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今日の感謝盤一覧2005.4上

 

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4/1(金)
ブレーク!
cover
Funny How Sweet Co-Co Can Be
Sweet
1971

シリーズ「GlaM!」

いやー探しまくりました。スイートの1stアルバム。ここ2年ぐらいどっかに無いかと。ダブリまくりのベスト盤で曲はほぼ持ってたけどこれだけはまとまった形で欲しかったんす。CD化は1回されてたもののこれが入手難であっちこっちで当たっても入荷せず入荷せずの連続。そしたらまー昨日中古レコでばったり。78年の再発LPでジャケとかタイトルとか違うけど中身は大当たりで。嬉しかったなあ。で何げなしにアマゾンさん見てみたら、なーんと今年の1月に本家RCA(BMG)から出てるじゃありませんか。しかも当時シングル、レア音源加えたコンプリートで。くーこれは神のいたづらか。さてどうしたら良いのでしょう。でもまずはLPゲットの喜びを噛み締めて。
正確に申しますとスイートのアルバムはこの前に1枚出ております。当時のヒットメイカー、ピプキンズとのA面B面分け合うとゆうとんでもなカップリングLPで。60’s後半に所属してたパーロフォンの音源が。もちろんこれも欲しいんだけど激レア。ネットで見たら海の向こうのお店で5800円くらい。もっと物凄い値段のは数多いが家にはこれは贅沢だ。出ないかなー。とゆうわけで68年にフォンタナでデビュー、そしてX、69年にパーロフォンで再デビュー、またもXと苦闘の連続だった初期スイート。70’sに入って今度はRCAと契約出来ました。大手だ。この間、ギターのフランク・トーペイさん、もう駄目だあかんと脱退、代わりに入ってきたのがアンディ・スコット氏とこれで黄金ラインナップが揃うたわ。ですからここからがリアル・スイートの始まりかもしれません。駄目駄目だったバンドが大手と契約出来たのはやっぱその実力の証。やりようによってはブレークするってのを業界関係者も認めていたのだな。して、3度目デビューもう失敗でけんと講じたそのやりようとは当時、ニュー・ワールドってバンドの曲でヒット飛ばし始めていたマイク・チャップマン=ニッキー・チンのソングライター・チームの起用であります。チニ・チャプにとってもヒットは出たものの、そのニュー・ワールドってバンドは言ってみればキングストン・トリオみたいなおっさんフォーク・バンドでして、バブルガム聴いて育った悪ガキに向けた新生大馬鹿POPを目指す彼らにはちと役者不足、その点、スイートは若干名を除いて(^0^)、見た目は立ちますし、何より演奏ばっちりのロックバンド、歌はカンに触る倍音バッチシのねずみ声と望む世界にぴったしだったのです。で、やったね。まずは71年3月のシングル、ファニー・ファニーが13位とヒット。間髪入れず出したココが2位と大ブレーク、10月に出したアレクサンダー・グラハム・ベルは33位とちとコケたけど翌年72年2月のパパ・ジョーは11位、6月のリトル・ウイリーは4位、アメリカでもヒット、9月のウィグ・ワム・バムも4位と完全に手に合ってこれは間違いなく一大ブーム。念願のスター仲間入りいたしました。時は正にグラム・ロック夜明けの時、ファッションも次第にシフトでようやっと風が味方したのも有り。さーそしてこのバブルガム・グラム・ポップ期の集大成がこの盤、Funny How Sweet Co-Co Can Be。ヒット曲のタイトルかけた一発で中身がわかる、でもよくみりゃ意味不明つうチニ・チャプ・ワールド全開のやつ。1曲目はここから始まるてなもんでココね。日本のアイドルにこんなんおったような。貴方のお名前何てーののチンコチンコ・パーカッションで始まる南国異国情緒もの。最後に残るのはココってタイトルだけの馬鹿野郎な歌詞、スティール・ドラムは鳴り響くは、もう最高です。2曲目はチョプ・チョプ。何だちょぷちょぷって(^0^)。サイケ要素ちょっと入れて結局はちょぷちょぷ。サビ、リフレイン命のグッドPOP。チンバーって歌ってるけど何だ。ってみんなで笑いながら楽しむ。ああ楽しい。3.は米モータウンの作曲家チーム、ホランド=ドジャー=ホランドの曲。チェンバー・ブラザースもやってる。これがまた良くて。歌えるからねえ。4。は自作。チニ=チャプ路線を受け継いだ軽いロックンロール・ポップ。良い曲だぞ。これカットしてもヒットしたんじゃないか。5.は再びC&Cコンビによるサンタモニカ・サンシャイン。ってさぐらだずんこじゃ無いんだから、まー、全くお気楽世界で。いいやねえ。ははは。サビはもちろん最強です。6.はそうです、あのラビン・スプーフルのデイドリーム。スイートでこれが聴ける。何と幸せなことよ。7.は再デビュー大ヒット、ファニ・ファニ。後光が指してる。完璧な風船ガム・ポップ。あまりに良いんでうっとりいたします。一緒に歌おう。8.はニュー・ワールドで既にヒットしてた曲です。だもんでちょっと雰囲気が違う。アホな歌詞を深刻にやって笑えるのがミソ。9.はうちのLPには入って無いよ。涙。10.はチニ=チャプ。これもサビ命。シングルでもOK。後は18.メッカから来た人と20.ニュー・ヨーク・コネクションが本人達の曲。これがもう大ハード・ロック。既に好みはそっちの方向いてたみたい。だけどこうゆうのがやりたいなあと皆で考えて作った風情でして曲としての出来は・・・うーん、作曲の神様は降りてこなかったか。さっきのPOPの方がよっぽど良くて。やりたいこととしたいことが微妙に違うって世の中うまくいかないねえ。でも、彼らがチニ=チャプの曲を嫌々やってかとゆうと、それは無いのではないかと思います。ボートラでも入ってる一連のヒット曲、そりゃもう生き生きしてますもん。トドメのこの時期最後のヒット、ウイグ・ワム・バムなんか総毛立っちゃいます。モニモニを彷彿させるハード・グラム・ロックンロール。それまでのカリブ風味も残しの正に集大成。続く翌年5月のブロックバスターに見事につながる大名曲だ。この盤、曲の粒って面じゃ全スイート・アルバム中一番じゃないかと思ってます。まるでグレーテスト・ヒッツ。実際そうか。ポップが嫌いな人はあかんだろうけど、これならBCRのファンの人もバッチはまるよ。問題は残るボートラ、ビートルズのペーパーバック・ライター。試聴したらまーかっこいい。いやーやっぱ欲しいですCDも。どうしよう。

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4/3(日)
絶頂期お姿
cover
Stage
David Bowie
1978

