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今日の感謝盤一覧2005.8下

 

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8/16(火)
バカラック
cover
Universal Masters Collection
Burt Bacharach
1999

シリーズ「GOLDEN 60'S」

バート・バカラックさんです。このアルバムは今年6月に出たばかりの日本でのみ生き残っているベスト盤。67年から71年までのA&Mでの4枚のソロ・アルバムからの選曲であります。「THE BEST 1200」つう何ともなタイトルの廉価版シリーズの一枚として出てるんだけど何かなあ。叩き売りみたいで。もう少しロマンチックなシリーズ名付けられないのかいな。「魅惑音楽素敵プライス」とかー。駄目か。うちにありますのは遠い昔に出たソロ3作目までのベストのアナログで物凄い豪華仕様2枚組。いかに人気があったかわかります。胸毛ポスターも付いてるぞ。「ばちゃらっちー。」ってうっとりしてた人が果たしておったかは不明。バカラックさんは1928年5月12日カンサス・シティ生まれ。いくつかの音楽学校を卒業して最初はクラシックの道を目指すも軍隊生活中に考えが変わってポップスの道に。何があったのでしょう。除隊後に下積伴奏者をしながら58年からマレーネ・デイトリッヒさんのバックを担当して才能を認められたそうです。ところがどっこい簡単そうでいざやって見ると難しい殿の曲。なかなか歌ってくれる人もおらず世間でも受け入れられなかったとゆうことでブレークのきっかけは62年。コーラス・ガールだったディオンヌ・ワーウィック嬢を発見、じっくりご指導、自身でプローデュースしてようやっと思うサウンドが。一大ブームとなったとゆう次第。60’sを通して大活躍で自分自身のアルバムは65年からのA&Mから。ワーウィックさんをはじめ大ヒットした曲のセルフ・カバーなどをオーケストラを率いて録音されてます。数年遅れとかの再演でまあ普通ならポップスとして一番古臭く感じてしまうかもしれんものを物はバカラック作品ですから。古くなりようがありません。誰も同じように出来なかったし。最初から最後まで時代無関係音楽の己音楽だ。パッと聞きイージー・リスニング?とも違い。ソフトでエレガントで耳当たりがいいには違いないけど。夜の飯何を食おうかなとか考えながらお仕事でやってる音楽とは当然大違い。練りに練ったアレンジで458人のオーケストラ中452人余らせてのこれしかない音の吟味料理です。歌が入ってるのもあり。コーラスガールさん。またそれが素敵で。誰?って匿名性高いんだけど、曲です曲のために歌う。「恋よ、さようなら」なんか「アウトどす、チェンジどす、チェインどすえ」とか京都弁で歌ってくれてますしはい。時折出す自身のボーカルの味がまた。これ以上歌い上げると嫌味やーって手前、作曲家が歌う率直素朴な森田公一とトップギャランな素敵さ爆発す。例えがあれすが。イージー・リスニングとも違い?って書いたけど、これスーパー・マーケットとか歯医者さんとか喫茶店とか中華料理店でかかってたら嬉しいだろなあ。商品全部、料理全部がぴっかぴかに輝いて美味そうに見えるに違いなし。でもちゃちいものはとことんちゃちく見えるかも。音楽に負けて。それやばいか。だからかからないのか。とにかく飽きません。繰り返し繰り返し聴いても。ここの技法がどうのと説明しようとすりゃあいくらでも出来ちゃう奥の深さながら(私には出来まへんが)それでもけっして説明不能のポップスマジックの究極。昨日やらせて貰ったテッド・ニュージェントさんも公式にはレコード齧ったり叩きつけたりするかもしれんけど家に帰ればきっとうっとり聴いてます。仰山ある音源の中でもこれなら買って後悔せぬと思う次第。熟してますバカラックさんの思い。ちょっとずれた変てこ感がちゃんとあるとこもまた魅力的なのだこれが。殿に向かって何か書きにくいなあ。黙って聴きますいざ。あ、一番好きなのは映画カジノ・ロワイヤルからのルック・オブ・ラブ(恋のおもかげ)とボンド・ストリートです。両方とも思い切りオースティン・パワーズ。ボンド・ストリートは何故か映画サントラには入って無いぞ。これは引きなのだ。

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8/17(水)
地下水道
cover
JACK
The Monochrome Set
1991

シリーズ「新波倶楽部」

完全にご贔屓バンドですモノクローム・セット。その91年作ジャックのアナログを入手。CDだろなと思っていただけにこれにはびっくりしましたフランス盤です。CDだとまだ中古が手に入るみたいだ。さてどうする俺。聴いたら仰天してしまった。前作でニューヨークの下水道に入って終わったと思ったら今度はポーランドの地下水道から場面が始まるみたいな。えらくダークなんです。セットつうたら軽さが身上、軽やか無くて如何にと思ってましたところタフな逞しさを感じたのが前作ダンテのカジノで、今回はそのさらに上を行っちゃったよ。サウンド・イメージは山羊の頭時代のストーンズ。少し霧靄がかかって音がダンゴでぐんぐん来る感じ。まさかこの感触をこの人たちのレコードで感じるとは。戸惑ってしばらく何が起こったかわからず、買って以来毎日聴いてるけど正直まだ完全に見えてないかもしれません。こんなことは初めてで大体はスコっと音が明快に体に入って来る人たちなんすが。それでも手ごたえはずっしりです。今回もまぎれも無く名盤だと思う。しかも何回も挑戦しがいのある。ご本人達もこれは冒険だったかと。すっかりネオアコなイメージあったもんな。その上でジャケの一人ぼっち。そして曲タイトルのあちこちにも現れてる死の影、血の匂い、花は黒い色。ギターは歪んで軋んでドラムは泥の香り。今回の最後はいつものモノーズ節のインスト、しかし音はグロく渦を巻いて。次はどこに出現するのでしょうか。ガス灯の下のジャック君に聞いても顔は見えず答えてはくれず。次は翌年発表の「シャレード」か。こうなると気になって夜も眠れず。行っちゃおうかな。あ、この盤だけは初めて彼らに遭遇する方にお勧めしていいかどうか。判断は付きかねます。とにかくこれまでので一際特異なものであることだけは間違いありません。元々相当特異なバンドなんですけど。曲はメロディアスをわざと抑えたか。いややっぱしメロディアスだな。当惑が心地良く、あと何十年も楽しませてくれそうです。あー、ここまで聴いた方のご意見が聞きたい。ただし本気で突入した方のみの。

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8/18(木)
立ち上がる
cover
Seabiscuit
with Randy Newman
2003

