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今日の推薦盤一覧2005.3上

 

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3/1(火)
友だちノスタルジー
cover
Mauvaises Nouvelles des Etoiles
Serge Gainsbourg
1981/9/27

シリーズ「おフランス」

おフランスもの、特にこのヒヒ爺い、親父希望の星セル爺にどっぷりはまっております。前回から少し間隔を空けようと思ったけど我慢出来ん。先週入手して以来聴き狂っております。ジェーン・バーキン嬢などのフェム陣を聴く時とはちょと違う方向で夢中になってしまうこのおじさんなのだ。70’s後半は黒い冗談爆発し過ぎて痛快ながらちいとも売れないレコードばっか作っておりました。それが一転したのがこの前作「フライ・トゥ・ジャメイカ」とゆうことでさすがフランスのリズムおじさん、いち早くジャメイカの凶弾リズムコンビ、スライ&ロビーに目を付けての現地録音。時代にようやっとぴったしはまって本国で50万枚売ったのだと。その成功を引き継いでのこれ。録音場所はジャメイカからバハマのコンパスポイントへ。これまたさすが。この時期アイランドレーベル絡みの諸作。トムトムクラブやブラック・ウフルー、そしてグレース・ジョーンズと世界で一番輝いていた場所であります。バックはもちろんスライ&ロビー。そしてマーシャ・グリフィス、リタ・マーリー、ジュディ・モワットちゅうとんでもメンツのアイ・スリーズがびったしコーラスに。エンジニアはスタジオ専属みたいなもんなスティーブ・スタンレイ。これでプロデュースがアレックス・サドキン氏ならまんまグレース嬢の盤と同じ。結果、怪物度では負けません、彼女?のそのお化けアルバム「ナイトクラビング」と肩を並べる大傑作だと思います。何にそんなに惹かれるか。まあまずこの時期のスラロビってのが。ストーンズでさえ頼むようとなってたこの時期の彼ら、もう絶好調です。ずーっとレゲエの屋台骨を支えてきたんだけど己独自のビートを開発、出す音全てキンラキンラだもんね。それだけに誰が呼んでもそれなりのものが出来ちゃうのをそこはセル爺、てめえのフィールドに引き寄せて、まー昔から一緒にやってるバンド仲間みたいじゃ。メロディ部分、サビなんかはすっかりアイ・スリーズに任せちゃって自分は言いたいことぼそぼそと唄ともしゃべりともつかない調子で。ここで目の前に現れたのがイアン・デューリーおじさん。風貌も似てるけど歌い方も似てる。イアンおじさん、まーほんとに親戚になって貰いたいくらい好きですからセルジュさんも他人とは思えないよ。もちろんフランス語だからねえ。99.8%は理解不能。成績Cだったし(^0^)。特に輸入中古買っちまいましたから。日本盤のタイトル見て想像してるよ。己で作詞しながら聴いてるようなもん。そうです。こうなったら洋楽好きのみなさん、自分で作詞しながら聴いちゃいましょう。究極の音楽コラボだぞ。でどう聴くかとゆうと1.なんかは「国際電報」ですか。どう聴いても「ペリカン」って歌ってるように聴こえる。ペリカンが電報運ぶのだな。哀愁の童謡ベースフレーズからして絶対そう。2.は「やせて蒼い顔の男」だと。えっち重って歌ってますから。スタミナ不足だきっと。何のだ。3.は「俺はミッキー・マウスを持っている」。カエルみたいなミッキーがバックで鳴いてますんで手書きのみきまうすかもしれません。4.は重いよ「ユダヤ人と神」。何となくイメージして。出来るか!すげえこと言ってるんだなって思って楽しむ。5.はシュ・シュ・シューシャラ、しゅしゃら・しゅしゅ。ですから。これはもう後ろの正面だーれ。曲もまんま。6.は「おまえは死ね」っておもむろに言われても。生きます。これ「友平」って歌ってます。友平に言ってるんだなこれが。7.は「友だちノスタルジー」って。ぎゃはは。これだけでOK。8.はお手上げ。じゃけんど曲最高。意味不明タイトルを一緒に歌おう。意味がわからんてのは楽しいもんだ。9.エフゲニー・ソコロフのガス・マスク。これはネタバレしないほうが。歌いきった、言い切ったと申しましょうか。この親父妙な音を体のどっかから終始発してます。こんな馬鹿なことするのはそれこそイアンおじさんかセル爺くらい。10.はネグサ・ネガストですから・・寝癖の唄です。あれ困るんだよねえ。10本くらい立つと。寝癖逃がさねば。11.はストライク。2・3から見事に外角低め。球種はパーム。すらいすらいすらいって言ってるのかと思った。でラストはタイトル曲。いやー英語だ。懐かしい。あっとゆうまに終わって紫色の煙にすっかり巻かれてしまいます。最後だとゆうのに本人歌ってません。人を食ってるわ。これはきっと性だからなあ。どうしょもありません。ですからそうゆうのを聴くと腹が立つ人は全く駄目かと。いいもん聴かなくてもー。私は聴いて大笑い。歌詞なんかわかってやんねーから。ざまーみろセル爺。

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3/2(水)
幻2nd
cover
Dance With Me
Orleans
1974