シリーズ「GlaM!」

さー褒めるぞー。褒めるなんておこがましいな。感謝するぞー。78年最も油乗ってた時のボイさんのライブ。待望の再CD化です。今回の再発2枚のライブ盤では74年のデビッド・ライブはご本人にとってはちと思い出したくないでも出さねばって気持ちだったろうと推察するにこちらは、出したい出したいでも出すからにはって気合満点、満を持してって感じだったろうと思います。してアナログでは演目順がレコード一枚目2枚目逆さま、それを直して。収録時間もあるってことで2曲追加。こうなるとCDの存在意義ありありっすね。しかーし我が家ではいまだアナログ盤(T_T)。まずはそちらで感謝。CD入手の折には改めてとゆうことで。
時は78年、「ヒーローズ」後のアメリカ・ツアー。メンバーはその英雄バンド&って訳で悪い訳はありませぬ。ヤング・メリケンズでのファンクを手土産に入欧したボイさんが耽美の美を加えて打って返し突きつけた白刃の刃サウンド。とにかく覇気・気合尋常ならざるもの。じらじらオープニングのワルシャワでさえ弾んでる風情。各人燃えに燃えながらけっして叙情に溺れずクールでニヒルな温度1500度の演奏、かっこええとしか言いようがありません。歴代支えたリズム・セクションの中でも最強タイのデニス・デイビス&ジョージ・マレイのコンビそりゃもう。小天狗みたいなファンキー・ドラマー、デニスさん、クラッシュ・シンバル効いてるわ。ばしーんって。これで随所に覚醒効果。マレー氏とはもう一心同体、ジギー・メドレーの8ビートでもタメが効いてのぐいノリ・ファンキー・グルーブ。再演で命再びの意義正にここにあり。シンセで馬乗りはゆ〜とぴあのロジャー・パウエル博士。シュッポシュッポ機関車やるためだけに呼ばれた訳で無し。得意技のおっ立つ音色連発でこの方も覚醒目覚ましヒーローズ。今ここにある演奏を聴衆に真剣勝負。そこにギターの両雄そそり立ち、まずは御大を影になり影になり支えるバンマス老中カルロス・アロマー氏。鬼神のカッティングで音楽の中央に。そしてフランク・ザッパ大明神のところから直談判で獲得のエイドリアン・ブリューちゃん。夢のステージ・ギタリストとして八面六臂の活躍。聴いてるだけであの長〜いお姿が眼前に浮かぶようじゃ。考えてみるにこのバンド、ザッパ・バンドとユートピアそして英雄バンドつう70’sに燦然と輝いた三大バンド夢の共演な訳で。讃えるべきは何が一番自分の今を担ぎ上げるか知り尽くしたボウイ氏の音楽耳、人を知る慧眼なりかと。理想目指しそれが適ってこれで燃えないわきゃあない御大。真に本気の時に出る丹田からの気合汁ぶちゅぶちゅ出しっぱなしでのレコード2枚。こんな短い2枚などそうはあるもんで無し。居並ぶ70’s後半の名盤ライブ盤の中でもさらに頂点に立つべく存在。足りないのでCD2枚になったのも大納得。後は特に不満無し、まったりとしながらも溶け合い迫力満点の音質どうなったか。確かめてみよう。ぜひ。
これ、日本盤は出ないのかな。出ないとしたら訳わからんことで。まったく訳わからん。
そして残るはもう一つのベスト・リズム・セクション、両手両足3mの男チェスター・トンプソン氏が参戦の日本公演、NHKヤング・ミュージック・ショーの正規DVD。これが世に出ることはあるのか。22世紀に向けての全世界5億6千万のデビッド・ボウイ・ファン。の中の4億2千万の英雄ボイ・ファンの儚き永遠の夢であります。

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グッヅ

4/4(月)
英国西海岸
cover
Dream Kid
Sutherland Brothers & Quiver
1973

シリーズ「英国SSW」

英国チャート探検の中で出会い、ラビ・シフレ氏と共にこれだって思ったバンド、サザーランド・ブラザースです。さー行こー。まずはどれから・・・うーん値段の関係で(^0^)これだなと決意したのがこの73年のドリーム・キッド。はるばるフロリダからやって来ましたCDが。名前は前から知っておりました。何たってロッド・スチュワートのセイリングの元歌歌ってた人ですけん。そのヴァージョンも聴いておったけどなんせ実際のブツに中々出会わなかったとゆう。76年に一旦小ブレークして2曲ヒット、それ聴くたびにこれまたじらじらしておりました次第。やっとフルで聴けるよ。実際聴いてみると・・・ああ、良かった買って。おるもんですねえ。いいバンドってまだまだ。パブロックつうにはポップだし、某所ではこうゆうのニッチって呼ばれちゃうのかな。そんなあいきなし隙間入りさせちゃうの気の毒でんがな。マンフレッド・マンズ・アース・バンドの光りに目もくらみのヴォーカル、クリス・トンプソン氏に通じるスカッと爽やか突き抜ける歌。胸キュン連続のメロディ、これまたどうしょもなくイギリスな端正折り目正しき押し付けがましくない演奏、どれを取っても一級品です。しかも繰り返し聴くたびにどんどん染みてくる。飽きない奥深さもあって。なのに何故大成功しなかったか。どうしてでしょう。レコード会社もアイランドだしねえ。まーまず失礼ながらルックスってのがあるかな。悪いって訳じゃ無いけど裏ジャケ見るに誰がメイン・ボーカルかわからない地味さ。これでまずミュージックライフな成功は望み薄。そして曲がPOPなんだけど言ってみれば下世話さってのが無い。これをもう一つ、あっちのメロディに行けば、おおお、チャート・ナンバー1って感じのところ恥ずかしそうに戻って来てしまったりして。芸能界を生き抜く押しが無い。かと言って地味じゃないんすよ。性分だなきっと。この上品さかなあイギリスのミュージシャンにけっこう共通であるかもしれずスーパートランプなんかもそうだけどちょっとしたきっかけで大成功したっておかしく無いやつで。まあ、ご本人達には申し訳ないけど成功しようが世間的に認められようが殿堂入りなんかしようも無かろうが私にとって最高に素晴らしい音楽、会う人みんなに素敵ですって自信を持ってお奨めできます。流行して無いんで全く古くないし。73年にこの音かーって考えてみれば仰天。米ウエストコーストロックが好きな人なら一発でやられる、そうだな英国のアメリカ(バンドです)みたいな人達でして。ああ、言葉力が足りずこの素敵さ伝えられなくて悔しい。まずは是非様子だけでも試聴してみて下さい。もち名盤入りよ。居並ぶ有名バンド連と完全に同列。

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4/5(火)
成熟の西海岸
cover
Silver
Silver
1976

