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今日の推薦盤一覧2004.12上

 

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12/1(水)
果てしなき反抗
cover
Adolescent Sex
Japan
1978/3

シリーズ「新波倶楽部」

先生に体育館の裏に呼び出されて何だその化粧はとぼこぼこ殴られついには停学になってしまった逃避主義の少年デビッド・シルヴィアン君が同じような化粧好きの連中バンド結成、全員楽器出来ず。メロディメイカーで募集した唯一ギターが弾けるロブ・ディーン君を加えてジャパンが発進いたしました。見かけがもう過ぎ去ったグラム風、ヘビメタでも拳パンクでも無いしどこのレコード会社も構ってくれずたった一つ関心を持ってくれたドイツのアリオラハンザと契約、何をしたらわからんプロデューサーと短期間で録音、本人達も混沌の中。デビューしたら最初に人気が出たのは日本。TOP20にまで入る大ヒット。本国では完全キワモノ扱い。貧乏のズンドコ状態で何の面白いことも無く育ったデビちゃんの嫌嫌ソングたっぷしのこの盤は状況からいやあまったく下らん代物になったってしょうもなし。日本でだって人気は出たがそれは婦女子のきゃあきゃあの産物、中身はねえとハナにもかけられないとゆう始末でしたが。大抵の人は本盤を聴かずに軽率な発言をしておった。聴いた人間は少なくともその一筋縄では行かぬ有様に驚愕、あるものは恐れおののき、あるものは絶句し、あるものは引っ掛かって今の今まで夢中になってしまうとゆう。アクがあります。半端で無いくらい。とにかく今の状況から逃げたかったデビちゃんのヴォーカルもねじくれて演奏もねじくれてる。音楽の根っこはファンク。78年デビューに向かって行ったバンドとしてはそれは自然な成り行き。70’sに登場したファンクの勢い、充実って言ったらそりゃ凄いもんでした。結果、ジャパンはブルース、R&B、ロックンロール受けて登場したストーンズのようなバンドとして登場したと思います。見かけだってグラムで育って憧れたんだからそりゃそうゆうやつがいたって不思議じゃ無い。そうゆう意味じゃ物凄い真っ当な素直なバンドだったかと。それにしても対象は違うものの全員のコンプレックス、不幸せ度がシンクロしてしもうてもの凄いほんまもんのファンクになってしまった。聴けば聴くほどわたしゃ夢中になってます。26年か。経っても(^0^)。ザ・バンド並に若年寄な世界観と内省的なサウンド。よくぞこんなんアイドルしてたよ。当然そのギャップにまたも嫌嫌モードが加わってねじくれた上にねじくれて真っ当になったかさらに重症になったかわからん後期に向かって、そしてお芸術入って私には何の面白みも無くなったデビ君のソロにしても全ての元凶はここにあり。そして一番面白いのも結局は生のまま弾けているメンバーには不満たらたらのこの盤であります。ポップ・グループの同僚はこのジャパンだったんだよなあ。

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日本盤

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12/2(木)
スリルに一撃
cover
Back in Black
AC/DC
1980/8

シリーズ「直球野郎一本勝負」

時は1979年、世間ではパンクの嵐が吹き荒れるその中、AC/DCは正に大ブレークのその瞬間を迎えておりました。傑作アルバム「ハイウエイ・トゥ・ヘル」を発表、さあこれからとゆう矢先、不幸が襲います。ヴォーカルのボン・スコット氏の突然の死。泥酔して車中で嘔吐物をノドに詰まらせて死んでしまうとゆう何ともやり切れない最後にバンドは悲しみに包まれることに。葬儀を終え1ヵ月後意気消沈するアンガス氏に電話をかけたのが兄のマルコム。何とか復活を目指し二人で曲作りに着手することになります。復活するには後任ヴォーカルを決めねばならない。何人かの候補が上がった後、登場して来ましたのがシカゴのファンがマネージメントに送ってきた一本のカセットテープ。それは英国はニューキャッスルのマッチョ・ハードロック・バンド、ジョーディのものでありました。73年に「オール・ビコーズ・オブ・ユー」を始めとする3本のヒットを飛ばしグラム・シーンの中で生真面目なハードロックをかましていた連中。そのボーカリスト、ブライアン・ジョンソンはスレイドのノディ・ホルダーと並び称される豪腕塩辛声の男であります。すわこいつだとオーディション決行、これは結構と新ヴォーカリストとして決定したのであります。これを受けてブライアンさん、ジョーディで最後のアルバムを製作、バンドは解散して頑張って来るんだよとメンバーと涙の別れを済ませ若きハードロッカー達の元へはせ参じました。早速のレコーディングに突入、場所はAC/DCには全く似合わない行楽地バハマはコンパスポイント・スタジオ。プロデュースは前作で抜群の相性だったロバート・ジョン・”マット”・ランジ氏。そのうららかな風土にのんびりしちゃったもののどわーっと6週間で録音完了。ここに世紀の傑作「バック・イン・ブラック」の登場だ。黒の装丁で亡きボン・スコットへの哀悼を示し、いきなり登場は1.地獄の鐘。ごーんごーんと鳴り響く。正に彼ら流の黄泉の国への送り火。そしてブライアン氏の灼熱ヴォイス。試運転期間などいらぬわとばかりの最初からレッドゾーン突入のハイトーン。しかもコシと粘り込み。しかも意地と友情の後押しあり。人を得たあまりにものナイス・マッチングにボンさんも地獄の鐘に聞惚れてる場合じゃ無くなって思わず蘇りそうになったか。後はもうお聴きになる通りです。後にAC/DCクラシックとなる曲のオン・パレード。2.スリルに一撃、6.バック・イン・ブラック、7.ユ・シュックミ・オールナイ・ロング、10ノイズ・ポリューション。ロックンロールは騒音公害であるものか。ロックンロールは不滅です。の長島茂男宣言。第2期AC/DCの始まりでありいきなり絶頂期のこの盤、ただひたすらヘッドバッキン、しなくちゃ罰金、足を前後にローリン、ランドセルを引っ張り出してもよし娘のを奪っても良し、それが例え赤でもよし、ギター抱え、無けりゃテニスラケットでも段ボールに自筆画でも良し、暴れて下さい。

