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今日の推薦盤一覧2005.1下

 

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1/16(日)
チャカポコ
cover
Deep Purple
Deep Purple
1969

シリーズ「直球野郎一本勝負」

ディープ・パープル3作目、これで第1期の終焉になっちまうよ発売した時にはロッド兄貴とシンパーちゃんはクビになってたよ心配しちゃうよアルバムです。一枚目二枚目と同じ製作陣陣容。引っ張るのがジョン・ロード氏であるのも同じ。えー終わっちゃうのー惜しいよと2期が待ち遠しいと思っていながら思ってしまうわくわ。だって好きです第1期。結局はハッシュだったのかーハッシュ好きだ。何が不満だノリノリじゃん。この路線極めた感は確かにござるが。3作中、曲の粒が一番揃ってる気がいたします。1.チェイシング・シャドウズ。いきなしのチャカポコ、コンカンコンの嵐で大歓迎。同時期アメリカのクレイビー・アップルトンが大好きですからこんなんたまりません。一緒にカウベル持って参加したい。ロッド兄貴の歌声は既にふてくされの境地に達しシンパー君のベースはオルタネイト・リフ、アフロ・ロックだあな。ヘッズ真っ青。村田英雄がタテヨコ3mの顔で登場しそうなのが2.のブラインド。クラヴィつうかハプシコード音がドラキュラ感増してからに。やっぱハマー・プロ音楽でして。ビートはリアル’69.後にも先にもこの時期だけのもの。大切にしようグループサウンズ。3.のラレーニャは「猪野さん」って猪野さん呼んでますよで始まるスロー。「秋田」って猪野さん秋田の人のようです。無理やりいやあチャイル・イン・タイムの原型みたいだけどこうゆうのが一番リッチーはんには耐えられなかったと想像いたします。オルガンかっこええぞ。ポパーパーポパパー。って。音色共々ファンキイや。イカしたオルガンロック筆頭としても横綱でござる1期パーポーは。4.フォールト・ライン。ついにリッチーさんの怒り爆発。貴重な頭髪が抜けてしまうではないかのやけくそフレーズかましてしもうたではないかい。5.画家。ハッシュ・ビートです。このビートはヒップホップかもしれん。イアン氏は体に一旦染み付いたこのリズムを抜くの大変だったろうな。リッチーさんここでも弾きまくり。ロード氏はやっぱパーポー。この人はずっとパーポーだけど。でぃーぷぱーぽー。画家は絵を描いて歌手は歌を歌うって〆る。そりゃそうだ。6.何故ローズマリーは。レイジー調のこれまたお得意シャッフル。ウピャーピャーうぴゃーぴゃあのキメが素敵。そこだけ参加するのも可。しばらく埃かぶってる自宅のエレクトーン前で待機すること。ギターソロも割りと遅弾きなので3ヶ月くらい精進すれば参加出来るかもしれない。7.小鳥は去った。これがシングルですか。最高です。メロディが。刑事ものの雰囲気濃厚。このまま今出しても新しい元気のいいバンドがデビューしたのかって納得してしまうかもしれません。センセーション。最後は8.4月の協奏曲。ロードさん既に頭の中はオーケストラオーケストラしておったのかな。プログレちゅあプログレだけんどやっぱ夏の怪談シリーズ。そうゆうところが好きです。演奏フィルムがあったら見たい。さぞ真面目な顔をしてるんだろな。失礼。さあボートラだ。まずは小鳥が去ったのシングル・ヴァージョン。凶悪さ増して魅力20%増し。次はエマレッタ2発。これもシングルですか。びっくりのファンクです。リッチーさんが空ピックしてるよ。後ろのBBCの方はチャカポコ強調版。オルガン好きはこっち。そしてラレーニャ。これドノヴァンの曲なんだよな。「猪野さん」「秋田」って言ってねえや。最後は「画家」ラジオ版。アップテンポでチャポコっす。ですからチャカポコですってば全般。それが嫌いな人は全くあきません。逆にチャカポコ・マニアの人にはたまらん名盤です。25%くらいはおるかの。逆鉾。

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日本盤

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グッヅ

1/17(月)
ダンディ2華麗な冒険
cover
Themeology: The Best of John Barry
John Barry
1997

シリーズ「MOVIES」

はい今日はイギリスの映画音楽作家、ジョン・バリーさんです。バリーさんのベスト盤を一緒に見ましょうね。カメラさんアップして下さい。はい、いい男ですね。これがバリーさん。007の音楽を作った人なんです。ここの管理人さんは貧乏だから中古のアナログを買ったんですね。「パースエーダーズ」のタイトルとなってます。お金がある方は是非こちらのCDを買いましょう。元々この方ジョン・バリー・セヴンとゆうウルトラセヴンぢゃありませんねバリセヴンですねコンボを率いてシャドウズ・スタイルのインストロックをやってました。60年から62年にかけて英国でヒットさせてます。CDには18から20まで入ってますね。はいお得です。急がば廻るやってますね。聴いてみますとどうでしょうちょっと変わってますね。エキゾチックな香りがします。それでどうゆう縁ですかねえ007ドクター・ノーの音楽を依頼されまして運命が大きく変わります。大きく映画が成功してそれ以来どんどん映画のお仕事ばっかり。007シリーズは申すまでも無く「真夜中のカーボーイ」「ダンディ2華麗な冒険」「国際諜報局」「ナック」「さらばベルリンの灯」「野生のエルザ」「愛と哀しみの果て」「ダンス・ウィズ・ウルブス」などなど皆さんご存知ですね全部入ってますさよならさよならさよなら。と淀長さんのマネをする小松政男のマネは辛いので退場していただいて、はいこ、こ、こ小森のオバケちゃまよー。ってマネできんわ。007のテーマ、流れてくるだけでワクワクします。元々インストロックの人ですから掴みのある印象的メロディ書くのは大得意であります。それにパラパラっと謎の異国情緒雰囲気を。どうしてこんな雰囲気のメロ、作れたのでしょう。英国生まれなのに。その秘密は・・・って知らないんですねえ困った困った。それでもって「ダンディ2華麗なる冒険」。「喧嘩にゃ強いが女に弱い、プレーボーイのダンディ2」。広川太一郎さんのナイスな吹き替えのスラム出の成り上がり金持トニー・カーティスとささきいさおさんのキザな吹き替えの英国貴族ダンナ、ロジャー・ムーアの冒険物語。見た方おりますでしょうか。お金持ちなのになぜか質素感満点の英国風景が満載なのですとかなんか言っちゃたりして。おばかさん。たびたび再放送されてますので機会がありましたら是非ご覧を。楽しいんだこれが。たぶんバリさん、フィルム見ないで作りました。アクションものだって聴いて。おかげでこないなエキゾなものに。それで返ってイメージが広がって大成功です。このテーマ有り無しでだいぶ違う。それに007ですね。中でも最高なのがゴールドフィンガーとロシアより愛をこめて。映画の出来も凄かったです。シーンの一つ一つが絵みたいでした。キザでエロでアクションでかつ粋で上品で謎で楽しくファーンタスティック。これぞ映画です。それに合う音楽はってんで最高にグラマラスなの作りました。これぞ60’sのでんでけでーんのエレキ・フューチャーのジェイムス・ボンドのテーマも。知らない映画の曲があっても心配ありません。掴みは既に知ってるやつでばっちり。これさえあれば映画館の本編開幕前、幕の下りてる時にどんなんかなあと思いながら直径1mのおせんべいを食べている空気が自宅で味わえます。じりりりーん。あ、開幕のベルだ。始まるのは「シベリア超特急」じゃ困るわ。「女王陛下の007」。ジョージ・レーゼンビーもまたよし。

