rocks 戻る

今日の感謝盤一覧2005.12上

 

8月 9月上 9月下 10月上 10月下 11月上 11月下 12月上 12月下 02.1月上 1月下
2月上 2月下 3月上 3月下 4月上 4月下 5月上 5月下 6月上 6月下 7月上
7月下 8月上 8月下 9月上 9月下 10月上 10月下 11月上 11月下 12月上 12月下
03.1月上 1月下 2月上 2月下 3月上 3月下 4月上 4月下 5月上 5月下 6月上
6月下 7月上 7月下 8月上 8月下 9月上 9月下 10月上 10月下 11月上 11月下
12月上 12月下 04.1月上 1月下 2月上 2月下 3月上 3月下 4月上 4月下 5月上
5月下 6月上 6月下 7月上 7月下 8月上 8月下 9月上 9月下 10月上 10月下
11月上 11月下 12月上 12月下 01.1月上 1月下 2月上 2月下 3月上 3月下 4月上
4月下 5月上 5月下 6月上 6月下 7月上 7月下 8月上 8月下 9月上 9月下
10月上 10月下 11月上 11月下
1

12/01(木)
三人だけ
cover
11-17-70
Elton John
1970/11/17

シリーズ「きんどうさん」

*エルトン・ジョンがまだ髪の毛がふさふさしていた頃、でっかい宝石メガメやラメ入り羽根付衣装を着ていなかった頃、何より撃たれそうなピアニストだった頃のそれこそ宝石のようなライブの記録がこのアルバムです。タイトルまんま70年の11月17日にニュー・ヨークのA&Mスタジオで100人あまりの観客の前でFMの生放送のために演奏、プロデューサーのスティーブ・ブラウン氏が試しに8トラで録音、それがあまりにも良くて急遽リリースとなった次第。もう大好きな盤でしてそれこそ擦り切れるほど聴いたものです。いまだに、もう今はCDだけど、針を落とす時はどきどきしちゃう。生放送&録音を知らなかったってのが効いてると思え、正にライブ!、気合一発、一期一会。思い返すに最初買う時は躊躇したような。3人ぽっきりのライブで、しかも「僕の歌は君の歌」が入って無い。しかもこの地味ジャケ。「僕の〜」が入ってないのはアメリカでのシングル・リリースの前だったかららしく、入ってたらまるで違った評判盤になっていたかも。その引きの悪さとはバルハラ、いや裏腹に聴いてみたらまあ凄かった。デビュー・アルバム、2ndアルバムのあの消えちゃいそうな歌声のエルトンさんはいったい。ライブなんかそそとしてそうだったのがいつのまに。恐るべきは隠れてる人間の才能。本国では今一の人気なるもアメリカでは大評判となって、手ごたえのある2回のライブ・ツアーで少しづつこんなパワフルになったのでしょうか。3人かよで聴き始めて気が付けば3人だけであることに気付かなくなり最後にこれって3人って再度驚く。しかもエルトン氏はピアノ一発勝負だ。これから山ほどの名曲を生み出すそれらが零れ落ちそうな光で歌い弾く。ぱりぱりの張りのある高音ヴォイス、手数が多く、言ってみりゃ誤解に誤解を重ねた完全自己流ホンキートンク・ピアノでホンキー・トンク・ウィミン。憧れのストーンズの曲やってます。もの凄い好きなくせに完全自己流で。出来るもんじゃありません。好きなら好きなほどいぢれなくなっちゃうもんな。それほど自分でも抑えられないほどのオリジナリティがあったつう証かも。それはプレスリー伯のマイ・ベイビ・レフト・ミー、ビートルズのゲットバックでも同じで、それを獲得した時点で憧れの人と音楽で並びました。オリジナル!山ほどの名曲産み出す前、最初に産み出たこれらの曲郡は、前だけありますそれだけの輝きあり。それぞれが忘れられない1曲1曲になってしまうメロディと歌詞だ。この時点でのちゃきちゃきの新曲、フレンズからの「キャナイ・プッチュウ・オン」なんかもう。CDになって追加された「アモリナー」が聴けるこの喜びよ。最後に讃えきれないほど讃えさせて貰いたいは二人のメンバー、ドラムスのナイジェル・オルソン氏、ベースのディー・マレイ氏。がごん、どたぐが、ばすこんばすこんと一発でこの人だとわかるフレーズ連発のナイジェルさん、ギター・パートとベース・パートを一人で網羅する、これぞベース、これぞプロのマレイさん、歌の御心に向けて一直線、この年になって結成されたとはとても思えぬチームワークです。これで歌もばっちり鉄壁コーラスってんだからあまりの神々しさに気圧されて聴いた日本の少年はパンクが出るまで、自分で本気でバンドやろうなんて思えなかったよ。ですからバンドやってからはあまり聴けなかった。どすこーんと落ち込むから。今はもう自分のどすこいな弱小才能もわかり過ぎるほどわかってますから、安心して「へへぇ」と土下座トゥゲザーして聴くことが出来ます。よかったか悪かったか(^0^)。

曲目等詳細

試聴はここで

12/02(金)
唸る男達
cover
ブリティッシュ・ハード・ロック・
ボーカリストその栄光と血脈
/ロジャース一派


シリーズ「直球野郎一本勝負」

*栄光のブリティッシュ・ロック、その屋台骨を築き上げて来た幾多の猛者どものど真ん中にはいつも唸り、叫びわめいて来たリード・ボーカリストがおりました。そんな最高のシャウターの血統を紐解く「ブリティッシュ・ハード・ロック・ボーカリストその栄光と血脈」第1回は「ロジャース一派」。その代表選手は、言わずと知れたポール・ロジャース氏。だってロジャース一派だもん。フリー、バッド・カンパニーそして今クイーンと合流して大好評(だったのか評判を聞かんぞその後)の内に日本公演を敢行いたしました。齢を重ねてなお健在、哀愁のその歌声は今なお我々のロック心をびんびんにさせてくれます。ロジャース氏の父はオーティス・レディング氏。ロック版ブッカーT&MG’Sを志してバドコを結成したことからもそれは想像付くところですが、あれだけ上手い方でもさすがにオーティス氏そのまんま受け継ぐって訳にはいかず。何たって身長が足りない。違うか。母は並み居る先達の歌い手たち、それはヴァン・モリソン氏やウインウッド氏ら果敢に黒の牙城に挑んできた男共であろうかと。母が判然とせぬとはとんだ鬼っ子であろうが音楽では有り大いに。拭い切れぬブリティッシュの寒い温度の中で見つめるオーティス氏の沸騰点。フリーの時代は若武者高音張り張りで疾走し、バドコでは本格化、広がるダイナミック・レンジの中でここぞと言う時にその沸騰点に到達してドライビングするその歌声は正に永遠なり。ただし煽る騎手がおらんで一人走りに任せるととたんに全部「夜明けの刑事」化してしまう気性あり。無茶目の鞭で本領発揮、今最大の無茶目に遭遇、フレディさんの役目の中で自分を光らすって、そこでこの復活は当然とも言えよう。言えよー。怖いのはこの後だけんど、先を見てはいかん。ロックは。死して屍そこに無し。灰燼の中から生まれるは新庄。いや身上でござる。
 あさて、さてはロジャース氏のコブシを受け継ぐもの達。その第一人者は、歌うブティック・夜のハウスマヌカン、デビッド・カバーデイル氏を持って他にはおるま・・いることはいる。とにかくいきなりのパープルでの登場。バーンされた時の驚きたるや急転同地、天と地がひっくり返って逆立ちしてるだけじゃん、では無く、いきなしこんな出来てる歌い手がおったのかと感嘆の一語でした。イギリスや恐るべし。そのスタイルはロジャース氏の体に張り付いている哀愁をすっぱと落とし、目の前にあるロックに喰らい付いていくかのごとし。その後の自身のバンド、ホワイトスネークでの地道な活動の末、成功を得たのも当然と言えよう。言えよう。あまりに歌が上手過ぎてその声自身に己を見失う刹那がある時はちとばってん。カバーデイル・ペイジ来日の折に拝見して、うめーなあっと堪能するも達者が極まりすぎてロックのスリルが天子の羽と共に上でぱたぱた、ロック歌謡ショーと化した日にゃあ見てるこちとらの体温が下がって悲しくなってしまったよ。やはりロジャース同様、そのテクをも焦らす無茶目のシチュエーションが振って沸いてくること希望。そんな偉そうなこと言っていいのか。いかん。
 あさて、さてはロジャース一派で一番商業的に成功した男と言えば、フォーリナーのルー・グラム氏かもしれぬ。世にも珍しきアメリカ大陸での継承者でもあり。そのスタイルはさらに哀愁をすぱと切り落としたかんらかんらの北米スタイル。何よりの味方はバンド内に鬼の総監督ミック・ジョーンズ氏がおって、あれも駄目これも駄目と締まりに締まったロック・キャッチー曲を作り出してくれたことが最大の吉と出た。歌有っての歌手なり。その歌を失うと同時に己も失い、探さねばならぬ歌を。
 音楽がぎゅうぎゅうと渦巻いている小島イギリス、ロジャース氏直後に第2世代御三家とゆう方々が存在しました。ロバート・パーマー、フランキー・ミラー、ジェス・ローデンの三氏。の中で最も成功したパーマー氏はロジャース一派とはちと言い難し。屈折レンズの果て、己独自になり申す。ジェス・ローデン氏はむしろ先輩筋にあたるやも。無理目に言わば素直なる歌声スタイル。歌手として力量は引けは取らぬが人と花曲とサダメで成功に至らず。しかし愛するは聴き手の勝手である。そしてフランキー・ミラー氏。血脈濃厚継承者。何より顔形が。しもぶくれ1.5倍増し。スキっ歯。同様の環境で培われてきたコブシの数々で悩殺されちゃうわ。幾多のアルバムは名盤勢揃いです。今、不幸なことに声を失った状態におられると聞きます。それでもなお意欲は失わずとちょっと前に記事で読み。力及ばず過ぎる極東のファンですが、アルバム買って酔わせていただきました。頑張ってください。心から。
 忘れてはいかんこの方が。ロビン・トロワー・バンドの歌う祈祷師ベーシスト、ジェイムス・デュワー氏。そのスタイルはロジャース氏の哀愁部分をひたすら祈り状態に転化したかのごとく。何が気に入らぬか常に不機嫌状態、顔はニコニコで唸るまた唸る。ライブまでの3枚のスタジオ盤。そこでの地味なサウンドでの歌声はもはやこの世のものとも思えぬ境地に。鬼籍に入ってしまわれた。神の前で24時間思う存分祈られているであろうか。一人俗界に残されたトロワー氏。さらに冴えるそのギターの音が悲しく木霊して。
 第3世代の継承者と言えますのはベイビーズのジョン・ウエイト氏。惜しむらくは素直にロッキン出来ぬ時代に登場した運命か。製作方針の混迷と必殺曲に出会えず。ベイビーズでの1曲のヒット、ソロでのワン・ヒット。曲に出会わば爆発はそりゃ必定なり。
 そして、おります、その者は、バド・コのロジャース氏の後釜ヴォーカル、名前は・・・名前は・・・ブライン・ハウ氏。テッド・ナジェント・バンドからの移籍で加入も既にバンドの勢いが。いや本人達はあるにしても世間様の印象勢いが無く、それは不幸のズンドコや。
 フリーでの僚友、アンディ・フレイザー氏も一度歌を歌わば、ロジャース一派。愛憎渦巻きながら一番生き生きとしてた若き時代を共に過ごし染み付いた臭いは永遠に取れません。おしゃれ着洗いのソフランでも。

