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今日の感謝盤一覧2006.01上

 

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1

1/1(日)
初日の出〜〜
cover
Live at the Rainbow
Focus
1973/12

シリーズ「プログレ支部」

*初日の出〜〜。
2006年最初のThAnk YoUはこのアルバムにしようと前から決めておりました、その名も
ライブ・アット・ザ・レインボウ/フォーカス。
完璧なシングル
「悪魔の呪文/Hocus Pocus」
の全く完璧では無い、しかーし超絶ナイスな演奏がB面にどかーんのライブ盤なのだ。録音は1973年5月5日子供の日。場所はロックの殿堂ロンドン・レインボー・シアター。製作は英国ブルースロック親玉マイク・ヴァーノン氏。ミックス・ダウン・エンジニアはロクシー・ミュージック、ジャパーンでお馴染みのジョン・パンター氏。ありそで無い豪華組合せ。73年と言わば1月そうそうに英国で悪魔の呪文とシルビア(ぎたん妻じゃない)がシングル・チャートで20位と4位を記録した年。返す刀でアメリカでも呪文が9位と正に人気絶頂期、ぶいぶい言わせて楽屋に入るなり「ウーロン」「はいお持ちしました」の世界でございます。メロディ・メーカー誌の人気投票でもグループ部門でイエスについで2位、シングル部門でシルビア(ぎたん妻じゃない)が2位、呪文が3位、アルバム部門では「フォーカスV」が3位、ティッジスさんが諸楽器部門で3位、ヤンさんがギタリストで何と優勝つうからそれも無理無し。どうぞ思う存分ぶいぶい言って下さいまし。その勢いがそのまま演奏に反映されておるから文句無ーーし。勢い余ってパンキッシュ、ラフ気味なところがまたワンダホーであります。何が洋楽で楽しいって言って、音が生々しく、出来が最高ならミストーンなんてーのは完璧のうちだの姿勢だぞ。そして個人的にやたらと嬉しい。フォーカスってやっぱフランク・ザッパ大明神大好きなバンドだってことを再確認。第1期マザース後半(いたち野郎周辺)とホット・ラッツの頃の臭いがぷんぷん。どこがってギター・ソロだーな。うにゅーぷりぷりぷりぷりって入る感じやら、そこへ突入する瞬間の間やら。曲で言うとフォーカスUの中盤展開、モロそれなところがザッパ氏の曲にあります。直後に「ザッツ・ラ〜イト!」って言ってアイム・ザ・スライムに突入しそう。してB面のメガ・ホーカス・ポーカス。この曲はホット・ラッツの1曲目。あの名曲「ピーチズ・アン・レガリア」の変奏曲かと思い。2曲同時にお送りしますって右左一斉にかけたら非常にマッチするかと思います。なおこのライブではリプライズでモーターヘッド並の超高速ヴァージョンで再登場。これがまた最高。そのまま爆発しそう。イラプションはバーント・ウイニー・サンドウイッチだな。嘘じゃありませんってこんなこと書くとフォーカス・ファンの方々に大激怒されそうですけど、まあ怒らずにザッパさんもどうぞ。シンパシーな音楽があります。嬉しいってば。本人達は日本盤LPに付いてるインタビューでザッパはんのザの字も言ってないけど。これ偶然だとしたらなお凄い。してザッパ氏の音楽と違いますのはより直球ロック、屈託の無さの魅力。聴かばちいとも難解でなくかなり愛嬌満載のパ氏の音楽だけどさすがにシルヴィアみたいな曲はやらん。そのまま日本語付けて歌えば今でもそうとうヒットするんじゃないかと。このライブではろくにエフェクターかけてないむき出し音でのメロディなぞり。最高です。今のジャストな音楽に慣れてる若い衆には何とも雑な演奏に聴こえてしまうのでしょうか。まー、何と気の毒な。耳が機械になっちゃったのね。誰が聴くのか人が聴く、誰が演るのか人が演る。思い、熱溢れれば音も溢れる。これがロックのライブ盤つうもんだ。

曲目等詳細

試聴はここで

1/2(月)
毛虫ちゃんGO
cover
Standing on a Beach
The Cure
1986

シリーズ「新波倶楽部」

*おおおもう1月も二日だ。早いなあ。ならば新春第2弾のThAnk YoU盤は、完璧なシングル
「毛虫ちゃん/The Caterpillar」
/ザ・キュアーだ。
で、毛虫ちゃんを聴くならこのジジイ・オン・ザ・海岸アルバム「Standing on a Beach」で聴こう。又は「Standing on a Sea」とも言うらしく共に1曲目アラブちゃん大好きの歌詞から取りました。デビューから85年までのシングル集です。キュアと言えばロバート・スミス君。この方、普通なら子供から大人になるところ、子供から中学生を経て、一旦たれ、いきなしキャラ、ロバスミくまになって世に現れたっつう稀有な存在です。その境目が10.首吊りの庭から11.ベッドに行きましょのとこ。LPではそこでA,B面に分かれ、まー正に蛹からチョウチョのごとし。男の子は泣かないでじっと我慢してたのね。そして「毛虫ちゃん」。チョウチョになって歌う。始めて見たのは皆さんはいつですか。この曲のPVを。私はなんだろ。確かボッパーズMTVかな。いやびっくり。デビューの頃はちょっと目立たないながら目立ってた存在だと思ってて、失礼ながら忘れかけてた時の衝撃の再会。見たとたん一発でやられたぞ。こんなオバカな歌を歌える正しく育ってお母さんはうれしい。



ぴくぴくぴくぴく
行っちゃうよ
かたかたかたかた
毛虫ガアル

とろとろと流れて嫌んなってるハートを直撃
おー、行かないで行かないで
僕のレモンの巣を
ピンクで甘い粉でいっぱいにしてちょーだい
僕が止まる日には君は変身
そして僕のところから
飛んでいってしまうのねー

君はぴかぴかして とおっても綺麗
僕の中でどんどん成長して
僕は催眠術かけられぱなし
しびれちゃった
君の炎 めらめらしてキスされちゃったら死んじゃうよ
僕のレモンの巣を
ピンクで甘い粉でいっぱいにしてちょーだい
僕が止まる日には君は変身
そして僕のところから
飛んでいってしまうのねー

ぴくぴくぴくぴく
行っちゃうよ
とろとろと流れて嫌んなってるハートを直撃
おー、行かないで行かないで
僕のレモンの巣を
ピンクで甘い粉でいっぱいにしてちょーだい
僕が止まる日には君は変身
そして僕のところから
飛んでいってしまうのねー

かたかたかたかた
毛虫ガアル
てくてくてくてく
毛虫ガアル
かたかたかたかた
毛虫ガアル
てくてくてくてく かたかたかたかた
毛虫ちゃん



イントロのピロロンピロロンつうピアノから「ふうふうふー」って青春コーラスから永遠に直らない蓄膿症の声からもう何もかも毛虫ちゃんをこれほど活写した歌はかつで有ったでしょうか。全世界昆虫愛好の友垂涎のソングであります。最後がまた。ああ、行っちゃったーって。お見事!幕引き。真っ黒縁取りお目目を360度くるりんくるりんさせて歌うこの瞬間、ロバート・スミスはロバスミになりました。次はさらにロバスミくまに変身。ここではこの「毛虫ちゃん」をパーフェクト・シングルとして讃えさせていただきましたが、実際は11.ベッドに行きましょからB面全部完璧だ。ラブキャッツなんぞまあニャロメも大喜びニャロメ。あ、毛虫ちゃんはケムンパスでやんす。もちろん次のクマ・ソングも完璧。このしょうもなく愛くるしい佇まいでキュアは特別な存在です。なーんも無理せず抜けました。

