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今日の感謝盤一覧2005.8上

 

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8/1(月)
1000万マイルの彼方に
cover
Tattoo
Rory Gallagher
1973

シリーズ「ギター屋」

燃えろのろはロリー・ギャラガーのろ。生涯ギター人間ロリー・ギャラガー。最初から最後まで徹頭徹尾ロリー音楽でした。世間がどうあろうとも。そんな彼が時代とシンクロしてびかびか一番輝いていたのがライブ・イン・アイルランドまで。特にライブ・イン・ヨーロッパからの4枚のアルバム、その中でもこの「タトゥー」は彼のスタジオ作の中で一番好きな盤です。ロリーさんの場合、ロリーさんがロリーさんでいてくれたらそれでもう満足。聴けてありがたやなんだけど。これには何てたってキラー3曲が入ってるもんね。かっこいいところもかっこわるいところも全部見せます。エフェクター無し。裸のギター音。ただその熱でオーバードライブしてる。それは歌声も同様。普通に歌えば歌えるが抑えられぬは己のロック、ぐごごごーんと気持ち上がって天井目一杯まで上がって零れ落ち言葉を放射、それでこの歌なのだ。バンドのメンバーもそんなロリー兄貴に心底惚れ込んで完全一体でくるまずはいきなりキラー、「いれずみの女」。やらずにおれない根性芸人に自分を重ねて最初から臨界点のサビで突入のそれでもリラックスせねばと段々どうしょもなくなって来る様子で耳が火傷。一緒に感極まる。2曲目クレイドル・ロックもキラー。テキサスの風雲児、テリー・ファンクのオハコ、ゆりかご固め。どこが効いてるんだろうと思いながら見るもくるくる廻る。おおお。何か痛そうだ。ロリー氏既に抑えること諦めて全開です。鬼のボ・ディドリー・ビートで突っ走る。ほんとクレイドルで快感だ。吐き出して満足、いや今度はギターチェンジ、生でやりたいと「沢山の夢」物語。うわうわああかっこいいとしか言えません疾走4ビートの「ライク・ユー・エニモア」。どファンキイ・チューン「トラッカーのように生きてます。ジブシーのように生きてます。」どブギーずんずん進撃ちっとも眠ってない「洋服来たまんまでお眠」荒野に鳴り響くスライド・ギター「誰が来ると言うのだ」そしてキラー「100万マイルも離れて」。ほんとに離れてしまった。そこからでもよく聴こえます。聴いてます。こう弾きたいと思ったギターの音色を声を。ニュー・オリンズ・ファンク「認めなさい」。リトル・フィートに夢中だったと聞いてます。共演を一回だけでも聴きたかった。あるのかなもしかしてもしかして。ここからはCDボートラ。「ツーソン、アリゾナ」。アナログ時間制限で入りきらなかったとのこと。聴いて納得、これは入れたかったろうなあ。これもタトゥの正規曲です。心からリラックスしての極上ボーカルで・・・これはもうCDに軍配、LP持ってってもこれ聴くためだけでも買い直して心底良かったほんとに。最後は裸のセッション。いれずみの女はきっと「ろりー命」と彫っていたに違いありません。

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8/2(火)
スカイ・ハイの向こう側
cover
Sky High / Great Spirits of Jigsaw
Jigsaw
1975

