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今日の推薦盤一覧2002.3下

 

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3/16(土)
きんどーさん

ヒア・アンド・ゼア
エルトン・ジョン

1976年作品。DJMレコードとの契約完了時にリリースされたそれまでのエルトンの歴史を総括したと言うべきライブ・アルバム。1枚はロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール、1枚はニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでのライブが収録されています。ロンドンでの聴き物は「ラブ・ソング」始め初期の曲の数々。リリカルなエルトンの魅力が堪能出来ます。そして個人的にはちょっとお行儀の良いロンドンより断然好きなニューヨーク・ライブ。最高に覇気の有る演奏。珍しいのが「グッバイ・イエロー」収録の「グレイ・シール」。ピアノソロでのきんどうさんエルトンの姿が目に浮かびます。そしてついに登場、朋友ジョン・レノン、彼の事実上最後のステージであり、ヨーコさんとの復縁を果たしたあのステージです。この3曲でのワクワク感は滅多に感じることは出来ないよ。エルトンのライブ盤には若造の挑戦「17−11−70」って言う素敵なの有りますけど、ちょっと物足りなかったアナログ盤から華麗に変身したこのアルバムが何と言ってもピカイチ。初めてエルトンを聴く方にもお奨めできる咽喉の手術前の美しい声の彼のアルバムです。


試聴はこちら。

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3/17(日)
すごーーー

レッド・ウォリアーズ
ロナルド・シャノン・ジャクソン

NWジャズ界のビル・ブラッドフォード、ジャクソンさんの90年の作品です。ギターにスティーブ・サラス、プロデュースにビル・ラズウエルを迎えております。この人の音楽は、オーネット・コールマン直系の哀愁メロディとそれをぶち壊すヤンチャ坊主って感じで、例えばキング・クリムゾンの「21世紀〜」とか「太陽と戦慄」とか好きな人なら一発で気に入ると思うのですが。フリー・ジャズ系の音楽って敬遠されがちですけど、要は体の中にあるエネルギーをウタタタタタタって素直に出している点でパンクと相通じるものがあります。難しく考えずに体で聴くのが一番。ロックしか聴いていない人はたまに他ジャンルのこうゆう作品を聴くとテクニックとか、感性の面でけっこう驚くことがあると思いますよ。この人の81年の「ストリート・プリースト」は私のジャズ名盤ベスト5に入ります。廃盤なのが惜しいなあ。


試聴はこちら。



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3/18(月)
まじ欲しい
スイート・ライフ
ポール・デイビス

素晴らしい声の持ち主、ポール・デイビスさんのベスト。78年の超ロングラン・ヒット「アイ・ゴー・クレージー」を初め、「65ラブ・アフェア」、「クール・ナイト」、「リトル・ビット・オブ・ソープ」などもうキラ星の如き名曲揃い踏み。人工甘味料でない本物の甘さを堪能出来ます。そしてビーチボーイズの「ダーリン」。こんな素晴らしいバージョンあるでしょうか。この人を聴いているとイギリスのイアン・ゴム、風貌からもロイ・ウッド思い浮かべるなあ。3人とも素晴らし過ぎるほど素晴らしいのに人が良さそうで地味で何か損してるとこ。こんな素晴らしい人ほっておくのはもったいないです。




試聴はこちら。



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3/19(火)
ポーを読むときのお供に
怪奇と幻想の物語〜エドガー・アラン・ポーの世界
アラン・パーソンズ・プロジェクト

1975年の作品。彼の1stアルバム。エドガー・アラン・ポーの小説を題材にサウンドトラックの如く展開される世界です。根がポップな人なのでインストもわかりやすくて楽しく聴けるのがみそ。このアルバムを聴いてポーにはまるのも良し。アラン・パーソンズの作品や、優秀なプロデュース作を次々に聴いて行くのも楽しい。私は「タール博士とフェザー教授の療法」が好き。小説からはとても考えつかないほどキャッチーでいかした曲です。当時はビートルズのエンジニアだったとか知らないで、ポーが好きだったもんで買ってしまったのだ。

ポオ小説全集 1創元推理文庫

試聴はこちら。



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3/20(水)
こきりこ
チル・アウト
ブラック・ユフルー