シリーズ「うえす塔こうす塔」

1976年の夏から秋にかけてアメリカで大ヒット、最高位16位まで上がった「恋のバンシャガラン」のバンド、シルバーです。バンシャガランつうのも意味不明だが恋のと付くとますます脳天ばきゅん。本国ではCD化いまだされず欧州のやつも廃盤みたいで感謝諦めていたところ、邦盤であると教えてくれた方がいてやれありがたや感謝できます。それにしても日本、やるなー。いい国だ。70’s後半に登場した西海岸第3世代の中ではプレーヤーと並んでピカイチだと思うとりますシルバー。この後、グレートフル・デッドに行きましたブレント・ミドランド氏とイーグルスのバーニー・リードン氏の兄(たぶん)のトム・リードン氏がおります。その他ティム・シュミット激似の人もおりナマズ髭三名もおり雰囲気抜群。その音楽は76年にアメリカ西で一番美味しいとこをぎゅっと凝縮したらこうなりますってな極上もう大変もんでござい。件のシングル「バンシャガラン」からしてこれぞマジック・シングルですから。アメリカ(バンドです)を思い出す飛んで来たジョージ・ハリソン風スライドから始まってまあ人懐っこいベイビイ・ボーカル。ぐわっと鷲掴みのリフレイン。ヒットの神様が降りて来て出来たとしか思えずこれ1曲で御大クライブ・デイビス氏が契約したってのも納得する次第。50年経とうが100年経とうがシルバー?わーんばーんって思い出すよ。でそれを受けて出来ましたのがこのアルバム。びっくりしますねえ1曲目。大バラードです。ブレントさん作。これを買う人の94%はバンシャガランを聴いて買うと予測したと思われ、ガツンと一発かます。まんまとはまって私もこりゃ只者じゃ無いわ兄さん達と思いました。しかし思い切ったものであんまり最初からこう来る盤って思い出せず。しかも新人だし。名曲としか言いようがありませんから。ぐーの根も出ません。2曲目は胸キュン・メロの米国在住ビートルズ好きのバーズやってる人達みたいな曲。もうこの1,2で身も心も一面の銀世界になっちまうからお覚悟を。いやーいいバンドだ(^0^)。集団コーラスは初期スティーリー・ダンとイーグルス合体したみたいだし。演奏はツボ付くし、何よりメロディ名人。甘〜い弦が絡んだりしますがこれはアリスタだからありすた。これ以上は音量大きくさせませんとのメンバーの必死の抵抗感じられ際どい所で徳俵してる。この後のAORの香りもしっかり。LA訛りもしっかり。だから英国では全然駄目。問題有るとしたらここまで完成しちゃっててこの後どうするんだの老婆心だけで。その意味じゃあと1枚出してあっけなく散ったその心意気も見事か。スタンドアローンな名盤となってCD化してくれないよー、ではあかんよな。素晴らしい機材で劣化しないデジタルで刻んでちゃんとレコード屋さんに置いておいておくれ。うちの穴開き盤アナログいつまで持つか不安だ。ライブ音源とか無いのでしょうか。発掘すべきはこのシルバーなり。手遅れにならないうちに頼みます。ああそのテープの磁気が消えていく。もとい。これはもうもち名盤入り。ずっと愛聴してる人もきっと多いよな。まだの方、これからでも全く遅くありません。はい。

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4/6(水)
人類史上最美の楽器
cover
Esso Trinidad Steel Band
Esso Trinidad Steel Band
1971

シリーズ「エキゾチカ」

いやー暖かくなって来ました。こんな時花粉症で鼻ぐちゅぐちゅになりながら聴きたいのはほんわか音楽。これだエッソ・トリニダード・スティール・バンド。見事日本盤名盤探検隊で現在も発売中です。外盤も03年にすげージャケで再発。最近の米レコード業界のネジの緩みようがわかるだべ。いいのかーこのジャケで。タイトル通りエッソの石油ドラム缶で作られた楽器スティール・ドラムで演奏された数々の曲が納められたアルバム。何故こないなもんで楽器を作ったかと申しますとカリブ海の夢の島トリニダード・トバコは古来イギリス領でして奴隷制度の中、故郷アフリカを連想させる楽器は全て禁止されてたそうです。19世紀に奴隷制が廃止された後も何故かその禁は継続、楽器叩きたいようと竹で出来たバンブー・スティックってものを発明したのだけどこれも禁止になっちゃってふと見ると有ったのが海辺に捨てられてる大量のドラム缶。これをこつこつハンマーで叩いてポコっとふくらみ持たせて楽器にしちゃった。時は40’s初頭のことであります。なぜエッソかっつうとエッソのドラム缶は一番肉厚で良い音がしたんだって。さー念願の楽器獲得、祭となれば街中ではピンコピンコと大量に鳴り響くほんまに夢の島となりました。さてこの盤、プロデュースはあのヴァン・ダイク・パークスおじさんであります。おじさんの南の島アルバム「ディスカバー・アメリカ」発表の前年に出したもの。私はこうしてスティールドラムに夢中になりましたって訳で。聴いたらその気持ちわかり過ぎるほどわかるわ。何てったってその音色、この世のものとは思えないほど美しかー。20世紀になって人類がやったことで一番素敵なことってこの楽器生み出したってことだって宣言しちゃいたいくらい。帝国主義と欧州の独善からこないなもん出来るとは運命の不思議さに頭くらくらしちゃいそう。で、この楽器で何をやって貰おうかなあって考えたパークスおじさん。さすがです。ツボです。まずはキンクスのエイプマン。ヒットしたてで湯気が出てる。しかもまんま。元々カリブな曲っすから。デイビス兄さんもこれ聴いてきっと狂喜したはず。もしくはやられたーって。聴いてるこっちも思わず大拍手。そしてこれまたやたーはサイモン&ガーファンクルのセシリア。これまたこれっきゃ無いわな。メロディが金魚注意報、ギョピちゃんも水面からぴょんぴょんはねてます。叩きながら歌う集団素人飯場ボーカルもええ味出してまして。さらに出てくるのはこれまた湯気出てたヒット曲、ジャクソン5のアイ・ウォンチュ・バック。言葉出ません。一緒にをどろう。いやーこの楽器どっかに売ってませんか。やりてー。ハチャトリアンの剣の舞もあります。はちゃとりあんってくらいですからもー大変。エドマンズ兄ちゃんのやんちゃに匹敵のやってくれたら楽しいなの高速版。パークスおじさんは自作のカムトゥ・ザ・サンシャインもやって貰いました。ソング・サイクルの夢をこれ一発で再現。これにはまいったでしょう。で次の盤はこれで行ったと。後半はやり慣れてる自前のレパートリーを。さすがさらに生き生きとしてるトリニダード伝統高速ビートでレッツゴー。聴き終わったら頭の中キンコンカンだらけ。一枚これ持ってると重宝しますよう。かければ心のリゾート地になれる。我が家でもいつも行けちゃうよう一番そばに置いて有ります。人間て思ったより逞しいものかもしれませんわ。

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4/7(木)
美し女王とストランド!
cover
For Your Pleasure
Roxy Music
1973