シリーズ「ヒット王」

本邦で絶大なる人気、最近帯付きでオリジナル・アルバムがどかっと再発されたジグソーのベスト盤を入手しました。ただし例によって中古アナログ。悲しきかな新譜CDに縁の無い我が家。リンクは同じテイチク(!)から発売されてますCDベスト盤を。試聴リンクは外盤で唯一入手可能のようでありますものを。色んな意味で目が点になってしまいました。まずはジグソーのお姿を見ることが出来た。こ、この方々かー。あー爽やかじゃ無い。これで数あるアルバムのジャケがメンバー写真でなかった訳が。その服装センスがまた凄い。一番左の関西のTV司会者さんみたいな方の襟ときたら。私だったらお小遣いでも貰わねば着るの躊躇するぞ。疑いの無い目でじっと前を見つめています。中の音楽もこのジャケットのような音楽なのです。聴いててもしやこれは洋楽ロック好きは絶対買わないんで無いかと思ってしまった。じゃあ誰が買うんだ。プロレス好きで会場、TVでスカイハイ聞いてやられた人間だな。これ聞いて第2のスカイハイを探して半分満足して半分訳がわからず放置されるような気がする。それと当時のチャート好きか。俺だ。正直、スカイ・ハイが物凄く好きだったかとじっと見据えて聞かれますとちょっともじもじしてしまうかも。ポップスの恥ずかしいようの境界線を一歩超えていたもので。それはこうして他の曲を聴いても同じ感覚を持って聴いてます。でも繰り返し聴いてしまってる。曲が尋常で無く素敵なんです。その力たるや容赦無く襲い掛かる甘甘ストリングスの嵐、なめーっと入る女性コーラスの介入を軽く凌駕してしまってる。次第にこれはこれで無いといかんのじゃないか、ジャケットの襟何か素敵ねと思い始めて、いかん洗脳だ(^0^)。で、大いなる疑問が。このスカイ・ハイ以前の曲郡、何故ヒットしなかったんだろう。ライナーではことごとく大ヒットと言い張ってますけど。手持ちのデータでは痕跡が無い。メンバーでありますクライブ・スコットとデス・ダイヤーつうソングライター・コンビ。曲が良ければカバーでやった人も多かろうかと思えばエンゲルベルト・フンパーディンク氏の「愛を信じて」それとボー・ドナルドソン&ヘイウッズの「恋のあやまち(フー・スゥ・ユー・シンク・ユー・アー)だけ。ヘイウッズのあの曲はジグソーの曲だったのかー。ぐおんとのけぞりこのオリジナルも滅法素敵。結成は英国はコベントリー。67年頃から活動してたとのこと。経歴等は日本盤だからライナーに書いてあるかな。これはもしやイギリスのバンドだったことが不幸だったのかも。ドーンに非常に近いアメリカど真ん中歌謡曲の味がします。ホットケーキにメイプルシロップをだくだくにかけてしかもその上に生クリームをどかってかけて食す味。美味い。現在ダイエット中なんで出来ずジグソーで代わりに味あわせていただいて。とゆうことは食い過ぎると体に悪いのか。体に悪いものは大抵美味しい。喰った後には辛いもの食べたいって絶対なりますけど。用意してますファンカデリック。大丈夫ね。

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8/7(日)
ぴょん!
cover
Jump!
Van Dyke Parks
1984/2

シリーズ「Van Dyke Parks」

ジャンプのLPをこの歳になって初めて入手しました。アナログであろうがCDであろうがこの不世出の名作の感想変わるはずも無し、何回聴いたかわかりませぬが今また聴いても目から鱗の賛辞のあなた、あなたーの賛辞なのです。これはおんぼろラジオで聴こうが巨大ステレオで聴こうが変わらないと思う。貴方の音楽の人生ベスト1は何ですかい?と聞かれましたらまず頭に思い浮かべるのがこれなのです。これがー?などと言われてもいささかもひるむこと無し。アナログだと不思議なことにステレオ感がCDよりあるかな。それと只でさえ短く感じるワンダホな音楽が余計短く感じ。片面があっとゆうまです。ハタと気づいたのはA、B面でそれぞれ前半後半考えて作られてたのかーつうこと。ジャンプ!から始まる流れとタップスから始まる流れと。そうかと残った鱗がペリペリ剥がれ落ち。CDをお持ちの方はタップスの前でしばし休憩し聴いてみてください。それにしてもいいわ(^0^)。子供から大人まで楽しめること必須です。このカントリーともロックンロールともフォスターともガーシュイン伯ともデューク・エリントン卿ともつかぬ音楽、多分アメリカ人にとっても題材通り絵本の世界、ファンタジアなのかと思います。ですから異国の人間が聴いても同じ魔法でもって楽しめちゃう。ヴァンさんプロデュースの作品として強力なんで出来うれば日本版とか各国版作ったらもっと歌詞の世界も楽しめていいんじゃないかな。歌はご本人がたどたどしい日本語でやってくれたらもう最高なんだけど(トキオ・ローズの野球歌みたいに)、無理であれば植木等、谷啓ご両人で交代でヴァンさん役を是非。子役は雷門ケン坊。ってもう子供じゃないか。「罪へのいざない」「宴のあと」のオペラ女人ボーカルは縁が無いわけで無し矢野のアキコさんに。「ルック・アウエイ」でのスリー・ドッグ・ナイト、ダニー・ハットンさん役はそりゃもう田中星児兄さんしかおらぬ。それでNHKみんなのうたで流さば「チャンスは2回!」なんかはもうだんご兄弟何するものぞ。って無慈悲に消費されちゃうのも悲しいかな。夢だけ見てそっと楽しもうか。あ、もう終わっちゃった。もう一杯。

