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今日の推薦盤一覧2004.8上

 

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1

8/1(日)
戦慄の女王
cover
Queen
Queen
1973/9/4

シリーズ「ヒット王」

クイーンの1stアルバムです。私が洋楽聴き始めた年にデビューしたんだなあ。とは言ってもキラー・クイーンまで未遭遇でしたけど。微妙にさかのぼって聴いたのがこのデビュー盤とゆう訳です。
メンバーが固定されてから3年、バンド名がクイーンになってから2年の音なんだよなあこれ。ハードロックの歴史と共に誕生してたったそれだけの期間でクイーンはクイーンになってしまいました。1曲目、”炎のロックンロール”からフレディの歌い方はフレディだしメイさんのギターはあの音だしリズムセクションも同様、曲もまったくクイーンで5,6年後のアルバムに入ってたってまったくおかしくない代物だと思います。デビュー時でこれだけ基本の音が出来てるバンドって当時はほとんど無かっただろうと。今は逆に未完成を許さないすから無理やりにでも形作っちゃうけど。基本は出来てるから後はこれから何をやってくれるかに焦点は絞られてくる訳で。そこは余裕で俺達はここまで出来るんだよとショウケースするアルバム・ナンバーが目白押しです。キャッチーな目玉曲、先の”炎の〜”そして”ライアー”、”サン・アンド・ドーター”を適所に配置して。後はアルバムとしてじっくり。もう全然急いでもあせっても無し。いきなりこんなバンドが出て来たんだから英国マスコミがこぞって酷評したくなる気持もわかる。先達バンドを支持してる人間も含めて聴いた方があせっちゃうわな。そのメディア、ファンを含めたあせりぶりがまたこのバンドのでかさを証明することとなるのではないかと。うげと拒絶する人たちも含めて実力だけは認めざるを得ません。しかも一部を除いて美形さん揃いだと来たもんだからこれは嫉妬だわ。聴いてる方が嫉妬してもしゃないけど(^0^)。そうなってもおかしく無いぞ。それにしてもキャッチー曲3本はかっこいいなあ。サン・アンド・ドーター指してほらツェッペリンのまねっこじゃんって安心してもそのかっこよさ自体は揺るがないしそもそもフレディ式の歌い方は誰もそれまでしておらなかった。非難してるんだか喜んでいるんだかわかりません。とゆう訳で後ろの方からクイーンを聴き始めた方にもいささかの躊躇も無くお勧め出来ます。ハード灘の生一本って意味じゃ初期に限るだけにクイーンのその部分が好きな方にはたまらない存在かと。しかしこの時期に出て来てくれて良かったよなあ。全ロック・ファンにとって好き嫌いに関わらずいてくれなきゃ困るバンドってのがありますがこのクイーンもそんなバンドとして登場いたしました。

曲目等詳細

日本盤

試聴はここで。

グッヅ

8/2(月)
とってもイカした
cover
Sheet Music
10cc
1974

シリーズ「SFロック」

クイーンと並んでの70’sの申し子バンドと言えばこの10cc、これはその彼らの2ndアルバム、その名もシート・ミュージック。「一枚綴りの楽譜」。CDになって文字通り1枚綴りになってまずはめでたい。現在は1stと2枚綴りのが最新でなおめでたい。衝撃の1stは当時にあれパロディ・バンド?ジョナサン・キング印だしなあと思われたとしても不思議で無いけっこうわかりやすいポップミュージックをいぢくり満載でした。それはもう楽しくてちくちく刺激だって一杯、ちゃんと聴けばこれは只者で無いなと。気が付いてリスナーの中ででかくなって来たところこの2ndの登場。10ccミュージックのど真ん中ひっさげて。4人の個性がざっくり混ざってそれぞれ蝕手を伸ばして絡み合ってこれがバンドの醍醐味だよなあ。何たってウォール・ストリート・シャッフルがあります。10ccロックの真髄。エリックさんがビートルズ好きだからどうしたってあのキュンな空気メロディが出ます。10ならでははこの生々しさ。センス良いぞに違いないし洒落もあり照れもありなのにズンズンズンズン前に出てくる。あつかましいとでも言いたいそこがロックだ。それはシリー・ラブを聴いていただければ。それはよくぞ付けたり2曲目の邦題「とってもイカしたイモ・バンド」。このちょっと偽悪ぽいとこも10ccの大きな魅力では無いかと。2ndにしてゴドレイ・クリームのミュージカル好きも全開です。変幻自在のメロディ、それにぴったしのアレンジを4人の音で。わたしゃウォール・ストリート・シャッフルみたいな曲は間違えれば書けるかもしれないなと幻想するけど7.「ハリウッドのどこかで」みたいな曲は絶対に出来ません。断片は行けるかもしれんがこれを構成してこうまとめあげるのなんてもう。無条件に大尊敬。凄いぞ。そしてフランク・ザッパ大明神なら一人でやっておるこの仕事を彼らはあえて4人でくんずほぐれつしてやっております。一人一人あの個性ですからそりゃ楽しいとしてもキツイ、テンション高なのではと。おかげで1+1+1+1+=4000にもなろうかとゆうでっかさが音楽に出て何回聴いても飽きず面白くなっていく一方なんですが、これは永久には続かないぞとゆう懸念もどこかで感じ始めてたりして。そんなキリキリのデッドエンドリミット空気も大な魅力。むしろよくぞ4人でやってくれたと感謝して今も聴いています。終わり方の呆気無さも凄い。よくこれで終われるよ。

曲目等詳細

日本盤

試聴はここで。

8/3(火)
英国人イン・NY
cover
Freeze Frame
Godley & Creme
1979/9/30

シリーズ「SFロック」

祝再発。元10ccのゴドリー&クリームの諸作が未発表曲追加しかも2in1で再CD化されました。今までいささか入手難だっただけにこれはめでてえ。早速購入貯金開始です。
でフリーズ・フレーム。5ccと5ccに別れてから3枚目のアルバム。そりゃあも大好き。我が家の変の聖典だ。私が一枚、みみちんが一枚、それぞれLP持ち寄っての結婚で変の変好き夫婦となってしもうた。聴いて聴いて聴き倒して。
一口に変と申しますが、変の道は長くて曲がりくねっております。他の者と違った音楽をやれば変。ただ人は一人一人違ってるから一際違って無ければ変の称号は与えられぬ。一際違う為には音楽を作る時に既に日常とは相当かけ離れた絵を見ていなければならないと思っております。違う世界に一旦身をすっかり置いてのスタートで。それでこのジャケット。体は身を現す。一応人間の男女であらうが、銭湯入浴中と思し召す。背中合わせの体の模様は一体。実は人間では無いのであろうか?しかも女人はどこに腰掛けておる。これは配管隠しのライニングカウンターと呼ばれるところ。普通奥行き有っても15cmではないか。ここに腰掛けたら片尻しかのらぬ。片尻はいり。このように一見日常風景ながら全然日常で無い風景、これが変の道の極意かと。
1.英国人インNY
情け無いリズムボックス+ハンドクラップ+マリンバ+扇情スウィングラッパ隊。ガーシュインのニューヨークに突入のお二人です。ドラムレスなのに躍動感ステップステップで踊りまくって良いですかい。確実にここは金星入植地新ニューヨーク。合成ビッグバンドのフィルムを見ましたか?千回は聴いてる次第で。100m先でピアニストが弾いてる。
2.不規則な脳波
お得意の山賊コーラスで始まる。安心してはいけません。突然のネズミの乱入。何事も無かったように元に戻る。これも生ギターアルペジオのバックなのにやたら躍動的、踊りまくっていいですかい。攻められて攻められてそして
3.私は無生物を哀れみます
虚空プラズマ空間からパルス・ギターが雨あられと。これをものしてるのが変友達、ロクシー・ミュージックのフィル・マンザネラ師。師のベストプレイと確信しております。これに対抗できるプラズマ野郎は他者客演時のフリップ師しかおらぬ。そして歌が入りまうす。25年経った現在でも謎のエフェクト処理、通常に歌ってるのに回転数が変化した音色となってる。これはイコライズだけでは到底無理かと。さらに襲い掛かるプラズマギタア、挟まる連打鍵盤。聴いても聴いても目が点の一物だし。これが真のプログレシブだなや。座布団10枚進呈。
4.フリーズ・フレーム
同じタイトルでもJがいるバンドとはサハラ砂漠と北極くらいの温度及び地域差及びが違います。火曜サスペンス劇場金星冬ソナ昼メロドラマを見てるかのような妙な情緒的感動が。ずんどこリズムが俺の腰骨を揺らして一緒に口笛吹いちゃうよ。展開で雲がさあああっと別れて紫色の太陽が燦燦とそそぐ風景を見ることが出来ます。
ここまでがA面。とんでもない音楽です。これ以上のA面に遭遇したことは数えるほどしかありません。
5.手掛かり
又しても客演のマンザネラ師。一人合奏のギズモグレムリンと化して。これはラテン・リズムだと思う。抑えに抑えて我慢出来なくなったところで
6.ブラジリア(あなたがここにいてほしい)
変化したスモーク・オン・ザ・ウォーターのリフであります。返しの”ちゃ”ギターは呪われた夜。タイトルから見えるのはどうしたってテリー・ギリアム監督の映画ブラジル。英雄水道屋タトル登場のテーマとなりインチキ・ラテンの祭典が始まります。温度は零下15度だけど。寒いは暑いはで鳥肌立ちっぱなし。駄目押しもあるし。
7. Mugshots
モグしゃんの歌。途中でサーフィンしてる。ゴム輪大活躍。
8.すぐに回復します
もうすぐ良くなるわなあと歌いま。客演はポール・マッカートニーちゃん。どうゆう縁だ。題名からしてピッタシでタイトル・ヴァースを地味に連呼しております。ポールさん、エリック・スチュワートと組んで仕事したけどやはり組むべきはこの二人であったとの感がここでぐっと。ぶち壊す人間で燃えるタイプの人だと思い。その共演アルバムを夢想させる罪な展開で静かに幕を閉じます。