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1/18(火)
愛の残り火
cover
Dare!
The Human League
1981

シリーズ「新波倶楽部」

誰!って覚えてらっしゃいますでしょうかヒューマン・リーグ。エレクトリック・アバと賞され?10.の「愛の残り火」で世界的ヒットを飛ばしたバンドであります。まーこのアルバムを最初に聴いた時はたまげたもんで、元々赤の広場東欧風エレクトリックをやってた連中でしてキャバレー・ボルテールとかのライバルだと思ってたからこれはアングラだあな。それが二人メンバーが抜けての3枚目、大イメチェンです。何が起こったのか音楽の神様がビタっと降りて来ての全10曲奇跡のような名曲だらけ。サウンドはそのアングラ時代も冴えてました。絶望とわかっていながら進む果てしなき電気蟻の一向てなもんで暗さが心地よい切れの世界。でもなあメロディで来たことは一部を除いて無かったなあ。それがどうです。およそ少しでも才能を持ったミュージシャンたつもの一生に何回かは自分でもわからぬうちに曲ががんがん出来ちゃう時期があるもの。それがこの時だったんだろと。きっかけは新しい楽器とか人と出会うとか手に合う録音機材入手とか何とも言えぬ時代の空気後押しとかだけどこの場合は多分全部だわ。この時期アナログ・シンセも急激に進歩してシーケンサーが丁度大活躍しだした頃。ヒューマン・リーグつうとニュウエイブ界でも名高きライブ下手っぴバンドでして基本的には楽器は出来なかった連中かと。また練習する気も全く無し。ただ頭にはアイデアてんこ盛り。な人間が音楽実現出来ちゃうのが自動演奏(シーケンサー)てなもんで素敵なオモチャ貰った子供じゃないけどもうきゃっきゃ言っちゃっていぢってたんじゃないでしょうか。わしもそうだったから気持ちよーくわかる。そして81年とゆう特殊な年だな。ピストルズがパンドラの箱引っくり返してから5年ほど経ったこの時期、手探りで何か今まで無かったことをやってやろうと始めたことが続々成熟実を結んで名盤が数々生まれた年であります。ヒューマン・リーグのこの音はどっから来たのか。ウルトラヴォックス!(元祖)が始めたグラマラスなエレクトリック・ポップの子供であることは間違い無し。それをゲイリー・ニューマンがぬめっと継承して成功、ヴィサージュがカラッと継承して成功、そしてこの連中がぬめっとカラッと継承してそれこそアバの道も覚悟のポップ開き直りと子供の頃からラジオでがんがんかかってたモータウンのメロディに寄り添うファンクとがガチっと噛みあってこないなりました。またこれが本人達も想像してなかったであろうレベルまで行っちゃったもんだからそりゃあ大ヒットするわな。エレポップなんか嫌いだけどこれだけは好きってなことが起こる盤です。化粧をしてもどっか失敗してる感の容貌も良し。退廃ヴォーカルにしようとして呑気になっちゃった歌声もよし。英国伝統素人女性コーラス隊も最高。絞り込んだ音数の人肌シンセの音色もワンダホー。てなもんでエヴァーグリーン。レベルを超えてますので古くなりません。作る前フィル・オーキイ君の頭の中で一瞬にして完成した盤が見えておった模様。いささかの迷いも無くこの大きい盤は出来ました。

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日本盤

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1/19(水)
ロックン・ソウル
cover
Bigger Than the Both of Us
Hall & Oates
1976

シリーズ「ヒット王」

ホール&オーツの通称リッツ・アルバム(ほんとか)。RCAでの2作目にあたる作品です。なんつっても一番突然聴きたくなる。出来つう面で言えばアバンダンド・ランチョネットとXスタティックかと思いますけどこれにはあれとあれが入ってるもんね。前作でついにブレークいたしました。「微笑んでよサラ」で。ホワイティがやるソウルってのを聴きたいようって世間の空気が整った。おーいえやったるどの雰囲気の中で作られたに違いありません。メンバー、キャストは当然前作とほぼ同じです。そして出来たこの盤、来ました来ましたこれがリアル・ホール&オーツです。幕開けは樋口さん大活躍のオーツ氏の曲、バック・トゥゲザー・アゲイン。うおたまらんこのコンパクト感。音楽はでかくて立派じゃなけりゃいけないなんてこたあけっしてありません。手のひらに感じるものだってそれと同じくらい大切なのだ。トム・スコット氏のサックス鳴るわ、オーツさんの歌、コクだわ、一歩引いたホール君、焦ってきばるわ、バランス最高。シングルカーット!。そしてこれだリッチ・ガール。初のナンバー1獲得曲っす。フィリーな若いホワイト二人っつうイメージどんぴしゃな曲でダリル君まだ目が澄んでます。若いっていいねえ。絡む濃厚なオーツさんのコーラス共々やっぱホール&オーツとくりゃあこの曲かと。これをポコペンと真っ直ぐ歌えなくなっていささかいささか先生になってしまいました。3.はのけぞるオーツ氏の曲、クレージー・アイズ。あまりの歌の良さに絶句もん。スリリングなバックと二人の歌の絡み。オーツ氏主導の曲の方がバランス良いぞどうしたって。シングル・カットしたって何の不思議も無しです。交互ってことで4.はダリルさんショーのどぅ・ホワッチュ・ウォナー。危険な曲&最高な曲。当時、ポップス・イン・ピクチャーだったかなこの曲のライブ映像見まして・・・やられました。一言すげえなって。確かにこりゃソウルだ。だけどブラックにはけっしてできんような気がいたします。やたらホットなボーカルとクールなバック。ギターソロ。これも今ではぽこぺんと歌えなくなってしもうていささか。これ以上こねるとやばい。とゆう意味で危険。曲は同じでもこの時のヴァージョンは唯一無比かと。シングル・カットそして最高位39位。美しい39位です。5.のケリーもダリル氏の曲。これも最高。曲の魅力半端で無し。ここまでがアナログで言うとA面でござる。全部名作。とんでも無いぞまったく。引っくり返しての6.ロンドン幸運と愛。ちょっと落ち着いてサラさん加わっての3人作。まだ好調続くがちと空気が変わってきた模様。で決定的なのが7.ルーム・トゥ・ブリーズ。サラさんダリル君作。完全ロックが初登場。完全な成功を手にして音楽もピークに。その瞬間、それでいることに耐えられなくなった模様です。若いし。ホワイト・ソウルのレッテルが狭くてたまらんものに見えてきた。はみだすのはわかるし良いのだけどはみだしたらオーツさん弾き飛ばされちゃったよ。それでいいのか?8.はオーツさん主導の二人作。沈うつです。飛び出したい気持ちはわかるけど自分の居場所が。迷ってることが明らかにわかる曲で。9.最後はダリル・ショー。弾き飛ばされてますジョン君。自信と同時にナル入っちゃってやばいぞ。本人はいたって満足そうなんじゃが。とこれだけ振幅がある一枚は珍しいかと思います。ミュージシャンの絶頂と次への試行錯誤が同時に入ってる。で結局A面だけを繰り返し聴いちゃうことになるんですが。それがあまりにも凄く。パカっと壊れてくそこもまた魅力的で。ちいとも完全無欠じゃ無いとこが最高の名盤かと思い。・・・・・なんですが、この盤に関してはわたしゃLP、CD共々日本盤しか遭遇しておりません。だもんでずーっとこの曲順だと思ってた。しかし現在の米CDは曲順違う。どうなっておるのか。昔もそうだったのか。うーむ。でも断言。慣れ親しんでるってのを抜きにしても日本盤の曲順がふさわしいと思います。不完全度は増すがその理由も自然にわかってくるし。どうでしょうか。

