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今日の感謝盤一覧2005.9上

 

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9/1(木)
グルーヴィ
cover
Soul of Mann
Manfred Mann
1967

シリーズ「MANN」

気が付けばやばいですシリーズ。一時わーっと再発されてリマスターだ紙ジャケだーと宣伝もどわーっと有ったもののやれ欲しいと思った時は通常盤さえも見当たらず存在そのものが限定盤だったのかーつうものです。今なら何とか中古盤が手に入る。モノはマンフレッド・マンさん。元々人気が果たしてうにゃとゆう人達だけん一時騒いだくらいでどうにかなるもんじゃ無かったのかーとシャウト。私も欲しかった特にこの「ソウル・オブ・マン」。他のは何とか買うの間に合ったんだけど一番欲しかったこれがなかなか。先日偶然にも出会って飛び上がりました。はて昔はこの盤の存在すら知らず。それもそのはずで64年から3年間のEMI時代、ドゥ・ワ・ディディ・ディディとかのヒット連発、本国では人気者でしたけど最後に出たこの編集盤はちらっとしかチャートにも登場せずいわゆるレアモノとなっておったそうです。1曲除いてインストだ。内容は一言に色んな意味をぶち込んでの「グルーヴィ・ベーイベ」。映画オースティン・パワーズの世界で。オースティンさんが般若の面を被って踊りまくるハードコア・ブリティッシュ・ソウル・ジャズだぞ。元々ジャズ・コンボとして出発した人達だけにこれはお手の物。恐ろしくプロフェッショナルな音が聴ける。指令一下、しゃんしゃんしゃんと段取りをして実現不可能なミッションを額に汗一つかかず遂行、もし任務遂行中に貴君及び貴君の部下に生命の危険が訪れても当局は一切関知せずしゅわーの音楽。どんなネタでも握ってみやすぜ。ブルース。ほい。ジャズ。そりゃほい。流行歌。ほいほい。童謡。あほい。カルーセル巻き。何だこのやろー。ほそきかずこ。あんた呪われるよ。次郎さん。とびますとびます。てなもんだ。どれもこれも当方の過大な期待を裏切らぬかっこよさ。背筋にナイフの刃の戦慄が走る。ロック・ファンですから、引きはストーンズのサティスファクションだったりする訳でこれが凄いよ。テンポ100変化ジャンル3変化の代物。ベックとかゆう連中はこれを切ったり貼ったりしてやりおるけどここでは当然全人力の荒業、豪腕で2つのジャンルを反復横飛びしかも瞬間です。他にザ・フーのマイ・ジェネレーション、ヤードバーズのスティル・アイム・サッド。こちらは言われなくちゃ気付きもしない世界で。昔から思いも付かないアレンジを考え付く人だったのだなあ。ハイパー・センス男と改めて呼ばせていただきます。楽器ではもちろんマン御大のオルガンがもう、ぴゃあひゃらほわーきゅきゅきゅと鳴り渡り、好きな人なら失神必須。そしてまあ通常のロックバンドなら聴けぬヴィブラフォンの威力大。かんころりんとぬらりひょんも踊る。この雰囲気、経験してなくともあの噂に聞くスインギン・ロンドンかーと納得してしまう訳で、何でこんなイカしたジャンルつうか空気があっとゆうまに過ぎ去っちゃったのか。実に勿体無く。今こそ再び味わいつくすぞ。パロディの前にまずモノホンを。聴いて楽しさ1000倍増し。一応あまぞーんさんのリンク貼っておきましたけど街場でももし出会ったらお節介ですけんもう是非にと。60’Sに君臨した音楽の中でも稀有&絶品の代物だと確信いたします。形はジャズでもロック・スピリットとポップ魂溢れているのだ。

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9/2(金)
一生ビーチボーイズ
cover
Mouth Music
Chris White
1976

シリーズ「英国SSW」

一生をビーチ・ボーイズに捧げた英国のミュージシャンの76年のたった一枚のアルバムです。現在もファンジンの編集員をやってるつうからそれはもう筋金入り。わたしゃずっと失礼なことに元ゾンビーズの方だと勘違いしておりました。申し訳有りませぬ。全く別人28号で、同じくBBフリークのクリス・レインボウさんとももちろんイエスのクリスさんとホワイトさんとも別人さんです。76年の3月に唯一のシングルヒット、スパニッシュ・ワイン有り。まずそれを先行で聴いてぶっ飛びました。完全BBコーラス。ゲストで全協力かー。そして曲。あまりの天国振りに。時が止まるかのよう。アルバム入手で真相が。全部一人でやってたのこのコーラスを。あがが。とめどなく続く極上メロディに演奏、歌。相当戸惑います。何故この方がこないマイナーなのか。有り余る才能と情熱ながら少しづつ重なった不運でシーンからはみ出たのかあまりにも本人が真面目過ぎるのか、とても控えめな方らしくこのアルバムのCD化の為、日本のエル・レコードの方が交渉した際も「僕の盤なんかとてもとても・・・」とえらい難航したらしい。俺だったら二つ返事でお、お願いしますなんだけどなあ。彼の尊敬するブライアンさん同様、常に自分の音楽を必要としている人がいるのだろうかと自問されてる。ブライアン氏の苦悩も全てそこから始まっていると思われそこまで受け継いでしまっているとは。親父バンドでミック・ジャガーになりきってああ楽しいとの音楽とはえらい違い。比べるのも何だけど。そこが本当のプロ、人に音楽を伝えたいって楽しさと苦しみだと思います。しかも作った音楽が渾身の作。全身全霊で自身でもこれ以上のものは・・・ってのがまるで世の中に受け入れられなかった時には。それでもその音楽は残りとてつもなく素晴らしいものです。必ず支持する人がいる。銭金抜きで物凄い情熱で。何でスパニッシュ・ワインに続くシングルとこのアルバムがちっとも売れなかったのは全く不明。無名の人の盤を聴く時は大抵何かしら納得するもの有って、演奏は上手いけど曲がーとかまたその反対とか。でもこの方の場合は音楽でそのようなことは全くありません。花が無い。ってことか。性格が押しが無いってこと含めて。もしかすると一番の鍵かもしれんけど。なんつっても芸能界だから。音楽だけでは音楽の世界はいかんってどうしても納得出来ず。仕方ないよなって大人の割り切り出来ず。もし同じように納得できない方がおったらこのアルバムはとてつもない宝となると思います。30年前なんて時間なんてまるで問題にはならず。でもあれだ。こんな凄い才能の人がこれの世の中なら才能とても及ばない俺なんかとてもとても駄目だったのはしゃあないなあとも思い。多分小ロット生産の為日本盤もけっこうなお値段。私は幸運にして中古を安く買えたのですけど、出すんならご本人も安く気軽に聴いて貰えればと思ってると思うのだけど。場所によっては全く無名なんで売れずバカ安い値段で、別なところではマニアの垂涎盤としてバカ高くなっちゃってたりして。ここでも悶えちゃう。何かそれでいいのかって。そんなこと全く無関係で流れる素晴らしきこの音楽を聴きながら。最後のこれが未発表なのかとひたすら驚愕するラプスカリオンに打ち震えてます今日も。とことん好きなミュージシャンに対して音楽で私はこう感動しましたって表現出来る才能が羨ましい。そう表現出来る貴方の音楽の素晴らしさは文章では私はとても表現できません。ただただ感謝するしか。人生賭けてこの音楽を残してくれて本当にありがとう。ずっと聴かせていただきます。