と、力無き身で揚げさせてもらいました強者達。その後第4世代の継承者たる若人は出て来ておらんかと。音楽は環境で作られるものとすらば、出て来んのも無理からぬところか。さすればやはり掛け替えの無い。ぞんざいにさば己をも貶めてしまう。まだまだ・・・まだまだ歌ってもらいますターンテーブルの上で。

曲目等詳細

12/3(土)
まいてーまいてー
cover
Mighty Mighty/Shining Star/Getaway
Earth Wind & Fire

1974-76

シリーズ「完璧なシングル」

*今回の「完璧なシングル」は
アース、ウインド&ファイア最強のホップ、ジャンプ、ジャンプの3曲です。
まずは
「宇宙よりの使者/Mighty Mighty」
74年のアルバム、Open Our Eyesの1曲目を飾る、どファンク・ナンバー。そもそもはジャズの人でしたモーリス・”ゾウリムシ頭”・ホワイト氏、同時に盛り上がる新ソウルの衝動に突き動かされて結成のアース。正に名前の通り地球の変遷のごとき歴史を辿っております。最初はもうマグマどろどろ状態。あらゆる可能性を内包しながら姿形はアメーバのようにうごめいておったものじゃ。徐々に大地は形を見せ始めての74年、すっかり体勢が整っていたアースは熱気最高潮の熱帯雨林ファンク世界に真っ向から突入、いっぺんに一番高い木に登ってしもうたのがこのマイテーマイテー、その名も「とて
ーも強力」。作はモーリス兄と白い歯っていいな弟のヴァーデイン・ホワイトちゃん。イントロからもう前置き無しいきなしファンク世界直行のラッパ隊どぱ。で、ファンクつうのは変な声で歌わねばなりません。常に「にゃおー」とか「うえやー」とか言いたげな状態で顔は笑って心は笑って。演奏で一番張り切っているのはヴァーデイン君。「兄ちゃん、ふぁんくふぁんくー」ってでっかい口でいつも言ってるのはこの人だと思え。チョッパーもせず音数も少ない本場ベイエリア物とは一味違う、それだけに毎日骨太など真ん中グルーヴをば提供だ。何を歌っているのかと言わば

歩き回れよー、しかめっ面するなよー
小市民に告ぐ。ひっくり返りなさい。
必要なのは、手助けだね。
全ての強なるものと、仰せに従って。

信頼ってどないなもんや。信頼ってあんたのことや。
からかうなよ。自分で本当のことを考えてみ。
愛が翼を広げるわ、明るい日々のために
求めなさい。さすれば得る。

俺たちゃ強力人間。
太陽族強力人間。
ハートに全ての答えあり。
実際のところ、逃げ出すことなんかできゃしねえ。

1番とサビまで。大いに鼓舞し胸を張り全肯定。出発は常に希望の元にあり。完璧なりしファースト成功シングルです。最高位30位。邦題は「宇宙よりの使者」。「マイテー・マイテー」ではいかんかったかの。

そしてまー一歩溜めて見せました「デボーション」シングルを挟んで、3曲目でもう大爆発してしまいましたのが
「シャイニング・スター」。
作はモーリス兄と”ブリリアント裏声マシーン”フィリップ・ベイリー氏そして鍵盤のモロボシ・ダンじゃねえラリー・ダン氏。弟参加せず兄とダンがいるとなれば強烈に臭って来るのがジャズのかほり。バンド自体相撲界からプロレス界に打って出たようなもんすから、強烈得意技、張り手びしばしやらない手はありません。ファンクのリズムを会得して地力発揮となりゃもう無敵、ほんとにマイテーだ。イントロから鳥肌ぞわわー。ぺこぺこした音のギターの機織みたいなユニゾン。来るぞ来るぞーって来た、「ぱー」。待っている間、ラッパくるくる廻してました。でさ、「ぃえーっ。や。」で、明らかに後のオーケストラ・ヒットてのはここから頂いたなつう「ぱ」のラッパ隊ヒット。ファンクでぞんぞん前進し、サビに入るやいなや夜のマンハッタン・ジャズ街道入り。この連携のサスペンスはもう火曜サスペンス劇場を完全に凌駕してるでしょ。そしてつなぎのクールなエレピ。湧き上がるジミヘン・ギター!。ぱぱ。2番で各自掛け合い歌で煽る煽る。焦げた臭い充満。弟はぺこーんぽこんと間のベース。2回目サビでマンハッタンから成層圏に発射、いきなし宇宙船から裸で宇宙空間に出てど真面目な顔で全員歌唱、バシっと決まって「ジス・ウイークス・ナンバ・ワーン」と。うまー完璧だ。完璧つうのには2種類あると思います。チャーハンで例えれば、完成形は半円型でならねばならぬ、パコっとビシっと決まりなさいっての。対して見かけは悪いものの、チャーハンつうのはふわっと盛り付けねばならぬ。そうでなければサラサラに炒めた甲斐があっりません。ての。アースの場合はもちろん前者です。しかも形はパシと決まって、喰えばサラサラふわふわを目指すとんでもない野望の持ち主でござい。何を歌ってるかとゆうと
♪うんこら、ほらしょ
君が星に願いをするとき
夢はとんでもなく膨らむでしょ、いえー。
君が夢で願ってるとき
人生ってまあいつもみたまんまなのかえ、いえー。
たった一回空にはっきりそれが見えるぞ
とても優しくてそれはまったく