シリーズ「Movies」

今日は映画にありがとう..をば。シービスケットとゆう映画です。新作でしかもDVDを買うなど我が家では1年にいっぺんあるかないか。競馬好きで音楽担当のランディ・ニューマン氏の大ファンなんで1にも2にも、それでもかなり悩んだ末買いました。買ってしばらく経つもののあまりに大事でしかも見たら泣きそうなんで、ちゃんと見なけりゃつうこともあってやっと見ることが出来。やっぱり泣いちゃった。馬に関わらず動物が頑張ってるの見るともう駄目です。競馬好き、ランディさん好き動物好きと見る前から引きは充分とは言うもののそれだけにぞんざいにやられては許すまじ思い入れの分、半ば勝負で観戦なのだ。史実を元にしてます。時は大恐慌後のアメリカ、1936年に発見された名馬シービスケットとそれに関わった人々のお話です。西部の成り上がりカー・ディーラー、不幸があり心に闇を抱えていた馬主と時代に取り残されたカウボーイ上がりの調教師、天涯孤独で勝ちにも見放された若き騎手、そしてそこそこの良血ながら体が小さく気が優しいとゆうことでほされていた一頭の馬がまるで同じ匂いに引かれたかの如く出会い奇跡を起こす。前半から物語はたんたんと。野沢那智さんの時代背景の簡単な説明(うちはもちろん吹き替えで見るのだ。原語字幕で見る体力が無いつう)があるものの他は一切説明無し。真剣に見なければ相手は外人ですし誰が誰だかわからなくなり。じっくりと1時間を経過した頃からお馬さんシービスケットちゃん登場。それぞれの思いを乗せて走る。とんでも無い挫折もあり浮かれて調子に乗ってしまうとこもあり絶望も夢も希望もありの腰から来る映画だ。競馬つうとギャンブルで動物虐待つうそしりが常に付きまといます。それに対する答えもちゃんと。馬だって勝ちたいのだ。勝つってことは生きたい生き残りたいって思うことと一緒でこの世に生を受けて存在するからにはそれは人も一緒。ありったけの思いを込めて懸命に生きてるものを非難するする資格があるものなどこの世に存在するなどあるものかと確信いたします。人はその姿に懸命に働いた稼いだなけなしの金を乗せて夢をかけるそれが競馬なのだ。もちろんそれはあくまで本気の世界の話ですけど。この時代生粋の金持はもうふんぞり返って思い切り金を使って憎々しい限り。チャレンジャーはそりゃもうその金の分、ありったけの情熱と知恵と工夫が無ければ太刀打ち出来ない。それでも山とある困難。それでもぶち破って突破出来た。金持は金持の、ならではの油断をちゃんと持ってたんだな。時は経ち現在では金持もことごとく金が無い振りをして善人面して上がってくるもののチャンスを一つ一つ調べ上げてこまめにつぶすこと覚えやがって。それでも庶民にはまだミラクルがあると信じ込ませてつう。それが今のアメリカ、世界中そうかもしれん。この時代より一層突破するには困難多く。まずはその善人面にけっしてだまされないことだなと思ったりして。基本的に金持ってる人間は突破されるために生きてます。覚悟召され。懸命に働いて生きてるのは皆同じだ。とそこまで思って、音楽はランディ・ニューマン氏。この方に依頼した時点で映画を浮ついたもには作らないつう覚悟の証です。金で動かん音楽人生を身で持って証明して来た人じゃきに。弱さを持った普通の人間が懸命に生きる姿を見つめさせたら天下一品。自ら歌わないそっと寄り添う音楽を思いっきりの愛情で作ってくれました。ラストで高らかに歌い上げるなどつうそれまでのを全てぶち壊す愚行など起こすはずも無く。こうゆうのを見させて貰うとアメリカ映画の底力をとことん感じ。まだ戦争やってもけっして勝てません。止めときましょう。つうかいい加減もの作りに我慢することを会得しなけりゃいかんのでないかと思う次第。見る側の力を信じ尊敬を込め我慢している映画。それがこのシービスケット。泣かされても心の底から本望なのだ。

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8/19(,金)
なりそこねた男
cover
Vis-a-Vis
Fotomaker
1978

シリーズ「力POP」

チープ・トリックに、そしてフォリナーになりそこねたバンド、フォトメイカーの2ndです。いたいたーと喝采を上げてらっしゃる方もおられるかと一番有名なのはもしかしてジャケット?1stではお化粧した女の子、2ndではこの通りお化粧した爺さん、3rdでは謎のAJA風東洋女性とインパクト強大でした。あのグルーヴィンなバンド、ラスカルズのリズム・セクションのお二人が大プロデューサー、イミー・イエナー氏の勧めで新バンドの結成を画し、フロントマンの新人二人をスカウト、さらにテコ入れでラズベリーズもう一人の男ウォーリーさんを加え誕生デビューしたのがこの盤と同じ78年、それがちいとも売れずに「へ、何で何で」とラスカルズ組ベテランさん自ら製作で間髪入れずにリリースがこのヴィス・ア・ヴィスです。「相対物」って意味。だもんでこのジャケで。1stと対になってるわけだ。何で何でって聴いた人も聞きたいくらいで、メンツは一流、レーベルは天下のアトランティック、バンド名も素敵、曲はもう最高、POPでキャッチーでこのアルバムだって10曲中5曲はシングル・カットOKなのに。マックみたいに次から次へとヒット続いてうっはうっはの予定だったのになー。アルバムはトップ100にも入らずキラー・シングルの1.マイルズ・アウエイも最高位63位ととほほなことに。ヒットしないパワー・ポップ・バンドほどキツイものはありゃしません。でもなー薄々やっぱりなあって思うとこも。このジャケはやばいぞ。会社も本人たちも「ナイス・アイデア。こりゃ受けるぞー」って思ったろうけど実際店頭に飾られてあまりの浮きぶりにびびったことでありましょう。その場の全員妙に静かになっちゃったりして。さらに裏ジャケにどーんと構えるメンバーさんたちの面構え。濃いぞ。こってりトンコツ。どうしたってルックスてのは重要だかんに。チープ・トリックなんてフロントのお二人はもう無条件に「きゃああ」だしフィーリング・カップルの5番担当の後ろの二人はスキっと5番キャラですから。ベテランさんが濃いのはしゃあないけどウォーリーさん、あんたそのやる気の無さそうな顔!誰か言いなはれな。さらに(まだあるのか)、お歌の声質。これはもう私の印象なんすがB級声だぞって。パワー・ポップでベテランつうのも新鮮さが無いみたいな風に取られても、って悪い方向に向かうとそりゃもぞろぞろ思い当たる節が。でももしどっか一つ噛み合ったら人の印象なんていい加減なもんすから声だってみるみる一流声に聴こえてくるしそりゃわかりません。って、俺がぼやいてどうするのかしかも今更、なのは音楽は最高だからだー!。演奏は上手いし曲だってもー。味だってアジのモトぱらりでごまかしているようなもんじゃありません。POPだと一旦聴くとわかるような気がいたしますから、ふーんこうゆうバンドなんだって即判断されちゃう。そこが落とし穴でモノホンのバンドは実はそこから先繰り返すとさらに味わい深い奥のダシがじわりじわりの快感有るのだ。そうゆうバンドですからほらちゃんと21世紀にCDになったぞ。今更いいですからどうせもう皆おじさんですからここから音楽が生きます勝負です。ラーメンな音楽、ロックの最も街場中華屋さんの美味いラーメンの味。ジャケはその店主親父さんに無理して化粧してもろうたとゆうことでどうかよろしく。

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8/20(土)
唇起立
cover
うつろな愛
カーリー・サイモン
1972

