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今日の推薦盤一覧2002.5下

 

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5/16(木)
欠点をぶち破る快感
トゥルース
ジェフ・ベック

”IF”

10代の頃、ジェフ・ベックに夢中になりまして、アルバムをどわーっと手に入れました。当然このアルバムも。初めて聴いた時は当時ですら失礼ながら「ちょっと古臭いなー。」なんて(笑)。ところが聴き返すうちにすっかり夢中に。やっぱりベックのギター、切れが有ってかっこいいもんね。ロッド・スチュアートのボーカルは、まだあまりしゃがれてなくて若さでピチピチしてます。あまりハスキーに頼ると粗雑に歌っちゃいがちですが、ここではもしかして今よりうまいんじゃないかと思えるほどの名唱。ニッキー・ホプキンスのピアノも最高だし、とすると問題は後の二人。ロン・ウッドはアルバイトのベースみたいなもんだしなあ。きっと「あ、いいですよー、できますよー。」なんて引き受けたのでは。ジミー・ペイジはあの強力なリズム・セクションの二人と一緒に出来て時を得、ベックがこの時ZEPの二人とやっていたら、このアルバム、恐ろしいことになっていたのでは無いかと、夢見てしまう今日このごろです。なんて「グリーンスリーブス」とベックのボレロ」が好きだったりするわし。

今の若い人が聴くとやっぱり古臭く感じるのか、それとも新鮮に思えるのか。聞いてみたいぞ。
明らかにマイナス点が見えながら、それを大きく上回る魅力で、私の中で名盤。考えてみると、ベックのレコードってこの手が多いかも。ペイジさんと比べてプロデュース力が欠けてて、ギター1本さらしに巻いての人なのかな。

今までベックオラとのカップリング盤しか無かったけど、リマスターで単体発売されました。

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5/17(金)
夜鳴きかんの虫アルバム
ネイキッド・シティ
ジョン・ゾーン

シリーズ「暗黒レコード」

”裏ジャケ恐いが中身はばかロック”

90年作品。この頃わし何聴いてたかとゆうとこうゆうのばかり聴いていたんです。ジャンルでゆうとフリージャズに属する人なんですが日本の古い歌謡曲が好きだそうで、このアルバムもそりゃまあジャケット(特に裏)は恐いですが中身は、映画音楽、パンク、ジャズなどなどごった煮で楽しい事楽しいこと。従って暗黒はジャケだけです(笑)。特に秀逸なのが映画音楽。「バットマン」や「暗闇にドッキリ」、「シシリアン」「007」などひょうきんだったりしっとりしてたり。「シシリアン」って良い曲だわさ。モリコーネさんはやっぱ凄い。一番気に入っているのがオーネット・コールマン作の「ロンリー・ウーマン」。完全に「特捜最前線」の世界になっています。よく聴くとベースのリフは「プリティ・ウーマン」byロイ・オービソン。そーか、うーまん繋がりねえってもー大笑い。日本のバンド、ボアダムスのボーカルの人が参加してていくつかの曲で「うやごやもようひゃれれにょにょにょにょー」とかハナモゲラ語でシャウトしております。CANの鈴木さんもそうだけど日本人はこの分野で一番期待されているようで(爆)。試聴していただければおわかりになりますが、ゾーンさんはフリージャズ界一ひょうきんなお人ですので、いきなり夜鳴きかんの虫みたいに「ぐぎゃーdひゃどひゃどひゃぶびょー」とか炸裂しても大丈夫(←何がじゃ)。あまりにも気に入ったので当時バンドでいくつかやらさせていただきました。サックス難しかったなあ。

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5/18(土)
ブレーク!
ドキュメント
R.E.M

シリーズ「ブレーク・アルバム」

”ファイアー(ふぁいあーああ)”

87年作品です。私にとってNW以降現れた最後の己バンド、そして演奏者の顔が見えるバンドなのです。この作品はIRSレーベル最後の作品にして、ついに何かを掴んだ最初のブレーク・アルバム。私が一番好きなのは次の「グリーン」なんですが、それについでフリートウッドマックなら「ファンタスティック・マック」に該当する作品です。全曲自信に溢れ力みなぎっております。強力なのが「It's the End of the World as We Know It (And I Feel Fine)」から「The One I Love」への流れ。前者の強引とも思える素敵な疾走感。後者のグループサウンズを彷彿とさせる高揚感は、最高。ちまちましてません(笑)。さらに付け加えれば、私はビデオ・クリップを見てアルバムを超える感動を得たことが滅多に無いのですが、このバンドのビデオは素晴らしいものであります。きっと己のイメージを完全に把握しておるのでありましょう。最新作にいたるまでこのテンションを持続してるのも偉いぞ。