1982年作品。レゲエの鉄壁リズム隊スライ・アンド・ロビー絶頂期に作られたこの作品。ボブ・マーリー無き後のレゲエ界で燦然と輝いておりました。彼等のサウンド・プロダクションで特筆すべきはその独特のわらべ歌感と言いますかこきりこ感と言いますか、とにかく日本人が聴いて懐かしい感じのするフレーズとリズム感。これはボブさんには無いこの人たち固有のものです。内容はやはり暗い歌が多いんですけどそのおかげで妙にほっとしてしまう雰囲気が。体の栄養になる音楽ですので食後に聴いてみたいです。駄作の少ない人たちですんで他のアルバムも超お奨めです。

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3/21(木)
噛み付き

ジス・イヤーズ・モデル
エルビス・コステロ

1978年作品。前作がコステロのデビュー・アルバムだとすると、これは&ザ・アトラクションズのデビュー・アルバム。4ピースのしかも、オルガンを効かせたサウンドの切れ良く、食らいつくようなボーカルも迫力満点。曲の出来もこのサウンドにぴったりで前作のアリソンみたいのを期待する人には残念かもしれんがこのアルバムにはこれらの曲でなければならなかったのです。デビュー前にはそうとう苦労した人らしいんですが、社会に対する言いようの無いうっぷん炸裂。鬼気迫りリアリティがあります。

一部試聴出来ます(ベスト盤)

3/22(金)
癒してくれました
特別料理
ローウェル・ジョージ

1979年作品。しんどかった時とかに何を聴いたら癒してくれるか思いましたら何故かこのアルバムが。この作品については発表当時緊張感が足りないとか、あまりスライド弾いて無いとか不満がかなりあって、現在もどうやって紹介しようか考えていたんですが。率直に今の思いを。
本人の体調の具合もありかなり製作には難産だったらしいんですが、そんなことを感じさせない安らかに好きな音楽をやりたいとゆう気持ちが素直に出ているアルバムだと思います。ソロ・アルバムとしてこうゆう作品を出さないと次のステップに進む気持ちが出せなかったとゆうのは非常によくわかります。多分この時のツアーは彼にとって楽しかっただろうと思います。そして今私の気持ちも落ち着かせてくれます。

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3/23(土)
大推薦なのだ。
ストレンジ・ブティック
ラブ・ゾンビーズ

モノクローム・セット

加山雄三meetsルイス・フューレイinPARISって感じの素敵なバンド、モノクローム・セットの80年の1stと81年のセカンド。小粋で異国情緒満載、曲も良ければ、演奏の個性もピカイチです。聴いてるとくらくらしてくるほど大好き。バズコックスと共にこのバンドは深く静かに今後の音楽シーンに影響を与えることになるでしょう。試聴するだけでもその世界はわかると思うのでぜひ聴いてみて。

ずーっとWANTEDで取り上げたかったんですけど、この米盤が1stとセカンドのカップリングだとはうかつにも気が付かなかったのです。これはもう大お得。私もついに我慢できずに降参。ポール・デイビスと共に注文してしまいました。みみちんに聴かせなくっちゃ。

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3/24(日)
羊の唄
ワン・フォー・ザ・ロード
ロニー・レーンズ・スリム・チャンス

75年作品。お父さんにしてみたいミュージシャン・ランキングでは常に上位に入る(笑)ロニーさん。言わずと知れた元フェイセズのベーシストです。フェイセズでの味わい深い曲の数々も忘れられませんが、やはりこの夢を実現したアルバムが何と言っても素敵。派手では無くとも身の丈に合った音楽が人の心により多く感動を与えることもあるもんだと思います。彼は病気で天上人になってしまったけど、この作品はいつもそばに置いて、勇気を貰いたい時に聴いていきたいと思います。

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3/25(月)
館長
人気B級実力A級の人たちシリーズ
バックマン・ターナー・オーバードライブ

新シリーズでございます。「ろっくす」の原点に立ち返って、「実力B級人気A級の人たち」を応援したいと思います。
第1弾は、BTO。あちらでは大スターなんですが、わが国ではさっぱし駄目です。何しろわが国は聴く機会の少ないとこですので、顔を見ないで曲だけちまたで流れれば見事に「おさかな天国」すると思うんですが。当時のロックのエッセンスを凝縮したとても楽しいバンドです。何よりも一般に捨て曲と言われてる曲のかわゆさが際立っているのが、特徴。おい、この曲で良いのかあ、もうちょっと何かするかあとか言ってるのが聞こえてきそう。ああだこおだやってるうちに5分くらい過ぎちゃったりして、結局そのまま、フェイドアウトで良いかあって、終わっちゃってる(爆)。でかいので抱きしめられないけどキョロちゃんくらいなら抱きしめてあげたいかわゆさでございます。反面あちらでヒットした曲は問答無用の素晴らしさ。どうだあ、いいだろーって感じがまた如実に出てます。2番せんじだって嬉しいもんね。