何であろうと、君は輝く星。
自分自身であるために。
ピッカリ明るく輝きなさい。

ひたすら鼓舞、胸を張り推奨、全肯定。

最後のコーラス部分は
♪輝く星は君のもの、人生で本当でいられる。輝く星は君のもの、人生で本当でいられる。輝く星は君のもの、人生で本当でいられる。

励ましは生活の糧なり。糧なる歌は人生のおやつです。いちごショートケーキ上。テンポもファースト・ウォーキングで間違いなし最高位1位となり。

ベクトルは半円形チャーハンに向かって行きます。志も技量もチームワークも絶好調。翌76年に出されたアルバム「魂」からのシングル・カットが

「ゲッタウエイ」

下駄上じゃねえ。題名からスティーブ・マックイーン宮部昭夫、アリ・マッグロウをどうしても思い起こし、どかーんと心のカー・チェイス。音もそりゃもうでっかいアメ車、カーチェイス模様となり。古はブラック・ロックと呼ばれた、それは完璧ユニゾン・リフ野郎だったからですアースは。もう凄いよ。速度180km。うきゃっきゃっきゃと、そこに納まりここに納まりの気持ちよさ体現。メンバー全員きっと整理整頓好きに違いありません。いくら私が乱雑魔だとしても、綺麗に並んでる様子が気持ちよくない訳は無し。同時に世間様に一番即座にわかるアピールとなるのがこれを実現させる正確無比のテクや。しかしまー、とことんやってしまい過ぎました。この緊張感はお茶の間からも暴走してしまった訳で最高位12位。気が付けばテンポも逸脱。恐ろしいバンドだわーっと世界中が認識いたして、それはいいけどここまで来ちゃって次はどこへいけばいいのか。アバと同じ立場になってしまって次はダンシング・クイーンならぬ「宇宙のファンタジー」と。ちょっと緩めてあまねく仲間入り。ちょっとがっかりつうか落胆つうか諦めつうか、見ちゃうのはうがち過ぎうがちゅうですかの。わたしゃ、エースに緩さは求めません勝手なファンですのでゲッタウエイの上無し。復活はアホ祭開催した「ブギ・ワンダーランド」なり。

試聴はここで

12/4(日)
光で目もくらみ
cover
Blinded by the Light
Manfred Mann's Earth Band

1976/9

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「光で目もくらみ/Blinded by the Light」
/マンフレッド・マンズ・アース・バンドです。
南アフリカ出身の鍵盤奏者マンフレッド・マン氏率いる英国のバンド、地球バンド。60年代マンフレッド・マン(バンド)時代は出すもの出すもの全て大当たりつうヒットメイカーでしたマン氏。70’sに入ってバンド名を変えてしもたらデープな暗闇ロックに変貌、すっかりPOP世界とは縁遠くなってしまいましたが、76年の「ロアーリング・サイレンス」のアルバムで、メンバー・チェンジ敢行。そしたら憑き物が取れたかのごとく音楽の霧も晴れて、出ました完璧なシングルの中の完璧なシングル、「光で目もくらみ」が。そのあまりのリミットを超えた素晴らしさに本国英国は言わずもがなそれ
まで存在すら97%が知らなかったであろうアメリカでも大ヒットいたしました。恐るべきはキラー曲の力なり。その音楽の霧を取り去ったのは新加入歌手、クリス・トンプソン氏であります。この業界に同姓同名が10人はいるとゆう、顔・声一致しない歌手ナンバー1。その歌声は英国の至宝クリフ・リチャード氏の正統後継者、爽やかたること阿寒湖のマリモちゃんもびっくりさのごとし、切れのあること正宗のごとし。何しろ自身では歌えませんから、マンさんの運命は歌手次第です。よーくそのことをわかってらっしゃるバンマスさんで、歌手に合わせての音楽作りはもう名人級なのだ。同時に昔っからカバー名人でもある。とゆうのもマンさん作曲が苦手。よーくそのことをわかってらっしゃる。どの曲をいぢれば一番インパクトありの嗅覚も抜群で60’sは標的がボブ・ディラン氏に。見事さはボブ親分も感心したとゆう。では70’sのボブさんは誰だ。そりゃもうあの人しかおるまい。ブルース・スプリングスティーン兄貴。自分で完璧なシングル作っちゃった「明日なき暴走」ものではいぢらせて貰ってもしょうがなく、標的はそれ以前の混沌さん若さ爆発時代だってんで、見つけたのがこの曲です。実は前作のアルバム「ナイチンゲールと爆弾野郎」でも「Spirit in the Night」で試し撃ち敢行してました。その手ごたえを胸に秘めての大発射。何かに取り付かれたように製作、出来上がった時はスタジオ内全員思わず拍手喝さい、鳥肌物だったと想像します。マン氏がこの曲に見たのは隠されている類稀無きポップ・センス、それをどう料理、今まで獲得したプレグレ心だ。かくして時代の要求にばっち合致のプレグレ・ハードのハナ切るシングルとしても登場。さあ聴いて下さい。
全ての完璧シングルはイントロ一発で決まります。ここではパパパパぽぽぽぽの御大の鍵盤で決まり。メロディを一旦解体して再びぎゅっとしたサビ連呼でもう90%勝利は確実なりや。
♪光で目もくらみ
どえらいスピードの夜のランナー、
光で目もくらみ
どえらいスピードの夜のランナー、
光で目もくらみ
どえらいスピードの夜のランナー、

狂ってるぜドラマーは怠け者
十代の外交官と一緒の夏のインデアン
ダンプスとマンプスが青春のパンプスで彼の帽子の中に入ってる訳だこれが
肩の上には丸石が、ちょっくら古ぼけて
メリーゴーラウンドでトリップ
嬉しくないぜ、くしゃみはくしょん、ぜいぜい

カリオペは地面に激突、どかん

でも彼女は
光で目もくらみ
どえらいスピードの夜のランナー、

光で目もくらみ
どえらいスピードの夜のランナー、

マネージャと一緒にいる何人かのシリコン姉妹。
ヤツは俺が行くと言いやがった。
彼女は言った「ファンキーな一発の歌で強烈な何かぶちかませてあげるわボウヤ」
そしてゴーカート・モーツァルトが外が安全かどうか確かめるために天気図をチェックしていた。
そしてちっちゃなアーリーパーリーがカーリー・ワーリーを身をまとってやってきて俺に乗っていくかどうか聞いた。
乗っていくかどうか。

でも彼女は
光で目もくらみ
どえらいスピードの夜のランナー、

光で目もくらみ
どえらいスピードの夜のランナー、

彼女は落ちた。でもけっして疲れていない。彼女は夜通しそれをやり遂げるに違いなし。
でもママ。それが楽しみってもんだ。
ママはいつも太陽のど真ん中を見つめるなって言ってたもんだ。
でもママ。それが楽しみってもんだ。
東からの何人かの硫黄バリトン高気圧風来坊伝道者。
言ったよ「俺の言うことを録音するんじゃない。こなごなにぶち壊せ。ただしこっそりとな。」
何人かの付き添い訳が角に立っていた。若い娘のダンスを見つめて。
出来立ての台風が凍てついた地帯で荒れ狂う。自分のロマンスを思いめぐらしながら。

カリオペは地面に激突、どかん

でも彼女は
光で目もくらみ
どえらいスピードの夜のランナー

さてパチンコ持参のスコットはついに標的を発見、そして砂に恋人を投げ捨て。
とある血走り忘れな草が「親父の耳が届くところに散弾を取っておけ、バンドを探し出せ」と言った。

わ、誰か俺に説明してくれ。意味を(^0^)。無いかも。とにかく韻踏みまくり、溢れるイメージを歌詞にぶっこんでとにかく歌う。解釈しても面白いんだろうが、そのイメージを脳内でフラッシュバックさせ、ケタケタ高揚しながら舌でどえらいスピードで疾走する歌だと思うがいかがでしょうか。シングルのあっとゆうまに終わる3分50秒も快感、この曲を中心に巨大シングル化してるアルバムでの目くるめくロング・バージョンも、ど快感。正に、「この歌に耳もくらみ」の完璧なシングルです。
 それにしてもこんな言ってみりゃわかりにくい歌詞でヒットするなんて洋楽って凄いわマジで。それとも現地の人間はすんなりばっちりわかるのかな。