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日本盤(限定)

日本盤

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1/20(木)
開眼
cover
Fly Like an Eagle
Steve Miller Band
1976

シリーズ「ヒット王」

70年代の10年は求道の10年でありました。60’s後半70’s始めから活動してたバンド、ミュージシャンが武道の流派のように各々自分の道を探求し後半に一同に華開いた。そしてそれがそのまま世の中に歓迎されてのビッグ・セールス。一介のブームかのように見え実はその中身は濃し。少々のことではビクともしないタフさを備えています。このスティーブ・ミラーもその一人。最初ははっきり申してだっさだっさだったかも。ブルースを機転として混沌とした音又音の音楽でした。その独自の味わいは最初から不変。それを最大限に生かす音は何か。少しづつ少しづつアルバムを追うごとに見えてきてそれが目の前にはっきり見えてきたのが73年の「ジョーカー」。そこでミラー氏いささかも慌てずツアーの旅をしながらの3年間、じっくりそれをデクの木のムクロから彫り出して行きました。そして出ましたその観音像が。それがこの「鷲の爪」です。ここにはどこにも足せないどこにも引けないえらい音楽が充満。ミラー流開眼のこの一枚是非じっくり聴いてみて下さい。冒頭のスペース・イントロは旧友のベン・シドラン氏との共作。作曲を手伝ったとゆうかシンセの可能性を示唆されたのか。その音色を眼前にして一挙に奥義の端緒を掴んだのかもしれませぬわくわ。その余韻残したまま2.のタイトル・チューン。乾いたギター・リフにドラムがフィル・イン、キュワんとオルガン切れ込み、お得意ため息コーラス、シンセぴゅわぴゅわぴゅわ。ここまでであまりのかっこよさにこっちがため息じゃわ。スティーブ・ミラーです。何が変わったか。リズムにタメと粘りが加わった。これはファンク。人間だから出来る揺らぎの世界を体現するビート、ファンクを吸収しての奥義獲得。見事なり他流の攻撃を受けての必殺技返し。3.さあ準備は出来た慌てること無しと続くは野山の蜜。これからの桃源郷に向けてこれで準備をして下さい。4.セレナード。エルパソの外れ3kmのかなたから掻き鳴らすスパニッシュ・エレキに乗っての双子のミラー兄弟、一糸も乱れぬコブシ二重奏でこちらに迫ってきます。下にー下にー。このドラム、只者では無し。ジェイムス・コットンの100%コットンでも叩いておったのかー。5.ダンス・ダンス・ダンス。ドブロは朋友レス・デューディック。ウエスタン。しかし粘りが加わっております。ビートは決して流れず。6.マーキュリー・ブルース。奥義を会得したからにはここでやっておかねばなるまい。ブルース。古くからのレパートリーのこの曲で何を掴んだかを凝視してくださり。7.Take the Money and Run。最初のシングル・カットでの凱旋ナンバー。昇天物のドラムでフィルイン。世界中で9万8356曲はあるであろう3コードの大名曲です。レーナード・スキナードのスイート・ホーム・アラバマにヒントを得たか。それにしてもこのクール!キメ!。ところどころ過剰に掻き鳴らすリズム・ギタア。これ弾いてる時は確実に脳内快楽物質がぷちゅぷちゅ出てます。8.容赦なし続くはロックン・ミー。またしても3コードマジック。フリーのオールライトナウに真っ向から挑むイントロ。世界一簡単だけど誰もがヴェリナイスに演奏出来ぬステディ8ビート。これを笑うものはロックの美しさ全てを笑うことになろう。いきなり取り付かれて連打するドラムのケンちゃん、君は天才だ。9.ユー・センド・ミー。お馴染みサム・クック大王の名曲カバー。ミラー氏キラーのコブシご披露のためやりました。双子二重奏でこれは凄いよ。こねるこねる。もっともっと。10.終章は1.を受けてのシンセ・オデッセイ。静かに熱をクールダウンしましょう。とゆうことでここまでがアルバムの終わり。鷲の爪奥義開眼記つうトータル・アルバムの。この後のはオリジナルにも入ってるボートラとなります。ここまで来たからには俺は次は何を見れば良いのかの2曲。とゆうことで聴いて下さい。

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1/21(金)
踊り子反転
cover
A Passion Play
Jethro Tull
1973/7

シリーズ「ぷろぐれ支部」

いやージャケを張りたかっただけです。なんちゃって(^0^)。ジェスロ・タル73年の巨大シングル、パッション・プレイ。両面1曲だから半シングルか。生まれてからこのかた好きなようにやりたい放題やってそれがまたウケにウケちゃったもんだから調子に乗って2枚目の巨大シングルを作ってしまいました男イアン・アンダーソン。プレスの皆様にはやれ難解だとこってんこってんに叩かれたもののアメリカのアルバム・チャートでは最高位1位。1位でっせこれが。わからん国だアメリカは。ちなみに本国英国では最高位13位。アメリカ人、いかにも英国ってのは嫌いなはずがタルさんだけは別。これは英国を見ないでタルを見てるのだなきっと。それだけ一旦この比類の無い味わいに引きずり込まれると抜け出せません。「難解」とか言いなはるけどあんたタルに何を求めてるのってなもんだ。このてんてこ舞いな関節15箇所外した踊り子静かに2時間かけて反転サウンドが無ければ彼らではあーりません。そしてこのパシオン・プレイはその究極。熱に浮かされたように音楽を作り続けて気がついたらこうですから。こりゃもうしゃあないわ。おっかなかったら近づかんことでっせ。火傷します。現在輸入盤しか入手出来ません。歌詞の内容がわからんど。しかーし心配御無用。どうせ読んだってわからん。これは音楽、歌ですからところどころ飛んで来て自然に入ってくる言葉から世界が広がります。しかもこれだけ音がこれだけですからいいじゃないっすかもう。もうって言われてもねえ(^0^)。それにしてもえらい情熱。考えられないほどのモチベーションだわ。よく演奏覚えられるものだ。若い頃はこのような長尺ものは全然私あきませんでした。コンパクト&ポップ&キャッチーが好みの基本なんで。それがまー歳取ったんでしょうか。最近は全然平気。もっともっとてか。これじゃ時間も速く過ぎて歳もとるわなあ。まあタルさんだからこう思うんですけど。まんまと術中にはまってます。はまった人間にはとてつもなく素敵な名盤。最初に買ってしもうた人は・・・。あなたの不幸を。ご愁傷様です。せっかく買ったのだから100回は聴きましょう。後はもう無敵だ。音楽の筋肉付けてパンプアップしよう。

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1/22(土)
待望盤
cover
Here at Last...Bee Gees...Live
The Bee Gees
1977/5