シリーズ「TWo-Face World」

オーリアンズ。当サイトのハコバンですから(^0^)徹底的にWANTEDさせていただかねば。とわ言え何とも良さを形容しがたい連中なんで毎回撃沈してるような気も。ええいとにかく最高のバンドです。これは74年に出ました彼らの2nd。出ましたと申しても実はこれ当時お蔵入りしちゃったもんなんです。今こうして日本盤で出てますのはまっこと奇跡的。売れようが売れまいがオーリアンズ・ファンの執念の賜物かも。お蔵入りしたからと言って中身がすっとこどっこいかとゆうとそんなこたあありません。原因は訳わかんないす。とにかく在籍してましたABCつうレーベル、バンドを理解せず揉める事多数だった模様。まあかつて無い音楽だけにどう扱って良いかわかんなかったんだろうけどそれにしてももう少し有能なA&Rマンがおれば・・・バンドの歴史も変わっていたかもしれん。ジャケ見てください。オリジナルのを復刻してくれてるのは嬉しい限り。だけどまーなんでしょこの構図。何やら水の中に入ってるむさくるしい男達。アサイラムに移籍してからもジャケはとんでもなもの多いからこれはバンド側の責任もあるんでしょうが、ねえ、何とか出来なかったもんかなあ。中身はだって爽やかなんだぞ。録音は地元ウッドストックのベアズビル・スタジオです。1stはマッスルショールズですから初地元、プロデュースは全員で思いの丈、オーリアンズ・サウンドやって貰いましょう。ならベアズビル・レーベルに入れば良かったのになあとグチぽろさせて貰って、だって今回も低予算風情漂ってるんですもん。1stも思えばスタジオ・ライブかよーみたいなとこありました。名うての名手揃いなだけにそれでも気合であの名盤。今回だって負けてはいられません。1.レッツ・ハブ・ア・グッド・タイム。タイトル通りこのアルバムはこの曲の通りです。たおやかなウッドストックの空気。木の匂いとちょっと低い気温。暖炉の火。行った事無いけど(^0^)。普段は木の椅子作りで生計を立ててますが実は凄いんです。てな感じで。くりりんくるりんジョン・ホール氏お得意のギター・オブリガード転がってジョン・セバスチャン親戚の暖かい歌声。透き通るコーラス。是非堪能して下さい。2.は代表曲、ダンス・ウイズ・ミー。次の3rdで再演して大ヒットいたしました。ほぼ同じなんだよなあ。違うのは間奏部分がエレピであの印象的なピアニカ・ソロが無い。あれでばーんと色彩が出たのも確かですけど。ここでのそっと包み込みように大切に奏でるヴァージョンもほんと素敵。私自身長く聴いて飽き無いのはこっちのヴァージョンの方です。ホール氏のインタビューでもう少しこの時会社が想像力あったらこれでヒットしてのになあとのグチ聞いたことあり。ほんとそうです。これボツにする気がしれない。3.ウエイク・アップ。お得意の一つモミ手ドゥーワップもの。これと同系の曲ミス・グレースが同時期タイムスつうソウル・グループがカバーしてイギリスでナンバー1になりました。なぜ自分たちでやらなかったのかー。ラストの全員入り混じりコーラスに鳥肌!立てているとすかさず4.に突入。この入りがまたかっこええ。レット・ゼア・ビー・ミュージック。次の盤でこれも再演されます。埋もれさせておけるわきゃあ無い名曲。天に届け透き通るラリー・ホッペン永遠の少年のヴォーカル。これもこちらのヴァージョンはぽっかぽか。切れの3rdヴァージョンかぬくもりのこっちか勝敗は永遠に付かず。5.は堪能してください。これがジョン・ホール節バラードです。大名曲。それしか言えん。キャロル・キングぽいか。うーん。ありそうで無いこの個性。西の海岸まで突き抜けそうな東の風です。この曲は時間かけて録音したぞきっと。細部まで大切に大切に。6.は思いっきりノロケソング。対訳読むとかなり恥ずかしい(^0^)。でも曲調は軽快なロックンロールだからさーっとね。ホール氏はここではスティール・ギターをソロはラリーさんがとゆうことです。両者ともうまいなあ。ちょっと出てくる女性の声は奥さんかな。7.のサンセットではドラムのウエルズ・ケリー氏がピアノ弾きながら歌ってますぜ。わたしゃこの人のワイルドな唄好きでして。このワルツタイムの曲もかけがえの無い宝物です。染みるわ。ホール氏は交代でドラム叩いてる。くわースタジオ代が残り少ない。ケリーさんピアノ上手いなあ。自作です。曲作りもそりゃもう。8.はホッペンさん作、マネー。オーリアンズですからー、ニュー・オリンズ調セカンドライン・ピアノころころ曲。でもこれがエルトン風になってるのがおもろい。彼もそうだけど己の個性が有りすぎてまんまの影響にはけっしてなりません。ですからこれこれこうゆうサウンドですって言えなくて売りにくいってことで。最後はルーファス・トーマスの71年のヒット・カバー。エディ・フロイドも曲作りに絡んでるんだ。そりゃ強力。セッション・ジャムでこの盤には無かったファンキー。1stテイクでOKです。つうかこれでスタジオ時間使い切りました。せっかく苦労してやりくりして渾身で完成させたこの盤、前記の通りボツに。当然この後、揉めに揉めてバンドは一路西に。旬のアサイラム・レーベルに移籍して快進撃を開始するのだ。でも根っこはこのウッドストックです。イーグルスみたいに派手な仕掛けは出来んけど。豊潤な宝音を持つバンド、オーリアンズ。何時まで在庫状態保てるかわからんこの盤ですんで是非今のうちに。

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3/3(木)
ヤンキー心模様
cover
Song Cycle
Van Dyke Parks
1968

シリーズ「Van Dyke Parks」

ヴァン・ダイク・パークス。当サイトのハコバンですから(^0^)、とゆうても美形アイドル5人組でなく昔と今と全然違う顔のおじさん。ビーチボーイズのブライアン・ウイルソン氏とのスマイル・アルバムが頓挫、ワーナー・ブラザースの社員になって、すぐさまその立場を利用して好き勝手作った1stアルバムがこのソング・サイクルです。本人も充分自覚のラジオで全然かかりそうにないヒット性皆無のこんなん作れたのは本体がまだまだ元気だったもので会社も余裕だったんでしょう。入社記念のご祝儀かな。これだけのもん作れるんだったらスマイルもワーナーで実現かと思わばそうはいかんのが世の中のややこしさ、あれやこれや含めて時代の幸福の産物かもしれません。でも完成品を会社のお偉いさんが聴いたらこいつこれからまさかこんなんばっか作るんじゃ無いだろうかってビビっただろなあ。いやー会社の底力示すためですよーとかごまかしたか。プロデュースでからんだハーパース・ビザールとかが一応の成功をしたんでわからんながら任せるしか無かったかロックなんてどうせわからんし(^0^)。プログレシブです。アメリカでプログレつうたらこうゆうのをゆうのかと。ロックな挑戦精神で作ったのに全然ロックじゃない盤。日によってある時はもう最高、天国、助けてーと思ったかと思えばある時は何じゃこりゃみょこみょこやりやがってこの青二才めとか思ったりする盤。AC/DCと正反対の盤。ハリウッド映画のキンキラキンの街並み、実はセット、建物厚さ50cmの盤。大抵のロック雑誌で幻の名盤言われて飛びつくも8.3割の人が何も無かったようにレコード棚の奥に仕舞ったままにしているんでは無いだろうかと危惧してしまう盤。この後、花開くバーバンク・サウンドの企み全てが凝縮されてる盤。ライ・クーダー、ランディ・ニューマン両氏と長く一緒に出来なかった理由がある盤。この後本人も正反対の方向に向かって行ったつうのが納得出来る盤。スマイルで見た絵を自分で思いの丈描いた盤。27歳の働き盛り熱情満杯仕事も覚えてやりたいことが全て出来、面白くって仕方が無くなって来た時の盤。アメリカ音楽ってあるんだって思う盤。同じ感じのにアンディ・パートリッジ「テイク・アウエイ」、リー・ペリー、ダブだぞこれはとか思う盤。後でどうやってどうしてこんなん作れたんだろうとか思ってるんじゃないかと想像する盤。あるあるで紹介されるんじゃ無いかってくらい右脳刺激右脳で聴く盤。徹底的に聴き手の音楽感性に挑戦してる盤音楽で映画を見れるかって盤。です。だから次は聴いてる貴方の番。どうしますかこの盤。一つだけ確実に言えるのは何千回も聴いて皿なめしても後悔せぬほどの中身入ってるってこと。評論家の言うように素直に名盤なんて思う必要なんか全く無いかと。ヴォーカルのコンプレックスやリズム不在とかわざと食いつけば欠点だっていやっつうほどあるわ。そんなんチャラにして罵倒なり感嘆なり陶酔なりして頂くこと希望。汗を流して稼いだ金を捨てたとしてもこれほど捨て甲斐のあるもんもそうないぞ。

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日本盤

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3/4(金)
でぶでぶでぶー
cover
Feel Like Jumping!
Bad Manners
2005/2/8