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8/8(月)
花の島音楽
cover
Racines
Kali
1989

シリーズ「民族力」

暑いです。あつは夏く無ければ米が育たない困るとわかっていてもぼやきたくなるのが人情。聴く音楽も自然と爽やかーなものになるの。そんな時まさにピータシなのがこのカリちゃんのラシーヌです。世界かわゆい音楽選手権つうものがありましたら金の缶詰大賞を貰える事間違いなし。夢の極楽アルバムなのだ。惜しむらくは試聴出来るとこがみつからぬ。5秒聴いていただければ即温度3度下げ、おおおと思っていただけるのですが。カリさんはバンジョー弾き。カリブ海のフランスの海外県マルチニックの方。花の島とも美しい水の島とも呼ばれてるらしいそりゃもう天国のようなところらしーぬ。バンジョー言いましたらブルーグラスでのテンコンテコロンつう高速アルペジオじゃじゃ馬億万長者など思い浮かべるもこの音楽は違うぞ。単音で爪弾き素敵なメロディを。初めて聴いた時はそりゃもびっくりしました。なんつー浮世離れした音楽なのかと。ただ事では無いなと事情をライナーで読んでみればアルバムタイトルの「ラシーヌ」とは「ルーツ」の意味らしーぬ、島に昔から伝わる音楽を今に蘇らすつう冒険企画だったとゆう。当時そこで流行っておったのが熱い音楽ズーク、そしてレゲエってことでやるに当たって出すに当たっては相当な反対意見有ったと言います。ところがリリースしてみれば大好評。ワールド・ミュージック熱、熱きフランスでどっかーん、日本でも相当話題になったので覚えてる方も多かろうかと。しかして流行りとは恐ろしきもの。現在では日本でのみ入手可のようで、RICEレコードつう奇特なところが出してくれてます。私は幸運にして当時出たCBS盤を持つことが出来ました。折につけ誰に言われること無く愛聴、お宝盤人生盤生活盤になっているのだ。当たるは当たるわなあ。とにかく夢のような音楽。こんな音楽作れるとこってどんなとこかって聴きながらハイビスカスの花が頭上に出てきてしまう。聴いてる人の頭の上にはみんな咲いてますきっと。入ってる音楽はこの地の伝統音楽ビギン、マズルカ・クリオール、そしてワルツ・タイムのヴァルス・クリーオール。それぞれにやはり重厚な由来有り、その辺は盤のライナーに詳しく書いてあるかと思いますが、島は火山の噴火で全住民が絶滅したり、フランスとイギリスの利権の取り合いでえらいことになってたりその上でのやっぱり絶ちがたき音楽への情熱。伝わって若き音楽家カリ、そしてアレンジを担当は当地には縁もゆかりも無いしかしこの地の音楽を心から愛するスイス、エジプト混血の人マジさん。1.の「サンピエの町に行ったら」を歌うはベテラン歌手マックスおじさん。カリ君の叔父さんですって。「サンピエの町に行っただよ。壷を買いに行っただよ。壷は見つからなかっただよ。べっぴんさんを見つけただよ。おいら楽しんだだよ。」すけべ歌です。「♪家は破産でおっかあ泣くしおとうは獄入りうんざりさ白人のために働いて〜お前の家の近くには肉切れ一つ落ちてない」悲惨です。浮かれてるだけでは申し訳なし。かといってうちらポンニチがはたして金持ちかといやあ何かあれば一挙に地獄に落ちる脆弱な浮世住まい。不安と恐怖で必死に働く毎日に同じ気持ちで天国に連れて行っておくれ。ほんとにこんな音楽作っておいてくれてありがとうつう気持ちに心底なります。ビギン、クリオール何たるや全くわからんでも(実際私も違いがそないにわからん)、全身に染み入る夏の花。無条件にどなたにもどうですかと言える音楽です。特に喫茶店他お店をお持ちの方、是非これを流して下さい。全ての飲み物、料理が3割方美味くなるぞきっと。