シリーズ「ヒット王」

ついに再発、しかも日本でだけ、ビー・ジーズのライブです。ビージーズちゅやあサタデイ・ナイト・フィーヴァー=デスコ=トラボルタ右手上げ=流行=恥ずかしいの図式かマサチューセッツ=小さな恋のメロディ=昔=懐かしの図式で両者ともド有名な割にもういいや知ってるとなってしまう危険な展開。案の定ベスト盤大大会になってしもうておりましたの昨今、ロビンさんが亡くなるとゆうニュースからでしょうか良かったよなビージーズの機運が高まっての再発か、寂しいことだけど出ないより出た方が良いに決まってます。特にこのライブは1回CD化されたものの後は無しのつぶて。長いこと廃盤だっただけに鶯谷ビージーズ世界普及協会の面々にとっては全く持って朗報でござる。オリジナル盤は77年の5月に発売されました。ちょうどサタダイナイトフィバー前夜。ファンキイに変身後の人気が頂点に立とうとしていた時です。録音場所はLAの”ザ・フォーラム”、76年12月20日のコンサート。最後に「メリー・クリスマス!」の声もある。収録曲は日本盤タイトル「グレーテスト・ライブ」の名の通りビージーズの名曲が次から次へとてんこ盛りじゃ。無いのは「ナイト・フィーバー」「ステイン・アライブ」「愛はきらめきの中に」だけどそりゃまだ作って無いのでしょうがないっすよ。見てつかあさいしかも全部自作です。オール・ビージーズ印ながらいかにも二番煎じってのが1曲も無いってのも凄い。どえらいバンドだよやっぱ。後はもうどれがお好きかお好みかの世界です。どうか存分にお楽しみを。私の世代はファンキイ後ですからどうしてもそれ以降のがハイライトになっちゃう。けど幼少のみぎり脳裏に焼き付けられた「獄中の手紙」「ワーズ」とかは来ます来ます。LPでは2面に当たるエレクトリック・アンプラグド・メドレーはもう圧巻。「今日もほーりでー、明日もほりでー」「ラーン・トゥミ」。ずっとバカラック氏作だと思うてた「傷心の日々」、素敵なメロディだなー。あ、「トゥ・ラブ・サムバディ」がカットされてる何故だろう。1面のハイライトは変身後の名バラード「ラブ・ソー・ライト」、ぱあっと宇宙に解放される「宇宙の片隅」。ライブであろうと鉄壁のコーラスは変わらん。3面はファンク2連発「ユ・シュ・ビーダーンシン・イエー、ちゃかちゃ(ここでエア・ギター・カッティングすること)」そして最もオイニイのきついブレーク後とは言えちいともヒットしなかったブ−ギ・チャイド。正にセクシイセクシイ。最終面はスリリングこの上ない「ブロードウエイの夜」、この時点で最大ヒットの「ジャイブ・トーキン」で大盛り上がり。ドライブ中のエンジン音をヒントにこのリズム・ギターリフ編み出したのだと。ブラック界にも存在しない稀有なカッティングでは無いかと。バンドは長いこと労苦を共にして来たビージーズ・バンドの面々。英国ファンクの下支え猛者どもだ。モーリス氏がメインでベースを弾いてる。これがまたチョッパー無しでファンクをやらせたらJPジョーンズ氏かビル・ワイマン氏かモーリス氏かってなぐらいド・ファンキイ。さすがのキャリアそして音楽センス。ベタな4つ踏みデスコは少数。これがアメリカのホワイト、そして英国の70’sファンクの真髄です。いつ廃盤になるかわからぬ。逃す無かれや。

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1/23(日)
バルハラ
cover
Led Zeppelin III
Led Zeppelin
1970/10/5


シリーズ「蔵人児」

「V」です。デビューして以来同じ年にアルバム2枚、ずっとツアーだってんだからそりゃワーカホリック、いくらモチベ最高とは言えちょっと息を入れました。メンバー全員家族連れでウエールズの田舎でゆったりと。腰を据えて曲を作り5月からハンプシャー州、ヘッドグレインジで録音開始。ジャケットも凝った回転仕様、アメリカでは予約だけで70万枚、英国でも2週間でトップと待ちに待ったファンの妄想膨らむだけ膨らんで、さて聴いてみたら喝采半分落胆半分、人気の分だけ非難の声大きく広がって何じゃこりゃが大勢を占めたと申します。また物議かもしちゃったよ。しかし実はこのアルバム大好きって人を私は大勢知っております。うちら夫婦もそうだしゼップに興味が無くてもこれだけは好きって人も。落ち着いて24年、これだけの盤、悪いなんて言うたら罰が当たるつう声がどでかくなってもそれは不思議はありませぬ。まずは当人たちもハードロックの寵児として喝采を浴びていたのはもちろん知っておったろうにそれゆえかのアコ・ナンバー多数収録。田舎の休暇でのんびりが自然とこのような曲多くなったか、ハードな曲にちと食傷してたか、せっかく出来るのにここで懐の深いところやっておかないと只のハードロック・バンドで終わってしまうと考えたか、あるいは単にやりたかったかわかりません。全部か。やりたいようにやってよかったよなあ。人間結局やりたいようにしか出来ないし。まずは物凄い演奏です。チームワークが完全に。三作中一番の合体サウンドが飛んで来てもはや一人一人がどうのなんて言ってられずゼップ塊でござる。それを否応無く叩き付ける移民の歌で幕開け。オハコ勇猛果敢戦士ソングの開始。これ聴いてブルーザー・ブロディの額の縦傷思い浮かべる人ももう少なくなったか。私は猪木との激突でこのオリジナル版が流れた時の衝撃を忘れません。とんでもないリフでございます。グレコ・ギターを買って成毛滋のギター講座でまずこれを弾いた人も多かろう。多かろうが凡人ではここからこうは行きません。はい。ゴング開始後いきなり卍固めの後はじっくりとアームロックのフレンズ。アコギのこのリフもとんでもない。よいとまけかー。これをやってこないかっこよく出来るつうのもまったく。ぎょわーんと終わって次のセレブレーション・デイのイントロに突入する時の快感って言ったら。言語道断雨あられ。肝心な時にばっちり目立つJP氏のベース、グルーヴィン。4.貴方を愛しつづけてはいよ待ってましたのスロー・ブルース調でありんすが既に変容変身熟成のゼップ内ブルース。元ネタが何かなどはもう無用な次元に。空気の色が違うわい。壮絶なりきプラント氏の咆哮。夕暮れの張り込み無駄だった初老の刑事の後姿が。5.アウト・オン・ザ・タイルズはファンク・ゼップのスタート・ソングでしょうか。いや肝心のボンゾ氏は初期しか聴けぬオカズの嵐であります。問題のB面に突入。6.ギャロウウズ・ポウル。トラッドの改作と聞き及びます。大好き中央アジア・エキゾ路線。ここでバンジョー入れるセンスや驚嘆。3歩進んで3歩進む。これはハードロックだなや。7.タンジェリン。ヤードバーズ時代にペイジ氏が既にやっていたのですか。うーん想像出来ん。生とか電気とか言う前に何より曲が最高だと思いませんか。やっぱりこれは無くちゃ困るやってくれてありがとうです。8.ザッツ・ザ・ウエイ。アイ・ライク・イットじゃありません(^0^)。でもアイ・ライク・イット!。タンジェリンの余韻を冷ますように。この正体不明のアコ曲の波紋は後に色んなところに種を蒔いたように思われ。9.スノウドニアの小屋。そろそろどかんとやってくれんかのうとゆう期待をよそに続きます生軍団。これも正体不明。正体不明を連発の意味深し。バンドがまことに次の次元突入の証海峡でござる。こうなったら最後まで引っ張ってやるわいと10.ハッツ・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー。ペイジ氏のココロの師匠ハーパー氏にこの決意の程を伝えねばならぬ。恐るべき勇気ある終わり方で終演。さあさらに期待が膨らまねばこれは嘘。これだけでかいバンドであることを知ってここで見限った人はまさかおるまいのう。