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直接

9/3(土)
笑わせんな
cover
キャント・ゲット・イナッフ
バッド・カンパニー
1974

シリーズ「完璧なシングル」

今週の「完璧なシングル」は
「キャント・ゲット・イナッフ」、バッド・カンパニーです。
1974年ロック史に燦然と輝くアマチュアの友曲。イナフじゃありません、イナッフです。もちろんイノウグフでも無し。それじゃぶふって笑っちゃうす。コードは4つです。C、B♭、F、そしてG。歌の内容は「おいら満足できねえあれをもっとくれよベイベ」。準備は出来ましたでしょうか。まずはカウントです。1、2、、1,2,3どたん。じゃーん(C)じゃじゃっ(B♭)じゃーん(F)じゃっぞー(B♭F)、はいもう1回、じゃーん、じゃじゃぞっぞー、じゃぞー。歌!C、B♭、F、B♭。テンポはミドル・シャッフル。コードは同じ。展開、カマンカマンカマン&ドゥイットではGへ一瞬、Cへ、F、D♯、C、あ、コード5つだ、サビはC、B♭、Fをうんちゃらうんちゃらとやっておくんなまし。きゃ出来る出来る。問題はフル・コードでございまするが何も全部ぐわしと抑えなくとも良し。この音抜いたらわからんつうギリギリのとこだけ抑えましょ。あかんどうしてもあかんでけんとロー・コードに退避するのだけは禁止。もちろんカポも。そないなことなされば一瞬にしてボブで乱になってしまうだに。ハードロックではこのようなフルコード、ボトムだけはぐわしをパワーコードと呼んでおります。いやかっこいい。パワーです力(ちから)。ロック・バンドのデビュー・シングルかく有るべき。正しく第一歩の曲でござるわ。フリー、モット・ザ・フープル、キング・クリムゾンと居並ぶ代官、百姓衆総出でへへぇと土下座するスウパアなバンドの出身者が打ち揃って集結のこのバアアッド・カンパニー。それらを全て抱えた上で全てを清流に流し苔むす石となりました。水澄み既に消え去りし情念の嵐。じっと座禅の78時間。煩悩の果てに見えましたのは3つの響き。それはブルース基本3コード。時をさかのぼるべく通常のさかさまで進行します。歌はつまるところシャッフルだなやと確信しての歩いて歩いてずんずんベース・ギター上に鎮座まし。そして何を歌いたいかよーく考えてみたら結局自分の人生はスケベだつうことを開眼した訳だ。こらー。しかもどうか一つと土下座までしてお願いしておる。恥はもう捨てたけんのう。こんな訳ですから1番だけで意思は充分に伝わる訳です。しかし2番の出だしは「リッスン!」。そして2番では全く同じ事を懇願します。けものです。この物凄い上手い歌い方で。さすがに少し恥ずかしくなったかギター・ソロ直前で叫ぶ。「笑わせんな!」。つい生まれ故郷の日本語が出てしまった。ギター・ソロは・・・おお、トゥイン・リードだ。バックではコード鳴ってる。二人しかギターいないのに。何故だ不思議だ。ライブではスカスカになってしまうぞ。とうろたえるのは止めにして是非友達を呼んできて二人でやってね。ギター弾けなくてもOK。仲良く二人で音を拾いましょう。ここの表現はつれなくあしらう相手側の様子を表していますので思いっきりてろりんとお願いします。ベースはおでんのがんもどきを頬張るように。ですからー。こんなにお願いしてるのに全然相手にしてくれないのでここからは心は泣いても表向きはクールにさらにお願いしましょう。「ジス・ワン!」。とえばるのもどうか忘れずに。シングル・ヴァージョンでは何とここからのギター・ソロ最も盛り上がる場所でフェイド・アウトしてしまいます。そりゃ無いぜよ。急いでアルバムを買いに走りましょう。まだ間に合う。続きだ。もうちょっとお願い。最後はそりゃもシャウトとなるわけです。でも最後は「しつこい!」と言われて去られてしまいました。「あー、ああぁ。」。万感の気持ちを込めて。
B面はアルバム未収録のまるでリトル・フィートな曲。
90度左に回転するのが正しい向きでは無いかと思ってしまうジャケをも含めて含めて完璧なシングルです。ジス・ワン。

シングル盤ジャケ

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9/4(日)
荒廃の街角
cover
Desolation Boulevard(US)
Sweet
1974

シリーズ「GLAM!」

75年の8月1週が始まりでした。シングル「ロックン・ロールが恋狂い」が全米TOP40に登場。12週かけて最高位5位まで到達します。この73年グラム真っ盛りの最中に本国英国で大ヒットした曲が忽然と大陸に上陸したのには訳が有り。74年一杯でそのグラムが集結、ああ暇だ、つうことでは無いだろうけど有るか、次の目標はアメリカじゃいとバンドは40都市に渡る全米ツアーを敢行いたしました。72年にリトル・ウイリーのヒットがありますんで下地が無いわけでは無し、しかも稀に見るライブ巧者、演奏の上手さは鉄壁ですから、見た人はみんなKO、ヤンキーはグラム何だか嫌いだけど関係者一同にグラミイなバンドだっつうこと固く口止めしてたんで(ほんとか)そりゃも大成功です。その結果がチャート登場つう。何しろ大陸は広いですからただいい音楽をやってるだけでは全米規模のヒットにはなりえず。そこは地味だけど知ってもらう為に一人一人に向けたアプローチが必要なのだ。ツアー会場で手売りする為のアルバムがこのデソレイション・ブールバードです。UK盤とは曲目変えて先の「恋狂い」収録。ライブ映えのするど派手なやつばっか勢揃い。稀に見るバラードが似合わないバンドなんでそれは無し。それになんつってもツアー後にチャートで大爆発する為の完璧なシングル「フォックス・オン・ザ・ラン」入りなのだ。前半は英国での成功の立役者、チャップマン=チンの作曲家チームの曲が5曲並び。グラミイなバンドつうても本人たちはハードロック、特にパープルさんが大好きな模様でしてやりたいやりたいあまり言うもんだからチニチャプさんもそれに答えて作ってくれてます。でもアホ入りなので本人たちはちょっと不満そう。とは言ってもえりゃあ真面目なんで120%力入れてやっとるで。ナウ・ユー・ドントとACDCは前作アルバム「スイート・ファニー・アダムス」からのスライド登板、恋狂いと初恋の16才はシングルからです。そして6からはバンドの自作曲で勝負。これも6.8.9.は前作からのスライド。ってほんとまるで雨天中止、もう一日投げ込んで勝負カードなんで再び登板みたいなアルバムだ。自作曲は・・・曲としては・・・・ちょっとあれかもしれませぬ。演奏能力抜群ながら曲が自分たちで思うように作れない。それで成功に時間がかかっちゃった人たちですから。それでも必死に作っては破り作っては破りした痕跡純分に伺われ。チニ=チャプつう稀に見るキャッチー作曲家と直接比べられちゃうんだからさらに苦悩は思い図られ。自分達でも出来のいかんははっきりわかるでしょうし。でも人は挑戦せねば何事もなしえず。ついに出来たよ飛び切りのやつが。それが「フォックス・オン・ザ・ラン」。手探りで求めていたものがガチっと全て噛み合ったこの曲、聴くとほっとして安心したりして。そんな凸と凹がとてつもなく魅力なアルバムです。こないだ出た1stとこれを聴けば貴方もすっかりスイートの虜でございます。