曲目等詳細

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1/3(火)
それでも正しい
cover
Tusk
Fleetwood Mac
1979/10

シリーズ「ヒット王」

*私が知ってる限りでは・・・・・
幸福なブルースロック・バンド時代からマック音楽へ頭を欠いた状態で突入し、いつも誇れるものを作り出すもどうにもこうにも売れず、それでも頑張り、どん詰まりでアメリカにて若い衆を発掘。名前はもう有り。後は・・・来いと待ち受けていた聴き手にびたり。嘘のようにブレークした「ファンタスティック・マック」。いきなしの大成功の中、ニックス=バッキンガム、マクヴィ=マクヴィ、ミック=ボイドの3組のカップルが破局。音楽はでも止められない。苦闘の末、産した「噂」は全米で900万枚の売上げ。同時期、花開いた苦労組の成功の先頭を行ってレコード業界に好景気をもたらすと。アメリカン迷える30代に音楽と職を与え。77年12月に日本公演。見ました。日本の一アホガキにも今こうしてまだ音楽びったしの原因を作り。ようやくハワイやカリフォルニアにてヴァカンスに出発。78年夏ロサンゼルス・ヴィレッジ・レコーダー・スタジオにて新アルバムの録音開始。2月出来立ての超高級スタジオ。その一番賃料高いDスタジオを6ヶ月借りたんだと。ニーヴのコンピュ・ミックスの最新卓装備、週の賃料2万ドル・・x4x6としても50万ドル=当時は1ドル/約180円、だとすると9000万くらい!!てか。音楽を録音するのに9000まん。発表時の79年はレコード業界不況に突入。ディスコの波も納まってパンクなどとゆう破壊屋が登場、ホテカル効果もじわじわ来たか、それまでの音楽に皆しらけ気味、何よりマックら自身が巻き起こした言わばバブルが弾けて元に戻って、リストラの嵐。マック再び立ち上がるってんで仰山の赤子を抱えたレコード業界のお父さんお母さんの期待も一心に集まる。そんな中、バンドはとゆうと仲がいい、悪いをなんてえ話はとっくに通り越し。ミック親分は相変わらずでかく、マクヴィ親父は酒臭い息で何とか生きており、クリスティンさんは超然と騒がず、ニックス嬢は私が美しくちゃんとやってくれればいいのよ、バッキンガム君は髪を切り落とし心も尖がらせていた訳だ。アルバムを手に取りまず仰天は豪華装丁。1スリーブに二つの袋。その中にまた袋。昔の化け物ジャケが嘘のような美麗写真満載。バッキンガム氏に皆が寄り添い「何とか頼む」の図。クレジットには「スペシャル・サンクス・トゥ・リンジー・バッキンガム」の記載。同じバンド・メンバーなのに。番号2と記されてる写真では部屋一杯に各人が離れミック親分は逆立ち、マクヴィ親父はもうあかんと両手広げ、ニックス嬢は天井に張り付き、ふんと両手ポケットはクリスティンさん、それを待ってくれとバッキンガム氏は最後方で手を上げる。写真3ではバッキンガム氏が一人ぼっちでマイクに背を向けているの図。誰もいない海岸。4では誰もいない部屋。盤はクリスティンさん作「オーバー・アンド・オーバー」で静かに幕開ける。


あなた方は私を必要としたかも
それがどんな具合だったか知ってるでしょ
私達の時間を無駄にしないで
今こそ私に教えてください
あなた方がしなければならないことは、私の名前をはっきり言うことです
そしたら私はとにかく走ってやってくるでしょう

そして私は言う
私になれるかしら
本当に 本当に そうなれるかしら
再び また再び

私をのけ者にしないで
そして落ちこまさないで
何が私に出来るのか
貴方をそうさせるために

再び また再び
再び また再び


ここまでで、そしてこれを聴いて覚悟しないものはおらず。9000万円をかけて作り上げた音はあれほど落とすものは無かった音をさらに削ぎ落とした音の数々。静かに静かに最後まで20曲。1曲1曲精魂込めてPOPミュージックの真髄を極めた前2つとは明らかに感触異なり。ここで、この時間で出来うる音楽しか出来ないのは当たり前で、それをやった半年以上かけて。これまた最上。文句など言えるはず無し。

なぜならいまだ基本的に正しい音楽であるから。

アルバムは最高位4位。シングル、タスクは8位、サラは7位、シスターズ・オブ・ザ・ムーンは86位、シンク・アバウト・ミーは20位。
結果は惚れた人には無関係。しかし当人達にとってはこうゆう立場になってしまったからにはでかく有り過ぎたかと。

曲目等詳細

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1/4(水)
ペングイン
cover
Penguin
Fleetwood Mac
1973/1

シリーズ「ヒット王」

*フリートウッド・マック1973年の作品「ペンギン」。人呼んでウエルチ・マック時代。別にリーダーが彼って訳じゃなく、在籍していた時代で、どの雑誌、ロック本見ても大抵は過渡期過渡期過渡期ってカトキチじゃあるまいしエビフライ。後に大ブレークしちゃったせいで気の毒ったらありません。結果のみ、売上げだけで音楽を見るのは全く正しくない。後年歓迎されざる先入観ぶらさげちゃうじゃないか。聴かばわかる聴かばわかるさ道があるダァ。まあ悪いことにウエルチさんてば突き抜けないとこに魅力有りとも言え、そんなんに拍車かけちゃうんだけんども。この時期のマックさん、寒中忙あり。前作の「枯木」が全米最高位70位ながらプラチナ・ディスクに(英国では全く駄目)。さあ行こうとなったのに、フロントマンの一人、ダニー・カーワンが脱退してしまいました。これでピーター・マックの3人ことごとくいなくなり。さあ困った。親分得意のスカウトお願いします。はいなとミック親分、誘って来たのが歌でお願いします元サヴォイ・ブラウンのデビッド・ウォーカー氏。そしてロング・ジョン・ボルドリー氏と一緒にやってたギターのボブ・ウェストン氏。2nd鍵盤でスティーブ・ナイ氏。見事なるブギ兄弟人脈で大丈夫か方向性。大丈夫。アルバムは人は変われど己は変わらずのクリスティン・マクヴィさんの「リメンバー・ミー」で幕開け。シングルにもなりの、しかし全くヒットせず。何故だ。噂マック以前最も噂マックしてる曲だ時が時ならベスト15内当然です。スライド・ギターは新加入ボブ・ウエストン氏。疾走ナイスファイト。ランイング・オン・エンプティ思い出す。スライド・フューチャーのマクヴィ作と言えばタスクのシンク・アバウト・ミー。これはリメンバ・ミー。双子だ。



あなたがしなければいけないことといえば
そんな感じで私を見つめることだけ
あなたは言わなければ
ハートでどんな風に感じ始めているか
そして夜遅く
あなたが私を扱いかねていると思う時
望みと言えばただ、多分、
あなたが同じように感じていることだけ

私はあなたがほしい、そしてとっても必要
他に何も私にはわからない
あなたには無いの、あなたには無いの、あなたには無いの、私を思い出す時が

だから私はお願いする
私をほおっておかないで
それは全く理不尽
だってあなたはわかっているのに
私はあなたを感じてる
それは恋なんかじゃないかも
それとも永遠の感情
で私はあなたにめろめろ
貴方の名前を思っただけで