シリーズ「2 Tone」

働けど働けどびんぼーでアナログ中古ばっか買ってる我が家ですけど年に6枚くらいはちゃきちゃきの新譜買います。三日三晩考えたあげく一大決心した買ったのがこのバッド・マナーズのライブ盤。つうんだからどうゆう価値基準だーとかゆわれたりして\(^o^)/。そりゃもうバカロックですから。いやスカだからバカスカか。バカスカ食ってるし。リーダーのバスターちゃん。英国が誇るでぶやキャラだー。ジャケもインナースリーブも食い物ばかり。え、それで買ったんじゃないかって。いやだわ奥さ〜ん。しかし羨ましい。こんだけ食っててこんな元気。中性脂肪を征服した尊敬すべき男だぞ。その解説で自慢してます。「英国チャートで12のシングル・ヒットを放ち5枚のTOP75のLPを出したバンド、最も成功したツー・トーン。」って。ほんとです。スペシャルズと共に第5のスカ・リバイバル・バンドとして登場して以来、まー際物いつ消えるのかーと思われてる中食って食って食いまくって結局一番最後まで生き残った。現役ちゃきちゃきのバンド。。ネオ・スカつうと凶暴、ちょっとやばい雰囲気つうのがある連中が多かった中、この連中は最初から違った。愛嬌第一、楽しいのが一番って。不良より食欲が勝ち、けっこう軽い芸能界ノリあって、言ってみりゃあ8時だよ全員集合。英国ではきっと浅草にある渡辺プロに所属しているに違いない。成功の秘密の一つにとにかくライブにつぐライブ、ツアーにつぐツアーってのがあったらしい。25年に及ぶ歴史の中、消えていくメンバーを補充また補充して頑張るバスターさん。いまやイギリス芸能界じゃちょっとした顔らしい。貫禄あります。物心両面とも。22曲も入ってるだよ。さすがCD。収録曲はオハコのベストソング大大会。一見さんのためにもちゃんとスカの名曲も用意して有ります。3.のマイガール・ロリポップは64年5月のミリーのヒット。世界初のスカ・ヒットで最高位2位まで上がった。元々はもちろんマイ・ボーイ・ロリポップ。これをでぶが凶悪な声で。かわいくねー。いやかわゆい。11.のウエット・ドリームは69年のマックス・ロミオ最高位10位の曲。夜やらしい夢を見た若者が起す現象の歌。でもコーラスでは「武士道武士道」とか歌ってるのが大笑い。空耳といやあ他にも「たたたたたそこ曲がってあそこの右曲がって」などとゆう思わずTシャツくらい行くんじゃないかってのあり。マジで送ろうかな。他にもスカタライツのナバロンの要塞とか最後にはカンカン/天国と地獄も。うちのバンドでも昔やったよー。やっぱ考えること同じだなあ。たった一つ残念なのは1stでやってた荒野の七人が入ってないこと。あれ好きだったんだけど。バスターちゃん最初の曲からもう息切れ気味で。いつ酸欠でひっくり返るかと思わばこれがけっこう粘る。最後まで逆にどんどん元気になる怪物ぶり。食いながらライブやってるか。全てのデブに捧げるとか言いながら軽やかに22曲。そりゃ2tone登場時の鬼気迫る雰囲気こそもうありませんけどこりゃ凄いわ。身も心も食い物とスカに捧げた人生。最後まで聴くと大スペクタクルな感動が貴方を直撃さ。思い切って買って食いは、いや悔いはありません。本年度新譜ベスト10入だ。

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3/5(土)
思いの丈盤
cover
Give Us a Wink
Sweet
1976

シリーズ「glam!」

念願がかないました。75年3月に英国本国で自作のフォックス・オン・ザ・ランが最高位2位の大ヒット。ようやくレコード会社の信頼を受けてのセルフ・プロデュース、セルフ・アレンジ、全自作曲、もちろん全演奏の思いの丈好きなことが出来たスイートの初めての盤、それがこの76年の「ウインクちょうだい」。古くからの盟友フィル・ウエインマン氏にも今回はプロデュースを辞退していただいたってとこからもその気合の入れようがわかるってなもんだ。その間、フィルさんローラーズに出張してそこで大成功。ますます後には引けません。うまいことにその年の暮れにはアメリカでもフォックス〜が大ヒット。世界中がこのアルバムを待っていた。さーどうなったか。次の目玉曲は既に7月にアクションが15位にまで上がって準備万端。後は好きなことやるぞーって。元々演奏は最高に上手いバンドです。唄もばっちしコーラスもバッチシ。残るは曲だってことなんすが、頑張ったぞこれが。あまりにも件のシングル2曲が強力なため、聴き始め最初のうちはあれあれーとか思うものの作りこんでます。聴けば聴くほど慣れて(^0^)、最高に聴こえてくる。ありゃこれファンの贔屓目かなあ。アクは強いぞ。どうやってもどう切ってもスイート飴。2パターンほどの色合いも己サウンド獲得の証だ。ある程度のすっとこどっこいは大目に見てこの勢い絶頂花満開喜びの盤を堪能しましょう。それにしても無慈悲感が強いなスイート。ポップスの奥義は無慈悲なまでにクールなこと。自分は笑わずして人を笑わす優れたコメディアンのように。写し鏡のように聴く人の心の中のポップスを呼び覚ます。その意味でスイートはポップ・バンドとして超一流です。ロック・バンドにももちろんクールは必要。その上で生き様感じさせる生々しさ、傷跡みたいなとこがポロっと出てなきゃいけないかと。スイートはアバのごとく言ってみれば非人間的な音楽にどうしてもなっちゃう。ポップスの天才だから。なのにやりたいことはロックだったってとこが悲劇の始まりかもしれません。フォックス〜もアクションも売上げでも大成功、曲自体も最高の出来なのはやっぱりチャップマン=チンの優れたポップス職人の仕事を間近で見て吸収した証。それでもどうしてもはみだしたくて、そんな曲を一杯今回は。ヒーラーなんかはデビッド・ボウイのフェイム、思い起こすファンク曲で、長尺の中、グルーヴが盛り上がってって感じにしたかったんだろなあ。でも最後までキチっとしちゃってるから。これはもう性分だわ。他にも大好きなパープル調のものとか。120%の熱情で。出来上がった後、やりきったぜ感はもちろんあったでしょうが、やっぱり俺たち、ってけっこう悩んだかも。でも、大丈夫。それがスイートの個性です。どうしょもなく真面目でどんなすっとこどっこいもカチっと全力でやっちゃうとこ。みんなそれが大好き。だもんで30年立ってもほらリマスターが出ました。最初に買うのはベスト、次はディショリューション・ブールバード、そして次はこれだと思います。痛いのは日本盤ではB面1曲目に入っていたフォックス・オンザ・ランが米盤では無いこと。もうわかってるんだからええでしょと思うも、やっぱりあれが入ってるとアクションとの両目玉で盤の勢いが違う。これは既にお持ちのベスト盤から引っ張ってきて是非混ぜてお聴きくださいまし。アナログでやっておりました可動式ウインク・ジャケはこちらでご用意しました。アクションを聴く時に見るマペットダンスも。どうかご堪能下さい。頭振り過ぎて机の角にぶつけないように。

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3/6(日)
時期シリーズ外人選手は
cover
Wired
Jeff Beck
1976/5