シリーズ「完璧なシングル」

*今週の「完璧なシングル」は
「うつろな愛/カーリー・サイモン」です。
針を落とすやいなや闇の向こうから立ちのぼるクラウス・ボアマン氏のベース、どんやかどんやかど、振るマラカスしゃ、どんやかどんやかど。切り込まれる生ギターストローク。ピアノが二つ音、まだかと思うとおもむろに入るカーリーさんの歌。衝撃イントロです。開始直後に金縛りにあって歌の世界に否応無しに引きずり込まれる。じわりじわりと広がるピアノに乗って登場するは目一杯勝負服に包まれたセレヴィな女性。パーティに乗り込んで狙う獲物は一つであるとゆう。サビで歌うはそれを見つめるカーリーさんでありましょうか。何を言っても無駄。この歌だって聴こえやしない。無駄。高らかに鳴るレイ・クーパー氏のパーカション、刻むジム・ゴードン親分のドラム。数年前から聞かされ続けた話。けっして私たちは別れない。でもいつしか確信は薄れ他の他愛無い恋愛と一緒にそれは夢と化していく。コーラス。ユア・ソー・ヴェイン。ここで色男ミック・ジャガー登場。この歌だって聴こえやしない。無駄。ギターソロに突入。言いようの無い感情は全てそのフレーズ一つ一つにあります。声を潜めて再び説得リフレイン。初めて切れ込むポール・バックマスター氏の弦。強く気持ちで・・貴方には無駄。貴方に向かって歌うこの歌も聴こえやしない。3番。私は聞きました。貴方がサラトガ競馬場に行って貴方の馬が当然のように勝った事を。でもどんな名馬であれ突然皆既日食のように(ここで名馬エクリプスと皆既日食のダボミーニング)へぐる時もある。その自信もどこへ向かうのか。だって貴方が見つめる相手は親友の夫。貴方は親友である愛人の妻と一緒にいるのよ。コーラス。貴方には無駄。貴方に向かって歌うこの歌も聴こえやしない。無駄。
一つ一つかみ締めるように歌うカーリーさん。歌詞はやたら難しいです。友人が直面する不倫の歌だと解釈したんですけど全く違うかもしれん。友達に向かって無駄と言ってるかもしれませんけど自分の話で自分に言い聞かせているのかも。それでも力強くそれこそ奔馬のように立ち向かう姿が音楽と共に眼前に現れます。プロデュースは音楽界きっての鬼プロデューサー、リチャード・ペリー氏。カーリーさんが何回歌っても満足せず、へろへろになって半ばやけくそになったテイクがこれだそうです。まるで巨人の星最終回の星一徹。大リーグボール3号を打たせるために伴宙太に長時間逆立ちを命じた時のよう。心の底からの感情を吐き出させるためには必要だったのか。そこで励ましたのは助っ人唇仲間ミック・ジャガー兄貴だったと聞き。一緒に叫ぶヨー・ソー・ヴェイン。いつしかミック兄の英国訛りに引きずられてヴェインがバインになっていく。演奏者全員が歌の世界に完全没入の奇跡の瞬間ここにあり。生粋のプロドラマー、ゴードン氏。ジョン・レノン氏の元で歌伴の真髄を会得したボアマン氏のベース。この世界をものすためにペリー氏が打席に立たせたのはエルトン・ジョン歌世界の参謀、ポール・バックマスター氏とレイ・クーパーぴっかりさん。何回聴いたかわかりませぬが、そのたびに戦慄が体中を駆け巡り。これぞ完璧なシングル。時間なぞものともしない4次元曲なのであります。クールダウンのために暖炉の暖かさのB面。フォンド・オブ・ロビンを。

シングル盤ジャケ

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8/21(日)
赤心の歌
cover
Naked Songs
Al Kooper
1972

シリーズ「あんふぉーげった房」

名盤です。今年世紀をまたいで復活したアル・クーパー博士、72年の渾身作。題して「赤心の歌」。「あかこころ」ではありません。それだとぬらりひょんとか妖怪になってしまいますのでここは「せきしん」と読んで下さい。では「せきしん」とは何か。「赤裸々な心」の略です。「あかはだかはだか」ではありません。それですとウーロンハイ15杯飲んで腹に顔を書いた丹下段平が「ぢょおよう」とリングで踊っている絵を想像してしまいます。それもまたオツなもんですがここはせきららでよろしく。大抵の名盤100選には入ってます。ロックサイトでもクソだって書いてあるとこは皆無でしょう。どこでも親父が額に十字刻みながらいわゆる語っているのだ。「むじんくんだー」いや「無人島だー」とか。それ見て若い方は何かこう手垢にまみれておるようでそっかーふーんってレア・グルーヴ買ってふふふこれなら私が初めてってナミエツコして悦に入っているようじゃ、レビュー逆効果じゃないか。ぐえ。親父が額十字で語るのはこの盤、けっこう穴があるからなのです。突かれると言い返せないかもしれんからつい力が。だいたい歌がへにゃだ。へにゃ自覚してるから妙に力んでくへーってしてるとこが。ギター・ソロが目玉!って言えない。ペナですんで。それでも・・・それでも聴いた人間はやられる。そして全員自分のアルバムだと思います。そうですこれは私のアルバムです。アルさんは私のために歌ってます。ジョリーのイントロは俺のものだ。ぐお離せ、渡さないぞ、かー。取り乱してしまいました。大丈夫です。何がだ。えーっと、一枚一枚クーパー博士は手作りでこれを作ってらっしゃいますから、貴方がもし購入したとしてもそれは他の人が買った赤心の歌とは違います。赤字で書いてある心のシリアル・ナンバー付です。うちにありますのはさっきのジョリーってキラー曲入りです。ときたま思い出したようにTVCMで流れたりします。カバーだったりすると逆上してTVにドロップキックして破壊、現在5台目です。最初の5秒でなんだなんだなんだなんだと吸い込まれるので使われるのです。マンダム男の世界、また逢う日までと共通する快感があります。微妙です。ちょっと触ると壊れちゃいそうな美しさが。この72年のアルさんがその時に作ったからこそ出来た音のような気がふつふつと。その前に「自分自身でありなさい」つうまっつぐな自分励まし歌も。酔わなきゃ歌えねぇよ恥ずかしくてって感じで。やってくれてるのでこっちも赤顔の男になって聴く。最後の「人生は不公平」って。そうだよなそうだよなまったく不公平だってめそめそ。一人でこっそり。だから公衆の面前でかけるなっつううの。公衆の面前でかけてはいけない曲ベスト2のうちの一曲。もう一つはニールくんの「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」。そしてその間の曲は・・・・・教えない。かーっ。欲しくなければ買わなくていいです。お父さんが何か祝い事があると開けるとっときのナポレオンだよ。お母さんがこっそりサントリー足していてもそれはもう大事なものなんだ。赤心で飲んでるから。ちびちびっとね。笑わば笑へ。

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8/22(月)
ハード・ギター爆撃機
cover
Free-for-All
Ted Nugent
1976