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9/5(月)
メトロ防衛隊
cover
Live! In the Air Age
Be Bop Deluxe
1977

シリーズ「GLAM!」

ビバップ・デラックス。ギタリスト、ビル・ネルソン氏率いるポストグラム期に登場した英国のバンドです。このアルバムは77年春のUKツアーのライブ盤。どないなバンドかつうとご覧の通りジャケはサイレントのドイツSF映画「メトロポリス」のそりゃもうかっこええ。アナログではA面とD面が通常のLP仕様、B面とC面がEPと称されてそれぞれ1曲、2曲やけに溝の間隔が広い代物でライブはライブなんだけど最後の歓声にエフェクトかけられてギョワーン。私なんかEPつうから45回転でかけちゃって30秒くらい気付かなかったりして。そんなバンドです。・・・って訳わからん。編成はトッド長い顔氏のユートピアと同じ。アレンジの感覚も似てる。音楽がリトルフィート思い出し。余裕の気持ち良いわーのヴォーカルに乗って緩いくせにギンギンに張り詰めた演奏が。この編成つうとロリーのギャラガーさんも思い出します。ビル氏のギター・スタイルが共通するわ。音楽はまるで共通せず。同じ楽器使って同じ編成でこれだけ違う。ロックって滅茶苦茶面白くだから止められません。で、どんなバンドなんだ。ファンキーだけど物凄い英国、SFだけど呑気、呑気だけど鬼気迫る、ポップだけどちいとも曲が覚えられない。結局訳わかりません。その訳のわからなさが最大の魅力かと。もちろんわからねーとか言ってるのはこっちだけで、やってるバンドはもの凄くわかってます。練りに練られたアレンジを構築、ライブで何も無いところに音を立ち上げてカチカチッってはめ合わせて見事にはまって行く快感が。はまって行くうちにバンドも予想しないマジックが降って来てこの音となり。最初は何だこりゃと当惑するも何かあり何か有りと気になってしょうがなく、繰り返し聴いていく内にバチっとはまる瞬間到来。来たら最後、夢中になって一にビバップ、2にビバぷ、3,4が無くていらっしゃああいってことになってしまうそれがビバップ・デラックス。来るまで聴かなかったら棚の花。えらく敷居の高い難攻不落ロックの称号を是非授与させてください。そうゆうとこもリトル・フィートに酷似。元来ケチな私はこうゆうスルメ音楽が大好きです。値段の100倍楽しめちゃうもんね。もちろん、そうゆう意味でアクの塊ですから、まるで合わない可能性も大有りだ。アヴァンギャルドでもPOPでもネタ割れで口触りの良い21世紀に突き付けられた70’sのとんでもロック。買わなきゃ宝くじも馬券も当たりません。大穴当たるって相当快感です。

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9/6(火)
砂浜と大都会
cover
Kalapana
Kalapana
1975

シリーズ「うえす塔こうす塔」

1972年に結成、ハワイの美しい海岸の通称からバンド名、付けられたとゆうカラパナの75年の1stアルバムです。当時「サーフ・ロック」つう呼称で忽然と現れて一世を風靡いたしました。昨日やらせていただいたビバップ・デラックスみたいに言ってみれば聴きにくい孤高な音楽も難攻不落ですけど、逆にここまで耳触りが良くてしかもブーム付となりますと逆に入りにくかったりして。実際、当時は私、ワイハにもサーフィンにもまるっきし縁が無い若者でしたんで(あ、今もか)何だこの軟弱野郎とか言ってツェッペリンを聴く。イーグルスみたいにアウトローでも無かったし。先週手に入れまして30年後の今、勝手に邪険にしてすまなかったようと聴き惚れています。ハワイと申しますと、えー正月の芸能人、おみやげマカデミア・ナッツ、ハワイアン・バンド、ライ・クーダー博士の鳥肌アルバム、スラックキイ・ギター、ワイルド・サモアンズ、プリンス・トンガ、キング・カメハメハなどとゆうイメージが点のように浮かんでしかし線でちいとも結ばれず。名前だけは熱海並みに親しみやすい存在なんだけど、面白いとこなのかワイハ。しかも泳げないつう身なのでますますわからん。わからんが音楽ならわかるぞ。演奏、歌がもう滅茶苦茶上手いっす。すらすらすらーっと8部所の力で難無く進みの。このデビュー前に相当のライブこなしての満を持してのものだったことは否応無しに実感でき。観光客相手のレストランとかで演奏しつくたのでしょうか。そうゆうところでオリジナルで客を喜ばせるってえらい難儀なことだったかと。好きだからってアヴァンギャルドなんてやることは夢にも思わなかったろうなあ。音楽やって喰う為にはまず喜んで貰ってそれから自分達のやりたいことをって生活感が溢れているところがまずたまらなく魅力的です。客は恐ろしくお洒落な外観のこれ聴いてバカーンス気分、リッチな人はバンドマンなんて屁とも意識せず、一生に一度の海外旅行かもつう人には好奇の目で見られの中での音楽人生詰まってて。まあこれも勝手なこっちの思い込みかもしれませぬが。そのどっかださい垢抜けなさがたまらぬ音楽の愛情で今となってようやく染みる。音楽は「サーフ・ロック」つうのに、ウエストコースト入っておらん気がしたりしてびっくり。ドゥービーさんのファンキイなとこはありだけど。直系の先祖はあの大好きなオーツ&ホールのアバンダンド・ランチョネットじゃないかと思いました。その中の「ホエン・ザ・モーニング・カムズ」がまんまカバーされてます。東海岸のフィリー・ソウルの翻訳音楽とのシンパシー。ホワイティに対する複雑な感情、かといってブラックでは無いって気持ちの帰結がそこだったのでしょうか。地理的にははるか遠く、しかも気候も多分大違いの音楽が結びついてしかも南国音楽にもう聴こえるなんて。マジック。で、ハワイ=サーフィンのイメージだけで「サーフ・ロック」か。それで通っちゃったのもマジックだな。などと思いながら、やっぱどっか常磐ハワイアン・センターなとこに強く惹かれて今日も聴く。夢のように素敵曲「ナチュラリー」、いやもう全部。こうなったらセシリオ&カポノさんにも出会わないかな。夏はもう終わっちゃうけど。誰もいなくなった砂浜を眺めるっていいすね。