シリーズ「ギター屋」

ああ、我慢出来ん、一緒にやるわと、前作吹いて吹いて吹っ飛ばすでギター・インスト路線に確固たる自信を持ったベックさん。何たって全米最高位4位ですからこれまででいっちゃんの成功です。さあ次の一手はジャズ・ファンク本場の猛者との邂逅だってんで、新パートナーはお気に入りマハビシュヌ・オーケストラのヤン・ハマー氏。そしてドラムはナラダ・マイケル・ウォルデン氏。73年のビリー・コブハム「スペクトラム」でのトミー・ボリン君のプレイ聴いてその時から俺ならこう出来るとじりじりしてたはず。その思いが一挙に爆発したもう何の迷いも無く大傑作、名盤と言える盤、ワイヤードだ。前作からの英国ファンクの猛者二人マックス・ミドルトン氏に参謀としてがっちり脇を固めて貰い英米両軍による最強の布陣。引き続いてのメロウ拡大の英国軍中心の曲、まだむヤン加わっての食っちまうぞ曲とのバランスも最高で30年経とうがいまだに信じられん新鮮パキパキ音楽でございます。新鮮ハマチの活き締め一丁。なんせ格闘するギタリストじゃけんのうそれ相応のリキ持った相手と対決してこそ力最大発揮、目立ちたがりじゃ一歩も引けを取らんヤン氏は最高の対戦相手かと。1曲目レッド・ブーツから「新日本プロレス時期シリーズの外人選手は、またしても来航不沈艦スタンハンセン。うなるラリアートで猪木のクビは大丈夫か」が聴こえる。丁々発止相手のフレーズ技を受け止めさらに倍にしてお返ししてやるの姿勢はまさにプロレスであります。やってやられてここぞとゆうタイミングでその場に相応しき決着を持って試合は終了する。これは元来ジャズの有り様。それを始めてロックの選手として挑戦した。ベックさん持ち技は全てロック、でもずうっとやり方はジャズプロレスだから今までどうも納まりが悪かったのはまあしゃあない。ここで初めて満足な戦い出来るリングに出会いました。望む相手との戦いで互いに信頼しあった上でのボコボコ合戦、パチーーんパチーンと気持ちいいチョップの音乱れ飛び試合はヒートアップ、スイングしております。レフリーはもちろんレッド・シューズ・ドゥーガン氏。カウント取る時わざわざレスラー飛び越えてあちら側で1,2、ノーノー。2.のカム・ダンシングではステディ・ファンク・マスター太鼓、エド・グリーン氏とちょっとだけタッグで対戦。手四つでの探り愛がスリリング。低いトーンでアームロックががっちり入る。ここではヤン君はレフリーね。ユセフ・トルコ氏と化す。3.は世界一我が強い黒い猛獣ミンガス氏の曲。ギター、いや楽器がが弾ける人間なら誰でもこのメロディ弾くだけでそれなりに感動の渦ってくらい突出した名曲でござる。こうゆう時こそベック氏の地力がさらに際立つ。行っちゃってる目が映像でどわ。4.は英国軍による戦い。新顔バスコムちゃん、お前が先行だと頑張る頑張る。イギリスならではのストイック・ファンクここに極まれり。キメの快感これに勝るもの無し。落城す。A面が赤ならB面は青と飛び出すのが5.の蒼風。相手はアンドレ並に巨大。ベック氏キーロックかけながら持ち上げられコーナーポストに運ばれてる。にやりと笑ってドロップ・キック。しっかしヤンさんドラムうめえなあ。天は二物を与えて悔しいから何か重大な弱点があるに違いない。生トマトが食えないとか。勝負はついたか。場外でも暴れ周りフェンスぐちゃぐちゃにして終了かも。生シンセの音はは永劫に新鮮。くこんくこんとコシがある。英米両軍による6.ソフィーは坂路をラスト11.3秒で駆け上がる駿馬のごとく風通し良し。最後に写るトレセンの窓枠もぴっかぴか。7.はキャンプ感覚満載の超絶ファンク。今までファンキーはやって来たベックさん、ファンクとの真正面対決はこの盤でお初です。ミドルトン氏のクラヴィにほれぼれ。指が黒い。ラストはアコでデザート締め。ザッパ大明神のスリープ・ダート思い出しちゃったりする。完全無欠無敵の本盤。これ以上望んじゃったらバチが当たる。当たるわと思っていながら望んじゃうのはフェイドアウトしてる曲のその後。どれくらい続いたのかこれは気になる気になる。アルティメットなやつどっかで出てるのかな。聴きてー。そしてこの布陣でここまで来るのなら。まだ対戦してない米国レスラー多数。ダンのエイジャの布陣をそっくり持ってきてバーナード・バーディ氏、チャック・レイニー氏、ポール・ハンフリー氏、ポール・ジャクソン氏、スティーブ・ガッド氏、ウイトン・フェルダー氏等々まだまだおるで無いですか。夢と終わった猪木馬場じゃないけどこの後すぐワイアード2でこれらの凶悪レスラーたちとの対決見たかった。いやほんとです。ブーチー・コリンズちゃんと戦うってのも。凄いだろうなあ。

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輸入盤

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グッヅ

3/7(月)
メロディについて
cover
Histoire de Melody Nelson
Serge Gainsbourg
1971

シリーズ「おフランス」

セル爺に夢中です。アルバムを入手する度にうおーとかぐわーとか言って最初のジューテームなキザスケベ親父像が崩れていく。まあスケベには違い無いんでしょうがそれ以上にその音楽ただもんじゃないよ。レゲエ・アルバムの超然さんぶりもとんでもなかったけどそれを思い知らせれたピークがこれ71年の「メロディ・ネルソンの物語」です。私が入手したのは98年!発売のアナログの中古。無論安いからそれにしたんだけどそれでも1200円。清水舞台。日本盤で歌詞カード入って無し。何故だ。しかし解説はあの川勝さん。読んで色々わかったことあり。セルジュ氏の盤ってずっと本国パリでさえ入手困難でこのアナログ発売の時に川勝氏がパリの友達のために確保したほどだそうです。なんるほど。それじゃ俺らが知る由も無かったのは当然だな。ジュテームの人って認識もあながちおかしいことでは無く向こうでも自身の盤は全然聴かれてなかったらしい。それがパンクの時代にその反骨ぶりが熱烈に支持され状況が変わって例のレゲエ・アルバムでブレークと。そして現在、CDの時代になり聴いた人はみんなびっくりとなった次第。私もびっくり。何がびっくりって盤毎にサウンドがまるで違う。ご本人はいつも同じ超然振りなんすが。どうもいつもポップ・ミュージックをハスから見ていたようでアルバム出す時はその時代の一番ヴィヴィッドなものを取り入れて、俺ならこうやると。まんまやっちゃうようで実は見事に換骨脱脂、セルジュ氏の音楽に他ならないものを聴かせてくれます。それでこのセル爺42歳の時の盤メロディ・ネルソンはニュー・ロック。そしてコンセプト・アルバム。プログレシブ・ロック。物語は最愛のパートナー、ジェーン・バーキン扮する赤毛の14歳の少女メロディ・ネルソンと40男の愛、その生きる喜び、老い・死への恐怖をいたって真面目に。両者とも年サバ読んでる(^0^)。題材こっぱずかしいですけんど、聴いてると来るわ。言葉全然わからんけど。イメージびんびん。写し鏡のように聴人それぞれのメロディ・メルソンが浮かび上がること必定です。サウンドの中心にどっかと据わっているはロンドンで録音されたとゆうドラム、ベース、ギターのロック部隊。これが誰がやってるのだかさっぱしわからん詠み人知らず。しかーしナイス。ファンキイでサイケでグルーヴィン。ノンエコーの生々しい音色で終始鳴り響く。そこに乗るのがまたこれもノンリバーブ、すぐ前でしゃべられているようなセル爺の語り。時々絡むメロディ嬢の嬌声。そして何と言っても強烈、サラヴァ・レーベルで活躍とゆうジャン=クロード・ヴァニエ氏によるストリングス。50人編成のオーケストラと70人のコーラスだって。その話聞いてそこから想起されるのは最近で言えばキッスの楽団共演ライブみたいにど派手なもんなんすが、聴いてみるとこれがはかなくて。霞のようにこの世では無いところから鳴り響いてくる。迫力凄いけどずーっと非現実的。これが生々しい真ん中に絡んでこの感触はうーん聴いていただくしか。今までそれなりに仰山音楽聴いたけど聴き終わった後のこの何とも言えぬ感はまぎれも無く初めてのものでした。ロック部隊の演奏からもありキンクリのアイランドに近いかなって、最初こそ思ったけど。ど真ん中に名曲2曲、メロディ・ネルソンのバラード、ワルツ。そしてB面の濁流に流されていくような感触の語りと弦とエレクトリック。最後に泥の中で孤と絶えている男の姿が確かに見え。
追記
ジャケは赤毛のカツラをかぶったジェーン・バーキンさん。顔が違ってみえる。既にシャルロットさんがおなかの中にいたそう。ブリっ子ポーズはそれを隠すためでもあったそうです。

