初のこのテイクの方が裸のメロディの迫力、来るべきシンガーソングライターの時代の香りがして素敵かも。いやーリンゴのグッナイトからクライ・ベイビクライ、セクシーセディたまらん。アイム・ソー・タイアドなんか伝わるなあ。白眉はジョージ氏のホワイル・マイ・ギター。裸のこれは、わー。アイ・ウイルはきっとどのテイクでも最高の曲。ジュリアで〆る一枚目、やっぱしみじみ、これはこれからも聴いてしまうかもしれない。2枚目は残り2枚からなんですがこちらは違う意味での寂しさ。何か辛い寂しさかな。何が辛いってシーケイムスルーザバスルームウインドウ。このアレンジはいやうまくいかないってポールさんが必死でまとめしきろうと。一回向かい始めた方向を戻すのがやっぱ無理目は無理目でもがいてるさまやっぱ聴いてて苦しくなるほど。裸のロングアンドワインディングロードとレットイットビーは素敵だけどどんどん寂しくなってこれは曲を組むときに意図したのかなやっぱ。コーラスのみのビコ−ズで頂点に達してしまいます。くしくもレット・イット・ビー・ネイキッドが出ようとしてる今ですが、どうしようかなやっぱ買っちゃうのかな俺。とはゆうもののポールさんのカム・アンド・ゲット・イット。これは素直に嬉しい。いやー素敵な曲です。

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10/19(日)
cover
Rolling Stones Now
Rolling Stones
1965/4

シリーズ「石」

ストーンズの初期3部作の最後を飾るのがこのめちゃくちゃジャケがかっこいいNOW!です。最初の三枚はもうデビューしてアメリカ公演に至るまでのドキュメントいいますかアルバム・タイトルからしてそうだもんね。「新星登場」「5人で12曲」「今!」ですから。どわーっとアイドル人気?で出たものの中身はブライアン・ジョーンズさん主導のまあ一般的に言ったらマニアックとまで言いたくなる真っ黒世界、特にこのナウは黒度高くて丸ごとラブ・ユー・ライブC面ここにありです。ストイックなほど没入してオリジナルも3コードブルースの枠の中で。そゆう意味じゃメロディックなストーンズが好きな方には辛いかもしれん。しかしまあプロレスも前座のうちはバックドロップとか飛び蹴りはやっちゃいかんのよ、グラウンドレスリングでじっくりと下半身を鍛えねば。人気に踊ることなくこれをやりとおしたのは相当腰が座ってて偉いぞ。これしか出来なかったのかもしれませんが[(^o^)]。しかしこの中から例のマディ・ウォーターズのカバー「リトル・レッドルースター」が1位を取ったそうで、ほんとかよ印が159個点灯するような恐ろしい人気じゃ。ビートルズの二人と出会って曲作りを積極にしたらと進められて本腰を入れてこの後変貌していくのだけどこのままでストーンズが突き進んでたらどうなってたろう。世界最長ブギバンドになったのかなあ。現在のストーンズ、意外とここに一回戻って売り上げ無視やっちゃうとその後視界がどわーっと開けたりするのでは無いかと妄想してしまった。中身が辛くても、ははは、ジャケだけで持っていて損は無いアルバム。

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10/20(月)
cover
Easy Tempo, Vol. 9: The Ultimate Cinematic Compendium
Various Artist
1999

シリーズ「大人のBGM」

世にいつのまにか登場いたしたのがラウンジ・ミュージックとゆうジャンル。様々な雰囲気濃厚で流れると周囲の空気を一変させてしまうBGMとゆう音楽とゆうことですが、そのジャンル勃興に一役買ったのがこの94年に発足されたイタリアのレーベル、ライト・テンポから出たイージー・テンポ・シリーズのコンピと言われてるそうで。モンド・ミュージックちゅうジャンルはその中でも変てこ感3倍増しのやつね。とあるレコ屋さんで先日偶然出会いましてそのジャケの妖しさに思わず買ってしまったわい。アナログ3枚組、表の怖い顔の峰不二子さんのセクシイお姿が内側にも別曲リストにも載っております。イタリア映画の中から選りすぐった20曲。ちーとも題名とかは読めませんが調べると「続・快楽と神秘・世界秘(秘)教地帯を裂く」とか、ぎゃはは、これはもしや昔水曜ロードショーでやってたやつなんかのではないの。問題の音楽はちゅうと、これがめちゃくちゃ面白い。評判になったのわかるわ。アメリカ映画の音楽を手本としてそうながらもお色気、グロ、サスペンスなど盛り込んでどっかB級ぽくてあっけらかんとしてて、まとにかく離れられなくなる妖しい魅力いっぱい。合ってそうならジャズでもファンクでも何でもいただきっつうのが痛快。どんな映画なんだろなあって、ほんと見たいわ。やばし、これははまりそうです。やってる人がペラペラ読めちゃうぐらい探しちゃったらどうしましょう<[~O~]>hahaha。今これを含めて4種類、CD入手出来るのだなあ。

