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1

10/1(土)
金髪の髪の少女
cover
Sister Golden Hair
America
1975/4

シリーズ「完璧なシングル」

今週の「完璧なシングル」は
「金髪の髪の少女」、アメリカです。
完璧なシングル界中でも正に完璧、70’sのお臍に登場した極め付け曲なのだ。TOP40チャート初登場は75年4月26日、以降とんとんとんと駆け上がってナンバー1になったのは6月の14日号。1週だけ君臨してそよ風のように去って行った。次の1位はメガ・ヒット「愛ある限り/キャプテン&テニール」。ちなみに前週は「素晴らしきカントリー・ボーイ/ジョン・デンバー」。と売れる売れないにはちいとも関係無く出会ったとたん永遠の曲となり。あまりに75年の音。それまでのポップの歴史、ロックンロールの歴史が全てジェリー・ベックリーとゆう見た目平凡な若者に降りて来て仲間の二人と製作のジョージ・マーティン氏、バックのメンバーと共にイタコ状態この地球に出現したなり。とてつもなくかわゆく。全ての完璧なシングルはイントロ一発の瞬間で決まります。C#mの生ギターストローク。Aに降りて来てEに降りてEsus4で塩気を足してEで収束、F#mつう不安定で2バース目、そこに入って来るのはジョージ・ハリソン神の宿ったスライド・ギター。自信無さげに揺れながら必死に真面目にメロディを。ストロークはC#m、B、Aと曲に登場する9割のコードをここで開陳、どこからこの進行編み出したか。全く想像出来ず。メジャー、マイナーの連合軍、ビートルズ・マジックここに倍返しで再現だ。そして歌。Eで「♪うえらい」と入ってG#mと初めてのコードで意表を突いてぐっと腰を落とし溜め。エレキのアルペジオ。モンキーズの神が宿ったタンバリーン。「♪トライ・トゥ・メイキッサンデイ」。歌詞の意味を訳して把握する前に英語そのままで完全に心に入っちゃってます。これはもう「トライ・トゥ・メイキッサンデイ」って意味なのだ。2バース目でバンド参加。ドラムの引っかかりながら微妙にずれたタイムのフィルイン。デジタル変換不可能のこれ、ずっとハル・ブレイン氏だと思ってた。クレジットにはバンド・メンバーのウイル・リーコックスさんしか無いけど、とにもかくにもハルさんが憑依してるアメリカンドラムの黄金が。歌バックのギター・ストロークの絶妙さ。じゃかすかじゃかすかってあまりにも当たり前で一つ間違えばスカスカのださださだよ。ベースも頭だけだし。ぎりぎりの所でバチっとはめて最高のかっこよさに。歌は「♪あいーん・・・ちゅうちゅう」と折れそうにふにゃふにゃ。リズムの喰いでビシっとしめてキッっと決めて展開へ。時は一挙に50’sにバック。「♪Will you meet me in the middle、Will you meet me in the end」って素敵な歌詞だなあ。我忘れて求愛してます。コードはB,A,Eと大メジャー3コードに。コーラスは彼方でビーチボーイズの神宿り。最後はF#m、G#m、Aと一つづつ上がって行って決まりそうなんだけど決まらず、そのままイントロに続くって。憎いねこの。すっかりリセットされての2番。2回目の「♪ちゅうちゅう」、2回目の50’s、そのままドゥーワップ・ワールドに。ここのところまるで違った印象に聞こえるんだけどコードは展開50’sと同じB,A,E。天国の様子がちらっと見える中、待ちきれないように「1,2,3,4ととたとぅーん」って終わり。完全に終わってるのに最初に行きたくなってまた聴いちゃうつう完璧なエンディングです。もう夢のような3分16秒。人生で一番短い3分だ。少しでも崩れたら台無しになるにも関わらず生ギター弾きたくなり。弾いてみるとこれが少し見えて気持ち良し。ギター・コードが#が付いて目が点になっちゃう時は、イントロはAm、F,C。歌はC,Em、F,C、Dm。50’s部分はG,F,Cでやってみて下さい。風が吹いてきます。金色の。

シングル盤ジャケ

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10/2(日)
血と肉の音楽
cover
Bayou Country
Creedence Clearwater Revival
1969/1

シリーズ「ブギー兄弟」

2ndアルバム「バイヨー・カントリー」、日本盤LPのタイトルは「驚異のニュー・ロック・サウンド/クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル登場」となってます。題名通り本邦初お目見えだーと見ただけでわかる。「驚異の」と「ニュー・ロック」と「登場」でこれで覚悟してもらい大抵のことには驚かないでねとの気持ちこもって。担当者さんがびびった様子はオリジナルのA面B面ひっくり返しての発売からもわかり。これは超怒級ヘヴィヘヴィモンスター・ファンク・ブギ・アルバムだがや。せめてプラウド・メアリー入った方をA面にしようと。試聴して買うかもしれんし。しかーしやっぱ1曲目は「ボーン・オン・ザ・バイヨー」だ。地を這う蟻のようなギターのアルペジオ。突然入るケツから搾り出すようなうんこ声。落ち着いて聴けばラテン入った。スティーリー・ダン「ドゥ・イット・アゲイン」と同じビートだ。時間と共にうねりまくり汗がどわっと五臓六腑から染みだしてくる。「ウォーン・ノン・ザ・バアユー」って全くどこから出て来るのこんな声。103年間歌うことを禁じられた生まれながらの歌野郎がようやく解き放たれたらこんなんかよ。1stにてブレーク、いささかも焦らずこれからが本番だの声明曲でこちらも肝を据える。ヒット・メイカー、CCRのこれが丹田だ。さわさわと草を掻き分けるようなビートの「ブートレッグ」でうねりはそのまま継続、さらに一歩引いて再び上げるために。そして3.の「墓場行きの列車」で上げる方向は下に向かっちゃった。穴掘りブルースだ。展開もすっかり放棄、リピート・ビートの8分間。このダークな熱情と来たら10年後のジョイ・ディビジョン見ちゃった。底の底でも生きたい生きたいと叫んでる人の顔やら、ずぶずぶの沼やら蛙の泣き声のハーモニカやらその上をいくら石炭くべてもスピード上がらない機関車が走って行くのか。次は骨ツボ〜。間違っても途中で針を上げる無かれ。呪われる。底を見たらもう上しか無いぞと4.グッド・ゴリ、ミス・モリで爆発。演奏はストイックなまま。抑えなきゃ出ない技もあり。5.はミディアム・テンポの「天井上の乞食」。「♪一杯やるぞブリブリー」。いっぱいやってます。歌とギター直結の曲。一緒になって歌ってる。ギターもうんこ音してる訳で。とてつもなく重い3分半。それでプラウド・メアリー。ホッとするのは確か。何気なしにやってるけどこれほどの難曲は無いとつくづく思い。CCR以外の誰がこのストロークでかっこよさ出せるとゆうのか。だっさださになるのは必定。それを覚悟の上でだっさださを極めて美にまで持って行ったのがアイクとティナ・ターナーさん。それにしてもあれほどのパワーじゃなければ突破出来ず。これでちょっと息を入れさせてもらってラストは「チューグリン継続」。リピート・ビートの血の池地獄再び7分40秒。音楽は人間がやってるってのをこれほど感じる演奏は無し。その指で指盤を押さえて弦を弾いて息でハモニカ吹いてどろどろの喉で声出して。思いっきり戦争経験者の音楽。その見たこと感じたことはこちらには到底想像出来ず。でもそれだけの命への渇きの音がここにあるのは嫌ちゅうほど感じ。35年くらいじゃいささかも怨念衰えず怖がらせてくれます。入りやすいけど抜け出せないよ。バイヨーだもんな。

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10/3(月)
金座ナウ!
cover
Listen Now
Phil Manzanera/801
1977