曲目等詳細

日本盤

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グッヅ

1/24(月)
ジャケ買い
cover
Long Distance Voyager
The Moody Blues
1981

シリーズ「ぷろぐれ支部」

思いっきりジャケ買いをしてしまいました。先週のレコ買いで。だってまー見てくださいこのジャケ。素晴らしい。情景、タッチ。ツボです。クレジットでは「クリーム」となってますがチームなのかな。そんで中身はすっとんでても構わないぞとの決意の元に買ってしもうたんですけど、とゆうのもムーディーズ、あまり得意でなくて。デニーはんがおったころのゴーナウ・ムーディーズならいざ知らずスロウのサテンの夜がとにかく苦手。すやすや寝てしまう_<(_ _)>_。ソフト・プログレ御三家、つうとソフトSMみたいで訳わからん形容かもしれぬが、キンクリ、エピタフの魂を受け継いだこのムーディーズ、キャメル、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェストの中でも特にぼよよーんとした印象を持っておりまして。まあ、そんなもんだろうと聴いてみましたら。来た来た来たーー。目から瞳孔が外れた。初めて来たぞムーディーズで。こりゃ最高です。特にA面。ELOみたいで(^0^)。しっかしジャケからするとプログレ・ファンには大合格、でも中身はうんぱうんぱと調子良くてしかもかなりELOとなるとどうなんでしょう。出たのは81年。思いっきり時代錯誤っていやそうなのかも。逆に開き直って5年くらいのタイムラグで同郷バーミンガムのジェフ・リン・サウンドをやってみたかったのかな。1曲目のザ・ヴォイス。とにかく曲が素敵です。どうも聴いたことがあったと思うたら全米ヒットしてたのね。最高位15位とは。おまけにアルバムは最高位1位だって。全然知りませんでした。その頃全然違う方向見てたからなあ。それにしても81年恐るべし。名盤の宝庫だってことがこれでますます実証です。2.はデリカシーの無い男の歌。うっかり一言が失敗の元ってやつです。私も失言の射手座だから気をつけねば。よく怒られます。誰にって。はい。曲はタイトルにふさわしく後悔してるように歌う。ってほんとか。オーケストレーションがばっちりはまった素敵曲。3.ジェミニ・ドリームはテクノ。とゆうよりコンフュージョンの頃のELO。もうまんまです。覆面で聴いたら区別出来ない。大好きだから当然大好きなのだ。4.僕の世界。べったべたのラブソング。対訳を見てしまうと赤面ツトムしてしまうので見ない方がいいかも。ミディアム・スロウでたんたんと。曲はさらっとしてるので私にも大丈夫。くるっと引っくり返してのB面はプログレに相応しい組曲。まずは5.ミーンホワイル。スティーラーズ・ホイールつうかジェリー・ラファティ調シャッフルでもちろん大好きだから大好きです。6.は22000日。人間60歳まで生きると2万2千日なんですと。してみると短いなって妙なところで感動。あと何日だろうかなどと考えてしまう。おろそかに出来ません。とゆう内容。曲はピンク・フロイドみたいかな。7.不安な日々。アコなスロウ曲。小心な男の片思い曲。これもELO。歌もかなりジェフリン。だから好きだぞ。8.偽りの微笑み。サーカス・ソング風。これも素敵です。ミスター・カイトじゃないけどこうゆう曲にはコロリとやられてしまう。あのピロピロピロ回転オルガンっていいですよねえ。9.道化師による口上の次はラスト、ベテラン・コスミック・ロッカー。自らを省みて開き直ったマニフェストソング。このアルバムから何とあのパトリック・モラーツが鍵盤で加入したそうで。あのラテン・プログレは炸裂してなくサポートに徹してますけどピリっとしたところはこの方のおかげか。このラスト曲なんかではよく聴くとあの独特の音色が聴けます。それにしても苦手なバンドでも油断出来ませんわ。どこでホコっとはまるかわからぬ。逆に言えば苦手な私がはまったんだから中身は相当なものと言えるのでは。ジャケともどもこれは買いですぞほんま。

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1/25(火)
闇へ突っ走れ

War Live
War
1973

シリーズ「Funx」

ウォーです。カリフォルニアの海から離れたところ、排気ガスのむんむんするダウンタウン、呑気なポンニチが観光気分で歩いてたらナイスなブラザーにむしられそうなところで湧いて出てきました。どこからどうとゆう事無く正に湧いて出て来たので正体不明です。やれノーザン、サザン、JBファンクちゅう黒の分野にカチっとはまることが無い。それだけに当時のアメリカの空気にばっちりはまって生活の音楽に。世界はゲットーだ、は73年度の年間アルバムチャート1位なのだ。1位ですぞ。サタデイ・ナイト・フィーバー並にアメリカはウォーだになっておったのかー。それなのにアメリカ以外じゃさっぱし。英国じゃ丸っきり駄目だし、日本でも後にリー・オスカー氏のメランコリックなソロが小ヒットした以外大人気だって聞いたこと無し。ディープなアメリカン・ブラック。人相も極悪。そのどうにもとらえようの無さ、私もバチっと来たり来なかったり。すげーなーと感嘆しまくりだったりだせーなあと思ったり。そんな中、すげーなが90%なのがこの絶頂期ライブ・アルバムです。とにかく無防備なバンドでして。多分音楽的リーダーはおらんのかと。従って誰も何をやりたいのかわかってなかったりして。最小限の決め事をした上でジャム・セッション。そして何かが出てくるのを待つと。出て来なかったらどうするのでしょう。いやもう出て来るまでやるのです。それでも出て来なかったら。ぐずぐず。ははは。とことん民主主義音楽で。そうゆうとこもアメリカそのものかもかもなあ。同じ長尺をやってもヨーロッパのプログレはここでこうやってあそこでこうやってここでクライマックスと決めて決めて観客をKOしにかかります。クラシックだがんな。こちらは行き当たりばったり。観客がノセてくれるかも重要だったりして。演者、客、その場にいるものが全員で何か場を作ろうといたしておる。ああ、これがアフロ・グルーヴちゅうものか。故に普通のポップ曲を聴く時と態度が同じちゅう訳にはまいらぬ。みな裸になって自我放棄、リズムに身を任して楽しんでくれー。って何かやらしいな(^0^)。とそれが一番うまく行ったと思われる(いやそんな選択あまり考えて無いかもしれませんが)1972年11月25日シカゴ「ハイシャパラル」のライブの模様を収録したのがこれ。音がとにかく良いです。生生してる。ぶっとい。大音響でかけるとこの丁々発止の格闘の模様が目の前にぼわっと現れること必定。存分に身を委ねて下さい。かっこよくはないよ。いやなんつうかダーティ・ハリー的なかっこよさは最高。行った事はありまへんがきっとシスコ下町チリ名物のちっこいレストランの駐車場の壁の排気ガスの臭いはこんなものじゃないかと。それが好きな方、好きそうになれそうな方にピッタシの超絶盤であります。

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1/26(水)
聖なる鳥
cover
Pious Bird of Good Omen
Fleetwood Mac
1969/8