<原因>
*顔がでかい。フロントマンが風船。ロジャーみたいな人がいない。
*ジャンル不明。説明しにくい。
*バンド名が長すぎ。ELOと間違えられる。
*お笑い入ってる。
*正直者

<対処>
*もう、どーしょもできない。変える必要無し。
*あ、そうだ。日本盤出せとは贅沢言わないので、せめてベスト盤くらいはちゃんと手に入れられるようにしておくれ。

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3/26(火)

人気B級実力A級の人たちシリーズ
モット・ザ・フープル

北米チャンピオンがBTOなら英国ミドル級王座はこの人達でございます。聞くところによりますと本国よりもアメリカで人気があるそうで、自分の国よりよその国で人気があるとゆうパターンが正にこのコーナーにぴったり(笑)。バッド・カンパニーがアマチュア・バンドご用達化して人気を獲得したのに対し、まねのしようのない手ぐせボーカルで、ああ、ミック・ラルフスがいたバンドね、くらいしか認識度が無いのが悲しいぞ。音を聴けばポップでビッグでグラマラスな音にみんなびっくりして「ビューチフル・サンデー」すると思うのですがいかがなもんですかいのう。だめかのう。

<原因>
*ボーカルがミッシェル・ポルナレフと区別が付かない。
*ボーカルが音痴である。(音痴で悪いかっ)
*ギターがはやびき出来ない。スタンド・バイ・ミーに出てくる子供の顔をしている。
*とにかくロジャーのような人がいない。

<対処>
*ジャケットを薔薇の花の絵にして売る。
*ボーカルが実はボブ・ディランなんだよと噂を流す。
*アルバムを買うともれなくブリットニー・スピアーズ(←よくは知らんのだが)のポスターが付いてくる。みにもにでも化。
*魚売り場で流す。
*車のCMでねーちゃんがくつろいでるバックで流す。

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3/27(水)

ライブ・アルバムはお好き?シリーズ

ラブ・ユー・ライブ
ザ・ローリング・ストーンズ

「ストーンズ・ライブの集大成。いかにして私はブラック・ミュージックの虜になったか。興奮が君を待っている。」

私はライブ・アルバムが好きでございます。70年代とゆうのは優れたライブ・アルバムが多数出現した年代でもありまして、それらをピックアップしてみようとゆうのが今回の試み。
まず初っ端は77年作のこの作品。70年代後半には特に重要作品目白押し。しかも何らかのかたちで有機的につながってるのではないかとゆう、気配があり、興奮しました。このアルバムでのキーワードは汎黒人音楽。ロックンロール、ブルース、レゲ、サンバと雑食的に何でも飲みこんでしまうロックの凄さを十二分に堪能出来ます。ファンクとレゲに関してはストーンズはほんと美味い。ちょっと間を外したベース、タメの効いたドラム、アバウトなギターが実にフィットしてます。この感覚はこのリズム隊でしか無しえんだろうなあ。レゲエは70年代初頭の歌謡レゲエの時代。マーリー以前のものを完全に咀嚼しております、見事。そしてミック・ジャガーのブルース・ハープ。これはかなりいけてます。特にアンプリファイドの音色が一番おいいしいところをまた。

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3/28(木)

ミニット・バイ・ミニット
ドゥービー・ブラザーズ

”「私達LA中心部に引っ越しました。」アメリカン・ロックの猛者があくなきチャレンジの末獲得したこのサウンドを聴け!”

