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今日の推薦盤一覧2003.4下

 

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4/16(水)
cover
The Last Record Album
/Little Feat
1975

シリーズ「The Fun」

5作目。フィート・ファンにとって賛否両論の問題作登場。発表時はタイトルからすわこれで最終作かとドキドキさせたものです。結局タイトルは「最新作」って意味だとわかりホッとしたのだ。何か賛否両論かと言うとその音色、とにかく乾いてて軽い。南部旅行から帰ったフィート一行、ハリウッドで砂漠セットを製作、砂はプラスティックでしたとゆう趣きなのです。私はそのクールさを感じさせるところがとっても好きで賛辞してたんだけどCD化によって低音部がくっきりぶっとくなってそれが間違いでなかったぞと溜飲を下げました。従ってこればかりはCDをお奨め、リマスターはビル・イングロット氏なのかな。もう一つ賛否両論はローウェル・ジョージが一歩下がり、メンバーの作品が増えてフュージョン色が濃くなったこと。これもまた私にとって否にあらず、ポールさんビルさんのへんてこ作曲絶好調、一筆書きのようなその作風は凡なるBGMフュージョンとは趣を異としまさにフィートしか出せない巧みの技。良いじゃあないですか。余計なこと言わせて貰うと再結成後はそのヘンテコ感が減退してるとこが寂しくてCDに手が伸びない理由でもあるのです。そしてローウェルさんの作品、桑田K助氏がカバーした「ロング・ディスタンス・ラブ」を始めこれまた彼しか出来ない気持ち良い曲。この二つを違和感無く聴かせる為の乾燥音質と見た。聴いてくうちにどんどん下半身が重くなっていく空恐ろしいアルバムです。

試聴はここで。

4/17(木)
cover
Waking and Dreaming/
Orleans
1976

シリーズ「Two-Faced World」

前作でのシングル「ダンス・ウイズ・ミー」のヒットを受けて満を持して登場の4作目。ドラムにリック・マロッタの兄弟、ジェリー・マロッタを向かえてWドラムに。もーほんとに鉄壁のアンサンブル。切れと爽やかさのラリーさんのヴォーカル、甘さのジョンさん、そしてクラプトン級の凄腕ギタリストが二人、そして強化リズム隊と、欠点はジャケくらいしか思い当たらないアルバムなのです。同期のイーグルスの持っていないR&B的要素がバネになってのしなやかなサウンドがたまらん。前作は春を思わせるポカポカさでしたが今作はまるで四季を順繰りに追ってるかのごとく。室内の空気が一曲毎に変わっていきます。ジャケを含めて何故かはわからんレーベル側の売り出しのまずさからそのバンドイメージと内容の素晴らしさが乖離してしまって非常に気の毒なことに。その辺がとてもうまくいっているイーグルスの売れ方を見てつい比べてボヤキたくなってしまうのです。多分聴いていただければその音楽の素晴らしさを理解していただけるかと。ずっと3作目とこれのカップリング(しかも抜粋)でCD化されていたのですが2002年に完全な形で、やっぱりカップリングですがCD化されています。何故まとめられてんのーとここでも異議を唱えたくなるのは山々、まあ強力2作が一緒に楽しめると考えればとってもお得。ただリマスタリングが良くないんだよねぇ。音を考えればライノのベストが多分一番なんだろうけど、ライノさんにはちゃんと腰を上げてもらって、ビル・イングロット氏による強力リマスタリングでこれを出してもらいたいです。音質に負ける音楽じゃ無いけど、音が良くなれば感動1.5倍増しじゃ。
そのポップさ故にマニア向きじゃ無いんでそうなると理屈好きの洋楽界では不利なバンド。売れればリリース状況も良くなると思うので、お願い皆さん聴いてぇ_<(_ _)>_。