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8/9(火)
両手でカリブ海
cover
Music Fuh Ya' (Music Para Tu)
Taj Mahal
1977

シリーズ「あんふぉげった房」

高校生の頃、何せ思い切り貧乏な小企業小倅だったもんで音楽に夢中になって聴こうにも先立つものが無し。まだ貸しレコードなんつう夢のようなもんも無かったのでどうするかと言えばバーゲン品を足で見つけることでした。よく行ってたのが横浜の岡田屋のすみやさん。今日も今日とて剣道部を胃が痛いなどと言ってさぼりバーゲン棚を漁ってたら登場がこのアルバムです。出たばっかりだとゆうのにさっそく穴を明けられて(これをカット盤と申す)980円で投売り。誰だろうタジさん。名前聴いたことある。ジャケ見たことある。買いだ。ってその程度で金無いくせに買うのかー。とにかく知らない音楽聴きたかったんです。できれば安く。今も変わってないやまったく。わくわく。帰って聴いて腰抜ける。こんなん聴いたこと無し。やた。マジな話、レコードからキンコロリンと音がぱっこぱっこ零れ落ちてきた。スティール・ドラム、サックス、ギターそして燻製みたいな声の歌。そんなん変わって無いよなバンド編成。なのに何でこんな新鮮なんだと頭から突っ込んでケツまでずっぽりです。いやもとにかくかっこいい。勇壮で。いなせで。粋で。大人だ。後から知ったこと。タジさん、両親がカリブ出身。ニューヨークのジャマイカン・コミュニティで生まれたそうです。音楽に夢中になりブルースでデビューしたものの体の奥に流れるキンコンカラリンの血。しかし自分の地のレコードを聴いてもわかるけど全身で入れないもどかしさ。俺の音楽は一体と、時にばっちりはまり時にやっちゃいながら少しづつ少しづつたぐり寄せていっての到達点がこのアルバムだったとゆうことらしく。これがオリジナリティとゆうものだ。カリブはカリブでもタジ・カリブだもんな。ぺろっと表だけ小器用にマネしてでの所業じゃないだけに空々しさ微塵も無く、遠く離れたポンニチのガキなんかもうイチコロですこんなん。ジャケで膝に抱えるは木のネックのナショナル・スティール・ギター。丸ホール。元来充分なアンプの無い時代に大きくスライド・ギターの音を聞かせる為出来たこのラッパ付の不思議な楽器をピックで普通に弾きます。出てくるはバンジョーともギターとも付かぬ金属だけどええもいわれぬ暖かい音。これをブルースでなくスティール・ドラムをお友達に。全曲名曲わらべ歌仕様。恋の歌に釣りの歌にトラック運ちゃんの歌に芸人の歌。とどめはラスト、インストのカリー。一晩どころか千年寝かせたみたいなまろーな音に極楽直行途中停車無し。これも間違いなく人生音楽ベスト3にまず上げちゃいま。試聴は外盤ワーナー時代のベスト盤で。ものは現在日本盤のみ発売。胸を張って世界にえばっていいと思います。ワーナー日本さんえらい!。

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8/10(水)
狭間に直立
cover
Standing on the Verge of Getting It On
Funkadelic
1974