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9/7(水)
キュウティ・ハニ
cover
Honey
The Ohio Players
1975

シリーズ「FuNx」

誰にも尊敬されることも無く褒められることも無い芸能ファンク道をやおーっと突っ走って来たオハイオズ、75年の頂点アルバムがこの「ハニー」です。全7曲。うちシングル・ヒット3曲、うち全米1位1曲つう大お得盤だ。たった7曲?総時間31分あまりつうCD時代には考えられません収録時間でござる。短いのか。うんにゃこれがこれがお腹一杯になります。そりゃもう濃いからやう。ジャケでハニー大瓶抱えてどたーっと飲んでおりますおねーさま。全裸蜂蜜。風邪ひくぞ。山田蜂園製アカシア100%。病中病後ピロリ菌もぴろぴろ撲滅するつう強力モノ。こんなん30分以上飲み続けたら効き過ぎてへろりんさんになってしまうよ。歌う世界は生涯一本。人類繁殖計画です。オハイオ変態クラブ。歩く生殖器サナダ虫。と後ろ指指され隊だわりーか。その昔、フーチークーチーの時代から猥歌歌ってぎゃははと笑って辛い浮世を渡ります全世界の労働者味方がソウルじゃけに。正に王道です。どうやったらスケベ効果が最大になるかを修行した結果をさあ皆さん聴いてみましょう。1曲目ハニー。じらします。濃厚なラブバラードで。まずは口説かなければことは始まらぬとばかりに褒める褒める。♪母なる大地があなたを生みました。朝日のような微笑です素敵ですハニー。だっこしてー。蜂みたいに刺してー。ちくんと。なんて歌うとハニーフラッシュ!って言って変身してくれるのかいな。ムード第一。洗練された音ながら時折見せる本性のゲロゲロ声がたまりません。で2.フォップ。全米1位獲得したこの後に出て来ますラーブ・ローラコースターのあとリリースされたヘヴィファンク。歌うは♪昨日の夜も一昨日の夜もフォップしました。外でもフォップしました。家でもフォップしました。激しくしました。誰も止められません。3日間フォップしたら靴がどっか行ってしまいました。正しくフォップしました。xxxx。といったことを容赦無い辛口dファンクで歌います。まったくもう(^0^)。ファンクとは何だと問われればわたしゃこれですどうぞフォップして下さい。こんなにフォップしたんだからもういいだろうと思うんですが3.は「恋をしましょう」。再び大バラード。同じラブでもジョンちゃんとはえらい違いだ。ひたすら口説く5分間。コーラスが白眉です。大笑い確実。行っちゃってます。こんなに口説いたのにどうやら振られたようで4.は「全く諦めません」つう己鼓舞ファンク。約1分間で立ち直る男。それはシュガーフット。そして5.。クライマックスのオハイオズ史上最もセクシイかつ美しい曲、スイート・スティッキイ・シング。このグルーヴ、メロウさはAJAダンに匹敵し。サッチさんのサックス名演です。こんなに美しいのに歌うは♪とっても甘いねばねばするもの。ほら見て。ほら。わお。凄い。とか。しょうが無いなあ。後半にシュガーフットさんの尋常じゃないギターソロあり。そして5.は代表曲ラーブ・ローラコースターいよいよ登場。これはもう完璧なシングルですんで。週末にまた今度行かせて貰います。ですからこれ1曲だけ目的でも充分に可。ラストです。あんまりスケベ全開するもんだから周囲に存在する全女性に振られてしまいました。「アローン」。これがまたえらい可哀相で。本当に反省してるんだか怪しいだけんど。まあ最後の手段は泣きかよ。一説では石田ジュンイチさんのバイブルと言われてますこのハニー、英語わかったらまあ家族の前では聴けません。わからないから日本人は便利。でも音楽自体がスケベだからなあ。やっぱ駄目か。

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9/8(木)
10年後
cover
Fireball Zone
Ric Ocasek
1990/11

シリーズ「新波倶楽部」

すっかり日の落ちるのが早くなってうら悲しい今日この頃、やけに万感迫るアルバムを買ってしまいました。元カーズのハエ男リック・オケイセック氏の3rdソロ・アルバム「ファイアボール・ゾーン」。前に2ndを買ったのは発売当時86年だからえらい久しぶりになってしまった。あんなに感動したのに話題を聞かなくなると忘れてしまうとはまこと勝手しちゃって&申し訳なく。制作はリックさん本人となんと元シックのナイル・ロジャースさん。なんつう組み合わせだ。ちょっと想像出来ず、しかし聴いてみたら目から鱗がバリバリ剥がれ落ちました。全編何も変わらぬリックさん音楽です。あのカエル声であのキャッチーな曲が次々と登場。そしてナイル氏の音。あのレッツ・ダンスとマドンナのビッグ・ビート。気が付けばちゃんと鳴ってる。思い起こすにお互い70’s後半同じ時代に頭角を現して活躍したライバル通し。全く畑が違ってシンクロすることなど当時は考えられず。その後、ナイルさんはプロデューサーで一世を風靡してリック兄貴は貧乏でカーズ解散とか信じられない噂の後、ソロ街道に。これ解散後の初レコードなんだよな。そこでお二人で仕事。ナイル氏サウンドも今は昔になってしまった頃。遠くは無いか。パワー・ステーションが85年だから。近いだけにやけに古く印象があった時だ。だから商売的には全く有利なんてことは無くて。それでも組む必要があった。そんな音楽です。派手な80’sサウンドの寵児だったけど自分たちの音楽はそんなヤワなもんでは無いと証明する為に。全然気張りつうものは無く。老成してるってのとも違うな。静かにじっとこの時の自分を見つめているって感じ。ロック・ミュージシャンってなかなかうまく歳を取るって難しいかもしれません。渋い路線に早突入しちまうのも悲しさ充満ですし、かといって張り切って若音楽だんねんっててのもそれよか悲しい。シーンから一歩退いた時、こうやってじっくりアルバムを作れたのは幸運なのかもしれませぬ。それはリック兄貴の揺るがぬ音楽情熱の賜物でも有り。聴いててじわじわじわじわ否応無しに伝わってきます。この4年後にウィザーのプロデューサーとしてシーン表舞台に復活。こんな腰の据わった音楽人に助言を受けられた彼らは何と幸運なことか。歌う以外はほとんど口をきかないで静かな男では無いかと思います。気が付いたらそっとそばから離れていなくなってしまいそうだからこちらから迎えにいかなくては。9月27日に新譜「ネクスターデイ」が出る。