シリーズ「プログレ支部」

リスン・ナウ。なはなは。77年本隊ロクシー・ミュージックが英国過酷税制によるとゆう活動停止状態にあった時、行ったソロ・プロジェクトの第4弾(クワイエット・サン含めて)です。聴くたびに思う。マンザさんとてつも無き才能の持ち主だ。ギタリストとしての魅力はもちろん、音楽を作るミュージシャンとしてプロデュース能力すばぬけてこのアルバムを含めてどれも至玉の一品ばかりです。これで歌が歌えて押しが強かったらえらいことになっておったけど、それですとロクシー無くこのビロードのような繊細な味わい無くなるかもしれんのでそれは夢見ながら困るか。さて今回のリスン・ナウ・プロジェクトに集まった面々。相変わらず蒼々たる猛者ばかり。まずはジャケに登場、21世紀の精神異常者より出張のキンちゃん。表情を見るにまだ完治していない模様です。ただ恋人は出来たようだな。鎖で繋がれて。ベースは旧友ビル・マコーミック氏。くいくい律儀に英国グルーヴを叩き出す男。ドラムスは職人デイブ・マタックスさん。この方も体にイギリス染みこんでます。任せればいつも120%の音を。もひとりドラム、サイモン・フィリップスちゃん。千本の腕を持つ男。鍵盤は金髪碧眼美少年才能のエディ・ジョブソン君。ロクシーより友情参戦。ラッパはぶりぶりブロウ、メル・コリンズさん。もうこの世界では共通の家族のようなものか。そして目玉登場はギズモ兄弟、ゴドレー&クリームのお二人。イーノちゃんは今回忙しかったそうで控えめな参加で。歌として起用されましたのはサイモン・エインレイとゆう新人さん。全くフェリーさんと対照的、素朴&そっと歌う方。貢献度巨大です。この声がこのアルバムの色を象徴し。他に子分(?)スプリット・エンズからティム・フィンさんコーラスで参戦、レット・デイビスさん縁の下の力持ちで参戦です。A面冒頭からぶっ飛ぶわ、タイトル曲「リスン・ナウ」。このリズムは「恋はドラッグ」変形。やっぱりあのビートはこの方の仕業。音で地味に主張です。後半に行くに従ってこれがスティーリー・ダンに変貌していく。バビロン・シスターズだぞこれ。エレピの響き、途中のジャズ・ホーン・セクション・パートから特に。これは全くの偶然か。反対側から同じところを見ていたか。アヴァロンじゃ無いもう一つの方向のロクシーのメロウ変身の可能性がここに有り。好みからいやあこっちのが聴きたかった。けどそしたら稀代の名盤アヴァロンは存在せず、悶えちゃいます。とにかくこの1曲だけでも奥に底無しの偉いもので。2.はアッパーPOPの「フライト19」。この軽快で独特のメロ味わいはソロ独自のもの。ゴドレー&クリーム隊、これぞのコーラスとギズモで。ギター・ソロ出ました!。マニフェストの予告にもなってる。3.アイランドはオハコのインスト。堂々たるものながらたまらなく優しいとゆう。イーノちゃんと一番気持ちが通じてるところでもあり。4.は出ましたぎゅわんぎゅわんと唐突感満点のむき出しギター。この豪快なビブラートの味知るともう止められません。ずんどこロクシーへの愛の鎮魂歌ともなっており。とここまでA面が言ってみればPOPサイドならB面はプログレ・サイドとなっております。意識的か真ん中外したメロディ続出。未来フレーズが闇からばんばん。キャッチーなとこは無いけどこれが次から次へと刺激音続出でまったく飽きません。参加各人2秒弾いただけで誰だかわかる強烈個性の面々。エディ君も一発でわかる。ほって置けばそれだけで大セッション大会。それだけで一応のものが出来ちゃう。ところをガッチリまとめてマンザ座長特別公演。いちいちこうせいあーせい言う方とも思えず。これはやっぱ全員が才能を尊敬して座長をしっかり見ているからか。ロクシーってのもやっぱ凄いバンドで。マンザさんがいるんですから。改めて思う。単にちょっとソロ出してみようかなどとゆう音楽では有りません。出すべくして出した音楽。これだけは書かせていただければ。

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10/4(火)
氷の男
cover
Metamatic
John Foxx
1980/1

シリーズ「新波倶楽部」

メタマティックまたの名をメタル・ビート。1980年1月に世に出たジョン・フォックス氏の1st。圧倒的に圧倒的な音楽が入ったアルバムです。どれくらい圧倒的かとゆうとステンレスの衣装を着たブルース・リーが軽やかに反復横飛びをしながら両手に持ったナイフで青白く光る氷をガシガシかきながら音を出し、その後明治屋のメロン・シロップをかけて美味そうに食べてるみたいな。何じゃそりゃ。あまりにも全速力で駆け抜けたウルトラヴォックス!時代。凄ぇと気付いたものを感嘆させながら世間な成功を得たかといやあ皆無に等しく落胆の中落胆してるかと思わば己の音の真ん中を見てしまい高揚してましたフォックス氏。遅まきながら子供のギャリー・ニューマンちゃんの仕業で注目、そんなことお構いなしで出したのがこれだ。幸せな人かもしれません。自分の声と音楽にこれほどぴったしな音を時代とシンクロして見つけられたのは。究極の電子楽器弾き語りであります。余計なものは一切含有して無いんでフォックス節に耐えられない方にとっては苦痛以外の何物では無く、早々に立ち去られた方が良かろうかと。お初の方は試聴していただいてこの顔音にぴんと来たら110番、入城して死ぬほど浸って下さい。天国へ行けます。さてはオリジナル収録曲10曲。プラザで始まり。これがドンカマだっつうリズムヴォックス音に導かれて鳴り響くは元祖絶望的ストリングス音シンセ。嗚咽のベース・ノート。如何にしてプラザで安心してお買い物出来るかを活写しております。放り出して後ろ振り返らないような歌声。薄情の極みと思われても先にお進みを。この厳しさは自分に向けられておるんで。容赦無くさらに寒いシンセに導かれるは「彼は液状」。58年東宝映画「美女と液体人間」の心のテーマ曲です。「♪彼は角度、彼は正接、彼は基準軌道、しかも彼は滑沢質で粘着質、そう彼は液体人間」ですから。測量技師試験にもぴったし。現存する世界第一のメロディアスな語り歌をご堪能。アンジェイ・ワイダ監督の映画「地下水道」を25世紀に展開したのは3.その名も「アンダーパース」。このシンセのリフをコピーして狂ったように繰り返し弾いた人を少なくとも一人知っている。わいだ。聴いた者全てが自分のテーマにしたくなるような無性な勇壮さ有り。金属で描く水墨画曲は4.の「メタルビート」。その絵を舐めると鉛で出来てるので昏倒する。クリクリ。この未来を望んでいたのだがいまだ実現せず。世の中詐欺だ。「そこに操作するものなどいない」と容赦無く指差されてしまったのが5.。なのに朝日の暖かさ木漏れ日が端っこに有ります。古代から有った石を触ってるような。6.ここで明治屋のメロンシロップ登場。「新人類」ってタイトルにびんびんするもフォックス氏のお茶目サイド爆発の曲です。一本鼻毛みたいな。親友がモータヘッドのレミーちゃんって言いますから。ナイスなガイだジョンさん。これで盆踊りしたい。7.「哀れな女」は「悪魔くん」、「首人形」の回に登場する一つ目マネキンのテーマと思われ。何故一つ目なのか可哀相で可哀相でしかたがありません。8.「030」は裏東京の電話番号。さらに進むSFホラー世界でこれはどうしたって「プリゾナーNO6」思い出す。030は総監督代理の名前でもありました。恐ろしき話は続き9.は「高周波」。この主旋律から常に23/100外す歌の心地良さを聴き会得してしまうともう抜け出せませんからあしからず。そしてラストは名曲「タッチ・アンド・ゴー」。この世で「たっちゃんゴー」と名づけられた曲に駄曲無し。その中でも王座に君臨いたす。とても一言では言えぬほどの苦労して東京でお店を出すことに成功した達也のことを歌った歌と思われ。その店で売っているのは英国直輸入の「おっおう」と声を出すテレタビーズ人形の模様。あまりに楽しくて笑い語り歌い。レコードではこの喜びで終演するもCDでは嬉しいオマケがあります。チックタックくろっくクロックすなっぷスナップぷんぷんピョンピョンのヤングラーブ。横山ノックも登場。アルファビルでの神式儀式の際のお経テーマの「フィルム・ワン」。「これが20世紀」それがどーしたそれがですね。と。海洋大SFソング「マイルズ・アウエイ」。迷って佇む「ア・ロング・タイム」。フィジカルにエアロビ出来る不健康な人の為のインスト「スイマー2」でアンコールは終わり。見たことの無い映像込みでお届けします。

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10/5(水)
二人の髭天使
cover
Breakaway
Gallagher & Lyle
1976