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8/4(水)
月にモーン
cover
Moanin' in the Moonlight
Howlin' Wolf
1959

シリーズ「ブラック道」

祝どっかの雑誌で選んだブルース・アルバム部門第1位。やっぱこれだわ。ファンなのでこうゆう時だけは素直に喜ぶ。この前書かせていただいたリアル・フォーク・ブルース・アルバムもリリース順だと最初に出たロッキン・チェア・アルバムも甲乙付けがたくモーンな一品だけどこちらにはこのジャケットがありんす。狼少年ケン・ジャケ。音楽はもちろんまず中身なのは間違いありませぬが装丁だってぐーんと気分がアアッパーとなりますから大事だと思います。体重300パウンド。本名チェスター・アーサー・バーネット。10年生まれで百姓をやりながら歌い続けて各地を転々、51年に暴力夫凶悪ギタリスト、アイク・ターナーの紹介でチェス・レコードと契約、1.と2.はその時のメンフィス録音です。以後シカゴにてマディ・”デカイイチモツ”ウォーターズの一のライバルとして君臨し続けた次第で。ハモニカを吹きつつがなる。どこが好きだって言ったってこの声、ロック人間ならドクター・ジョン、メガデスのデイブ・ムスティーンでんがな。直結する浪曲声。早い話がリアル・フォーク・ブルース・アルバムで書かせてもらったように丹下段平。しかも酔いつぶれた時の。そりゃブルースだけどあれだこうなるとロックだ。声だけでPIL、メタルボックスに対抗できる代物だし。暗闇度でもほぼ互角。先人にこないな強力な人がおるといくらタックル、カニバサミ仕掛けてもビクともせんので非常に困る。ここは知らなかったことにして己しなければ。知ってしまった日にゃあさらに困る。やりたくなって。かなわんと知りつつ挑戦し続けたロッカー数知れず。かのローウェル・ジョージ氏もその一人だけどあの人はもうしゃあないわと少しだけどっぷりやらせて貰って後はひらりとかわしました。かのように毎日朝から晩まで浸っていたくなる衝動もそれしてしまうとさすがにやばいかも。しかるにたまに浴びてここまで来ると最早異次元の世界の業を味わうがよろしよ。何とも嬉しいことにCDでは次のロッキン・チェア・アルバムと2in1だとか。何とも嬉しくないことにこれだけのでかいジャケで拝めない。うちにあるアナログだと裏面は狼どアップ。そして英文の燃えてるライナー付。CDだとどうなのだろう。載ってるのかな。とにかく買ってしまったら知ってしもうたらどでかい存在にならざるを得ない音楽だと思うのであり。渋くない最高のインパクト・ロックだと思います。え、渋いんですか。渋くなどさせてたまるものか。

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8/5(木)
絞りつくせ
cover
Friends and Relatives
Mott the Hoople
2000/1/18

シリーズ「悪い仲間たち連合」

本当は今日はモットの74年ライブをやらせていただこうと思っていました。それで調べていたら何とその盤の30周年記念盤が8月末に出るとのこと。それがまー2枚組に拡大、トラック大幅増しってんでこれはそれ聴いてからだなあと。それで祝発売記念&この「お友達&珍しいもの」盤もいつまで入手出来るかわからんぞ&気分はすっかりモットだし後には引けぬ(^0^)で準備不足のままこれやらせていただいて良かですか?
この盤、まだろっくすをやる前、アマゾーンさんなどとゆう便利なところを知らん時に町のCD屋さんで発見、おわーこんなんが出てるんだーと狂喜、飛びついて買ってしまいました。レア・ライブと関係者音源勢揃いのブツです。だってモットだもん。青春バンドでして。中高とそりゃ夢中だった。でも考えてみりゃ知らないことばかり。あちらじゃかなりの人気だとゆうのにイアン・ハンターさんのむさーいルックスが功を奏してか本邦じゃ全然駄目、情報なんかありゃしませんでした。で、これ買ってお前はそれぞれを調べたのかー?と言えばこれが全然。ははは。生来の不精でへえへえっておもしれーなーって折につけ聴いて喜ぶばっかで全然まだわかってないとゆう。で、ファンの人間以外にもこれ、面白いのだろうかと思うにどうでしょう\(^o^)/、ただ一つ言えるのは入ってるモットのライブは凄いです。これは必殺、初めて聴かれたとしてもファンになると思う英国ロック史上に残る演奏かと。ちょっと大げさに言ってますが。ファンですから。後のはとほほもそりゃありますが、まるで英国ロックのショーケースのような多彩な演奏ばっか。これが全部集まってとぐろを巻いて最終的にあのモットの成功かと思うと果実を食べて元の大輪の木について思い巡らすような感動が眼前に壮大なスペクタクルとなって...。ちょっと大げさに言ってますが。はは。
 うーん時間が許せば調べてみたい。ほんとに。全部エンジェル・エア・レーベルの音源からとライナーには書いてある。つうことはそれぞれ別な形でリリースしているとゆうことか。冒頭から始まるフープルのライブは「ロックンロール・サーカス」っての持ってるんですがそれと同じ日のものなのか?それにしても音が良い。あっちは演奏はともかく音は凶悪だった。別な形でリリースされてるのは音が良いのか?続くアフター・フープルのモットとブリティッシュ・ライオンズ。バンドの名前は好きなんだけど(^0^)、実はレコードで何回聴いてもピンと来ずで。ファンなんで好きになろうとしやしたが。でもここでのは良い。不思議だ。瞬間風速ならOKってことかな。キーボードのアレン氏のソロ・ナンバー、これはソロ・スターになりたかったんだろうなあつう気持がひしひしとわかるポップ・チューンで。かわゆい。何時頃のだろうこれ。ラルフス君のソロ、これはビックリ&すまぬが爆笑。だってスティーリー・ダンもかくやのデスコ調AORで。あのゴリゴリのブリティッシュ・ギターのままラリー・カールトンしようとしてる。やりたいことと出来ることについてしばし沈思黙考。最後に加入したキーボード奏者、モーガン・フィッシャー氏のバンド、モーガンが。ELP風プログレだ。ボーカルがフレディ・マーキュリーかーってびっくりしたー。したらスマイル時代のロジャー君とブライアン君と一緒にやってたんだって?するとこのボーカルは?モーガン氏、後にイーノ&レジデンツ化して日本に移住、一番幸せなアフター・フープルだったかもしれん。ジョン・フィドラー氏。あの豪腕英国ロックバンド、メディスン・ヘッドのボーカルさん。ブリティッシュ・ライオンズでフロントしてくれた。このソロでは産業してるけどこれがなかなか。ブリライよりいけてるかも。メディスン・ヘッドってしょっちゅうチャート賑わした人気バンドだったからけっこう人気ある人ではないかと思う。スティーブ・ハイアムズ氏って一体。ハンターさん無き後ヴォーカルやったって何時?マックやスプーキイ・トゥース、ヴァンダーグラフ・ジェネレーター、果てはイアン・デューリーのブロックヘッズにもいたとな。うが何で気付かぬ俺は。ドク・ポーマス・グループとサイレンスはプレ・モットのバンド。ここで初めて聴きました。ディスク2のフープルのライブはやっぱ強力。ラルフスさんのきこきこギターが堪能できて幸せだわあ。勢いだけは横綱級のモットのライブも爽快。ブリライのデモもやっぱけっこう良く聴こえて。耳が曇って無いよな俺。ははは。再び登場アレンさんのソロはええっと(^0^)。続くラルフス氏のソロものは再びフュージョン路線。うが。やめなさい。やめましたか。ドク・ポーマスGの曲はベアフッティンだ。ニュー・オリンズ・クラシック。曲だけで喜ぶ次第。サイレンスのはああ、60’sだなあって。レイ・メジャース氏ってモットの時のギタリストさんだっけ。ソロ・アルバムを出しておったとは。ライ・クーダーとクリス・スペディングさんの合体音楽のようです。次のラッツはディスク1の最後にも入ってましたが、ミック・ロンソンのバンドで後にスパイダース・フロム・マースになったものと聞き及んでおります。これも初めてここで聴いたのですが、内容はともかく聴けただけで幸せに。こんなのあったのかのオバレンド・ワッツ氏のソロ挟んで最後はトドメ、フープルのワン・ノブ・ザ・ボーイズのライブで終了。行きがかり上全てに触れさせていただきましたが長い割りにいつもにも増して中身なく申し訳無し。ファンなんです。だって。もっと勉強しろ。はい。でも勉強嫌いなんでこのままかもー。