シリーズ「GlaM!」

神は地球(ちたま)をお作りになりそこは混沌の渦、ぎったらぎったらと灼熱世界でありました、全員で一斉に同時にメンバー紹介をしている1stを経て、4日後に少しづつ地球は冷え始めあるところは土の地面にあるところは海と分かれました、73年2月に出したシングル「パジャラマ」がスマッシュ・ヒット、それを受けての2ndアルバム「フォー・ヨア・プレジャー」の登場だ。ここからマニフェスト1曲目まではロクシーずんどこ帝国の栄華の歴史。完膚までに大好き。特にこの2ndの独特の空気は私の音楽心にびたと張り付いて剥がれませぬ。混沌の果て見えて来た地表は一挙に飛んで25世紀の世界。しかも存在しない。映画館ストランドのフィルムケースの中にあります。ジャケは女装女アマンダレア、連れているのは愛猫ストちゃん。ニヤけて運転手はフェリーおじさんに。ざ・ピカチュウ、イーノちゃんインロキシー最後の盤。それだけで既に特別。最初に取り掛かったのはかねてからフェリー氏念願のB面3曲のボーガスマン組曲。ジョン・ケイル氏に製作依頼もレーベル問題でかなわずジェネシスとかやってたプログレ畑のジョン・アンソニー氏と開始。ベーシストは初代シンプソン氏は遁走、2代目ケントン君も逃走でお友達ジョン・ポーター氏がトラならOK、変な仲間入りは嫌よで参加いたしました。3部作をどかんと作ったところで終末感漂い、次の悪夢の為に製作を依頼したのがクリス・トーマス氏。何を思ったか両雄エンジニア、ジョン・パンター氏と共にはせ参じA面ストランド劇場の幕はここに切って落とされたのだ。だー。そのストランド、二度と帰さぬその世界入場のためにでっち上げたニュー・ダンス・ステップ。音楽はきゃんきゃんきゃんと必死に叩くフェリーさんビートで。ステージで一杯一杯弾き歌ってる傍らでひょうたくれ衣装でひらひら踊って持っていってしまうイーノちゃん。ぶちと切れたフェリー氏。の視線を感じてぱたぱたとイーノさん後で飛んで行ってしまうことに。1stと大違い、皆がやることが見えてます。その世界に向かって一直線。ワイドパノラマのスクリーンの中でフェイドインするギターにサックス。もう帰れません。帰る気も無し。美し女王との謁見もかなわず、無駄になる遺書をしたためて燃やしたのち、またも踊る。キラー・ナムバー、エディションズ・オブ・ユー。天空から舞い降りたイーノさん、最後の大暴れ。凶悪なアドレナリン・シンセ放出。この瞬間を聴く為にこの盤買ってもOK。ひたすら前進トンプソンドラム、うねりまくるエロティック・ギタア、口の端が歪んでいるフェリー・ボーカル。とまあ。そしてイン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク。出来る事なら私にフィルム作らせておくれ。暗闇のスクリーン、右端にアップのフェリー氏。フェイドインしては歌い、反転してフェイドインして歌い、堪忍袋を満タンにするまでそれを繰り返す。メーターがレッドゾーン突破した時、地下ゴーゴーバーで踊る人生を無駄に過ごすタメゴローと若者達。フラッシュライト点滅で目くらましして終了。そして再び。ああ、やりてー。この場面転換の瞬間、立ち上がってくるいっぽんどっこなフレーズは卍固め級、快感ちょっと比類するもの無しなのです。さて、出来うることならここでしばしの休憩を。次なる悪夢の始まり。筒井康隆氏の「走る取的」そのもののお話。電車の中、原因不明に機嫌を損ねた相撲取りが白目の無いサメのような目でひたすら追っかけてくる。逃げても逃げても恐ろしいスピードで追いついてくる巨体。こわ。ひたひたさをマンザネラ氏のうきゃこんうきゃこんギターが表現。二度と再現出来るのかいなと心配してしまうほどの奇跡のフレーズかも。結末はいかに。気が付けば朝のグレイ・ラグーン。完全シカゴ街並みのブルース・ハープ音色。最後は貴方のお好みのままに。形容しがたきSF世界でお見送り。この浮遊感忘れられずまた最初から行ってしまう。2枚目にして唯一無比、無駄な音一切無い有様してしまったロクシー、この後はまたさらなるずんどこ道目指して、お車発車よ、運転手さん。

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日本盤

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グッヅ

4/8(金)
スプーン一杯の微笑み
cover
Greatest Hits
The Lovin' Spoonful
2000

シリーズ「Golden 60's」

ラヴィン・スプーンフル。何て素敵な名前なんでしょう。音楽もその名前通り、いつだって聴く度にスプーンいっぱいの幸せを与えてくれます。我が家では別の意味の想い出もあり、88年にCDプレーヤーを初めて買って、さあ最初はどれを買おうとなって悩んで選んだのがバーズのベストとこのラビン・スプーンフル。キャッスル・レーベルのでした。CDだから擦り切れなかったけどいやー聴いた聴いた。何でこれにしたのかなあ。丁度フェアグランド・アトラクションが出てこうゆう音楽聴きたかったからかも。やってたバンドも一挙にアンプラグドなものになって行きました。今聴いても全く古くなりません。最初に聴いた時と同じように微笑んでる。とてつもなく大切な人達です。フォークロックなんだろな。一応。ただボブ・ディラン〜バーズつう流れとは違って極貧黒人が身の回りのものを使って演奏したジャグ・バンド・ミュージックが大好きでそうゆうのをやりたい。そしたらビートルズが出て来て。あ、そうゆうのも有りなんだ。じゃあバンドでやってみよう。てな感じだったのかと。時は1965年。演奏するのが嬉しくて歌うのが嬉しくて最初からニコニコしてました。60’sの波にもまれての様々なトラブルに会いながら68年に解散するまで結局ニコニコし通し、最後の方では時代はサイケ&ハードになっちゃって、のほほんし過ぎだとか揶揄されたとか。そののほほんでどれくらい幸せになったのか数知れぬとゆうのにそれは無い。そんなことしてくれる音楽がいかに貴重か考えぬままのそない扱い、全くひどいものです。それがこの人達の魅力のど真ん中なんだから、一回でも幸せになった人は大切にして応援せねば。って昔の人を責めてもしゃあないけど(^0^)。後を継ぐわしらはとてつもなく幸せになってやるぞ。名曲てんこもりです。魔法を信じるかい?はい。聴いちゃったらもう音楽の魔法信じるしかありません。デイドリーム。素敵になったことあるかい?はい。聴いたら夢を見て素敵になりました。ボアダム。このあくびを出しながら歌ってるような歌。もう大好きで。他にこんなん聴いたこと無し。八ちゃんは夏の都会で汗だくだくで走ってるし、彼女はいまだにミステリー。サイケになってもニコニコしながらパタパタ天使羽で飛び回ってる。貴方達もずっとミステリー。どうしてこんな素敵な音楽作れたんですか?ちいとも偉くない。ナンバー1だろうがナンバー1000だろうが殿堂入りしようがしまいが教科書に載ろうが載らまいがそんなこと一切関係無し。ジャンルも由来も一切ぶっ飛んで一緒に素敵になりましょう。是非。