シリーズ「ヘビメタ虎の穴」

残暑ですから。こうなったら乗り切るにはテッド兄貴の力を借りるしかあーりません。それも普通のやつじゃあきまへん。飛びっきりのやつお願いしますぜ兄貴。とちょと声をかけたら、「おいよ」ぴょぴょぴょぴょーんと3mもジャンプしてくれちゃってさあ。かましてくれました「ハード・ギター爆撃機フリー・フォー・オール」。どがががーん。ぼっかーん。やられたー。の2ndアルバムです。ベテランながらちいとばっか出遅れてしまってキッスやエアロの前座時代。若いやつらを横目で睨んでびゅうううと追い越してしもうたつう一作だ。さあ飛ぶぞ飛ぶぞと御大自ら「しゃしゃーり〜」と歌うタイトル曲で軽くかましたら後は任したぞ俺はギター弾く。2種類の歪みのギターのコンビが今流行りのダブルスープとなってます。これは彼が始めました。ずるると飲んでますと、出ました今回のスタア。体中ソーメンびらびらさせて登場は全世界デブの星、オール・ザ・ヤング・デブ、ミートローフさん。エドワード=デイブコンビに匹敵するデブ=デカコンビ、そりゃもうたまらなく暑苦しく華麗ライスです。大盛り。やるは犬、犬喰いの歌。そんなあ可哀想なことを。安心を。かわいくって食べちゃいたいくらいの歌の意味。じゃなくて物騒極まりないワルの共食いの歌じゃ。さそり。「野獣地帯」って邦題に座布団10枚。必殺イントロ、必殺リフ、必殺リフレインの三拍子揃ったハードロックの金字塔ナンバーのこれはもうパナマーあに匹敵するよ。とやたらヴァン・ヘイレン・ファンを誘う。とゆうのもこの大馬鹿ニコニコハードロック路線はテッド兄貴が始めたと思し召す。身長190cmあるとな。でか体をさらにでかく見せるためのデカフルアコースティック・エレキ。これがもしやあかんかったか。かっこわりーんだよな。パっと見。ステージで見りゃあ全然印象違うと思うんだけど。何故ストラトはかっこよくてフルアコがださく見えるかは不明。ついエリック・ゲイル氏とかがぽろんぽろん演歌渋を思い出すからか。なんてこたあどうでも良くなる聴いて3曲目。ミディアムテンポの腰ハード・ボムだ。4曲目は高速ハードの悪の教科書ソング。サビでギターと歌がユニゾン、テンポを変えてソロ、また高速歌と手練手管でツボ突きです。裏返して5曲目「街のねずみ野郎」。このテンポ聞いたら大抵のロック好きはやられるハイ・ミドルもの。ずんずんずんってやつでっさあ。曲中ずっと右チャンネルで鳴ってる「ぎいこぎいこ」って何だろこりゃたまりません。展開でのドラムベースとギタアのユニゾンキメたまりません。やりたくなるバンドで。玉の汗かきながら歌ってる肉ミートローフさん改めて見事。ここまでハードしてるのはここだけですから。次作のボズさんといい、狂いついやっちゃう何かが兄貴にはあるのだ。と盛り上げるばかりで無し。泣きもやります6は大バラード、ツゲザー。8.も聖典曲。ジュウダス節かー。高速シャッフルのあれです。キメでじゃあじゃってやつ。どでででで、どでででででってリフの。最後はぐっと溜めてどかんと泣くってもの。テッドさん、ほんと曲作りの才能あります。掴んで離さぬキャッチーさ。押しと引き両方有りのこの盤はマジ、ロック体の滋養強壮にぴったし。毎日聴けばウナギよりばっちしだなこりゃ。

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8/23(火)
太陽神
cover
RA
Utopia
1977/2

シリーズ「長い顔の男」

あさひー!しまった元旦にやらしてもろえばよかた。ラーです。ラーをやる男たちだからラーメン。ってことは大好き。なユートピア77年のアルバム。ここからがっちりスクラムを組んで大活躍する4人が揃った初めての盤だ。頭はトッド・ラングレン総統。一人で何でも決めて何でもやって歌ってやっちゃう男です。でも俺はバンドが大好きなんだ。あー文句言ってくれるやつが欲しい。ケンカしてぇ。ライブで少人数でぎしぎしやりてぇ。コーラスみんなでガーってあわせてぇ。誰か歌ってくれてるバックでギターをぎろりんって絡みてぇ。仲良くバスでツアーしてぇ。同じ顔を毎日見て飽き飽きしてぇ。の望みがついにかなう時が来た。それがまた真面目に真面目の字を376回書いたような連中で。大張り切り。普通でも腕達者なのに常に120%でガシガシやる個性、いきなし開眼です。コンパクト・ポップ3曲を挟んで長い顔、いや長い曲4曲。長いってことがプレグレならプレグレでありましょう。でもザッパ爺が長い曲をやっても誰もプログレとは呼ばないようにトッド・ユートピアの音楽は類を見ないすどこ見ても。どこを切っても出て来るトッド印。それはバンドの一員になっても変わらず。だってしゃあない。とんでもな個性の持ち主ですから。しかも全員トッド・ファンだし真面目だし。とことんやります。で、やりつくしたところから出て来たよゆ〜とぴあの個性。それはゴムパッチン。しなやかながらガラスの硬い光沢のような手触り。カシム・サルトンさんですから名前からしてかしむ。そのガラス宣言をしたのがラスト18分の歌う飛び出す絵本グラス・ギター。ページを開くたびに違う色の光がジャンプして眩しいのなんのって。見る音楽なんて滅多に無いぞ。音楽で日焼けするために折に付け聴いてます。緑色に焼けちゃった。ホラー映画のワクワクが味わいませる冒頭の大風呂敷「序曲〜山のあなあなあな〜西から上ったお日様」。タイトル通りです「魔法竜シアター」。やっぱり出て来た悶絶バラッド「エターナル愛」、コーラスとキメの祭典「サンバースト仕上げ」、そして「ヒロシマ」。もう真正面で、理解出来ない東洋感さえも臆面も無く、好きになってしまい鼻歌で歌ってしまうとその重さにこちらが面食らってしまう曲。原爆投下、とにかく正しかったものは正しかったのだと口を挟むことも出来ない空気のアメリカでこれをやり続ける頑固、根性に感服します。指が利かなくなるほど練習し演奏した連中だから鼻で笑うやつなどおったら・・・六本木路上で後ろから廻し蹴り。CDの音質極太です。だってマスタリングはライノの名職人ビル・イングロット氏。彼の名前があれば私はCDを聴く。駿盤には駿人が集う。ポップでキャッチーだけどアクの塊だからそれはどうかお覚悟を。でももし買って即駄目でも5年後10年後70年後にきっと朝日は昇る。さんさんと。

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8/24(水)
GOへろりん
cover
Dead Set
The Grateful Dead
1981/8

シリーズ「うえす塔こうす塔」

グレートフル・デッド80年のツアーの模様を納めたライブ・アルバムです。8枚目の公式ライブ盤だそうで。びっくり。えーとどう書かしてもろうたらいいか。掴みにくい方たちです。本人たちも自分たちのことをそう思っておったらしい(^0^)。なんつっても1年のうちツアーが半年ですと。しかも1本3時間とか4時間とか。それ毎日とな。にわかには信じがたき。うちなんか月一で30分くらいだけやっただけでもヘロヘロだったに。とっても鈍い方たちなのか何よりも体力巨大だな。そしてとてつもなく音楽好きかと。普通飽きちゃうよ。あー楽器見るのもやだとかゆう朝もたまにはあるんだろな。しかも普通なら長い時間かけてやらないような曲を長時間やるとゆう。ミッドナイト・アワーとか。40分やってさすがに怒られたんだって。最後グダグダになったのでありましょう。セッションをそのままライブでやる。バンドをやられた方なら思い出されるかと思いますがアマチュアでもメンツだけ集まるとまずブルースなどやるかーとかなってやるんだけど大抵はまーしまりのない胃から苦いものがこみ上げてくるような何とも嫌な空気充満したりして。デッドさんたちの盤もそれ思い出す瞬間もあったりします。しかしまー、この時点でも15年。ずーっとそうゆうことやってきただに。石の上でぐだぐだしても3年立てば石も豆腐になると申しますから。何かえらいことになってます。精錬に精錬を重ねてすこーんと抜けたような清涼な音楽がここに。ライブって熱演するのはやりゃあいいんだからその分には簡単かと思うけど力抜いて抜いてしかも長時間やるってこりゃ最高に難しい。聴く方との信頼関係ももう必要な世界で。すっと入って後は天に身を任せて出て来る中盤パッセンジャー辺りからの高揚感、これはちょっと比類なきもの。一番好きなんはここでの2.フレンド・オブ・ザ・デビル。オリジナルからここまで来たかの感慨が。悪魔さん、すっかりいい顔になっちゃって。デッドさん、もちろん全て聴けた訳ではありませぬけど、この盤が一番好きです。このアルバムで全音楽の中でも掛け替えの無い存在に。あと同じツアーのアコースティック版ライブのレコニング、そしてとんでもインプロ満載盤「インフレーレッド・ローゼス」、そしてスタジオ盤では「ブルース・フォー・アラー」、愛しのローウェル氏製作の「シェイクダウン・ストリート」。この5枚だけは迷い無く自分名盤。繰り返し聴いてあーええなええなと言うのみで。あーー。うーんと。えーーー。駄目ですとても文章に出来ぬ。この感じ。出来るわけ無いか。やばいことに半廃盤状態。もし機会がありましたら行っちゃってください。考えネタじゃないえんえんと座禅した上で出て来るこの丁々発止のセンス爆発音楽。15年練成ものって。無いですほんと。