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グッヅ

12/3(金)
口ワウワウの男
cover
Robin Trower Live!
Robin Trower
1976

シリーズ「ギター屋」

プロコルハルム在籍時代にジミ・ヘンドリックスと共演、あまりの衝撃にその後の人生を変えてしまった男、ロビン・トロワー。顔を見れば取り合えず長髪にしてるもののまあ普通のおじさん。写真はいつも口がワウワウしてる。至って真面目。インタビューではブルース、ブルース言うだけ。つう割には音楽はモダン。パルスのようなギターフレーズを次々と繰り出す。歌物のハードロックがとにかく好きでポール・ロジャース・スタイルの盟友ジェイムス・デュワーと共にひたすらロック!ロック!した初期3部作。まめにツアーしたアメリカでじわじわっと人気が出て来てのこのライブ盤の登場です。75年2月3日スウェーデンはストックホルムでの演奏。ラジオ放送音源からのもの。ボーカルのデュワーさんはベースを兼ねての3ピース・バンドであります。ギターはギターの音をベースはベースの音をドラムはドラムの音を出してる。当たり前だ(^0^)。しかーしこの当たり前の音の快感をこれほど感じさせてくれる盤は滅多にあるもんじゃありません。ハードロック。これがそうです。切羽詰った音を逃がしたくないワウワウ・ギターで始まる1.あまりにローリング・ストーンも。スローでのたくる2.暁のデイドリームも。ブルース超有名曲、歌が粘る粘る3.ロック・ミー・ベイビも。4.キャッチー&アップ、リフの魂宿ったレディ・ラブも。虚空に彷徨うダイアモンド・フレーズの”わたしゃもう待てん”も。レディ・ラブと並ぶキャッチー&アップのアリシア”もー最高”も。ドラムは暴れまわる小天狗のように。うなるうなるうなるうなるラスト「ちょっとばっかしの共感」も。人にハードロックとは何ぞやと聞かれたらこれですと答えるぞ。絞りに絞った混じり気無しの世界。この高揚感は無敵。人生盤です。何千回聴いても興奮いたす所存。

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12/4(土)
完全燃焼の男
cover
Irish Tour
Rory Gallagher
1974

シリーズ「ギター屋」

燃えるギター小僧ロリー・ギャラガー。数ある激闘の記録の中からどれが一枚かと問われれば三日三晩寝ないで考えたあげく一日昼寝してこのアイリッシュ・ツアー74を。最初のライブ盤ライブ・イン・ヨーロッパのギターを掌に乗せるかのごとくプレイもまことに捨てがたきものありますが、必殺キラー曲収録とボリュームでこっちだー。トニー・パーマーとゆう方が監督して撮影したツアー・ドキュメンタリーのサントラです。時は1974年1月。扮装渦巻く母国アイルランドのベルファスト、ダブリン、コークでの録音。何よりも母国の平和を望んでいたであろうロリー氏の音楽に賭けた祈りと情熱、メンバーもそれは同じ。ライブに文字通り命をかけ完全燃焼の男が、さらに120%の力を出し尽くしたただならぬ空気充満の盤です。スライドを弾いても音が延びるまで待ってられずの掻き毟り。プラグをアンプにぶち込みナチュラル・ディストーションで全ての指の表情丸出し。ヴァイオリン奏法ミュート奏法ピッキングハーモニー連打コキカキコクコキ。ドブロギターも掻き毟りハープもぶわー。音程取るのももどかしい吐き出し歌唱の江戸っ子ボーカル、1曲目から大全開。引くとか手抜きなどゆう言葉はロリー大辞典には一切無し。聴いてるこちらも脳みそが大汗だくだく、覚悟召され。前回のライブ盤との大きな違いはキーボード氏の存在です。ルー・マーティンさん。この方のエレピ中心のプレイと来たら、ほぼ右手だけであろうかっちゅうかわゆくも真っ正直なもの。その猪突猛進さは兄貴の正に朋友でござる。まあそれは鬼神のリズムセクション、前回と同じぶりんぶりんベース、ジェリー・マッカボイ氏、ブルー・プリントから、まーよくぞ人を得たのドラム、ロッド・デス氏も同じですが。チームワークとはこのことであります。楽天イーグルスの皆さん、教材で全員これを聴きましょう。音楽の根っこはもちろんブルース。ただばくばく食って完全消化、もうこのアイルランド人の筋肉グリコーゲン化しておる。そしてロックの気持。ロックは形態でなく態度、心意気であります。実際どんなんか、さあどれを試聴しようかとお悩みの貴兄。3.タトゥー・レディ行っちゃって下さい。6.100000万マイルも離れて、も。キラー中のキラーであるからして。今は元の映画のDVDも出てるのかー!!。知りませんでした。見たいX100000万。かつてバカ正直な大真面目なこんな燃えろ男がおりました。かっこつけたり斜に構えたりする暇があったら人生この音にひたすら浸っていたい。感謝。

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日本盤

映画DVD

12/5(日)
根ファンク心ロック
cover
Physical Graffiti
Led Zeppelin
1975/2/24

シリーズ「蔵人児」

ファンク大好き、ロック?そりゃもう大好きな私にとってこのフィジカルを聴いてる時ほど幸せな時はないわい。ゼップ、6枚目の盤です。録音は73年の11月からヘッドリー・グレインジでロニー・レインの移動スタジオ使用でエンジニアはロン・ネビソン氏。途中ジョン・ポール・ジョーンズ氏の病気で中止。74年2月から再開。スターグローブスでストーンズの移動スタジオ使用、エンジニアはエディ・クレイマー氏。オリンピック・スタジオ使用エンジニアはジョージ・チキアンツ氏。アイランド・スタジオ使用エンジニアはアンドリュー・ジョーンズ氏。ばんらばんらの録音をまとめた大方のミックスダウンはキース・ハーウッド氏とものの本に書いてございます。74年5月の自らのレーベル、スワン・ソング第一弾としてぶわーと出したかったもののご存知の凝り懲りジャケットとかもろもろでどーんと遅れて翌年2月に発売となりました。既にそれまでの成果で名前は大ビッグ。満を持しての登場。2枚組み。どかーん。誰もが期待に期待をしての登場に見事に答えた盤となりました。私も本気で好きになったのはここから。当時夢中だった全米TOP40の5月2週チャートに38位でランクインして来たのがトランプルド・アンダーフット。次の週も38位。そして陥落。その2週、聴いただけでもうKO。その問答無用のファンクのかっこよさにイメージ一新。とりあえず先に買っていた友達にたかって貸してもらっただよ。以来ゼップ中不動の第一位、それは今でも変わっておりません。何にとりつかれたと言えば先のショックで雛鳥の親状態、それはファンクです。恐るべきリズム・セクション。70年代前半と言えば時代はファンク成熟期。御大ジェイムス・ブラウンはJBファンクを既に完成させてぶりぶり、スライ・ストーンも花を咲かせた後、ZEPに逆影響されてロック・ファンクを全開させてるのはPの連中、かのニュー・オリンズではアラン・トゥーサン&ミーターズが全盛期、そしてリトルフィートの絶頂期と食うものに事欠く事無く、そもそもそれ好きのジョン・ボーナム氏はばくばく片っ端から食ろうてしまっただろうからもう叩くリズムは皆タメが入っちゃって誰も止められない状態であります。ジミーちゃんロバートはんもフィート好きだったから文字通り誰も止めない(^0^)。JP氏は何でもOK。しかるに当然こうなったのだ。一番生き生きして聴こえるのがドラムでありましても何の不思議ではござらん。人間が叩くドラムスの最高峰だ。機械でドラムを代用する?誰がそんなこと考えたの。アンチとして無機質目標ならいざ知らず、この音はチューニング、スティック持ち方、筋肉、録音方法、体調、気分、昨日食ったカレーライス、全てが合わさってようやく出せるものです。誰がそこまでプログラミング出来るものかい。バスドラ一つの強弱でここまで来れるああ人としての限界。それによりそうジョーンズ氏のベースがこれまた。エッジの効いたドラムに対応したアタックを濁らせた音色。もち的確なフレーズ。範としたファンク界ではぶりぶりのおっ立つベースが主流ですからこの己流、見事としか言いようがございません。もちジミー氏の曲作り、リフ作り、ギタープレイも感嘆の百語でござる。ここがしっかりしてなければ演奏がきらめくはずも無く。ロバート氏の歌声は腰が座り真正面からこのど演奏を受け止めると。ですから音楽の形を見ればファンクです。元々ZEPは範とする音楽をかなり生々しく表に出すバンドだったかと。それがここではより顕著にと思いますが、聴いてみればやっぱし大ロック。そうですロックは形でなく態度、心意気なのだ。人間がロックの人間がやるからそれはロック。これが感じられねば形だけ見ちゃって駄目駄目って。ファンク嫌いの人はあかんとなるだろな。もしくはZEPは何の誰の影響もされないとてつもなバンドだって無茶苦茶でござりまするな崇拝を。そこまで行くとロックな人の仰ることとは到底思えずロック人ではござらぬ。とゆうところを見ての後のパンクの標的。とてつもないもの作っちゃったからにの運命ではありますが。ロックはロックでも大岩であることは間違いござらぬ。潰されないよう覚悟召され。各曲に賛辞を送りたいところではありまするがそれは勿体無いのでまた別の機会にさせて頂く所存。何故わしは途中から武士になってしまったのか(^0^)。