曲目等詳細

輸入盤

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3/8(火)
撃つ歌う
cover
Gainsbourg Percussions
Serge Gainsbourg
1964

シリーズ「おフランス」

連日の親父ご容赦。おいおいこんなんあったのかよの打撃我が家を襲いほんとこない聴いてるのは大人になってザッパちゃん以来であります。今日の一枚はセル爺64年作。ジュテーム歴で言うとBJ4年、夢見るシャンソン人形のブレークが翌年なんでまだ清い体の時でござる。顔だってつるつる。でも聴くともう充分汚れてそうでんが(^0^)。昨日やらせてもらったメロディ・ネルソンにはぶっ飛びましたけどこっちも違う意味で大ぶっ飛び。何がってこの人この盤で64年にPILのフラワーズ・オブ・ロマンスやってます。ビートルズ登場の影で20年先やられてたんじゃまことかなわん。しかもこの時代に完全ステレオ。大スペクタクル・パノラマ・サウンドが我が家のパソコン・スピーカーからもガンガン飛び出てどかん。セルジ兄貴この盤の前までは真面目なシャンソー歌手but歌詞は凶悪やって直前の盤では完全モダンジャズ・ソングを敢行してたそう。それが一挙にパンプ・アウト。不良なポップ世界に足を踏み入れたのがこの盤とゆうことで、何を目論んだかとゆうとアフロ・キューバン世界を己のものにせようと。基本楽器構成は打楽器群とギターとサックスと歌。1曲目ジョアンナから狼少年ケンつうかアブラヒ〜〜〜ムつうか密林の中に忽然と現れたパリの凱旋門な曲登場。打楽器とコーラスと歌のみ。例によってパクるべく様様な民族レコ聴き漁ったらしい。そのままじゃつまらんってことで完全換骨脱脂、大誤解のオリジナル音楽がこれまたここに。この曲でおおおフラロマだとわたしゃ既に引っくり返っておりました。しかも笑いながら歌ってるし。2.も同様。念の入ったことに今度は訳のわからんジャングルの鳴き声入り。このすっとんきょーなコーラスはフランスのお嬢さんたちらしい。真っ黒な声出させるためにセルジ兄貴とアレンジのゴラゲール氏が手本を示したんだって。ぎゃはは。それを聴きたい。あっとゆうま無慈悲なまでに短く終わっちゃう。3.可哀相なローラはブラジル色強き曲。ようやくギター参加。バックでぎゃははきゃははと笑ってるのはローラさんだな。可哀相じゃ無さそうなんだけど。4.35口径の誘惑。タイトルのインパクト強し。曲も同様。これは完全モダン・ジャズ。超辛口ジャズで「ばんぐ、ばんぐ」歌ってる。例によって私輸入中古LP入手なんで何歌ってるかわからぬ。おそらく「鉄砲手に入れたぞばんばん撃ちたいぞばんばん」って歌ってるのだなこれが。5.つまらぬもの。これがもう濃厚で。パリの下水の溝でのた打ち回ってるかの如きスロー・ジャズ・ソング。はかないオルガンと臭〜いサックスが口臭がしそうな歌を煽る煽る。ちょっと聴き相当お洒落かもしれんこれ。メロ自体も名曲です。一転6.サンバの大使では題名通りお祭モード。精一杯明るくしとるが明るい訳がありゃしない。血を流しながら歌ってるんじゃないか。さっき撃たれたし。引っくり返ってB面。ニューヨークUSAってこれ腰砕けますわ。まんま。アフロ・ディスコ・ビートにのってニューヨークの街並み闊歩最中目に入った建物を次々言ってるだけ。何を言いたいのか考えると夜も眠れないのでやめよう。この盤、最近一時期クラブでがんがんかけられたらしいけどこれで踊る21世紀の東京の若者の図ってのも相当なもんだ。8.のコーヒー・カラーもサンバ・モード。喫茶店でかけたらよかろう。会話が止まってしまいそうだけど。サックス・ソロ来てます。フランスのジャズ狂ぶりって噂通り相当のものだと了解しました。9.もこってこてのアフロ・キューバン・ディスコ。ほんとです4つ打ちディスコなんですって。またもフラロマ化し当然これはデス・ディスコだけんど。10.のささいなこと。メランコリックなメロディに瞬殺されます。このタイトルでこれやられたら抵抗できません。11.はジェレミーの刺青って、やけに明るい。笑いながら凄むお兄いさんか。まさか彫ってるのは唐獅子牡丹。「ジェーン命」だったりして。ラストはいきなしライブでのモダン・ジャズ。これまたフラロマ最後のフリー・ジャズ思い出す。こっちはフリーじゃ無いけど。傷口の深さは同等。結局ロックな要素のサウンドはまるで無いのだけど、この徹底的な挑発、極めてロック的です。聴後感、またも言いようも無し。うーん、まいった。止めようが無くまた針を落としてしまうわ。

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3/9(水)
弾きまくり
cover
Live Cream, Vol. 2
Cream
1972/3

シリーズ「ギター屋」

白「エリックはん、かっこえー!!」
黒「そりゃまあなあ。ギターうまいし、顔はええし、歌も上手やし。でどこが好きなん?」
白「顔や。」
黒「顔かー。」
白「じゃ蹴りが強いとこ。」
黒「じゃってなんや。蹴って無いし。」
白「膝から先の足だけで連発で蹴って見えないくらいのとこ。スローハンドって言うんや。」
黒「足じゃないやんけー。それにしてもやっかましー音楽やなあ。何て言うんやこれ。」
白「ライブ・クリーム・ヴォリューム2.クリーム解散後4年を経て突然発表され当時は色々と揶揄されたものの結局はメタルシーンに絶大なる影響を与えた金字塔なのでありますキーポンロッキン。」
黒「いきなりイトーセイソクかー。」
白「いいえ弟子の丸顔ワダマコトです。ウナギイヌはいや。」
黒「失礼なやっちゃなあ。でどの曲が好きなん。」
白「ホワイト・ルームや。」
黒「ホワイト・ルーム。これやな。ええやんけ。他には。」
白「三社員・産湯なのら。」
黒「え?」
白「三社員・産湯なのら〜〜〜。」
黒「サンシャイン・オブ・ユア・ラブって書いてるやんけ。無理にわらかすなこら。」
白「すんまへん。」
黒「このリフいつ聴いてもええなあ。他には。」
白「ホワイトルーム。」
黒「何やまたか。」
白「だって他知らへんねん〜。」
黒「気持ち悪なー悶えるな。熱狂的ファンなんちゃうか。」
白「そうや〜。じゃバッジー。」
黒「バッジー。うんうんええなあ。って。入ってへんし。コラー。」
白「やはり13分半にわたって延々とソロ弾き倒すラストのステッピンアウトだ。終始臨界点。これだけやったらもういいやと後に歌志向になるのが充分に頷ける壮絶な演奏です。やっぱり1回はこうゆう時期を経なければいけないんでしょうなあ。そうは思わんかね君。」
黒「君って誰なんそれ。それにわかってるやんけ充分。」
白「ううん、今ここにあるレココレ読んだだけ。」
黒「コラー。」
白「やっぱおもろいなあレコスケ君とノリスケ君。」
黒「ノリスケ君って・・・・サザエさんかい。それにしても仲悪そうやなあこの演奏。」
白「はい。そこが魅力です。俺の方が目立ってやるつう気概が無くてはロック・トリオなんってやっていけません。そうは思わんかね諸君。」
黒「諸君って誰に向かって言うとんのや。キャラわからんし。それでどうなん。この盤のどこが一番好きなんや。」
白「顔です。」
黒「やっぱ顔かー。」
じゃんかじゃんかじゃんかじゃんか。