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10/21(火)
cover
Double Fun
Robert Palmer
1978

シリーズ「ロバート・パーマー」

ロック界一の伊達男、パーマーさんの4作目、その洒落男振りからするとAORが最高に似合っちゃうのですが意外としてる期間は短くて時期的にもこのアルバムが一番彼のイメージにドンピシャかもしれません。初の全米シングル・ヒット「エブリ・カインダ・ピープル」入り。その曲がまあ素敵でして、作曲は何と元フリーのアンディ・フレーザー。こんな曲書けるのねえ。やっぱ才能あるわ。ボズ・スキャッグスなんのその、かき分けかき分けひょいひょいかわす八分目ヴォーカル、最高。そうです彼の魅力は八分目の魅力、余力を残していつでも爆発の気配を漂わせるとこであります。ティファナ・ブラスを思い出すパヤパヤラッパ・ソロも良いなあ。今回のプロデュースはパーマーさん自身とトム・モールトンさんとゆうファンキー畑の人、息もびったし合って、決まってるサウンド・プロダクションだわさ。ベストの曲はアラン・トゥーサンのカバーのナイト・ピープル。これはかっこいいぞ。鳥肌立ちます。スイートな中にも首筋にひやり匕首の鋭さ。ところで今回のベース弾き、メインは誰なんだろ。フレットレスのプレイがやけに目立っております。まさか本人だったりして。パーマーさん、全部楽器弾けるんだよな。どっかで絶対全種類弾いてるはずで他のスタジオ・ミュージシャンとの差はまったくわからんのでもしかしてとてつもなく凄い人?あと、注目すべきはユー・リアリー・ガット・ミー。そうです、あのキンクスの曲のカバー、ヴァン・ヘイレンのあのど迫力カバーとくしくも同じ年にありゃりゃ何でこんな風にのオポンチぶり。全国1000万のキンクス・ファンの腰砕けぶりが想像される見事なニューオリンズ化です。この人のやる有名曲のカバーはどっかぶっとんでるんだよな。歌自体はいつもいたって真面目に歌ってます。一連のスケベジャケの頂点をなすしかも水着見て喜んでるちゅうちょっと外したとこがこの人のたまらん魅力です。

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10/22(水)
cover
Early
A Certain Ratio
2002/5/25

シリーズ「新波倶楽部」

いやーどうにも気になってしょうがないバンドちゅうのがあるもんで私にとってこのパンク第2世代、英国はマンチェスターから登場したア・サーテン・レシオはそんなやつらです。聴くたびにもちょっとかなあとか思ったりするくせに何か聴きたくなってまた聴いちゃったと。初期の頃は躍動感があるジョイ・ディビジョンちゅう感じで例のごとく、君何か辛いことあったのって思わず声をかけたいくらいの暗いボーカルでずんたずんたやっておりました。その暗い君どうゆうわけか明るい音楽が好きなようで次第にファンクやラテンの要素を増していってノリノリ音楽目指すように。極太ベースがぎゃわんぎゅわんうなってチャカポコチャカポコへたすらシーラEさんかよパーカッション。ま、ただの米国ファンク・コピーだったら本家の連中を聴けばもっとえぐいやつがある訳ですけど、こいつらを聴いてしまうのはそれだけに終わらぬクールな感触の心地良さがありましてこればっかは本家真っ黒い人達には出せん。暗いやつらでもやれば剛力発揮できます。大音量アンド・ベース・ブーストで聴けば本領発揮、それはもう快感保障いたします。現在入手出来そうなのはこのCDのみ。ありがたいことに美味しいところ、コマーシャル化して行ってありゃりゃそうなっちゃたらいかんのではとゆう一歩手前のちょうど良い塩梅の時期までの初期シングルとはまっちゃった後のためのお宝搭載のCDが一緒になっております。フュージョンになりえない英国ならではファンクをどうか楽しんでください。案外ゴドレイ&クリームのファンクに近い感触かもしれん。80年代初頭、アメリカのトーキング・ヘッズとともに「僕らにもリズムを運動」の中心であったのよ。高揚感凄かったです。

