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今日の推薦盤一覧2003.12上

 

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1

12/1(月)
cover
Nude
Camel
1981


シリーズ「プログレ支部」

英国叙情派西海岸ソフトプログレの雄、キャメル。初めてろっくすでご紹介させていただきますのにこのアルバムで良いのかー、ジェケもこれだし、お正月まで待てば良かったか。はさておき理由があるのです。サウンド、佇まい共に地味な感がありますキャメルさんが当日本国で一躍有名になったのはこれに収録されている「キャプチュード」ちゅう曲のおかげではないかと認識しております。プロレスラー格闘家ケンカ好きの前田日明の入場テーマに採用されてあのあまりにもはまりぶりかっこよさで、これでいいのかなあと不安を持ちながら入手した人も数多かろうと。前からなんとなくキャメル知ってた人はえーこれがキャメルの曲ーとびつくりして派手やんと買わなかったりして[(^o^)]。大丈夫です。中身は正にキャメル。いつものようにこれで良いのかーとちょっと心配になるほどの楚々とした音作り。何とここではオリジナルメンバーはアンドリュウ・ラティマーさん一人になってしまい、コックニー・レベルのダンカン・マッケイ、メル・コリンズさんたちのリトルヘルプ、そうですキャプチュードのパポプペポ・サックスはメル氏のものだったのだ。それでもばっちりキャメルサウンドなのは参加してるみなさんの心にキャメルがしっかりと存在していてキャメルはいつだってキャメルでいて欲しいとの願いが強かったからではないでしょうか。ビーチボーイズのように。えージャケの謎です。このアルバムのテーマはルバング島から帰還した小野田少尉さんだー。なんで小野田さんを。ここで凄く不安になる方もおられるかと思いますが大丈夫、外人日本誤解チントンシャンは存在してませぬ。で私がこのアルバムを好きなのは1曲目の存在。これまた「シティ・ライフ」とゆうAORかーと思わせるタイトル。大丈夫、...ではありません。AORです。これは絶対ヒットを願ってつくられた曲だと思う。実際ポップチャートの4位くらいまで上がったっておかしくない凄い素敵な曲。でも駄目だったようで。3年遅かったかもなあ。マックやアル・スチュワートなんか思い出してその手に弱い人にはほんとお勧め。ヒットしてなくてもこんな名曲が世の中にあるからお店レコード棚を今日も探してしまう。そいえば全体的にアランパーソンズと共通する風情があります。彼ほどいざとゆう時の押し出しの強さが無くてジョン・ディーコンさんなのが今一大ブレークといかないのでしょうが、この行ききらないとこがキャメルの素敵なとこかと。実際聴いてて仕事がはかどること、今回も助かりましたキャメルさん。

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12/2(火)
cover
Diamond Head
Phil Manzanera
1975


シリーズ「プログレ支部」

ロクシー・ミュージックの碧眼ギタリスト、フィル・マンザネラ氏のロクシー「サイレン」発表後の小解散時に作った初ソロ・アルバムです。この人徳溢れるセンスおじさんの門出に集った仲間たちはアンディ・マッケイ、ポール・トンプソン、エディ・ジョブソンとロクシーメムバー、ビル・マコーミック、チャールズ・ヘイワードとロクシー以前に加入してたバンド、クワイエット・サンのメムバー、そのカンタベリーラインからロバート・ワイアット、ジョン・ウエットン、イアン・マクドナルド、そしてイーノとまあプログレ小オールスター。それぞれのファンの人が名前に釣られてこれを買うことも予想されますがみんな大満足の充実盤です。何しろフィルさんのその音像センスたるや半端なものじゃありません。よくぞこない個性的な連中が集まったもんだのロクシーの中において氷の切れ味のカッティングでざくっと切れてましたがこのソロではソロの腕前だって横綱級だぜちゅうことを見事に証明なのだ。1曲目はワイアット氏がヴォーカルの何語だスペイン語かラテンと言うよりもジプシーだなこれ、ワイアットさんがストレート・ビートで歌うことはありゃせんのでこれは貴重です。イントロのペコポペコポのシークエンスでもう既にKO。ペンペラペンペラのカッティングでKO。2曲目は題名はダイアモンドヘッドだけどベンチャーズの曲じゃないよ。ロクシーのヨーロッパ哀歌思い出す哀愁インスト。せりあがってくフレーズでKO。ペンペラペンペラでKO。3曲目でっかい日。これはもうイーノワールド。いつもの見かけキャラとは正反対の何ともほのぼの印で満開です。桜でんぶみたい。続くフレックスはモータウン?ちゅうベースに続くはロクシー風チャンポン・ファンキー。プッポプッポサックスはマッケイちゃんだね。イアンさんだったら爆笑だけど。フィル氏特徴のカッティング圧強のソロもいかしてる。続く「次週同じ時間に」ではウエットンさんボーカルで登場。何とも中途半端なメロディが味の曲で英国伝統何故かやたらソウルフルの女性と仲良くディエット。これも珍しいのではないかの。でクライマックス「ミス・シャピロ」。イントロです。これはいったい。センス大魔神の名にふさわしきかっこよさ。これだけでご飯3倍いけちゃう。ピッキング・ハーモニクスの組み合わせでこんなフレーズが。これはイーノさんのアスコラビスタ・センスかもしれんがそれにしても。たたみ込む執拗さが快感です。そして続く曲もクライマックス、ロクシー直伝やたらでっかい風呂敷のイントロで何をそんなに壮大に。づんどこロクシーがたまらなく好きな人へのプレゼント。で、血がさせるのかジプシー世界の生ギターインストに続きます。多分フィルさん、根は生ギタリスト。生が根の人、例えばペイジさんヤングさんはピッキングが強くてへたすりゃヘタ?と誤解されやすいのだ。ラストはまたまたでっかい曲で大団円。凄い人だと思っていたがやっぱり凄いマンザネラさん。はまると全制覇確実。覚悟してお聴き召され。