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日本盤

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3/10(木)
愛こそ明石
cover
The Best of England Dan & John Ford Coley
England Dan & John Ford Coley
1979

シリーズ「ヒット王」

イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー。って長いよ、のデュオ名のこのお二人。70年にテキサス州オースティンで結成して72年にA&Mからデビュー、以来6曲の全米ヒットを放つ人気ディオとなりました。とはいえ実際ブレークしたのは76年の1.秋風の恋から。さすがアメリカ、この音楽性でもポっと出ではなかなか成功させてくれません。イングランド・ダンって人は本名ダン・シールズさん。兄貴が先に成功しておりましたシールズ&クロフツのジム・シールズってことでGUクラスのヒットソング血脈だなや。兄貴ディオの方がアクが少々強く妙に男ぽいもののけっこうフィールドはかぶってる。こちらはよりゆうてみれば軟弱&ストイックにヒット王の道目指しております。当時我が国ではインスタント・コーヒー、ブレンディのCMソングに登場したりして、日本盤アナログの1曲目はそれなんすがそれなりに人気あったものの洋楽雑誌とかでは「毒にも薬にもならない」つうレッテル貼られたりして。リズムはソフト、歌詞は大方ベタベタなラブソング、優しい声でA,A,リフレイン、B、ひたすらリフレインつう70’sに完成したポップ・ソングの王道を貫いてます。やらかい印象と言っても毒にも薬にもならんつうのは無体な言いがかりやで。音楽つうものはつまらんものだとこりゃ柔らかかろうが硬かろうが毒になります。一線を超えたメロディ、クオリティのものは形に関わらず心の薬になるのだわい。この二人のこの盤のクオリティは確実に薬になります。この中のどれか1曲聴いて人生っていいなとどん底状況で自殺踏みとどまった人がおっても私は信じるぞ。この音楽はこの線で極めてやるとストイックに突き詰めている訳でそう簡単にちょちょいのちょいで出来るもんじゃありません。この楽の彼方には幾多の苦闘ありと想像せり。定型音楽つう点ではヘヴィメタと正反対なんだけどその意味じゃ同じ道を歩んでいるかと。お互い卑下しあったりするとこりゃ己にツバ吐く事になる。好みに合わんものの悪口を言ってる暇が有ったらいいもの聴いた方がよっぽど人生楽しく暮せる訳で、何より両方楽しめたらこんな幸福なことは無し。重要なことはそのストイックさ。いくらヒット路線とはいえここから先やっちゃうと下品道畜生道突入、その際際の徳俵のこっちとあっちでは大違い。70’sのヒット・バンドにはこのミュージシャン・シップつうかそうゆうのがまだありました。これがイギリス人だと性分つうか自分で抑えちゃうってとこあるように思われますけどアメリカ人だからけっこうやばい。油断すると野放し状態になっちゃう。後はさっき書いた音楽屋魂ってことになっちゃうのかな。いざ売れてしまった後でこれを保つのも至難の業です。しかも産業ロックなんて言われるくらいのもの登場して音楽は儲かる売れるさあ儲けろって感じになった70’s後半でありますから。その点でもこの二人は立派。けっして次の盤作る時に「さあどうゆう風に作ったら売れるかな」なんて会議は行って無いぞ。形では過激ロックであろうがポップであろうがこうゆう風な音楽、けっこう有りましてぷちぷち潰すべきはそんなカメラ目線音楽の方なのであります。バックはTOTOの面々とかが担当。二人は見事にそのおTOTO臭を自分臭に転換させてます。しかもお仕事ではけっしてやらせて無し。危ないとこだけんど(^0^)。目指すところの真骨頂は1.の秋風の恋かと。そして際立ってわかるのが逆にカバーしてヒットしたトッド・ラングレン長顔族王の愛こそ証です。これをこうやれば極上ポップスになるって証を。元々そうなのをさらに絞り込んでる。TOTOがトッドやるって面白さも。コブシとかもけっこう忠実に。油断すると兄譲り、アメリカンなマッチョさが顔を出したりするのも。ソフトな感触の裏に良い音楽は聴きこめば期待に答えて様々な楽しさ提供してくれ。とゆう訳でうちにあるのはビッグ・トゥリー・レーベル製のアナログ・ベストなんすがCDではライノ製のがあります。そっちはリマスター、あのビル・イングロット氏かー。CDでもこりゃインパクトありそう。聴いた方教えて下さいまし。
それにしてもこの二人もオリジナル・アルバムは大方CD化さえされてないとゆう悲惨の極みで。アメリカでもこうゆう音楽は消耗品扱いなのか。泣きたい状況、そろそろ変わらんものでしょうか。ポップスを大切にしない国は壊滅の道をたどるぞ。

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3/11(金)
スージーの物語
cover
SUZI QUATRO STORY
SUZI QUATRO
1975

シリーズ「glam!」

スージー・クアトロ。イギリスではグラムの女王、ドイツではスーパースター、アメリカではロックンロール・クイーン、オーストラリアではヘルスエンジェルスのアイドルだった傑女。これは彼女が最も輝いていた72年から74年までの4年間のシングルを順番に収録した理想のコンピ盤です。現在中古日本盤で何とか入手可能。買うならこれなのに〜。今のうちです。
1950年6月3日にアメリカはデトロイトで生まれた彼女。父はイタリア系のセミプロ・ミュージシャン。3人の姉、ナンシー、パッティ、アーレンと弟のマイクに囲まれて小さい時から音楽三昧。当然姉達とバンドを組むようになります。そんな中、彼女曰く「私の姉さん達ときたら、みんなヴォーグ誌のモデルみたい。アーレンなんて映画スターよ。それにひきかえ私ときたら姉妹の中でも一番背が小さいし、その背の足りない分いつしか大きな声を出すようになった。このままだと姉さん達とは離れていくばかり。だからそこで思ったの。私は絶対ひとりでやっていくほうがいい、とね」。71年そこへジェフ・ベックと共にRAKレーベルの親方ミッキー・モストがデトロイトにやってきた。第1期ベック・グループ崩壊後にモータウンへベーススト獲得にやってきたとゆう次第。そのモータウン・セッションは失敗に終わったものの、ぶらりと立ち寄ったクラブでシャウトするスージー嬢をたまたま見たモスト氏、うおー何じゃこのお嬢はとスカウト、ロンドンにつれて帰りました。どうやってデビューさせようかあれこれしてた時、さすがのスージー嬢もかなり寂しかったらしい。ミッキー親方がいたからどうにか過ごせたとゆうことでまさかあの詐欺師のれこだったの?失礼。で72年7月に1.「ローリング・ストーン」でデビュー。そのまんま旅に出た女の子が迷いながらも自立する歌。なのはええけれどちょっとカントリー調で曲自体ちと今一だったからか大コケ。やっちゃった。そこで仕切り直し、方針練り直してここに登場したのが幸運にもRAKにはおったわこの人材が。マイク・チャップマン=ニッキー・チンの黄金ソンライター・コンビ。デトロイト・ロックの荒っぽさを小柄な女性がロンドンで当時旬のグリッター・ビートでむさい男どもに囲まれてやるつうナイスなコンセプト。再デビューは73年の4月、2.の「キャン・ザ・キャン」で。ちと気弱な女の子がもてもて男にライバルを蹴落として挑戦するつうやれば出来るわ曲。曲も最高、サウンド最高で5月に見事全英ナンバー1に。続いての7月には4.の「48クラッシュ」が3位と引き続き好調。10月の自作歌詞の3.グリセリン・クイーンはちとコケ。原因不明。と見るや同月すかさずデイトナ・デモン、リリース。14位。後は翌年2月の悪魔とドライブで2回目の1位獲得。6月のトゥ・ビッグは14位。11月のワイルド・ワンは7位とここまでが黄金期です。ちょうどこの2年間は英国ではグラム・ポップの全盛期。その勢いにものせられたとは言え実際は先頭に立って引っ張っておったのだ。そして翌年2月出した9.の「ママのファンキー・ロックンロール」では自らグラムに引導を。何とデトロイト・ファンクに挑戦。チャップマン=チンの作でもえらく珍しい超絶ファンク。新時代にも適応、曲も演奏も最高、もう何の文句も無い曲なのに、最高位は31位。あまりにもグラム女王のイメージが強すぎたか。このコケはかなりキツかったと想像されます。続く4月のビット・オフも引き続きチニ・チャプによるファンク。これもかっこいいんだけどねえ。チャートではあきません。そして5月のマイケルでは自作でまたもイメチェン。ちょっとトラッド調で落ち着いた雰囲気の曲。まさかオリビアさん路線行こうと思った訳では無いでしょうがこれも駄目。空回り雰囲気が曲にも。最後の5月の「恋するヤングガール」では元の路線に戻って最高のグリッター・ロックンロールを。チャートの空気はもうすっかり変わっていたので無反応だったけどこれは大傑作です。売れようが売れまいが関係無しのグラムポップへの最後の最高のレクイエム。そして沈黙期間に入り復活は77年の3月「Tear Me Apart」。時はパンク出現爆発期。考えてみればそのまんまこの人はパンクだった訳で、余裕の女王ぶりでパンキー・ロックンロールを。最高位27位でみんなも歓迎。こうして復活したミュージシャンには英国の民は暖かいのだ。その後は1年に1回チャートに顔を出して時代に合った音で80年1月の「ママズ・ボーイ」まで。ブロンディみたいな音になったけど(^0^)。「私は女性にだってロックはこなせる。ただそれを証明させたかっただけ。私が天からそのような才能を授けられた女性のひとりであることを、いまとても誇りに思う。」精一杯やってくれました。それだけでなく最高の音楽を。願わくは今とても幸せな生活を送られてますことを。