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8/6(金)
あの時イエスタデイ
cover
Strawberry Switchblade
Strawberry Switchblade
1985

シリーズ「新波倶楽部」

「誰でも英雄になることが出来る。1日だけは」
デビッド・ボウイ氏、ヒーローズの歌詞を地で行った二人組ストロベリー・スウィッチブレード。ある日突然やって来て一生心に残るような曲を演
奏してある日突然いなくなりました。背の高い方がローズことローズ・マクドウェル嬢、低い方がジルことジル・ブライスン嬢だとゆうことなので
素直に見ればジャケ左側がローズさん、右側がジルさんでありましょう。しっかしよく似てるなあ。
 そしてこのよくぞ付けたりの名前「イチゴ飛び出しナイフ」の二人が残した唯一のオリジナル・アルバムがこの盤です。現在何と日本盤のみCDは
入手可能とゆう。全曲彼女ら二人による曲。わたしゃNW版女モンキーズかと思っておりましたが違ったのねー。だって件のウルトラ・シングル「ふたりのイエスタデイ」。とてもシロートが作ったとは思えませんことよ。そのノスタルジー溢れて60’s70’sをすらりと通過した何ともかわゆいメロディ、嫌いになれって言ったって無理でございます。84年の11月に全英最高位5位でございます。あまりにも良かったので日本のあの有名な\(^o^)/ラバーズホリデイまでもが「あの時イエスタデイ」なるタイトルでカバーしてしまいました。ヒット?する訳がありません。はは。オリジナルがあまりにも完璧なアレンジだったのでニック・ロウ・プロデュース、ライ・クーダー参加を想定してスライドびゅんびゅんのヴァージョンにしてしまいおった。はともかくとにかく飛びぬけております。その曲は。だもんでこの盤を初めて聴いた時は面食らった。それを超える曲を望むのは酷ですし、印象強力過ぎるもんなあ。プロデュースはシングルとなった「イエスタデイ」「レット・ハー・ゴー」「愛の疑問」はフィル・ソーナリー氏、それ以外はデビッド・モーションとゆう方が行っております。フィル・ソーナリー氏と言えばそうなりー、XTC「ママー」のミックスをやった人、うが適材だ、あの冬の暖炉のようなほかほかエレクトロニクスの音、それらシングル群にはその温度が共通してあります。イエスタデイほどのインパクトは無いけど後の二つのシングル、これも素敵だぞ素晴らしいぞたまりません。3回聴けばぐんぐん惹きつけられます。問題は残りの曲、やっぱりNWシーンから出てきたんだなあと思わず納得のけっこうダーク調で。お顔メイク通りバンシーズってまでは行きませんがこれは初期ヒューマンリーグ思い出したりして。これは馴染むまでちと時間がかかる。5回聴くくらいは。馴染むといやこれも素敵でして。カキっとスリムなアレンジで古くならないNW時間となります。そもそも最初はエコー&ザ・バニーメンのシャキシャキ・カッティング・ギタリスト、ウイル・サージェントに気に入られてこの世界でデビューしたとゆうことで、なるほど根はこっち方面なのかもしれないすね。そう言えば発売レーベルはコロバじゃないかー。何か嬉しい。転ばぬ先の...。
 さてジルとローズのお二人、これを出した後86年3月に来日、6月にはあっけなく解散、ジル嬢だけはソロとなってブルーオイスターカルトの「死神」!ピッタリだ聴きたいじゃないか、をカバーしたりしたそうですがすぐそれも止めちゃったらしく今頃は良いお母さんとなって子供にイエスタデイ子守唄で聴かせているかもしれません。何と幸せな子供よ。
 試聴リンクで貼った公式サイトでいくつかの音源とビデオを見ることが出来ます。デビュー曲の「トゥリーズ&フラワーズ」、簡素なギターだけのバッキングの「ゴー・アウエイ」、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「サンデー・モーニング」、イエスタデイのB面「バイ・ザ・シー」いづれも素晴らしくたまらんものなので是非訪れてみておくんなまし。
 最後に「ふたりのイエスタデイ」。やっぱ大傑作です。歌唱力がなまじ有ってこね回したりしたら台無しになってしまう、NW世代のポップソング
の代表曲かと思います。心の殿堂に入ってもらいましょう。

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8/7(土)
ストラト万歳
cover
THE MASTERS OF STRATOCASTER
〜50th Anniversary 1954-2004
2004/8/4

シリーズ「オムニバスワールド」

ロックの華と申しましたらそりゃもうエレキギター。そして2大エレキギターとして燦然と輝いているのがギブソン・レスポールとこのフェンダー・ストラトキャスターでございます。1954年に生誕したこの稀代の名機の50周年を祝い日本のワーナーから記念CDが出ました。実はまだ買っておりませぬが収録各曲は所持しておりますのでその栄誉を讃えて私ごときが僭越ですがご紹介させていただければこれ幸い。お買いになったあかつきにライナーノーツと比べていただき笑ってやっておくんなまし。ちなみにこの盤の企画は雑誌ギターマガジンが選曲・監修・ライナーを担当だそうです。アマゾンさんの曲目表示が違っております。リットーミュージックのHPで確認した曲順で書きますので間違い無いとは思いますが。
 ストラトキャスターと言ったらそのシングルコイルピックアップから生み出されるシャキシャキサウンド。先輩エレキ、テレキャスターの少々エキセントリックな音質とはちと趣きが違い上品、なもんでそのままでも良し歪ましても良しでオールジャンルで大活躍のギターなのだ。私の愛器もこれです。ブラックでローズウッドネック。はいエリック・クラプトンモデルだ。フェンダージャパンなんすけどやっぱ音は良いです。最近かわいがってあげなくてごめんね。
それではそれぞれの曲を拝見。
01 リッチー・ブラックモア(ディープ・パープル)「ハイウェイ・スター」
『マシン・ヘッド』より
・・・へへえ。リッチーさま。ろっくすの「ベスト・ギタリストを探せ」コーナーでも大人気、ミスター・ストラトつうたらリッチーさまに他ならぬわ。控えおろう。その華麗なる早ビキニ、速弾きにぴったしな訳です。鷲づかみするような奏法でわてらのロック心も鷲づかみだわい。