シリーズ「英国SSW」

ギャラガー&ライル。70’sイギリスの天使POP部門の大将格のお二人です。このアルバムは6作目となる「ブレーカウエイ」。名前だけは昔から知ってはいたものの縁がありませんでした。それがまあ近所のゆにおんさんの中古レコ棚で端っこ切られたLPを大量発見。思わぬ値段だったもので思わず買っちゃって大はまり。思わばアナログ生活に再び半ば入道したのも英国チャートっていったいと深入りしたのも全部この人たちのせいだ。責任取って貰おう。中でも一番どーんと来ましたのがこの作品です。あれから色々あったなあ。聴きこんで時間を経て今再び感謝させてください。この二人とゆうとことごとく隠れた名盤扱い、ヒットなどとは無縁だとすっかり思い込んでましたが騙されてはいかん日本のロックマスコミ。ことこの盤に限っては3曲もTOP40ヒット含むしかも2曲はベスト10入りの人気ものでした。むろん英国でのお話ですけど。それ知ったら根っからのチャート好きなんで益々輝いて聞こえてきたりして。A面B面がお二人それぞれの歌、リーダシップでくっきり分かれています。A面はグラハム・ライル氏サイド(推定)。推定って(^0^)。これが問題だ。どっちがどっちだかわからなかったりして。どれかのアルバムに書いてあったかもしれんけど丸ごと聴いておったもんで区別が付きません。えらい失礼で申し訳ないけどご本人たちがわからんようにしてるのも確かなんで意思を尊重して・・・探ってしまおう。ジャケ写真左手の方がライルさんかと。何かが起こったのはまずこの人です。1曲目ブレーカウエイ。とんでも無い名曲を作ってしまいました。腹4分目、控え目なのはちいとも変わらん、今までもさんざ名曲作っては来たがこれは。あまりの魅力にアート・ガーファンクルさんを持って思わずカバー、アルバム・タイトルまでしてしまいました。それが丁度アート氏のソロ・キャリアの中でもブレークの時、収録曲「I Only Have Eyes For You」がイギリスで突然の大ヒットつう。これが風を呼んだんだな。続いて当然「ブレーカウエイ」もヒットと思いきや、憎いねイギリス国民、オリジナルがギャラガー&ライルと知っていた。ちいともヒットさせず、少し間を置いてオリジナルをヒットさせ。それが最高位35位(^0^)。ならもう少し上だろーと思うんだけどそれがまた彼の地の民の不思議さよ。アートさんのバージョンは基本的にまんまです。どこが違うかと言わばオリジナルはより地上に近く標高700mくらい。生ギターの響きくっきり。お二人寄り添うように歌い、しびれちゃうのは一番目のサビで主旋律を歌わない。わざとためて2回目でこの美しいメロディを炸裂させてめろめろになっちゃうじゃないか。これ録音した段階では当然これほど話題になるとは予想付かなかったろうけど、何かを感じています。凄い曲をやってるとゆう喜びがびんびんこちらにも伝わって来る。聴けば立ち会えますその瞬間に。2.はそうだよこの人たちはフォーク・ディオだったんだと改めて感じますステイ・ヤング。100年熟成もの。3.I Wanna Stay With You。これが最初のヒット、最高位何と6位です。AORっていやそうかも。でもアメリカ産とは確実に違い。その違いは・・・・うーんとても言葉には。聴いて見てください。これまた来た来たーつう輝き有り。皆が聴いちゃう曲ってのは最初から何か備わってるのかと実感。4.Heart On My Sleeve。2番目のヒットです。最高位これも6位。外形は何てことない軽〜いレゲエ。しかし訳のわからん魅力あり。何と後にブライアン・フェリー氏がカバーしてヒット。リンゴ・スターさんもカバーした。みんな全然違うタイプ。透明なんでそれぞれはまっちゃうとゆう。こればっかはヒットしたのはご本人たちも意外だったかも。ライルさんサイドのラストはFifteen Summers。これがまた染みるよー。泣きたいほどのしっとりバラード。夏が終わる終わるー。そしてギャラガーさんサイド。これがまたガラっと雰囲気チェンジ。いきなし10ccもかくやのくんずほぐれつのプログレPOP世界に。この方にも何か起こったとみえ。ライルさんの名曲攻撃に俄然ファイト燃やしたか。声が少し引っ込んで塩辛気味、キャッチーさでは負けちゃうものの己のやり方で行く。7.If I Needed Someone。あははあれと同じ曲名。もちろんビートルズのとは違います。でも元アップルの専属ソングライターでしたから当然気持ちはあったかも。ラテン味の開放ソングでアコーディオンの響きがたまらんブリティッシュ。8.Storm in My Soul。ストレート直球メロディの闊歩ソング。ニュー・オリンズ味のピアノ有り。ヒットはどうかわからんけどギャラガー節のキャッチーさ満点なのだ。9.Rockwriterは丁度A面の「ハート・オン・マイ〜」と対になるようなレゲエ。こちらは辛くてアーバン。スティーリー・ダン思い出すホーン・セクション、ギター・ソロはスライドとやられちゃうよ。ラスト「ノーザン・ガール」は元気満点アッパー・ソング。元気有るってことで驚いたりして。気合充満の証明だな。A面はもうとろとろです。ハナから今に至るまでもう無条件でKOされっぱなし。B面は時間が経つに連れてどんどん見えて来る。これで駄目なら諦めますギャラガー&ライル。あ、初期はまた全然違うか。諦めません。まだまだあります。でもこれ最高だよやっぱり。

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10/6(木)
ゲット・ザ・ファンク
cover
Look out for #1
The Brothers Johnson
1976

シリーズ「FuNx」

*でかアフロ・ファンキー兄弟、ブラザース・ジョンソン、略してブラジョンの76年の1stアルバムです。製作は御大クインシー・ジョーンズ。正直に申してクインシーさん嫌い。ああ。どうもかっこつけしいと思われ。かっこつけの人には、まず精一杯やってみるものの最終的にどっかずっこけて素が丸見えぽかーんとしてるなんて、例えばブライアン・フェリーさん。そうゆう人は大好き。ゲイリー・グリッター親分みたいに最初から間違った方向にかっこつけてる人も好き。ほらほらかっこいいだろと最早ださくなってるのに気付かず迫って来る人がやばい。恥ずかしいじゃないか。勝手にやってなさいてなもんで。かっこつけてる内にあまりの熱情で最後はどうでもよくなってキチガイになってる時は最高です。それがブラジョンの時のクインシーさん。それはもうこのファンキー兄弟の圧倒的パワーの力大だな。
 ルイス弟、ジョージ兄の二人のキャリアは長男トミー、従兄弟アレックスと組んだジョンソン3プラス1つうまんま洗剤みたいなバンドから始まったと聞きます。ボビー・ウーマック氏やシュープリームスのツアー・バンドとして腕を磨いた後、ジョージ&ルイスの二人はビリー・プレストン・バンドに加入、あのキッズ&ミーのストラッティンは3人共作だったりして貢献度大だったでござる。73年に止めて腕を見込まれてクインシー・ジョーンズ・バンドに。アルバム「メロウ・マッドネス」で歌に曲に大活躍と。この頃は兄がもっぱら。弟は寂しくベース練習。その内にベイエリアから自然発生したチョッパーをすっかり習得いたし。で、時は来たれり。クインシー御大総指揮の下、このデビュー・アルバムを「メロウ〜」と同じA&Mからリリースいたしました。1曲目はファースト・シングル「アール・ビー・グットゥユー」。ヒットしたぞー。ポップ・チャートで最高位3位。おわそんなに上がったっけ。もろクインシー世界です。ごんごんチョッパーを力技で押さずメロウにしたのが大成功だ。じわじわって。へにゃへにゃ上手いとは言えない兄の歌にもぴったしそれははまり。あまりにもの浮遊感がサビの段階であっちの世界行っちゃってます。そりゃもうえれーファンキーなこと。ドラムスは名手ハービー・メイスン氏。ギターで地味にサポートはリー・リトナー氏。鍵盤はデイブ・グルーシンさん。鉄壁です。2.はタイトルからしてナーイス!。雷親指に稲妻リック。うぺうぺ炸裂スラップベースに乗ってる天上フルート。うっぱっぱホーン。スタイリッシュからこぼれ出る真っ黒さで聴いてるこっちもドリフ爆弾コント状態になるよ。そのノリのまま3.ゲザ・ファンク・アウ・マ・フェイスに突入。これはもう最初の「は〜い」って声で決まり。それでファンク名曲列伝に名前を連ねた。骨太ベース、ギター、歌の3者ユニゾンのどファンク攻撃。これまた地上20cmに空中浮遊してるんで揺れる揺れる。あまりのかっこよさにブラック・チャート1位です。あ、もちろん問答無用にかっこええのは大好きっすもちろん。4.は、めかしたメロウの「トゥモロウ」。センス極めて何より曲が素敵なんでやられます。悔しいけど。A面はミドル・ファンク「フリー・アンド・シングル」で〆。コーラスの臭いたっぷしの「やーやーやーやー」が美味しいとこやー。黒チャート最高位26位です。とここまでは問答無用、稀代の名盤なり。B面になりますとこれが様子がガラっと変わってしまい。まずはビートルズのファンク・ナンバーの黒カバーから始まり。うーん。どうも覇気が感じられなくて。親分の推薦でやったのかな。次の「淑女の地」からはもろクインシーさんアルバム状態。これも元気無し。ダンシン・アンド・プレンティンではりきるも空回り気味に。沈うつなデビルでいつのまにか終演。どうしたんだろ。可能性を試してチャレンジャーしたのか。後半はどうも。あくまでも私の耳感想ですけど。しかーしA面は天意無双だ。ジャケそのまま、いい顔してますブラ兄弟。半分でもこんな音楽されたらもう大喜びで聴いちゃうよ。贅沢言ったらバチ当たる。何よりもジョンソン・ブラーザースじゃなくてブラザース・ジョンソンなのだや。はーい。

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10/7(金)
うーぷす!
cover
Oops! Wrong Planet
Utopia
1977/9