試聴はここで。

4/18(金)
cover
Funk, Inc./Chicken Lickin'
1971/1972

シリーズ「Funx」

ベース抜きでファンクは出来るのか?出来るのです。ここにそのとんでも無いことやった連中が。バンド名はFunk,inc.。
プレスティジ所属のジャズ・ミュージシャン達、オルガン、サックス、ギター、ドラムのファンク商会有限会社の4人組。
スーパー・マーケットの特売BGMの生演奏に呼ばれたジャズ屋さんたち4人組、本当はベースが来るはずだったのですが、
昨夜酒飲んで暴れてまだブタ箱の中、しゃあねえやとオルガン担当がペダルを踏んでやることになりました。お店の人からまあ
景気良いやつを適当にやってよと言われて普段セッションでやってるやつをクールに決めます。途中、「スリル・イズ・ゴーン」
などをスーパー向きに思いっ切りくだけて演奏してしてしまい、終わったあと本人達も大笑い。続けてやってるうちについ熱が入ってしまい、何と商品が真っ黒になってしまいました。お店の人がカンカンになっておめえらかえれーと怒鳴りますが、ここでギャラ取り損ねるとうちで待ってる子供15人の今晩のおかずが無くなってかあちゃんに叩きのめされるので平身低頭。再びクールに決めてバーゲンは大盛況となりました。なんてことはなかったのだろうか?

試聴はここで。

4/19(土)
cover
Bongos over Balham/
Chilli Willi & The Red Hot Peppers'
1974

シリーズ「パブロック部」

目玉親父軍団レジデンツのスネークフィンガーやエルビス・コステロのアトラクションズのドラム、ピート・トーマスが在籍してたことで知られる英国パブ・ロック・バンド。グレイトフル・デッド、バーズ、・ザ・バンド、ライ・クーダー、ニューオリンズそしてウエスタン・スイング、ジャイブを一挙に展開する一大アメリカ絵巻です。こんなことは英国人にしかできないな。キンクスのマスウェル・ヒルビリーズを思い出しますが、もっと思い出すのがダン・ヒックス。この飄々さは彼がイギリスで生まれたらかくやと思わせるものじゃ。アルバムの作りのしっかりさ、演奏の達者さにも驚き。あまりに売れなかったために空中分解したらしいですが、さすがのカントリーロック好きの英国でもこれは異型、状況の為に埋もれた名盤ってこうゆうのを言うのだろうなぁ。

4/20(日)
cover
Say You Will/
Fleetwood mac'
2003/4/15

シリーズ「ヒット王」

珍しやWANTEDで新譜です。マックが出してくれました復活作。
もう良くて良くてたまらん。クリスティン・マクビー抜きの平成バッキンガム・ニックス又はフリートウッド・マック5/8ですけど。でも考えてみれば、わしリンジーさんのソロも大好きで。
人間歳取ると角が取れて丸くなるか全然変わらんか、クセが益々強くなって行くかどれかだと思うのですが、どちらにしても流れに逆らわずさらけ出すのが音楽でも良い結果が出るようで、マックのこの新譜の場合はそれが大吉と出ました。マックは大ヒットのお陰で普通のポップバンドみたいに取られてる節に反して実はけっこうクセの強いアクがあるバンドだと思います。年月が経ってこのアルバムでは何とそのアクが1.5倍増し。オイニーが強くなって臭いこと臭いこと。その匂いに狂喜乱舞であります。スティービー・ニックスさんは立派な魔女になりました。リンジーさんはエキセントリック爺さんになりました。ジョンさんとミックさんは岩石になりました。さらに作曲能力が全然落ちて無いことにびっくり。いやニックスさんはさらに進歩してるのでは無いか。モチベーションの高さが一聴してもわかります。こうなるとCDの長い収録時間もあっとゆうま。録音テクノロジーの進歩に惑わされずきちっと自分の必要な音選択しているし、セールス的にどうかはわからぬがエバーグリーンな繰り返し聴いちゃうアルバムに。気合い満点、買って損せぬ旬の音。まったく嬉しいなあ。

試聴はここで。

4/21(月)
cover
The Essential Sly & The Family Stone
2002/3/11

シリーズ「Funx」

2002年に出た素敵ベスト盤です。黒いものはどうかなあってゆうロック・フィールドの人からも支持されるスライさん、その秘密はここに有りか。何と言ってもわかりやすいのが一番。それまでのブラック・ミュージックから引きずるものが少ない分直情的に興奮出来ます。メロディも明解で入っていきやすいし。このベストのだだーと並んだ真珠のような曲を聴くとそのクオリティがわかっていただけるはず。
と書きましたが聴き込んで行くうちに上で書いたこととまったく反対のような気がしてくる音楽であることも事実。頭に??が付く感覚が味わえるのでスライはやめられんわ。
ロスアンゼルスで見るTVの雰囲気がこのバンドにはあります。行ったこと無いけど[(^o^)]。
軽くて重い隣り謎ファンクだ。