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日本盤

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グッヅ

12/6(月)
シュワちゃんびっくり
cover
Pump Iron!
Alvin Lee
1975

シリーズ「ギター屋」

アルヴィン・リー。テン・イヤーズ・アフターの鬼弾きギタリストとして知られる男であります。英国はロビンフッドで有名なノッティンガムで1944年12月19日生まれ。父ちゃんがブルース・コレクターだった影響で音楽を始め工場勤めのかたわらセミ・プロ・グループを転々と。してTYAを1967年5月に結成、ウッドストックでの熱演等ようやく成功を得ます。以来7年以上メンバー不動で活動。私はTYA、どうもアルヴィン氏が無理やり熱演してような感じがしましてちょっとあれな面も有ったんすが、それはどうもバンドは俺が引っ張っていかねばとゆう気持が彼に物凄くあったってのがあったようで。変な日本語だな(^0^)。そこから来てたのかもって気がしてます。成功と同時に彼がどんどん成長し同時代の音楽を吸収、やりたいと思ってもバンドの実力が追いつかない。でも売れない時代から苦楽を共にして来た仲間、俺だけ抜けて見捨てる訳にはいかないとゆうご本人の弁も有り。英国芸能界稀にみる良い人のようです。ソロ第1作を出した経緯もTYAアメリカ・ツアーで出会ったジョージア出身のシンガー、マイロン・ルフェーブルが麻薬中毒で苦しんでいるのを見るに見かねてロンドンの自宅に連れていき必死の看護、そのカムバック・アルバムとして二人名義のアルバムを出そうとゆう。何ともええ話じゃありませんか。同じギタリストでも誰かさんとは大違、おっといけねえ。しかしその好人物ぶり、義理人情厚き面は芸能界では弱点とも言える訳でいつも一歩出遅れて機を逃してしまうとゆう。そんな彼もようやくソロ活動も順調に。ライブ・アルバム「栄光への飛翔」を挟んでのスタジオ作3作目がこの「ポンプ・アイアン!」です。ジャケは音楽嗜好が似ている誰かさんの「EC Was Here」(ぐげばればれ(^_^;))のジャケを意識したかのような男性マッチョ写真。外してます。ははは。このマッチョ男、実はターミネーター・カリフォルニア州知事、アーノルド・シュワルツネガーちゃんの若き日の雄姿とゆうことで外してはいるもののこれは歴史的価値有りか。無しか。録音はロンドン郊外ウッドコートにある自宅スタジオ「スペース・スタジオ」。やっぱ堅実にお金貯めてたんだなあ。プロデュースとミキシングも彼自身。参加ミュージシャンは元ヴィネガー・ジョーのティム・ヒンクレー(鍵盤)、そしてそして何とドラムにイアン・ウォーラス、ベースにボズ・バレル、サックスにメル・コリンズとあのキンクリ、アースバウンド凶暴三兄弟。そしてさらにココモの連中と英国ファンク&スワンプの猛者ばかりであります。まーメンバーに驚き聴いてみてまたびっくり。のびのびとそしてたおやかにソロで思いっ切り自分の音楽を謳歌出切る喜び溢れた大傑作アルバムでした。ブルース・ロックの貴公子のイメージぶっとばす1.のファンキイ・チューン。やっぱりブルースはブルースなんだけどバックの腰の座り方と言い明らかに印象を異にします。無理やり速弾きなどしてないよ。歌ってますギターが。2.はレゲエ。何と形容したら良いか。極上の曲メロディで。秋の空たなびくサンマ雲。なんちゃって。これは心が清くなきゃでけんわな。3.はビッグ&ヘヴィなファンク・ブルース。かっこええど。曲間入れず続きます4.ハブ・マーシーはいかん誰かさん思い出してしまうレイドバック・ナンバー。してザ・バンドも。軽快にのびやかに。雰囲気が一転するチャンジ・オブ・ペース見事也。5.のジュリアン・ライスはブギ・ナンバー。低重心しかし暑苦しくなく。リズムも粘ってる。ここで盤ひっくり返して6.のタイム・アンド・スペース。アコギたなびくスインギイ・チューン。軽さが嬉しい。絡むサックス見事なり。7.はインスト。ファンク・ブルース。オルガンがぎゅわーんとリード取ってきゅんこーんとギターが乱入。ブッカーT&MG’Sばりでござい。かっこいい。この2曲はライブ。前作の入れ切れなかったやつだとゆうことです。バックはココモ。やっぱし。8.ダーケスト・ナイトはバラード。南十字星だ。同じ温度がする。しかし素敵な曲で歌もいいなあ。9.はこれもスウィンギン・ナンバー。パキパキ・ギターが快感。10.カウベル高らかにノリノリ・ブギ。いえーステイタス・クオー節。突進力重戦車級。最後はスロウ&ヘヴィ大作で〆。この時期、アルヴィン氏、スワンプ&ファンクに夢中だったらしい。リトルフィートのコンサートを見にオランダまで飛んでいったりメイコンでのライブに飛び入りチャーリー・ダニエルズやオールマンズのメンバーと共演したり、そしてパブ・ファンクの名バンドFBIのプロデュースとこちとらのツボにはまりまくり。まあそれは別にしても曲、歌、演奏とも稀に見る好盤だと思います。ジャケに負けずにトライしてみて下され。私は他のも何とかアタックしたいっす。今まで見くびっててごめんね、アルビンさん。深く反省いたします。