シリーズ「長い顔の男」

*グラス・ギターの氷キラキラ音がまだ生暖かいうちに出ましたピラミッド・ユートピア後編「悪夢の惑星うーぷす!」。77年のトッドさんです。そしてこんなメンツが集まったユートピアの端緒。ありがたや思いっきり大切にしなければ。この世を作った神様はよっぽど音楽好きとみえ見込んだイタコ野郎にはそれこそぴったしの人間を集いさせます。無声映画色の摩天楼に突如出現したフレーム黄色三角錐棘付、ハナは「罠」の雄たけびから。アクリルの弦シンセと共に危機一髪の歌声。これがこのアルバムだ。熱情余って零れ落ち今やらねばどうするのココロ。やんちゃな弟とブチ切れ合戦のラント兄貴、滅茶苦茶幸せそうです。続いて2.の「ウインドウズ」では鍵盤ロジャーさんが難曲歌唱に挑戦。こりゃ音程取るの難しいぞ。実力のほど見せてこいやと親分。しかたないす自分で作っちゃったから。リトル・フィートのビルさんといい鍵盤さんの作る曲って何故か知恵の輪に。さて棟梁登場。3.ラブ・イン・アクション。「♪夕刊ストップ一途」。お金無いよー。「ウチの場合は」見たいけど止めてくれーとひたすらお願いし。「だめだめ契約あるから」「きー」。と聴いてもいいっすか実は止められない止まらない恋はかるびポテトチップスって歌だってわかってますから。パンクの呼び声に呼応したと申されているようで。わたしゃトッドさんの意欲元気溌剌の結果こうなったと思います。切れていたのは昔からー。4.は太鼓のジョン末っ子(顔だけはお父さん)が歌いますバラードの名曲キチガイ淑女青。素朴な声がメロディノートを大切に置いて行く。未来の音のギターソロで見つめあいながらお父さんのギターソロ。5.「通り裏」は親分作、毛深い野生曲。歌はカズ君。スタジオでもこれだけ狂えるってのがロック・ミュージシャンの入団資格だよな。一つの人格を持つユートピアのコーラスここにあり。一つ歌っては全力コーラス、これもこの盤のテーマです。6.天国と地獄の結婚はアルバム主題、並行世界に迷い込み歌。4分半にこれでもかの入り組んだ構成。30年経っても迷ったまま。まだまだ。「♪ほわーーーい」とカズちゃん叫び7.殉教者は始まり。甘く無いユートピアのバラード再び。8.はロジャー博士が歌にペットに大活躍の「見捨てられた街」。アバンダンしてー、エブリバディ起きなさーい♪。この人は作風がやっぱトッドさんから飛び出てる。9.は顔グロならぬ「ガングリーン」。ラブ・イン・アクションだけじゃ足りなくて続編を。ウイリーさんもこんな暴れ歌歌えます。10.「マイ・エンジェル」。カズ&トッド仲良し二人組が歌唱メロウに。しっかしよく似てるなあ。声。11.「若いやつら大暴れ」した後、さーーーー、誰もが待っていたラストはこれです「愛こそ証」。全ラント史上究極の名バラード。岩のユートピア演奏で歌いますハンドマイクで。フィラデルフィア育ちのトッドさん。当然右目でいつもフィリー・ソウルを見つめ愛して来たかと。その中でもデルフォニックスの「ララは愛の言葉」は特別。体に染み付いちゃった。それが腹の中でこなれてこなれて出て来ます各バラードに。それがこの証。選ばれたものの音楽継承だ。
さて
全世界でおそらくCDが廃盤になってないのはこの日本だけ。全世界のトッド・ファンが求めて求めて飛行機に乗ってやって来ます。嬉しいことにそれにはボートラがあり。絶妙な曲間ブランクの後、出て来るぞ愛こそ証のライブ・ヴァージョン。後半あまりの嬉しさで狂っていく親分をとくとご覧下さい。コブシ天国火照る高揚。
アルバム全編、全て岩な音です。このゴツゴツがユートピア。好きか嫌いか別れ道だな。

曲目等詳細

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10/8(土)
愛の二日酔い
cover
Love Hangover
Diana Ross
1976/4

シリーズ「完璧なシングル」

*今週の「完璧なシングル」は二本立。実はシングル盤は持ってません。なんででかくジャケットのページは出来ませんけど待てないっすよ。讃えさせてくれー。
まずは
「ラブ・ハングオーバー」。1976年4月に全米TOP40入りしたダイアナ・ロスさんの曲です。訳さば「愛・二日酔い」。いかんこれじゃ親父ちゃんの顔がにょみーんと出てきてしまう。「愛に酔いしれ」。これならば。多少フレディ・フェンダーさん出てきちゃうけど(^0^)。シュープリームスでデビュー以来、着実にスター街道のダイアナさん。自然とその歌声と共に貫禄とステータス感、身にまとってセレヴィな女性歌手となりました。ソロになってからの絶頂期がこの76年前後。前作「マホガニーのテーマ」。この曲も完璧。めくるめく激情をそのまま表したような竜巻のようなバラードで。サウンド・スケールもまんま映画館のでっかいスピーカークラスだっただよ。もしくは紅白歌合戦トリの北島三郎親分クラス。そのでっかい歌の次に出ましたのがこれで。みんなびっくり。熟して殻破りの代物だったのであります。会場はニューヨーク帝国ヒルトンホテルニューオータニ鳳の間、全世界セレブ総出演の何の会だかよくはわからんがとにかくセレヴィな会が催されております。お賑やかしに何とか姉妹の顔も。こまどり姉妹では無い方の。登場前に空気入れで胸をパンプス。宴はたけなわプリンスホテルのその時、メイン・ショーの始まり始まり。今日のスタアはもちろんダイアナのロスさん。1曲3千万円でご出演税込み。ぐっと来るミディアム・スロウのビートに合わせてキンキラキンに登場。四角い金銀キンキラが付いております衣装じゃ。くねくねとうっふん言いながら。
「♪治せるゆうてもさ、いらんわ、そんなもの。治して欲しくない、逃げるわ、わたし。しょっちゅうそればっか、頭にこびりついて、好きよあんたー。これが甘ーい酩酊感。醒めたくはないわー。あまーい酩酊感。(じゃじゃじゃじゃ)終わりたくないわー(じゃじゃじゃじゃ)終わりたく、終わりたく、ないわーーーーーーー」
おおっと、これだけ歌ったらダイアナさん、脇にはけてしまいました。これはいったいどうしたことか。まだ1分しか経ってないぞ。リズムがにわかにアップテンポに。すると袖から出て来ました150人の大ダンス団。浅草サンバ祭花柳社中高円寺阿波踊りの皆さん。さらにさらに中央に躍り出ましたのがマギー司郎さん。ハンカチをくちゃくちゃさせて縦じまを横じまにしてます。二代目引田転校さんが首を外したり付けたりしながら左手から乱入。お、後ろ向きになりました。こちょこちょ。振り返ったー。あ、別人です。化粧を取っただけです。ナポレオンズも箱の中で首を回転させながら横切った。ステージ上からミスターまりっくが落下してきたー。尻から鳩2千羽出してます。そのままフェイドアウトです。ダイアナさーん。と、どうしたって最初が聴きたくなる、陰謀シングル。軽やかにディスコ入城も果たして5月5週に見事ナンバー1となりました。これほど1位が似合う曲はかつてあったでしょうか。あったかも。忘れろ。

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シャノン
cover
Shannon
Henry Gross
1976/4

*本日、2曲目の完璧なシングルは
「シャノン」。同じく1976年4月にTOP40入りした、ヘンリー・グロスさんの曲です。ヘンリーさんはレッツゴー・フィーザポップ、オーベイベの浮きまくりウッドストックの快演でお馴染みシャナナの元ギタリストさん。映画ではどの方か未確認。唯一の全米ヒットがこのシャノン。愛犬を亡くした悲しみを歌った。ジャケットの仔がそうです。どうしても作らざるを得なく最早ヒットしようがしまいが・・・それがヒットしました。同じ気持ちを経験した全ての家族の支えで。出来るかどうかわからないけど訳してみたくて。
♪最後の一日
ママは彼女は疲れちゃったのねと言いました。
誰も話しかけることはもう出来ません。
しゃべる鳴き声を聴くことも。
でもそれで良かったのかも。
もしパパがここにいてくれたら、きっと彼女にそう言ってくれたでしょう。

シャノン。行ってしまったと僕は聞きました。
彼女は海の彼方に漕ぎ出していったと。
彼女はいつだって泳ぐのが好きだったから。
きっとどこかで島を見つけて。お気に入りの木がある。
僕たちの裏庭のかけがえの無いもののような。

ママは何とか元気な振りをしています。
物事がまた素敵になるように。
どうにかして全てそれを心にとどめようとしても
ついにはみんな涙があふれ出てきて
どこにいても今夜はシャノンは知っています。
僕らがどんなに彼女がいなくなって悲しんでいるか。

シャノン。行ってしまったと僕は聞きました。
彼女は海の彼方に漕ぎ出していったと。
彼女はいつだって泳ぐのが好きだったから。
きっとどこかで島を見つけて。お気に入りの木がある。
僕たちの裏庭のかけがえの無いもののような。