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9/9(金)
時の旅人
cover
Time Passages
Al Stewart
1978

シリーズ「英国SSW」

タイム・パッセージス。アラン・パーソンズ監督アル・スチュアート主演音楽でやる映画大ヒット・シリーズの第2弾です。柳の下の2匹目のどぜう、手口が全く同じやんかなんつうわかったようなことを申す方は無理に聴いて貰わなくていいもん。この稀に見るベスト相性のコンビ作が1回の邂逅で終わってしまうなんて勿体無さ過ぎます。完全に音楽のツボを見つけた両者がお送りする珠玉の曲郡、出て来る曲出て来る曲瞳孔が開きっぱなしになるのだ。曲の素敵さ歌の味わい深さもさることながらアレンジって凄いよな。ここまで音で想像力膨らませてくれるなんて。前作大ヒット「イヤー・オブ・ザ・キャット」に続くタイトル曲「タイム・パッセージス」はこれはもうまたまたキラーです。今度完璧なシングルで讃えさせていただければ。他もよくてよくて一つ一つ突っ込ませていただいたら三日三晩じゃすみません。もしまだの方がおられましたらご自身で是非経験して下さい。特に好きなのがラストの「エンド・オブ・ザ・デイ」。このイントロのアコ・ギターの美しさと来たら。言葉失うほどで。言葉失っていたら出て来るアルさんの歌。これは和歌です。簡潔にして詩情。さっと風のように吹いてきて去っていく。この終わり方の余情と来たらもう。かなりセンチメンタルな音楽です。しかしけっしてベタベタしておらず。それはアル氏の何てたって貴族さんですから、高潔さつうか気品つうかそうゆうのもありますが、これは製作者全員の音楽に対するプライドも有るかと。聴く側への信頼も。泣かせるツボはわかってるけどそこを裸にして見せたら下品だ俺は嫌だ貴方も嫌だろうと。まあもう一つ重要な理由もあります。MTV以前はアメリカでヒット曲を聴くのはラジオが主流でした。しかも広いですからアメリカ。ラジオだけで全土に広がるのには1月2月平気でかかったりします。ですからこってこてな出来にしちまうと最初の喰い付きは良いけど5回も聴けば飽きちゃいますからとてもとても評判を得ることなど不可能。しいてはヒットせずレコードも生産されず聴ける人も聴けなくなっちゃう。奥の深い何十回の聴きに耐え得るタフな音楽を作らざるを得ないと。みんながそうするから次の人は益々タフになるって素晴らしい好循環が生まれたのが70’sでした。これが崩れたのが「ビデオ・キル・ざ・レディオ・スター」って訳でMTVのおかげ。同時に全土に広がる映像。インパクト合戦になり音楽もそれにふさわしいものに。パンドラの箱開けちゃったらもう止まらずこれでもかとツボ裸合戦でまあ、笑ってるうちは良かったんだけどねえ。今度は悪循環に突入しちゃって。チャートが死んで今度はそれでもプライドを持つ続けている信頼するに足る人々を自分で探すってことになったと思うんですけどどうでしょうか。このアルバムが出た78年はその境目、プライドの音楽が一番充実してた最後の時代です。再びそうなればこんな素敵なことはないけど。今となってはかけがえの無く四の五も言わずとにかく大切にしたく。こんな清楚な音楽が大ヒットしてたんですわ。信じられますかいな。ヒプノシスのジャケットごとく部屋の中から見える広大な風景。裂け目から永遠の時に突入して宝物となります。撮影監督は弦名人アンドリュー・パウエル氏。バックはアラン・パーソンズ・オールスターズ。中にはアート・トリップ3世なんつう嬉しい名前も。ザッパ・マザースのあの方だ。

曲目等詳細

試聴はここで

9/10(土)
レディオ
cover
Transmission
Joy Division
1980/12

シリーズ「完璧なシングル」

今週の「完璧なシングル」は
「トランスミッション」、ジョイ・ディビジョンです。
初の12インチ盤。12インチシングル界でも燦然と輝く名盤、そして世界暗闇舞踏愛好同盟の同盟歌でもあるとゆう。世にゆうジョイ・ディビジョン3大シングルのトドメの一発です。初めにまずシングルでした。JDは。遥か英国から次から次へと登場する刺激的バンドに耳がくらくらしていた頃、どこからかテープで伝播された無茶苦茶音の悪い「シーズ・ロスト・コントロール」曲。うお何だこれはと言うしかありませんインパクトもので。続いては「ラブ・ウイル・ティア・アス・アパート」曲。これまた衝撃。別な。鬼なのに何でこんな美しいのだと。これは只事じゃ無いぞと慌てる。しかももう1曲すげーのがあるとの噂を聞きつけ走り回る輸入盤屋さんハシゴだ。無くて無くて、どこだったかついに発見するはこれです。まったくもう見つけにくいったらありゃしない。ジャケットのどこにも曲名も、バンド名すら書いてません。背にも。嬉しくてどこで買ったかも値段がいくらだったかも覚えてないよ。とにかくわくわくつうかそわそわつうか体中で暗灰色のファイアが燃えてうごうご、何かしなけりゃ落ち着かないつう時間連続の時でした。で、飛んで帰って針落とし。湧き上がる絶望音淡雪みたいなシンセ、ピックでガリゴリ追い越し車線に最初からいるベースが。音は2音。ドラムがフィルイン。ズンタズンタズンタ・ズタズタ。これがJDオハコのオリジナル・ビートだ。疳の虫みたいな歪のギター。そして一発目。歌の入り口、「レディオウ」の声で決まってしまいます。終わり。・・・終わってしまった。えー、何が決まったかとゆうとえー、声です。だから「レディオウ」の。ここで決まってしまい歌詞は「送信機からのレディオウ」と「レディオウにダンス」しか耳に入らず。コードは二つ。驚くことにベースはずっとイントロの二つ音だけ。展開無し。途中から小人が3人参加してうしろで赤・黄・緑のソロバンをかき混ぜる音が乱入、祭を煽る。何がってとにかく踊る。ラジオで。カラータイマーが点滅して3分間の地球で活動できる時間が終了したかのようにテンポダウン。不満足そうな小人Aの顔がどアップになって終了。そうゆうシングルです。制作は最早バンド4人目のメンバー、マーティン・ハネット氏。誰にも真似出来ぬ残響音を口から出せる男。だし汁はドラムのハイハット。この躍動感の極秘事項で、噂でこれは64ビートだいや32ビートだ人間が叩けるはずが無い悪魔だ天使だとえらいことに。秘密を探るべく33回転で聴く。そしたら暗闇15倍になってのけぞる。ハイハットそっちのけでこれにはまった人もおるつう話も。実際は16ビートだよな。でも聴こえない音が聞こえるんです。聴くことが出来たライブの音ではこれは悲惨な状況に当然なってる。どうしてこの時出来たか。やっぱ何か憑依してたんだな。たったこれだけでこれが出来るのかと私は作曲を始めました。沢山出来た(^0^)。出来たけど・・・になりましたのはこれまた当然。何が何でこうなるのかを探してその後10年間彷徨っちゃったよ。結局ここでしか見つからなかったけど。責任取ってくれ。でも仕方ないか本人たちもここでしか見つからなかったし。B面はこれがメタル。タイトルは「ノベルティ」。ヒットは・・・・しませんでした。多分全英最高位56位くらい。しかし音を浴びたものには。脳の右上8cmくらいのところでずっとあの声と音が鳴り続けることになるのだ。