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12/7(火)
愛の回転木馬
cover
Scissors Cut
Art Garfunkel
1981/8

シリーズ「あんふぉーげった房」

ジャケットには微妙に老けた天使親方の顔。アート・ガーファンクル、1981年の作品です。キャラに似合わぬどろどろ愛のソレア状態のニコラス・ローグ監督「ジェラシー」に出演後、本当の恋人ローリーさんが突然自殺するとゆう不幸に出会い傷心の中復活を賭けて7ヶ月以上の時をかけて製作されたアルバム。NW荒れ狂う世間の風は何のそのこれ以上無い透明ヴォーカル・アルバムとなりました。プロデュースは1st以来のロイ・ハリー氏との共同作業です。一番辛い時には旧友の存在が大切と色々相談に乗ってくれたポール・サイモン氏もそっと参加。それはもうやらかいです。ヘヴィメタル、デスメタルつうのが音楽の極北ならこちらはデス天使だ。極南とな。だから軟弱だと口を極めて罵っても無駄でござる。メタルからハードさを取っては、アーティから柔らかさを取っては毛を刈ったトイプードルみたいに何モノかわからなくなる。従ってこれもある種覚悟を持って聴く音楽かもしれません。そして非常に難しい音楽であることも確か。これだけ静かな音ですとほんのちょっとしたアレンジのサジ加減で下品にもなりセンス丸裸だ。地味天使一門の親方の下には数々の地味天使達の曲が集まってきます。1.シザース・カット。つんつん頭のロボが出てくる映画を思い出すタイトルのこの曲、邦題では愛の回転木馬、回転木馬はメリーゴーランドと読むつうすげえ題が付いてますがあながち嘘ではありませぬ。意に沿わず次々と傷つけ有ってしまう恋人達のさまをジャンケンに見立てて歌ったジミー・ウエッブの曲。まっすぐにたんたんと歌う様が返って胸が締め付けるような名唱です。メロも際立ちサビからは気付かぬ程度にレゲエリズム。この曲だけでもこの盤の存在。2.ハート・イン・ニューヨーク。これもベスト盤には必ず入る名曲です。英国の朋友、ギャラガー&ライルの作品。ギターでライルさん自身参加。まるで彼の為に書かれた曲のようにS&Gしてる。タイトルもまた。3.アップ・イン・ザワールド。これまた地味さではヒケを取らない英国の英語教師兼ミュージシャン、クリフォード・T・ウォード氏の曲。あちらの人の良さ、天使度も尋常ならざるものありますが親方はさすが。貫禄さえあるなあ。メロディ・ラインはクリフォードさんそのもの主張してます。4.北風のラストレター。本盤唯一の汚点ソングでして。日本だけのシングルカット。聴いていただければそうかと納得していただけるかも。あまりにも地味続きなので入れてみようかの無理感じるアップ・ナンバーです。嫌な歌謡曲みたいにスノッブさが。うーん飛ばしてしまう。5.雨の舗道。ジュールズ・シアー作。ファンキー・キングス時代の曲です。あちらのヴァージョンは、まあこの曲に限らず彼の曲は瞬間的にイーグルスを追い越してしまう鋭いメロ有り。たまりません。圧倒的です。レコードではここからB面。6.ひとり窓辺で。ジョン・ジャービス=エリック・カズ作。迫力のピアノ・チューン。この力の抜き具合はアーティ親分独壇場です。西海岸POPの名曲。7.フレンチ・ワルツ。これはたまらんあの曲だ。ニコレッタ・ラーソンが「ニコレット」で歌ったあれです。吸いたくなったらニコレット。フランス語が聞こえてくると卒倒してしまう人にはキラー。ああ、モーテシア。8.ロマンス。これもエリック・カズ氏の曲。油断すると聴こえないくらい楚々としたアレンジ。サビの天使ぶりが壮絶。9.イン・カーズ。親方が愛する一番のソングライター、ジミー・ウエッブ氏の曲。グレン・キャンベル・カウボーイも歌ってるそうですがちと想像出来んスロー・ジャジイ・チューン。ポール・サイモン友もかすかに参加。ラストはこれもウエッブ作品。短いけど極めてます。盤の世界を凝縮したかのように。しかし凄い終わり方だわ。えー長期間練りに練ったことが十二分に伺える盤でしてここまで削ぎ落とすとまったくハードコアな世界であります。辛口って言えるかも。ですから並み居る凶暴作品渦巻くPOP世界に置いても存在消されること無くそびえ立ってる。誰がどのように聴くのか。全くBGMになってしまうのか、気付いてしもうて真正面に感動してしまうかどちらかだな。

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グッヅ

12/8(水)
大将TV寄席
cover
Fillmore East: June 1971
Frank Zappa & the Mothers
1971/6

シリーズ「ザッパ!」

今年も12月がやってまいりました。雑葉大明神は永遠です。永遠の大将、71年のライブの記録がこれ、フィルモア・イースト71年6月。6月5日と6日に2ステージづつ行われたライブの一部分です。6日には永遠のジョン・レノン氏とオノ・ヨーコさんが飛び入り。それは彼の盤「サムタイムズ・イン・ザ・ニューヨーク・シティ」とザッパ氏の「プレイグランド・サイコティクス」に入っておりますウエル。初めてザッパ世界に突入するにはいたって不向きのような気が常々しとったのですが、こうして改めて何回も聴いてみるとやっぱし良くてどうだかわからなくなってきたよ。第2期マザース本格発進とゆう訳で狙いはタートルズの二人の強力ヴォーカル、フロ−&エディを向かえ、最初のマザースでは出来なかっためくるめく歌の世界、お客様に直接言葉でアピールつうもの。そしてどですかでん強力ドラマー、エインズレイ・ダンバーちゃんの参加でのロック!。当時一番花開いたロック・ワールドのザッパ展開をいっちょかましてやろかの一発です。最初には不向きでは無いかと思ったのはその始めの歌コミニケーション部分でして、ロック下下半身問題を鋭くついておちょくったギャグの数々、バニラファジ、エルトン・ジョン、ロバート・プラント、スリードッグナイト、デビッド・キャシディ、ロジャー・ダルトリー、CSN&Y、クレアラシル、デイビー・ジョーンズらスタア総出演のそれ。大正テレビ寄席しとって言葉がわかったらそりゃ最高!だと思うけどいかんせんわからんので残念!。歌詞カードを見ながらつうのもなあ。ってんで困るところもありんす。しかーしやっぱりザッパ氏はザッパ氏。音楽だけでもそりゃ濃い濃い。充分お腹満腹なんで内容は折り紙鶴付でござる。メンバーは「チャンガの復讐」に引き続きのフロ&エディ、ダンバーさん、イアン・アンダーウッド氏、ボブ・ハリス氏。そしてジョージ・デュークさんはロックンロールと悪ふざけに嫌気が指して抜けちゃって代わって第一期マザースのエレクトロ小天狗、ドン・プレストン氏参加。ジミ・ヘンドリクスにワウワウ伝授したお方よ。ジェフ・シモンズ氏もやっぱお下劣にびっくりして脱退しちゃったので代わりに入ったのがジム・ポンズ氏。タートルズの人。3人も入っちゃったよ。そんな訳でここでも我慢できずに飛び出した8.のハッピー・トゥゲザー。あっとゆうまだけどそれはもう鬼神が乗り移ったかのような大迫力です。マザースでこの曲つうシチュエーションにも大興奮だ。嬉しいのはまだまだ、ホット・ラッツの曲のライブ。10.「桃の勲章」やら「ヒモのウイリー」とかがロック2割増しで聴けちゃうこの幸せよ。しかもTレックスのコーラス陣参加でですよ。4.では「ランピイ・グレイヴィ」のあのかわいらしいイタリア調POP曲が歌詞付で聴けたりします。最後はとてもとてーもロマンチックな「涙流れて」で大団円。ザッパ氏のここまでの盤を聴いた上で味わうとより楽しいとゆう訳で、うーん、雑葉百貨店歳末お客様大感謝デーかな。フランクやっぱ最初で聴いちゃうのは勿体無いかも。