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4/10(日)
負けてたまるか
cover
One of These Nights
The Eagles
1975/6/10

シリーズ「うえす塔こうす塔」

バンドが成功するには手っ取り早くはお顔アイドルで、もしくはカリスマさんがおってその人の超魅力で引っ張る。そして三つ目としては夢みたいなものを感情移入出来るもしくは共感出来るってのがあると思います。いくら音楽が最高でもその内の一つが最低でも無ければあかんような気が。イーグルスはとてつもなく成功して70’sアメリカン・バンドでは抜けた代表選手となって、それはやっぱ三つ目の共感出来るってのが有るんじゃないかと。けっこう策略家で狙ってるんじゃないかと思ったこともありましたけど今じゃこの人達、思いっきりナチュラル、その時々の自分達の状態、音楽シーンの活況とかに身を任せてやってるような気がします。今に至るまで。つうことは田舎からLA目指してやって来て新鮮な驚きが一枚目、どうやって生きていこうか考えたのが二枚目、すっかり馴染んでよし行くぞい、でもこれがLAなのかが三枚目、そして嫌な面をさんざ見ちゃったけど負けてたまるかまだ頑張ってやるがこの呪われた夜かー。人生バンドや。次のホテールは・・ホテルやらせて貰う時に書かせて貰おうっと。これを個人的って感じでじゃなくかなり抽象的でありながら直線的な歌詞と音楽でやってくれるんでそうだよなそうだよなと頷きまくり凄くそばにいる人達のように思えて来ると思う訳で。ATG映画のようだわ。それで、この呪われた夜、負けてたまるか盤。前へ向けてのエネルギーを凄く感じます。LAにいてとにかくしんどいんだけどようやく勝ち取った成功、意欲はばんばんやったるぞみたいな。表題曲からして工夫の塊でしてこの時期どーんと花開いていたのがソウル&ファンク。いくら好きで聴いてかっこいいなあやりたいなと思ってもこっちは白いしルーツはどうしたってカントリーだしってんでさて考えた。そのグルーヴを全員の出来る事を結集して何とか出来ないかと。どこから出て来たか普通にソウルやってたんじゃ思いつかないとんでもなフレーズのベース・リフからギターのフレーズの組合せでそれを実現。元来ベタっとしたグルーヴ皆無のリズム・セクションで奇跡起しました。えらいことです。それがどうも興味があるんだけどおっかなくて奥地の真っ黒クラブには行けないよって普通の白い人達、もちろん我らポンニチさんも含めて共感出来るんだよなあ。音楽ってやつぁ何も真っ黒じゃなきゃ魅力的って訳でもありませぬし。それで誰にもまね出来ないオリジナルなものでもう最高。大好きです。魔界のLAの真ん中に突入して叫んでるみたいなのが2.のあまりにも沢山の手。居場所を何とか見つけて束の間の休息が3.のハリウッド・ワルツ。こっちまでほっとしちゃう。北国酒場の風情かも。抜かなきゃ生きていけないし。メロディに身を任せることが出来る大名曲かと。4.は西海岸のピンク・フロイドの異名(?)に恥じないカントリー・プログレ大作。バーニーさんが感じた恐ろしさが一杯。とにかくスリリングなインスト。闇夜のバンジョーだもんな。レコードではここで引っくり返し。二日めの夜って感じで。5.のキラー・チューン、いつわりの瞳。この不審の塊みたいな歌詞を初期を思い出す正調カントリー・ロックでやりますから凄み倍増で。でもこちとら外国人でボケーっと聴いてればまあ呑気な素敵な曲だわって。良かったて思うこともある。その血の臭いみたいなものがイーグルスを普通にしてないところなんすが。正直つうかやっぱ逃げないで見ちゃうんだな。そして容赦無く続く6.テイク・イット・トゥ・ザ・リミット。それでもも一回やるぞのマニフェスト曲。えらいハード・ロックだと思い。マイズナー氏の一世一代の名唱。これ以上行かんわのハイトーンがベタかもしれんけどそれだけに胸に迫ります。タイトルの意味ぐらいはすぐわかるし。ワルツ・タイムでじっくり来られるだけに、その気迫たるや。7.ヴィションズは名シングルB面、アルバムつなぎ曲。キラーだらけじゃキラーがキラーでいられません。完璧に決まったインディアン・デス・ロックやボディ・スラムのような存在かと。8.アフター・ザ・スリル・イズ・ゴーンはA面のハリウッド・ワルツと対をなすかのようで。そのまんまようやく眠りにつけたって思いが。前作の我が至上の愛思い出す澄んだ感じがたまりません。ラストは安らぎによせて。バーニーさんの最後の言葉。最後に彼はどこに安らぎの場所を見つけたのでしょうか。
とまあこんな風に聴いては感じ聴いては感じてるんですけど、まあ、これはとにかくこの盤好きなもんで、私の妄想かもしれませぬ。75年のついにここまでやって来たつう充実感とさあこれからどうなるんだみたいな不安感がまんまぶち込まれた、生々しくて刺激的でそりゃもう魅力的な大名盤だと思います。