シリーズ「ヒット王」

最近やたらこの時期、初期マックを聴いてます。どんどん求道的に大好きなブルースを求めて求めて、丸でアマチュア、柴又大学ブルース研究会の様相からパッと自分だけの音楽が見えた瞬間の光りの眩しさ。これがやたら明るく魅力的でつい。それらはゴツゴツと無骨であります。ギターにしても今のレベルですと案外なのかもしれない。でも古臭くて稚拙となじる若い衆は何か思い違いをしてるでござるよ。教則本や果てはビデオでこれこれこうゆう風に弾くのですよと情報溢れる現在でありものの上に乗っかってそれをどんどん練習すれば良い今と違ってこの時期は何をするにも自分で見出さねばならぬ。何を弾くかを自分で見つけることから始めなければならなかったであろう次第。それだけにそれが見えた時の演奏の衝撃度、美しさたるやフォロワーの小器用さなど比べ物にならぬものだと思います。その光りの瞬間がバチっと納められてるのがこの「聖なる鳥」。英国編集盤、アルバム未収録シングルを中心としたアルバムです。もちろんどブルースてんこ盛り。ハイライト、ここで見ましたはちょうどアルバムどまんなか6.〜8.にかけて。ロバート・ジョンソン作もろエルモア・ジェイムスな第一弾シングル、アイ・ビリーブ・マイ・ハートに続いて出てくる第2弾シングルのB面、ザ・サン・イズ・シャイニングの何と素敵なこと。エルモアさんのオリジナルとは3光年離れた英国の哀愁ナンバー。もはやブルースで無し。とゆうより自分で見つけた自分のブルースだったのかもしれませぬ。そして7.あほうどり。第4弾シングルのA面。何と英国チャートで1位になっちゃったこのインスト。この浮遊感、ちょっと比類するもの思い当たりません。いつの時代でも今何時代だとなる仙人音楽の空気あり。当然現在でも有効、一本勝ちでござるよ。かあかあかあと空を旅して着地した8.ブラック・マジック・ウーマン。マックのちゅうよりサンタナのオハコになったこの曲。オーティス・ラッシュ氏のものにヒントを得たらしいとゆうことだけど、ブルースじゃ無いぞ。少なくとも曲自体普通のブルース進行じゃない。でも限りなくブルースつう。サンタナとどっちが素敵なんてことは比べるのもアホらしいんでしませぬように。両方別味に決まってます。第3弾シングルは1.のニード・ヨア・ラブ・ソー・バッド。このもろブルースが最高位31位とは言えランクインしちゃったってんだから驚き。ジェントル&ノーブルなストリングスが色気効果だったのかも。それにしてもあれです、ここまでどっぷりはまってた連中がよくこの短期間で自力で次の段階へ行けたものだと。いくら仙人軍団とはいえ時代の急速な風を受けたのもあったのでしょうが。あほうどり、黒魔術ウーマンで突き抜けた後、さらに第3のギタリスト、ダニー・カーワン氏を迎えて第1期マック、ヴァージョン1.5に突入。これまた手探りでゴツゴツと進んで行きます。その端緒は10.のアルバトロスB面ジグソー・パズル・ブルース。正に名の通りで。行きつ戻りつ。

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日本盤

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1/27(木)
団結!少数派
cover
TRB Two
Tom Robinson Band
1979

シリーズ「新波倶楽部」

昨年12月28日に再発。やった。良かったなあと思ったのもつかのま、ひょっとアマゾンさん見たらもう入手難の気配。EMIさんよう何してんだ。やべ試聴出来るとこも無いぞ。てんで緊急WANTED。トム・ロビンソン・バンドの2ndです。何と申しましても2468モータウエイの人達だからして1stは今後何とかなるやもしれんとゆう訳でこの傑作2ndを是非とも。プロデュースはトッド・ラングレン博士です。コーラスでゆ〜とぴあのカシム・サルトンも参加。トッドさん製作の盤の中でも抜けてる傑作でもあるんでトッド・ファンの皆さんもマストでチャンスだ。1週間で録音したそうです。やりやがったなトッドはん。ははは。と申すよりトム兄貴も速いレコーディング、勢いそのままパッケージ、が大好きだそうで思いついたらさああっと形にしなければ気がすまないトッド氏とベスト・マッチング。準備万端しておいて俺らはベストな演奏、後は任せましたが大吉となりました。とっても気持ちがいいアルバムです。早仕事とは言え侮るなかれ。奇跡のようにはまるとこにバチ、ああそこ痒いんです、あそこよくわかりましたねえ。トムさんと言えば何が不幸と言ったってパンクの波の中で登場したこと。ま幸運でもあるんだけど。元々はキンクスのレイ・デイビス氏に見出されて彼のレーベル、コンクの一押しミュージシャンで登場も色々行き違いがあってうまく行かなく、何やかんやで時代はパンク期、生来の主張、団結マイノリティが時代にはまりすぎるほどはまっちゃって。ゲイだってこともあってそこばっかがハイライト化されて一騒動終わった後はそんなバンドもおったなあってことになっちゃった。トム氏とギターのダニー氏の折り合い悪くこれでバンド解散してしまったって当人達の責任もあるんすが。音楽は全然パンクじゃありませんでした。ぶった切ることも壊すことも無く連綿と続く英国ロックの継承者。で、登場時はこいつらだけはOKつう音楽ファンも多数おったと思い起こすに。とりわけキンクスの弟子格の音楽ってんでこれは奇特つうか貴重だわ。返す返すもレイ氏とトラブったのは気の毒なことです。何が一番悲しいって憧れの師匠とこじれるってことかも。むしろ大切な人とは一緒にやっちゃいかんのかなあ。しかしおかげでこの組合せが出来た。キンクスとトッド・ラングレン夢の合体。お仕事でプロデューサー引き受けるときとマジで好きな時と製作態度がまるで違うトッドさん。今回は本当にTRBに惚れてました。その体に染み付いているキンクスも。トッド・エナジーをいかんなく発揮した正真正銘のTRBの盤だに。トムさんもそれに答えて最高の曲を準備。全曲聴き所満載、掴みバッチリの名曲だらけであります。師匠とケンカしてしまうほど頑固で生真面目誠実を絵に描いたような人、トム氏でありますが気さくで優しく人付き合いが良かった面もあったようで思わぬ人と曲を作ってしまったりします。エルトンともやったな。あれはあっちの線でつながっってたんだけど(^0^)。ここではB面1曲目6.のブーリー・フォー・ユー(悪ガキ)。相手は何とピーター・ガブリエル。トッド+ガブちゃん。わお。これがまた大傑作で聴けばもうガブちゃん以外の何物でも無し。しかも本人が歌うにはちと違うトム兄貴でなければ、そして感触はトッド氏とこれ以上に無いナイスな組合せの曲です。他に私が好きなのは4.の「人々に自由を」はもろキンクスだしなあ。しかもこの時期の。ブルー・マーダーの哀愁は胸キュンだし。9.の「法と規律」は、まあ聴いて下さい。ニンマリします。ラストのバラード、「ホールド・アウト」も大傑作。うお、だから最高なのでござる。お節介にも程があるけどこれはお奨めするしか無し。「少数派弱きもの団結」つう主張にまさか反対する人はおるとは思えんけどその政治的主張が煙たい人、ゲイってことに抵抗ある方もおるやもしれん。けどここまでの音楽です。回避しちゃうのは勿体無いっすよ。