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日本盤

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グッヅ

12/9(木)
アムステルダムファンク
cover
Mother Focus
Focus
1975

シリーズ「プログレ支部」

この何ともチャーミングなジャケットのアルバムはオランダはアムステルダムのバンド、フォーカスの6枚目「マザー・フォーカス」です。フォーカスと申しましたら当サイト、筆頭リンクのタカパチさん。主宰のヤフー掲示板、「キャメルとフォーカス」トピックにてこの盤についての感想をいただきましたところ「ソフト・ヴァニラ〜ハード・ヴァニラは気持ちよくて最高アッカーマンはフュージョンにも合うぞ。」。bonochewさんからは「「マザーフォーカス」のなかではやはり「No Hang Ups」が一番好きです。あまり評判が良くないアルバムだった、と聞いたこともありますが僕の中ではFOCUSの中でも上位に位置するアルバムです。」とのお言葉を頂きました。お二方、どうもありがとうございました。
 フォーカスちゅうとロック・ファンにはあの「悪魔の呪文」でお馴染み、うちでもバカロック・コーナーで極め付きチャーミング・ソングとしてご紹介させていただいてますが、もちろん全編それではなくて、あれしか知らなかったらこの盤買ったらおりゃ間違ってしもうたと狼狽するだろなあ。名前がどーんと世界に響き渡ったので幸だったのか不幸だったのか。微妙。プログレ・バンドとして認知されここでも「ぷろぐれ支部」なんすけど聴けば聴くほど私はわかんなくなってきます。プログレってロックとクラシック、ロックとジャズとゆうことであれば確かにそうか。しかしその関係が他のバンドとは一線を画してるような気がいたしまして。ここはオランダのロック・バンド。いやロックってのも何だな。オランダのバンドとゆうことで。フォーカスの盤で一番とにかく聴いてしまうのがこれとなってます。理由は・・・。何だろう。他のも魅力的なんだけど。例えこれがフォーカスで無くともめちゃ魅力的なジャズ・ファンク盤だからかもしれん。発表年が75年です。これがにわかに信じがたい。これが78年とかだったら一連のクロスオーバー〜フュージョンの流れってことで不思議では無いんですが。75年ちゅうたらグローバー・ワシントンJrのキー・アルバム「ミスター・マジック」が74年。クルーセーダーズのスクラッチが74年。スタッフのあの1stは76年です。白人勢ではAWBの「AWB」が74年。スティーリー・ダンは「うそつきケイティ」75年の頃ですから。まるでタイムマシーンに乗ったみたいに新しいサウンド。ファンクの誕生は70年のスライ・ストーン「サンキュー」だから大いにありだけどそれにしても。大西洋を越えてドーバー海峡を越えて生臭さが抜けて行っての洗練の結果かもしれません。そう考えればごく自然にオランダとゆう土地で混ざった音楽だと思われます。まねじゃ無くて完全自分たちオリジナル・ブレンドの音楽だからこそ不思議な違和感ちゅうか魅力ちゅうか。1.のタイトル・チューンのサビの高揚感にやられ、2.のこれは完全ホワイト・ファンク。AOR第一号かにたまげて3.のスーパートランプにも通じる気品にもやられ、何より各楽器のキラキラした質感がたまらん。4.ソフト5.ハード・ヴァニラは最上級クロスオーバー・サウンド。ぴりっと締まった姿勢、温度がただのたれ流しにはけっして聴こえぬ。ダンにせまる音の厳選選択です。6.もねえ。知らなかったらフォーカスだと思わん。CTIものって言われても信じるぞ。7.のフォーカスWはけっこう歌の無い歌謡曲に近いとこまで来ててやばいんだけど、ここでも徳俵一本のところでうっちゃりかけてのセンス。逆転です。アナログで言うとここからのB面は聴いた目さらに地味になって聴いてるこっちの己のセンスも試されてるようで勝負してるような気になったりして(^0^)。8.のイーノですかいってな美しさ。9.のマイケル・マーフィ「ワイルド・ファイア」にシンクロする生ギターの響き。10.ノー・ハング・アップス。これも歌の無いきわきわですがやっぱり徳俵だな。かねがね感じてますギターのヤンさんのザッパ大明神と通じる味ギター。ここでは「イースターのスイカ」のあれです。11でフィリー・ソウル味もする、最後はJ.S.Bach「マタイ受難曲」からの旋律ですか。ここで違和感が無いのがキイかも。
 演奏は・・・とにかく上手いです。グルーヴも驚くほど。しかーし人によっては引っ掛かり無くジェット・ストリーム状態で終わってしまう可能性も無きにしもあらず。はまるかはまらぬかは音楽が嗜好のものですからそれは仕方が無しで。かなり微妙なラインの音楽だから余計そうゆう面があるかも。私にははまりました。結局は理由無くてこの質感が好きなのかもしれぬ。

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外盤(中古)