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5/19(日)
たまらん
グレーテスト・ヒッツ
エルトン・ジョン

シリーズ「何から聴けば良いのだろう」

”さんざ聴いても大感動”

74年発表の「カリブ」までのベスト盤です。もうこれは何も言うこと無しの曲がずらり。エルトンの真に輝いていた時期の名曲を堪能して下さい。それまでのアルバムの中からあまねくチョイスとゆうよりも選曲が割と片寄っているのでエルトン本人がそれにかかわっていると見る方が。曲順も不思議と言えば不思議なんですがこれだけの名曲群だと聴いていてそんなことどうでもよくなってしまいます。初めて買う方にはほんとうってつけ。ここから始まって奥の深いエルトン・ワールドに入って下さい。クロコダイル・ロックの一人ハーモニーたまんない。これだけ聴いて来た人間もなおかつ感動させてくれるそんなアルバムです。

「レア・トラックス」が欲しくてたまらないこの頃。今レコード聴け無いので「フレンズ」が聴きたくてたまらないのです。

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5/20(月)
ブルース・ロックなんです。

ピンク・フロイド

”一発かまさなくとも聴かせます。”

75年作品。ベストセラー「狂気」の次の作品で、わくわくどきどき、好きなホラー映画やSF映画の新作待つみたいにして聴いた記憶が。あれれやけに地味だぞってちょっと意外だった記憶が(笑)。こうやっておぢさんになって聴くとやっぱり根っこはブルースロックなんじゃなーとか、グレートフルデッドに味わいが似てるぞとか色々なことが感じられて楽しいぞ。キャロル・キングの「つづれおり」聴いた時みたいにじんわりと良くなって来て、この後イーグルスの2nd聴くのも悪く無いなあと思ったら4はドゥーリー・ダルトンでした。

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5/21(火)
かきむしる寂情と熱。
マーキームーン
テレビジョン

”練りに練ったサウンドと熱。”

77年作品。ニューヨーク・パンクの雄と呼ばれているテレビジョン。私は英国パンクから入ったので、このアルバムを聴いた時はかなりびっくりしました。確かにこのヒリヒリとした感触はパンクとしか言いようの無い物でありますが、それよりも練りに練ったサウンドの見事なこと。バンドとしてこのアレンジでこのサウンドを出すにはかなりの場数とミーティング、鉄壁のチームワークが無ければ出せるもんじゃありません。ある意味プログレ、イエスのような見事な構成にうっとり。デビュー作にしてテレビジョンとはこうゆうバンドだってのが強烈に伝わってきます。このケロケロ声があかん人にはつらいかもしれんけど、それを超えたありあまる魅力が有ると思うので、パンクとゆう呼称に敬遠する事無く全ての人に聴いていただきたい作品なのです。ニール・ヤング・ファンには特におすすめ。

「マーキー・ムーン」のフェイドアウトの後が聴きたーい。アマゾンで今919円。安い。今が買い時ですぞ。

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5/22(水)
フランケンフルター好きですか?
20TH CENTURY MASTERS
チューブス

シリーズ「完全に忘れられた人たち(笑)」

”楽しすぎるぜ。負けたぜよ。”