シャノンは我が家では、星丸でありチャボでありミニーであり、みみであり、ひめです。忘れません絶対に。
あの仔たちの一生は短かったけど。その人生は人間と同じだけの濃さだと聞きます。さぞかし私らはのさくさしてると写っただろうな。何の因果かうちに来て。美味い物食わせて上げられなかったもしれない。撫でてあげて迷惑だったかも。ごめん。

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10/9(日)
踊るラスプーチン
cover
Nightflight to Venus
Boney M.
1978

シリーズ「SFロック」

*恐るべしボニーM。じん、じん、ジンギスカーンと共にラー、ラー、ラスプーチンと踊って踊ってアルバム聴くとぶっ飛ぶどかーん。何もPOPSは英米だけのものでは無くジャーマンにもあるのだプログレだけの国じゃ無いぞえを世界に知らしめる強力ユニットです。これは3枚目となるアルバム、いよいよもってその陰謀花盛りとなる絶頂盤でござい。針を落として聴こえるはロケット打ち上げアナウンス。それを活写いたしますはドラムの連打連打。アフリカはブルンディ族伝統ドラムビートだ。バウバウワウ、アダム&アンツに先駆けること2年あまり。つうても元ネタはコージー・パウエル氏の73年のグラム・ヒット「ダンス・ウイズ・ザ・デビル」。つうてもその元ネタはジミ・ヘンドリクス氏。旅して旅してこうなりました。ロケット発射、無重力になりかかるその時現れたのは「怪僧ラスプーチン」。まずは引き継いでテクノ・グラムでイントロ。場面一転して本編に入るところのかっこよさと来たら。POP史上に残る。背筋にせんみつが。いや戦慄が。この曲の魅力と来たら。北はシベリアから南は茨城県まで問答無用に犬も踊りだす。スラブ旋律って全世界民族の音楽郷愁部に共通して存在してるのでしょうか。ユングちゃんに訊こうと思ったらムングちゃんが出てきちゃった。頬に両手。3曲目となりますは「ペインター・マン」。すっかり南国デスコと化したこの曲。スピニング・トーホールドじゃ有りません方の英国60’sモッズ・バンド、クリエーションのオハコ曲です。それをビートルズのドライブ・マイ・カーのリフでやるそのセンス!さすが曲選定、サウンド・プリプロに数ヶ月を費やすだけあり。ツボ突かれた英国民、思わず全英チャート最高位10位に。ラスプーチンは2位。4.はオリジナル。アース風ラッパが鳴り響く「彼はステッペンウルフ」。テンポを落として腰に来るダーク・ダンス・チューン。そして5.キングス・オブ・ザ・ロードは65年のロジャー・ミラー氏のノヴェルティ・ヒットです。とてもとてもこうなる風には思えませんもので耳がこちょばゆくなる妙な暖かさ、異化作用あり。アナログではB面に入るその1曲目「バビロンの河」でその陰謀目的がいよいよ判明し出す。元曲はあの「ハーダー・ゼイ・カム」にも入ってましたジャマイカのレゲエ・クラシックス。暖かさそのまんまでひんやりさせましてキラリン光らせ、POPしかも踊れるつう完璧なシングル・カバーに。もちろん皆さん聴いたことあるかと思います。期待してOK、この素晴らしさがこのアルバムでは全編味わえます。7.ヴードゥ・ナイト。クールダウンのミュンヘン夜ディスコで。ちょっと暗くしたら次は8.栗色の髪の少女。ってアメリカじゃなくて(^0^)、仕掛け人総帥プロデューサー、フランク・ファリアンさん名義の曲。タジ・マハール氏のカバーもあり。曲調からしてジャマイカン・クラシックのような気がするんですけど真相は如何に。スティール・ドラム鳴り響いてバビロン・パート2がしっかり楽しめます。みんなの唄でも全く大丈夫だ。9.よそ見はしないで。笑えます。歌謡曲で。ちょっとラテン入って今日もどこかのダンス教室で老若男女が踊ってるかも。下世話さ相当なるもやってますのがボニーのMさんですから・・・非人間ぽさがいい按配で汗はかいてないぞ。そして驚愕のラストに。「孤独の旅路」です。嘘じゃありません、あのニール・ヤング氏の。殺す。デスコにしやがったらと全世界3億5千万人のこれで泣いた人々の声が聞こえます。しませんでした。そのまんまのカバー。ハーモニカもあのフレーズが。ギターのバック・フレーズも。異常に感動してしまう。2097年、頭脳だけ移植され全身をロボットにされてしまったカリブ海出身の黒い人が、故郷のラジオで聴いたハート・オブ・ゴールドを思い出して。たどたどしく拙い英語で歌う姿が。プラスティックの眼球から出てないはずの涙が。そんな光景が見えます。思わばそれがこのボニーMの魅力なのかも。どんなに人工的にしてもどうしても出て来る人肌の思い。民謡や童謡、歌謡曲、汗や土埃やトタン屋根やギラギラしてる目や。それが映し出されてるのは最早映像だけ。そんな悲しみを含めて。恐るべき複層的コンセプトだったと改めて思います。そしてそれが益々染みてくるのは今だきっと。100年後には多分冗談で聴けなくなると思う。もし気付かずに街を全て灰色にしてしまったら。

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2 in 1

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10/10(月)
宇宙ブギー
cover
Afterburner
ZZ Top
1985/10

シリーズ「ブギー兄弟」

*ヒットの神様が髭の親父たちに降臨。前作で開眼したテクノ・ブギーが全米の皆さんの体液にぴたりと合致して発売以来2年間で600万枚の売上げだとー。それどころかそれまでちいとも遊んでくれなかったイギリスでも最高位3位と一挙に仲間入りさせてくれました。がははと笑い髭をさするおいちゃん3人。これで世界ツアーもやりやすくなるわい。ではそろそろ二の矢行くか。ってんで後輪から火花を散らした真っ赤なトラック。空中高く舞い上がったかと思うとギーガシャンギーガシャンと合体ロボみたいになって宇宙船に変身だ。ホラはでっかいほど気持ち良いぞ。どっかーん。そんでもってまずかますはスリーピングバッグ。ヒット御礼前作よりよりビコビコさせてます、おまけにオーケストラヒット付ジャン、それで歌うは寝袋の唄。成金ギャグ炸裂だぜ。3人並んで左右に揺れるための素敵なギターソロもあります。ハーモニクス混ぜ混ぜの一発でわかるギボンズ音で。このベスト幕開け曲ですっかり世界はZZ天辺に。そんでもって問題は今聴いてどうか。もろ時代の音だけにカビ生えてるかと思わばそんなこたあねえずらよ。姑息とか小金稼いでやるつう卑怯とか無縁じゃけに。あの頃の楽しさそのままでぶりぶりしてます。おまけに懐かしさつう新しい楽しみまで加わって。2.ステージス。何とも素敵なメロディの疾走ブギー。飄々としてるくせに歌うは女人に甘えちゃう唄。けっこう甘えんぼさんあの顔で。3.ウォーク・アップはドラムのフランク髭さんだけは大変な16ビートブギ。ベースのヒルさんだけはこのサウンド考案したご褒美で楽チンよ。もっともプログラム作るのは大変だったろうけど。練りに練ってます。音色も発音タイミングも。これ以上足せない引けないものだけに。他人がマネするのは簡単だよ。形だけは。でもこうはけっしてならんのがプロの証だ。いやもう実際マネして作って撃沈した人の話(わしじゃ(^0^))だけに本当。高いシンセ使ってるからなあと納得させよう思っても無理目でした。そして4.ラフ・ボーイ。よっギボンズ!と声かけたくなる名バラード。イーグルスのドン・ヘンリー氏に匹敵するんだよな歌の上手さとハスキー犬。じゃないハスキー声。これからはこれでZZのライブでもペンライトが必要です。ギターソロは以前とまんま。ブルーノート連発なのがますますもって感涙随喜。ちょっとおセンチになっちゃったんで5.はロッキンは止まられません。で。テンパってる歌とでんこでんこビート。邪道でも何でも止められませんって。南京玉簾リズムの爽快なこと。B面にGO。6.女の惑星。かっこ笑。豪腕ぶぎ。何も言うことなし。サビのもう一泣きが素敵。7.アイ・ガット・ザ・メッセージ。お調子ミドルブギファンク。ステディなビートに一粘り、効いてます。♪俺の受信機をスパーク!俺の心は電気仕掛け、ヒューズを飛ばしてしまいます、つうベタオチ歌詞最高。8.ヴェルクロ・フライは本作中最もハイパーなテクノ。そして1曲は入れなきゃ皆さん納得しませんジーンズ・ソング。えー、ヴェルクロつうのはベリベリ・ファスナーのことかな。ベイビー俺のヴェルクロをベリっとしてくれって。やだ恥ずかしい。これナイスなビデオクリップもありましたね。9.はタイトル訳さば「申し分の無い贅沢にどっぷり浸って」だって。まー憎たらしい。お金一杯入ったのね。成功してもなお欺瞞かますよりはよっぽど気持ちいいか。たっぷしビール飲んでください。ラストはテンパリブギー「デリリアス」で終演。ボコーダーまで登場しちゃって。すっかりやりつくしました。これ引っさげてまたツアー。お金使う暇もありません。ま、これで好きなこと出来るってんで次は5年後に。宇宙は一周しただけで充分。またぺんぺん草の生えた砂漠でお会いしましょう。