12/10(金)
終末の戦士
cover
Weekend Warriors
Ted Nugent
1978

シリーズ「ギター屋」

裏ジャケを見るとあんた普通の顔すればけっこうええ男やんけーのテッドさん。でもやっぱ表ジャケ。づだだだだだ。ギターで弾丸乱射の邦題「終末の戦士」じゃい。うまいっ!座布団山田君。って字が違うやんけ。「週末の戦士」です訳せば。なぜ週末の戦士かとゆうと中ジャケ(LP)にその秘密が。かわいい男の子とカントリー野原で遊ぶテッドさん。巨大犬2匹を引き連れて。ギターづだだだだおぢさんも週末になれば子供と遊ぶこれが戦士だの図です。ロックつうのはすこーーーんと抜けるためだろを地で行く男、77年キャット・スクラッチ・フィーバー、78年ダボ・ライブ権蔵とキラー盤連発、ノリにノッてのこの盤登場。布陣は今回はゲスト無し。テッド一家総出演でいかに自信があったかを物語っておるのだ。テッドさんと言えばライブなんですがこの方いかなる環境においてもアドレナリンぶちゅぶちゅ出せるロッカーの鏡体質らしくスタジオ盤でも凄いんです。歌は全部ご自身。これが顔に似合わずかわいいねずみ声。これで叫ぶわめくだからどんなおどろおどろ曲でも愛嬌たっぷしでこれも愛される所以なしごなね。曲も粒揃いです。冒頭で締まりに締まった走りたくなるニーヂュ・バッド。ツイン・リードが快感。ミディアムテンポで発情するギターの「ワン・ウーマン」。速度3倍増しでほとんど何も考えていない3.「アイ・ガッ・フィーリン」、ナイスなハード・ポップ・チューンの4「タイト・スポット」、哀愁たっぷしイントロでタメにタメるティンパニどんだんどんだんメロは泣くそんなにヴェノム・スープって美味しいの?の5.。B面に入って必殺これぞロックのギター・リフじゃい鳴り響く中、わらわらわらわらっても一本のギター乱入だミディアムテンポロックの傑作6.スモークスクリーン。タイトル曲7.はシングルカットOK、でもすぐ落っこっちゃうハード過ぎて。実際のシングルカットは1.なんですが。そしてまた何にも考えて無いでしょの8.クルージン。狂う人。キッスがやっても素敵そうなのは9.「良い友、そして一本のワイン」。リフ、メロディがめちゃキャッチー。ラストは凝ってます構成が。知恵を絞っての最後爆発。と捨て曲無いでしょ。わからーん。では手に入れて聴いて下さいまし。悲壮感は0です。ギターは弾くとゆうより掻き毟りです。日々掻き毟りの練習をしているに違いなし、掻き食わしも何のそののロック人テッドさん。あんたは偉い。間違いない。

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12/11(土)
80’sを見た
cover
Der Kommissar
After the Fire
2001/6/12

シリーズ「from 80's」

先週の買出しで発見、あ、あの「秘密警察」の人達だーと。すわ買って聴いたところ、BBSで「今となってはあの歌い方がつらいかも」なんて書いてしまいました。がーーー。何回も聴いてるうちにあの歌い方の世界、80’sに身も心も引き戻されて辛くなるどころか快感になって来てしまい(^0^)、そうなると良さばかり感じるようになりまして「これは名盤だ」です。調子いいっす。このバンド、アフター・ザ・ファイアは74年に英国で結成されました。発起人はピーター・バンクス。つうても初期イエスの方とは同名異人なんすが。やっぱプログレの人でして、ロンドンのマーキーで活躍、78年に自身のレーベルで1stを出した時はちゃきちゃきのプログレ。衰退しつつあったその筋の新星として期待されてたのであります。ところがやっぱ世間はパンク/NW一色。人気が出てきてメジャーのCBSで2ndアルバムを出すことになった時には「やばいぞこのままじゃ食っていけなくなるんじゃないか」と思ったか大変身、思いっ切り時流のバンドになったのであります。調子いいっす。となると狙ってるだけの軽薄あほぽんバンドかー。でもあれだ性でしょうか。どないなったかて根は変わりません。実にストイックなセンス抜群の音で時代の音楽を。欲があるようで無い真っ直ぐな音楽で高感度100%です。最初に書いた「あの歌い方」とはほらあのあくびをかみ殺したような80’s歌い。わからーん。試聴していただければそうかとご納得していただけるかと。それです。その歌い方を始めまるで写し鏡のように当時の音楽のエッセンスがあちらこちらに。ほらデュランデュラン、ほらヴィサージュ、ほらトーマス・ドルビー、ほらヒューマン・リーグ。知らなくても懐かしいすよ。このアルバムはベスト盤なんですがタイトル曲の「Der Kommissar/秘密警察」はファルコの曲の英語カバー。少しテンポを早くしたのが大成功。さらにパンプアップされて快感です。アレンジはほぼ同じだけど。イントロのフレーズはどっかで聴いたことあると悩んだら。イージー・ラバーだ。フィリップ・ベイリーとフィル・コリンズの。そっちがだいぶ後だからパクったのね。曲自体はこれまたどっかで聴いたことあるような。リック・ジェイムスのスーパー・フリーク。これはファルコさんがパクったか。ほぼ同時期だから偶然だな。その年の空気のマイナー・コード進行かもしれません。と目玉が英語カバー曲といささか情けないぞ。だけどオリジナルは良い曲ばっかです。パワー・エレクトロ・ポップつうか。品の良さが災いして世間にねじ込むことが出来ないようなやつだらけ。アナログシンセの柔らかい音が優しいし。遠くでプログレの香りもしたりする音色だし。どうしょうもなくブリテンだし。ニュー・ミュージック、バグルスが好きな方には直撃すると思います。ホリーズ、スイート、ラズベリーズ、スクイーズなんかと同じバンドのたたずまいが。いいでしょー。そうゆうバンドの音はしぶとく残ります。はい。

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12/12(日)
ハッシュ!
cover
Shades of Deep Purple
Deep Purple
1968