私はあなたがほしい、そしてとっても必要
他に何も私にはわからない
あなたには無いの、あなたには無いの、あなたには無いの、私を思い出す時が



片思い恋歌であります。なのにやっぱし女性は強し。ツルマルツヨシ。やたらめったら決然としとる。得意のお言葉シラブル各所に。「All you have to do〜」、allなんとかとhave toがいつも出て来るだよ。「全て〜〜〜しなけりゃならぬ」。がひーん。音はと言えばブギメン3人の投入の結果か、ボトムくっきり、不必要な音なし、それもあり噂マックに一番近し。近けりゃいいのかと問われれば、「はい」。結局好きだ噂マック。すまぬ。ここで心充分にほぐして下さい。2曲目でウエルチ・マックどまんなかします。地上30cm浮遊してるぞ。ボブ名曲の一つ。3曲目はモータウンなマクヴィ作。この作風はこの時期しか聴けぬ。4曲目はあまたのバンドがカバーしてますホーランド=ドジャー=ホーランド作ジュニア・ウォーカーさんのロードランナー。歌・ハモニカはウォーカーつながり?新加入の野蛮デイブ・ウォーカーさん。ぴりりと締まったフォンキイ・ソウルでチェンジ・オブ・ペース。これが楽しい。ここでLPなら裏返し、5.ザ・デレリクトは続いてウォーカー氏フューチャー。ザ・バンド思い出す寒い国の茶色い歌。バンジョー使用はもうこの頃から。一世一代の名曲だと思う。6.リベレイションは私だっていますボブ・ウエルチさんの丸ごとボブなブルース。ああうえるち。はまると抜けられぬ味。7.ディヂュー・エバーー・ラブ・ミーはもう一枚のシングル。珍しやウエルチ=マクヴィ共作、ただし歌はマクヴィさんとウエストン氏のデュエットで。これもなんでや。ヒットしないのか。零下2度の南国なのに。スティール・ドラムのぺこぽんがまあ気持ちよくて。8.ナイトウォッチは再びウエルチ作とつとつとバラード。後半の高揚を引き継いでラストはウエストン作インスト「コウト・イン・ザ・レイン」。マック伝統の一つはこの世のものとは思えぬ美しいインストであります。また一つここに1曲加わりました。
もう大好きなアルバムです。バラエテー抜群楽しさも配曲もメロの粒も演奏も。過渡期過渡期過渡期ってカトキチのエビフライ。エビフライってご馳走じゃんか。

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1/5(木)
ボブ2061
cover
Big Towne, 2061
Paris
2061

シリーズ「ギター屋」

*げに恐ろしきはボブ・ウエルチ病。罹患すると熱は下がらず。当然パリスが恋しくなります。ブラックメンばっかのローカル・バンドからフリートウッド・マックでミュージック世界の表舞台袖に出たものの、時代と微妙にずれ続けての苦闘また苦闘。74年の「クリスタルの謎」で最後のご奉公、力の限り力を抜いて頑張った後、おら疲れた止めさせてもらいますと脱退。皆も苦労かけたねと暖かく送り出してくれまして。脱退したものの何をしよか。お金も無いしルックスぴったしだしドナルド君になってバイトしようかとは考えず、たまった鬱憤晴らすかのごとくハード・ロックをやるぜとすぐさま75年にパリスを結成いたしました。どがんとかましてどーかと見ればうまく行ったぜ、なーんと俺かっこいいじゃんの音楽完成。やったねビルボード・アルバム・チャート最高位103位だ。海の向こうでもヤングジョッキーでポルシェ渋谷とかゆう人がプッシュしてくれたし、昔のこと何にも気付いてない方々が新しいファンになってくれたし。すぐさまの2061年に2nd「大都会2061」レツゴー。ドラムズが元ナッズのトム・ムーニーちゃんから、紹介されたのかトッド・ラングレンつながり、彼の初期ソロで活躍のセイルズ兄弟のハント・セイルズ君に交代です。後にボイちゃんのじんましーんティン・マシーンで復活の方。製作とセンジニアはマック時代「枯木」、「クリスタルの謎」で仕事をしたボブ・ヒューズ氏。フライング・ブリトー・ブラザースの1stやザッパ氏「アポストロフィ」などエンジアリングした方。アメリカンな人だどーなるんだ。元々勢い一発、2枚目は考えてたんだか考えて無かったかどーなるんだ。こーなりました。まだまだあ。かっこいいぞ奇跡だぞ。さすがに2枚目となると気合入りっぱなしって訳にもいかず、ロバート・ウエルチから本来の(勝手に決めていいのか)の脱力キャラ、ボブ・ウエルチに半分なりかかり、ほら怪物くんの狼男が月見蕎麦にらんで必死に変身したら半分だけ変身したみたいな、それがまたええ按配にグロテスクで、いやすまん、キャムプで最高だよ。引き継ぐはもちろんゼップも入道したブリティッシュ・ファンクなロック、転じてハードロック。まずもってタイトル曲の「大都会2061」。大門刑事も大喜びのぶっ飛びだぞ。

大都会 2061
ほー
若い娘が一列で待ってるさ
大都会は時代に先駆け
物書きはその大喜びの国で成長
手に持った毒毒のペンでもって
そのお話全部聞かせておくれな
地べたでこそこそしてないで

大都会 2061
大都会 2061

物事はとってもセクシャルに
とっても言えないくらいに
リンゴジュース、リンゴジュース
終わり無きグルーヴ
光の中で
だらだらぶっ飛び

大都会 2061
大都会 2061


2061の最後の「わんーーー」のところで昇天します。痩せ犬の遠吠えみたいに切ないよ。ウエルチ氏、ギター上手い!特にノン・ディストーションのペコペコ音のプレイが。ハードロックで掟破りのペコペコをこれだけかっこよく聴かせるって偶然?。じゃないよな。最もロバートさんがボブさんに変身してしまった曲は7.の「ハート・オブ・ストーン」。どうしましょ次のソロに片足かけてます。チンドン屋さんみたいなおポンチな鍵盤ソロ大好き。シングル・ヒットさせてあげてくれよー。今からでも遅くない。こんなんやっちゃたら後はもう敵無し。好き放題ジャズ風しちゃったり壮大なるオーケストラは雇えないのでシンセでやりましたラスト曲とやりきったぜ。あとはどうなるんだろと途方に暮れてたらマックが大ブレークだ。俺はツいてないけどツいてる。
うちではこのアルバム、まほさん所有のLPでずっと聴いております。CD化の話聞かず、どうなってるんだと思ってたら2002年にひっそりとされているのを発見。しかもまだ3年しかたってないのにもう入手難の模様。お、アマゾンで中古があるよ。3851円!元値より上がってる!9800円!!。ぐお。どうしても聴きたくなったら聴きたい、我慢できんってバンド、パリスの所以か。探せば逆高値で存在する可能性も。アナログはたまに遭遇します。1000〜2000円くらいでしょうか。音楽と物の値段について考える。