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12/3(水)
cover
Photos of Ghosts
PFM
1973


シリーズ「プログレ支部」

1971年にイタリアで結成されたプログレシブ・ロック・バンドPFM。えーとプレミアータ・フォルメリア・マルコーニの略。あってるのか(^_^;)。イタリアを訪れたグレック・レイクがライブに大感動してキング・クリムゾン作詞担当のピート・シンフィールドに紹介、彼のプロデュースでELPのレーベル、マンティコアから発表したのがこの盤です。世界的に発表するのにさすがにイタリア語ではやばいだろ、もしくはわしにも参加させての全編英語詞で歌われております。そのアグネス・チャンちゃんを彷彿とさせる舌足らずがきゃわいーと評判を呼び大ヒット、とゆうのは嘘です。なんちゅうか恐ろしくプログレ、皆さんが夢のように描いてるイメージそのものの音でこれだこれだーとプログレファン狂喜で大評判に。今日に至るまで名盤とされている一品となりました。私の好みの基本は「短い、ポップ、ビート」なんでこりゃまったく正反対の音。しかもクラシックなんぞは日本音楽教育の歪でおげげと後遺症著しく至ってしんどい世界のわしを感動の渦に巻き込めるかー。巻き込まれました。冒頭からうんたらたんとやらかしてくれたんですが、これはクラシックってゆうより古の中世古楽。クラシックは駄目だけど古楽は大好きだ。歪だ。続いてどわーっとメロトロン。どわーっとやられるとやられてしまう何かがこの楽器にはあります。そのような「今日は文化の日。ルネッサンス芸術アテネの街を探訪してみましょう。」と最近見ない女優さんのバックで流れるかのような曲の次には、お祭りお祭りーと派手なセレブレーションとゆう曲が。これがシングルです。お祭りーと思ったらこれはイタリアで出した1stのフェスタちゅう曲の再録、どうしたってフォーカスの悪魔の呪文を思い出す展開のキャッチー&かわいい曲なのだ。ああこれがイタリアンかーとちと際物ぽいのでヒット得たのが大きいなあ。これがアルバムのピンポイントになって後は思いのたけ独自世界を。1回や2回聴いたくらいじゃとてもとても憶えられない展開ですがそこかしこに親しみやすさがあるんで何回か仕事でもしてる間に聴いて憶えるころにはあらまあとりこよ。なんかこうイタリア語で歌ってるの聴きたくなって1stと2ndに手を出すことになっちゃうかも。えーピートさん、見事に仕事しております。歌詞だけではなくイタリアでの盤よりよりめりはりとビートを利かせた音作り。初っ端入るには抜群の感触で、メンバーのここはいっちょやったろかいちゅう気迫共々エプタフ+21世紀混然のプログレ名盤なんだと門外漢かもしれない私も認めちゃいましたがいいですかい。

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12/4(木)
cover
Banco del Mutuo Soccorso
Banco
1972