試聴はここで

12/5(月)
さすらいの狂詩曲
cover
Bohemian Rhapsody
Queen

1975/11

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「ボヘミアン・ラプソディ/Bohemian Rhapsody」
/クイーンです。
アルバム「オペラ座の夜」からカット、本国英国では1975年11月3週にTOP40初登場17位、その2週後にはナンバー1となり翌年1月の4週まで9週連続首位堅持とゆうとんでもないこった。アメリカではその派手さと対照的に76年2月の1週に38位で初登場、その後3アップ2アップ1アップとじんわりじんわり12週かけて最高位9位に到達、その後5週間圏内に粘るつう。その両国の動き、どちらもこの曲の有り様を示していると思います。とてつもなく大仕掛け、ギャグ突入必須でありながら不思議と飽きない、21世紀の今まで。ギターを電気で増幅してばかでかい音で鳴らし始めたのがロックの始まり。であるからには極端と申しますか、現実のある部分をとてつもなく肥大化してファンタジーに誘うのが使命の一つかと。となると誰もが一度は考える、もしかしてアホらしいかも恥ずかしいかもしれないこと、を躊躇無く勇気を持って敢行、しかも見事にかっこよくやってしまうのが最高のプロのロック・ミュージシャンではと思う次第であります。その意味でこの曲は正に完璧、やりつくしたプロモ・フィルムと共に、オペラとハード・ロックつう共に大仰さでは引けを取らぬ、そこが共通点を力技で合体、しかも大真面目にやったってクイーンの他に誰が出来るってんだい。一歩腰が引けたらそこでもう大敗北、やり切ったからこそウエインズ・ワールドで皆で歌ったのだ。ならば俺も恥ずかしさを捧げよう。さんざ開陳されている歌詞に挑戦す。

現実のことでありあしょうか。それとも夢か。
しょうもなく思えてしまうのでありんす。
現世から逃げることなんぞ出来やしやせん。かっと目を見開いてわかっておりやす。
空を見上げて見て見れば
あっしは貧しいガキでありやした。わかってもらおうなどとは思いませんぜ。
簡単なことほど、わかりにくいったらありゃしやせん。
いいことも悪いことも大して無く
世間様がどうであろうと、あっしには関わりの無いことでござんす。

お母上殿、あっしはたった今人を斬ってめえりやした。
頭から大上段に刀を振り下ろし斬ってめえりやした。
あやつは今地獄に旅立っておりやす。
お母上殿、やつの人生は始まったばかりだとゆうのに、あっしが奪って台無しにしてしまった次第で。
お母上殿、あんたを泣かせるつもりはありゃしません。
あっしが今再び明日戻るつもりが無いと言うのなら
何も気にしないで、どうか行き続けておくんなさい。

気付くにはあまりに遅すぎたのでございやす。
恐ろしゅうて恐ろしゅうて、生き延びたいー。
おいとませねばなりやせん、皆々様。
行かねばならぬ行かねばならぬ。浮世の風に身をさらしてまいりやす。
お母上殿、世間様がどんな冷たい目であっしを見ても
地獄に旅立つ気はございやせん。
でも・・・こんなあっしはきっとこの世に生まれなかった方が良かったんでございやすな。

シルエットと影がお前の前に立ちはだかる。
闘え、斬れ、そら舞うように避けろ。
稲妻の光がさぞや恐ろしかろう。
赤鬼、青鬼、地獄の番人。

あっしは貧乏な子せがれでやした。誰もかまってくれるものなどおりゃしません。
ヤツだって貧乏人、身内も全部貧乏人。
この極悪非道からどうかヤツを救ってやっておくんなまし。
たやすいことだと申しますか。無理です。
どうかあっしを追い払ってくだせえ。
あんたを追い出すことなんかできゃしません。ヤツをどうか
神様仏様、どうか出て行っておくんな。あっしを追い出してもいい。
神様仏様、ヤツでも、あっしでも、ヤツでも、あっしでも。れみごれみご。

駄目だって言うんですかい。駄目駄目駄目駄目間宮様間宮様
お母上殿、地獄の閻魔様に頼んで、どうかあっしの中の鬼を追い出すように
あっしのために、ために

ならばお前様、あっしに石を投げて、ツバを吐きかけておくれよ。
ならばどうかあっしに惚れて、あの世に送ってくだされ。
おお、娘さん、あっしには出来やせん。出て行きやす。たった今ここから。

大したことじゃありゃしません。
まったくもって大したことじゃ
よくある話でございやす。
あっしだって気にしてる訳じゃなし。
世間様がどうでありましょうと。
大したことじゃ。

通常日本盤

試聴はここで

12/6(火)
摩訶な日々
cover
Strange Days
The Doors
1967/10

シリーズ「新波倶楽部」

*鬼っ子。飛び石で現れたパンク/NWバンド、ドアーズ。10年早かった。同時に10年後の親であり。そして10年後に現れたとしてもはまってたたかどうか。どの時代でも異世界人だったのでは無いか。しかも67年の出来事だと誰もが強烈に感じる。正にストレンジなバンドのストレンジな2ndアルバムがこの「ストレンジ・デイズ」です。カリスマ王はジム・モリソン氏。それこそ10年後には同じように当然のごとくヴァン・ヘイレンが出て来るLAでこんなジャケを冠するアルバムを出しちゃったんだから、これはもうカリスマになるか大変人で一切無視されるかどっちかしかあるまい。大人にとっては戸惑いと恐怖にもならざるを得ず、騒動は肥大化して、その肥大化したイメージに本人たちも翻弄される前、ダブル・パンチでその種を振りまいてしもうた。何にしろよくもまあこんな外道な4人が集まったもんです。一人一人、それぞれもどうなるか皆目わからなかったんじゃないか。合わさって一心不乱の結果がこれで何か一つ欠けてもこうならなかったんであろうことは誰もが感じるかと。うっかり油断して何が欠けそうかもわからぬそんなスリルと儚さが闇の蛍光塗料のように光ってます。物凄く先鋭でモダンだと感じる部分とどうしょうも無く古ぼけて下手するとださださでは無いかと思う部分が綯い交ぜだと昔から思い。モダンなところに入れ食いのように飛びついた地点から時を経るに従って古ぼけてるとこがどんどんいとおしく来た。古ぼけてる代表はブルース・ナンバー。ラブ・ミー・トゥ・タイムス。時が時だけにこれをやるのが当たり前かとも思え、しかし入りきらない何かがうごうごと飛び出ようとあがいてる。冒頭のタイトル・チューンは生のままそれが混ざってます。詠唱お経読み歌う詩人の会メロの先駆者、これでもいいのだがここで無かったら数千のバンドが路頭に迷ったかも。極め付けモダンがB面の4曲で、モダンって一体何だ、どうしてそう感じるのかってこと自体頭抱えるけど、結局はストレンジかどうか、迷い無く類無く時を超えてるからいつまでたっても未来を見ちゃうのかもしれません。ヘンクツ、言ってみればオタク野郎が突っ張ってLAでブレヒト=ワイルを見てピープルはストレンジ、あんたが異邦人である時は。一人ぼっちで顔は不細工、浮いてる姿でご婦人は不機嫌、ぶっ倒れる場所すら無く。雨の彼方から覗き見られて、誰もあんたの名前なんか知りはしない。音楽が終わった時。音楽が終わった時。灯りを消して。音楽こそあなたの友。命じられるままダンス。音楽はたった一人の友だから。死する最後の時まで。そうなる時までやっぱりとてつもない孤独野郎だったで、モリソン氏は。そりゃそうだこんなことやろうとしてたなら。この2作で飛び出るも、なおかつこれが何か噛み締めて共感してたピープルはどれくらいいたのだろうか。計り知れないエネルギーでカリスマさんとして見つめるもそれって依然としてストレンジな顔ばかりか。挟み撃ちの状況になり音楽は終わらず灯りも消せず続く。

曲目等詳細

輸入盤

試聴はここで

12/7(水)
麒麟生
cover
Ha! Killing Joke Live
Killing Joke
2005/7

シリーズ「新波倶楽部」

*兄ちゃん姉ちゃん父ちゃん母ちゃん婆さん爺さん赤ちゃんちゃんちゃん、これが今年7月に出た麒麟冗談の新生だ。出荷本数現在ナンバ1!なんつーことはあるまいの。ごっつええで。時は1982年8月9日10日、カナダはトロントでの暴れはっちゃくの模様を6曲収録。おまけは未発表スタジオナンバ3曲。82年と言うたら3枚目のアルバムの頃だ。新波の波がまだ新しかったどん詰まりの時期。歯。聴かば聴け。これがそれ。「ニュー・ウエイヴ」。最初からもっとしっくり来る呼び名がねえもんかと思ってい続けてるだけど、とにかく何か始めざるを得なくて誰も止められなくて始まったもの。人事みたいに半分笑い、まあまあだねなんつう言い方したら若獅子がけたぐりかます。若獅子は青葉山と並ぶ青春相撲取りだ。馬鹿馬鹿しいくらい大真面目、熱血、目が千葉真一血走り、しかも不穏。不穏です。そうだ。この何事が起こったんだ。エマージェンシーエマジェンシーな空気が新波。テクはもうぎりぎりいっぱいだよ。何も楽器練習することが嫌いでは無かろうが、とにかく待てなかった。すぐにやらねば霧散してしまう。それにバクと噛み付いてドバと出し申す。同様に歌メロ拒否し、かと言ってラップで開き直らず、詠唱す。人真似を意地でも拒否し、初のぐっと溜めてのヘヴィ・パンク実現し、リズム祭開催し、パッと散っ・・・・散らなかった。現役だ。風もすっかり吹かなくなって落ちたり上がったり。誰もがこの時は一瞬でも捕らえることが出来たこの不穏を冗談じゃ無い、今でもちっとも解決してないぞと続行。麒麟のジョークの明日はどっちだ。そして象さんは・・・。歯。