曲目等詳細

試聴はここで

1/6(金)
犬?
cover
The Other One
Bob Welch
1979

シリーズ「ギター屋」

*新春Mrボブ・ウエルチ特集の今日が最終日です。
ソロ3作目の「ザ・もう片方」。時は流れて日が暮れる、パリスでどっかんどっかんの最中に古巣マックが新メンバー陣容で大ブレークいたしました。びっくり仰天か歯軋りして悔しがったかニコニコして喜んだか。問題です。さてどれでしょう。人間だから全部かな。その勢いでちょうどパリスで思いの丈やりきったとこでもあり、ボブちゃん自身にもソロ・アルバムの話が。チャーンス!。手持ちのエース曲といやあマック時代の「センチメンタル・レディ」だと確信、ケンカ別れじゃなくて良かったね、マック・メンバー協力の元、全米最高位8位の大ヒット。そうなると世間は現金なものでこんな素敵なミュージシャンおったのかと1stソロから3曲、今だと出した2ndから1曲の計4曲のTOP40ヒット出現。4曲ものヒットとなるとこりゃもう大スターの仲間入りです。全部自作だったしかなりの収入があったのではないでしょうか。ああ、うらまやしい。生活が楽になった以上にミュージシャンとして活動しやすくなったと想像され、3作目のこの「もういっちょ」もすんなりと出せてファンにとってもそりゃ大喜びでござる。と申してもわたしゃ今頃入手して聴いたんだすけんど。すまぬ。ずっと聴いてたファンなら誰もがチャンスだって思えボブさん本人同様、「センチメンタル・レディ」のリベンジ・ヒットに喜んだんだけど、アルバムはどうも普段大人しくしてたおじさんがいきなしカウンターの上に乗って腹踊り始めたような気恥ずかしさとか感じちゃったりして。豪華ストリングスとかあったし。私も4曲ヒット後には良かったねとそこで一段落しちゃったような気分になり。時が時だけにNWに目が行ってしもうたこともあり。って弁明にやっき(^0^)。とゆうのも真打はここからだったのね。この3作目とんでもない大傑作です。いやー忘れてたウエルチさんって誰も想像してない時に走る穴馬気質の人だもんな。今回はマック・メンバーの協力は無し。内情大変でそれどころじゃ無かったのもあるんだろうけど。自身のバンドを組んでのもの。製作のカーターさんって誰だ。大統領か。違うか。ドラムスのドン・フランシスコって凄い名前の方は初代スティーリー・ダンのボーカル、デビッド・パーマー氏が作ったワクーってLAバンドのメンバーだった方。鍵盤のデビッド・アデルステイン氏は前作から引き続き参加、後にスティヴィー・ニックス魔女さんのベラドンナ、どんな?に参加。ギターのトッド・シャープ氏も前作から、後にミック・フリートウッド親分、クリスティン・マクヴィさんのソロにも参加。ソロ作も2枚。7.の「ワンオンワン」で生ギター・ゲストのロジャー・ヴードリス氏はこの79年に「Get Used to It」つうそりゃもう素敵なAORナンバーを最高位21位とヒットさせた方。ベースのブラッド・パーマー氏は後にアメリカのバンドに入った方と思われ。だいたいLA人脈だな。花より実の陣容。一聴いたすとえらい地味です。弦やらラッパは無し。何より引き込まれてしまうのは安堵感と申しますか、実に力が抜け切った走りで。ようやくの成功でそれがもたらされたと思うのは単純かな。普段からほけほけ気味のボブさんがさらに力抜けるとどうなるか。あら不思議、あのアクの強さがスッっと消え、消えはしないな、なんつうか臭みが取れてええ按配の香りに。3曲のバンド・メンバーの曲も、よっぽどチームワークばっつぐーんだったか言われなきゃわからん溶け込み方で。フューチャー・ゲームの透明再演もあり。味としてはイアン・ゴム氏の「サマー・ホリデイ」アルバムとかなりシンクロします。同様に好きな音楽をやっとのびのびやってるって感じ。しかるに誰にも言われること無くハード・プレイ化します。もう何回聴いたことか。もしかするとここまでで一番好きなアルバムかもしれません。
さてCDでは98年に次の「Man Overboard」との2in1で。やーおトクだと思いきや入手難気味の模様。アマゾンでの中古はアメリカのお店以外日本のお店では6763円、7943円と凄い値段だ。パリスもそうだったけど、これで売れるとふんでるのか、さすればもしかしてボブさんって本邦じゃ物凄い人気?あるのかな。ファンの方おりましたらROCKSにコメント下さいまし。

曲目等詳細

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1/7(土)
ウルフマンに拍手っ!
cover
Did You Boogie ( With Your Baby )
Flash Cadillac & The Continental Kids

1976/10

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
Did You Boogie ( With Your Baby )/
Flash Cadillac & The Continental Kids。
1976年の10月に全米TOP40ランクインのハッピー・ハッピー・ロックンロール・ナンバーです。この曲で大フューチャー、吼えに吼えてる御仁が
Wolfman Jack!わおーー。
これだけ一発ヒットのフラッシュ・キャデラックちゃんには申し訳なかですと、この稀有なるナイス・キャラ、「完璧なDJ」を讃えたいっ。
60〜80’sでアメリカのヒット曲に興味を持った方ならどなたでもFENを楽しんだ経験がおありになるかと。そしてやってれば必ずわかる、楽しんじゃった番組が「ウルフマン・ジャック・ショー」。英語ですからー、何を言ってるかわからんけど、あのだみ声狼声でノリノリ、時には一緒に歌いだしちゃうの聴いてるだけで嬉しくてしょうがなかったぞ。ボソボソ言ってるだけの辛気臭いロック番組とは180度違ったもんね。いったい誰だったんだウルフマン教えてくれウルフマン。♪ウルフマン76年の叫び♪
 ウルフマン・ジャック、本名はボブ・スミスさん。1938年、ニュー・ヨークはブルックリン生まれ。ガキの頃からラジオ大好き少年で毎日毎日ラジオばっか聴いてたそうな。憧れDJはドクター・ジャイブ、ジョッキー・ジャック、プロフェッサー・ボブ、そしてシュガー・ダディ(この方は知ってる!フィラデルフィアの伝説さん)。16歳になる頃にはいっぱしの不良、悪ガキどもとありとあらゆるオイタを街でやらかしていたと申します。そしてラジオへの愛情益々、ロックン・ロールなる言葉の生みの親、アラン・フリード氏にぞっこんとなって、会いたくて会いたくて、ついにはパラマウント劇場に突入、見事パラマウントの雑用係となる。
そんなこんなでニュージャージーのラジオ局修行、そして放送学校に夜学で通い、昼は訪問販売セールマンで生計を立てる毎日。高校中退であるにもかかわらず最優秀の成績で卒業、これには自分でも呆れてしまったらしい。
最初のラジオ・ショーの仕事はヴァージニアのWYOU-AMにてゲット。最初の芸名は「ダディ・ジュールズ」。最初から斬新だったそのノリノリ・スタイルは大評判だったそう。62年にKCIJ-AMとゆうところで自分の番組を始めて人気をさらに得て、それでももっともっと全米中で吼えたいよーと思った彼は「ウルフマン・ジャック」とゆうキャラを発明、メキシコの(なぜメキシコ?)ラジオ局に移籍してやりたい放題始めて狼男伝説がレッツ・ゴーとゆう次第であります。
何よりも人気振りを物語りますのが、彼をゲストに迎えて吼えて貰った全米ヒットが3曲もあるとゆうこと。
まずは”ザ・アメリカン・ウーマン”カナダの豪力バンド、ゲス・フーの74年8月エントリーの「Clap for the Wolfman」。ずばり「ウルフマンに拍手〜」。思い切り讃えられて嬉しそうに返すご本人。ちょっと恥ずかしそう。何と最高位6位だぞ。
 次なるはStampeders76年4月の「Hit the Road Jack」。同じくカナダの、こちらはカントリー・ロック・バンド。曲はご存知レイ・チャールズ星の名曲。最初に会話で参加、後半我慢出来なくなって曲に乱入です。これ自分の番組でかけたら自分に自分で突っ込むってことになるわ。最高位40位で2週だけエントリー。同じ週に「サラ・スマイル」、ELOの「ストレンジ・マジック」が入ってくるって感じですから、相当浮いておったかも。
 そして真打。Did You Boogie ( With Your Baby )。
ウルフマンさんの人気がいよいよもって絶頂になりましたのが映画「アメリカン・グラフィティ」への出演ですから、この正に黄金ロックンロールはイメージともどんぴしゃり。しかもメロディ極上、やるは全米屈指の色物音楽芸人集団フラッシュ・キャデラックとコンチネンタル・キッズってんでもう大ノリでござい。もちろん冒頭から叫び、突っ込んで、しかも今回はコーラスにもしっかりハモリで参加、あまりにもアクが強くて目立ちに目立っちゃうとゆう。バンドがもう大真面目でしっかりやってるからおかしくておかしくて。最後にはサビにも乱入、思いっきり音程外すぞ。