シングル盤ジャケ

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9/11(日)
エルコンドルパサー
cover
Bridge Over Troubled Water
Simon & Garfunkel
1970/2

シリーズ「あんふぉーげった房」

夏場に絶大な威力を発揮いたしますのが「とりあえずビール」。多少涼しくなってもううっかり言っちまっても少し気の利いたもん頼めば良かったかなと思いながらいざ出てきてぷはーとしますと、ああ、やっぱりうめえなあ。などと思うのがレコードにもあります。世に定番と申すミュージシャン。けっこう聴いた気になっちゃってる時あり。ビートルズと並んで教科書でもOK、NHKでもOKなサイモンとガーファンクル。さらにとどめ曲「明日に架ける橋」入りのこのとどめアルバムやっぱ喰ろうてみると美味えよう。悔しいけど。だいたいは嫌いなんだべさレット・イット・ビーと並んで思いっきり盛り上がる「明日に〜」は。嫌いなのに聴くといいなあと思ってしまうのは如何に。コーーンつうど派手打撃音。バリーのマニロウさんに受け継がれたこれ。入れるべきか入れざるべきか最後まで逡巡したかも。感動弦と共に。入れたからキラーになったんだな。やはり。元々恥ずかしいの塊、何でショウビジネスに?のお二人。だっつうのは本人たちも自覚してるのか。バックは煽り気味に熱くなってるかと。今聴くと暖かい冷やし中華(ひどい例え)が何故か美味いみたいな不思議な感触あります。独立したがってる風なアートさんにこれ以上無い贈り物になって立場が逆転してしまったつう恐ろしい曲にも。これに続くのが「コンドルは飛んで行く」ってのもえれいこと。ペルーはインカのヤラビつう音楽を元にアロミアス・ロビレスって方が作ったインストに歌詞を付けて歌うた。私はどうしても名馬エルコンドルパサー思い出し凱旋門賞悔しいとなり、「つまらない毎日をー」つう凄い歌詞付いた日本語版思い出しだりして。これに続くのが「セシリア」つうのも。無条件で好きです。スカっぽいんだけどモロにスカにするとすかすかになってしまう微妙なリズム。アルタナティブなアレンジだと思う。4.ご機嫌いかが。ルーツに帰ろう曲がこの盤のあちこちに混ざりよります。世の空気と気分はこの浮世離れコンビにも無縁では有り得ず。ルーツはエバリー兄弟。A面最後はちょっと突付けば壊れそうな美曲、フランク・ロイド・ライトに捧げる歌。ライトさんは昔の帝国ホテルも設計なさったつう伝説の建築家です。雪が降ります街並みを歩いていたら傍らに、建っております立派な建物。寒いけど縁が無いので入れません。の趣を醸し出すいとあわれ。ひっくり返してB面はキラー、ザ・ボクサー。68年の夏から12月まで録音にかかったと聞きます。バックはナッシュビルで録り歌はNYセントポール教会とコロンビアのスタジオ。成功した者だからこそのこの完璧主義。打ち破れたボクサー音楽家に対する礼儀かと。どこが満足できなかったかは本人たちしか知らず。ここでも登場打撃音A。これもきわきわだけど。入ってこそボクサーがボクサーになったのだから。7.ベイビー・ドライバーはルーツに帰ろうアコロックンロール。ネズミ声炸裂はトムとジェリーですからオハコかと。でかい歌の後の小唄が素敵。8.ニューヨークの少年。絶頂期の音楽屋しか出来ません魅力のメロディ。炸裂するハル・ブレイン節のドラムで目が覚めた。カリブ海のザ・バンドみたいな9.「手紙が欲しい」。曲がらない曲がいいよなあ上手いよなあサイモンさん。10.はこれはやりたかったはまり過ぎエバリー兄弟の「バイバイラブ」。本物ライブつうより擬似ぽいのが非現実感煽ってノスタルジアかく有るべきかとも思います。ラストはそっとお送りする求められましたら求められる歌を歌いたいですとゆう歌。最もその逆の感情も大いにありでしょう。控えめだけど厚かましくクールだけど激情込み、恥ずかしがりやなくせに出たがりつうポップスの魅力は矛盾ですと実感しました。物凄く音楽がアナログ。だから永遠となる。

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9/12(月)
スタートしません
cover
Miscellaneous T
They Might Be Giants
1991/7