試聴はここで。

4/22(火)
cover
Love Power Peace/
James Brown
1992/1/22

シリーズ「Funx」

JB大将の数あるアルバムの中で私が聴いた何%の中でどうしても推薦してしまうのがこの1971/3/8のパリ・ライブ盤であります。
なーんでか?それはブーティ、キャットフィッシュ両コリンズ兄弟参加の唯一のものだからだー。ただ参加してるのでは芸が無
いがその効果たるや富士桜と麒麟児の超高速突っ張り合いをCD一枚通して見てるかの如しでございます。いつもは煽り係専門の大将がここではぐいぐい引っ張られて煽られて負けてたまるかとアドレナリン3倍増し。猿顔が汗まみれのガチンコ勝負だぜ。ベースが前に出てきてバランスがどうのとゆう意見を聞きますがわたしゃ勢いの方を買いますだ。JBとゆうとどうも古臭く感じるとゆう貴方も是非これだけは。ピシっとしまったビートはいささかも古く感じないもの。元気になりたい時のユンケルスーパーバッドゴールドじゃ。

試聴はここで。

4/23(水)
cover
Down on the Farm/
Little Feat
1979

シリーズ「the Fun」

リトルフィートのリーダー、ローウェル・ジョージの病死後に出た彼の最後の参加作品となるアルバムです。世間的にはやれ覇気
が無いだのあっさりしてるだの評判が芳しくない盤。その点ザ・バンドの「アイランド」に似てるかな。私は大好きです。これは元気が無いとゆうのとちと違うのでは無いか。確かに「アメイジング!」の頃のニュー・オリンズ・ファンクうねりまくりの音では無いけど、ジャクソン・ブラウンとの交流で培ったローウェルのシンガー・ソング・ライターの資質が全開して実にしっとりした味わいで体調がほんとに悪かったのと聞きたい位の穏やかな歌声で聴かせてくれます。曲も良いし。演奏も録音もその意図を汲み取った静謐感漂うもの。B面のはてドゥービー?ちゅうアレンジの曲はローウェルが生き続けていたらちと作為的なところもあるマイケル・マクドナルドより自然な歌い方の独自唱方の彼がブレークしたんじゃ無いかと幻想を抱かせてくれて楽しい。
とにかくスライド・ギターの音が心地良く、彼のリズム・ギターのグルーブも聴けるし、最後には初リードヴォーカルのサム・クレイトンのえぐ声もたっぷり聴けるしで、どこが悪いアルバムなんだ。そんなこと言うセンスの評論家は信用せんぞ。

試聴はここで。

4/24(木)
cover
Aja/
Steely Dan
1977

シリーズ「Steely Dan 探検」

Ajaは3回目のご紹介[(^o^)]。今回はミュージシャンに注目して徹底的に良いですかい。
4作目「うそつきケイティ」からバンドとしての形態を離れてドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの頭の中の創造物をアメリカ総出でバックアップするとゆう形を取ったSD。その手法の最終地点とも言えるアルバムがこのAjaです。東海岸出身の彼らがLAに移ってきたのも当時NYからLAに名うてのミュージシャンが終結して来たのと時を同じくし、ここでの演奏は70年代グルーブの総決算と言えるべき陣容となりました。各曲毎になぜ彼らを起用したのか行けるとこまで探ってみたいぞ。    ...明日へ続く

試聴はここで。

4/25(金)
cover
Hot Rats/
Frank Zappa
1969/10/10

シリーズ「Steely Dan 探検」

いきなりザッパ登場ですが昨日に引き続きスティーリー・ダン「Aja」攻略です。
まず1曲目「ブラック・カウ」。
ここでドラム、ぶったたいてるのがポール・ハンフリーさん。1935年の生まれでビバップJAZZからキャリアを始めてLAに移住、60年代後半に数少ないLAの黒人スタジオミュージシャンとなりました。それまではハリウッドは譜面を読める白人ばかりだったのね。R&Bの盛り上がりで登場となったと聞いております。主に「アメリカンバンドスタンド」などTVで活躍して、いざスタジオに突入と。4ビートならお得意だったのですが8ビートとなるとどうしようかなとなって相談したのが一足早くスタジオ・ミュージシャンで活躍してたニューオリンズ出身のアール・パーマーさん。そして同じくジャズ出身のバーナード・パーディさんと言われております。わしのレコードを聴けと。さらにモータウンのレコードを聴き漁り、切磋琢磨の結果、独自ビートを開発、当時勃興し始めていたソウル・ジャズの世界で大活躍となります。ちなみにその時に多く共演してたのがクルーセーダーズのジョー・サンプルとスティーリー・ダンでベーシストとしてもお馴染みのウイルトン・フェルダー。そしてロックの世界でもその切れのあるドラムを求めていくつかのアルバムに参加、Joe Cockerの With a Little Help from My Friendsとかこのフランク・ザッパのホット・ラッツもそう。ホット・ラッツのジャズ・ファンク風味に正にぴったりのサウンド。痺れちゃいます。音色などはブラック・カウと同じなんでこの奇妙なつながりに心ときめいちゃうぞ。
このブラックカウでのポールさんの起用は、おそらくこの間の恐ろしくある、しかも切れと粘りを求めた難しいドラムは彼しかいないとの判断からでは。その期待に応えて見事にやってのけてます。さすがじゃ。    ...明日へ続く