シリーズ「プログレ支部」

PFMに続いて名のあるイタリアン・プログレバンドと言えば、このバンコ。日本食研焼肉のタレからバンド名をいただいたなわけなくてキーボードを操る二人のノチェンツィ兄弟を中心としたバンドでござる。後にマンティコアからPFMを追っかける形で「バンコ登場」とゆうアルバムで英語詞デビューをしたのだ。PFMが白馬の王子様金髪碧眼さらさら目きらきーらって感じからいたしますとこちらバンコは悪役ムード漂う死神博士であります。特にこの1st荒技ロックテースト満載で実は私バンコの方が好き。オリジナルLPはイタリア素焼壷の変形ジャケで上の切り目からしおり状のメンバー写真がにょわっと出てくる素敵だわん。全編もちろんイタリア語です。何を歌ってるかちんぷんかんぷん。邦題を無視して[(^o^)]音と歌声から推察しますに..
 1932年イタリアはフィレンチェ南東12キロのATG映画に出てくるかのような寒村マニネラで生まれた少年その名はバンコラン。至って聡明、美しき風貌ですくすくと育ちました。6歳のみぎり有精卵赤玉のゆで卵を口にするも何と孵化途中のものでその恐怖のあまり髪は抜け蒼白、ブ男の極み丹古母鬼馬二のような風体になってしまい同級生からしこめしこめと罵られてすっかり性格がよじ曲がり悪の道に入ることになります。すっかり村の悪たれ小僧になってしまったバンコラン、14歳の時出会ったのがマフィアの親分ドン・ヴィトー・コルレオーネbyマーロン・ブランド。さっそく子分にしてもらいまあ闇金の取立てはするは機関銃乱射するはひどいわひどいわよ。そんな風に2355人の善良な人間を殺戮して25歳になりました。2356人目を殺戮しようとした時現れたのが大霊界とゆう名著を著した丹波テツロウ老人。「おまえのやってることはまちがっておるー。」。はっと我に帰り心改め頭丸め多くの人間を救うため鯨を食べるな運動に邁進することとなります。3日間善行を続けたものの悪いキツネにクジラベーコンを騙されて食わされそのあまりの旨さにはっと我に帰り又悪の道に。その後さらに9754人を北斗竜拳で殺戮したあげく空から降ってきた巨大な親指にプチっと潰されその生涯を閉じたのであった。
とゆうような物語が絶対に展開されているこのアルバム。そこはかとないキイハンタア臭がたまりませんがこんな話をきかされちゃあ買う気起こらないなんてゆわないでぇ。

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12/5(金)
cover
Faust IV
Faust
1974


シリーズ「プログレ支部」

プログレ支部本部メニューの背景でお馴染み?ドイツの謎プログレ集団ファウストの4枚目アルバムです。1969年にハンブルグで結成されて熱烈支援者の援助でドイツ北部ヴュンメちゅう街の廃校に機材を持ち込んで怪しい音楽を日々生産したとゆう。鬼の合宿音楽ちゅうのも凄いが各所のこの人達へのレヴューも凄い。ダダイズムニヒリズム実験音楽ショトックハウゼンシャウエッセンニッポンハム新庄とさっぱりわからぬ。私はこれとテープスとゆう2枚のものしか所持しておりませんので難しいことはよくわかりませんがあれだ人懐っこいよけっこう。ザッパちゃんと同じで永遠の中学生、音で遊んで下さいとの印象です。ドイツン・プログレと言いますとシンセばりばりとゆう印象ありもこの人達はんなことなくて生電気バンドで色々とやらかしてくれなはる。コラージュ大得意の彼らもこの作品ではきちんと曲がわかれてその点でも何か安心。冒頭からノイズの嵐、こりゃエレキフィードバックを速度変えて録りおったなでドキドキしちゃうけどだいじょぶ凶暴ではなし。なんで牧歌的なのでしょう。不思議と馴染みます。タンブリンで必死に拍子取ってるのがかわゆい。一転次の曲ではへんてこレゲエ。お茶目なメロディでレジデンツみたいだこりゃ。で一番好きなのが次のジェニファーとゆう曲。ヴェルヴェットアンダーグラウンドのファンならこの感じでやられちゃうと。間で巻き上がるシンセの音色とフレーズではロクシーのファンがやられちゃうかと。ポップなメロディのバラード。バラードかー?。5もレジデンツ族。びっくりしてるほど似てるけど怪人たちの考えることは似ちゃうのかな。6.では生ギターフレーズが何となくXTC。ラストはアシッドなフォーク風味とアシッドちゅうてもなんでんねんですが、ぼーっと聴いてなんとも落ち着くの。凄くこの良さ説明しにくいっす。ふとした日常に4次元空間への風穴を開ける一枚ってことで清水の舞台からバンジージャンプでいかがすか。試聴してみて感じがはまるのならもう大丈夫です。いけます。保証します。このアルバムを最後に活動停止をしていたようですが何と最近復活したそう。1999年のRavvivandoとゆうアルバム試聴してみましたが、くわ、かっこいいこと。まだまだいけるわこりゃ。なおジャケがみんな素敵だとは思いませんか。プラスです。