30cmのかかとの靴ともの凄いメーク、扮装で70年代アメリカを席巻したチューブス。チューブではありません(爆)。完全にキワモノ視されて忘れられちゃってますが、良いバンドだったんですよー。以下の人たちにこのアルバムを捧げます。
1.ハリウッドB級ムービーが好き。
→完全にロッキー・ホラー・ショーの世界。あの映画で思わず歓声をあげしまう貴方に。ロジャー・コーマン映画やフラッシュ・ゴードンとか好きな貴方にも。
2.アメリカン・ポップスが好き。
→生きているアメリカン・ポップス。街のちまたでかかってそうな、小さなハンバーガー屋でかかってそうな曲満載(?)。楽しいこと好きですか。
3.トッド・ラングレンのファン
→彼がプロデュースした「リモート・コントロール」は、トッドがお仕事でプロデュースする時によくやらかす、それまでのチューブスの音楽性を無視した、完全トッド化計画のもとトッドになりました(笑)。まさに「リモートコントロール」。しかーし、これがまた出来が良いんです。涙無しで聴け無い名曲揃い。メンバーたちもその出来の良さに素直に喜んで、7〜10まで大フューチャー(?)。のっとられたのにかわいいなあ。その姿勢たるや賞賛の嵐。

以上3点で思わず買いたくなった人もいるでしょうが、彼らは元気で今も現役です。しかも相変わらずあの扮装でライブしてる。とことん音楽を愛する彼等のような人たちは忘れないで応援したいものよ。

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5/23(木)
かわいいと思います。
バーント・ウイニー・サンドイッチ
マザーズ・オブ・インベンション

シリーズ「人に進め難いアルバム」

”かわいい。”

70年リリース。ザッパの作品の中で1,2を争う好きな作品なんです。歴代ザッパ・バンドでもロクシー・バンドと並んでM.O.Iが好き。悪そうだし、臭いし何よりかわいいし。この作品でも現代音楽調のメロディやってっても何とも言えず親しみやすくてかわいい。やっぱりジミー・カール・ブラック酋長とちこ・ロイ・エストラーザ・キュートな高音ボーカルのリズム・セクションかな。けっしてビル・ブラッドフォード+ジョン・ウエットンみたいに華麗な訳じゃなく、ひたすら朴訥に一生懸命に「このわけわかんないことやりやがって」ってやってくれてる。ブウたれた顔の表情まで見えてきそうです。さらにバイオリンのシューガー・ケイン・ハリスの存在。この人はもう私のベスト1・フィドラー。叩っ切ったるって言われてるかのような迫力のプレイ。「いたち野郎」で驚愕して、ここでも8「小さな家」でやらかしてくれてます。デビッド・クロス好きな方に聴いていただきたい。てなわけで気軽に聴けるこのアルバム。その度に新鮮で嬉しくなって元気が出ます。この不良ぽさにポール・マッカトーニーもロバート・フリップも憧れたのはわかるなー。フリップさんは不良ぽさに惹かれたんじゃないか(笑)。有名人の名前出して関心引こうとしてます(爆)。

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5/24(金)
ニール君炸裂。
トランス
ニール・ヤング

シリーズ「人に進め難いアルバム」

”何をやってもニール君はニール君。”

83年作品。ニール君が一番色々やっちゃってる時期の、一番世間を驚かせちゃった作品です。そりゃまー、私も驚いた。まさかテクノやるとわねー。明らかにクラフトワークを参考にしたサウンドなんですが、実は私は大好きなんです。ボコーダーで声を変えたりこれみよがしにテクノしちゃったりしても、ますますニール君がニール君になるだけ。いつもと同じように楽しんじゃってる自分を発見。逆に彼のアルバム中ある意味一番刺激的な一枚かもしれん。まあ、これもテクノも好きな人間だから言えるんだろうけど、想像するにニール・ヤング好きな人はテクノなんかあまり縁が無いだろうしそうゆう人はこのアルバムどう思ってるのかな。やっちゃってる曲も有るけどそれはいつものことだから(笑)それも含めて好き。ちなみに、怒られそうなこと言うと「ミスター・ソウル」はバッファローのバージョンよりもこちらの方が好きだったりします。すまぬ。

名盤入り?どーでしょーかー。もう少し考えてみます。私の中では入っていますが。
これのビデオクリップがまたかっこいいんですよ。

こっそり試聴

5/25(土)
浮世離れ。
クレージー・リズムス
フィーリーズ

シリーズ「人に進め難いアルバム」

”あなたのお名前なんてーの”