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1/28(金)
憧れのロンドン
cover
Up the Junction
Manfred Mann
1968

シリーズ「マン」

マンフレッド・マンが好きです。60’s後半のフォンタナ・レーベル時代が好きです。そしてこのアップ・ザ・ジャンクション、これまた特別。60’sマン最後期に同名映画のサントラとして作られたこのアルバム、まずジャケからしてスウィンギン・ロンドンの臭いぷんぷん。雰囲気満点の中、さて聴いてみますとこれがまた100年殺しの盤なのだ。フォンタナに移籍して以来才気爆発のドラムス担当マイク・ハグはぐ抱きしめたい名前のハグさん全曲作曲、筆頭で活躍です。時代はオースティン・パワーズの喧騒真っ只中じゃきにアホバカ浮かれ満載かと思いきや地味だぞー。中心は1曲目タイトル曲です。サントラらしく何回も形を変えて登場してくる。これがねー最高なんですよ。最初は何じゃこのぼよよーんとした曲は、などと思うんですけど、何回目かにはすっかりとりこ、頭の中はああっぷ・ざ・じゃんくしょんだらけに。この時代の音楽が全部ぶちこまれてるような代物でして。特にA面6.でのまーうら寂しさつうか、たまりません。バーズでしょ、モンキーズでしょ、もちろんビートルズ、ビーチボーイズが交互にロンドンの霧の中から登場。ヴァン・ダイクさん、果ては未来のバーバンクまで。4.でのヴァージョンは出ましたオルガン炸裂、それも待望の謎の円盤UFO音色、あれです。即死です。5.の愛のテーマの優美さも。からむオルガンにまたしても即死。ああ、この時よ永遠に。マジ時間を忘れます。6.は煙もうもうサイケ・ヴァージョン。リプライズで色々な場面が。ここでみみちんさんが「あ、DWウォッシュバーンだ。」と叫ぶ。裏返して7.ジャスト・フォー・ミー。マントラ鳴り響く中、ペット・サウンズの煙が。紫色だわ。8.は愛のテーマ再び。あの童謡のフレーズが出てくる。何だったっけなあ。お、思い出せん。9.からは怒涛のモッド・ジャズ・コーナーに突入です。ラムゼイ・ルイス、ハービー・ハンコックのあの8ビート・リフ・ジャズ。やー、イカしてるの一言。グルーヴィ・ベイベ。クール!。ファンキイ!。もう何でも言っちゃうわ。10.ではヴァイブも登場。11.ではまたマントラ、インチキ占い師登場。腹踊りを見せておくれです。11.はその踊り子と踊るモーボ・ジャズ。足は何らかの理由でもつれてふらふら。ラストはもちろんテーマ曲。術中に陥りまた最初から聴いてしまうとゆうクラインの壷アルバムでございます。しかしもしこれがかかりまくってるショッピング・テーマパーク「日本カーナビー・ストリート」なんつうもんが合ったら行って行っていきまくっちゃうかも。ど真ん中にはピカデリーつう映画館があってやってるのはもちろん「欲望」とこの「ジャンクション」二本立て。いやー見てみたい。

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日本盤

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1/29(土)
魔法の音楽
cover
Holiday
America
1974

シリーズ「うえす塔こうす塔」

アメリカでござる。74年発表の4枚目。ひたすら地味にコツコツと売れたり売れなかったりしながら邁進して来た彼ら。ここでターニング・ポイントとなる人物と遭遇することになります。その名は。じゃじゃーん。ジョージ・マーティン。控えおろう。へへぇ。言わずと知れたビートルズのプロデューサー。英国で青春期を過ごした彼らにとってはそりゃ憧れの存在。ついに一緒に仕事が出来るようになりました。当然気合が入るわなあ。いつもより多く廻してますおめでとうございますの緊張感を持って作曲にいそしんだ結果、こんな傑作アルバムが出来たのだ。正直申してこれまでのアルバム、ポンと飛びぬけたマジック曲が必ずあったものの、それ以外の曲の中ではあらーやっちゃったよつうのがちらほらとあったりして。どうしてなんだ星君、君ならもっとやれるはずだ、花形僕を買いかぶり過ぎだどわー伴よなんて思うたりもしたんだよ。それがまーどうです。マジック・シングルは2曲もあるわ、それ以外の曲の充実振り。やっぱ監督変わるとチームも優勝するわな。冒頭のインストでマーティンさん早速やってくれました。夢のストリングス登場。ホルンの響きがビートルズだあ。わくわく。しつこくしないでさーっと終わって主人公登場。マジック・シングル第一弾の「魔法のロボット」。ティン・マン。チンマンって読んではいけないんだよ。謎の中国人珍満がやってきてしまう。両性具有だったりして。失礼。オズの魔法使いのブリキ男の歌です。ロボットなんでハートが無いとみんなに思われてたけどオズがハートを上げようとしたらもう既に持ってましたとゆうお話。含蓄ちくちくだ。ボッサノヴァ入るはニュー・ソウルだわベックレイさんの才気爆発。このセンス、天賦の才としか思えません。ヴェンチュラ・ハイウエイでのグルーヴが偶然じゃ無かったことの証明です。3.アナザー・トライは駄目親父を持つ大人息子の歌。ビーチ・ボーイズです。マーティンさん迎えてBBやるとは粋だねえバーネル君。けっこうドキドキしてたんじゃないかな。これがもう大傑作。メロディのかわゆさはシングルにしても全くOKだと思います。マーティンさんがビーチボーイズをプロデュースしたらこんなになるのかなって想像出来る楽しさももちろんあり。質感がやっぱブリティッシュの品。4.ロンリー・ピープル。ピークちゃん作。この地味地味な曲が思わぬ大ヒットとなりました。CSN&Yの霧はすっかり晴れたなあ。こうゆうアコな曲もすっかりアメリカとなりました。ぱふぱふハーマニカとホンキイトンク・ピアノが楽しい。地味な中にもこれで華やかさが出てそれでヒットかも。5.遭えた喜び。続いてピーク君の曲。冴えてますメロディ。控え目に絡むストリングス、ホルンにゾクゾク。さすがマーティン氏。6.マッド・ドッグ。ベックレイ氏作。いやーやってくれましたポール・マック登場。アナザ・デイとか思い出しちゃう。絡む小技アレンジでマーティンさんも本領発揮。これはもうポールちゃんファンも聴くっかありません。嬉しくて嬉しくて。引っくり返してB面。7.ハリウッド。雑踏効果音で始まる哀愁寂しさ満点曲。華やかさの裏通りのゴミ箱の世界ですね。バーネル氏作。8.君次第だよベイビー。って凄い邦題だ(^0^)。そのものズバリの歌の内容だけど。もちろんエグく無くてそおっとしたアメリカの世界です。こうゆうさりげない曲は天下一品だな。ベックレイさん作。9.ユー。白けた女の子のことを歌ったピークさんの曲。胸キュンなメロディ炸裂じゃ。ここでも控え目なホルン調のシンセ音効果抜群。ほんもののホルンじゃないとこがミソかも。コーラスがビーチボーイズだなや。10.オールド・マン・トゥック。バーネルさん作。彼はちょっと辛口が得意。ここでも老人の歌をちょっとヒリヒリと。後半のストリングスのめくるめく世界。11.どうしたの。ベックレイ氏作。いやもうこれはチャーミングとしか言えません。オールドタイミイなしかもBB。大傑作。大好きな曲です。いやまだの人には是非聴いて欲しいよ。12.ラストはピークちゃん作のイン・ザ・カントリー。セサミ・ストリートにちょっと似たピアノ・リフで始まるちと彼らにしては異色作か。もちろんスワンプにはならないんだけど。よくまーアルバムをこんな終わり方にするなーって終わり方で。けっこう自分でやるとしたら勇気いるかも。もっともっとって気持ちになるのは確かだな。
とゆう訳でもともと才能のある若者達に分別有りまくりの職人名人が味方に付いたらそりゃもう鉄壁です。両者控え目な人たちなんでこの地味さも気合入ってる。余計な音など入れてたまるものかの覚悟の地味であります。和魂洋才ならぬ英魂米才、ここに極まれり。アメリカって凄い連中なんだぞ。海辺を走りながら俺は叫ぶぞ。うおーー。