曲目等詳細

試聴はここで

12/8(木)
立ち上がれ
cover
Curtis
Curtis Mayfield
1970/9

シリーズ「ブラック道」

*ニュー・ソウル3人男の一人、カーティス・メイフィールド氏、1970年のソロ・デビュー・アルバムです。まっ黄っ黄のジャケに長いあしーも裏返すと何とも・・・柔和そうなお顔。別に役員でも無いのにとにかく世話好きな町内会のおじさんって感じで。実際、時が時なら優しい愛の歌を徹頭徹尾歌ってくれる人かと。ところがその時がそれを許さず。そんなおじさんが子供達の頭を撫でているだけでは済まされない状況を目の当たりにして動かざるを得なかった。そこまでになる事態ってどんなだったろうかてのは我らの想像の範囲を超え。しかし国、環境、時間を越えても実際人事では無い出来事が連発の現在、もうリアルにこの音楽が心に響いてきます。パンクなのかもしれん。アルバムは一編の映画を見るように映像を伴って。こんな映画だ。
ある街にその人柄で人気のお肉屋さんがありました。人気商品はコロッケで子供達にねだられてやってくる沢山のお母さん達で店はいつも賑やか。そんな平和な商店街に白人経営のカジノがオープンするとゆう話が持ち上がり。郊外の大型スーパーのせいで日々寂しくなる通りに賛成する商店主もおり。ところがいかにも物騒なお兄さん達が街を闊歩するようになり、ドラッグの臭いも。お肉屋さんがかわいがってた少年達の中からも一人また一人と悪の道に入道するものが。しかもカジノは町のど真ん中、一番古い、お婆さんの金物屋さんんのところに立つとゆう。肝心なそのお婆さん、頑固としてその誘いに乗らず、立ち退かず。ヤクザたちは何かとゆうと嫌がらせを始める。あまりのそのひどさに心労で倒れて入院してしまう。最初のうちは我慢我慢と言ってたお肉屋さん。そこまで来た事態についに立ち上がる。実は幼少の頃から少林寺拳法をたしなむ武道の名手だったのだ。恐怖に震える街の衆を説得して反対運動開始。最初こそ全員が町のために結束したものの、ヤクザたちの執拗な暴力、もしくは金銭による懐柔で、沈黙するもの、裏切るもの。最後にはついに一人だけの運動になってしまう。店は折りにつけての嫌がらせにより度々破壊され、黙って修理、また壊されの繰り返し。いよいよカジノ・センター建設着工のその日。コロッケを大量に作り終え、たった一人で現場に乗り込むお肉屋カーティス。50人の屈強なボディガードに囲まれ、戦う。その姿を遠巻きに見ていた町の衆。あるものは大根を。あるものはジャンボ・ポッキーを。あるものはスリコギ棒を持って
「Move on Up」
♪しっ!ぼうや。泣かないで みんなは君のことをわかっているよ 折につけ
立ち上がりなさい 目的に向かって 君は見つける やっかいなことを

唇を噛み締め 旅立つのだ そこには多分 濡れた道しかない
けっして滑らないよ 立ち上がりなさい 最後には見つける 大いなる平和を
美しい人々のものの それはたった一つの真実

しっ!ぼうや。泣かないで みんなは君のことをわかっているよ 折につけ
だから立ち上がりなさい 望みを持ち続け 夢を思い出して それだけが君の望みだったろう
頑張れ 失うものは何もない 一番いい方法ではないかもしれなくても 負けるな 屈服せず
言わなければならない 君は試されているんだ

立ち上がりなさい

意気に感じて交えるはダン池田とニュー・ブリードのような楽団の皆さん。持てる力の渾身を。古い感覚、技術かもしれぬ。その果敢なる有様の何とダイナミックでスリリリング、勇気。カーティスさんが、元来そんなことが出来ない人であることは皆わかってる。それでもやらざるを得なかったその気持ちを。一人一人がスパルタカスとして立ち上がらねばこの世はけっして良くならず。力無き金無きもののの声は愚行と思えるほど弱く、しかし何より数がいるはずだ。リーダーの先導に従うのでは無く、リアルな自分の気持ちで
「Move on Up」。

曲目等詳細

試聴はここで

12/9(金)
死神さん
cover
( Don't Fear ) The Reaper
Blue Oyster Cult

1976/9

シリーズ「完璧なシングル」

*早くも週末がやってまいりました。恒例です。
本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「( Don't Fear ) The Reaper」
/ブルー・オイスター・カルト。
1976年9月1週にTOP40ランクイン、うんたったうんたったと最高位12位まで駆け上がったキラー・シングルです。BOCは67年にNYで結成されたバンドでして、メンバーは
ドナルド・“バック・ダーマ”・ローザー:ギター、ボーカル
アラン・レニアー:キーボード
エリック・ブルーム:ボーカル、ギター
ジョー・ブーチャード:ベース、ボーカル
アルバート・ブーチャード:ドラムス、ボーカル
の5人。なんつっても全員ギターでステージ前に勢揃いどっかーんで有名。70’sアルバム・ロック・バンドと申しますか暗黒メタル・バンドってイメージ強くヒットなどとは無縁だったところにこれだ。びっくりしました。実際はほれこの通り気の良さそうな兄ちゃん
ばっか、さすがアメリカーン。東海岸のグレートフル・デッドって感じで当地では強烈根強い人気を持つそうであります。さて「リーパー」邦題はまんま「死神」。何がそんなにええかとゆうと、こりゃグループ・サウンズだー。ブルー・コメッツみたい。とか思ってしまったのは「森とんかつ、泉にんじん、かーこんにゃく、まれてんぷら、静かにんじん、眠ーるんぺん、ブルブルー、ブルーシャトウ」などと育った日本ガキの「ブルー」から連想したからからかもしれない。何だかなー怖そうだなあって思ってたところにこの何とも言えん愛嬌のあるメロディと歌声。そうなると一転して大好きになってしまったことは言うまでもありません。もしかして当時の合衆国民も同じ?。さーまたしても気になる何を歌ってるか。死神、なんて余計に。あ、最近とみに対訳熱にうなされてます。まー腐るほどFENやらTOP40やら聴いて何を言ってるか大体わかるようになったものの、英検3級の身ですから。正しい翻訳など出来るはずもなく。我はこれを
「大訳」
と呼ぶ。鯛焼きじゃないぞ大訳。あー食べたいタイヤキ。最近アンコをサンドウイッチみたいに挟んでるのが流行っておるようだけんどあれはいけません。中にアンコだ。別にシッポまで入って無くても大丈夫。白身?が上手ければの。で、そうそう「大訳」。最高の曲を何とか己のものにする所業なのだ。もとより正確に訳すなどとゆうことは言葉の壁により不可能と開き直り、がばっとでっかく大きく訳せばそりゃもう楽しい。皆さんもいかがですかい。出来ればそのまま日本語で歌えれば最高。が、そりゃ至難です。この曲は・・・サビのとこは「いけないほんとリーパー」って歌いたいけど・・・後は無理や。

All our times have come 俺達の出番だぜ
Here but now they're gone ここかあそこか、それともそこか
Seasons don't fear the reaper 季節は死神を恐れません
Nor do the wind, the sun or the rain 風や、太陽や、雨がそうであるように
We can be like they are 私達がそうであるように
Come on baby... Don't fear the Reaper おいでベイビー、死神を怖がらないで
Baby take my hand... Don't fear the Reaper 手を取っておくれ、死神は大丈夫
We'll be able to fly... Don't fear the Reaper 飛ぶことが出来るよ、死神は大丈夫
Baby I'm your man... ベイビー、あっしは君のものでございます。

らーらーらーら

Valentine is done バレンタインはやりました
Here but now they're gone ここかあそこか、それともそこか
Romeo and Juliet ロミオとジュリエット
Are together in eternity... 永遠に一緒です
Romeo and Juliet ロミオとジュリエット

40,000 men and women everyday... Like Romeo and Juliet 4万人の男女は毎日・・ロミちゃんとジュリちゃんみたいに
40,000 men and women everyday... Redefine happiness 4万人の男女は毎日・・幸せを再確認
Another 40,000 coming everyday...We can be like they are 別な4万人が毎日やってきてさ 僕たちみたいに