02 スティーヴィー・レイ・ヴォーン「スカットル・バッティン」
『テキサス・ハリケーン』より
・・・鷲づかみ奏法と言えばこのお方も忘れてはいけません。レーイヴォーンさん。80’sを代表するストラト使いだぜ。速いわ切れがいいわたまりません。スカトロばってん、もといこのスカットル・バッティンでスカっとしておくんなまし。レッツゴー。朝から晩までギター抱えて弾いてますですきっと。

03 ローウェル・ジョージ(リトル・フィート)「ディキシー・チキン」
『ディキシー・チキン』より
・・・泣いてもええですか?よくぞ選んでくれましたギターマガジンさん。ストラトでスライドつうたらローウェルさんでございます。変則のオープンAチューニングでブルースの枠から飛び出した極上プレイを聴かせてくれます。この曲が入ってるアルバム、73年のディキシー・チキンからMXRのダイナコンプを使い始めて永遠なるサスティーンを獲得、どこまでもどこまでも上昇していくわギターの音が。あ、もう宇宙が見える。来日時、弾きだすと会場の全員がふーっとため息を漏らしました。これほんとの話。

04 ボニー・レイット「シュガー・ママ」
『ホーム・プレート』より
・・・ストラト使いの姉御つうたらこのボニー・レイット嬢。75年の「ホームプレート」アルバムからですね。ローウェル・ジョージさんに紹介して貰ったMXRダイナコンプを使っております。ローウェルさんと同じにしてもしょうがないのでサスティンは控え目、ストラト生の音色を大事にしております。生を見たのだ。しかも小さな会場で目の前で。大迫力、上手かったなあ。個性もバッチリだし。

05 エリック・ジョンソン「トレードマーク」
『未来への扉』より
・・・く、詳しく知りません。調べたら何とクリストファー・クロスのバッキングで有名だそうで。メタルな人だと思っておりましたが。どうりでこの曲での含蓄ある演奏。歌心に支えられたテクニック。私なんぞ瞳孔開いて夢ごこちするだけっす。

06 ライ・クーダー「流れ者の物語」
『流れ者の物語』より
・・・はい、ライさんもストラト使い大王です。ちょっとばかしフェイザー使ってるかな。ほぼそのまんまの音色でのスライドでむせび泣くのだ。くいーんじゃなくてキュウィンって感じで。フィンガー奏法ですから例えエレキギターだって一人で弾き語り全然OK。

07 ロビー・ロバートソン(ザ・バンド) 「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード」
『ラスト・ワルツ』より
・・・そうだよロビー氏だってストラト帝王じゃ。最初はテレキャスだったけど。シングルコイルの特徴を絞りつくしたカキコキサウンド。さらに輪をかけるようにチッキン・ピッキング、これは指先の微妙な按配でハーモニクスを出しながらコケコッコーと鳴かせる奏法です、を駆使するもんだからピコクケクッキーン。歌のバッキングはもう惚れ惚れするくらいのフレーズ連発。ずっとほぼノー・エフェクトだったんで生々しく、下手糞ーと誤解されたこともあったけどあーた最高に上手いでっせ。誰が出せますかいこんな音。このラウトワルツでのエリック・クラプトン氏との対決は流麗テク・ギタリストとの対戦ちゅう因縁のもので、クラプトンはんはロビーさんに憧れているとゆう複雑な関係。エリックさんすらすらっとソロを弾き始めるも突然ストラップが外れて攻撃不可能に。すわ神は味方したかとロビーさんの猛攻撃が始まります。それがまた凄い力技フレーズ。300kgのストンピングかましてさぞかし気持ち良かったでありましょう。日比谷スカラ座で私も大拍手いたしました。ほぼ劇団ひとりだったけど。

08 イングヴェイ・マルムスティーン「ファー・ビヨンド・ザ・サン」
『ライジング・フォース』より
・・・世界最高速のストラト野郎と言ったらこの丸虫ティーン(失礼!)さんなのですね。この曲思わずビッグ・ヴァン・ベイダーが入場して来てしまうかと思いました。ロック・ギターの魅力の一つとして超絶な早弾きは欠かせませぬ。まあ速いだけだったらサーカス&上海雑技団化でございますが。音楽と別な次元での楽しみとなってしまう。だけどなあナンバー1となればただただひれ伏すのみだわ。あ、スティーブのヴァイさんが何か言いたそうだ。駄目ですあなたストラトつうか変なギター使ってるでしょ。

09 ジョン・ホール(オーリアンズ)「スティル・ザ・ワン」
『夢のさまよい』より
・・・泣いてもええですか。よくぞ選んでくれましたギターマガジン編集部さん。当ろっくすから表彰状を進呈いたします。ジミヘン直系にしてクラプトンもかくやの流麗泣きギタリスト、ジョン・ホールさん。リズム・ギター&歌ものバッキング・オブリガードの素晴らしさではもう世界一だとわたしゃ確信しております。ハンマリングオン、オフを駆使した流れるようなフレーズはもう絶品。ソロだって決まるところでピシっと決めてメリハリだよギターソロは。友達の先のローウェルさんボニー嬢と絡むことも多し。そんな時は最強のストラト共演となるのだ。バンドの僚友のラリー・ホッペン氏も実はホール氏と並ぶくらいの名手。この二人がトゥイン・リードでやってたオーリアンズってバンドはもうギタリストに取ってはあちこちで悶え鳥肌ってばっかしの凄いバンドなのだよ。ほんとだよ。

10 バディ・ガイ(&ジュニア・ウェルズ)「T・ボーン・シャッフル」
『プレイ・ザ・ブルース』より
・・・ブルース界からのストラトの星としてガイさんが登場。草の香りがするフレーズ連発で、つい「おうイエー」とか掛け声をかけてしまいまっす。ストラトだと泣きちゅうよりも唐草空気になりますね。ってもっと気の効いたこと書けないかねまったく。

11 ディック・デイル「ミザルー」
『ベスト・オブ・ディック・デイル』より
・・・見ざる言わざる着飾るってんでサーフィン界からデイル”豪腕”ディックさん入場です。映画パルプフィクション挿入曲としてCMでもばんばん流れたぜよ。トルコのウードつう楽器の奏法を参考に編み出したこの連続トレモロ攻撃。音がもうぶっといです。実際とてつもなく太い弦を使用してるらしい。ギタリストには筋トレも欠かせないトレーニングであります。って最近のやつらは0.08が一弦などとゆう軟弱なもん使いおってからに。デジタルエフェクターで歪ましてそっと触るように弾きやがる。そんなんギタア弾いてるって言えるかってんだ。このおじさん左利きで通常の右利きギターをひっくり返してそのまま弾いております。はいなジミヘンさんと一緒。彼はデイル氏がやってるのを見てそうしたと聞いたことがありますが。かのリッチー”ピカチュウ疑惑恋人にメロメロ”氏も彼の大ファンだそう。しかり。この豪腕鷲づかみ奏法は彼に元祖を見たりであるのだ。あ、そう言えばこの盤にジミ・ヘンドリックスさんが入っておらんではないか。これはもう片手どころか両手両足落ちだわな。ライセンスの問題で無理だったのかもしれんが。解決して欲しかったなあ。あ、ジミさんといえばロビン・トロワー氏も入ってない。ストラト連動ワウワウ口の名手なのにー。

12 トミー・ボーリン(ビリー・コブハム)「トーリアン・マタドール」
『スペクトラム』より
・・・昆布ハムさんとゆうアメリカのつのだひろ☆さんのリーダー・アルバムで弾いておりました富ボリン氏。この後出てくるベックさんのワイアー

ドは絶対この盤をモデルにしたんやろなつう物凄いプレーを繰り広げます。これ聴いちまったらリッチー”ピカチュウ以下省略”さん無き後バンドに入れたいと思った紫衆の気持ちが痛いほどわかります。飛行機で手を下にして爆睡眠さえしなかったら日本の聴衆にもわかったろうに。とにかく凄いプレー。単独で買う勇気が無い若い諸君。まずこれで聴き給へ。そして買いに行くのだスペクトラムを。間違えて羊肉とか、日本のバンドを買わないように。

13 ジェフ・ベック「蒼き風」
『ワイアード』より
・・・ベックさんはストラト一筋ってわけではありませんがこのブルー・ウインドではストラト化したベック人間の音が生き生きと。ぷきぴーんつうこの音は唯一無比、数フレーズだけ聴いてもわかっちゃいます。とにかくかっこいいと言えばベック・ギターの代名詞だと思います。