シリーズ「FuNx」

暑い。まだ夏も導入だとゆうのに既にバテしてる人間に残された手はさらに熱いものを食して大汗かくことだ。そんな時に有用なのがこのファンカ・ドリンク。活動のヘソ期、オクスリの快楽にヘロヘロになりながらダウンすることも無く、筋肉に変える方法を開発、ぶっ飛ばしてるこの「大ノリの狭間に直立」アルバムを全身で浴びよう。ロックだ。黒いファンクの果てロック。まさにゼップフィジカルの反対側に直立している。同じ出発点からメキメキ育ったこちらは雑草のクソ強いクソロックくそ。ジミのヘンドクス氏はあちらに早く行き過ぎました。天井から歯軋りして悔しがっている模様。思わず霊体に変異してあちらこちらで影のギター弾いてます。この盤が世に出た74年はPの連隊にとって記念すべき年でした。満を持してパーラント名義でカサブランカと契約。うにゃうにゃ真っ黒ファンク陰謀本部はそちらに移動いたす。さーではファンカはどうするか。くたばることなくなおも元気溌剌な若い衆に思う存分やらしただよ。1曲目レッド・ホット・ママからして大爆発するのでお覚悟を。ネズミちゃんの怪しいささやきに導かれての大8ビート、リフぐご。鳴り響くディストーション・ギター。サビでキャット空中一回転。初めてでも一緒に絶叫いたします。2曲目、幻想のアリス。コピイコピイ。弾ける人は最初から最後までコピイしましょう。難しくないのでこのビッグリフは出来ます。これがまた気持ちよい&かっこいい。弾けない人はエアギターでも全く可。もしくは絶叫部に参加したまえ。黒かろうが白かろうが知らん。ロック。凄い形でしっかり見える。大爆発2連発後はまだまだ先は長し。クールダウン「アイル・ステイ」で。じっとりそれでもフィードバック・ギター鳴り響き、喫茶店の伴宙太は持っているコーラを握りつぶし手は血まみれになっている。明子姉ちゃんに「青春に安全な株は無い」と喝破され。そうゆう曲です。4.の「やらしい方法」はプリちゃんは既にここにいました。プリちゃんってぷっちんプリンじゃなくてプリンスちゃん。5.でLPではB面に突入。タイトル曲。全員横一列でラインダンスするドデカ・ロック&大ファンク。これも最初から最後までのリフをコピイコピイ。このキメをばっちりキメた時の快感って無いだろな。P−ファンクとは何をするのか。それを得るためには狭間に決然とおっ立って飛んでくる槍や鉄砲を全身で受けて遣り通すのだと宣言してます。6.は「ジミイは自分の中のちょっとしたオイタ心を獲得した」。天上から降りて来て一緒にギグってるジミさんをちくちくからかってる曲でござい。まだシンセ・びよーんする前の生ピアノでサイケするバーニーさん大活躍。そして最後「善行心、悪だくみ」。どうしたって目に浮かぶ暗闇の中で一人弾きまくるエディ・ヘイゼル兄貴のお姿。途中脇からクリントン爺が登場、寄り添うように妄想を歌う詩人の会する12分17秒。あっとゆうまです。通過点で無し、出発点でも有りこの時でなきゃ出来なかったこの大ロック・ファンカ。キメの一枚なのだ。

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8/11(木)
納涼2色祭
cover
Live From Planet Ska :
The Best Of British Ska Live
1998

シリーズ「新波倶楽部」

買い立ての時1回やらせていただきましたこのアルバム。聴きこんだ上、改めて廻させて頂きます決定版ですあの時代のやんちゃ記録。1980年前後に巻き起こったネオ・スカ・ムーブメントの4大バンドのライブをキラー曲ライブ余すことなく収録してます。モノホンのライブは別としてビニールで一番鬼気迫ってたのはスペシャルズのライブ・ミニ・アルバムでした。それに勝るとも劣らぬ演奏がテンコ盛りでよくぞ録って置いてくれましたこの形で出してくれました。ジャケでも気合表明、アパートの壁と高速道路橋梁に命がけ?の落書き敢行、こらー(^0^)。そりゃもとんでもなテンション。スカ自体は60’sからずっと愛し続けていた英国人、それでもあくまでも出はジャマイカでのお話で演るにしてもどこか洋服の上から背中を掻くみたいなとこがあったのではないかと想像いたす。そこに登場したのが70’s後半のパンク衝動で、どうしょもない追い詰められた生活に支えられた行き場の無いデカ・エナジーがここに注入されて蘇ったと。カビが生えかかってた音楽がビッカビカ、例え歓迎されざるやな動機でも心が入った喜びに満ち溢れてます。俺たちの音楽になって。当然一緒くたになって同じ場で演奏することも多く、お互い仲間で共鳴しそしてライバル心むき出しで俺たちの方が方がの、これぞムーブメントの素晴らしさ。全国夏の甲子園野球大会スカ英国大会と化す。登場した時から既に貫禄十分親分面のスペシャルズ、切れに切れてるセレクター、ここではスペシャルズと合体、スペシャル・ビートとして重さと疾走かますザ・ビート、ずるだぞ実は92年のライブだとゆうデブの味方、バッド・マナーズの大正テレビ寄席ライブ。3年あまりの間に力一杯やり抜けて見事に散りました。正にひと夏だけの輝きに満ち溢れてます。この中でテンション落ちずに現在まで残っているのはバッド・マナーズのみ。それはこの中で演奏動機がパンク衝動でなくデブ衝動であったからで、92年だからと言って怒るにあらずこの人たちは最初からずっとこんな楽しさでした。このネオ・スカ、音楽としてもたまらなく魅力的です。ですから今もあまたのバンドが後を継いで一つのジャンルとなっている。でもなー過激な無体なこと承知で言わせて頂けば、こりゃ受け継いではいかん。そのままでは。この連中はここで演る動機をてめえで見つけてのこの暴れ。ですからそれが無くなったらとっとと散った。後ろの連中はそれとは違う己で納得出来る何かを見つけねばならぬ。これはパンクにしろロックンロールにしろそうだと思うんだけど。結局音楽は演る前の何かでっかい塊が大切だと痛感。それが無けりゃ例え現在目の前でやってくれててもそれは既に風化したものかと。ジェイムス・ボンド、ラット・レースのとんでも無い演奏、心作って仏作った音楽は20年立とうが100年立とうがビビッドで血液がだくだく流れてるのが見えるぞ。