Come on baby... Don't fear the Reaper おいでベイビー、死神を怖がらないで
Baby take my hand... Don't fear the Reaper 手を取っておくれ、死神は大丈夫
We'll be able to fly... Don't fear the Reaper 飛ぶことが出来るよ、死神は大丈夫
Baby I'm your man... ベイビー、あっしは君のものでございます

らーらーらーら らーらーらーら

ここでバンドの皆さんによる大変な状況の大いなる描写。

Love of two is one 二つの愛が一つになりました。
Here but now they're gone ここかあそこか、それともそこか
Came the last night of sadness 昨夜の晩の悲しみと
And it was clear we couldn't go on 僕たち続けていけないの
The door was open and the wind appeared 扉は開かれ風が吹き
The candles blew and then disappeared 蝋燭の炎が揺れて消えました
The curtains flew then he appeared カーテンがめくれて彼が現れた
Saying don't be afraid 「怖がらなくていいんだよ」

Come on baby... And we had no fear カモン・ベイビ・・・僕らは怖がらない
And we ran to him... Then they started to fly 彼の元に駆け寄って・・・そしたら彼らは飛び上がり
They looked backward and said goodbye 彼らは後ろから見つめて、言うのよ「さようなら」
She had become like they are 彼女はヤツらみたいになりました。
She had taken his hand 彼女は彼の手を取っちゃってまあ
She had become like they are 彼女はヤツらみたいになりました。

Come on baby...don't fear the reaper おいでベイビー、死神を怖がらないで

えー、最初は明るい農村のように始まり、すぐさま男ロッカー恒例のめそめそなよなよモードに突入。何を申したいかと言わば、要するに悪い男に彼女が騙されて私は振られてしまいました(^0^)とゆうことで、たいへん可哀相です。「べいびー、怖がらないで」とか言っておきながら実は自分が一番怖がってるつう有様よ。なんて男性ってか弱いでしょう。情けな。何しろ現実世界ではタフに振舞わなければならないからねえ。せめて歌の世界だけでもたまにはグチを・・・って場合が多し。そんな時でも目一杯かっこつけてキザに。ってとこが実に東海岸のインテリさん(ほら何とかって言ったあれ)に好まれた所以。ってまとめるんじゃない。とてもかっこ悪くてそこが素敵です。はい。コードはAm G F Gの黄金哀愁進行。とてーも簡単。アルペジオが95%の決め手ですので是非年末宴会のためにマスターいたしましょう。

*今回のみ原歌詞を掲載いたしました。もとより「大訳」は翻訳でありませんので、その筋の方、今回だけどうかご勘弁を。ほら、だって英語で逆翻訳してもそうならないでしょ(^0^)。

試聴はここで

12/10(土)
ロックして
cover
Rock 'N Me
Steve Miller Band

1976/9

シリーズ「完璧なシングル」

*今回の「完璧なシングル」は
「ロックン・ミー/Rock 'N Me」
スティーブ・ミラー・バンドです。
3コードの貴公子ミラー兄貴が到達した最高地点、コードはもちろん3コード、E B♭ GでもA D EでもD G C でもキーに合ったお好きなポジションでどうぞ。しかるにブルースでもあり、ロックンロールでもあり。何より極上のポップス。枯山水の石庭のように配置されるべきところに音があり、何も引けない何も足せない山崎のような曲だイエス。何しろこのイントロ。大方のロック・ファンが口あんぐり。中にはアングリー。だってモロ、フリーのオールライト・ナウでございます。テンポアップ版。ミラー兄貴がこれを知らずしてやったとは思えず、確信犯だ。ブルースそしてロックは皆兄弟、父サンデーサイレンスとの信念有り。問題はそこからでいかにして己を出すか。それが当たり前であればあるほど逆に至難の技となり一朝一夕ではとても出来ぬ。70’sを通じて1点をひたすら見つめての所業。この見かけの軽さ、飄々としたところを取って「誰でも出来るわい」を馬鹿にするものあらば、それはそれこそ己の薄さを全世界に向かって表明する愚か者コンドウマッチなり。流行歌に尊敬とか評価は無用。ただただ愛されることが存在の証だぜイエス。そしてあっしは大訳に挑むベイビ。

うぬ、俺は真面目にちゃんと考えて来たんだ。
そして仕事を見つけようとしている
でも日々それは厳しくなってよう
心から自分が出来ることはしているんだ
頼むよほんと愛しのベイビ

うえ、俺は迷信深くなんか無いよ
それに疑い深くも無い
でも俺の女は友達の一人に過ぎないし
何よりそれが俺が出来る全てのことだってわかってる
頼むからまたうまく行くようにならねえかな

だから俺をロックしてくれ、べいび
ロックして、べいび
ロックし続けてくれ、べいび
ロック、ろっく

俺はアリゾナのフェニックスまで行った
はるかタコマまでも
フィラデルフィア、アトランタ、LA
北カルフォルニア、そこは娘達だって暖かい
でもお前といたくてたまらないんだ愛しのベイビ

だから俺をロックしてくれ、べいび
ロックして、べいび
ロックし続けてくれ、べいび
ロック、ろっく



流れ者のしょうも無い男、でも恋一途の憎めない男の、こりゃブルースだと思う。こうゆうのがブルースだと思うんだけどどうでしょうか。で、そのロッキンしてるブルースをさらーっと全米ナンバー1に。76年のアメリカで。好きも嫌いも飽きるも飽きないも覚えて聴いてハミンするしかなし。決め手はやはりこのコブシ。そして恒例になりました一箇所だけ感極まって爆発するバックの演奏。完璧です。

試聴はここで

12/11(日)
魔男
cover
Magic Man
Heart

1976/9

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「マジック・マン/Magic Man」
/ハート。
73年アメリカはシアトルでアン&ナンシーのウイルソン姉妹を中心に結成。マッシュルーム・レーベルと契約して「クレージー・オン・ユー」でデビュー、その小ヒットを受けていよいよ真打登場となったシングルです。1976年9月1週にTOP40ランクイン、最高位は9位。ネヴァア、ねヴぁあのハートで無いファンタースティックなハートのキラー第一弾。女版レッド・ツェッペリンと冠早速着せられて、そりゃ大ファンを標榜するお二人ですから悪い気はしなかったろうけど、何が魅力って、ほんとは完全ゼップしたかったのにそりゃ米西北海岸の姉妹さん、実際はジェファーソン・エアプレーンとかジャニスさんとかピーター、ポール&マリーとか生まれ育った環境の音楽が生々しくざくっと混ざった訳わかりません、従ってオリジナルーなハードロックなのだ。異型こそが美なり。イントロからしてどかん。これはテープ逆回転ギターです。ここだけで合わせるのに6時間と32分かかった(想像)代物なり。で、決め手はリフ。づんづん、ちゃかちゃか、づんづん、ちゃかちゃか。づんづんとちゃかちゃかは別ギターで左右でやるつう大バカで嬉しくなってしまう。でアンのお姉さんが歌います。大訳レッツゴー。コードはAm、Gの2発勝負。


寒い、深夜、遠い昔
私は逞しい女って訳ではなかった、ご承知の通り
イケメン男がやってきた
眩しい深い碧眼
立ち去ることが出来なかったわ、ユノウ
お互いその瞬間夢を見て
私を知っていたかのように
彼は右からじっと私を見た

「うちにおいで、ガアル」彼は微笑んで言った
「別に愛してくれなくても構わないけど、しばらくハイになろうぜ。
わかってくれ、わかってくれ、わかわかわかってくれ。
俺は魔性の男だ。」

C G Am / G A / C D / Am /

鼻唄を歌った冬の夜
月の満ち欠けと共に時と遊び
「けっして、けっして考えたくない。別れとゆう言葉を永遠に言いたくない。」
そう、夏の恋人は時と共に堕ちて
全部わかろうとしたけれど
ママは急いで大人になるなって心配するし、いえー

「家に帰りなさい、ガアル」ママは電話で叫ぶのよ
「失うのはあっとゆうまよ、子供は家にいなければいけません」
わかろうとしたけれど、わかろうとしたけれど、わかわかわかろうとしたけれど
彼は魔性の男なの、ママ、ああ彼は魔性の男

そして激動のバンド演奏へ。エモーショナル心かき乱すギター・ソロ、エレクトリック・シタールに、うにゅーっとギタア、引っ張って引っ張って、終わるかと思わば、シンセと掛け合い。このゴムみたいなシンセがまた・・・す・て・き。でさ、ボンゴ乱入でぱかぽこぺこんぽと「あーあああ、あーあ」ってね。ナンシー妹さん生ギターじゃかじゃか