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10/11(火)
目覚めよ全員集合
cover
Wake Up Everybody
Harold Melvin & the Blue Notes
1975

シリーズ「ブラック道」

今一番ぞっこんなのがこのアルバムです。何しろ寝ていても夢の中で流れてくるのだから半端じゃありません。アメリカはフィラデルフィアの内山田洋とクール・ファイブ、ハロルドさんとブル−・ノーツの75年作フューチャリング前川清ならぬシオドール・ペンターグラス。このグループとの初遭遇はリアル・タイムで。TOP40ヒットばんばん飛ばしてましたから。好きでしたけど他のフィリー・ソウルのグループと同様に脳の一部でしか味わって無かったとみえ、先日のスピナーズ・ライブでの残り85%開眼でまるで違って聴こえてきました。30年後に。この歳になって(^_^;)。まさかねえ。こんなこと初めて。これからの楽しみを考えると嬉しかな。だいたいこのジャケもあかんわなあ。鉄人28号かー!そんでもって頭のヒビから花一輪。味が濃い絵で。けっこうフィリー・ソウルに多いですこうゆう濃いの。ちょっと聞き音楽イメージからして遠く謎は深まるばかり。でもこうして再び歌詞と共によく噛んでみると何かこうそうなのかとわかって来た感あり。花一厘の音楽にごっつい内容の歌だってことなのか。グループの歴史は何と1954年にまでさかのぼりましてブレークしたのは72年、丁度ブレークしたギャンブル=ハフ率いるフィラデルフィア・インターナショナル社に仲間入りしたところから。グループも一緒にツアーをよくしてましたキャデラックスつうバンドからシオドール、後のテディ・ペンダーグラスちゃんを引き抜いてリード歌手にしたところでした。勢い絶頂の二人のサウンド・プロダクション、仲間の作曲家達のキラ星のごとくの曲と色男ヴォーカルを得て無敵艦隊発進。どんどんどんとヒットを飛ばしてこのアルバムがその体制、最後の布陣となる頂点盤です。何よりも1曲目「目覚めよ、全員」。甘美なるイントロに導かれて流れるようなメロディが。しかしその内容はと言えば「♪目覚めよみんな。ベッドで寝ている時で無し。裏庭で考えている時で無し。前に向けて前進する時だ。世界は今までと全く変わっている。戦争と貧困は待ったなしのところまで来ているのだ。全ての先生よ目覚めよ。新しい道を説かれ。〜〜世界は放って置いたら全く良くはならぬ。あなたと私からまず変わらねばならない。」とまあ、星一徹のカミナリみたいなアジテーション・ソングで。これは曲の感じからはわからねーよー。まさかこれほどとは。曲の素晴らしさに比べて複雑なチャート・アクションしてたのもこの内容からかと。あまりにも直球で戸惑う向きも多かったと。これが坊ちゃんロッカーのポーズ・アジだったらノリだなとかわせるかもしれんけどアメリカ発祥の地、フィラデルフィア。あらゆる問題もそこから始まってる土地の音楽ですから。切迫感も半端でなかろうと。逆にだからこそ根の生えた支持だったのだろうと思います。その辺りの怖さはポンニチでのたーりしてるこちらでは当然わからず。しかしちょっとだけでもパンク級の衝撃あり。この甘さは短いながら濃密なアメリカの明暗歴史なのかと。えー、ずっとこれですとさすがにあれなんすが、「まず世界はあなたと私から」。ガツーンと一発の後はあなたと私の歌が続きます。控え目ながら熱が充満してますリズム、ストリングスにのって名曲連発。白眉は4.のドント・リーブ・ミー・ジス・ウエイ。テルマ・ヒューストンのカバー大ヒットでお馴染み。80’sではコミュナーズのでも。欧州とも直結するこの熟した味わいよ。テディさんの冷っとした熱いテナーでももちろん。まあ、知ってる曲だからまずどかんと来たのかもしれんが。後の曲はこれからぐわんぐわん。今も正に。2曲で女性ボーカルが登場して来ます。さらなる戦力のシャロン・ペイジさん。熱いペンちゃんと対照的なエレガントな歌唱で。何とも言えずこくまろなコーラスと剛な歌、艶やかなシャロンさん、これがハロルド・メルビン&ザ・ブルー・ノーツです。この後あまりにも色男人気が爆発したペンちゃんは独立。ひげダンス・ソング「ドゥー・ミー」リズムで杉良路線まっしぐら。残りのメンバーたちも二つに分裂して。聴かばそれも無理も無しとも思い。熟してまっかっか。正にたわわに幹から下がっている、食べなきゃ何としようの音楽です。音楽ですからそのまんまで待っててくれた。遅まきながら食べられてほんとに良かったわ。

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10/12(水)
1stの鑑
cover
Cheap Trick
Cheap Trick
1977

シリーズ「力POP」

でっかくくくれば外国流行歌、ポップ・ミュージック、その中でロックが何かといやあ不快と思われるとこまで突進してぎりぎりのところで快に転ず心の若さ勇気無謀だと思います。だから形だけ、ヘビメタでもパンクでもロックじゃ無いのは世の中に多し。かっこだけポーズ取ってる分だけこれこそほんとの不快この上なし。吐き気がおえ。逆にアイドルでもソウルでもロックしてるものもあるのだ。チープ・トリック77年のデビュー・アルバム!身も心もロックです。やかましいわ。ボリュームに関係無く。音がおっ立ってぎゃんぎゃんしてる。バンドと共にこの騒がしい音を作ってくれたのは名匠ジャック・ダグラス氏。だよなーと納得する。恐ろしく多大な期待をレコード会社がかけていたのがわかり。エアロにしてもブルース・スプリングスティーンにしても低予算でまあやってみたらって感じのどケチCBSが御大をプロデュースで作り込みやりたい放題やらせてるんだから。期待に答えての大力作です。エナジー莫大、しかも頭もいいぞ。最初には最初にしか出来ないことあり。一番肝心なのは出たてのホッカホカ感だ。これから何やらかすかわからぬはみ出て飛び出す法華の太鼓。あははほっけのたいこってこうゆう字書くのか。そこから始まり世間にその後は成長したなどと言わせる。私は成長などと思わんぞ。その時にしか出来ないことは未熟なんかじゃありゃしない。掛け替えの無いロックな瞬間なのだ。そんなスクエアなおじさん思考ではロックとは付き合えぬわくわっ。日本盤LPではホット・ラブから始まるとされ、これが実はエロー・キディーズからなのだと。ひえ、こうゆうの困るやんけ。その順番で脳内にじゅんじゅんしてるだよ。しかあし、30年あまり後、引っくり返してまた再び新たな気持ちで1stを聴けると考えてみよう。甘い罠にずっと引っかかっておったのだな。ちゃんとサイドAとサイド1って書いてたじゃんか。それにエロー・キディーズだから。「♪こんちわガキども、ちわーガキども。明るくなったら何するテメー」って歌ってるし。出だしがこの人を喰ったグリッター・ソングだとそりゃもう最高だぞ。2.親父だってハイ・スクールに行きっぱなし。ロックも歴史長し。いつのまにかしたり顔で語るなどと理屈こねこねしてる親父ども、最初の感動を取り戻そう、ドラえもんのポッケからこの曲出して貰ってこれから聴いておくれ体での曲。りょーかい。3.税金男、ミスター盗人氏。別に真面目に働いてる人を馬鹿にしとる訳で無く。心の搾取者。人の上前はねて生きていく人を哀愁込めて歌い上げ。口の端をきゅっと上げての歌いぶりひりひりします。ロック・シンガーとしての力量計り知れなくシャウト臨界点に即座に到達。4.は青春のもんもんをケツから搾り出す「叫ぶ叫ぶ」。生きてるだけで理由の無いもんもんは常にぶらさがってくるものだわ。5.オー・キャンディは好かれてるのが嬉しいのか迷惑だかわからんひねくれた野郎の歌。わざと相当にやかましくのこれこそパワーポップ。で、サイドAのホット・ラブに。サイド1がバンド底力証明のヘヴィ・チューンの連続。ここでぶっ飛ばしのこれが来ると確かに素敵かも。ヘソだ。ギターが焦げてすえた匂いが充満。7.今でもずっとでもしゃべってな、後生大事に平安守って。つうタイトルが全く歌詞中に出て来ない掟破りソング。これがパンクじゃなくてなんとしょう。音ともども。8.も真性パンク。走るぞ全速力で。リッチ・キッズ思い出します。9.マンドセロ。これもタイトル語句が歌詞に出て来ず。8.での行け行けーの気持ちをうっちゃりですかす。そしてラストは「TV暴力のバラード」つう曲自体が暴力の歌。これまた出て来ない曲名語句。言いたいだけナイフのシラブルかましてドアをバタっと閉めて行っちゃったよ。さてこのアルバム、出来はこの通り申し分無し。しかし売上げはさっぱしだったと聞き。もし皆が何も知らないうちにこの刃物の音楽やっとけーって覚悟の上やってたとしたらそりゃもう恐ろしい連中で。一つ間違えばバンド人生ぽしゃるもんな。覚悟な野郎どもの残したやんちゃで今こそ存分に格闘。聞くところによるとこの後アイドルさんにされたって?それだけで馬鹿にしくさるやつらがいたらそれこそ気の毒ってなもんだ。剥き出しのこれ聞いて、も一回ハイスクールに行こう。