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グッヅ

4/11(月)
ロックのツボ
cover
Double Vision
Foreigner
1978

シリーズ「ヒット王」

デビュー・アルバムの大成功を受けて1年後の2ndアルバムの登場です。スーパー・バンドとゆうよりもー、ロックお好み定食屋さんやないのーとの揶揄も受けながらも折からのFMロックの波を受けて正に時のバンドとなっておりました。我らの目指すところ間違い無しってんでプロデュースはそこのところよくわかってらっしゃる、同時期フリートウッド・マックの盤で大旋風を巻き起こしたキース・オルスン氏。前作の感謝やらせていただいた時、最後にいなくなるぞーと書いてしまいましたが早まっただ、イアン・マクドナルド氏もまだおるぞ。重要なお仕事有り。いて貰わねば。産業ロックとゆうよりもー、およよ、ロックのツボ愛好会です。プロですけん。己の音楽志向の崇高さやテクの素晴らしさご披露で気持ち良くなるよりもまずお客様が気持ち良くならねばならぬ。それで己も気持ちよくなるためにあえてバカロックのそしりも受けましょう道をさらに貫徹させます。ベタなにするものぞ一曲目からズドドドド。ホット・ブラッデッドだ。血は熱いしカマンベイベだぞ。恥ずかしいほどの剛速球ハードロック1本。かっこええじゃないか。認めろー。やりたいなバンドでと思う。だけどこれをトウシローが手を出すと恥ずかしい度が9割占めて情け無いことになるのが落ち。毎日朝から晩までシコを踏んでる基礎体力があるプロだから出来る御技なりや。2.の蒼い朝もベタだぞ。泣くぞメロディ。踏むぞ4つ打ちキーボード。乾いたグラム氏のヴォーカルがクールに湿り気を抑えておる。じっと見ているイアン氏の目も有り。3.の巨大バラードも凄いぞ。ハードロックから出てしまいおった。ジョーンズ氏の才能爆発、曲が次から次へと空から降って来て、ノッてる人間のオーラかぶった名曲で全てをねじ伏せるわ。4.になるとまるでトッド・ラングレン博士のメロディうねりポップ。5.はグラム=マクドナルドつう珍しいコンビによる一品。こんなのも書くのかのブギ・ナンバー。もちサックス爆発。抑え目のサビが気概感じさせます。引っくり返してB面。最初のパンチは不可欠、タイトル・ナンバーだ。やっちゃってるぞ凄いリフ。ドンドンドンぱぱぱぱ。徳俵の恥ずかしさ一転、最高のかっこよさだなや。果て無き地平線に向かって爆走する超デカトラック内で聴いたらさぞ気持ち良かろうのう。してみたい。これもバンドでやってみたいなあ。絡むサックスもけっこう来てますけど無いと寂しいわと思わせてくれる羽目に。7.はその熱をクールダウンさせるようなインスト。あまり音色考えてません。ははは。8.はそろそろ来るかと大バラード。これがマックを彷彿させるフレーズ出て来たりして。しかも噂マック以前の。マクヴィー味。味わい深いです。全く黒く無いサックスもツボだ。9.はファンク風味のハードロック。ああ、ロジャースさん。いやグラムさん。ラストはフリーが大都会に迷い出たかのような地味曲。じっくり聴いて次作を待って下さいってことか。と、派手さもありお馬鹿さもあり小技もセンスも出しでこの時点で最高の仕事をしましたフォーリナー。外野の騒音ねじ伏せる充実作だと思います。問題はそろそろ大成功の大マネーが銀行口座に振り込まれるはずで、その帯封を眺めちゃった後どうなることか。幾多のロック・ミュージシャンが直面する一番の難関はこれからであります。いやーその難関に一度でいいから会ってみたい。

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4/12(火)
新春シャンション人形
cover
Poupee de Son
France Gall
1992

シリーズ「おフランス」

おフランスだー。CMでもばんばん流れていた「夢みるシャンソン人形」を擁するフランス・ギヤル嬢のベスト盤です。うちで入手したのは89年の初代赤ベストと呼ばれるもの。現在入手しやすいのは2代目赤ベスト。内容はほぼ同じでギャルさん60’sヒットのオン・パレード。長いことこの時代のは嬉し恥ずかしアイドル時代てんで無視されてたらしくCD時代になって良かったじゃんかと復活爆発いたしました。47年パリ生まれのギャル嬢。パパ上は大作詞家つう生粋のお嬢様であります。63年の16歳の誕生日の時にレコード会社と契約、9.の「初めてのバカンス」でデビュー(おおこのCDには入ってる。うちのには無いぞ)。ハナから大ヒット、フランスのアイドルさんに。学校も中退して歌手に専念。で、そのままキャピキャピしてればキャピキャピだったものを運命のいたづらか出会っちゃったのがいぢわるおじさんセルジュ・ゲインズブール。65年の件の「夢みるシャンソン人形」、これがユーロビジョン・コンテストでグランプリ。朗々バラードが当たり前のその大会ではかなり異色だったらしくぶうぶう文句も言われたらしいすが本番で大逆転して優勝したそう。アバのウォータールーと同じだ。曲もさることながら歌詞も強烈。♪私は楼で作ったお人形、ヌカで作ったお人形〜♪。私はアイドルよー中身は無いのよーと開き直って歌い方もぶち切れてます。セルジュ親父直球で切り込んだ。ところがこれが無垢なかわゆさ倍増ってんで大当たり、全世界で350万枚も売れちゃった。おかげでその後もセルジュさんの歌と付き合う羽目に。お父さんの作るもろぴゃきぴゃきソングとの2本立て。それでしばらく大人しめの曲を提供してたセルジュさん、親父の本能抑えられずえらい歌を連発してしまいますわ。4.のアニーとボンボン。ボンボンつうのは道楽息子のことでは無くて棒付き飴のことらしいです。かわいそうにギャルさん、TVに出てはペロペロ舐めさせられて、どうもこれは様子がおかしい、男衆の目線が変と落ち込んじゃった。曲はもうセルジュ節。本人のいぢわるそうな顔も浮かんでくる。12.のベイビー・バップも、♪歌いなさい踊りなさいベイビー・ボップ。明日の朝には死んじゃうよ♪。ひでー。67年の12.ティニー・ウィニー・ボッピーに至っては♪LSDを飲んでみた。もう精神錯乱がはじまってる。〜夜中彼女は死んじゃった。いったいなんで。LSDを飲んでいたからだね♪。ですから。松本いやよが「いよはまだマリファナだから〜」って歌うようなもんだわ。よく放送禁止にならなかったもんでアメリカでもましてやパンクでもこんな剛速球のやばい歌はあらん。お嬢様には到底きつい状況で売上げが落ち着いてくると同時進行で一線から引いてしまうことに。しかーし只では転ばないギャル根性、70’sに復活して新たなパートナー、ミッシェル・ベルジェ氏と新しい音楽で再びスターに。この時代のことは封印してしまうほどの活躍を。その後、乳癌にかかられたり家族の相次ぐ不幸など苦難に合いながら、活動中断したものの97年に再復活。大した女性です。で、もとい。その問題のセルジュさん作の歌群。いぢわるで底意地悪いから音楽も悪いかって言うと全く違うんですわ。70’sに入ってからの語りのセルジュ歌と違うメロディ・セルジュ。ポップのツボのど真ん中。否が応でも引き付けられてしまうリフレイン。魔法がかかってます。キツイ歌詞ってわかっているとさらに刺激倍増、この盤の中でも一際際立ってる。ギャルさんの開き直りぶっ飛びボーカルもえらいことで、おパパ上の歌詞のジャズ曲では強烈なスキャットをいきなし。でもやっぱセルジュ氏の曲でのサビでの爆発が一番。声裏返るのも何のそのえらいこっちゃ。とゆうことで全然関係有りませんがその歌声、ビバリーヒルズ青春白書に登場するカリフォルニア大学総長の娘、クレアの吹き替えの声の人にクリソツです。お嬢様でやや不良つうシチュエーションから最もよく似てしまっているのもセルジュさんの曲内でして、これはもうビバヒル・ファンは買うっきゃないわな。一粒で2度美味しいぞ。300mは暴走。事情がわかってくると最初のストレートなフレンチ・ポップから混乱につぐ混乱。そんなとこも大魅力な盤であります。私も文も混乱。

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4/13(水)
泣いてもいいですか
cover
ウルトラセブン
1967