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8/12(金)
金色ホットケーキ
cover
Hotcakes & Outtakes:
30 Years of Little Feat
Little Feat
2000

シリーズ「the Fan」

2000年、20世紀の終わりに出ましたリトル・フィートの箱です。桑田氏じゃないけど愛しのフィート。聴いちゃったらあはあは言って聴くのみ。こればっかは無理して買っておいて良かったなあ。the FaNですからローウェル健在時のアルバムは全部持ってるけどそれでも持つ価値大有りです。こうして俯瞰してわかるいかにとんでもなバンドだったってこと。4枚目のアウトテイクでのこうだったのかの舞台裏覗き見、そして新たなミックス、ライノフォニックだって、えらい音です。クリアなのはもちろんそこに奥行きが加わったスリリングなもの。必殺ライブ盤コロンブスは従来CDと最新完全版の狭間に立つ第3のヴァージョン。まいうー。改めて感動いたすはスタジオ作のエバーグリーンぶりでして。なんつうか地味、ライブの勢いが出てない、つまり元気が無いとプレスでもずっと言われて来たし、正直私も最初の印象、コロンブスや実際のライブ、裏物体験でどっかでそう思って来たかも。でもそう思いながらずっと愛して来たんだよな。最近、これはローウェル氏の確信があってのその大人しミックスだったと実感する次第。ライブはライブじゃけ。フィートのライブは一期一会、毎回違う果し合いの様相です。それはその時間だけの勝負を心構えで望んできたと思い。その場で毎回違うながら掴んだ共通する何か、それをスタジオ作でど真ん中、削いで削いで作り上げたと感じてます。迫力、派手だけが音楽じゃ無し、クールホワイトな凄みを突き進んで。1stではそれはナタの切れ味、2ndではそれが戦場刀清竜刀に。そしてディキシー・チキン。それを一回溶鉱炉にぶち込んで溶かし今度はいつでもザックリ切れる怖さを持ちながら研いで研いでのニューオリンズ・ファンク獲得グルーヴ。スライド・ギターがタンポぽんぽんして刀から飛び散る水滴が焦げた粉飛び散るような軋み上げて唸る。静けさの中での呻きがたまりません。かっこ良くて。時間の経過と共に同じ音なのにどんどん光を増して輝いてくる。バンドはその光の怪しさにとりつかれて進む従者のようです。天国へ旅立つ直前、ダウン・オン・ザ・ファーム・アルバムではまたナタの切れ味音に戻る気配有り。バンドはそこを見て無くて。ソロにならざるを得なかった悲しさを感じ。そこではどんな音を出してくれたのでしょうか。果てはどこに。亡くしてみて改めてわかるあの光の眩しさ。いったんあっちへ行ったバンドがその亡霊に魅入られた再発進のその音には正直今になっても納得行きかねるものあり。納得したくてたまらないんだけど。このまま落ち着く道を歩いて行くのか。どうせなら涙を呑んで振り切って一旦行きかけたあっちの道を見てみたいです。リトル・フィートはチャート一筋野郎だった自分にそれ以外にもこんな素晴らしいロックがあったんだってもう実感させてくれた大切なバンドです。おかげで音楽生活が2倍以上の広がりを持てました。彼らがいなかったらこんなに深入りすることは無かったかも。今ももっと深入りしろってこの箱の中から手を振って誘ってるよ。喜んで中に入ります。ああ、何て気持ちいいんだ。私はこれでエア・ギターするんだよマーティさん。