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1/30(日)
どつき合い
cover
Beck-Ola
Jeff Beck
1969/6

シリーズ「ギター屋」

第1期ベック・グループ第2弾高座におるのはベックだおらーです。ジャケに踊るはぷくぷく太ったマグリットの林檎、否応無しに印象大、この度日本盤で紙ジャケ発売。縁無しで拝められるぞい。トゥルース発表後、ニッキイ・ホプキンスさんを正式メンバーに加えて68年10月より米ツアー開始。ところが翌年2月にロン・ウッドはんとミック・ウォーラーはんが辛いよーやめさせてくれよーと脱退を表明、新バンド画策も失敗、ドラムに元サウンズ・インコーポレイテッドのトニー・ニューマン氏とベースにダグラス・ブレイク氏を加入させるもダグラス氏クビにしちゃって結局頼るのはロンちゃんしか無しとお願いして戻って来てもらってと序盤からベック式順風満帆です。で、この盤を製作だー。プロデュースは性懲りも無く(^0^)又してもミッキー・モスト。でも今回も余計な事はしなかったよ。何が違うって今度のドラマーのトニーさん、顔が怖いです。じゃなかったプレイがど派手。ロックじゃ。これならバッチグウだぜ。に吊られてか単に不機嫌だったか知らぬが温厚ロンちゃんのベースもぶちぎれてます。音色、フレーズとも鬼気迫るプレイ。ロックだ。このリズム・セクション大変身はでっかいよ。ぐんぐん追いつけ追い越せして来たライバル、ゼップに対抗出来るだわ。そして何が違うって正式メンバーになりましたミスター・エレガント鍵盤師のニッキイさん。もう華麗です。3.のGirl from Mill Valley。全然盤にそぐいませんがそりゃもうニッキファンなら涙もんの演奏。いや美しい。考えてみればストーンズ、フェイセズ合体布陣がベックさん、サポートしとる訳でこりゃ凄いわ。ニッキイ氏はどこでも変わらぬ不滅のプレイだけど全然そうはならぬとこもベック氏のアクの強い人徳であります。そしてまー何が違うってまんまブルースやっとりません。代わりのど真ん中はプレスリーのカバー2曲。何でだと曲名だけ見るとなる思うも聴くと納得のヘヴィ・ロックに変身でござる。監獄ロックではロッド氏を筆頭に血管切れそうです。御大も絶好調、さぞかし機嫌が悪かったろうにきっと機嫌が悪ければ悪いほど暴れるので素敵なのねベックさん。訳のわからんききょきょきょーとかコケーンとかの音出し放題で最高です。セッションで作ったモロダシのオリジナルもイカしてる。リフがロックだ。2.スパニッシュ・ブーツなどはブーツ好きな人だし、もうまとめようと思ってないっすの吹っ切れですこーんと抜けてます。5.のPlynthも同様。ロッド氏のしゃがれ度は進行中。トニイさんもどすこい。サウンズ・インコーポレイテッドって端正だったけど妙な迫力あったもんな。6.のハングマンズ・ニーのシンバルなんかブラボー。ぐぎょぶぎょってぶっ潰れるリズム・ギターを聴いとくれ。7.最後のライス・プリンかっこええー。ゼップみたいだ。あ、逆か。ロッド氏がいないぞ。行っちゃったよ。このまま直進出来ればますます偉い事になっておったのに。無念。何とベックさん、もう飽きてる顔をしておるでないか。次のこと考えてるでしょ。

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グッヅ

1/31(月)
蘇る男
cover
Zombie
Fela Anikulapo Kuti
1977

シリーズ「民族力」

ゾンビー。フェラ・クティ大王おなり。私がまだ体重55kgの高校生の頃、その当時ぼつぼつ出だしたアフリカ音楽のLPの中で最初に突入した盤です。これ聴かなかったら黒の向こう漆黒の世界には入城せんかったかもしれない。いやもうインパクト有り過ぎました。音の生々しさ、臭さ、熱さ、全てにやられてしばらくはアフロなココロのボス兄さんになってしまっただよ。何てたって覚えやすい。最初から最後までサックスのフレーズからコーラスから歌まで歌えます。「じょーろ、じゃあら、じょーろ」「アテンション、クイック・マッチ、スロー・マッチ、レフト・ターン、レイト・ターン〜」「オーダー!」あ、これあれです。「気を付け。右向け右、左向け左」と軍隊の様子を徹底的におちょくったもの。自分の意志など無いゾンビーみたいに整然としてる様をアジります。音楽に政治なんかなあと思う方だけどこの方にはそんなこと言ってられまへん。何しろ国が政情滅茶苦茶。独立を許したのは良いけれど混乱状態にしておいてずっと搾取したい欧州とそれに乗っかって儲けたい一部の特権階級によって弾圧に次ぐ弾圧。呑気に好きな音楽をやりたくったって周囲がそうさせてくれない。ならばとそれをでっかいモチベーションにしてやってしまいました。選んだ道は当然そうゆうやつらに逆らいに逆らうこと。ですからもー大変。生活と命を賭けた音楽人生になってしもうた。自らカラクタ共和国ちゅうコミューン作って妻500人(未確認(^0^))と同胞と共に篭城。そりゃもうしょっちゅう警察乱入。意味無く撃たれて体中弾痕だらけ。ツアーだって命がけ。国外に出てもやっかいものが来たと状況はさほど変わらずってな具合で、それでもやり通したってんだからアントニオ猪木族に属するスーパー・ノヴァな真っ赤に燃える男フェラでございます。アメリカに行った時に吸収したファンクの息吹き、それをそっくり体内に取り込んでのアフロビート発明。手本にしたジェイムス・ブラウン親父ご一行がアフリカに来た時、あまりにかっこいいんでパクってしもうたとゆう逆ファンク攻撃もあり。そりゃもう何をかいわんや。外に向けて訴えたいとゆう欲求が第一のものですんでわしら極東の人間が聴いても他山の石とのんびり流すことなど出来やしませぬ。否応無しに言葉とビートが食い込んでくるだよ。山盛りの言いたいことが、吹き出るフレーズを待ちきれないようなサックス、頭の上で抱えてぐるんぐるん廻しながら弾いてるようなオルガン、マイクを齧ってメッシュカバーが唇に食い込んで血だらけのヴォーカル、858人の妻達のしょうがないわねこの人はのコーラス、親分の事はわしらが何があっても支えますの大政小政森の石松のアフリカ70の面々のビート、この全てが濃縮、絶好調元気一杯の時期のこの12分27秒が2分3秒に感じちゃうビッグ・シングル、2月9日に日本発売もされます。食っちゃって下さい。

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