試聴はここで。

4/26(土)

The Pretender/
Jackson Browne
1976/11

シリーズ「Steely Dan 探検」

A引き続きスティーリー・ダン「Aja」攻略です。
「ディーコン・ブルース」を除く全曲でチャック・レイニー。スティーリー・ダンのファンには3枚目「さわやか革命」からのお馴染みさん。1940年クリーブランド生まれ。元々NYのスタジオ・ミュージシャンでバーナード・パーディとキング・カーティスのキング・ピンズで共演、アレサ・フランクリンの「Young, Gifted & Black」などで演奏してます。クインシー・ジョーンズのオーケストラ参加を機会にLAに72年に移住、これを期に弦をラウンド弦に変更して人差し指だけで弾くワンフィンガー奏法と相まって明確で切れの良い音をものにしました。LAで彼を一躍有名にしたのがドナルド・バードの「ブラックバード」。これがまたこれぞジャズ・ファンクでかっこいいこと。そしてマービン・ゲイの「I Want You」。あのとろけアルバムで弾いております。ロック・ファンにはジャクソン・ブラウンの「プリテンダー」での「ユア・ブライト・ベイビー・ブルース」でローウェル・ジョージとの共演やラスカルズやミニ・リパートンやデイブ・メイソン、ローラ・ニーロはてはボブ・マーリーまで枚挙にいとまが無く、いつのまにか聴いておられるのでは無いでしょうか。とゆうのもこの人、ファンキー大王でバリバリさんもいけちゃうし逆に歌ものとなりますとこれがベースの鏡とでも言いたい的確にボトムを支えるプレイをしてくれます。ここAJAでも違ったタイプのドラマーを相手に見事に対応してそれぞれのビートに合わせた演奏を。一番やっちゃってくれてるのは「ペグ」かな。元々所謂チョッパーってゆうことはあまりしない人なんですけどこの曲では嫌がるドナルド・フェイゲンを尻目にこっそり隠れて例の人差し指でポンピングをしてしまったなんて話も(サビに注目!)。長い付き合いで信頼されてるからの隠し技だろうけど、それにしてもメロディアスかつリズミックな演奏は見事じゃ。あと「ジョージー」のリフ。かー、これがまたたまりません。上げていけば切がないほどの名演なんですけど、どちらにしても「AJA」はこの人の存在抜きではありえない作品。なんたって下で一番色をつけてるんだからなぁ。    ...明日へ続く