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10/13(木)
美は乱調に有り
cover
Doc at the Radar Station
Captain Beefheart
1980

シリーズ「プログレ支部」

はだかの王様が刺抜き地蔵商店街を歩いてます。ただしこの王様、思いっきり自分が裸だって自覚して歩いてまして、そもそも裸で歩こうと思って外に出ておるのだ。それを見た衆は第一に王様は素敵な服を着てらっしゃると有り得ないことは有り得ないと言い張る。第2にこっそり山の木のほこらに向かって「王様は裸だー」とシャウトする。第3に王様の裸をしげしげと喜んで鑑賞するもの。第4に指さして「ぎゃはは裸だ裸だ裸でやんの」と事実を喝破するクソガキ。キャプテン・ビーフハート船長。その名前を知らんロック・ファンはおらんかも。しかし船長は生涯貧乏であったつうことは王様の裸をしげしげ楽しんで上げる人がいかに少なかったかってことだな。けなしてるロックマスコミは皆無に等しいからとりあえず凄いって言っとけーみたいな。もしくは「裸だー」って叫ぶも好きとか嫌いとか知らん注目されたいだけやとか。別に嫌いなら嫌いで一向にかまわず。音楽は嫌いならその人にとってゴミに等しくしかも船長の音楽は外見はゴミだぞ。美はランチョンミートにあり。堂々と右に行くか左に行くか自分で決めちゃおう。不幸幸福にして船長裸体が好きになっちゃった方は楽しい修羅の道に入道、天国ですこの1980年度作品。なんせ1曲目は滅茶苦茶POPなホット・ヘッドから始まる。子供には聞かせてはいかん。「♪ほへーほへーほへー」って一日中わめくに違いなし。その後の人生は金に縁が無くなるしかも喜んでたりして。全編鬼の合宿でもって猛練習、どうしてもこれで無きゃあかんつう鉄の音の連続です。どうしてこれで無きゃあかんのか。船長がそう言うからだ。あの声でそういわれ続けてるとそうゆう気が段々してきてえらい美しいものに見えてきたよ。父ちゃん巨人の星はもうすぐです。音楽芸人になるっつうことはまさしく堅気の人生放棄するか否やつうえらいっこって、特にこの船長バンドに入っちゃうのは潰しの利かない恐ろしい覚悟必要だ。ある日突然俺は何をやってるんだってアバのバックバンドに入ったって責められません。とゆうことでメンバーはいつかずもしくは生涯、側におつかえして一緒に「ぼいーんぼいーん」って叫ぶしかありません。聴く側はそこまで恐ろしいことには多分ならないと思いますから気軽に聴きましょう。気軽に聴きやがったなと一本づつ関節外される。でも人は慣れるつう特技持ってますんで骨外されるのもいつしか快感に。敷居が高ければ高いほど快感有るだよ。整体で「首曲がってますねえ直しますゴキ」がごとし。サウナで終わったあとビールうめーってゆう使用法もあるな。この後カーペンターズを聴いて何だこの無茶苦茶な音楽はって思えたら成功です。どーですこれが最新の音楽ですアバーンギャルドでしょって得意そうに言ってる若い衆の目の前でおもむろにこれかけて表情を見ながらイイチコをとくとく飲むって手もある。逆も可。お父さんに聞かせる。確実に真っ赤になって怒り出します。面白いぞ。もし喜んじゃうお父さんだったら・・・。これも問題だな。ご愁傷様。とにかく真面目な顔してまともに語りだすのだけは止めてくれ。一緒に暴れ踊りするのなら大歓迎。うちでもやってます。

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10/14(金)
もっとずんどこ
cover
Let's Stick Together
Bryan Ferry
1976/9

シリーズ「GLAM!」

76年のブライアン・フェリー氏、ソロ作3作目です。アルバム未収録のシングル両面曲と同年7月リリースのEP「Extended Play」を合体させた編集鬼っ子恥掻きっ子アルバム。延長戦の延長戦つうことで。評論家先生たちの格好の餌食となりやれ元の方がいいだの中途半端だの。ま、書きやすいから書きやがった。フェリー氏の魅力とは何か。それは嫌いな人が嫌ってるとこです。このジャケに出てます。月亭可朝みたいなお髭。変装紳士、インチキ臭。でくねくね気持ち悪。最初から見たとたん好きって方はあまりおらんかと。ところがどっこい自分でも知らんうちにそれが好きになっているんです。格好良いとは依然思わんけど。いや格好いいのか。かっこ悪いって何てかっこいいんだろう感(^0^)。そのかっこ悪いアルバムなんでフェリーさんの魅力の到達点です。ハナはこれで始まるレッツ・スティック・トゥゲザー。イギリスで同年6月にチャート駆け上がった完璧なシングルだ。オリジナルはウイルバート・ハリソン氏69年作。このブラックおっさんも髭兄弟。インチキっぽい顔してまして。そちらはヘロヘロの脱力ハイパー・ブギー。これを最初にカバーしたのが脱力ブギーの神様、米国のキャンド・ヒート。それがどうしたことかパワフル・ヴァージョンに変身させて英国でもヒット。で、フェリーさん、私だって脱力の神様、両方のええとこいただいてオーラびんびんにしてしまったぞ。肝はやっぱりオハコずんどこ。それに欠かせぬスペシアル・ドラマー、ポール・トンプソン氏炸裂。ダブル・ドラム仕様で、2回叩いて貰ったのかな。これがミソ、もうえらいドカスカだんだか超低重心になった。さらに低重心ならお任せやでのジョン・ウエットン氏のベースで腰から下はびんびん。それに乗っかって無常な集団ラッパ隊。フェリーさんもうロキシーの音が大好きで大好きで、延長戦拡張プレイですから、マッケイさんの吹くみたいにさらに拡大して。ちなみにギターのクリスさんにもマンザ氏ぽく弾いて貰って、つうかそうせざるを得ないわな。要は本隊で付き合ってくれないからソロでしかたがなく。ってこたあ無いか。アナザー・タイムな魅力満載。曲自体は普通のブルース・メロディなのを何だこりゃのグラマラス展開にしちまうのがこの方のマジックだぞ。ここで入道出来ましたらもうぞっこんOK。私、まほさんと一緒にこれやったことあり。ラッパのとこをスライドでやりました。デビッド・リンドレイさんみたいにやろうとして。出来はともかく楽しかったなあ。そして2.カサノヴァ。ずんどこロキシーの代表作今再び。スピード落としてもっと気持ち悪くしてくれた。ぬめぬめヘビの濡れたとこのように。きゃあ気持ち悪くて素敵。3.シー・ブリージズ。これも1stけつから2曲目の再演。変わって無いぞと申す無かれ。拡張プレイですこの時はこの時。髭剃り後にこれを。4.シェイム・シェイム・シェイム。この盤のメインテーマ、ずんどこブギ2弾目。ジミー・リード氏の曲のカバー。そうですこりゃセサミ・ストリート。突進力を存分に。うにゃうにゃ鳴ってるリズム・ギターがボーガス・マンだ。ファンのけぞる。EP「延長戦」に収録。5.「2HB」は自分のテーマ・ソングですから。何回でもやりたい。やってればハンフリー・ボガードさんになれるかも。6.「プライス・オブ・ラブ」もEP収録曲。ずんどこブギ第3弾。オリジナルはエバリー・ブラザース。元曲が爽やかかっつうとこれがけっこう同じくどんどこどん。もっとフラメンコかも。我が意を得たりのカバーだな。さらに悪ノリして手拍子とかカスタネットとかいやもう楽しいぞ。この技は後にマニフェストで再び。これまた突進パワー爆発の大重要ナンバーです。7.「チャンス・ミーティング」。再びロクシー再演。大好き。何故か1stの再演ばっか。何故だかは言わない(^0^)。何か悶々としてたのでしょう。悪ガキいたから。8.イッツ・オンリー・ラブ。ビートルズだ。さすがレノン=マッカートニー。匂い濃厚にへばりついてます。匂い対臭いの対決壮絶。EPに収録。何故これをやったかとゆうとあの顔が出来るから「♪イッツ・オンリー・ラーブ」のところで。8.「ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド」は75年7月のシングル。最高位33位と初の低迷で。これはチャレンジの解決しないメロディのジャズ・スタンダード曲カバー。機会が有りましたらチェット・ベイカー、デイブ・ブルーベック氏のヴァージョンを聴いて貰わば。その雰囲気の違いに唖然。どうしてこうなるのか俺が訊きたい。フェリー世界の再奥かも。10.もまたロキシー1st再演、正にリメイク・リモデル。グフタフスンさんぶりぶりベース。うにゃうにゃマンザさんギターで本当のリモデル。太陽にほえろ調に変身だ。ラスト「ハート・オン・マイ・スリーブ」は珍しや、同時代の人のカバー。ちょうどブレークしてたギャラガー&ライル作。まんま。よっぽど好きだったらしく。オリジナルはそりゃもう爽やかで。それを蛇が歌います。やっぱ妙に爽やか。ギターのスベディングさんに無理言ってリズム・ボックス持って来て貰ったそうで。そのクリスさんどうも乗れずギターの出来に不満足、他の人のを使ってもいいよと言い残し去る。誰もやってくれないのでそのテイクでOK。文句言いたそうな演奏が素敵。EPに収録。そのEP自体は最高位7位まで上がりました。思ったより人気有りますこのおじさん。アルバムは最高位19位。ガミってるからしょうがないな。