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8/13(土)
悲しみのアヘインジェ
cover
Angie
Rolling Stones
1973

シリーズ「完璧なシングル」

今週の「完璧なシングル」は
「悲しみのアンジー/ローリング・ストーンズ」です。いつだってナウなバンド、ストーンズのヒットはいつだってその時のその時間も連れて来る。そして一緒にその時間の音楽も。連れて来るのはミッシェル・ポルナレフ、エルトン・ジョン「黄昏のレンガ路」、ジョン・レノン「マインド・ゲームス」、リンゴ・スター「想い出のフォトグラフ」、井上陽水「心もよう」。同じ香りが立ち上って来ます。ヨーロッパの香り。73年暮の出来事。それぞれの曲が、ポルさん井上さんは別にしてそれぞれのミュージシャンにとって特異なものに感じ。いきなりパリの石畳。どうしてなんでしょう。ポル氏の印象がそれだけ大きかったのかそれとも。怖かったです。この頃のストーンズ。何か得体の知れない人たちって感じだった。ロックってものも怖かったし。怖いだけに魅力的で見ちゃいけませんって指の間からそっと見る音楽の成人指定。アンジーはとりわけ美し過ぎてエロくって。いまだにギターがどうとかピアノがどうとか歌がどうとかって言うより丸ごとアンジーって聴こえて、それでもギターだ。イントロ。ジョワンじゃぞん。フランス語で鳴ってます。ミックさん歌う「アヘインジェ、あい〜んじぇ♪」。ANGIEのどのスペルにも載ってないあんじーをアヘインジェって歌えるのは悪魔ミックのみ。カバーしように無く孤高なり。すなわち完璧なシングル。どこから鳴り始めたかわからないほど自然の極みのニッキー・ホプキンス氏のピアノ。意識して聴いて驚嘆の一語。この間で入るとは。むー剣豪のつばぜり合いのようだ。一歩踏み出してのど元に突き一発。ミスター・エレガントの本領150%発揮しての蝶が羽ばたいてます。曲の間中。「♪ウイズ・ノー・ラビング〜」、無常の愛を吐露し始めると同時にリズム・セクション開始で寡黙に鳴り始めて次第に饒舌になっていくビル氏のベースはいくら鳴ってもうるさくなりません。何故ってそりゃビルさんだからだ。後ろでキース氏が一緒に歌ってるのが聴こえる。うおーって唸ってる。オフ・マイクで。カットしなかったジミーさん慧眼。ストリングスの入り方がまた。間奏前直前にすーっと。鳥肌立ちます。これ以上これ以下は考えられぬ厚さで。ダブルでミック氏が歌を入れている。すごいこれまたオフ。ダブルつうか全く違う歌で。エコーのように。先のはキース氏だと思い込んでます私。忘れちゃいけないチャーリーさんの見せ場。思わず出たすっと歌った「♪アンジイっ」の後のハイハット開き閉じ叩き。ぴし。あまりに見事なんでこのアンジーのプロモフィルム見ますと口パクだろうにミックさん、あんじーって歌ったあとそれを期待して瞬時に振り返ってキメるも、そこではチャーリーさんやらず。ニマって笑ってます。それが素敵。物凄いストーンズの風景だ。ラストもこの終わり方しか考えられず。多分です。全てがはまってしまっているのでご本人たちも再現不可能な世界かと思え。もしかしてとてつもなくこの曲が嫌いな人がいるかも。圧倒的な衝撃曲であります。

シングル盤ジャケ

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8/14(日)
突進ストーンズ
cover
Made in the Shade
The Rolling Stones
1975/6/6