14 ロリー・ギャラガー「シャドウ・プレイ」
『ステージ・ストラック』より
・・・焦げたストラトはロリーさん。ひたむきな音といえばロリーさん。熱血といえばロリーさん。ブルースとかロックとか超えて声とストラトで人間が迫って来ます。こっちも熱血で聴くのが礼儀ってもんだ。

15 エリック・クラプトン「いとしのレイラ」
『ワン・モア・カー,ワン・モア・ライダー〜ベスト・ライヴ』より
・・・レスポール使いのエリックさんがストラトに転向したのは音楽の大きな変化と連動してのもの。名手は道具を選ばず。良い道具なら生かしきっての必殺リフです。おまけにハーフトーンなる望んだ音を作る方法まで編み出してしまいおった。楽器自体のあり方まで変えてしまった稀才です。

16 デュアン・オールマン(ウィルソン・ピケット)「ヘイ・ジュード」
『ヘイ・ジュード』より
・・・マッスルショールズ時代、スタジオミュージシャンとして大活躍してたころの曲です。ピケット氏の常人にあらずのボーカルもものすげえだけどそれに呼応するギターフレーズも熱くて熱くてインドより暑いトキオのようだ。これ聴いたらディアン・オールマン・アンソロジーをやっぱ欲しくなっちゃいますよきっと。

とゆうわけで16傑のストラト使い達の名演、これだけまとめて色んな人の同機種のギターの音を聴くのも考えて見れば稀なことで。面白くて楽しい。これは是非他のギターでもやってくれたらなんてことも思ったりして。ついでにベースでもやってみたら凄いかも。ジャズベばっかしとか。わはは。

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8/8(日)
地獄からの使者
cover
Kiss
Kiss
1974/8

シリーズ「お化け屋敷」

夏です。キッスです。これが74年に発売された記念すべき1stアルバム。おろ見事に30周年。記念盤とか行事はやらないのかいな。しっかし30年もたったんですねえ(ため息)。
これが1stなんですが大方の人は3rdかアライブから聴き始めたのでは無いでしょうか?かくゆう私も初遭遇は3rd。どうしたってこのメイクすから何じゃこりゃと思いの、でも音から入ったから何じゃこりゃはほんの最初だけですぐ楽しいぞに変わりました。初期3枚は相当音がしょぼかったなあとの記憶あり、実はこれも30年とは言わないまでも相当久しぶりに聴いた次第で、それでも思ったより音はしょぼくなかった。昔のハードロック・レコードってライブとは違ってけっこう音が行儀良かったりするの多かったんです。これロック史の謎かも。レコとライブは完全別物、ある意味ライブへ望むための音の教科書みたいな存在だったのか。明らかに低予算感じられるけど元々1発録りでもOKな音楽だし。まあ一番の原因はプロデューサー氏とエンジニア氏でしょうけど。後にモーターヘッドやったヴィック・メイル氏がもし担当してたらキッスの歴史も変わっていたかも。
 ウィッキド・レスターってゆうバンドにいたポール・スタンレイとジーン・シモンズ。バンド解散後、雑誌メン募で出会ったピーター・クリスと遭遇、さらにオーディションで30番目にやってきたエース・フレーリーとやることなりキッスの地獄の旅路の始まり始まり。まだ活動開始もして無い無名の連中のバンドにそない沢山のギタリスト候補がやって来たことからわかります通り当時この手のハードロックバンドはそれこそ星の数ほどおった訳で、まあキッスもそのまま活動しておっても埋もれてライブの受けもそれなりのものでしか無かったようであります。そこで一念発起、歌舞伎を参考にしたメイクで大変身、お金をかけたセットでやり始めたらライブが大受け、でブッダ・レコード等で大成功していた若き実業家ニール・ボガードの目に留まり彼が新しく始めたカサブランカ・レコードと契約、この1stとゆう訳です。ところがどっこいライブでは大受けだったのにレコードは全然売れず旅の最初からお金きゅうきゅうの苦難のスタートになってしまいおった。ジャケを見ていただくとありゃ何か不気味、楽しいバンドだってわかりにくいし、まあ誰でも最初はキワモノだって思うわな。そして中身も先に書かせていただいたように言ってみれば地味で。派手なくせに地味って。やっぱまずいかもしれん。
 とは言うものの今、聴けばそりゃもう楽しいです。アライブ&ステージでお馴染みのあの曲もあの曲も入ってる我々日本人にはあのヤングミュージックショーの曲だわな。それらはあとで受けたってのがけっしておかしくないポップでキャッチーな曲ばっか。に混ざって”キッス、その愛のテーマ”だけは笑えるけど\(^o^)/。どうしてこれ入れたかそばにいる女性タレントにちょっかい出しているジーンさんに聴いてみたいのう。ライブでやったのかのう。音楽的にはアリス・クーパーの子供たち、メイク&スタイルもだろうけど。しっかし一番違うのはけっこう社会的だったクーパー師匠に比べてもう楽しさ最優先、エンタメ王者だったところかも。それはしっかりグラムの心を受け継いでくれてる70’sロックの申し子。なんていっても音楽は楽しくなきゃ。はいとっても大切なバンド、キッスの始まり登場だー。今からでも遅く無し「地獄からの使者」の最初ぶちかまし、みんなで聴いて大盛り上がりしましょうぜ。しましょうぜしましょうぜしましょうぜぴゅーーー。

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日本盤

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グッヅ

8/9(月)
外国人合唱団
cover
Foreigner
Foreigner
1977

シリーズ「ヒット王」

フォーリナー、中国名「外国人合唱団」(これほんと)、何で読まないGが入ってんだを覚えさせてくれたバンドです。77年の4月4週、何かこうドカンとしたロックも聴きたいのうと思っていた矢先25位に初登場してそれはもう狂喜した思い出あり。なんつたって「衝撃のファーストタイム」ですから衝撃です。ちなみにその週の1位はテルマ・ヒューストン嬢。77年つうたらスティーブ・ミラー、フリートウッドマック、そして前年にはピーター・フランプトンの大ブレークと地味に頑張ってきたロッカー連中が軒並み日の目を見た年であります。な中結成されたフォリナー、スーパーグループと呼ばれました。面白いことに同時期にスーパーグループがぼこぼこ出て来てちょっとしたブームに。ナチュラルガス、KGB、ラフダイアモンドと。そのいずれもが似た特徴が。スーパーと言ってもスーパーな人は大抵一人か二人で後は無名もしくは昔ビッグなバンドに在籍してたとしてもその中でうむむそ言えば名前は聞いたことあるかもって感じのメンツで。これは多分この時期70’s初めのロックバンドがほぼ同時に音楽的役割終えて解散、皆さんどうしようかってのが重なったからかと。で皆さん再出発に当たって過去を引きずらない新たなサウンドで挑戦してた。それでも成功したのはこのフォリナーのみ。業界を生き残るのは厳しい。ベテランロッカーの面々、一通りロックのスタイルは見てきた、どんなんがヒットするかも、キッスがエアロがクイーンが成功したと。なぜ頑張って来た俺らがこんな状況なのだ。それは下手なポリシイなど持ってるからじゃないのかと想像できます。じゃここは一つ狙ってみようかと考えたとしても何ら不思議ではありません。信条はヨコに置いておいてのまずは食うためのお金のためのロック、産業ロックの始まりです。
 フォリナーだけ何故成功したか?その吹っ切れ方が他のバンドとは並外れて尋常で無かったこと。そしてスーパーバンドとしての格の核がおったこと。それはこの人、イアン・マクドナルド氏です。イアン氏だーキンクリだクリキン宮殿だ久し振りに見たぞ何してくれるのかなあとうるさ方もこぞって注目した。聴いてみたらこれまた謎でどこで活躍してるのだと(^0^)。返ってそれで謎解きみたいにウケたりして。その時は既にクリキン宮殿は伝説の大名盤として君臨、話題性も充分でラジオでかかりまくったのでありました。実際の核は元スプウキイ・トゥースつう名前は知ってても95%は実際聴いたことがないつうバンドにおったミック・ジョーンズ氏、そしてルー・グラムつうこれまたミュージックライフのレコ評の片隅で見たことあるなあって感じのバンドにいたボーカリスト、ルー・グラムさんだったのだけど。そんなこんなで繰り返し聴いてるうちにこりゃそれとは別に中々ええんじゃないかい、いや最高だーになって大成功いたしました。音楽はやっぱ名前じゃなくて中身です。ミックさんの今までどうしてこうゆう風にしなかったのだを解決したハードロックの美味しいとこギュの曲作り、ルーちゃんの湿気を完全に取り除いたポール・ロジャース・スタイルのヴォーカル、これが意外といなかった。パープルのデビカバ氏くらいで。望んでたとこを一刺しされたのだから能書きを優先しない普通のロック好きはこれはKOです。キッスの活躍で楽しいロックに免疫が出来てたのもあったのかもしれません。
 で中身はシングルカットされた”衝撃の〜”、第2弾これまたベタ度満点の”冷たいお前”はもちろんのこと他にもロング・ロング・ウエイ・フロム・ホームもカットされた記憶があるのだけど、どれを取ってもカット&ヒットじゃないかって当時のメガヒット・アルバムの条件を完璧揃えた物。イアンさんの活躍の場はどれか。あ、スターライダーだ。あまりにも真正面で気が付かなかったわ(^0^)。今ひとつ特徴はけっこうださかったり芋っぽかったり垢抜けなかったりするとこ。”ロング・ロング〜”のラッパ隊なんて恥ずかしいんだけど快感と際々のとこで踏み留まってるかと。これもやはり狙ったのか、あまりの洗練はヒットには大敵だと。
 もちろんこないに露骨なウケ狙いですから顰蹙も買いました。心を売ったロックだと。私もその点ではさっきも書きましたように際々だと思います。しかしこの時点ではこれだけやっても成功するかどうかは一か八かの挑戦であったし、何よりも必死、後が無いちゅう。これはいやつうほど伝わってきます。問題はこのあとだな。成功してしばらくしてやっぱりこんなものかと聴衆をナメた態度で音楽作り始めたり、金の為さほんとはブルースが好きなんだけどねなどど言うようになってはそれがどうしたって伝わって来て白けてしまう。成功が一段落して落ち始めた時も怖い。フォリナー、このアルバムのあと、イアン氏脱退、「ヒットしたらいらねえのかよ」と嫌ーな雰囲気の中、次のアルバムを迎えることとなります。さてその結果は...。