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10/15(土)
今夜きめよう
cover
Tonight's the Night (Gonna Be Alright)
Rod Stewart
1976/6

シリーズ「完璧なシングル」

今週の「完璧なシングル」は
「金髪の髪の少女」、アメリカです。
完璧なシングル界中でも正に完璧、70’sのお臍に登場した極め付け曲なのだ。TOP40チャート初登場は75年4月26日、以降とんとんとんと駆け上がってナンバー1になったのは6月の14日号。1週だけ君臨してそよ風のように去って行った。次の1位はメガ・ヒット「愛ある限り/キャプテン&テニール」。ちなみに前週は「素晴らしきカントリー・ボーイ/ジョン・デンバー」。と売れる売れないにはちいとも関係無く出会ったとたん永遠の曲となり。あまりに75年の音。それまでのポップの歴史、ロックンロールの歴史が全てジェリー・ベックリーとゆう見た目平凡な若者に降りて来て仲間の二人と製作のジョージ・マーティン氏、バックのメンバーと共にイタコ状態この地球に出現したなり。とてつもなくかわゆく。全ての完璧なシングルはイントロ一発の瞬間で決まります。C#mの生ギターストローク。Aに降りて来てEに降りてEsus4で塩気を足してEで収束、F#mつう不安定で2バース目、そこに入って来るのはジョージ・ハリソン神の宿ったスライド・ギター。自信無さげに揺れながら必死に真面目にメロディを。ストロークはC#m、B、Aと曲に登場する9割のコードをここで開陳、どこからこの進行編み出したか。全く想像出来ず。メジャー、マイナーの連合軍、ビートルズ・マジックここに倍返しで再現だ。そして歌。Eで「♪うえらい」と入ってG#mと初めてのコードで意表を突いてぐっと腰を落とし溜め。エレキのアルペジオ。モンキーズの神が宿ったタンバリーン。「♪トライ・トゥ・メイキッサンデイ」。歌詞の意味を訳して把握する前に英語そのままで完全に心に入っちゃってます。これはもう「トライ・トゥ・メイキッサンデイ」って意味なのだ。2バース目でバンド参加。ドラムの引っかかりながら微妙にずれたタイムのフィルイン。デジタル変換不可能のこれ、ずっとハル・ブレイン氏だと思ってた。クレジットにはバンド・メンバーのウイル・リーコックスさんしか無いけど、とにもかくにもハルさんが憑依してるアメリカンドラムの黄金が。歌バックのギター・ストロークの絶妙さ。じゃかすかじゃかすかってあまりにも当たり前で一つ間違えばスカスカのださださだよ。ベースも頭だけだし。ぎりぎりの所でバチっとはめて最高のかっこよさに。歌は「♪あいーん・・・ちゅうちゅう」と折れそうにふにゃふにゃ。リズムの喰いでビシっとしめてキッっと決めて展開へ。時は一挙に50’sにバック。「♪Will you meet me in the middle、Will you meet me in the end」って素敵な歌詞だなあ。我忘れて求愛してます。コードはB,A,Eと大メジャー3コードに。コーラスは彼方でビーチボーイズの神宿り。最後はF#m、G#m、Aと一つづつ上がって行って決まりそうなんだけど決まらず、そのままイントロに続くって。憎いねこの。すっかりリセットされての2番。2回目の「♪ちゅうちゅう」、2回目の50’s、そのままドゥーワップ・ワールドに。ここのところまるで違った印象に聞こえるんだけどコードは展開50’sと同じB,A,E。天国の様子がちらっと見える中、待ちきれないように「1,2,3,4ととたとぅーん」って終わり。完全に終わってるのに最初に行きたくなってまた聴いちゃうつう完璧なエンディングです。もう夢のような3分16秒。人生で一番短い3分だ。少しでも崩れたら台無しになるにも関わらず生ギター弾きたくなり。弾いてみるとこれが少し見えて気持ち良し。ギター・コードが#が付いて目が点になっちゃう時は、イントロはAm、F,C。歌はC,Em、F,C、Dm。50’s部分はG,F,Cでやってみて下さい。風が吹いてきます。金色の。

シングル盤ジャケ

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10/16(日)
ヤツらは町へ
cover
The Boys Are Back in Town
Thin Lizzy

1976/6

シリーズ「完璧なシングル」

今週の「完璧なシングル」2弾目は
「ヤツらは町へ」、
我らがシン・リジイ、1976年のブレーク作です。英国チャートでは6月に登場、最高位8位にまで上り詰めただよ。返す刀で米チャートでも最高位12位までの大ヒットに。元々タイトルは”G.I. Joe Is Back in Town”だったとのことで、リノットさんが漫画を読んでパッとひらめき、ベトナム帰りの兵隊さん町で思いっきりフェスティボーするのお話を歌にした。GIジョーだと権利関係が複雑だったのでしょうか歌中では主人公はジョニーさん。リジイの歌で主人公つうたらジョニーだし。さー生き残った、人生謳歌するぞーと思うもやたら色眼鏡で見られるし、女の子には顔面平手打ちされるし、ディノのバーでは浴びるほど酒を飲んで乱闘騒ぎ起こしちゃうし、結局は俺ら厄介者かいつう辛い歌だと解釈してます。ギターの印象的リフはブルース・スプリングスティーン兄の2枚目アルバム「野生の叫び」の「キティズ・バック」からヒントを得たんだって。バックつながりか、そうだったのかと膝を叩く。さー弾こう。イントロのコードはG#・・・だと弾きにくいんでG、Am、C。ちあーんと「ででで、だんとでん」も間に入れて。感じ盛り上がり。歌の部分はG Bm 、 C Em 、 Bm7 Em 、 C D 。見事にメロに沿ったコードだ。特にBm7の響きがたまらん。はいいけれどこれを弾きながら歌うのは至難の技かも。何しろ字余り感あるもピタっとしてるリノット節ですから。これを最初にリノットさんがバンドのみんなに聞かせた時は歓声が上がったろうな。もう出来てるって(^0^)。彼、ベース弾きのくせに基本は弾き語り野郎の気がします。そのまんまバンド演奏にして自分はベースを生ギターで弾いてたのと同じようにアップダウン・ストロークで。じゃんかじゃんかじゃんかじゃんか。この曲のミソはそのじゃんかじゃんかを全員で頭に入れといて実際に弾くのはコードの頭だけ。スッカスカにしちまったとこ。これで歌が間に入って求心力際立たせ。要所要所で締めるのはハイハットの荒っぽい閉じ”ピシっピシっ”。サビでコードはイントロと同じに戻って、左右でリノット宣言「ヤツらは町へ」!。ツイン・リード。誰でも覚えちゃう必殺フレーズ。続いて我慢してた三連符感覚をここで放出。終始二つのギターはなかよく寄り添って、ヤツらはヤツらで強烈に結束してるクレージーだ悪いかを表現だ。後半普通なら盛り上がりきってギターソロに行きたいところ、逆に落として落として突入。かの必殺フレーズ、ツイン・リードをひたすら繰り返すつう。ぐっと盛り上がってフェイドアウト。ああ又聴きたいとなる。げにまったくここで覚えてここでやられてここでのけぞるって正に完璧なシングル。しかもライブではサビをみんなで歌えるんだろうなとかギターツインがもっと凄いことになるんだろうなとか想像がびんびんに巻き起こってヤツらが町に来たら行っちゃうよコンサートに。バンドとして油が乗り切った時、今こそ皆さん存分に味わってくださいのため音楽の神様が与えてくれた曲だな。ですからジャンルはシン・リジイです。比類することなど不可能なのだ。

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