(ウルフマン)
あー、君君、初めて始めた日の事を覚えているかい?
そして君の一番さんと二人っきりになるために行ったあの場所のことも?
うえーる、この曲をそんな一杯沢山の君の美しい思い出のために捧げよう。

(歌)
君はあの映画館の後ろの席で君のベイビーとブギしたかい?
ブギしたかい?他にはいくとこなんか無かったでしょう
で、真っ暗になったとたん
映画のことなんかすっかり忘れちゃってさ
そう、君はあの映画館の後ろの席で君のベイビーとブギしたかい?

へい、リトル・ガール。それは遠い昔
僕らはほんと二人っきりで歩いて
でさリトルガール、雨が降ろうが雪が降ろうが
僕らが行った場所を思い出しておくれ

君はあの映画館の後ろの席で君のベイビーとブギしたかい?
ブギしたかい?他にはいくとこなんか無かったでしょう
で、真っ暗になったとたん
映画のことなんかすっかり忘れちゃってさ
そう、君はあの映画館の後ろの席で君のベイビーとブギしたかい?

(ウルフマン)
時々俺は考えるさ。今現在俺達の生活に愛やロマンスがいるだけ残ってるかって。
だからさもう一回思い出したくて。一番最初の恋のドッキリを。
そしてできりゃあもう一回それをしたいもんだ

(歌)
ヘイ、リトルガール。どうしてあそこに来てくれなかったんだ
そばにいて、信じてくれて、そして言ってほしかった
どうして残っていてくれなかったの
二人っきりのパーティをするために

君はあの映画館の後ろの席で君のベイビーとブギしたかい?
ブギしたかい?他にはいくとこなんか無かったでしょう
で、真っ暗になったとたん
映画のことなんかすっかり忘れちゃってさ
そう、君はあの映画館の後ろの席で君のベイビーとブギしたかい?

ウルフマンさんが参加する以前にもうこの曲は大名曲です。で乱入してくれて超大名曲に。最高位は29位、6週しかエントリーしなかったけど、思いっきり脳の音楽皺に深々と刻まれて。ブギしましたよウルフマン、この曲で貴方と一緒に。

聴いたことは無いけど72年に自身のアルバムも出してるそう。そんでもってトッド”長顔”ラングレン氏のずばり「ウルフマン・ジャック」曲。95年に星になっちゃったけど、今でもどこかで吼えているような気がして。そう思いたく。吼えてるな。ディヂュー・ブギを聴けばいつでも。狼男だし。不滅です。