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公式?HP

12/6(土)
cover
John Lennon/Plastic Ono Band
John Lennon
1970/12/11

シリーズ「トルズを聴こう」

ビートルズ解散後、最初のジョン・レノンのソロ・アルバム「ジョンの魂」。いやあソロになりました、よろしくーなんて生易しいものではありません。今まで愉快に冗談言ってくれて笑かしてくれた奴がしばらく見ないと思ったらいきなり現れて真顔で自分ことを告白、それがまたこっちにはどうしようも出来ないことなんで、一体どうゆう態度で接したら良いかドキドキしちゃう。おもいっきりTVのみのさんみたいに「まぁ、何とかやってよ」なんちゅう無責任なことも言えません。友達になったからには僕のこれから言う事をしっかり聞いてとゆうことにこちらも真正面から受け止めることとなります。ビートルズを終えてソロになるに当たってどうしてもなさねばならない通過儀礼だったのか。「マザー」「ワーキング・クラス・ヒーロー」「ラブ」「ゴッド」「パワー・トゥ・ざ・ピープル」と誰もが知ってる曲がここにはあります。英語がさっぱしわからぬ身にもその平易な歌詞で言葉が否応無しに突き刺さってきます。美しいメロディでその威力を100倍にして。正直こちらの精神状態によっては辛いときもあり。ちょっと今は勘弁してって言いたくなる時もあり。それほどヘヴィで強烈な盤だと。それを他人の悩みに付き合って疲れるのはごめんだと考えるか、ジョンの悩みを自分のことと受け止め一緒に吐き出してジャケットの風景のように心の平和を得ることが出来るかそれはわかりません。サウンドうんぬんかんぬんは吹き飛んでしまうかのような音群ですが、それにしてもその意図を完全に読み取ったかのごときプロデュース・ワークは見事。その心の荒野をフィル・スペクター氏も持っていたのか、ジョンの魂が周囲を虜にしたのか。リンゴを初め一切の虚飾を剥ぎ取ったような音の塊はまごうことなきこれがソロアルバムだと思います。重います。

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日本盤

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12/7(日)
cover
Flowers
The Rolling Stones
1967/6

シリーズ「石」

67年の6月にアメリカでリリースされたシングル曲、未発表曲、既出曲で構成のコンピ盤です。テーマはロンドン街中かっ歩してウインドウ・ショッピングちゅうかナンパちゅうかいたしてるストーンズの皆さん?。何ともとんでもなジャケです!どっこい中身を聴きますと妙にかわゆく見えてくるみえてくる。しっかし黒いストーンズ頑強支持派の人はほとんど聴かないだろうなあ。青春の一ページ(きゃあ)、この時期でしかありえなかったであろうドリーミーな音が一杯でわたしゃ大好き。いきなりルビイ・チューズデイでっせ。この曲は入っていることがえらい似合うこのアルバムで聴きたいす。レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザーも。このあたりのカラフル・ストーンズに色付けしてるのはブライアンさんとジャック・ニッチェさん。ブライアン君はフルートまで吹いてそれがまた堂にいってるから凄い。天賦の才持つ人とゆうものはおるもんだなあ。何で曲書けなかったんだろ。うーん。作曲面でライバル、ビートルズに遅れをとっておった彼らもここでは完全に挽回、ほんと良い曲だらけです。ビートルズはそりゃ凄いけど唯一欠けていたのが街の臭いかな。ストーンズのこの頃の曲には行ったことの無い人間にも強烈にわかるロンドンの臭いがします。しかも普通の街並み。こりゃほんとたまらん。未発表曲は最後の2曲。ライド・オン・ベイビイはクリス・ファーロウに提供の曲ですがこれがまた良くて。シッティン・オン・ア・フェンスはツワイス・アズ・マッチちゅうディオに提供曲のセルフ・カバー。これも秀曲す。フォーックロック!マイ・ガールはサーヴィスだな。この感じでこれらの曲を聴けることはもう二度とありません。まったくサーになっちまったもんなミックさん。