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10/23(木)
cover
Whatevershebringswesing
Kevin Ayers
1971/1

シリーズ「プログレ支部」

英国はカンタベリー地方に生息する放浪さん、ケヴィン・エアーズのソロ3作目です。元ソフト・マシーンのこの方、全世界低音ヴォーカル愛好協会推奨ミュージシャン、まずもってルー・リード、イギー・ポップ、デビッド・ボイちゃんのどわーとした声が好きだわあちゅう人には無条件でお勧めしちゃうわ。どうやら英国山下清らしくて軌道にのってるときにふらふらっとどっか放浪しちゃうらしくそんな自由奔放さ、良い意味での音楽への執着の無さが魅力です。この盤でももうやりたい放題やっちゃってる感が。この人がB型だったら血液型診断信じちゃうよ俺。脅かし系の曲にちと何じゃこりゃあとびっくりすると思いますが慣れれば何てこたあありません。嬉しくなってきます。まず捕まってしまうのは呑気な曲。これがまた不気味明るくって良い。人を食っててかじられてて良い。長ぇよつなげてるよの表題曲も綺麗だし何よりラストのララバイだわな。これはもう喜んでロマンチック騙されちゃいますの雨音効果音素敵。シャンペン・カウボーイ・ブルースなる酔いどれランディ・ニューマンみたいな曲でもまるで関係ない曲が途中乱入して来て、映画のカットインですかわしゃこうゆうの大好き、後にモノクロムセットがグッバイジョーでやらかしていたな。とゆう訳で曲目と曲が自分の中で一致する頃にはもうこのアルバムの虜になっておる怖いです。バックはドラムに美し曲仲間ロバート・ワイアット、ベースとギターで大活躍のまだ十代かよマイク・オールドフィールドちゃんなど。ジャケット凄い。生まれてます。円谷プロ「アンバランス」や暗黒舞踏「大駱駝鑑」世界。かー、不気味で嬉しいねえ。怖いものみたさで食べてみんしゃい。損はしないよ。きっと。

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10/24(金)
cover
Whole Oates
Hall & Oates
1972

シリーズ「ヒット王」

現在も頑張っているヒットメイカー、ホール&オーツのデビュー・アルバムがこれです。盛り上がるフィラデルフィア・ソウルの空気を現場でたっぷりと吸って来た若き二人が出会い、十代の頃は失敗につぐ失敗、ようやくアトランティック・レコードのオーディションに合格、この盤を出すに至りました。この時レコード会社側がこの正反対のキャラを持つ二人にどれくらい期待をかけていたかはわかりませぬが、重鎮アリフ・マーディンをプロデューサーに起用したところを見るとあながち軽視してたとは思えんのです。そのアリフさん、こう言ったホワイトソウルをやらせたら右に出るもの無しと言われるようになるのですがこれがその挑戦の最初期のものでしょうか。とはゆうもののこのアルバムでは2ndのように超豪華ミュージシャンたちは参加してません。しかもかなり地味。ジャケも座布団一枚上げたいものですけど[(^o^)]、地味。売り上げも悲惨。よって昔も今も扱いはひどくてCD化一回されたみたいなんだけど今は廃盤、ライノから出てるコンピで収録曲が聴く事が出来ます。(もっともビル・イングロット氏がリマスターしたそれは内容充実のばっちりものなんですが。)そんな可哀想なこの盤、内容も悲惨かとゆうとまったくそんなことはありません。私は針を落としたとたんいつでもああ、良いなあこれと。自然なソウル色ともう一つのルーツであるフォーク色が溶け合って気負うことなくそっと二人寄り添い歌われています。曲もこれだっちゅうヒット性のは確かにありませんが駄曲なんて無し。噛み締めて味が出るものばかり。この地味な風体はアリフさんが意図したものかはわかりませぬが結果的にこいつら大物になるぞとゆう期待の現われかとも思ってしまったりして。後年のヒット連発ものももちろん気分わくわくだけどつい手にとって聴いちゃう雰囲気を持つのはもしかしてこれかもしれん。現在のような表面的序列もなくほんとのホール&オーツだし。さしあたってライノ盤で味見していただいて是非捜索して出会ってみてください。泣けます。

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10/25(土)
cover
McCartney
Paul McCartney
1970/4/20