シリーズ「from 80's」

80’s中盤からのバンドで大好きなのがキャンパー・バン・ベートーベンとこのゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツです。共に理屈抜き、例えば10代にオーリアンズ聴いてああいいなあとうっとり音楽に浸浸になれる感触を味あわせてくれて。このTMBG、メンバーは歌とギターのジョン・フランズバーグ君と歌とアコーディオン他のジョン・リンネル君のお二人ジョンズ。デビューは86年のバンド名アルバムから。この盤は初期のシングルB面を集めて再び混ぜたものです。B面だからつうて侮る無かれ。何とまあ楽しく極上音楽が溢れてるのだ。物凄く多作な方たちでして一時は毎日1曲づつ作って専用電話にかけるとそれを聴けるつう話聞いたことあり。もしレイ・デイビス氏とフランク・ザッパ氏がこの時代に生まれて二人でバンドを組んだらこんな風にしたんじゃないかと思います。バンドの有り方は日本全国酒飲音頭のバラク〜ダのように。ジョナサン・リッチマンちゃんも入ってる。とぼけててユーモラス。XTCのママーのあの感じも。人肌のクリスマス・プレゼントのような。日常で触れる音楽の数々をおもしれーおもしれーと次々ネタでかまし、バッチリはまってて、それでいてテンパってる感じも無くてスキも大有りてんだから正にツボです。今でも私が音楽どんどん作る生活出来たとしたらこんな風に出来たらつう理想形だよな。いいよなあ。もちろんこの人たちはこれだけ才能があるから出来てるんだけんど。B面つうことでより一層自由闊達に遊んでます。ネタ元がわかるものもあり。と言ってもこれがまた巧妙で、あ、このフレーズどっかで聞いたことがあるよと思ってもなかなか出てこん。4.のワールズ・アドレスのサンプリング。これ何だったろう。もうちょっとで思い出すんだけどくー。悔しいぞこのー。曲全体もそのサンプル取り元のやつをキャット空中三回転させたものと、そこまでわかりながら出て来ないとは。やられた。全部が全部B面曲では無いようです。シングルのみリリースの名曲もあり。メロディで泣く。歌詞にも。この歌詞がまたすっとぼけてて。もちろん英語ですから丸わかり出来るはず無いけど、「おらあ駄目な男だー」から発展してとんでも無いところに到達する。ラストの「Don't Let's Start」。最初のシングルだそうでそれで「レッツ・スタートしない」(^0^)。「♪みんな不満を持って死にます。ああ、何て美しい」とかさあ。これをお気楽小唄で。極上POPで。この1曲聴けるだけでもこのCDが家に来て良かったとしみじみ思う。まだまだこの方たちのアルバム、持ってないものあり。最早完全信頼してますんで、これから出会うこと考えるとそれだけでも楽しみで、毎日仕事きゅうきゅうして稼ぐモチベとなっております。

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9/13(火)
うぉんちゅ
cover
I Want You
Marvin Gaye
1976/3/16

シリーズ「ブラック道」

1976年ソウルの貴公子マービン・ゲイ伯がお送りする花王愛の劇場愛のうぉんちゅうアルバムです。元々リオン・ウエアとゆう方のアルバムとしてリリースするはずだったもののタイトル曲のデモを聴いたゲイさんがぞっこんになり長い足を十重二十重に折って譲って貰って制作したものだと申す。これがあれだリオンさん全面協力の下作って完成段階サンプル盤を見たら自分のクレジットが無い、全てマーヴィンさんの手柄とかなっておったらああ大変。「このことを世間に公表してやる」「まあ、待ってくれ。悪いようにはしない。」BANGと鳴って刑事コロンボ登場。「いやあ素晴らしい音楽ですねえ。うちの甥の従兄弟のかみさんの友達が貴方のファンでしてサインしてもらえますか?」となりますがそんなこたぁもちろんありません。あのマービンさんに惚れこまれて全面的に自分の曲をやってくれるなんて夢のようだったのではないでしょうか。しかも制作責任は自分で出来るとゆう。主題は「アイ・ウォント・ユー」です。バカルディ三村が言えば「せっくすせっくすくいくい」思いっきりストレートだ。エロスとタナトス、アガペーと汁とリビド電話番号のめくるめく世界。タイトル曲をど真ん中において周囲に広がるどスケベ風景を完膚なきまでに叩きのめして活写いたした性器のいや世紀の大傑作です。これぞトータル・アルバムつうか全部まとめてジグソーパズルのように完成する完璧なシングルかもしれぬ。ここまでやりつくした原因となりました「アイ・ウォンチュ」曲、それはもう夢のようなナムバーです。まだかよまだかよまだかよーと引っ張るイントロ。うちのまほさんはくしくもコロンボの音楽のようと申し、確かにサスペンス・タッチ有り。ファンク・ブラザースの要、ビル・ウイザースおじさんのとこでも超絶グルーヴを叩き出していたドラムのジェイムス・ギャドスン氏、そしてベースはスティーリー・ダンの諸作でお馴染み、チャック・レイニー氏そしてウイルトン・フェルダー氏。どっちが弾かれてるのかな。一発でわからないのがファンですつうてる割に情けないんすが、より我慢してるからなあ、フェルダーさんかな。のうねりまくりリズムに乗って夜のシジマールのストリングス、ネオン・ライトのラッパ隊。それに誘われてようやく登場のゲイ兄貴。淡雪絹の靴下のようなお声です。何をなさってるのかと思えば「♪せっくちゅ。すぐにー。あなたも言って。せっくちゅって。まじでー。せっくちゅ。」とひたすらくどいてる。コード進行も繰り返し、起承転結あるといえばあり無いと言えば無い「欲しがればあなたも欲しがる夜の街」つう俳句音楽です。これがはげづら親父がやっておれば単なるセクハラ歌ですけんど、そうはならぬはさすがの色男マービンさん。元々クールで繊細、か細い人ですから生命への希求、せっくちゅせっくちゅが生きたい生きたいと聴こえてくるとゆう。切実かつ崇高なる命短し、人は生きるを求むまでここまで来ると高まってるぞ。それはこの後37分にわたってもひたすら展開されます。時に夜中うなされ背中にお灸の女の方の声「しゅが、はにー、あおん、ふう、おういぇ、かまーん」も挿入されますのでその手のファンの方も見逃せません。そばで歌うマービンさん、手は出せずに歌ってるひたすら。歌うことが全行為だったのかこの人は。ジャケットをじいっと見つめて。えらい世界を見ちゃったっす。

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9/14(水)
へふてーへふてー
cover
Over-Nite Sensation
Frank Zappa
1973/9