「うちにおいで、ガアル」彼は微笑んで言った
「別に愛してくれなくても構わないけど、しばらくハイになろうぜ。
わかってくれ、わかってくれ、わかわかわかってくれ。
俺は魔性の男だ。」

今度はほんとに終わり。
歌詞はもう女性のサーガさが性と申すのでしょうか、私にコメントする資格がありましょうかい。微笑ましい娘っ子と母の会話と申しましょうか、イケメン殺すと申しましょうか、相当これは馬鹿男だと思うぞ。言うか「俺は魔性の男だ」なんて。それでいいんかいと申しましょうか。それに合い等しい間奏部分がもう最高です。大マジだから益々炸裂。昨日のスティーブ・ミラー兄貴もそうだったけど、普段の生活とシンクロしながらも、そんな馬鹿な、ありえねー、ぎゃははってのを楽しむのが流行歌だよ。その意味でも全く持って完璧です。本人達は自覚してたかどうかはしらねどこれは大人のヒットだ。老若男女様々に楽しむ全米市民及び極東ジャパニーズです。

試聴はここで

12/12(月)
ネヴァモア
cover
(The System of) Doctor Tarr and Professor Fether
The Alan Parsons Project

1976/9

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「タール博士とフェザー教授の療法
(The System of) Doctor Tarr and Professor Fether」
/アラン・パーソンズ・プロジェクト。
あのアビー・ロードのB面、そして牛アルバム、あ、原子心母をはじめとするピンク・フロイドでのエンジニアリング、はたまたパイロット、アル・スチュワート氏のアルバムでのプロデュース、必殺完璧シングル創造請負人、それは誰かと申すれば、アラーン・パーソンズ。295パウーンド。裏方の神様だった彼が自らのユニット、APPを始めたのは、お友達エリック・ウールフソン氏に薦められて読んで強烈に興味を持ったエドガー・アラン・ポーの世界を何とか音楽で・・のこのアルバムからでした。とてもとてーもヒットする曲など生まれそうも無い題材からそこはさすが完璧ヒッター請負人、出てしまったのがこの「療法」シングル。タイトルからは、ポーさんの同短編を読んでなければ何のこっちゃ一切わからず。パーソンズ氏には先の活動を通じて3つの顔有り。エンジニアとしては完全職人、確固たる音像を持ってミュージシャンの要求に答える、プロデューサーとしては確固たる音像を持って3分間のポップ時間でめくるめくスペクタクルを創造、相棒片腕ストリングス・マジシャン、アンドリュー・パウエル氏とでっかいくせにすっきり、音を吟味の、一聴してああアラン氏でしょの世界を作ります。そこにはプロとしての恐ろしく厳しい目が。そして自身の音楽では・・・確固とした音像を持って、作るのはもちろん、ただ・・・優しい。裏方生活を通じて誰とは言わんが相当鬼のようなプロデューサーと出会ったらしく、自分でやる時はそんなギスギスした空気では作りたくなかったらしい。自分だって人のやる時は相当厳しそうだけどー。だからこそかも。してこの巨大なコンセプト・アルバムでもどっか緩い空気が流れてまして、その隙がたまらない魅力となってます。音楽的には初期は特にファンクってのがキモかも。他人からはアラン氏にファンク作ってくれって依頼は無いから。その優しさとファンクと完璧の融合の象徴がこの「療法」シングルです。
さて、エドガー・アラン・ポー氏。19世紀のアメリカはボルチモア出身の小説家。短編小説の神様と言われて、同時に雑誌編集者としても敏腕。SF小説、推理小説の祖でもあり、ホラー作家でも大有名。つまり自分の雑誌を売るためにガチっとお客様の心を掴む題材で話を書いた訳で、元祖東京スポーツ見出しライターかも。日本のスーパーな推理小説作家江戸川乱歩氏の名前の元さんでもある訳で、皆さん乱歩さんのは小学校の学級文庫でポプラ社のやつ、どなたでもお読みになったことあるかと。私もご多分に漏れず大はまり、ひきづって引きずって中学ではラン・ポーさんにも入道しちゃった。幻想推理文庫の4巻をむさぼるように読み。その中にはもちろんこの「タール博士とフェザー教授の療法」も入ってたぞ。ポー氏はパンク小説の元祖でもありました。オチのネタをばらさば、今ならなーんだ、てなことになるやもしらねど何と言っても最初に編み出したこの逆転の恐怖。最後の狂乱の描写たるや完全にイっちゃってます。さあ、同じ名前を持つアランのパーソンズさん。嬉しくも多分同じところに興奮を覚えたと見え、そこを再現するにゃポップ極めたこのファンクで。これがチャートに入って来た時はそりゃもう2重の喜びで・・・ああ、生きてて良かった\(^o^)/。ボーカルはジョン・マイルズ氏。直前にアルバムをプロデュース、思う存分スペクタクルした方。もちろんそこではファンクは無くて、あんた凄げーやないかー、こんな最高なら自分のでもやったら良いのにとつい口に出てしまう。野太くは無いけど声に芯と張りがある巨大なパーソンズ音楽の中で生き生きとす、正に大はまりの人材です。バックは個別のクレジットがレコードには無いので想像だけど、丸ごとパイロットの面々と思い。ギターなんかあの音だもんな。もちろんパイロット自身のアルバムでもファンクな要素は皆無。あんた凄げーやないかー、こんな最高なら自分のでもやったら良いの・・・とまた口に。でも筋が通ってるパイロット世界だからな、ここはここでしか聴けないってとこが思い切り大切な時間ってことで。ギターの生々しさが大狂気、ドラムスのトッシュ氏(勝手に決めてるけど)のハイハットの返し決まってるぞ。
お話は
”18XX年の秋のことでありました。フランス最南端プロバンス地方を旅してたとき、我は「メゼン・ド・サンテ(健康の家)と表する私立の精神病院まであと数マイルとゆうところまで来た”(アルバム・原ライナーより)


これを飲めば気持ちよくなれる
これだけ飲めば感じることが出来ます
これを飲めば気持ちよくなれる
これだけ飲めば感じることが出来ます
by オゲゲな声

我慢の限界、思いは全くまとまらず
でもぐっすり眠れるよ、夜は果てしなく続くし
そして、天気のようなあなたの心の変化
タール博士とフェザー教授の診断が必要です

雲だって明るく元気に見えちゃう
生きてるってお気楽極楽だもん
全く違う目で競争社会に突入
さすらば全く違う一日に突入
貴方はお利口でしょ、ならそうするが賢明
タール博士とフェザー教授のご指導に従って

虹の最後のとこを見つけましょう
風に乗ってふんわりふんわり飛んで
ついでに大いに笑い飛ばし
これを一発やれば最高になれるぞ

至って全くそりゃ最高
タール博士とフェザー教授の療法です

娘っ子を連れ回すのを止めないで
ケンカなんかし始めないで
一升瓶をこっちにもちょうだい
うまい酒と良き友がいればそれだけでもう充分でしょ

これを飲めば気持ちよくなれる
これだけ飲めば感じることが出来ます
これを飲めば気持ちよくなれる
これだけ飲めば感じることが出来ます
by オゲゲな声

やばい内容でございます。放送禁止や。でもさアメリカを代表する作家のポーさんが言ってることですし、フィクションですし、何よりお酒は美味いし。話の筋はこの歌からはわかりません。是非お読みになって、再読の際に聴かば、これが楽しく。なぜ「タール博士とフェザー教授」か、わかるし。

試聴はここで

12/13(火)
やかましい
cover
Wall of Noise
Doctor Mix & The Remix
1979

シリーズ「新波倶楽部」

*ドクター・ミックス&ザ・リミックス。名前だけですと今年登場21世紀のテクノークラブ・ユニットって感じや。79年に登場した電子パンク野郎です。レコード番号ROUGH6、イギリスではあのラフトレードからリリース、しかして実態はフランス・パリ産。すぐ後にメタル・アーバインつう暴れバンドをものしたエリック・デブリ氏が起こしたとんでも音楽だ。そもそもパンク誕生の所以なしごなは「ボアダム」、退屈やー!つまんない。ロックも歴史を重ねてすっかり熟練の達によるものになってしもうた。こっちはただ眺めてるだけなのか、てんで、こうなりゃ全部ぶち壊してしまへ。なんでどんなに感動的であろうが最高の出来であろうが、今までのを受け継いでる完成品ってだけで喰ってかかるとゆう迷惑な言い掛かりのような音楽だぞ。それまでやってはいけないってされてたことをやってやる。カリスマ・ロック・スターなんかクソ喰らえ。ピストルズのロットン氏やクラッシュのストラマー氏なんかはパンクを離れてもごっついスーパーな歌い手でした。であるからついついそのままスーパーな存在になってしまいの、カリスマになってしまいの、やってる方針の中に自己矛盾を抱えてそれとも戦わなくならなかったりして。ならばこれではどーだ。誰がやってるかさっぱりわからないぞ。針を落とさば何ともまー貧相なリズムボックスをバックに電気ギターぎゃんぎゃん掻き鳴らして男がわめいてる。この男、そもそも歌ってはいかん。ジャイアンだから。声だけは目立ちに目立つ。音程なんか取ってる暇があったらもっとでかい声でわめく。ダンスは至上目的だからリズムだけはバッチ合ってるぞ。で、わめく。曲は