シリーズ「トルズを聴こう」

ビートルズの存続を誰よりも望んでいたポールさん、必死になればなるほどのみんなの冷たい反応に幻滅して田舎に引きこもり、この盤を製作、意地になっちゃってレット・イット・ビーより先に発売、さらに脱退宣言なんてしちゃったもんだからこのアット・ホームな新婚さんいらっしゃい盤は不幸な運命をたどることになってしまったのね。中身がまたこの大変な時期に一体何なんだののほんわかムード、インストの断片が急いで作っちゃった印象を与えたもんだから悪評に拍車をかけちゃって。こんな盤は時を経て聴くに限ります。そんなことを抜きにして聴くと当時ビートルズ以外のことは幸せいっぱいだったポールののびのびと音楽する楽しさが溢れたナイス・アルバムなのだ(抜きにしてないか)。いまだにわしインストの曲名言われてもピンと来ませんが[(^o^)]、かけっぱなしエンドレスにしてもOKでリラックスしてしまうのだ。歌ものは何と言ってもジャンクだな。やっぱポール小唄は素敵。してみるとポール小唄感満載のアルバムだから好きみたいです。例外はメイビー・アイム・アメイズドで、青筋ポール全開だけど、これが素晴らしくアルバムの白眉になってるから矛盾しちゃったけど用はまとめて好きなの。良いではないか。がはははは。音楽を気に入るのに理由は無くたって別にかまわんもんね。

曲目等詳細

試聴はここで。

10/26(日)
cover
Out Of Our Heads
The Rolling Stones
1965/7

シリーズ「石」

ドキュメンタリー「今」三部作、コピー・バンドの記録を経て登場の、いえー、イッツ・オンリー・ロックンロール・ストーンズのアルバムです。初手のドン・コベイ作のマーシー・マーシーからしてカバーながら感触がまったく違うわ、ポップです。私なんぞ根がポップ人間なんでこれで食いつきは最高。オリジナル作りに目覚めたジャガー・リチャーズさん、その含有率もオリジナル度もぐっと増してます。ラストタイムのリフ聴いてあ、モンキーズだって思う人もいるかも。当時の人はげ、ビートルズだってショック受けたかもなあ。だって仲良くなっちゃったんだからしょうがない。こうなら刺激しあって大きくなっていくのだ。カバーのザッツハウ・ストロングににんまり。サザン・ソウルの名作でオーティス・レディングとOV・ライトの間で競作、その運命を変えたちゅういわくつきのやつ。この頃から旬の音楽への嗅覚はびんびんです。お初登場アコスティック、サムクックのグッドタイムスを渋くきめてアイム・オールライトはライブ、きゃああ、アイドルちゃん。で登場は出ましたサティスファクション。リフ・ロックのいわずもがな名作だ。ブラックをカバーして出発した彼ら、ここへ来てブラックさんにカバーされることになる曲を生み出しました。この曲が出来たことでストーンズ自身も大きく変わることになったと思います。そして10.のプレイ・ウイズ・ファイア。出ましたアコースティック哀愁ナンバー。この路線なら無敵のストーンズのこれも始まり。目茶目茶しみるわ。ぐっと色彩が増したこのアルバム、これはUS盤でUK仕様とは曲目が違うのですが、ストーンズ通史からしてもかなり上位に来ると思います。きらきらしてるもんな。

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10/27(月)
cover
Van Halen
Van Halen
1978

シリーズ「ヘヴィメタ虎の穴」

70年代も終わろうとしていたその時に忽然と登場、世はディスコ大全盛、パンクNWの嵐の中、悲嘆に暮れていた全世界ロック少年少女のぎゅわーん願望に一筋の光を灯したヴァン・ヘイレンのデビュー・アルバムです。プロデュースはテッド・テンプルマン氏。元はゆえばソフトロックのハーパースビザールとゆうバンドのドラム兼ヴォーカル、それはもうなよなよっとしておりましたがプロデューサー業に転身後はドゥービー・ブラザースを初めとするやたらめったら切れの良いサウンドで注目を集めました。とはいえほとんどは西海岸サウンドなもんでこれをプロデュースした時はほんとぶっとびましたわ。考えてみたらワーナーですから彼、モントローズやってたのね。残念ながら小ヒットに終わってしまったそれのリベンジをいつかと思っていたに違いない。そんな時眼前に現れたこのバンド、よっしゃーと気合入ったのは想像出来ます。アメリカ西海岸と言えばほんわかサウンドの本場ですが、さすがにロックファン全部がほんわかしてた訳では無かろうと着々育ったギター野郎、エドワード・ヴァン・ヘイレン。サーフィン・サウンドちゅうのはギター・テンテンケテン主役だから波とメタル、合わないわけでは無かったのかも。鋼鉄のサーフボードで大波をかわすがごとくのギター、炸裂しています。この盤ほんと構成が見事、1曲目はさくっとかわして、出てきました曲芸ギター、何じゃこりゃどうやって弾いてるんだの右手奏法炸裂であのユー・リアリー・ガット・ミーにつなぐとゆう。忘れていたロック心を全焼させるこりゃメタル・ファンで無くとも熱くならないロック・ファンはおるだろうかね、まったくー。後はもう度肝を抜かされっぱなしで最後まで突っ走ります。とゆう訳で度肝を抜かさせる為だけの紹介デビューアルバム。1stとしては絶好の展開でヴァン・ヘイレン、世界はもうあなたの味方よ。個人的にはデビッド・リー・ロス、あんた最高や。チンピラ軽薄海岸ボーイ。