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8/25(木)
でかっ!
cover
Stop Making Sense
Talking Heads
1984

シリーズ「新波倶楽部」

お化けアルバム「リメイン・イン・ライト」の後壮大なるお祭が始まりました。お祭ですから終わってしまいます。周りはすっかり明日の仕事のことを考え始めた時、再び来たのだな日本の地に。最初の時と違って何だかとっても寂しそうで。2次会で盛り上がっておりますトムトムお嬢さん達の方が元気だったぞ。なので周囲は寂しくも単独深くお祭してた「スピーキング・イン・タングス」の後、1年半のブランクを。それこそすっかり他の楽団もリズム・フェスティバル終えた頃登場しました新譜がこの「ストップ・メイキング・センス」。映画と共に。大体の第一声が「またライブかよー」てなもんで。しかーし映像が入り音が来たとたん場外ホームラン逆転12回裏となったのだ。見事にリフレッシュしました、でかだぼいかり肩スーツとラジカセで。デビッド君はデビッド君でもビバリーヒルズ青春白書のデビッド君にくりそつになったバーンさん、生ギターとラジカセで登場。すこんすここんのショボビートにのってサイコ・キラー歌い始めます。このケツ臭い歌はなんつってもヘッズの原点。周りが祭終わらせちゃったのなら己で最初からもう一回作るしかあるまいつう魂胆だぞ。アイデアの落とし前はアイデアでつける。劇団一人で始まって次にバンドが付いて少しづつ盛り上げますつうやりそうで誰もやらなかったベタなネタがはまったはまった。何よりもバンド自身に。憑き物が取れたような清涼なる演奏の数々。騒ぎの中で飛んで行った音をもう一度その意味を噛み締めて、引きに引いて我慢に我慢しながら「まだだよまだだよー」。「ホワット・ザ・デイ・ザット・ワズ」。♪うんとめかしこんで僕はベストをつくしてる。もう一度初めからやり直すんだ。別な場所で出直そう♪。つう正に何故これかのマニフェスト歌、次の南地方探訪展開につながるサビを持つ曲を挟んで自分たちで本当に祭を終わらせるべく「ライフ・デュアリング・ウォータイム」を。あれほど辛そうだった演奏が嘘みたいに変身。軽やかに力を抜いて。ラストのお約束「テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー」も。やはりヘッズは只者ではありません。一番辛い、栄光を全て捨て去り再生を誰の力も借りずに敢行した。して始まります第2の黄金レンガ道。小理屈は止めておくんなまし。はいしかと了解いたしました。
うちにありますCDは最初の9曲バージョンです。ライノから16曲入り拡大モノが出てるんだよな。曲順も変わりトムトムも入りで。どんな感じなんだろう。出会う時にきっと出会うだろうから・・・その時が楽しみ。全く焦ってませんトーキング・ヘッズ。こちらも焦らないでその時をじっと待とうっと思う次第。

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8/26(金)
ど真ん中
cover
Daryl Hall & John Oates
Hall & Oates
1975/9

シリーズ「ヒット王」

ジョン&オーツ、あいかんジョン・オーツ&ダリル・ホールのRCA移籍第一弾アルバムです。通称シルバー・アルバム。70’sのヘソ時期発売なら二人にとってもど真ん中のアルバムだ。不遇なるアトランティック時代。バックアップ陣には何の問題も無かったどころか豪華絢爛でしたのにまるで当たらず。当たらないことで揺れちゃったのにも原因があったのかもしれませぬが、さー移籍だ。後が無いと自分たちを知り尽くしている盟友クリストファー・ボンド氏を製作責任に迎えての渾身作です。ジャケ凄いです。なりふりかまわず。私たちとてもとてーもなお友達です空気がよう。これで引いちゃう人は引いちゃうぞ。私だって音が先じゃ無かったらずずずと後づさりしちまったかも。逆にインパクトは強大だぜ。オーツ氏のほほポが見たら忘れられず。音は最高でしたけど体にすっと染みてくるかってゆうとちょっとなあの曲が多かった前作ウォー・ベイビーズ(廃盤くそー)、今回は1曲目からして感触ガラリだ。カメリア。銀座どわいおくちゅうるマキ、ステーキほりたん。これだの声各所から巻き起こるオーツ&ホール・サウンドここに登場。ちょっとレンジの狭く丸っこい独特の音質。ポップスとして集中力超でAMラジオにぴったしのこのRCA時代独特の音、もうたまらなく魅力的です。コロリンコロリンのギター、二人で仲良く寄り添っての歌。ルーツ故郷からの応援のようなシグマ・ストリングス。ホールが歌いオーツが歌い。デュオなんだから。これで行って貰わねば。オーツさんが作る曲でオーツさんが歌い声質が立つホール君が絡むってのがベズト・バランスだと思います。かなり贔屓してるけど毛深い人に(^0^)。ファンだからよー。で、これで抜け出しました長く暗いトンネルからの「微笑んでよサラ」。ユー・ノウ・ア・剣道。認めねばなるまい。ダリルさん素敵です。いつもこれくらい力抜いて下されば。音の真ん中はストイック・リズムセクション。どちらだろドラム。ジムさんかな。ベースはスコッティ氏か。一つとして不適格な音無し。とにもかくにも私もこの曲でやられました。「ひとりぼっちの真夜中」。オーツさん作。とろりん。真夜中つうよりぽっかぽかの昼下がりだよな。声いいよなあ。独特のシンセの音も。このドラムはエド・我慢・グリーン氏だと。4.僕からも、君からも。最良のホール節なのだ。ほにゃっと裏声。初出です地味ながら必殺ひゃひゃひゃひゃビート。あのモダンポップ・アルバムに直結する。コーダ部のアドンゲチュ・ワンモアターイム、シミトゥミユウガーの連呼、続く演奏部、♪あかん困る身、ケンカ困るよーのラスト気持ちいいよ、もっとやってくれよー。A面ラストはホール氏作。歌詞はなかなか微笑まないサラ嬢と。ソロ空気濃厚だけんど2番からひゃひゃひゃとオーツさんが乗っかるともうディオの醍醐味なのだ。梨がロウ、梨がロウ。ってサンプル品喰っちゃった。裏です。ジーノ。注入軟膏。後期につながるちょっとエキセンナンバー。青筋が出て来てちと黄信号。だけどこの時点ではその危ういとこが怖くてたまりません。7.マター・エニモア。ホール・ショーだけど腹八分目(こだわるけど)なんでまー素敵。サビのメロのキャッチーさがここでも。言葉がホルオツ節にコロコロ乗ってる様はもう無敵です。8.は山上さんも毎回ギャグ考えるのは大変だの三連バラード。ホール氏作。一人リサイタル状態。9.別れの理由、は偶然でしょうか同時期のニューオリンズ大将アラン・トゥーサンさんの音にくりそつ。このちょっと投げやりなダリルさんの歌い方も得意技の一つです。ビートルズぽくもあるかな。ラストはオーツさんがやりたくてたまらかったと見えますカリプソ。これは他に見当たらず。稀有な瞬間楽しむぞ。
さー、もうど真ん中ですから聴いてて楽しめない時間は無いつう極楽アルバムです。二人のコンビネーションも理想的。ちょっとB面になるとオーツさんの曲作りが間に合わなかったかホールさんショーになりかかるのはいつもの展開でさらにサラが微笑んじゃいましたからここから先よりそっち方面に向かうことになり、シーズ・ゴーンが先にブレークだったら運命さぞかし変わったかとか考えてしまうデュオとはいえライバルでもある微妙危うい・・・。
今なら日本盤、帯付、2曲ボートラ付か。帯はいいけどボートラが。