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日本盤

12/8(月)
cover
Champagne Jam
Atlanta Rhythm Section
1978

シリーズ「南部鉄道」

1970年にアメリカ南部アトランタのドゥービルで結成されましたのがこのアトランタ・リズム・セクション(以下ARS)。なみいるサザン・ロック勢の中では異質、豪快な中にナイーブな質感のある音で我々を魅了させてくれます。何でかなーと常々思っておりましたらこのバンドの前進はあのスプーキィのヒットで有名なクラシックスW、ポップ畑でしかもスタジオミュージシャン集団。だからと言ってバンド色が希薄とゆうことはありません。唯一無比のARS節を持った素晴らしいバンドなんです。そんな彼らが最初にブレークしたのがこの盤からさかのぼること2年前76年にソー・イントゥ・ユーのヒットから。そして文字通りの大ブレークとなったのがこのアルバム、シャンペン・ジャムです。言っときますがこの盤、モノが違います。78年と言えば前年にAJA、他にもフリートウッド・マックの噂など70’sロックの決定的アルバムが出た時期で、この盤もそれに匹敵する内容を持ったほんとたまらん盤だと個人的には固く思っているのだ。何しろ曲が良い。勢いと切れのロックナンバーもお得意の憂いミディアム・チューンも素敵なものばかり。そしてその中でも決定的なのはやっぱりシングルカットで大ヒットとなったイマジナリー・ラバー。魔法がかかってるかのごときめくるめく世界です。あまりにくらくら来ちゃったのであの近田春夫氏などはロキシーの夜などとゆうオマージュ・シングル出してたなあ。何か年齢を重ねるごとにこの味が染みてくるようで私なんか何回聴いたかわかりませぬがどんどん好きになっちゃって困るよほんと。もっともお子ちゃまにはムード歌謡に聴こえるかもしれんがそんな人とは遊んであげない[(^o^)]。最初にARSに接するには廉価盤多数のベストが良いかもしれませぬがそれでこの世界にどっぷりはまったらお次は是非この盤を。聴き始めたらあっとゆうまに終っちゃってまた始めから聴いちゃうもんね。エンドレスです。ずぶずぶ。とにかくブルース、カントリーベースの他のサザン・バンドとは趣きが違いますので是非試聴してみてください。感じだけでも来るものがありましたら行ってみましょう。保証いたします。

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12/9(火)
cover
Slow Dancer
Boz Scaggs
1974

シリーズ「ヒット王」

実は大のご贔屓ボズ・スキャッグス。74年発表の小ブレーク作、スロウ・ダンサーです。サンフランシスコ出身の彼ですがデビュー盤はマッスルショールズでデュエイン・オールマンさんと組んでの一発、その後はシスコ、ロンドンとグリン・ジョーンズと組んでレコーディング、前作でまたマッスルショールズと南部まったり道を歩んできました。そして今作。ここで何と北のソウル総本山モータウンのライター&プロデューサー、ジョニー・ブリストルと組んでバックもジェイムス・ギャドソン、ジェイムス・ジェマーソンとワッツ103通りバンドの連中、デビッド・T・ウォーカー、ワウワウ・ワトソンと旬のファンクソウル勢で固めた何かを期した勝負アルバム。結果チャートでは81位までしか上がらなかったもののじわじわ売れて大成功、次作での大ブレークへの足掛かりとなったのだ。この前の「マイタイム」も大傑作だったけど売れなかったからこりゃ大きいわ。2年の間着々と作を練っていたのだな。そうです。この盤もモノが違うのであります。良い曲だらけ、ゴージャス・ボズ炸裂、とろとろでやんす。ボズさんて不思議な人でブルースやると妙にモダンで都会的になり、逆にAORゴージャスな曲やるとどこか素朴で田舎っぽいとこが感じられる、またそこが魅力ではまっちゃう。私も若い時はまあまったりしたアルバムだなあと思ってたんですが齢を重ね良さがわかるようになりました。どんどん好きになって行きます。必殺ニューオリンズのアラン・トゥーサンの曲もばっちり決まってるし南部の伊達男、都会に出てきてもビンビンよ。ここでがっちり何かを掴んでLAに入国、切れを加えてシルク・ディグリーズでどかんと。はい、シルクではまって、レフトで夢中になりましたら次ここいっておきましょう。そっしたら後はもう全部だー。とはいえ2ndからマイタイムまで現在廃盤なのは痛い。CBSさん、はよCD復活してね。