試聴はここで

1/8(日)
トルコ式白ファンク
cover
Turkish White Funk Preacher
Arif Mardin


シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「トルコ式白ファンク伝道師」
プロデューサー、アリフ・マーディン氏による数々の完璧ちゃんを是非ともぜーひとも讃えさせて下さい。
70’sのオヘソ、74年から76年にかけてファンク、ソウルの魅力を肌の色、国を股に架けることでぐっと親しみやすく気付かせてくれた大恩人がアリフさんであります。この方がもしおらなかったら、やっぱり同様のことが起こったかもそりゃ知らんけど、まったく違った肌合いになったに相違有りません。
生まれは1932年、トルコのイスタンブールにて。イスタンブール大学で学び、イギリスに渡ってロンドン経済学校に留学、音楽はあくまで趣味だったそう。1956年にトルコに戻った時、当地にツアーに来ていたジャズ・トランペッター、”膨れるホッペ”ディジー・ガレスピー氏の公演を見て大ショック、雷に打たれて俺の進むべき道はこれだと。そこは頭脳明晰さん、奨学金を得て渡米、バークリー音楽大学を61年に卒業なさった。さあ音楽業界に何とか入りたしと奔走しておりましたところ、いたーー!。しかもジャズ好きには憧れのレーベル、アトランティックに。プロデューサー、アーメット・アーティガンとゆう人が。この方もトルコはイスタンブール出身。こうゆう時同郷ってのは強いだろな。見事、兄弟の同様に重鎮、ネスヒ・アーティガン氏のアシスタントとして入社、やばい話はみんなトルコ語でってもんで、ははは。そこでジェリー・ウェクスラー氏、トム・ダウド氏ら蒼々たる面々に囲まれてのお仕事。転機が訪れましたのがジャズ同様、アトランティックの2本柱ソウルとの出会い。特にアリサ・フランクリン嬢との数々の名作は黒のど真ん中魅力を確実にゲットした重要なものかと思う所存であります。同時にそこは異邦人、この魅力はブラックさんでしか出せないのであろうか、俺だってとりつかれたし、もしかして肌の色を超えたらもっともっと皆にわかって貰えるのでは無いかとゆう発想が。もしかしてー。ソウルの躍進と同時にどかーんと来ていたロック、素晴らしい音楽は見逃さぬアトランティックはもちろんそれも見逃さず、アリフさんにもその当時は暴挙だったかもしれん挑戦のチャンスが。ヤング・ラスカルズとの出会いだ。見事大成功。グッド・ラヴィン&グルーヴィンの大はまりヒット。そしてかつての英国留学って経験も影響したのでしょうか、肌の色だけじゃなく海をも超えたらどうなるかとの初挑戦は、ぴったしの人材、ダスティ・スプリングフィールド嬢で実現。名作「
Dusty in Memphis」の誕生なる。時は70’s直前の69年。70’sに入って立ち会うはダニー・ハサウエイ氏との遭遇。ニュー・ソウルのど真ん中!。さらにポピュラーな魅力を持ったソウルの誕生でうずうずしてた時にアトランティックにまいりましたピッタシの東部二人組、それはオーツ&ホール。時は72年。続く73年の「Abandoned Luncheonette」で頂点に到達した、もう真っ黒な演奏陣にての白黒合体音楽は、売上げはあかんかったけど確実な成果をば達成したぞ。確かだ。ではさらに東に。ファルセットを自在に操るグループがいるでは無いか。それはビー・ジーズ。ちょうど低迷期に入っていたギブギブギブさんにとってこのとんでもないアイデアを持ち込んだピカチュウなトルコおじさんはどう写ったのでしょうか。何はともあれ失うものは何も無いとお仕事。出来ましたのは74年の「ミスター・ナチュラル」。成功せず。マーディンおじさんの偉いところは、製作総指揮とは言ってもけっして無理するような点は見受けられず、あくまでミュージシャンの己力をじっと見つめて、進むべき方向だけをアドバイス、出来るのを我慢して我慢して、それってプロデューサーの鑑だと思う。ですから最初は売上げ的にはたとえ失敗しても、何かを為しえた、掴んだとゆう感触で信頼厚く、さらに先に進めたのでは無いかと思います。そんなアリフさんの望みが実現した最初は思わぬとこから。さらにソウルな場所から縁遠いとこで生まれたアヴェレージ・ホワイト・バンド。ファンク・アレルギー濃厚なイギリスから渡って来た悲しみの天使達。既に自分達の音楽を獲得、アリフさんの思ってた世界ともピッタシだったから話は早し。最高の環境で、ちょっと後押しして上げただけで、あらあら、とてつもない名曲でいきなし全米ナンバー1だ。75年の最初のこと。インストってのもたまたまだろうけど、何かしらのアレルギーを払拭、白い人が黒くやるってことに慣れてもらうにはラッキーだったのかも。けっして最初のことではなく既にブッカーT&MG’Sで実現していたものの、でっかいイメージてのはなかなか分厚いものだろうし。一回突破すれば後は自然と風が吹きます。いよいよ大巨人ビー・ジーズのおなり。その年の6月に問題作
「ジャイブ・トーキン」
でチャート復帰。みんな、何が起こったか、信じられん目が点状態のまま、すちゃらかすちゃらか、自動車のエンジン音をヒントにしたファンキー・ビート(どんな車だったんだろう(^0^)。故障してたのかいな)に夢中。あれよあれよと7週でTOPに。音楽で高い壁を突破する一番簡単で難しい方法はとてつもなき名曲を作ることです。それをアリフおじさんの期待に答えて見事実現。続けて同じアルバム「メインコース」から
「ブロ−ドウエイの夜」
まるで憑き物がとれたかの如き、名曲攻撃なり。恐ろしきはチャート世界、多くの人の把握せざる嗜好の結果ですから、いくらいい曲でも1曲だけだと無常にもそれだけ一発屋さん扱いに。特に米チャートだと名前より曲なりなので、二曲目がその意味ではさらに重要かと。まあどれを切っても名曲揃いのアルバムだったから安心も、この曲はインパクト強大で、「本気だこいつら」と天下に知らしめたなり。10月にランクイン、最高位7位。
そして同アルバムから3曲目
「ファニー」
アルバムをもう買ってた人はにんまり、まだの人は「ビー・ジーズはやっぱメロディだよなあ。」と言っておったであろう76年に入った1月。今度はバラードです。極上メロディ、しかし昔とは確実に違う、ソウルフル、しかし黒の味わいとも別。こんなの出されたらもう文句は言えず。残された手はバンド全肯定か全否定しか無しだな。最高位12位。
76年はいよいよ世にディスコ時代到来。ぐわっとその風逃げず避けずにのジャケットが象徴的な次のアルバム「Children of the World」が9月に登場。アリフおじさんは役目を終えて、製作はビー・ジーズ自身で。こうゆうとこも偉いよなあ。なかなか出来ることじゃ無いと思う。しかしスピリッツと音楽は確実に受け継ぎ。先生、恥ずかしいものはけっして作りません。シングル第一弾は先行で7月ランクインの
「You Should Be Dancing」
本格ディスコ曲第一弾。ドラム・バスドラ4つ踏みが冒頭から高らかに。そのままじゃ何の変哲も無いリズムを、他の楽器を絡みつかせることで心臓の鼓動で行進する躍動感、もうディスコのツボを最初から鷲掴みです。当然ながら8週目で1位獲得。
2曲目のシングルは、アルバムの登場を後押しする10月に。
「Love So Right」
どんなに踊ってもこれは忘れずのバラード曲。前方斜め5度上を見つめるジャケットにこれほど相応しい曲はありません。ふと気付くと妙で笑っちゃうかもしれませんスットンキョー裏声をこんなに美しく聴かせてくれるってのもマジックと才能と意志なんだろうな。


彼女はまるで夜のように現れ しっかりとつかんだ
彼女が私を愛した時、世界は正しかったのだ
僕らは自由
彼女は僕を愛し始めたばかりの友達のように入ってきた
そして僕は自分の手に天国を見つけたように思い
でも見ざめた朝
僕はここに、そして彼女は行ってしまった
いまや僕は途方に暮れる(注:ハゲになる・・でも可(^0^))

いまや多分君は言える 愛はとても正しく そして間違う存在にもなりうると
僕が近くに必要としてる時 君はいったいどこへ行ってしまったのか
最初から終わっていた完全な物語
僕は君が来てくれるものと 僕の心を打ち砕くと思っていた
いまや僕は途方に暮れる 君が戻ってきてくれるチャンスの今
何と愛は正しく 間違っているものだろう、おおマイ・ダーリン
何と愛は正しく 間違っているものだろう、おおマイ・ダーリン

僕はそれを身の丈で選ぶことが出来た
さしあたりやっていくしか無いけど
多分そこでは半分しか僕らは見なかったんだ
ただ目を見開いて ちゃんとありのままを見れば
それは、うん、フェアじゃないか

何と愛は正しく 間違っているものだろう、おおマイ・ダーリン
何と愛は正しく 間違っているものだろう、おおマイ・ダーリン

wake up in the morningもののブルース歌詞だ、わ。彼女って「音楽」のようにも思えてなりません。

さて、長年の望みを最高の形で達成したアリフおじさん。この後もまだまだ活躍。黒の大道はチャカ”唇”カーン嬢と。海を渡り隊はクーン”ホット・スペース”、カルチャー・クラブ、そして最高の80’sアリフ=スクリッティ・ポリッティ「キューピッド&サイケ85」。ソウルの命ある限り。