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3/12(土)
摩天楼無宿
cover
Then & Now: The Best of Steely Dan Remastered
Steely Dan
1993

シリーズ「Steely Dan」

一通りダンの曲をどわーっと聴こうとすると我が家では実は車の中では20うん年前のNHK軽音楽をあなたにのカセットテープで聴いてます。まだ生きて現役。奇跡的です。当時はこれが出来た無謀な全キャリア一挙放送のものなんすがこれがまた音が良く。それは車専用なんで家の中では・・・画像貼ってあるにょみーんとお二人の姿ジャケのアナログを。いかんガウチョが入っておらんとなるとCDのこの「リマスタード」を聴くのだ。ダンさんさすがあまたベスト盤出てまして最新のものが常にリマスター話題で良いとなされてます。一番新しいのは2000年の「ショービズ・キッズ」かな。あれは2枚組なんで1枚ものとなると93年のこれとなるかと。ジャケが素敵です。遠目だと摩天楼ビル群に見える。寄って見るとこれが廃車直立。日本人のクボタとゆう方が撮ったようで。収録曲はあれが入ってないこれが入ってないつーのはどれでも言えることなんで基本的にシングル網羅ならまず満足。曲順は・・・これがまた意図不明のばんらばんら。年代順ならいざ知らず、中途半端にこまっしゃくれた順番よりは闇鍋状態で返っていいかも。って買ったからには良いほうにとことん解釈。元々曲がいいからどうやっても最高なんだー!。音質は元のアナログが滅茶苦茶いいすから、分離が良かったりすっきりとしたりのCD利点はあるもののどうもプラスティック感がのう。音薄く感じるってとこもありますが、元々曲がいいからのう。最初に聴いたりするには何も問題はありませぬ。ダンと言いますとバンドで頑張ってヴォーカルにデビッド・パーマー氏がおった1st。フェイゲン氏ヴォーカルでバンド・サウンド極めた3枚目「さわやか革命」まで。フェイゲン、ベッカー両氏の厳格な耳の下、アメリカ・ファンク・グルーヴ隊総結集で音を極めた6枚目「AJA」まで。そして祭の後の風情満載の俳句のような「ガウチョ」〜その後モードの現在と活動を分けられると思いますがこうして闇鍋で聴いてみるとこれがまた統一が取れてるぞ。結局終始フェイゲン=ベッカー音楽だったのかと納得。ビートルズが唯一手を出さなかったジャズ、しかもアメリカ・モダン・ジャズ、同時に基本的には相容れぬロックンロールを大好きだったフェイゲン氏。ビートニク、郊外から見る幻想の摩天楼。むくむくと成長、爆発してきたファンク・ミュージックの嵐。西のスタジオ・ミュージシャン猛者達、東の猛者達。アナログ・レコーディング機器の発展。全てを妥協無く見つめてきた稀有な音楽たちがここにはあります。所属レコード会社ABCはダンに全神経を使ったがため他のバンドはすっとこどっこいな扱いになってしもうたのかーとでも言いたいがごとくの仕事。この中で演奏しているスタジオ・ミュージシャン達はただ楽譜で要求された音をお仕事でさらーっとやるような人は一人もおりません。辛苦の上獲得した一芸を持って挑み、ある時は無情にも二人によってボツにされながらも隙あらば己の存在を技で示そうと目論んでる生身の人間達。そこにはサンプラーでちょちょいのとは決定的に違う無限のグルーヴが発生いたします。そんな中、殊勲・敢闘・技能の三賞はドラムのバーナード”プリティ”パーディ、ベースのチャック・レイニー両氏に進呈したい所存。パーディ・シャッフルの中のダンは嬉々として踊ってるように聴こえる。両氏とも健在であられように何故今の音楽シーンで活躍させないのか不思議でなりませぬ。稀有な才能、いなくなってから惜しむなかれ。機会を持てる才のある若きミュージシャン達、挑戦しないものか。そしてダンさん、もう一回組んでみませんか。
 もちろん現在も復活、良作を贈ってくれるスティーリー・ダン。しかしここに納められてる曲群は若さゆえの熱情、粘り、希望、欲望いっぱいのまた別の世界。世紀をまたいでも全く色あせぬ音楽であります。

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3/13(日)
鉄線電音合戦
cover
Jeff Beck
With the Jan Hammer Group Live
1977/3