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日本盤

12/10(水)
cover
All Time Greatest Hits
The Grass Roots
1996/7

シリーズ「おひさまPOP」

初めて聴いた時から既にああ懐かしいなあと訳のわからん感慨に陥ってしまう音楽があるものでこのグラスルーツもそんなバンドです。私が洋楽を聴き始めた時には既に落ち目さんになっていましたので直接遭遇は無かったのですがチャートもののコンピ買うと必ず登場、またそれが良い曲ばかりだから妙に気になっておりました。それでこの盤を。まったく無慈悲な位、素敵メロ曲ばかりです。前半数曲と後半とやけに感じが違うなあと思ったらあらら何とやってる人が違う(^_^;)。実は企画バンドだったとゆうことで。デビューは60’s中盤ルー・アドラーが起こしたダンヒルレーベルでバリー・マクガイアの「明日無き世界」などを書いたPF・スローンとスティーブ・バリが自分でもレコード出してしまおうと本作の2.を作ってヒット、多忙な作家だったんでツアーに出れずうんならってことでシスコ出身のベドウインズちゅうバンドを雇ってグラスルーツと名乗らせたってゆう無茶苦茶や。この頃の音は花のフォークロック、引きづる歌い方とか、あ、バーズだ。ややこしいのはその2.は最初スローンさんが歌ってヒットだったのですがその後ベドウインズが作り直して実際全米ヒットになったのはそのヴァージョンだとゆう。で、成功してしまうと出てくるミュージシャンのオリジナル志向。化けてるのは嫌だよとベドウインズさん、ゴネ始めてクビになってしまいました。しゃあないな次を探そうとダンヒル所属バンド、ロスのサーティースフロアさんにグラスルーツやってくんないと頼んだらグラス・ルーツなら良いよって。・が入っただけで何が良いんだかわかりませんが[(^o^)]、とにもかくにも再出発、1.のあららどっかで聴いたことある、そりゃそうだテンプターズの「今日を生きよう」だがヒットしてまたまた成功したのであります。そしたら今度は作り出しっぺのスローンさんがいなくなっちゃった。バリさん単独でプロデュースしなきゃいけなくなりました。いやーヒットの裏には葛藤有り。新生グラスルーツは男っぽい歌であります。そしてリフ・ポップス。世評では初期60’sの方が評判上みたいですが私はこちらのスリードッグナイト柔らか版みたいなこちらの方が好きです。コーラスがプログレだーとかアレンジがすげええちゅうこともなくまあ、何も考えて無いって言われりゃそうですですけどその分音楽だけぼけーっと楽しめる。良いじゃないいですか音楽だから。だまされて自分の人生に薬になって幸せな気分になってそんな為には最高の盤であります。この手のバンドにありがちな困ったことにうっかり安いベスト買っちゃうと吹き込み直しの新録だったりやってる人がさらに違ったりしちゃうことがありますがこのベストは大丈夫です。ちゃんとベドウインズとサーティースフロアのグラスルーツ。あああああややこしい。

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日本盤

12/11(木)
cover
Absolutely Live
Rod Stewart
1982

シリーズ
「英国ロッド・スチュワート」

1982年にして初お目見えのロッド・スチュワートの公式ライブ盤です。時はポップNW全盛、やばいぞ過去の人の雰囲気かてな時期だけに4年出すの遅かったんじゃないかーなんて思ってしまいますけど、中身はびっくりそんなこと僕には関係無いもんねの大充実ライブ盤です。売り上げはやっぱやばかったけどー。最大の嬉しい驚きは音楽気合がまったく消耗してないこと。明日へのキックオフ依頼の鉄壁3人ギターバンドとのコンビネーションも油が乗り切っていやー凄い盛り上がりだ。私が高校3年だったから18歳の時かなつーことは78年か、来日の時のライブの印象よりもでっかくなって良い感じ。ジェフ・ベック・グループからフェイセズ時代、ソロの幾多のヒットテンコ盛りでこれはもう喜ぶしか無し、一緒に大合唱、キンクスのライブみたい。ミスター70年代、無責任、楽しむのみ、大成功で大金持ちスーパースター、パンクの攻撃の絶好の的だけど誰でも一夜の夢はみたいもんなあ。こいつならそれを許せちゃう、夢を分けてもらえそう。怒っても屈託の無い笑顔で返されますだ。ゲストには「ベティ・デイビス・アイズ」で大ヒットを飛ばした直後のキム・カーンズ、この直後復活ブレークするティナ・ターナーってゆう魑魅魍魎妖怪魔女コンビ。ラストのステイ・ウイズ・ミーでロッドさん煽られてまっこと嬉しそう。一つ残念なこと。CD化で値段が安くなったのは良いのだけどアナログの時に売りだった2曲の新曲、グレート・プリテンダーと想い続けてがカットされてます。グレート〜は言わずもがな想い続けてもいい曲なのになあ。どこへ持っていったんだ。あ、も一つ褒めさせていただこう。何百回と歌って来たであろうヒット曲もここではちゃんとメロディ崩さずに歌ってます。実際は微妙に崩してるとこもあるんだけどそれがまた良い塩梅で。こうして自分の歌を大切にしてる間はミュージシャンは大丈夫。無茶苦茶に北島り始めたらやばいぞ。