シリーズ「ムービーズ」

ウルトラセブン。ここでやらせて貰っていいのかと逡巡するも先日CSファミリー劇場で最終回放映、もうどうしょうもなくなってしまった以上感謝させていただきます。初回放送は1967年、わたしゃ7歳か。訳もわからずその魅力にとりつかれTVの前でメシを食うのも忘れて凝視、2回目はウルトラ倶楽部なる深夜放送で。バンドをバリバリやってまだ若さ夢満タンの時。そして先日の3回目放送。一番きました。来るんじゃないかと予想はしてたものの迎えた最終回。マジで身につまされて色んな思いがこみ上げて泣いてしまったよ。頼まれたら嫌と言えない正確の青年宇宙人を選んだとしか思えませんどうゆう訳か宇宙警察の訳をおってますM78星雲の本部。力での他星の侵略を許すまじと単身赴任で送り込んだはウルトラセブン。山登りの最中、友人を助ける為に自分のザイルを切って犠牲になろうとしてた若者を助けその感動してその姿を借りモロボシダンとして地球防衛軍ウルトラ警備隊に入隊、あくまでも補助として働くはずが全然歯が立たない地球軍に結局はメーンで侵略者と戦う羽目に。あながち仕事が出来ちゃうだけに正体不明ながらすっかり頼られちゃって最後はいつも「セブンだ。セブン頑張れ。」てな展開に。根が真面目なセブンさん、必要とされるごとに目一杯戦います。調査目的とは言え地球が他の星に放ったロケットが原因で侵略と勘違いした宇宙人がやられる前にやっちゃえとやってきた時も苦しみながら撃滅。人間より先の地球先住民であるノンマルト人が取り戻そうと攻めて来た時も泣きながら撃滅。自分の星無き宇宙人の船団が故障で地球と激突コースになってしまい自分と同様、単身赴任で地球にやって来た宇宙人も説得はするが撃滅、船団も丸ごと破壊。新ロケットの試験運転最中、故障で紛れ込んでしまった地球とそっくりな星、しかしロボットが支配する星も地球侵略の意図を察知するやその体制を丸ごと破壊。自分の本当の目的は何なのかと考える暇も無くハードに働いて無類の強さを。かなり無茶苦茶な筋立てを持ってするも人間の持つど腐れさ、平和ってなんだつう矛盾をストレートに提示して、こりゃお子様には理解不能の面も。これをやり遂げたスタッフの心意気にまず感謝。特撮生みの親、観衆の円谷英二さんでさえ子供の夢を壊すって反対したたらしいが。高度成長の中、川崎かな、工場地帯で星を見るだけが楽しみの取り得全くなしの零れ落ちた青年の話もあったなあ。ここにいてもしょうがないからうちの星に来なさいって宇宙人に説得されてやんの。最後は思い直して宇宙人撃滅に協力するも、素晴らしい青年だって今までの評判嘘のように近所の人に持ち上げられた後、一人になった時の彼の表情たるや。で、頼りに頼られたセブン、一回死に掛けたりしながらも無敵、しかし自分でもわからないまま、疲労が蓄積して原因不明の体調不良。血圧900、体温400度つうからただものでは無し。何やらM78青雲上司が夢枕に立って今度変身したら命は無い、帰れと説得されるも警備隊同僚の危機に見ていられず変身、怪獣と戦います。またその怪獣がまったくかっこよくなく、ただの体力タイプでして。変身するもウルトラビームは途中で止まってしまうは、アイススラッガー飛ばすも弾かれて、足で踏まれて。取り戻そうと這って掴んだ手を踏みつけられて。その姿に号泣。今まで無類の強さだっただけに。命からがらやっつけるもダンの姿に戻った時は危篤状態。しかも体調不良でしてしまったミスを責められてクソ野郎だ、ミソカスだと散々な有様。その間、アマギ隊員は人質に取られるは地球は宇宙人に降伏を迫られるは。パリ、ニューヨーク等主要都市は核攻撃でこっぱみじんに。このカットは映画「世界大戦争」のもの。洒落にならないくらい悲惨な。地球を助けられるのは自分しかいないことがわかり過ぎるほどわかるセブン。でも死ぬ覚悟で最後の変身をする決心をするのは、アマギ隊員の犠牲やむ無しと防衛軍が宇宙人基地に向かって放つマグマライザー爆弾に先んじて彼を助けるためなんです。最後の変身の前にアンヌに自分の正体を告白、制止を振り切って戦い、最後の最後に勝利して空へ旅立つ。ここでやっとセブンの有り難さがわかるウルトラ警備隊の面々がセブンを援護する時に放つ言葉は「ダン頑張れ。死ぬな。」で。結局、生きて彼は星に戻れたのでしょうか。戻れなかったら悲惨過ぎるよ。祈るようにみちまう。このセブン・シリーズにはカプセル怪獣なるものも登場します。しょうも無く非力でただ時間稼ぎのためだけにダンに「行け。ミクラス」とか言われて出現。ぼっこぼこにやられて「戻れ。ミクラス」てか。ああ、下請けは辛い。最終回終わり今度これを見る時はいつになるか。今はDVDも出ていて見ようと思えばいつでも見れますけ。10年後、20年後にはまた違った思いも出るかもしれません。欠点ももちろんあることを感じた上で真の名作かと。大赤字を出しながら作ったスタッフに改めて感謝を。日本のTVにはウルトラセブンがありました。

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サントラ

サントラ2

4/14(木)
ファンク伯爵の御成り〜
cover
The One Giveth, The Count Taketh Away
Bootsy Collins
1982/5