80年作品。ラストワルツ購入まで待てなくて買ってしまったCDが昨日到着。レコードで持ってて、たまらなく好きなんですが、これはまさに他の方が聴いてどう思われるか見当も付かないのだ。英国のモノクロームセットとほぼ同時期に現れてライバルとされましたが、あっちがシャドウズや加山雄三の(笑)影響を感じさせられるのに対してこちらはさすがアメリカ、ベルベットアンダーグラウンドを思いきり軽くしてお調子ものにしてかっとばした感じです。私はこれを聴くとその辺にあるそろばんとかマラカスとか持ち出して思わずスカスカスカって振りたくなる。ビートルズの「Everybody's Got Something to Hide Except... 」やってるんですが、けっこうオリジナルに忠実なのが笑える。しかもまさしくフィーリーズ。最後のボーナス曲の「Paint It Black」のカバーのように2枚目からは全然違う感じになっちゃうんで(どうしたんだろう)このかっとんだ音楽はこのアルバムでしか聴けません。しょっちゅう聴いちゃうたまらないアルバムなのです。7の「モスクワの夜」たまらん。わたしゃモスクワものに弱くてVISAGEもそれで....。

ドラムはちなみに後にラウンジ・リザースやゴールデン・パロミノスで活躍するアントン・フィア。うまいんだかヘタなんだか(笑)。

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5/26(日)
浮世離れ。
Rejuvenation
ミーターズ

シリーズ「生活アルバム」

”生きてるうしろで鳴ってて気持ち良い。”

74年作品。メートルズのリプリーズ移籍後の第2弾アルバムです。JOSIEの時との大きな違いは歌ものが中心となったこと。1曲目を聴いてZEPと間違えてはいけません(笑)。全編素敵なビートに溢れてもう充分にニューオリンズ・ファンクの世界を堪能出来ます。それにしてもかっこいいぞ。しかもしなやかで。

以前横須賀のまっくでミーターズがBGMで流れてて、すごくおいしく食べれたことがあるんですけど、生活の後ろに流れてて凄く素敵な音楽なんです。

リトルフィート、ストーンズ、ZEP、スティーリー・ダンが触発されたことが想像できるんです。

17歳の頃ニューオリンズに初めて触れたのがこれと、アラン・トゥーサン「サザン・ナイツ」。とてもラッキーでした。
そしてこれは彼等の最高傑作だと今でも思ってます。

今回のリマスターでライノはまたまたやってくれました。高音はいたしかたのないCDとゆう仕様で、でも分離と低音は増強出来るとゆう利点を最大に生かしたマスタリング。ここで聴けるリズム・セクションの迫力と言ったら、アナログLPを凌駕して感動を覚えました。たいしたもんだ。

試聴はこちら 買うならこちら(100円安い)

5/27(月)
至宝。
ラスト・ワルツ完全盤
ザ・バンド

シリーズ「人気B級実力A級」

”もう、たまらん。永遠の宝物。”

1976年11月26日サンフランシスコ、ウインターランドで行われたザ・バンドのラスト・コンサートのライブ盤が完全盤として登場しました。私にとってかけがえの無い盤だけに嬉しいのなんのって。思い切って日本盤を手に入れてしまいました。ライナーノートが素晴らしいこと。読んでてなるほどーと初めて知るようなことが一杯。ロビーさんの言葉は、そうなんだよなあって思わず納得してしまいましたぞ。
さて内容と言えば悪い訳はございません。詳細に追って行くともの凄いことになってしまうのでざっと感想を。
DISC 1
ムーンドッグマチネーでやってた「第三の男」を彷彿とさせるテーマではじまります。なんとも美しい曲。ロビーが弾いてた不思議な楽器欲しいなあ。ザ・バンドの曲が3曲続きます。「同じことさ」でのリック・ダンコの歌。この人の歌の持つ切迫感がたまらん。名唱です。「フー・ドゥー・ユー・ラブ」。ロニーお師匠さんの元でのツアーの話は凄いものあったなあ。週に6日ライブしたそうです。ロビーさんはトイレにまでギター持ち込んで練習してたそう。やはりそこまでやってこそなんだなあ。わしは駄目じゃ、とてもでけん。「カーニバル」とジョン先生の「サじゃない」と出発点ニューオリンズから。ニュオリンズとカナダはフランスつながり。よってザ・バンドの音楽はニュオリンズとカナダをつなぐラインの音楽を全て内包なのだあ。乱暴かあ。今回初めて登場の「ザ・ウエイト」。元祖パンク・シンガー、リックさん期待通りやっちゃってくれてます。「火の車」「ステージフライト」共々本当に若若しくて。得意のメロディ崩しも名人芸。この人にしかでけんなあ。「ミステリー・トレイン」は何回聴いてもバターフィードさんのハープの音素敵です。正に機関車爆走。リボンさんが一番楽しみにしてたとゆうマディ・ウォーターズとの共演。初出の「カレドニア」がまた良いんです。バック・バンドとしてもザ・バンドってほんと見事な連中だなあ。おっきな包み込む感じ。バタフィールドさんのハープも最高。