試聴はここで。

4/27(日)
cover
Head Hunters/
Herbie Hancock
1973

シリーズ「Steely Dan 探検」

引き続きスティーリー・ダン「Aja」攻略です。
早くも脱線、今日は「何故か参加して無い人々」。
昨日ご紹介したチャック・レイニーとのコンビでならしたのがハービー・メイソンとゆうドラマーです。ドナルド・バードの「ブラックバーズ」そしてハービー・ハンコック「ヘッド・ハンターズ」で一躍名を上げたお方。跳ね回るようなシンコペーション・ドラムが特徴で特に「ヘッド・ハンターズ」での1曲目「カメレオン」でのもー何かに獲り付かれたようなプレイは、これじゃ有名になるわねぇと言いたいほど。さらにグロ−バー・ワシントン・jrの「ミスター・マジック」に参加、これらのアルバムは後のフュージョンで想像されるような音と違ってゴリゴリでむきだし凶暴な音です。全部全米ポップ・チャートの年間ランキングに入っちゃったちゅうからこのころのアメリカのファンク熱の盛り上りは凄いものじゃ。で、ハービーさん、歌ものでもキャロル・キングの諸作やブラザース・ジョンソンでもしっかりとサポート、まあブラジョンは歌ものって言ってもあれですけど。そしてスティーリ・ダンとは何故か縁が無い。SD(スティーリダン以下同様)の人材起用組み合わせ全体に言える事なんですけどLAのミュージシャンの美味しいところを使っていながら微妙にいつも組んでる人たちを外しているとゆう。ポール・ハンフリーとウイルトンフェルダーもしかり、このハービーさんとチャック・レイニーのコンビもしかり、これはおそらくこういったスタジオ・ミュージシャンの人はあまりにもテクニックが有り過ぎていつものメンツでやってしまうと息が合い過ぎて色が出すぎちゃうとか、暴走機関車のようになってしまうとか、逆にこれが恐いと思うのですがお仕事化して頭空白で演奏してしまう羽目に陥るとゆう、これを避けて緊張感を持続するためかと。とゆう訳でチャックさんを多く起用しているSDではハービーさんの登場は無くなったのでは無いかと想像します。うーん、ただ仲が悪かっただけだったりして[(^o^)]。    ...明日へ続く

試聴はここで。

4/28(月)
cover
Southern Comfort/
The Crusaders
1974

シリーズ「Steely Dan 探検」

今日も引き続きスティーリー・ダン「Aja」攻略です。
またも脱線編、ウイルトン・フェルダー。 テキサス生まれのサックス、ベース奏者。クルーセーダーズの一員で、バンド外でセッション参加時には何故かベースばかりとゆう人。SD(スティーリー・ダン以下同様)には「さわやか革命」「うそつきケイティ」で参加、SDセッション・バンド化へのきっかけを作った一人です。13歳頃からのキャリアを持つ人で活動初期はウエイン・ショーターとともにジョン・コルトレーン・チルドレンとして脚光を浴びたそう。クルーセーダーズは当初はジャズ・クルーセーダーズとゆう名で文字通りジャズを演奏してたんですが70年頃からファンクの勃興に伴いおうこれをやっても良いのかーと自らの原体験テキサス・ファンクをバリバリやるようになりました。何故この「AJA」編で彼のことを取り上げたかと言いますとそのクルーセーダーズ、70年代前半のサウンドは正にAJAの先駆け、私もそんなにクルーセーダーズのアルバム持ってる訳じゃないんですけど少なくとも74年の「サザーン・コンフォート」では空気まで似ている。74年と言えば「さわやか革命」の頃ですからフェイゲン、ベッカーの二人もこれを聴き漁ったことは間違いなく彼らの目指すジャズとソウル、ファンクの融合の手本として大いに触発されたことは間違いないと思われます。とは言え何故か彼らがその道を驀進し始めた「幻想の摩天楼」からフェルダーさんの参加は無し、代わりにチャック・レイニーの起用が多くなります。おそらくクルーセーダーズ勢の参加によってサウンドがまんまになってしまうのを恐れたからだと思われますが、今となっては彼らバックのライブを聴いてみたかったぞ。あ、同じくクルーセーダーズのラリー・カールトンは音楽現場監督として幻想〜以来のSDに深くかかわっています。この理由推察はラリカル編で。
フェルダーさん、彼は本来テナー・サックス奏者ですが前述の通りセッションではベースばかり、それもそのはずそのベースが素晴らしい。派手なことは一切しないんですがぶっとくて選びに選んだフレーズ連発。これはクルーセーダーズでなかなかベースが決まらず自分のサックスを引き立たせるために自然に身に付いた結果でしょうけどそれで稼げるようになるんだから人生はわからんものです。ランディ・ニューマンのセイル・アウエイでの「ロンリー・アット・ザ・トップ」、「バーン・オン」、ジョニ・ミッチェルの「コート・アンド・スパーク」さらにマービン・ゲイの「レッツ・ゲリ・ロン」以来の諸作に参加してます。言われなきゃわからないほど地味[(^o^)]。が、曲は強烈に覚えてる、そんなベース奏者です。
    ...明日へ続く