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8/27(土)
きんどーさん
cover
ピンボールの魔術師
エルトン・ジョン
1976

シリーズ「完璧なシングル」

*今週の「完璧なシングル」は
「ピンボールの魔術師」、ミスターきんどうさんエルトン・ジョンだ。
エルトンさんお初。なのにオリジナルを差し置いていきなしこれって。気にしない気にしない大丈夫大丈夫。ここは時空列を一切無視いたすろっくすでござい。ザ・フーのロック・オペラを映画化した「トミー」。その中の大見せ場でご披露の曲がこれ。主人公トミーがピンボール大会で対決するにっくき敵役がエルトンさん扮するピンボールの魔術師なのです。この映画、面白かったかと問われれば・・見て下さいとゆうしか。監督が何たってケン・ラッセル氏です。この方、瞬間映像美の名人。全体的にあれれ今の映画一体何だと思っても、どうしても忘れられない場面が必ずあって掛け替えの無い映画になってしまうつう。ゴシックの緑色の悪魔とかアルタード・ ステーツの放電ビカビカとか。してこのトミーで忘れられないのが怪優オリバー・リード氏とダイノマイト女優アン・マーグレットさんのとんでも夫婦とこのエルトンさん登場場面です。高下駄みたいなとんでもロンドン・ブーツ履いてピアノ型のマイ・ピンボールをガンガン。まー憎たらしかったこと。完全にきんどーさんと化してトシちゃん行くわようって。これ以上無いはまり役だ。で演奏されるはもちろん「ピンボールの魔術師」。これがまた、どハマリでありました。エルトンさん、鬼の多作作曲家でありますからカバー自体少ないであります。一番有名なのがジョン・レノンさんとお友達になっての「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウイズ・ダイアモンズ」。あっとゆうまに全米1位となったけど、わたしゃ嫌いで。エルトンちゃん、カバーする時はろくに元曲聴かないつうか(^0^)、全くいつもの通りやるだけつうか、ルーシーもまんまエルトン・ジョン・バンドで。結果、あの壊れそうな輝きのものを1億円セレブ・だいあもんどジュワイオクチュールマキすてーきほりたんにしてしまって台無しJRに。いくら大ファンでもこればっかは、きゃあやめてーって叫んでしまったよ。買ったけどシングル。ビートルズ・カバーならジョンちゃんと共演した愛・ソウ・ハー・スタンディング・ゼアの方が100倍良かっただぞ。で、このピンボール・ウイザード。やっぱしまんまエルトン・ジョン・バンド。ところがどっこいキャラがはまれば曲もはまる。皮肉なことにバンドの魅力が最大限聴けるスーパー・シングルになってしもたのだ。イントロの絨毯爆撃ピアノからして恐ろしきエルトン節。歌登場は喉の手術前、どんなに高音になってもビッカビッカに歯切れ良しの声。いつもより多く廻してます。手数の多いディー・マレイさんのグルーヴィ・ベイベ・ベース。独特の音色とタメを持つナイジェル・オルソン氏のドラム。バックでぽこぽこ鳴るは実は絶頂期エルトン・ビートの要だったんではないかつうレイ・クーパー氏のボンゴ、ふりふりタンバリン。演奏しながらのコーラスでは英国最前列のワ”−−−−。ギターは生ギター大得意、ソロは独特のハンマリング・オン、プリング・オフ多用のデイビー・ジョンストン氏。他では絶対聴けないスーパー・チームワークのバンドでした。”シャア・プレイズ・ア・ミーン・ピンボール!”のキメの後のジャジャジャッジャジャーンの直後、じゃかぽんじゃっの気持ちいいことと言ったらまあ。後半のギターソロと狂乱きんどーピアノソロも聴きモノ、落とした後テンポ変わって、づかっ、どかっ、づかんのドラム、ぽこぺんぽこぺんのボンゴ・ビート、これまたエルトン・ジョン・バンドだよほらほら。英国でリリースされましたのが76年3月。もうエルトンさんのバンドは大変身してホール&オーツ、ライブタイムのバックでやってます新編成になってました。ですからもうこのメンツは無くなっていた訳で惜しいよほんと惜しいっす感一際。エルトンさんもやっぱ俺の最強バンドはこの時だと思っていたのでしょう。後年また再召集することになるのだ。離れてみてわかるおやおやの大切さ。ソロ・ミュージシャンと言ってもロックはバックのバンド無くしては成り立たず。ニール君とクレージー・ホースみたいに音楽体と一体化したバンドがいかに貴重か、獲得が稀有か出会ったことがいかに幸運だったか、しみじみと感じてしまう完璧なシングルがこのピンボールの魔術師。B面は同メンツ、アルバム「キャプテン・ファンタスティック」からのいかにもB面な「ベター・オフ・デッド」。バーニー・トーピンさんも掛け替えがありません。トシちゃんがいなきゃねキンドーさんは。

シングル盤ジャケ

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8/28(日)
密林のボッカチオ
cover
Country Life
Roxy Music
1974/11