つづく。

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5/28(火)
至宝。
ラスト・ワルツ完全盤
ザ・バンド

シリーズ「オムニバスワールド」

”カナダ地帯突入。”

昨日に引き続きラストワルツの感想を。
DISC 2
未発表「ラグ・ママ・ラグ」で始まります。ラストワルツでのザ・バンドの演奏は「ロック・オブ・エイジス」の時に比べてより重心が低くなって、粘りがぎゅるると、そしてより攻撃的に若若しくなっている感が。そしてエリック・クラプトンの登場。未発表「ノー・リーズン・トゥ・クライ」の「オール・アワ・パスト・タイムズ」を。良い曲なんですよねー。嬉しくて。「ファザー・オン・アップ・ザ・ロード」ではストラップが外れてよれよれになるエリックさんのソロからタッチしたロビーさんの壮絶ソロに注目。さらにエリックさんの巻き返しもあります。「オフェリア」。もう何も言えないす。このアルバム中でも白眉の演奏。デューク・エリントンからスイングジャズを見事にロック化です。で、カナダ地帯へ突入。にーる君は究極3コードソング「ヘルプレス」でかましてくれます。これ3コードでっせ。ややこしくすれば良いもんでないのー。そしてジョニ・ミッチェルさん、ヘルプレスでも強烈に目立っておりました。恐るべきノンコードの世界。バックの演奏付けるのに苦労したそうな(笑)。空気を一瞬にして変える所はさすがじゃ。「アルカディアの流木」。「南十字星」に入っていたこの曲を聴くためにこれを買ったと言っても過言ではありません。聴けたことだけでもう大満足です。良い曲なんだよねー。もう一人のニール君は貫禄がすげー。そして「WSウォルコット・メディシン・ショー」なんですが、これがまた素晴らしくて、これをアナログの時カットしたのはさぞかし悔しかっただろうと。リフがいかしたイメージがパアっと広がる曲なんですよ。

このコンサートのハイライト、男ヴァン・モリソンの登場です。ぱちぱちぱち。何回聴いてもチキンスキン。あの飛行機嫌いのヴァンさんが駆け付けたこの気合を聴いとくれ。この時点で間違いなく世界最強になりました。この歌唱に触れなければ一生の不覚じゃぞ。

つづく。絶賛コメントのネタが尽きても絶賛(爆)。

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5/29(水)
至宝。
ラスト・ワルツ完全盤
ザ・バンド

シリーズ「オムニバスワールド」

”再びロッキー越えて。”

引き続きラストワルツの感想を。
DISC 3
リボンの渾身のボーカル、「オールド・ディキシー・ダウン」で始まります。ホーン・アレンジはアラン・トゥーサン、イントロのフォスター調のフレーズから想像力ばんばん膨らんでずっぽりとザ・バンド世界に。続いてザ・バンドのイーノことガース先生のインストへ。この人のプログレシブ・ケイジャンは他に類を見ません。この人のワサビが効いたフレーズがバンドミュージックにどれほど魅力を付加しているか、はかりしれないもの有り。シンセを生楽器同様生かす技術たるやもう。お次はいよいよボブ御大なんですが、色々ごねた割には、はりきってること。リハほとんど無しでバッチリ合わせるザ・バンドもさすが。歌い方笑っても良いですよ(笑)。じっくり聴くとこの人改めて良い曲書くなあって思います。トリは全員参加の「アイ・シャール・ビー・リリースト」。リチャードの声が凄い。どかーんと響きます。ディラン先生の炸裂ぶりにも注目(爆)。9、10は初出のセッション音源なんですが、9はさすがにちょっとやっちゃったかなってとこかな。ザ・バンドはセッション向きだとはおもえんもんな。次のガース先生から始まるのは面白いです。やってるうちにどんどんニューオリンズ・ファンク・ブルースになって行く。なんとリトルフィートっぽくなって行くんです。ギターソロ誰が弾いてるか当てたらあなたは凄い。