試聴はここで。

4/29(火)
cover
Steve Gadd
1945 in Rochester, NY

シリーズ「Steely Dan 探検」

引き続きスティーリー・ダン「Aja」攻略です。
Ajaと言えば表題曲でのガッドさんのドラム・ソロと言われて久しい今日この頃ですが、ギターと言えばエリック・クラプトン、ドラムと言えばスティーブ・ガッドと、全世界ドラム小僧の憧れの的であります。クロスオーバー、フュージョンの世界でその名を知らぬものはもぐりの名人なんちゅうスタッフのドラマーで有りまして私にとりましてはポール・サイモンの「スティル・クレージー〜」アルバム「恋人と別れる50の方法」でのズンタカズズンタカズズタカとゆう強烈なドラム・リフの人。曲の流れの中でドラム・ソロを織り交ぜていく名人と言われてます。ドラムを志すからにはドラムソロを叩きたいのが人情でそれを曲中で巧妙にやってしまう技を持ってしまってるのですからアマチュア・ドラマーに人気が有るのかも。とはいえ超絶テクを持っているからこそ出来ることで、アマチュアがこの人をモデルに精進してしまうと本人一人悦に入り周りからは曲ぶち壊し屋と異名を取る存在になってしまうのがおちとゆう恐ろしいことに。そんな人を私は知っています。こわ。
もとい。Ajaで何故彼が起用されてしかもダンには珍しいあの派手なソロを取らせたか推理。
この曲は韓国人の女性をモデルに書いたと確か例のAja解析ビデオで言っておりましたが全体には詞にも現れている様にどこか中華風。アメリカ人お得意の東洋一緒くたかな。グレムリン2の摩天楼の中に突然出現おじいさんの謎の中華古物店の有り様の中でどう叩いてもNYの香りがするガッドさん起用かなと思ったりして。ドラムソロはわいわいがやがや雑踏のイメージかいなと想像してしまうのですがいかがでしょう。
この頃のガッド氏はクスリ漬けでもうへろへろ、にもかかわらず大量のセッションをこなし殆ど一発録りでOKかますとゆう豪快野郎だったらしいのですが、この曲だけは2回やらされてしまったとゆう話を聞きました。さすがSD容赦ありません。ボツの方を聴いてみたい。
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試聴はここで。

4/30(水)
cover
Ed Greene

1945 in Brooklyn, NY


シリーズ「Steely Dan 探検」

シリーズ・スティーリー・ダン「Aja」攻略です。
「I Got The News」でドラム叩いてるのがエド・グリーンさん。
え、江戸を緑にする会会長。てのは無論嘘です。NY子でモータウンのバック・ミュージシャンでキャリアを積んでおるそうですが
あのモータウンですからどこでどうやってるのかわからんのだわ。で、有名なのがジェフ・ベック「ワイアード」への参加。2曲目カム・ダンシンでナラダ・マイケル・ウォルデンとのWドラムの片方で叩いております。えと、左側の方のドラマーが...ってわかるかい[(^o^)]。盛り上がるとこでビートが一瞬おたおたするとこが見もの。なんてね。久しぶりに聴いたら新日本プロレス来シリーズの参加外人は!なんて思い出したぞ。レッド・ブーツですが。
えーもとい。他に参加してるのがホール&オーツの「サラ・スマイル」が入ってるお化粧シルバー・アルバムと「ロックン・ソウル」。70年代の彼らのブレーク・アルバムです。ジム・ゴードンと共に参加。えとどの曲で叩いてるんだ。うーーん、わかるかい。断言できん。どなたか教えてくれ。あ、レコの解説でもごまかしてる。
ではではさらに参加してるのが、ロバート・パーマーのお尻「プレッシャー・ドロップ」。あ、これですこれ。ニューオリンズ側の曲はリトルフィート陣がバックしてるので違うんですが、都会ソウル・サイド、1曲目と最後は正にエドさん。おお、この音だ。こう聴いてみるとこの人が叩くと都会の匂いがしてきます。私、調子良いです<[~O~]>hahaha。
ステディで実に歌伴のドラムとして的確な仕事をする人です。あ、この人だと意識させないかわりに、この人がやってないとなんか違う、やっぱこの人じゃ無いと駄目なんだって思わせる木戸修のような存在。しかし「I Got The News」でのプレイはかっこいい。きりりとしまった弾む8ビート。ハネ具合が絶妙。この地味な人の底力を引き出すSDはやっぱ偉いねぇ。「I Got The News」はこのドラム有っての曲です。

リック・マロッタさんも同じタイプなんで同じような文章の展開になりそうで怖いぞ。
    ...明日へ続く

試聴はここで。