シリーズ「GLAM!」

ロキシー・ミュージック、74年4枚目にしてずんどこ第2期の頂点にそそり立つ「カントリー・ライフ」です。たった2年余りでここまで上った。バンドつうのはある程度のしっかりとした支持があれば己の道をしっかり邁進極められるのだなと実感です。製作はクリス・トーマス氏に一歩引いてもらってエンジニアのジョン・パンターさんとロクシーががっちり担当。もうやることはすっかり視界に入ってる。その存在と共にサウンドもさらにでっかく音場も実際シネラマになってるぞ。ジャケでまたまた大騒ぎになりました。右側の型が男?つうのは、まあいつものことだけんど、お毛が見えちゃってるぞ。やばいよとアメリカでは丸ごとお二人消され日本ではパンツの色を濃くして発売、余計エロくしてしもたつう。現在は無事(^0^)元に戻り30年の月日で人々がいかに堕落したかを物語る。あはは。間の7月にフェリーさんの2ndアルバムが挟まっています。かなり音楽重なるのは当然でしかししっかり本隊では本隊の音を3枚目から連続してるとこはさすが何をやりたいかわかってる男たち。ただくねくね踊ってるだけじゃありませぬ。今までの3枚もそりゃもう至玉の作品でありました。ですから比べるのは野暮天、どこが違うってやってることが違うつうことだな。例うれば1枚目はロンドンろんどん、2枚目はベルリンを反対湖岸から眺める、3枚目はパリの酒場でスーツでタコ踊り、そしてこのカントリー・ライフはブリテンでテキサスを想いながらアマゾネスとボッカチオデカメロンの絵を2150年の設定で描く。誰一人としてボーっとして演奏してるものなどおりません。使い切った男だ。幕開けは「スリル大好きああ」で。最初から120%でぶっ飛ばすポール・トンプソーン氏のでんとでんとドラム。ぶっとい音でそれとシンクロ、隙を狙ってはみ出すぐりぐりぐんここ音がたまりませんベースのグスタフスンさん。いまだゲスト扱いつうことはこの超上フレーズの数々はマンザさんがご指示なのでしょうか。そしてそのマンザ氏・・・全開です。リズム・セクションの一員となりハード・カッティング、そして絡みつくピッキングが音を追い越すフレーズ、かってないほどのギター・アルバムの重責をこれ以上無きほど果たしました。マッケイさんももちろん重要、この方がいなければこのデカメロン世界は描けず。これほどオーボエの音が効果的で有ったことは有るけど無し。で、フェリーさん、玉の汗をかいて一心不乱に没頭出来る音の中で虚空を見つめてまあ気持ちよさそうに。歌ってます。あっとゆうまの6分間過ぎ、2曲目は「3シリング6ペンス」。十辺舎一九では無し。ぐっとリラックスしてまたまたぺこぼんのベース気持ちよく今度は仕舞いの息途切れるとこまで色気たっぷしのサックス、マッケイさん、マイクから2m離れたハモニカが素敵。ややこしい英国通貨の勘定法に例えて歌われるは恋の駆け引きのお話です。そして3曲目、シングルの「オール・アイ・ウォント」。イントロからもう一本ドッコ、づんどこ真骨頂フレーズ爆発だ。恥ずかしくないのか。わきゃあない。決然と物凄く欲しいものを歌う。聴き所はサビでのピアノと歌のシンクロ、直後のギターのギャ、巻き上がる風速40mのギター・ソロ。ここでのフレーズは欲しい欲しいとしゃべってますほんとです。字余りに合わせて当然のように終わるエンディングもまあ見事だ。のけぞる中容赦はしないお次はロクシー史上最もエクサイティングな曲「アウト・オブ・ブルー」。頭杭打ちされそうなこの名イントロ、塩辛のようなオーボエ。歌とフェイズシフトされたカット・ギター。サビ直前の吼えるベース。悶えるのたくるソロ・ギター、そして最後。出て来ましたステージ前面に。美少年エディ君金髪ぐしゃぐしゃにしてます。聴くおっさんもここではエア・バイオリンだ。フレーズの一つ一つ覚えて完璧に。バックでべんべんこべんこ煽るリズムで我を忘れて頂点で失神。A面最後は興奮をさますようにマダム・クロードの歌。マダムの世界はインチキ・ニュー・オリンズ。マジにここではザ・バンドぽいです。こんなピアノも弾けるのかエディ君。いやここではさすがにフェリー氏かな。マッケイ氏オハコのサックスブロウ、ここで思いのたけご披露。ひっくり返してぐっと溜めるお時間を。苦く甘いは大人の世界。思い切りフェリーさんに耽美していただく。が絶頂部でどんかどんかおもちゃの兵隊が行進しますんで妙に安心。綿毛エンディングに続いて中世に本格的に突入。3分間しっかり3枚の絵を眺めて登場はカサノヴァ。前2曲の引きはこのために有り。前作アマゾナに続く4文字熟語シリーズ。これが発展すれば次はジョビジョバだったかもしれんのだが。ロクシーの異端審問会音楽、キャムプやアスコラや言われる所以ここに有り。ワウかけたクラビネットはチェンバロと瞬時にシンクロしモータウンの猛者がイタリアに出張したかのよう。こんなえらいこっちゃな音バックにしたからにはフェリーさん口端のヨダレものともせず飛んでくるツバをかわしながらこちらも聴かねばならぬ。もちろん全面的に顔面で受け止めても可。後の事は責任持てず。ソロがどうのこうのなんてものは最早無し。全員で何をしとるのだこの連中は。とんでもないです。音楽自体発禁のやばさだ。とここまでやりつくして次は、いやーほんとに私らもやってて素敵でしたと述懐すると。まだボッカチオ世界で寛ぐ。で最後はああ、テキサスって最高、ぼくの国とかいきなし恋の心変わりされてしまいました。
この盤に限って申せばアナログよりCDの音がグレードアップです。きりりと締まって音の細部がより想像力をかきたてご飯。存分にお楽しみください。

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日本盤

8/29(月)
虎穴に入らずんば
cover
Taking Tiger Mountain (By Strategy)
Eno
1974/11

シリーズ「GLAM!」

ロクシーが絶好調ぶりぶりがんがんしておった時にイーノちゃんは一通の中国絵葉書を入手、山東省火頭山に登って穴に侵入、奥でにゃあにゃあ鳴いていた虎の赤ちゃんの頭をうりうりしてましたら親が帰って来てすっかり意気投合。いやあこの頭ですかお恥ずかしいとか言いながらこのアルバムを作りました。ソロ2枚目のタイガー・マウンテンです。グラムのアイドル、実は気のいいお兄ちゃんだってことが1枚目でばれましたからもう気楽。好き放題やるもんね。さらにのほほーんとやったよ。集うはマンザさん、マッケイさん、ワイアットさん、頭仲間コリンズさんら普段鬼畜のような(違うよ)音楽をやってる飲み友達。みんなこの私何ーにも出来ませんって自負するやんちゃさんが大好きです。だって何にも出来ないとか言ってながら見たんです先生、この前イーノ君が放課後ピアノの練習をしてました。猫踏んじゃった1521回弾いてました。それに合わせて発声練習もしてました。泣きながら。を皆知ってるから。ですから己知ってますし、何泣いてたかっつうと自分の声質が何でボクはこんなお兄さん声なのママ。ロック・スタアじゃないやい。いいのよイーノ、貴方は出来ることだけやりなさん。ママが付いてるから。はいママ。とゆうことで大方ダブルで歌は録音してます。でもただのボケポカーンでは皆ここまで付き合いません。何よりやりたい音楽が完全に見えてます。行き当たりばったりではこの統一イーノ・ワールド世界は実現出来ぬ。ゲストの音色全ていつの間にか焼酎で、いや掌中でころころ転がしています。ぽわーと臭い空気の中、突然切れ込む超センス・ストレンジリイの数々。超センスは一瞬しか発生せぬものとの確信ある故。みんなこれにはまると抜け出せません。例えばだ1曲目のイントロのフレーズ。こう弾いてくれと頼むほうも頼むほうだけんど喜んで弾く人がおらんと。きゃあ楽しいと手を振りながら乗ってるメリーゴーラウンド音楽の2.。の中の口笛。焼き芋みたいなギターソロ。3.のリンボーダンスの風船女では得意技虚空の未来フレーズシンセ。30年前見た未来を30年後に今ここで味わう。こんな快感は無し。いつまでも実現されぬから相変わらず未来す。そしてオチで使用のドラ。全て台無しにする快感を定期的に味わえるとは。4.は「目無しの母鯨」って、巨大なメザシ思い出しちゃうよ。マンザ氏のギターがその串刺し役。ここの展開が超センス爆発場所。英国伝統何にも考えてません街頭で召集しました女性コーラス隊がそれを煽り。あまりの緩ーいスリルに眩暈が。5.のグレート・プリテンダーはサム・クックさんでもザ・バンドさんでももちろん無く、モニカさんの歌。お風呂で鼻歌にぴたし。こんだけ変てこりんな音満載ながらかわゆいつうのも。タレパンダみたいなもんか。B面の頭は皆さん寝ちゃったかなーと気合一閃、サード・アンクルで。これはもうマンザネラさんのためのような曲。彼の高速鬼カッティングが無ければ成り立たず。複数の未来フレーズも連発。類が友を呼んだ。7.は虎の赤ちゃんへの子守唄です。これで育てると・・・どうなっちゃうのか。ヤマハ音楽教室の対岸音楽です。8.はのけぞる快感のこれぞイーノ・ポップ。テレタビーズも登場(まほさん談)。ア・サーテン・レシオウも登場。間奏で超センス爆発。複数のギターシンクロによる繰り返しのファンタジー世界。トーキング・ヘッズのモア・ソングス・アルバム、ステイ・ハングリーでやらかしたあれと同じ快感だ。9.でそう言えば私、中国に来てたんだと思い出し。このリズムギターはヘッズと同じ。出会う前から出会ってた訳で。ラストはゆっくりお眠り。歌があると眠れないでしょと優しくダッコしました。寝付いた頃うっかり歌っちゃいました。歌が好きなんですイーノちゃんきっと。