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10/28(火)
cover
Dreamboat Annie
Heart
1976/3

シリーズ「ヒット王」

80年代のアメリカ芸能ロックで大成功のおかげで身も人気もビッグネームになりましたハートさんの1stアルバムです。アメリカは西海岸の北の方、シアトルで結成されて、あれシアトルちゅうとイチローのマリナーズのとこか、弱小レーベル、マッシュルームでデビューしました。何せ弱小ですから売り方が無茶苦茶、この盤のジャケも女二人姉妹ーてんで、んにゃセクシーなら売れるなとこの有様、お二人さんやでやでたまらなかったらしくこの不機嫌な顔を見給え。我慢せねば芸能界入りは出来なかったのね。魂を売ったな<[~O~]>hahaha。肝心な音楽の方はとゆうとレッド・ツェッペリンのそれはもう大ファンだったとゆうことで思い切りそうしたいなが出ています。悲しいかな海を渡り大陸を横断する間にゼップさん変貌してしまい歌も顔がクリソツなのでどうやってもジェファーソンスターシップのグレース・スリックさんになってしまい、おまけにちーとも似てない妹さんはこの当時生ギターしか弾けなかったようでバックには常にじゃかじゃか鳴っているのだ。ところがどっこい音楽とは不思議なもの。その著しい不利?が功を奏して見事にハートならではのオリジナル・ロックが初手から完成しております。まったくばかロックの女王。いもさが突き抜けて快感に変わる瞬間が1曲目のヒット、マジックマンからたっぷりと。終わりそうで終わらなかったりの仕掛けが嬉しくてたまらないので21世紀の今でも喜んでしまう次第。その他ここで何でフルートソロかああ、とかおお海岸じゃ海岸じゃとかのムード満点SEとかたった今ロバート・プラントのマネしてただろうがぁのエルトンかジョニ・ミッチェルさんかちゅうポップ曲ありとかの突っ込みどころ満載。曲も粒が揃って楽しめること請け合いのアルバムであります。何ともはや説明しにくいけどこの必死さととっちりかり方と田舎っぽさの魅力は少なくとも80’s大成功の時のやけにずうずうしい風情の音楽より何百倍も魅力的だよな。

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10/29(水)
cover
ジャックスの世界
ジャックス
1968

シリーズ「新波倶楽部」

別に日本の音楽も聴かないわけでは無くてぐぐっと来てしまうものは何でも聴いてしまうわけです。特にどんなのが好きだちゅうとやはり濃厚な異国音楽って言いますか聴いてしまったらもうおしまい、周囲15mくらいは空気が一変、場内凍りつくようなやつが良い訳でこのジャックスなんかはもう30うん年の地下ゴーゴークラブ、極彩色照明フラッシュまばゆい光でらりらりぱっぱお姉ちゃん一見峰不二子よく見ると顔が赤塚不二夫が踊り狂う風景が3Dで出てくるので良いのです。アメリカにはフランク・ザッパちゅうヘンテコ親父がいるそうですがここでの演奏はフリークアウト思い出しちゃう雰囲気が確かにある。やっぱり日本語は母国語な訳でぐんぐん入ってきてしまうのです。俺がとか僕とかやたら繰り返されて文脈茶碗無視の歌詞はつい何言ってんだろって聴いてみたくなり、聴いてみるとこれがまたジョイ・ディビジョンな訳で歌い方、声はまるっきり日本人でまあ日本人なんだから当たり前だのクラッカーだから恥ずかしいと言えば恥ずかしいだろでも当たり前に歌っているから恥ずかしいとゆうより喜んでしまいました。怪奇大作戦とゆうTVドラマが大好きです。あなたももし好きだったらこれOKあるよ。エコー&バニーメンとゆう英国の楽団が好きです。あなたもし好きだったらこれOKあるよ。歌詞が問題で放送禁止になったとかそんなことばかりで有名らしいですがそんなこたあ、いささか先生も気にすることはありません。たった一人で夜中まっくらにしてコタツの中でミカンをむきながら吉田戦車を読んで聴きましょう。至福の絶望感をお届け。セリフ入り。