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8/10(火)
やりたかった仕事
cover
Labour of Lust
Nick Lowe
1979

シリーズ「力ポップ」

ぐお。ろっくす始めたからには是非ともきちんとした形で足跡残させていただかねばならぬニック氏のソロ2nd。ようやく何がしか書かねばと踏ん切り付いたとゆうのにまだ廃盤状態なのかー。レコード聴き過ぎて針が飛び始めてます。むむむ順調に再発されんのはこれも変人ジェイク・リビエラ氏のおかげか。コステロ氏のは無事出てるとゆうのに。今は仕方ないから11曲中7曲が入ってるベスト盤BASHER聴いてますから何とかボートラ付で再発してください。どうかひとつお願い申し上げます。て言っても日本語じゃわからないか。言わずにおれんの。
 きちんとした形で書きたい気持ち山々もてめえの中ででっか過ぎて何を書けば良いのかわからん状態。とにかくニックさんの1stと併せてこれが無かったらわたしゃ曲を作ることもしようとしなかったし、そしたらバンドも続けることなくそしたらめぐり巡って今の商売やることにもならなかったし貴方私の人生を変えました責任取って下さい(^0^)。
 スティッフからの1stそしてシングル群はそりゃもう聴き倒しました。コンパクト、POP、ユーモア、ワイルド、キュートと好み直撃逆らうことなど出来やしない。それをきっかけにパワーポップ、NWの世界が広がって只でさえ音楽に夢中もそれに輪をかけて朝から晩までになってた時、出ました2nd。それもデイブ・エドマンズ氏のリピート・ホエン・ネセサリーと対で。実際双子アルバムの様相でとっかえひっかえまたまた聴き倒し大喜びで。喜んでたら何と十代を通して音楽生活の中心に有った全米TOP40に1曲目「恋する二人」がエントリー、信じられん、さすがのことに文章ベタも何のその「嬉しい」とハガキに書いて送ったら湯川さんに読まれて汚い字のため噛んでしまって赤面するもまたまた大喜び。実際「恋する二人」はインパクト巨大だったので。この盤が出る前に買っていたのがニック氏のかつての僚友イアン・ゴム氏の初ソロ「サマー・ホリデイ」、これも人生盤、聴き倒し組、会うやつに誰彼構わず良いよう良いようとうわ言のようにつぶやいてたら何と共作曲ではないですか。まだブリンズレイシュワルツのアルバムを全部入手出来ていなかったのでその辺の事情まだわからずただ狂喜乱舞することとなりました。アホみたいに繰り返し聴いてライブでもやろうとしたなあ。その時は諸事情で出来なかったけど。この曲、難しいんです。ドラムもギターも全部。音色を含めて再現しようとしてもなかなかこうはならない。ニックさんのライブ音源や実際見た時も出来てなかったから本人にとってもある種時と勢いを味方にした奇跡のレコーディングだったのでは無かったのでしょうか。まあそれはこの盤全部に言えることでこのあと残念ながらこれを超えるマジック盤を作り出すことは出来なかった。しゃあないわな。人間誰しも色んな意味でのピークはあるし。
 先を行かねば。爆発しそうな勢いを技と抑え目にしたクラッキン・アップ、さらに抑えたボ・ディドリービートのビッグ・キックに続いて出ましたアメリカン・スクアーム。一挙に飛び出すミラクル・ニック・ロウ・ワールド。POPとはこれだとばかりにKOです。これが駄目ならもう諦めます私。何をだ(^0^)。そして今考えるとこの曲の面が今のニックさんの中心なのだなあのユー・メイク・ミー。A面最後はこの盤でようやっとフル共演となったロックパイルの面々の威力爆発のロッキン・ナンバー”スキン・ディープ”。このかわゆい歌い方が出来るのはこの世界でもそうはいません。B面冒頭は引き続きロックパイラーな交換手スーザン。ドラムのテリー・ウイリアムス氏の存在でっかいです。切れ良しグルーブ良しの彼のおかげで燃えるロッキン度灼熱に。ドース・オブ・ユーもロッキンながらキュートど真ん中の曲。ウイズアウト・ラブ。これが無かったらジョニー・キャッシュ娘と結婚することは無かったでありましょう。キャッシュ氏お気に入りのカントリー・スペシャル。カントリーつうても低重心です。おハコって感じで軽々ぶっとばす様そりゃ快感。エドマンズちゃんのギターだって。ボーン・ファイター。この盤の空気を代表するぶっ飛ばし曲。”渇望の仕事”ですから。やっと出来たこの瞬間が止まったら逃げていってそうで全員全速力で走ってます。最後はとにかく堂々たる有り様のシャッフル・ナンバー、ラブ・ソー・ファイン。ああ、もう終わっちゃったよと何と時間が短く感じることよ。世界最短体感時間LPかもしれん。正直これほどのもの作っちゃってこのあと大丈夫かなあなどと余計なお世話心配までしてしまった。一人でだからこそ出来たPOPワールドの1stと併せてバンドでやるPOPワールドの極め付けの2大ニック・ロウ表盤、いつまでも閉じる事無くロッキンしてますいつまでも。

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8/11(水)
頽廃的美学論
cover
Q: Are We Not Men? A: We Are Devo/DEV-O Live
Devo
1978/1981