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日本盤

8/30(火)
ほーみ、ほーみ
cover
First Band on the Moon
The Cardigans
1996/9

シリーズ「女の道」

カーディガンズの新譜が出る。10月に。どんなバンドだったか思い出してみよう。って忘れる訳ぁありません。極め付けの個性のスウェーデン・バンドだ。このアルバムは96年の3作目、”ほーみほーみ”のヒット曲「ラブフール」入り。新人さん新人さんと思ってたらもう10年以上のキャリアなんだな。むむ月日は百代のカキャクだなや。いやこのバンド最高です。ロックもポップも歴史をこう重ねますと何もかもインフレ気味になっちまいますから音はやたら分厚くなるかインパクト過多のどぎゃーん。歌だってやたら表現ばっかでかくなって、私ってうまいのよーって大声やられてもやってなさいてなもんだ。人のカラオケショーを聴くのは接待じゃ無いんだから。と思わばメロディ無しゴロだけ勝負みたいなもんも跋扈してたりうんざりしてる人にその全て反対の喜びを与えてくれるのがこのカーディガンズ。アバ以来の伝統かいなこの無慈悲ボーカル。絶妙にメロディアスな曲は一発で来る一方、ほにゃらかしてっからねえ、繰り返しで味が出て来るって大体繰り返して聴きたくなる音楽ってここしばらくの連中じゃありゃしない。何でまたこんな浮世離れした。やっぱスウェーデンだからか。なんつうと偏見まりかな。曲はギターのピーター君が書いてるそうで。このお兄ちゃん、大のヘビメタさん。来日したら出演するんじゃ無いか。なのにこの曲調つうのも、屈折した愛だったりして。特にブラック・サバス好きつうのは前にサバス・ブラッディ・サバスのカバーしてたのでもわかります。あれは凄かった。聴いてください。笑い通り越して感動したぞ。今回もやってくれました。何とアイアンマンのカバー。これはちょっと無理筋な挑戦じゃないかー。原曲が既にAORしてたブラッディほどはまってないけどその荒業振りも楽しく。アルバム全部やたらよく出来てますからそのくらい無謀もたまにしてくれんと。その他のちょっとしたところでサバス・リフが出て来たりするのでメタル・ファン大喜び。聴くのかメタルファン、これを。製作のトーレ・ヨハンセンつう親父も面白い人みたいです。機械オタクらしい。ギターを買ったのが解体したかったからってあんた。元通り組み立てて勿体無いから弾き始めたとな。それで本拠地タンバリン・スタジオには怪しくも妖しい古の機材山盛り。それでこのたまらなく人臭い音が出るのか。昨今何だってデジタル箱一つで出来ちゃいますから、スタジオでもマイク・セッティングなんかの経験技術がどんどん消えていってるつう。こうゆう人のことなんかどうでもいいトンパチキチガイ親父は貴重です。だいたいロックってそうゆう連中の集まりだったけん。まあ、またマイナー化してるみたいだからもしかしてって期待はあるかも。さてカーディガンズ。新譜はどうなるのか。貫禄だけはついてもらっちゃ困る。勝手なこと言わせていただければ。前作はきわきわだったみたいだからちょっと心配です。新譜を滅多に買わないうちに無理やり買わせたらあんたの勝ちだ。

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8/31(水)
アメリカ
cover
The Band
The Band
1969/9/22

シリーズ「GREAT WHITE WONDER」

名盤です。うちなんかが書かせてもらってもそうは気にされませんでしょうが、これが並み居る評論家先生、それどころかあまたの憧れのミュージシャン達だとそうはいきません。私はこれでこれを止めましたのクラプトンさんを筆頭に第賛辞の嵐発売以来吹き荒れる。そうなりますと後学のために買っておこうと。しかもそんなに言われてるのならさぞかし凄かろうと聴く前から期待ばんばんですからいざ聴いてみたら何やこりゃ地味やで爺むさとなって棚の花に。何か言わなきゃいけない時はまあ雑誌で書いてあったことをテキトーに言っておけば。ジャズなんか語っちゃう時みたいに急に真顔になったりして。困りんこ。音楽は別に偉大だから聴くんじゃなくて好きでごわんごわん感動するから自分の中で偉大になるものですから。あまりに評判良いと逆責め。かえって何が本当に好きなのかわからなくなる恐れあり。なんて事書くのは、私にとっても長い間敷居の高いアルバムだったからなんす。本当に体に染み付いたのはCDリマスターになってからかもしれん。同じ曲でも仏アルバムのライブヴァージョンの方がずっと好きでした。ロックだったから。一旦染み付くとアナログも見えるとこが見えて来てたまらんのだけど。最近つくづく思います。これ、若い音楽だったのだなって。音楽やる時って何かに憧れを持ってやると思います。それはマルムスティーンちゃんみたいにバリバリ速く弾きたいなだったりロッドみたいに華麗な衣装でマイクスタンドぶんぶんロオオックだったり。ザ・バンドの場合はそれがアメリカのセピア時代だった訳で。ロバジョンでブルース・ロックと同じ。精一杯突っ張って古い音楽をこれだけ好きなんだってやったのかと。これで成功してやるっつう野心もばんばん感じます。必死さも。いかしたアメリカ小唄作ってほらビートルズだけじゃ無いんだつう気概の音楽がここに。それでもなお古いと感じるのならそれは昔の若者がやってるって事実だけだな。この当時はこれがばちばちにナウだった訳だ。クラブでかかっておりましたどこのだ。何回もリマスターされてます。やっかいなのはされるたびにぐんぐん音が良くなること。しかも未発表も発掘されて。奥が見えてくると益々好きになる。何回も買っちゃってまあ。嬉しくも辛いよ貧乏人には。今、外盤は恐ろしく安い値段で買えます。日本盤は・・・安いのは安いけど、何故か最新のボートラ無し。有ったものを削るとは。不可解なり。もちろん追加されてるのは別テイクだったりいわばボツものなんですけどこれがちょっとテンポが違ったりアレンジが違ったりのきわきわのもの。素晴らしさ甲乙つうよりも別な感動確実にあります。今俺が買うとしたらやっぱ外盤だな。自分で歌詞訳さなきゃいかんとしても。一番良いのは別テイクだけ別アルバムでまとめて出してくれることなんだけど。新ボックスになっちゃってえらい値段になったらそれでも往生するし。微妙だ。その新ボックスまもなく発売。えらい値段で。泣く。

中略

発表以来36年。まだまだこれから見えてくるもの多数有り。長生きしてまた感謝させて貰おうっと。今でも1曲づつここがここがって書いたらこの10倍駄文で迷惑おかけしてしまいそうです。とゆうことでいつか中略部分をまた。

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日本盤