Out of the Question(60’sガレージ・バンド、シーズ)
Grey Lagoons(ロクシー・ミュージック/フォー・ヨア・プレシャー)
No Fun(ストゥージーズ)
Six Dreams(シーズ)
I CAN'T CONTROL MYSELF(トロッグス)
Superman(デビッド・ボウイ)
Sister Ray(ヴェルヴェット・アンダグラウンド)

と先んじて暴れてた猛牛連中のもの。これを言われなきゃわからんくらいぐっちゃんぐっちゃんにして。元々充分ぐっちゃんぐっちゃんなんをさらにぶっ飛ばす所業たるや神をも恐れぬああ怖い。一番やりたかったことはこれでしょとばかりに。ベースの存在を忘れてる曲あり。入ってる時は入手出来るシンセはこれしかなかったんですってくらい安ーい音で戦慄担当、唸る、ぶー、そしてぴろぴろぴろー。誰かにお奨め、俺は出来ん。不快この上ないとこが快感なのでの。しかしこうゆう大馬鹿な連中がいるのが嬉しくて楽しくて聴く。インダストリアルって言葉が魅惑、オルタナティブってのはこうゆう音を刺してそう呼んだのだ。どうなるかわからんって意味である。バンド名、及びアルバム名は正に体を現す正直もの。同時に簡易アスファルト舗装材に同名のものあり。ゲンズブール氏がいたフランス、やるときゃやります。そのまま冷笑がオーバードライブしてダフトパンクに。

曲目等詳細

試聴はここで

12/14(火)
あ、むち
cover
Freedom of Choice
Devo
1980/7

シリーズ「新波倶楽部」

*あ、むち。3作目ディーヴォは「ご自由にお選び下さいまし」。この時点でもう10年選手になろうしてました。一朝一夕勢いの連中ではねえっす。華麗なるディーヴォ大作戦、まずはスティッフでの零下50度の鋼鉄都市をクリスタルの高下駄で疾走してるが如きシングル群、嬉々として全開、あのディーヴォ・フィルムも製作でイーヴォ最高地点をそこで観測いたしました。でもってメジャー・デビュー。ヴィニール盤にまずはアウトプット。周囲の期待に答えた一発印象シングル「サテスファクション」ご開示。そしていかにも二の矢の2ndをものして忽然と消え・・・無いぞ。順調に3rdがこの「欲望心理学」。邦題見事なり。ニカっと笑って生存の為の変身敢行や。さーどう退化しちゃるか。周囲の期待に答えてPOPになってやりまっせ。軟弱になったつう先生たちの声が楽しみだわ。製作はピカチュウ・イーノちゃんに変わってアメリカン・シンセサイザーのクサノタケシ、ではない草分けでありますロバート・マゴーレフ氏。ぎゃはは作戦成功だ。アルバム最高位22位、そして、トンでもありませんディーボが全米ヒットを出してしまいました。
その曲は
WHIP IT
むちよ


鞭でピシ
ズッコケ過去を僕にちょうだい
ひび割れを踏みしめて
ママの背中を唐竹割り

そう、むち ペシっとね
完璧に 真っ直ぐに
前進前進 真正面向いて
じかにむち 遅くは無いよ
ああ、むち  なんてすてき

最高になっちゃった時、君はむちね
むちしないとそりゃとんでもないことになっちゃいます
ムチのみが問題解決の唯一の方法やねん

そう、むち ペシ
どかんと一発 むち
一歩前に むち
ああ、むち よいわ

世界アホ・ソング選手権のこの年のベストグランプリになったことは言うまでも無く、年末の紅白歌合戦の応援に出演しながら裏番組でライブ、視聴率3%を獲得しました東京12チャンネルで(うそ)。つまりですね、もうすっかり有名になったので稼いだお金10万億ドルを手に2085年の未来テキサスで「焼き鳥ディーヴォ」を開店、皆さんこのかっこのままサーヴィスをしてまして、眺めていると次第に実写からアニメー萌えに変身して行ってしまったとゆう訳なんです。アルバム・タイトル曲なんかゴー・ゴーズみたいじゃないですかい。ウィピットはトニー・ベイジルさんのミッキーに対応、ならば次の「新保守派」に向かう途中でチャップマン=チンと夢のおコラボして欲しかった。なんてね。音楽才能の絶頂期ってのは誰でも否応なしにあり、それを見て、それからは退化の改新です。その退化の仕方は本家ですからお手の物。でもさ進化は善で退化は悪?。進化って何、退化って何。「ご自由にお選び下さい」。今になってびんびん響くメッセージです。

曲目等詳細

試聴はここで

12/15(水)
ピクニック少年
cover
The Commercial Album
The Residents
1980/11

シリーズ「新波倶楽部」

そしてディーヴォと並ぶ現代北米暴れん坊将軍の左大臣と言わばこのレンジデンツちゃん。齢25年を記念した「ザ・コマーシャル・アルバム」です。もう最初から誰なんだこいつら。メンバーの誰一人として素性わからず。おまけに音楽も何なんだ。この前のアルバムのエスキモーなんかようピューとかトコトコトコとかでっせ。で、売れるのか生活できるのかとの心配をよそに次々とアルバムが登場してきます。そのあまりの訳わからなさに評判になったりしてよう。そのエスキモーで登場した目玉親父キャラで皆少し安心。そうか。目玉親父かーって。それでこの盤に遭遇いたします。全40曲。各曲押しなべて1分1秒から4秒の間。印税がっぽがっぽ。何よりよくわかるのが1分ってのが同じ長さでは無いこと。長かったり短かったりするのだ。びっくりです。薄々は感じてましたけどほんとにそうだったのだな。アナログですと溝がとても綺麗です。みんな俳句のように5、7、5で終わり、1曲終わるたんびに「あ、終わった、あ、終わった」って楽しめます。何回も聴きます。好きな曲がぼこぼこ出て来ます。困ったことに中間のは曲名が把握出来なくなってますので人に説明できません。「あのプンコプンコってやつ」とか「あの水戸黄門なやつ」とか。ま、こっそり聴けばいいか。とにかくまー、愛嬌があってすっ呆けててかわいいと。恐ろしくレジデンツの音ですし。ジャクソン・ブラウン氏のアルバムがジャクソン・ブラウン氏の音で溢れているように。そこではまればもうフェイバリットっ。音楽に説明が付かなければどうもイライラして聴けませんって方には全く不向き。要は面白いですかいつまんないですかいのガチンコ勝負でござる。まさかこれを聴けば知的インテリさんて悦に入ってる人はおるまいな。そんな方にはこの文を贈ります。「「思ひ出が、僕等を一種の動物である事から救ふのだ。記憶するだけではいけないのだろう。多くの歴史家が、一種の動物に止まるのは、頭を記憶で一杯にしているので、心を虚しくして思ひ出す事が出来ないからではあるまいか。」by小林秀雄氏〜無常と無常といふ事より。いみじくもあっしがバカ田大学を無謀受験した時に国語試験で出ました方。家に帰りまして親父に見せたら「これは日本語では無い!」と叩きつけました。無事落ちましたのでラッキー。あまりに訳わかんなかったのでギャグとしか思えず、ギャグだわこれは。レジデンツご一行は「無常な人々」のような気がするのは気のせいでしょうか。「常」じゃ「無い」もんなこりゃ。ほほほほほ。「常」じゃ無くてもすげえよくわかるコマーシャル・アルバム。言えなくても。これが音楽の力だ。まいったか。こうゆう語がわかるんだぞいって一般ピーポーを無知ムモウ輩にしてご満足の知的六本木ヒルズ・インテリさんの陰謀を粉々にし、我ら目玉軍団支持者達はバカボンのパパを断固支持するのだ。これでいいのだ。 お出かけれすか。

えー、この盤のDVD版が出ています。しかしながら何で何だのリージョン北米限定。こちらでシングルカット(?????)のピクニック・ボーイ他3曲が視聴可能。そう言えば入手先参考場所のアマゾーンでも試聴が出来ましてこれが1曲30秒ですから全部半分は聴けるぞ。がはは。

曲目等詳細

試聴はここで