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10/30(木)
cover
Kill Bill, Vol. 1
Original Soundtrack
2003/9/23

シリーズ「大人のBGM」

2003年話題の映画、クエンティン・タランティーノちゅうクエン酸ナトリウムみたいな顔のくり〜むしちゅーの無愛想な方に似た愉快な監督作品、キル・ビルのサントラです。現時点では映画を見てませぬが、サントラだけ聴きました。何ともはやこれ、面白れー。いったいタラちゃんの趣味どうなってんだ。グリコのオマケが好きな21世紀の大人代表だわ。冒頭のナンシー・シナトラさん。フランクシナトラ様の御息女であるとゆうくらいしかしらんかったですが怖いですねぇ。バングバングって。凍りつく空気でこの時点でもうキルビル世界に突入です。続くチャーリー・フェザースのロカビリー、この人も知らん。このどロカビリーはどのシーンに。で、マカロニ・ウエスタン、あの「サイコ」のバーナード・ハーマン、アイザック・ヘイズと英雄ばかり登場されちゃまいったなあもう。グリーン・ホーネットのテーマはいかにも出てきそうでニンマリしてしまいますが大フューチャーのサンタエスメラルダ。このジンギスカンと並ぶ赤面デスコがこんな快感を持って聴けるとはねえ。シチュエーション名人だなあ。そして何やこりゃの日本人バンドを通過後の梶芽衣子。びっくりしたなもう。うちでこんなど演歌かかるのは必殺の歌以外有りはせんです。しかも楽しい。やられた。これが映画だと最後だって。ははは。さらにさらに想い出つくりのザンフィルにウイークエンダーの例のやつにジャーマンロックのノイです。ありがとう。まさに私へのプレゼント。来い来いって映画が誘ってます。SF刺青の男から子連れ狼まで復讐敵討ちものにつまらないもの無し。しっかり働いて入場料稼いで行ってみるか。

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10/31(金)
cover
Black Rose: A Rock Legend
Thin Lizzy
1979

シリーズ「ヘヴィメタ虎の穴」

バッド・レピテイション、ライブ&デンジャラスと黄金ラインナップで傑作を連発、ノリにのっていた矢先にサラサラ長髪碧眼金髪ギタリスト、ブライアン・ロバートソンが止めちゃってピーンチのシン・リジイさん。そこに現れたのが顔はごついがファイトの塊ゲイリー・ムーアさん。同郷朋友との再会で起死回生の一発、このブラック・ローズをものしました。いやーどうしたんでしょうリノットさん、いつもなら2,3曲はやっちゃってる曲があるもんなんですが、ここに至ってはメロディの神様が降りてきたかゲイリーさんの四角い顔見てたら湧き出て来たか捨て曲、一切無し。全9曲、もうほれぼれするものばかりでこれは間違いなくシン・リジイ、スタジオ・アルバムの最高傑作じゃわ。冒頭からづんこづんこのリジイ・シャッフル全開だもんね。硬派ノーマル・ピッキング大王、ムーアさんのギターも切れ、重量感ごっつんごっつん、くりくり長髪スコット・ゴーハムさんと背中合わせてのツイン・リード目に浮かぶようだわ。ゴーハムさん偉い!ここでファンの皆さんが期待してるの充分承知で一歩引き、ゲイリーさん盛り立ててます。ミュージシャンの鑑。なかなかわかってても出来ないことです。その別にノッチじゃありませんヤツらはデンジャラス!!に続いてジスイズア・タフです。リジイ・ファンクのいえーS&M。そして出ましたアリバイ。いやがおうでもマカロニほうれん壮。プロモフィルムまた見たいよう。得意のリジイAORのサラと。さらにリジイ節の至福を味わった最後にはエレクトリック・アイリッシュ・トラッドの黒薔薇と来たもんだ。男気むんむん、気合入りまくり。人との出会いで実力3倍増しのマジック・アルバムの仲間に加わりましたブラック・ローズ、シン・リジイで何か一枚となればこれがやっぱお奨めなのです。

曲目等詳細

試聴はここで。