シリーズ「ギター屋」

日本特別リリースのBBAライブを除けば唯一の公式ライブ盤がこのヤン・ハマー・グループに客演して行ったツアーの模様を収録した「ライブ・ワイヤー」です。自らバンド組みますとやばい状況が巻き起こる兄さんですんでこの形は理想だったのかも。結局最後はどかんとなってしもうたようですが。当時、私ワイアードにずっぽりはまっていたのでこの盤が出るとの噂聞いた時にはもう。そわそわして輸入盤屋さんに張り込み、予約すりゃあ良かったんだけど値段見ないと買えないしってんで発売された矢も盾もたまらず即ゲットだ。珍しく穴明きセールス盤じゃなく新譜だわい。よっぽど好きだったらしい(^0^)。けっこう緊急発売つうかイレギュラーぽい雰囲気があってジャケットも簡素、速報でお届け感で待つことが出来なかったのもあり。聴いてぶっとび、泣いて興奮の感触が今聴いても蘇ってくる。参考書自由自在買うんで金くれーって言って横浜西口ダイアモンド地下街通路際のあのお店の光景も。それにしても生々しい音だなあ。これぞライブてなもん。やんちゃで夜鳴き疳の虫のギターがここぞとばかり鳴いてます。いやー憧れちゃう。こんなにギター弾けたら幸せだろうなって。ドクター・ジョンのガンボ聴いた時もこんなピアノ生まれ変わったら弾けるようになりたいなと思うたもんですが。17の時点で生まれ変わったらってもうギター上手にならんと投げてるわ(^0^)。情けな。ライブ・ワイヤーとはよくつけたものでこの人のギターはまっこと弦って感じがします。はじいて響いて音程ぐにゅーっと自由自在。は、だから参考書自由自在か。嘘はついとらんな。バックのマダム・やんグループも恐ろしいこってよくこない楽器弾けるもんだ。ただ一芸で持って音楽渡世を渡り歩くゆう超個性は親方のヤンさん以外は無く、よって激突はヤンvsベック一本勝負のみ。バンドはタッグ戦でアンドレ・ザ・ジャイアントの後ろで巧妙に盛り上げるレネ・グレイがごとく。ハイライトはスキャッターブレインでのあの早足金毘羅階段駆け上りフレーズwithヴァイオリン場面と突如飛び出すラストのトレン・ケプタ・ローリン。おいちゃんもう大人ですからギター壊しません。客演なのに申し訳ないけど、野太い飯場コーラスヴォーカルもヤン氏のぶにょーシンセ・ファンファーレも全てがベック兄さんのギターに光りをあてるため。ドキュメント・ライブ・ワイアー、そりゃもうエクセレント、ベストかっこいいライブ・ロック・アルバムでございます。
それにしてももっとライブのベック兄さんの音が聴きたい。BBCのやつとかいくつか聴きましたけどそりゃも凄いんで。もっともっと。75年のワールド・ロック・フェスティバルの音は残ってないのか。ブートは出来れば避けたい。でも目の前に出たら買っちゃうなあ。バーナード・パーディ氏ドラムだったんでしょ。想像しただけで悶絶してしまいます。見に行った人羨ましかー。気が狂ってしまいますんで私の前で話をしないで下さい。

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輸入盤

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グッヅ

3/14(月)
サウンド・オブ・サウス
cover
The Allman Brothers Band
The Allman Brothers Band
1969

シリーズ「南部鉄道」

サウンド・オブ・サウス、南部鉄道の駅長さんオールマンズの1stです。69年古いなあ。未完成なんじゃないのー。いんやそんなことありません。ここにいるのは紛れも無くオールマンズ。最初から臭いぷんぷん。ジャケの顔付き、髭、色合い、服装そのものの音がてんこ盛り溝から溢れんばかりに詰まっております。
兄デュアン1946年、弟グレッグ47年生まれの兄弟の生誕の地はテネシー州ナッシュビル郊外。兄12歳の時フロリダに引越しその頃弟がギターを弾き始めます。すぐに兄も夢中になってバンド活動開始。ラジオから流れてくるロックンロールを演奏しレコード・デビューは66年、オールマン・ジョイズとゆうバンドで。ウイリー・ディクソン氏のスプーンフル。クリームとほぼ同時。レコード会社にあっけなく捨てられて早くも挫折。次のバンドはアワ・グラス。大都会ロスに向かって一旗上げようと思ったものの珍しや南部出身の流行ビートバンドってことでレコード会社の意のまま派手な服装でそないな曲を演奏。嫌気がさしてフロリダに帰っちゃった。そんな時マッスルショールズ・スタジオの大番頭リック・ホール氏からデュアン君にこっち来てウイルソン・ピケットのレコーディングでギター弾かないかとの打診あり。行きます行きますと彼の地に向かいこれやりましょうとビートルズのヘイ・ジュード録音。これがけっこうヒットした。その曲を聴いたのがスタックス・アトランティクのソウル・ミュージシャンを一手にマネージメントしてたフィル・ウォルデン氏。67年暮れのオーティス・レディング師の死で意気消沈してたフィルさん、一挙にやる気が出てデュアン君にバンド結成を薦めたと。さっそくフロリダにトンボ帰りメンバー招集、メイコンでみっちり練習重ねている間、フィルさん、アトランティック副社長ジェリー・ウェクスラー氏の協力取り付けてメイコンにキャプリコーン・レーベル設立。バンドはニューヨークでレコーディングして69年にいよいよ発売とここにオールマン・ブラザースとサザン・ロックの果てしなき旅が始まったのだ。べんべん。
まずは1曲目「もうあんたなんか欲しくねえ」聴いておくんな。これが帝都NY録音かよてな異国の雰囲気ぷんぷん。もろブルースともちと違うジャズとも違うカントリーとも。湿度高め、しかし午後8時半の冷やっとした温度の音楽が流れきます。曲がどうの演奏がどうのと言う前にこの全く独自の感覚。それだけでこの盤の光りは眩しくて目を開けていられぬ。大地と洗練の魅力にとりつかれて最後名曲ウイッピング・ポストまで突っ走ること必定。しかもこのグルーヴ麻薬性大。何杯もおかわりしたくなっていつのまにかまた盤をターンテーブルに載せることに。ようやく思いの丈解き放つことが出来た南部鳥の思い充満はこの盤ならではであります。しかしながら真に新しいものはいつでもそう簡単に受け入れられるものでなく。ラジオはちいともかけてくれず。客の受けも悪し。だけどフィルモアイーストのビル・グレアム氏の賛辞が。今度ばっかは後には引けぬ。バンドは一路鬼の全米ツアーに。街とゆう街を一つ一つ塗りつぶすように。果たして若きオールマンズの運命は如何に。
次回「もう一つ世界が広がった」に続く。

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日本盤

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グッヅ

3/15(火)
悪魔の招待状
cover
For Those About to Rock We Salute You
AC/DC
1981/11

シリーズ「直球野郎一本勝負」

新体制AC/DC。そのスタートを前作「バック・イン・ブラック」で放って、いきなし頂点絶好調。背中にシートがめり込むほどのスピードで発進だ。ギアは既に5速さらにアクセルを踏み込むべく投入はこの81年11月の悪魔の招待状。プロデューサーももちろん同じくロバート・ジョン・”マット”・ラング。名前だけで凄そうな人(^0^)。はい、全く何も申すことはありません。無敵です、この時期のAC/DC。ケツから搾り出すブライアンおじさんの怪鳥塩辛声、堂々たる子供アンガスちゃんの体ギター、律儀なリズム兄マルコム・ぺぺぺカッティング、余計なこたぁ一切しないリズム。腰で聴いとくれ。曲だってキラー、重さ580tのタイトル曲を筆頭にサビのキャッチーさ、リフのツボど真ん中なデカブツばかり。ありとあらゆる手でロックとはこれだーよの音爆弾脳髄に叩き込まれます。ただただ聴くのみ浴びるのみ。あとまーやることと言ったらエア・ギターくらいかな。この盤聴いてやるのかエア・ギターかエア・ドラムかであなたの楽器適正がわかります。まさかエア・ベースの人はおるまいな。相当だ君は。エア・ヴォーカルは有りだけど顔が似ちゃうよ。どうしましょ。しっかしどうやったらこない声でづっと歌い続けられるのか。企業秘密かな。こればっかは親に感謝しなさいジョンソンさん。俺もこんな声出せたら人生変わってるぞ。混じりっ気無し理屈抜きロックを聴きたかったらAC/DC。特にバック・イン・ブラックとライブ、そしてこの悪魔の招待状行っちゃいましょう。返品許すまじ。背中のランドセル棘付き地蔵。ぼーん。

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グッヅ