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12/12(金)
cover
High on the Hog
Black Oak Arkansas
1973/11

シリーズ「ブギー兄弟」

勇気を出してついにご紹介、この何ともジャケのアルバム。怪人ジム・ダンディーちゃん率いるブラック・オーク・アーカンソーの初ブレーク作品です。この中のその名もジム・ダンディとゆう曲が全米25位まで行っただよ。豚の上で高見の見物をしてるこの人たち、結成は70年、出身はアーカンソーはブラックオークであります。はははわかりやす過ぎ。アメリカの真ん中下メンフィスの北辺りの街で取り合えずサザン・ロックちゅうことになってます。とはゆうものの南部の連中にとっても田舎者?扱いか音楽的にはもう滅茶苦茶。大体ジムちゃんのボーカル・スタイルからして凄し。語尾音程を必ず無理やり下げるとゆう人間ベンドチョーキングダウン人間。これは大抵やってくれるのでメタリカのうにゃと並んで2大ロック語尾素敵ボーカルです。さてこの盤、最高でっせ。異郷のロックンロール満載なのだ。サザンロックをトンコツラーメンだとするとこれは和歌山ラーメンだな。同じこってこてでも相当味が違うぞ。1曲目からしていきなりここれはファンカデリックではないかーとゆう強烈ファンク。かっこいいなあと惚れ惚れしてると2曲目はモロカントリーだとゆう[(^o^)]。しかも絶妙につながってる。ファンクもカントリーもこの地までたどり着くとみな同じになってしまうのかー。で続いては軽快なロック・ナンバー。イモイ塊りと言えないのだこれが。不思議だ。迷いが無いからかな。これやるのに迷いが無いのもどうかと思うが(BOM笑)。ヒットのジム・ダンディ、もちろん最高です。原曲はラバーン・ヴェイカーのドゥワップ・ニューオリンズ風味のものですが自分の芸名までそれにしちゃってるからな、芸人人生を賭けた代表曲取りです。わたくしジム・ダンデーはいついかなる時でもどこへでも貴方をお助けに行きますちゅう選挙運動みたいな曲。とゆう訳であらゆるアメリカンミュージックがここでは歪められトゥイン・ピークスのロッジ状態になっておりますこのアルバム、これ好きになっても同好の士が見つかることはまずありませんが、あ、私は別です、お友達になりましょう。ジム・ダンデーファン倶楽部。彼はこの後その芸人魂を堅持して現在はAC/DCのようなハードロックでまだ裸になって頑張ってるみたいよ。えらい。

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12/13(土)
cover
Live Peace in Toronto, 1969
Plastic Ono Band
1969/12/12

シリーズ「トルズを聴こう」

1969年9月13日、カナダのトロントで開かれた「ロックンロール・リバイバル・ショー」のステージを収録したライブ盤です。いまだビートルズは解散しておらず、ジョンの魂の1年前とゆう。どうゆう経緯で引き受けたのかはわかりませぬが、直前に出演決定、ロンドンの空港で集合、飛行機の中と楽屋だけの打ち合わせで決行したとゆうのだから凄い。ミュージシャンにとって悪夢に出てきそうな状況だわ。ライブやりたいやりたいと言ってたポールさんを尻目にやっちゃってるジョンさん、初めはやけくそ気味です。つーか全員やけくそ気味。一番やばかったのはリズム隊では無かったかと。恐る恐るの曲のエンディングが涙を誘うよう。ボアマンさんのぼーんぼーんってゆう探りのベースを聴くとこっちまでどきどきしちゃう。それだけに異様なまでのテンションがたまりません。それだけでこの盤はOKかと。その全員目が点状態が爆発するのが実はヨーコさんサイド。ドンウォリドンウォリきょーーおこーーでのヘヴィ・ファンクは一発ならではでもしやこの中のベストテイクでは無いかー。しっかしまー居並ぶこの豪華面子でしかも白い顔の大聴衆の前でこれだけかますヨーコさん、偉い。さすが女の人は肝が据わっています。この中で多分一番男らしいでしょう。女子プロレスラー中最強の男と呼ばれたカンドリ忍も尻尾を巻くその迫力でこの盤はきまり。あれだ夫婦ゲンカしたら怖かったろうなあジョンさん。で後に逃亡したけど頼りになるので戻ってきたのね。やっぱり後期ビートルズに切れちゅうか殺気ちゅうかもたらしたのはこのお方の功績ではないかと聴くたびに思わず思ってしまうそんな盤であります。ぎろ。