シリーズ「直球野郎一本勝負」

ディープ・パープルのデビュー・アルバムです。時は1968年、英国で67年に結成されたラウンドアバウトとゆうバンドのリッチー・ブラックモア、ジョン・ロード、ニック・シンパーにメイズのロッド・エヴァンスとイアン・ペイスが合流、テトラグラマトンちゅうテクマクマヤコン、ディープ・パープルになあれみたいなアメリカのレーベルからこの1stを出しました。つうことですっかりアメリカのバンドだと思い込まれ英国では売上げはさっぱし、アメリカの方でアルバムは最高位24位、シングルのハッシュに至っては最高位4位と成功しちゃった。後の2期になってもどっちかって言うとアメリカでの人気高くてその種はここから始まっていた訳で。ブリティッシュ・ハードロック代表としてはいささか妙な感じでございます。とは言え聴いていただいてる方はご存知の通り音楽はまだハードロックじゃありません。アート・ロック!サイケデリック!日本で言えばGS臭ぷんぷん。68年の空気写し鏡みたい。バーズみたいな華麗なコーラスもあり。これはむしろパープルのファンの方々より別方面の方々に人気ありそう。パープル・ファンは1stちゅうことで買ってはみたもの1回聴いてなんじゃこりゃ血だになって久しく棚から出して無いのうだったりして。クーラー・シェイカーちゅう思わぬ後継者が出ちゃったのでそちらのハッシュ好きな方は迷わず行っちゃって下さい。まんまです。切れ、迫力とも勝るとも劣りません。若者の熱気はいつの時代も同じ。パープル・ファンの方々もも一回聴いて見ておくんなまし。ここにはちゃんとジョンさんもあのフレーズでおります。ペイスさんのドラムも既にペイスさん。リッチーさんだけは納まり悪くいやいやしてイライラぎゅいーんですけどその緊張感たるや只者でなく面白いでっせ。引っ張ってるのはギュイーン・オルガンのジョンさん、そしてぶるんぶルンベースのシンパーさん。そこにいつでもどこでもクールなエヴァンス氏のボーカルが乗っかるスタイル。最初からせっかく来てくだすったお客様、けっして退屈はさせませんのサービス精神はばっちりあの手この手で楽しませてくれます。ヘルプで笑ってはいけません。いや良いです(^0^)。多分本人達も終わった後大爆笑してた気が。ヘイ・ジョーなんつうベタネタも臆す事無く自らのスタイルで。ここは我々もサイケな気分になりきって楽しんじゃうのが一番でござる。そしてハッシュ!。ジョー・サウス氏のオリジナルはしぶーいっすから。ここでこの曲のハッシュぶりが初めて開眼したのかもしれません。そりゃも最高。一緒に歌おう。なーなななーなななーななーなー。
えーこの路線、長く続かなかったのはそりゃ当然かも。時代と寝てパッと散るのが男の花道音楽ですから。ここから発展してとんでも無い混交音楽集団になってたらって想像するのも楽しいですが。

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日本盤

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グッヅ

12/13(月)
FUNK底無し
cover
Survival of the Fittest
Headhunters
1975

シリーズ「FunX」

こ、これは・・・。ちょっと参りました。最高です。掛値無し今まで出会ったファンク・アルバムの中でも最上の部類に入る一枚。そしてただのファンク盤に納まりそうも無く、例えばポップ・グループ、ピッグバッグの連中にこれ聴いたらと聴かせたらうわこれだこうゆうのやりたかったと叫ぶんじゃ無いかと思っちゃうくらい。エキサイティング。ハービー・ハンコックの73年のジャズとファンクの出会いキー・アルバムに「ヘッドハンターズ」つうのが有ります。そこに参加してたベースのポール・ジャクソン氏、サックスのバーニー・モーピン氏、パーカッションのビル・サマーズ氏、後にバンドに参加したマイク・クラーク氏に若手ギタリスト(当時(^0^))のブラックバード・マクナイトちゃんが加わってハービー氏抜き、ただし製作したアルバムがこれです。あの「ハンターズ」アルバムもそりゃ凄かった。ハービー氏のハッタリ気質がジャンル超え挑戦にぴたりとはまってさらに納まりきらない変てこ感充満しておりました。さて彼抜きでどうなるかと思ったらタイトルはキツーイ「適応のための生き残り」。1.「神は我をファンキイに作られた」。16ビート・ドラムの教則になりそうな単独ドラムに始まってファンク・ベース、ぶりぶり。ギターリフ。そしたらいきなりヴォーカルが。ポール氏初の挑戦だそうで。バリトン・ヴォイスでいけてます。サビで登場はポインター・ジスターズ。とこれでは割とまともなファンクだなあと思ったら。中盤から来ます来ます。サックス・ソロが入ってどんどん壊れていく。楽器が絡みのた打ち合い。これはジャズだわ。リトルフィート状音楽漬物状態に突入。こちらは目まん丸。かっこええ。いやーええもん買ったわ\(^o^)/。2.ムージック。これでまたびっくりすることに。アフロとんてんたかとんです。打楽器のみ。妙な声入り。低音マリンバぐるんぐるん。ぼこべんぼこべんのヴゥードゥの底無し沼ずぶずぶ。アルタネート・ベース入る。ポリリズム・ギター。ってここでポップ・グループ思い出す所存。大都会のビル群の間を走り抜けるジャンプ・首刈り族103人が眼前に登場したりして。3.ここ、そして今。またびっくり。しっぱなしや。スローで始まるんですが、こ、これは、オーネット・コールマン節ではありませぬか。ギターのカッティングに続いてベースのピッグバッグ状リフ絡み。ジャクソンさんはけっしてチョッパーせぬので余計似てる。サックスとパーカス混ざってまたも混沌グルーブ地獄へ。あなたをいざなう天然温泉。ここでレコードではB面。4.ダフィのダンス。ミディアム・ファンク。テーマのメロディはジャズ族で無ければ出せないぶっ飛びメロディ。カメルーンのマヌ・ディバンゴにも通ず。温度が5度下がっちゃうやつ。ここでギターのブラックバード本領発揮し出して、ナチュラル・トーンでうぺぺぺぺ。かなりの凄腕と見た。ドラムもそれに応酬。ホワイトながらここまでファンキイな人がおるとは。アメリカ大陸の馬鹿でかさ実感してしまいます。5.のリマでまたまたびっくり。超低重心ファンクではあるんだけど、これはロクシー・ミュージックのボーガス・マンでは無いか。あの空気の中、得体の知れない音が空間を飛び交います。イーノとリー・ペリーが戦ったらさもこのようかも。恐ろしゅうて目も開けられませぬ。ご存知の方はイーノとデビッド・バーンの「ブッシュ・オブ・ゴースツ」の最終曲「針の山」思い出していただければ。最終曲は「欲すればそれを得るであろう」。アフロ・ファンクです。ってそれぞれはパシって言えちゃうんだけど。言っちゃいかんつう気持強し。バンド全体で集団応酬コーラスでテーマ。から飛び込むインプロの嵐。ジェフ・ベック「ワイアード」ばりのブラックバードの活躍が始まり。ディストーション・ギターがのたうちまわります。それにしてもこの言いようの無い寒くなるような感覚。何回も申しますがポップ・グループの盤でデニス・ボーベルがやったブラックの秘密兵器、奥の手のような音処理をまた見たような。ここは是非そっち方面でやられた方にこそ聴いていただきたい盤です。聴いてみて最初でグッと来たらこの駄文は読まないで下さい。もしくは忘れて。人それぞれでまったく違う表情を見せる気もして。ほんと聞いてみたいす、感想を。

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12/14(火)
ファン感謝デイ
cover
Diver Down
Van Halen
1982/4/14