シリーズ「新波倶楽部」

ディーヴォは稀有なバンドです。アヴァンギャルドでありながらポップそしてキュート、でSF、で極め付けのライブ・バンド、そして何よりロック・バンドで有るとゆう。私は昔からディーヴォの真髄は初期スティッフ・レーベルのシングル群にありなどとほざいておりましたがそれに匹敵するほどほどのものがCD時代になって現れました。それがこの1stアルバムと81年のライブをカップリングしたブツです。ディーヴォのメジャー・デビューに当たっては喧々諤々、例のシングル群でロック界は騒然、こりゃえらい連中が出てきたとデビッド・ボウイ、イギイ・ポップ、果てはニール・ヤング氏などが大注目、わしがプロデュースやるええいわしがやるのじゃとつかみ合い状態になったと聞き及んでおります。紆余曲折後、レーベルは何とモロ、アメリカンなワーナー・ブラザース、プロデュースはブライアン・イーノ、エンジニアはドイツのコニー・プランク氏と当代切っての最強布陣。それで完成したのがこの「わしら人でっか?うんにゃわしらディーボでんねん」。さあ出来はどーだ。あれれ。何かおかしいぞ。どっかペッタリしてる。音が。あの生々しさはいづこへ?まさか退化したんじゃあるマイナー。とそんなはずは無いがずうううっと頭の中で。それがパアアっと霧が晴れたように展開したのがこのCDつう訳です。最初はヴァージン、現在はEMIとよくわからん出所レーベルも81年のライブと組合せ、壮絶なごった煮となりもうした。リマスターしたでしょ1stを。ライブの音質と併せるため。その結果、おおあんたらは本当はこうゆう意図でやりたかったん。コニー・プランク氏と言えば私にとってはウルトラヴォックスの3rd、あの鋼鉄温度零下15度の冷徹高温サウンド男、それがぐわりんぐわりん発揮されております。イーノちゃん、あのノー・ニューヨーク方式でやりゃあよかったのにってずうっと思っていたのがここではああ、やってたんじゃんと。あのレコードは何でああなっちゃったのかいなと??マークが。最終のカッティング時に何かあったとしか思えん。どこかどうこのCDになって違うのか。それがうーんちょっとしたリバーブ復活とかイコライジングとかダイナミックレンジとか小さじ1杯くらいなんだけど。それで点数にしてみりゃ15点くらいは違って聴こえるんだから音楽にとって音質も怖いもんだなあと実感しております。ディーボのライブ・アクトは今まで聴いた音源、見た映像から判断いたしますとデビュー以来体型の退化はあっても不動の鉄壁さ振り。とにかくうまい。チームワーク抜群。全員一丸となってディーボ道を邁進してる。1stで漏れた必殺ロック・ナンバー、ビー・スティッフもこのライブテイクで追加されておるし、もう私もとのレコードの曲順など忘れてしまうほどこればっか聴いてます。最初に食いつくならこれです。値段も現在びっくりするほど安いし。廃盤にならんうちに。

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8/12(木)
一輪車ロック
cover
Hope You Like It
Geordie
1973

シリーズ「Glam'」

英国北東部ニューキャッスル出身の筋肉肉体労働一輪車ロックバンド、ジョーディ。その記念すべき1stアルバムがこれです。一輪車はネコと読んで下さい。先日中古レコード店でアナログを発見、もう飛び上がって喜んじまった。で帰ってアマゾーンさん見たら千円で中古CDが出てて腰砕け(^0^)。ひえーそっちにすれば良かったかなあ。まあMGMのアメリカ盤でジャケ違いしかも大笑い顔にメイクちゅうか落書き入りだぜって無理に納得してます。音は間違いなくCDがいいのに間違い無い。
 何はともあれ先に紹介させていただいたベストに入って無い曲が沢山聴けて幸せー。ロックです。これがロックだー。全曲ギターのヴィック・マルコム氏。最後のジョーディズ・ロスト・ヒズ・リギーだけトラッドの改作。きっと炭鉱酒場でみんなで歌ってたやつだ。そんでもってマルコム氏やっぱりギターソロ弾いておりません。鬼のリフ伝道師提供歌とリフの丸ごと岩石音楽。何だかんだ言ってもロック大好きだかんねぇ。この音と空気に浸ってるだけで嬉しくて嬉しくて。もう何回も表裏ひっくり返して聴いてしまいます。ソロ無くても思いっきりロックなとこはキリング・ジョークと同じだわ。ははは。彼らの英国におけるチャートヒット中の半分が入っております。オール・ビコーズ・オブ・ユーとドント・ドゥ・ザット。つうことはヒットは全部で4曲かー?ぴんぽーん。すんませんなんせヴィックさんいっぱいいっぱいで。才能と知力、努力、活力を全投入して曲作ってるのがものすごーくわかる。成功したいよーってのも。ロックがともかく大好きガツンとやりたいと出来ればお金持ちになりたい元のやさぐれ生活は嫌だがせめぎあっての全11曲。求めるキャッチーさと鋭角ロックが最高に融合したのが「オール・ビコーズ〜」で、おーん、作れて良かったね、我が事のように嬉しいす。で、やっぱりフロントでスタアは後にAC/DCの2代目ヴォーカリストを襲名したブライアン・ジョンソンさん。もしやあんた生まれた時からこんな声。うぎぎゃあって。なんて思っちゃうほど今と歌声が同じ。そりゃ今の方が枯れ方は3倍増しだけど。天賦の才だよなあ。どんなに歌ってもロックになっちまうもん。羨ましい限りです。後年、かのトレードで大成功したブライアンさんもこのジョーディの時は一発屋つうか1年屋つうか73年だけの成功に終わってしまいました。原因は何も中身が悪いってことじゃない。ライバル、さっき書いたようにスレイドに比べてガチンコ度高くキャッチーシングルが数多く作れなかったのとそれと訛り。短期間で矯正出来なかったのねー。する気無かったのかもしれませんが。とにかくこの強烈な訛りがあるだけでアメリカではあきません。アメリカで駄目だってことはお金持ちにはなれない。とほほ。AC/DCにスカウト後、必死に直した結果が全世界的人気獲得だったのでその差はやっぱ紙一重だわな。まあ我々日本人には関係なし返ってその訛りが嬉しかったりするのでブライアンおじさん青春のロック小僧バンド、ジョーディ。も一回盛り上げて勝手に世界バンドにしてしまいましょう。AC/DCの合間にブライアン氏も参加して再結成してるようなので再人気出れば来日とかしちゃうかも。AC/DCだとギャラ高いからなかなか来日出来ないんでこれは生ブラジョンを見るチャンスだ。出不精の我が家もこれだけは見逃せません。

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8/13(金)
うきうきトラッド
cover
All Around My Hat
Steeleye Span
1975

シリーズ「英国のトラッド」

イギリス・ロックのジャンルにエレクトリック・トラッドってのがあります。トラッドは民謡、文盲の人々が多かった時代に口伝でちまたで起こった事件を伝えるバラッドが有名です。60年代アメリカのボブ・ディランの衝撃すさまじく英国でもフォークロック始めた若者多数、その中でフェアポート・コンベンションってバンドが最初に自国のトラッドに興味を持ち、フォークロックの手法でそれを再演するってことを始めました。そのフェアポートのメンバー、アシュレイ・ハッチングスが脱退後70年に始めたのがこのスティーライ・スパンとゆうバンドです。アシュレイさん、それはもう真面目な人だったらしくせっかくトラッドを始めたのだからここは一つ奥深くまで追求してみようと。ドラムレスで音数少なく、鉄壁コーラスの鋼鉄音楽を展開。ただでさえ殺人とか変態さんとか恐ろしい内容が多いトラッドですからそれはもう緊張感ただならぬもので。そしてそのアシュレイさんさらに好きにやるためにスティーライも脱退、彼が抜けた後、残されたメンバーはさあ星一徹がいなくなった(^0^)、楽しく音楽をやろうぜとバンドの電気化を推進、ドラムも入れて段々とロックバンドの体裁を整えて行きました。73年のクリスマスにはガウデットってシングルヒットも飛び出しアルバムもチャートに顔を出すようになって来たそんな1975年、次のアルバム製作に当たって白羽の矢が立ったのはマイク・バットって御仁です。このマイクさんまだ25歳の若者、十代の頃からのプロデュース作品既に数知れず、自身もウォンブルズってバンド名義で74年の1月からシングルヒットを続出しておりました。ウォンブルズはイギリスのおはよう子供ショーみたいな番組に出てくる架空の動物。その音楽を担当したマイクさん、自分もおばあちゃんに作って貰ったピエロ風の着ぐるみに身を包んで街中を宣伝練り歩きヒットに結び付けたとゆう。音楽はそりゃ楽しさ満点ワールド、直接の接点は無いもののその直前に一大ブームだったグラムシーンで大活躍のウィザード、ロイ・ウッド氏の弟子筋にあたるものでした。ロイさんよりより軽く親しみやすい。そのマイク氏にプロデュースを委ね驚異的な速仕事で完成したこの「頭いっぱいの帽子」。大成功。トラッドのマザーグースみたいな楽しさが全面に溢れる作品となりました。ヒットチャートもぐんぐん上昇、表題曲は11月に5位まで上がる大ヒット、アルバムも10月に7位まで上がっただよ。マイクさんがやったお仕事、最大のものはトラッドとブギ、ブギ・ロックとの融合であります。トラッドっていやあ静謐なものってイメージを覆し、そのダンス・チューンの楽しさをそのままロック化したの。ずんずんずんと。元々の鉄壁コーラス、紅一点マディ・プライア嬢の歌声素晴らしいのにそれにうきうきビートが加わったのだからたまりません。従来の彼らのファンの中には日寄ったなと白い目で見る向きは少なからずあったと言いますがそんな教条的なこと関係ない音楽好きは素直に飛びついた。私だってトラッドも好きそして何よりキャッチー&ポップのヒットチャート世界大好きですから。もうこの盤がフェイバリットです。何より全員が実に楽しそう。だからこっちだって楽しいよう。表題曲は後にブギの世界の大親分ステイタス・クオーがカバーいたしました。8.のダンス・ウイズ・ミーの曲調はどっかディーヴォしてます。トラッドに従来縁の無い方も、もしケイト・ブッシュの音楽の雰囲気がお好きだったり、フリートウッドマック、もちろん「噂」の、がお好きでしたらもう大大お奨め。実際この集団コーラス、クリスティン、リンジー、ニックスのあの3人コーラスに実に雰囲気が似てます。そりゃあ彼等も英国バンドだべさなあ。ポップの世界に切り込んだ彼らのキラー・アルバム、是非楽しんでみてくださいまし。