曲目等詳細

日本盤

試聴はここで。

12/14(日)
cover
Their Satanic Majesties Request
The Rolling Stones
1967/11

シリーズ「石」

ここに来てようやく英米アルバム同内容そしてプロデューサー、アンドリュー・オールダムの手を離れての自らプロデュースで放った意欲作魔王陛下のリクエスト。デビュー以来彼らの変化とロックシーンに付き合ってきた人にはおそらく前作の時点で嫌な予感[(^o^)]がしたかも。やっぱしと思ったかも。でもあれだ初期のイメージを固く持っている人にはこれは中学時代詰襟7:3分けの生徒会長だった友人が大学で3年ぶりに出会ったらシモダカゲキかデーモン小暮みたいになっていて腰を抜かしたよってなもんだ。さかのぼること1年の間にフランク・ザッパの登場、サージェントペパーご開帳、ビーチボーイズ「スマイル」の挫折など急転導火の音楽界で俺たちもやりたいよーやりたいよーが抑えられなくなっちゃって魔王陛下がリクエストしたからしょうがないじゃんと悪魔のせいにしてやっちゃいました。やるかもとは思ってはいたがまさかそこまでと世間はブー。今に至るまで気まぐれのお遊びか世紀の傑作かでストーンズファンの間では胸ぐら掴んで背負い投げ、ならば下から腕ひしぎと大変なことになっているアルバムです。まず私はこのうんたらけひぽらぴょんのサイケ世界ってやつが大好き。それを前提にするとまあこの取り止めの無い節操も無い音に浸ってるだけで幸せなんであーたこの時期によく作っておいてくれたわと大感謝です。ストーンズのサイケが聴けるんですぜ。嬉しいじゃありませんか。ジョージ・マーティンがいたおかげでサイケとゆうか求心力抜群のサージェントに比べてこちらはもう野放しでだいたいサイケってのが野放しの権化なんだからサイドから責めて行ってただ流行に相乗りみたいなストーンズさんが実はかなりど真ん中であったちゅうパターンがここでも全開です。ジョン・ポール・ジョーンズの弦とピアノのシーズ・ア・レインボウを中心にアメーバ模様のロンドンを楽しんでおくんなまし。ピンク・フロイドの1st、スモール・フェイセズのオグデン、そしてこれ、〆にデュークス・オブ・ストラトフィアと続けて聴ける21世紀の人で幸せでござる、私。

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日本盤

12/15(月)
cover
Red Warrior
Ronald Shannon Jackson
1990

シリーズ「JAzZ」

NWジャズ界のビル・ブラフォードことロナルド・シャノン・ジャクソン師の現在入手が一番容易なアルバムです。誰なんだとゆうことを書かせていただく前にこの盤、燃えます。ロックです。かっこいいです。音楽に熱いロックを求めるならこれだぞ。あ、すっきりした。えー、この人、フリージャズ界の巨星オーネット・コールマン師世界の一員です。あの何とも言えない哀愁フレーズに魅せられた一人。あのフレーズを中心に何でもありがあの世界の掟ですからこの盤もあのゴジラ映画を否応なしに思い出してしまうメロディを中心に肉弾が飛び交っているのだ。の世界の中でも一番ロック寄りタイトなドラムと緻密な構成でプログレてるロナルドさんが今回は3人のギタリストとヘヴィメタ・セッション。そのお一人はスティーブ・サラス。私でも名前を知っているからさぞかし有名なのであろう。音楽異種格闘技のフィクサー、ビル・ラズウエルとの共同製作であります。いつもなら力技自分の色で強引にまとめちゃうビルさんも今回は初手からあまりにはまったのですることなし。それもそのはずロナルド師のバンド、デコーティング・ソサエティの最初のメンバーにはあのヴァーノン・リードがおってそれはもう縦横無尽に暴れていたのだ。メンバー全員がてめぇこれでどうだとドツキあって煽りまくるこの盤はクリムゾンの最近言っておるパワーメタルを小細工なし直球勝負でやってるのでは無いかと。又はアースバウンドなれの果てでは無いかと。あれがあっちからこっちへ来てるのだとするとこれは向こうからこっちへ来て出会ってしまっているのではないかと。収まらないではみ出てるとこで火花爆発パワーがロックだとするとこれはもう最高のロック。ヘンドリクスさんが生きてたらあああ、この中の一人として競演出来たのに。夢想してしまう。最高の音の波の中で悶えるほど悔しいっす。

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