大トリはやはり「ドント・ドゥー・イット」。これだけやった後でも体に染み付いたパワーで炸裂します。最後になぜこの曲をやるのか。それは「ロック・オブ・エイジス」を聴いてもらえば、納得していただけるかと。
「グリーンスリーブス」でジェフ・ベック版を聴きたくなる人はいましたか(笑)。

続く。問題のスタジオ・パートへ。

5/30(木)
至宝。
ラスト・ワルツ完全盤
ザ・バンド

シリーズ「オムニバスワールド」

”なぜ終わったのか。”

DISC 4
ロビーさんが今回の為に作った新曲とコンサートで共演出来なかった人のための、スタジオ・パートです。問題はそのサウンド。よく言えば憑き物がとれたよう、とにかくあっさりした作りです。1.ウエルはジャズ・ワルツなのかな。本来ならレコーディング・グループとしてこんな展開にしたかったのでは。これが展開してたら面白かったろうに。2.イバンジェリンはアケイディアの流木と並んでアメリカ南部に追放されたカナダ・フランス語圏の人々を歌ったものだそうです。ちなみにアケイディアがなまってケイジャンになったそう。なるほどー、それでケイジャンは...。エミルー・ハリスが爽やかに歌います。このあっさり感で何が狙いたかったのか、ちょっと未だによくわからない。3.ブルースから離れて。珍しくロビーさんが歌いますが、これがなかなかいけてます。ちょっと自信なさげなのがまた良い。ソロ・アルバムでふてぶてしくなっちゃうのが嘘のよう[(^o^)]。これで自信持ったのかな。4.ザ・ウエイト。ステープル・シンガース登場。ツアーでコンサートには参加できなかったそうで、ザ・バンドの曲をいち早くカバーした恩義あるブループとしてどうしても共演したかったそうです。元々ゴスペルのウエイトがもう見事に。歌いたいパートを取合ったそうで、さすが限界超えた感情吐露。もの凄い歌だなあ。バックの演奏がオリジナルみたいだったらと思うのはわしだけかなあ。5.ラスト・ワルツを再び。リチャードさんの歌はやっぱり天下一品。彼でやっぱり締めなきゃね。続いてコンサート・リハーサルの音源。7.キング・ハーベスト。今一うまいこと噛合ってなかったみたいですね。8.9.はヴァン・モリソンさん。楽にやっつけようと始めたは良いけど思わず熱くなっちゃうとこがこの人らしい。手が抜けないんだねえ。不器用で頑固なところが最高です。10.のジョン先生は逆にリラックスしまくり。リラックスが持ち味だから、これも良いのです。12からは新曲完成前の音源。手さぐりなんですがこれも魅力的なのがバンドの地力とゆうものでしょうか。

可能性と終末感が漂うスタジオ・パートは、やっぱりこれで終わりなのかなあって感じさせてくれるもの。コンサートの熱い演奏とわざと対称的にしたかったのか。謎です。どのインタビュー読んでもこの辺に触れて無いし。感覚的には納得できるものがあるのですが。

ザ・バンドは、ビートルズの影響を直接受けて無い生粋のアメリカ大陸バンドとして、文字通り偉大な存在だったと確信しております。この人たちの存在がどれほどロックの厚みを増していることか。もっともっと評価されるべきだと思うのです。もっとも評価されなくてもわしはどこか心の根っことして一生聴き続けますけど。存在に感謝。

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5/31(金)
無になる。
バック・イン・ブラック
AC/DC

”どっかーーん”

80年作品。NW華やかなりしころ、超然とそびえたったハードロック名盤でございます。新ボーカリスト、元ジョーディー!ブライアン”ビバリーヒルズ青春白書ピーチピットのナットさん”ジョンスンの塩辛歌を加え、壮大なる、何にも考えないでも聴ける[(^o^)]素敵な音楽満載です。逆境をエナジーに変えて突き進む姿は、ほんま美しいのだあ。思い出したようにひっぱりだして聴くのが吉です。

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