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8/14(土)
全員合唱
cover
Slade Alive, Vol. 2
Slade
1978

シリーズ「Glam'」

スレイドだー。不覚です。今まで廻るWANTEDしておらなかった。英国の70’sで1,2を争う人気者、特に悪ガキ中学生に絶大な支持を得てたとおぼしき愛すべき連中です。さて最初に買うとすれば怒涛のシングル群を聴けるベストちゅうことになる。そして次はライブだー。最初のライブ盤は72年のアライブ!。それで人気に大着火したもののいかんせんその後の活躍が凄かった。ヒット曲が聴きたい。ではこれだ。入手可能かギリギリでも。試聴出来なくとも。これだ。78年のアライブ2!。もうみんな知ってる。歌だって全部歌えるぞ。貫禄だってどうよ。テクニックはそりゃあさほど進化はしてまへんものの幾多の修羅場ライブを潜り抜けたこの余裕。そしてチームワーク。一丸になってあの曲もあの曲もやっておくれです。とはゆうもののこれが技モノ。アルバム全部ヒット曲にしたってお釣りが来るくらいだってゆうのにあえてじらしておくれなの。ちょびっと出してブギーして待てねえ待てねえもう待てねえとなった時、A面最後で、ママママママママママ。うおーーー。ひっくり返して(CDでもその気持ちになっておくんなさい)、出るのがここでしか聴けない”Burning in the Heat of Love”。これがまたいいのです。歌謡曲で。泣く泣く。そして”エヴリデイ”だもんね。涙枯れたのにまた出ちゃう。男の子だけど。このメロディがスレイドの人気を支えた根幹なのだ。そしてお約束ライブならではの速い速度のグッバイ・ジェーン。頭振り過ぎてくらくら。ここでしか聴けないシャッフル・ブギ”髭無し片目のジャック”でちとクールダウンして最後はもうあれです。”カモーン・フィール・ザ・ノイズ”。これっきゃないわな。メタル・ファンには黙ってライオットですって聴かせましょう。多分ばれません。ギターソロのとこまでは(^0^)。あ、無いから安心だ。ははは。デイブ・ヒルさん弾けばけっこう弾けるんだけど弾きません。
そうです。栄光のグラム・エラが終わってもスレイドは不滅。いくぶんメタル寄りの音になっても真ん中はいささかも変わらず。この楽しさはロックの基本です。買って後悔は絶対ありません。心待ちに待ってわくわくいたしましょう。

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8/15(日)
こんなんあったのか!
cover
Crabby Appleton
Crabby Appleton
1970

シリーズ「力POP」

クレイビー・アップルトンと読みます。多分。誰?ってことになると思いますが。なんせネットで検索してもジャケ以外メンバーの写真一つ出てこないんで。私も全然知らなくて偶然出くわし試聴してあああれかとわずかに思い出し藁をも掴む気持ちで注文、奇跡的に入手出来ました。それで今年の収穫ナンバー1に並ぶ存在に。もうおっそろしく素敵。
わずかに思い出したのは1曲目ゴー・バックです。70年の全米チャートで36位まで上がってる。ライノのハブ・ア・ナイス・デイのVOL6にも入っておって聴いていたのにアルバムをを聴き逃してたとは一生の不覚じゃ。ぐお。リーダーはマイケル・フェネリイって人。ギター、ヴォーカルそして全ての曲を書いてます。ソフトロック界のドン、カート・ベッチャー氏のバンド、ミレニウムにおったのね。ジャケ中央後ろの人らしいんですが。その彼がメンバーを集めてエレクトラと契約出したのがこの盤と言う訳で。おとついCD来てもう何回聴いただろう。今も聴いててトロリン。もう白痴状態だ。
 そのゴー・バック。これは必殺のキラー・ナンバーで。まず思い出したのが何とクーラー・シェイカー。ハッシュ。とにかく切れが良くてキップが良い江戸っ子ロック。前半抑え目にそしてサビで渦を巻いて一挙に成層圏地上5000mまで上昇いたします。バンドを作るに当たってヒントにしたのがスティーブン・スティルス氏の音楽だと言うことでそれでこのパーカッションか。メンバーに一人チャカポコ担当の人がいてこの人が大活躍、いやがおうにも煽られるって次第。ハッシュってことは初期ディープパープルも思い出したりして。さらにマイケルさん、ドアーズのレイ・マンザレク氏の2ndソロにもギターで参加してたそうで、それもあるのかなオルガンのファンキイさがこれまた。時代もあってサイケのめくるめく香りもあるし。ゴーバックがキラーなんだけどこの盤、それだけじゃけっして終わりません。ドハデなそれが終わるとバーズ、CSN&Yを思い出す静謐な2、3と。メロディも良いんです。リズムだけじゃけっして無い。4.ではまたしても超切れまくりのナンバーに。これ何にも言わないで聴いたら2004年期待の新人登場ですって言われても納得しちゃうかもしれん。ドアーズの香りのままリズムがサンタナみたいだし。後半その二つのバンドの正にジャム状態になります。5.になるとバッドフィンガーみたいに。ミドルのパワーポップ曲です。サビでは成層圏男爵も登場。これも切れがあるので古さなど微塵も感じません。6.ではまた加速。ギターのカッティング気持ちええこと。展開でモロ、ラテン調になる箇所あり。世界一カウベルの似合うパワーポップ・バンドかも。7.はブラック・マジック・ウーマンとビートルズ・ストロベリー・フィールズ&ホリーズ。シャキっとしてるとこがホリーズ。8.は落ち着いた雰囲気のメロディアスナンバー。サビでまたファンキイになるけど。9は本作最大の長尺サイケ曲。全員八面六臂の大活躍です。それが後半フィーリーズになるんです。あのニュー・ウエイブ・バンドの。チャカポコなんでもしやと思ったらやりやがった。ここでももうメロメロで。はい。ラストはギター・アンプを蹴飛ばしてジョン・ロードが登場して。10.最後の曲。ヴェルヴェット・アンダグラウンドもかくやの静かな曲で終焉です。
 キップが良い、POP、曲がメロディアス、リズムに粘りがあってグルーヴィ、ファンキイ、クール、ワンダーなサウンド、ってのが私の好みなんで、この人たちは正にそれ、直撃です。これほどの音楽がまったく表舞台に出なかったとはまったく信じがたし。時代の先を行ってたとしか言えん。次の2ndってのもあるんだけど試聴した範囲ではまた雰囲気が違ってて。この盤はこの盤で奇跡が起こったのでしょうか。

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