シリーズ「石」

9月に新作「でっかいドカン」が出ますストーンズ。試聴した範囲では目指すはブギーへの回帰、この盤、メイド・イン・ザ・シェイド時代のようです。なんつっても元気無いすから今のロック。シーンで引っ張るサウンドが無いならそれに色目を使うことなく自身で引っ張って下さいまし。最強のサウンドで。で、その前にその時代を堪能。70’sに入ってイッツ・オンリー・ロックンロール(バット・アイ・ライク・イット)道を究めるまでの道程を納めたのがこのアルバム。ギターの相方は言わずと知れた貴公子ミック・テイラー氏だ。この時期と言えば最も素行評判が悪かった。オクスリのやり過ぎでキースさん、血を全部入れ替えただとかそしたら血が緑色だったとか山羊の頭を煮込んで喰ったとか悪魔と踊ったとかチャーリー氏まで化粧をしたとか日本へ入れないとか知名度の割にレコードが売れないとか周囲の顰蹙買い捲りながらなり切るアマチュアコピーの連中がなお一層評判落とすとか。今思うと何と美しいロック人の姿であったことか。音をこうして聴かば最強突進ブギー・バンドだ。目上たんこぶビートルズがいなくなったけん、やっぱどっかコンプレックスあった気があったけん、いなくなればこっちのもの。シーンも土の時代に入ったし、グラム?化粧対応はばっちり。土から悪魔好きファンタジーをプラスしてそのままぶっ飛ばしたぞ。結局は一本道、ごんごんヘソ下三寸に重心置いたブギ。ギターはギブソン・ハンバッカー。鉛を入れたズタ袋をぶんぶん振り回して聴くものに直撃しますとごーんと当たると最初はメリって言うくらいだけどその後、ぐごがぎぐびひでぶう、ぼかんと秘孔を突かれた、買った時点でお前は既に死んでいる。わー。シングル・ヒットが多かった訳では無かったんだよな。しかるにベスト盤なるこれのこの濃さ。7枚のアルバムを聴き倒した上ではこの10曲、何故にこの10曲つう重ささらにずしんと。どないなもんかとここからイッツ・オンリー道に入道せし者にはけっして抜け出せぬ魔術たーぷしかかった悪魔の招待状であるからしてジャケットでヘッドフォンしてくつろいでるかに見えるおねーたんは音のせいで金縛りにあってるでしょ。よく見ますと。そうゆうアルバムです。

曲目等詳細

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グッヅ

8/15(月)
うぎぎゃおう
cover
Scream Dream
Ted Nugent
1980

シリーズ「ヘビメタ虎の穴」

ど暑い夏を乗り切るにはど熱いどハードロックしかあらんじゃろがあとにょみーんと飛び出たテッド兄さん。80年作「絶叫ドリーム」です。ジャケ見て買った段階からだろなと覚悟はしてるものの聴いたら「何じゃこりゃあ」と絶叫すること請け合い。いつもより多く廻してるよ兄さーん。バラードなんつうまどろっこしいもんは皆無でっせ。ハナからテンション150%でぶっ飛ばすガンガンロックなのだ。曲は全曲最高。ポップって言ってもいいくらいキャッチー。なのにー。ワンゴタンゴって何なんだあ。何がいつもより多く廻してるって歌ですわ。どうしたんだこのおっさん。虫がきだしてるに間違いないわってこっちが絶叫するほど。身長4mの疳の虫にとりつかれて叫ぶ叫ぶしゃべくるしゃべくる。何そんなに言うことあるのー?しかも同時にこのギターだげに。ぐぎゃごぐぎろぐろーって押さえ過ぎてネックが粉砕されそうです。鉄壁のチームワークのバンド陣は冷徹にサポート、返ってそれが煽る煽る結果に。ギターの歪は控えめ、何ともはやいい音。昨今のデジタル・ディストーションぢゃ絶対出ない音だ。その上ぎゅっと全体にレンジをあえて狭くして窮屈な音にしてパンパンになって暑苦しさ倍増でまたその上にボーカルは何だろ歪ませてイコライジングしてるか尋常じゃ無い声だしまあ。男の子ってまったくしょうがないねえ。スタジオ作だもんなあ。よくスタジオでこのテンション出せるわ。こうなるともうへへえと土下座トゥゲザーするしかありません。絶叫神テッドさま。どうしました?あ、弾きすぎて両手がギターになっちまったのですね。それでそれを振り払うためにこのテンション。納得です。とにかく皆様聴いてみてください。これ以上のものはありません。断言。なんつってもやり尽くしたものは持つに値します。ただしお子様には触らせてはいけませぬ。あんた、こないに育ったらもう手が付けられないすよ。全くねえ。澄ましてればいい男なのに。額にYの字だよ。最高だよーテッド兄貴。

曲目等詳細

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