シリーズ「ギター屋」

1978年に衝撃のデビューを飾ったヴァン・ヘイレン。活動は順風漫歩とゆうものの唯一の悩みはユ・リアリ・ガット・ミーに続くシングル・カットとゆうことで。出ました。一般ロック・ファンの眼前に。プリティ・ウーマン。初のヴィデオ・クリップで鎧武者に扮した兄ちゃん大活躍。この大馬鹿三太郎振りが大好きなんだよーと収録されておるのがこの5枚目のお台場タウンだっ。1曲目、またやったか!のキンクス・カバー。それにしても地味ちゅうか渋い選曲。65年の「ザ・キンク・コントロヴァーシー」に収録のものです。せっかくだから「All Day and All of the Night」にすれば良かったのにと思ったりして。でも導入部としてはワクワクもんですわ。最初に書いたようにシングルカットが出なかった理由としてはちとオリジナル曲にキャッチーなものが書けなかったつうのがあります。多分エディはんは一日中ギターの練習しまくって頭の中はフレーズでぎゅわんぎゅわん、絞りに絞った単純化が必要なロック曲が出難かったのでは無いかと。ロスちゃんは出ない(^0^)。まあこない才能だらけなんで欠点が一つあったくらいがかわゆいよ。でもヒット曲はステージの目玉でもありますけんけっこう致命的です。で、それじゃあとヒット行けちゃうんじゃ無いかとゆうカバー曲そしてオリジナルは華のギター全開のやつと2つの柱で行こうとなったのがこれではないでしょうか。とゆうことで6.のプリティ・ウーマンまでは華麗なるギター・プレイをお楽しみ下さい。しかしもうちょっとで突き抜けそうなのにー。と出てきたのが6.。ロイ・オービソン64年最高位1位の大ヒット。クリップ見たら最高に楽しいけど見なくてもこの各所の仕掛け。ロス君の余裕の快唱が極上メロディで踊ります。やっぱいい曲にいい演奏。イキイキしてるだよ。それに続く連続攻撃が7.のダンシン・イン・ザ・ストリート。デビッド・ボウイ&ミック・ジャガー両すっとこどっこいのすっとこビデオでお馴染み、モータウンのマーサ&ヴァンデラス64年の最高位2位の大ヒット。大馬鹿ロッカーご用達のこの曲はロス君の歌にぴったし。テクノ調のアレンジながら実はデュレイ・ギターつうU2まっつぁおの技も見事也や。そして一転アコギの華麗爪弾きで驚かしてくれたあとのリトル・ギターズ本ちゃん。この盤屈指のオリジナル曲。何かこう視界がパアっと開けた感じです。次の大爆発を予感させるあのパキパキ・ギター・リフ。サビでのリズムのハネ、タメ具合がたまらん魅力だなや。そして10.のビッグ・バッド・ビル。ひょーと喜ばせてくれるじゃないのう、これはライ・クーダー、「ジャズ」の1曲目を飾ったあれ。大好きな曲です。ロック界一、ルイ・アームストロングな男、ロス君しか出来ません、こんな曲。こんなんばっかやったアルバムが聴きたいほど。この際、ライ氏と組んでヴァン・ダイク・パークス・プロデュースで作りませんか。最高だよきっと。エディ君の刺激突撃ギターは必須だけど。そしてさあ11.で勢い一発、ハネにハネたオリジナルかました後最後はボンバデーラ、アカペラのハッピイ・トレイルズ。カントリー歌手のデイル・エヴァンス爺ちゃんのお馬ぽっこぽっこソングです。こんなん誰が探して来たのか。さすがワーナー・ブラザース。バーバンクの血がこうゆうとこで騒いだ。と全体をば見渡して見るともうしっちゃかめっちゃかな感もありしかしこんな楽しい盤もそうは無いんでないかいな快作でござる。ファン感謝デーつうか。ファンはもしかしてどハードロック聴きたいのかもしれませんが(^0^)。私なんかはもう大喜びでござる。それにしても最高の面子だよなあ。聴いたら一発でわかる生の魅力たっぷしのドラム。ガッチリ支えるベース。稀有ですファニーで黒い歌声のロス君常道外しまくり。そしてもちろん刺激たっぷしそれを煽りまくるエディちゃんのギター。やっぱこのメンバーだよヴェン・ヘイレンは。まだまだ素敵なカバーが聴きたかったです。

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日本盤

グッヅ

12/15(水)
アメリカ上陸
cover
The Rocky Horror Show
Original Los Angeles Cast
1974

シリーズ「お化け屋敷」

まったく何てかっこしてるんでしょティムおじさん。の中ジャケが最高なこの盤はロッキー・ホラー・ショー劇場版ロスアンゼルス公演のキャストでのレコードです。オリジナル・キャストでのロンドン公演が評判を呼んでそこに見に来てたのがアメリカ音楽界の大立者、オード・レコード社長ルー・アドラー、ブリット・エクランド嬢をエスコートして颯爽と参上、見たとたん惚れに惚れちゃってアメリカでの公演権を買い取ってしまいました。そして翌年74年にロスアンゼルスのルーさん所有のロキシー・シアターで公演開始。フランク役にはジョン・トラボルタちゃんやリチャード・ギア氏がオーディションに来たのだと。結局はやっぱティム・カリーさんがやるっきゃないすけどいやー彼らがこのかっこしてるとこ想像するのは楽しい。今となってはならなくて良かったと思ってたりして。ははは。不良のエディは映画と同じミート・ローフ。ティムさん同様一世一代の当たり役を獲得。と書いてはいるもののわたしゃ映画版を毎回あははあははと白痴のように喜びながら見てるばっかでロクにキャストとか内容把握してないかも。とにかくロック・ミュージカルとしては最高峰。これっきゃ無いって感じです。いきなりストーリーの中で歌歌っちゃうミュージカルですから私もタモリ氏同様、白々しいなあって思うやつもけっこうありんす。しかしこれだけはストーリーもあるようで無いような登場人物もはちゃめちゃ。そうは見えんけどほとんど異星人なんだよな。考えてみれば。毎回到底我々が出来ないような馬鹿騒ぎしてくれて最後は寂しく去ってしまう。望んだ時にはいつでもやっておくれです。設定自体がそんな非現実的だからいきなり歌おうが物凄い踊りしようが。はい。バッチリOKだっつうの。そんな訳で映画版で慣れ親しんだ曲がアレンジとキャストを変えて登場。けっこう印象が違ってさすがアメリカ、カラっと元気でストレートなもののような気がいたします。映画と劇場って差もあるんだろうけど。ティムさんも変態度はさほどでは無くその辺は寂しいけど、けっこう馴染んでる。元気ハツラツなフランクもありだ。しかし妙な感じだなあ。並行世界でやってるロッキー・ホラーのよう(^0^)。全く新鮮な感じだわ。えー、映画を見た方の95%は大好きになるでしょうから町でほこっとロッキー・ホラー関係のCDとかレコ見かけたらつい買ってしまいますわね。普段忘れてても見たとたんぐわっと思い出して。そして聴いたらつい一緒に踊っちゃってダイエットのお供に。そして最後は何だかわからんけどやっぱ悲しくなっちゃって泣いて。いや恥ずかしいからこっそり涙ためるんですけど。コロンビア嬢のインパクト強大なこのジャケットの盤。大丈夫です。買っちゃっても。えろー楽しかったです。それにしても劇場版のやつ映像で見たくなった。どっかでやってくれないかな。それよりオリジナルキャストのレコード出て来ないかな、ほこっと。いきなり。

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試聴はここで

グッヅ