シリーズ「FuNx」

Pでござる。デトロイトの重戦車ファンク軍団Pファンクの切り込み鬼軍曹ブーチー・コリンズ伯爵の82年の2ndソロ・アルバムだ。この頃はPにもちょっとご無沙汰、パンクからNW、そしてNWジャズファンクへと夢中になっておった私にどっこいまだまだわしらを忘れるとはふてーヤツだと鉄槌を喰らわせたウルトラ盤。文字通り擦り切れるまで聴いて人生盤になっちまったものでございます。2002年にCDになったけど何でか入手難続いてたのがふと見ると行けるようになっている。こりゃThAnk YoUだなや。これにあまりにKOされちまったんでどわっとブーチー先生の盤を聴いたんだけど結局ここに戻ってきてしまう。この方の盤、どっかこうレース中物見をしてしまう風情のとこあるんだけど、この時の集中力たるや尋常で無く最初から最後まで誰も止めるもの無くファンクの魂ゴールに向かって一直線、ダービー制覇の瞬間す、さー針を落とそう。最初の雄叫びからして人間声ではありませぬ。ダアアイノマイテっ。ぐごーんと腰に来るヘソ下三寸ビート。鬼神のカッティング・ギター。只でさえぐにょってなっとるのにトークボックスでさらにぐんにょーってなってるヴォイスが絡まって訳わからんとなるところぶっといんだこれが。続く2.ではジョーズ登場。丘のサメ。それはわしじゃ曲。副題が「ちょうどあんたが大丈夫だと思った時」だって。サビでは一転大メロウになって誘って来るよ。あー怖。このアルバム、ドラムをはじめ鍵盤、ギター、ベースとほとんどのパートをブウチー兄貴が弾いております。これがまた上手い。且つちいとも箱庭にはなっておらず。人間解放人間ですからちんまりなんつうことは全く無縁なんだなや。してこの曲のギター・ソロは誰だろう。ちょっと上手すぎるんでやっぱキャットフィッシュさんかな。短いんだけど超絶。コピーして一緒に弾いちゃった。3.は伯爵ドラキュラ。このアルバムのテーマ・チューンみたいな曲。ここでのスペース・ベース!かっこええ。べこぼんべんべんべん。ってボトム行って。ぷろぺろぽろぷーんと天空へ舞うべ。バーニー・ウォーレル氏だろなこの鍵盤は。お得意のぼけぼけ音色できょんきょん絡む。惚れ惚れしてるとあっとゆうまに終わっちゃうよ。4.はわたしゃナンバー1ファンカテリアーって。ファンカテリアって何だ。インテリアのファンク版か。一発一発猪木張り手みたいなハンドクラッピング・スネアにのって弾く弾くペンコペンコ・ベース。歌詞はひたすら俺はナンバー1。ははは、認めます。後半の感極まって出る極限ディストーション・ギター。A面ラストは汁じゅるじゅるの大バラード。訳したらえらいことになりますきっと。B面1曲目はブーチーさん、師匠JBになるの巻。初代JB’sのメンバーだったけん、これはお得意のものです。ヒッミーもあり。3つぐらいベース重ね録でグルーヴ祭。サックス・ソロはもちろん、メーシオ、カマン、メーシオね。7.は何と申しましょうか、黒い人しか出来ませんぶっ飛び、空中浮遊ファンクです。プリンス入りしてるとこも。しかしまーこんだけ弦弾いてたら指痛くならねえかな。8.は少しニュー・オリンズ入ってるかな不思議なビートのミディアム・バラード。がちゃがちゃしてるけどど真ん中。9.は大ファンク。しかも巨大。頭アフロ直径90mくらい。よくまとめるよこの感じで。1コードだよなこの曲。2コードか転調(^0^)するから。10.はプリンス。伯爵がプリンスに真っ向勝負。このビートのまま3時間やって下さい。おおいほんとにやりそう。ラストはこの大馬鹿騒ぎを収拾すべく登場のリプライズ。逆に煽ってますが。時期が時期だけに出るものは全部出た。ブラック・ファンク、人力ファンクの総集編みたいなアルバムです。この後はマシーン・ビートにすべからく総勢で向かって行ってしまう。それもまた新たな可能性ではあるけれどやっぱファンクは人力だよな。ツバとか汁とか汗とか血とか肉とか穴とか無ければ。そして強烈なオイニーも。とっつきやすかったらいけません。最初聴いた時に何だこりゃとならねば。とゆうことでいきなし行くととんでもないもの買ったと思われるかもしれませんが、帰る人は帰って入る人は入って抜けられなくなって下さい。二つに一つ。入った人はあなたもナンバー1ファンカテリアよ。

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4/15(金)
混沌天国地獄高揚
cover
No New York
Various Artists
1978

シリーズ「新波倶楽部」

全世界暴れジャイアンのバイブルであります。およそロック、いや音楽をやる上で一番しんどいこととゆうたら黙っててもケツからメロディがあふれ出てくる人間メロディ人間を除いて流麗なる人を感動させる旋律を奏でることで、そんなことは天賦の才あるごく一部の人か、もしくは訓練によってしか習得できず。問題はその訓練修練でそんなことをやっている内に何か大切なものを失ってしまいのではないかと恐怖を抱いた、もしくはそんなことやってる間待ってらんねえよといきなし楽器持ったがいなややらかしてしまった連中による記録がこれです。時は1978年。場所はニュー・ヨーク。テレビジョン、パティ・スミスと言った真ん中猛者が去った彼の地で出て来たイノベーター、4バンド。支持され様がされまいがとにかく目立ち、面玉丸くして頭ピッカリさせた男、ブライアン・イーノ氏によってその瞬間が録音されました。元祖ノン・ミュージシャンと呼ばれたイーノちゃんにしてもここまでやる勇気つうか考えつうか体力無謀は無かった。イーノ=ゴッドと言われて尊敬されていたのもあっとゆうまに今は昔、勝手に録りゃええやんで丸裸の暴れぶりだ。もともとパンクはこれをやるために登場したんだよな。何かこー体中に充満してるふつふつしたものを外に出したくて。それがロックで。みんな燃えて。だけど何だかんだ理屈が付いて来てテクニカルなものになってそれが見えなくなって。も一回そんなん取っ払ってガーってやっちまえばいいじゃんてなのが。そのガーっをとことんやっちまったのがこれ。出来る資格がある連中はまず、ふつふつが体中に充満しているやつら。そして楽器など触ったことの無い人間。そして勇気。もしくは狂気。もしくはそんなこと考えもしない天然さんだ。もちろんこん人達は楽器屋さん行ってギターを取ったら天国の階段とか弾こうともしません。まずやるのは合ってるチューニングを滅茶苦茶にすることか。メロディの時代70’sのケツになってまったく正反対の丸々ビート音楽が登場したとは全く痛快至極で。もちろんこれは大有り。カーペンターズと対極にあって逆にそしたらカーペンターズも奇形ですげーじゃないかとまで思ったりして。当時、何かが起こるんじゃないかとみんなでレコード屋さんに毎日通い新到着の盤をこれはいったい何をやってるレコードかと思い巡らし、裏ジャケの指名手配みたいな顔とイーノの文字で一念発起買い、聴いてぶっ飛んでこれは俺も何かやらねばと思い、それで今に至り、どうにかなったかと言うとどうにもなって無いかもしれぬがとにかく聴いちゃったんだこれを。聴くも聴かぬも自由、それでヘドが出ようが夢中になろうがもちろん自由だけんど、体験しちゃったらえらいことになるつう音楽ですこれは。何かを選択せねばならなくなる。ただしお芸術うんぬんやら、斜に構えて小馬鹿にしような人間の元には秘密結社ショッカーからジャイアン1562人が派遣されることとなりますので注意してください。大真面目、人生賭けた大馬鹿野郎盤ですから。で、問題はこれをずーっと続けてやれるかってゆうとそうはならない音楽の恐ろしさか。自由なりアヴァンギャルドなりも継続された瞬間、型になってきちんとした音楽になっちゃう。その意味でもここで盤に焼き付けられたは無類の感謝の気持ち。瞬間の大価値で有って永劫のものとなりました。かしこ。出来れば世間に一枚500円で流布して欲しい。しかし2693円か。人生無茶するにも金がかかるようになったなあ。もしくは誰かにちょっと聴かせて貰ろうて後は自分でやりなさい。今でもやれば充分出来る。ただしマネだと言われるそしりを跳ね返さねばならぬ。それとも別な何かを出来るか。それを考えてロック世界は早27年経ったのかと思います。

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