シリーズ「PA!」

70’sに入って風雲急です大巨獣ザッパさん。71年の12月にステージから変な客に叩き落されて骨折重症。入院中のバンドメンバーの生活のために御大抜きでの活動を勧めたものの、そのメンバーたちにボロクソにマスコミを通じて言われて。何とか復帰、入院中からの構想を元に「グランド・ワズー」「ワカジャワカ」つう空前のジャズファンクパノラマ・アルバムを発表、ライブを敢行。するも全くPOPじゃ無いとウケません。そうこうしてる内に親レコード会社リプリーズがキニーつう銭や銭や会社に買収されちゃった。苦難の連続です。しかーしいつだって災い転じて福となす大明神。そうならば思いっきりPOPしかもザッパな音楽やってやろうじゃないかと思うたと。嫌いだった歌を歌い、一見シンガソングライターです。マザースって名前の巨大化をザッパのマザースに引き戻し初めて自分を前に出すのだ。自分の音域、技量に合わせて歌をスリムアップ、歌詞も巧妙に放送コードに触れないように細心注意。当時出た驚異の音像4チャンネルのレコードとしてリリースした第一弾がこの「オーバーナイト・センセーション」。オーディオな興味でレコード会社をも納得させ、自分はそれで遊べちゃうつう一挙両得で、全く頭良いです。結果、売り上げ良好。新たなるザッパ道始まり、70’sの黄金レンガ道の第一歩となるぞ。全6曲ベスト盤に入っちゃう代表曲。いや別にシングルヒットが出た訳じゃないんだけど自然と全活動の中でそう感じられちゃうってことですけど。不思議だけど。音良いです。すっきり。ど真ん中にザッパさんの声。そしてなんつっても好きなのがトム・ファウラー氏のベース。私がこれまで音楽聴いて来た中でも屈指の素敵音質です。コシが有って低音ふくよか、どうか聞いてみて下さい。さー行くぞーと意気込みバンバンのキャミリオ・ブリローで始まって(ちょっとザ・バンド入ってる、「浣腸浣腸」と空耳入り)、サタデイ・ナイト・ライブ・クリスマスの実演入りライブでお馴染みの「わたしゃスライム」に。イエス!ファンキー。お待たせ!わうわうギターソロ。拍手!。3曲目は「ダーティ・ラブ」。リフは完全にヘビメタさん。演奏はまだメタってませぬが曲はヘビメタさんの大キャッチー曲。私も大好き。大体がマネして弾こうなどとゆうことが出来ませんザッパさんの曲だけどこれだったら形だけでもやれちゃうし。これ作っておいたおかげで後年、スティーブ・ヴァイさんがステージで八面六臂スタント出来ました。4.のヘフテーヘフテー。夜泣き疳の虫の歌はオクスリのせいですぐクビになっちゃったリッキー・ランセロッチさん。これがザッパ音楽だの壮絶インタープレイ登場。華麗なるヴァイオリン・ソロはジャン・リュック・ポンティ氏だ。それに続くギターソロ凄し。これまでの鬱憤晴らす弾きまくり。ザッパさん最速かもしれません。B面に移っても勢い誰も止められず全身の関節外れそうなゾンビ・ウルフ。最初は柔らかく入ってこの辺で全開する手口たるやお見事。どうやったら全くこんな曲作れるんだか。サラっと演奏するバンドにも呆れちゃいます。ギター・ソロになるとバックが落ち着いてじっくり聴かせる黄金パターンで堪能してください。緊張も頂点に達しましたのでここらでちょいとリラックスのお惚けスケベソング「ダイナモー・ハム」。いつの間にか73年のファンク・ミュージックに寄り添ってる。えらいこっちゃグルーヴ。そしてラスト。「モンタナ」。デンタルフロスの歌です。夢で見て糸ヨウジの歌を作らねばならぬと思ったつうことで。広大なる大地モンタナにはだーっと糸ようじ畑があって頭を垂れるほど生い茂っている。様を生き生きと活写しました。誰もこんな歌作らないもんで実際に全米歯科医師会が着目、デンタルフロスを使いましょうってラジオCMにザッパさんも登場したらしい。愛の歌です。デンタルフロスへの。だからー。面白くない訳がありません。こんな音楽やってるアルバムが。愛して愛して愛しちゃったのよ。

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9/15(木)
千代田生命に行こう
cover
Metallica
Metallica
1991/8

シリーズ「ヘヴィメタ虎の穴」

メタリカの91年、通称「黒のアルバム」です。先日ヘビメタでやったからじゃないぞ・・・やったからです(ばく)。久しぶりに聴いたら燃えてしまった。曲は1.「エンター・サンドマン」。メタル界最強ランクの「完璧なシングル」だ。私もこれでバンドを知りました。どこでってそりゃ決まってまんがな、空耳アワーでです。名作「千代田生命に行こう」。このフレーズ一発でキャッチミー。思えば千代田生命も最早存在せず10年一昔とはこのことかの。にしかし曲は現在でもビンビンにおっ立っております。あまたのロックバンドが目指すは簡潔にして極めつけ、一たび演奏すれば人民の岩心を鷲掴みにいたすリフでござる。正にこのリフはそれ、これ聴きまして即座に頭バッキンしない方は病院で見てもらった方が良かろうかと。パブロフの犬が寝ています。リフに負けぬはおっさん、ジェイムス氏の歌。寿司喰いねぇ。語尾に必ず挿入うにゃ、や、の必殺水前寺唱法だ。たまらん。いくらメタルに敷居が高くともぶち破る力有り。のスーパーなシングルで始まって2.はいかに。「悲しくも真実」。これまた必殺リフ。テンポをぐっと落として腰だめの歩み。ゴジラが一歩一歩闊歩するが如く。「♪へい」で始まるその曲は後ろの正面だーれの日本子供歌メロで。いささかもひるまぬその哀愁に身も心もとろりんせな。3.「ホラ残像」はとろりんしてる緩んだお腹の脂肪に活投入の気合もの。スネアの一発一発で内臓脂肪も溶けます。この曲だけはうにゃ入れる余裕無し。心の中で入れてる。4.アンフォーギブンは・・・思い出しますクリキンのスターレス。これまたここまで来たらやっとけの思いっ切り哀愁ナムバー。こっちもそれに答えて哀愁ゆるりバッキンせねば。失礼にあたる。「寝坊し〜♪」の空耳入り。5.ウエネバー・アメ・ロームは再びウォーキン・メタル・リフ16トン曲。まー弾きたくなるわエア・ギター。バカボンまで登場。勇壮にして果敢な東映ヤクザ映画鑑賞後の気分曲です。続けて♪たたたたたたアメリカたたたたたたアメリカのメロ流れ6.「どどどれー」。アメーリカーの曲を転じてヌカヅケにしたこれまたどうだナンバー。こんなん曲作れたらお父さんは偉いんだぞって堂々と言えるわな。何をそんな脅かしてるのかわからんが納得してしまい。7.は個人的にアルバムのラスト・ナンバー「スルー・ザ・ネバー」。これまた空耳アワーの名作「寿司、トリ、風呂、寝ろ」入り。歯磨かなくていいのか。クソしなくていいのか。はい寝ます。なんでラスト曲になってしまう。翌日、残りを聴きます。ダークです。二日酔いながら体ぴんぴん。録音もまた驚異的かと。ジャケット通り暗闇の中のイメージ、各楽器はそれでも不思議にくっきり見え、すっきり力強大。そして何よりメロディ。メタルでも最強のメロあらば、その威力は岩をもぶち抜くとの証明であります。キャッチーで何が悪い。音楽は掴んで掴まれてなんぼだ。

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