1/9(月)
宇宙の彼方へ
cover
More Than a Feeling
Boston

1976/10

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「宇宙の彼方へ/More Than a Feeling」
ボストンです。
1976年10月3週に全米TOP40に24位でランクイン、あれよあれよと最高位5位まで登りつめたデビュー・シングル。まるっきりの新人ロック・バンドでこないセンセーショナルな登場は70’sでは滅多に無いことであります。初めて聴いた時のうわーーって衝撃度ではブルース兄貴の明日なき暴走に匹敵するものあり。邦題は「宇宙の彼方へ」って、こりゃ歌詞を見る前に印象で決めたでしょ。それとサビの「あ”−−−↑」って登りつめるとこが「飛んで行け〜〜〜」と上条恒彦氏の出発の歌思い出しちゃって。「さー今宇宙の彼方へ、飛んで行け〜〜〜」。間違いない。いよいよもってプログレ・ハードの夜明けだ。とは申してもこの前に無かった訳では無く、既にスティックスが75年の1月に「Lady」でブレーク、この年の3月にはシンセびろびろの「ローレライ」でランクインしたものの誰もそんな風に呼ばなかったような。CBSグループのたゆまぬ努力、執念の結果でもあり。早くから次はプログレだっと着眼して、この前感謝盤でやらせて貰ったパブロフス・ドッグをスカウトしたものの、期待をすっ飛ばす変ぶりでズッコケて、スターキャッスルってバンドも75年にデビューいたした。演奏極上、音楽極上も、肝心のブレーク・シングルが作れなくてこれまた壁突破せず、カンサスもデビューしてましたがこの時点では同様に力じわじわためている最中で。面白いのは全部イエスの子。ハイトーン・ボーカルさんフューチャーだった。やっぱり「ランナバウト」最高位13位てのが効いてるのかな。スカっと爽やかハイトーンってのが米大陸土壌に合っていたのかも。って適当な(^0^)。もっと深い訳が有ったのかも。な中でこのボストンが成功したのは、曲の力だ。力だ明。宇宙だ。SFだ。未来だ。月探検が一段落してNASAの技術が地上に降りて着始めたこの頃、何かとんでもなくバラ色の21世紀が待っているような気がしたもので、まあ実際の21世紀がこんなだとは露知らず、いい時代だったよなあ。こんなにしたのは他ならぬ人類の責任じゃが。その未来イメージを納得させるに充分の中身有り。まずはリーダーのトム・シュルツさん。実に頭良さそうな名前。ドイツ系だし。しゅるつ。白衣着てギター弾いてそう。で名前だけで無くて、マサチューセッツ工科大学で博士号だっ。まちゃちゅうちぇっつ。キクゾウさんなら舌が血まみれ。博士号って何の博士号だろう。まさか黒毛和牛の革新的交配では無いだろうけど、とにかく初の理系ロック・スター。これでまあボストンつう大坂・・・とか・・・名古屋っとか函館っとか、そうゆう名前も知的に溢れてみえてくるのでR。そして音がまたそれに相応しきアカデミックな。ギターがぎょわーーんと伸びてます。いつもより多めに。さらに重ねて重ねて、実際はかなり人力だったそうだけどえらいこっちゃなサウンドに。それでいてフレーズとかは別に難しくないのがミソだな。簡単なだけに音像が際立つ。コードだって革新的だ。基本は4コード。3コードの世界から一つ増えた。びっくり。イントロ部分はD,C,G(Cは正確にはCadd9だけどいいやCで)の3で、天階(天国への階段です)に匹敵するギター売り場で弾きたいフレーズ、そのまま歌に入って、サビの前で、G,C,Em、Dてか。Cをマイナーにしただけなんだけどよ。やりそうで誰もやらなかったんで無いか。この後そのままニルバーナのスメル・ライク・ティーンズ・スピリットに突入することも可能な元祖グランジな4の衝撃でサビに突入するんぞ。それでは歌詞をば。(例によって私の解釈なんで異論はもちろん大有りご容赦)


今朝外を見たらよ 太陽が無かったんだ
びっくらしたけど一日を始める為に 適当な音楽をかけて
そしたらいつもの歌なのに訳わかんなくなってからに
目をつぶってみたら 幽体離脱

それはもう超上知覚 超上知覚
いつものように古い歌を聴いてただけなのによう 超上知覚
夢見始めちゃって 超上知覚
マリアンヌが散歩してるのを見かけるまでは
マリアンヌが散歩してるのを見たんだよう

そりゃ沢山の人々が行ったり来たりしてました
彼らの顔は年とともに消えゆきて
私がふらふらしてて思い出したとしても
それは真夏の太陽くらい明確なのだ。

それはもう超上知覚 超上知覚
いつものように古い歌を聴いてただけなのによう 超上知覚
夢見始めちゃって 超上知覚
マリアンヌが散歩してるのを見かけるまでは
マリアンヌが散歩してるのを見たんだよう

私が疲れていた時 寒いってばさ
私は私の音楽に隠れて そして一日を忘れ
知っております女の子のことを考えまして
目をつぶって そして 幽体離脱
幽体離脱 ゆうたいりだつううう

それはもう超上知覚 超上知覚
いつものように古い歌を聴いてただけなのによう 超上知覚
夢見始めちゃって 超上知覚
マリアンヌが散歩してるのを見かけるまでは
マリアンヌが散歩してるのを見たんだよう


突っ込みどころ満載です。そりゃまボーっとしてても真理アンヌさんが散歩してるの見たらシャキっとするわな。歌詞を見ると未来だかご近所だかわからぬ妙な按配で。それはフィルムで演奏する姿を見てさらに驚愕せしや。シュルツ氏は口半開きながらひょろろーっと長い体で、なるほどーと納得。しかし他の人たちのアメリカーンな風情と申したら。バドワイザーにバーボンに馬の鞍。特にボーカルの方のインパクト強し。名前は・・・名前は、ええっと、今調べますから・・・ブラッドリー・デルプさん。今の今まで知らなかったよ俺。出るプ。すまぬ。ひじょうに既視感のあるルックスの方です。ロック界で燦然と輝く。
まず最初はユーライア・ヒープのデビッド・バイロン氏。
そして同時期デビューのファイアフォールの泣き男、リック・ロバーツ氏
そしてもっともキャラかぶりはTOTOのボビー・キンボール氏。金た・・。すまぬ。
いずれも高音声が得意技、高音出すにはナマズ髭生やさねばならぬのかと逡巡したりして。
などと
〆がわからくなって(^0^)
だからつまりそれで何が言いたいかとゆうと
いや、いい曲です。完璧です。完璧過ぎてこの後は、どうしてもあの感動をもう一度状態になってしまったが仕方がありませんすよ。

試聴はここで

1/10(火)
年期と生
cover
Live at the Marquee
Sweet
1989

シリーズ「GLAM!」

*ご贔屓のバンドがいて、レコード屋さんで見たこと無いCDを発見、怖いけど買ってしまう訳だ。で、家に帰って聴いてみたら「あなた誰?」みたいな経験をしたことがおありですか?遭遇してしまいました。ケチ&貧乏、従ってど慎重なものでよく確かめもせずCDを買うことはほとんど無く。でもスレイド、スイートは店にいきゃあ必ずチェックする「S]の棚。躊躇して逃すと悶えちゃうから買っちゃいます。で、聴いてみたら「誰?」。しかし曲は「アクション」、コーラスはあの天使の歌声だし。ヴォーカルが違うのだ。1989年のスイートの「ライブ・アット・ザ・マーキー」。再結成時のライブだそうです。破竹の進撃の70’sも、恐ろしきは時の流れ、ヒットが出なくなりますとどうしてもバンドの状態も芳しくなくなってしまうのはこれはいたしかたがないことかと。79年にリード・シンガー、ブライアン・コノリー氏が脱退。一挙に窮地に。残りのメンバーで粘るも82年で力尽き。ところがどっこい為して来た黄金曲の力は不滅、85年にかっての名曲をメドレー仕立てにしたベスト盤が出たらこれが大ヒット。きっかけにして再結成、わーいとなれば良かったんだけど、これがまたよりによってコノリー氏はコノリー氏で85年に新しいスイートを、ギターのアンディ・スコット氏はドラムのミック・タッカーちゃんを誘って86年にスイートを始めてしまったよ。元祖対本家の戦いかー。商売だけだったらすんなり割り切って一緒にやるのが一番だと誰でも思うけどやっぱ人間だからなあ色々あるんだろな。で、このライブはアンディ・スイートのその時のライブ・ツアー、英国の老舗クラブ「マーキー」での公演の模様を納めたものとゆうことで。問題のリード・ボーカルはモアとゆうヘビメタ・バンドにいましたポール・マリオ・デイさん。デビッド・カバーデイル氏のように唸り、イアン・ギラン氏のように叫ぶ男。実はパープル・ファミリーだったかってくらい紫調ハードロックがやりたくてしょうがなかったスイートにとって、もしかしたら最高にうってつけの人材かもしれぬと思う。実際えらいこっちゃな演奏だ。ブランクなんのその、元々演奏力は折紙付、鬼神のごとく突進するあの曲この曲。当然初期のかわゆいPOP曲は無し。やってくれても面白かったのにー(^0^)。「おういーーー〜〜〜」のスクリームと共にヘヴィ&ハードのスイート、支持。理由も何もこの名演だから。支持。この生生な音質、これぞライブな音も大吉。燃えるぜ。出た「フォックス・オン・ザ・ラン」。わー。ラストの「恋は酸素」のリプライズ!ロック芸人ショーのど根性見たり。
水戸黄門は何と申しても東野さん。しかし西村さんに変わっても後ろで支えるメンバーは不動。一生懸命気合満点なら見ちゃいます。
さて問題は12.以降。同メンバーでの新録音が4曲なんですけど、これは・・・・困った。フィルムがビデオになって脚本も変わってしまったよーって感じ。ここで本気で「貴方達誰?」って気分に。新たな気持ちでこの音を受け入れられればいいんだけど。私は困ってしまいました。とても寂しい。しかし11.までで名盤。決定!。