78年作品。最初聞いた時は、すっころびそうになりました。違うバンドのアルバム買っちゃったかと思った(笑)。フロントマンのトムさんがお薬で隊長不良で、スティーリー・ダンのアルバムで印象的なコーラスを聞かせていたマイケル・マクドナルドにフロントマンの座を譲り渡した訳何ですが、ここまで変わるのには彼らにとっても大チャレンジだったでしょう。それにしてももともとパット・シモンズさんが洗練の要素を持っていたとはいえ、さらっとやってのけちゃうとは凄いことです。当時戸惑いながらも、「ほえー、かっこいいじゃん。」って気に入ってチャート・ノートに書く時もでっかく、色付きで目立つように書きました。でも、やっぱりトムさんに戻って欲しかったのだなあ。

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3/29(金)

The Best Of Godzilla 1954-1975
Original Film Soundtracks

”「ゴジーラがギンザほーめんにやってきます。すーみやかにひなんすて下さい。」アメリカ人だってゴジラを愛してます。”

アメリカ編集の東宝ゴジラ映画のサントラ・ベストです。現代音楽とは言いながら伊福部先生の音楽は原始的パワーに溢れていて、リフもので、さらに変拍子付きともなれば、全世界のロック・ファンを魅了したのは当然かもしれません。あのフランク・ザッパも好きだったんだからなー。それにしても英語タイトルになって、かっこよさ倍増(笑)。「Showdown on MT. Fuji (Destroy All Monsters)」だもんなー。ちなみにわしは「Japanese Army March」が好きです。げ、佐竹と同じかあ(笑)。

うーむ、これは名盤チャート入りさせた方がいいかも。

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3/30(土)
めくるめく音楽の漬物
ライブ・アルバムはお好き?シリーズ

ウエイティング・フォー・コロンブス
リトルフィート

”ミュージシャンズ・ミュージシャン、リトルフィート本量発揮。ロバートもジミーもロリーも夢中なんです。”

78年のこの作品は、前回取り上げた「ラブー・ユー・ライブ」と奇妙とゆうか必然的とゆうか、同時期に出たことも有り私には兄弟のように思えるんです。特に後半、ミック・テーラーとのブルース・セッションから、サンバ化した「Feats Don't Fail Me Now」の流れが。ストーンズと同じものを食べたけど出てきたものが違いますとゆうことで、目指してるものは共通するものが確かにあります。なんてことを大学時代にクラブの人たちに漏らしたら怒られた怒られた。ストーンズは偉大でそんな訳のわからんバンドと一緒にするなですと。でもねー、本当に音楽好きがバンドやってるならスタンドアローンで音楽を作ってるはず無いし、色んなものが絡み合ってると思うんですがねえ。どうもやみくもにそれだけを崇拝してる人は苦手です。なんてことを言ってる間にもロバート・プラントはこのアルバムでのプレイが気に入ってドラムのリッチーさんをソロ・アルバムでバンドに加えたし、ジミー・ペイジやロリー・ギャラガーはツアー中はいつも聴いてたそうで、ルーツ・ミュージックを独特の解釈で自分たちのものにしているところが、親近感あったんでしょうなあ。

これまでのCD化では分割されてラスト・レコード・アルバムに入っていたミック・テイラー参加部分(夢のスライド共演!)が一緒になったコンプリート盤が出るようです。ここ。

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3/31(日)
リズム魂

ドラムス庫シリーズ

フィジカル・グラフィティ
レッド・ツェッペリン

”容赦無く叩きのめされて下さい。気持ち良いです。もっと、もっと。”

ドラムだけでいっちゃうくらいドラムが強力な盤をピックアップいたします。
1枚目は75年のこの作品。ドラムはご存知、この頃ジェイムス・ブラウンに夢中だったとゆうジョン・ボーナムさん。初っ端の「カスタード・パイ」からもう、クイまくりのリズムでKOされます。それから後は頭の中はどんすかどんすか。絶対にバスドラの前皮は外さんぞとゆう、ボンゾさんのナチュラル・ビッグ・エコー・ドラムが鳴り響きます。お話を承るところ、普通のセットで叩いておられたようで、彼が叩くと自然にこの音になったそうです。これはもうドラムの神様がやどっていたとしか思えん。特徴として思うのは、上と下のバランスがとても良いとゆうこと。手数だけ、足数だけ多くなることはなく、全身これドラム・キットになりきって、ドラム版ジミヘンと化しております。数曲あえてピックするとしたら「カスタード・パイ」「トランプルド・アンダーフット」「カシミール」「ワントン・ソング」。これだけでも試聴してみてくださいな。
もちろんドラムだけの盤ではござりません。独特の空気感がまたたまらなく、静謐な曲の美しさも特筆すべきなのです。普通じゃない人達の普通じゃ無い音楽じゃないでしょうか。

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