曲目等詳細

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1/11(水)
ビートキチガイ
cover
Beat Crazy
Joe Jackson
1980

シリーズ「新波倶楽部」

*ついに出たのか。感慨ひとしお。残された未CD化新波アルバムの横綱格、そりゃもう朝青龍並のストロングなジョー・ジャクソン氏のビート・クレージー。とは申しても昨年7月に出てたのねー。気付かなかったす。ジョーさんって人気もあるはずレーベルもA&Mつうメジャーなのに何故?と常々。もっとも大ブレークはこの後だから特に売れなかったとおぼしきこのアルバムは隙間で忘れ去られていたか。そうです。売れなかったのです。この超絶盤が。本国ではシングル、アルバムとも全く、アメリカではアルバムが最高位41位と健闘。何故かー。トンガリ過ぎていたとしか思えぬ。スッカスカしかし芳醇こいつぜってぇ只者じゃないと思った1st、ついで全速力で100m8秒8の2nd、期待は膨らむばかりで来たこれはもうそんな思いをも大きく上回る熱さでやられた。聴きまくりました。今聴き返してもその熱さいささかも冷めやらず。この時期、ジョーちゃん、物凄い音楽モチベーション有ったと思い。世の中に対して言いたいことはテンコ盛り、やりたい音楽は体にはちきれんばかり。それを実現する経験も積んできた。と音楽無敵状態だ。やりたい音楽、何にはまっていたかつうと、それはレゲエ。80年は2tone勢のスカ・ムーブメント、この盤でも8.バトルグランドを捧げております黒の言葉吐き出し真正面兄さんリントン・クワシ・ジョンソン氏絶好調、もちろんポリスも。ジャクソンさん、ポリスにはそうとうライバル意識持っていたらしい。「やつら、オーガスタス・パブロも知らないんだぜ、何がレゲエだ笑わせるな」と嬉しくなる青臭い発言読んだことあり。聴き倒した末のこれが本当のロック心で奏でるレゲエだとの、まずはタイトル曲ビート・クレージーです。


ガキどもは近頃 全部まるで同じだ
全部が全部自分たちのことを あるキチガイじみた名前で呼ぶ
まるっきりヤクまみれで 全く正気じゃ無し
まるきりのノイズが やつらの脳天直撃

で、そんな罪が
どんなにやつらの人生を無駄にしようと
他に行くところも無し
やつらみんな突入
ビートキチガイに ビートキチガイ

やつらは世界を 狂ってると言う
でもやつらは言える 着飾る方法を
仕事なんかありゃしない 経験など皆無
耳たぶにブスっと 安全ピンを突き刺して

で、そんな罪が
どんなにやつらの人生を無駄にしようと
他に行くところも無し
やつらみんな突入
ビートキチガイに ビートキチガイ

で、ロシア人がたとえやって来てたとしても
やつらはみんなでボンゴを叩くだろう
だから誰が防ぐって言うんだ 第3次世界大戦を
どこへいったい向かおうとしてるんだ やつらはどこで生きようとしてるんだ

で、そんな罪が
どんなにやつらの人生を無駄にしようと
他に行くところも無し
やつらみんな突入
ビートキチガイに ビートキチガイ


どうしょうも無くパンクの波の中で生きようと、そこで感じる訳のわからん苛立ちがそのまんま。結論なんかわかりゃしないが。俺だってむかついてるけどそのまんま何も考えずにピョンピョンダンス入道はどうしても出来ぬって気持ち確かにわかります。こいつは実に痛い一撃で、他人事みたいに言いやがってって全拒否した向きも多かったろうと。しかし、ジョー君はこの時こう思ってたし、ごまかすことはいったい出来ようか。たとえ空気読めないヤツと指差されても。逆にこれがパンクってもんだと思う。
当時はまるで気付かず、今聴くごとに思うのが、ジョーさんってほんとスティーリー・ダンの子供だったんだなってこと。
2曲目ワン・トゥ・ワンで思い強くします。いや喜んでるんだけど。好きだから。ピアノの響きが。いけませんこんなテンション効かせては。安全ピンがまた破壊されます。仕方が無い。生まれる音楽は誰にも止められず。
胸掻き毟るこれだろやるならレゲエをの3.全ての夢の家で(悪夢)から4.悪意の眼、そして極まる5.マッド・アット・ユー。説明不能の高揚感どうすべ。
B面はだから嬉しきダン・チルドレン・チューン大盛り。6.「犯罪割に合わず」は「さわやか革命」の頃。前段のメロディはあのロックンロール・ナンバー転じてのものだ。ううう、曲名が思いだせん。白眉は9.のバイオロジーだと。好きでたまらぬ。

ハロー、また戻ってきたよ
会ってなかった どうしてかわからない
それはほんとに長い時間 だって君はほんとに冷たく見えた
何か話しかけてくれたことがあったろうか

彼女は言った
自業自得でしょ どっかのアバズレと一緒にドイツのどこかに行っちゃってからに
私は言った
ベイビー、君にはわからないのかい
それは君と僕との関係に何ら影響無し
僕のハートに何ら影響無し
僕の頭にも影響無し
僕らの家庭にも何ら影響無し
僕らのベッドにも何も影響無し

それは単に せ い ぶ つ が く
わかるかい
それは只の生物学
生物学が 君と僕の間に割り込んだんだ

君の生物学の授業はそこで始まる
まずその点から明らかにしたいな
その種は男性として知られています
ちっちゃいシッポがついたちっちゃいものを持っています
何かと増殖しまして 叫び始めます
そこでもって群れをなしまして 一斉に飛び出そうとします
一旦救われても またそれ始めようとします
それは理性で持って制御不能です

僕のハートに何ら影響無し
僕の頭にも影響無し
僕らの家庭にも何ら影響無し
僕らのベッドにも何も影響無し

それは単に せ い ぶ つ が く
わかるかい
それは只の生物学
生物学が 君と僕の間に割り込んだんだ

彼女は言った 私はとても救われたわ
貴方のいうこと、そりゃもう信じられる
もうわかりました 何ら恥じることは無いのね
デイブとトニーとフィルとジェイムスについて
僕は言った
ベイビー、ベイビー、まさかほんとじゃないだろ
彼女は言った おお、これはまったくの真実よ そうあるべき
私にとっても正解
そんなこと仰るのならどんなことでも貴方はわかってくれると思います

僕のハートに何ら影響無し
僕の頭にも影響無し
僕らの家庭にも何ら影響無し
僕らのベッドにも何も影響無し

それは単に せ い ぶ つ が く
わかるかい
それは只の生物学
生物学が 君と僕の間に割り込んだんだ


ぎゃはは、こんな歌作ってやんの。オチ付。
才能なんかいるもんかえの時代にあり余る音楽才能をもって登場した若いのが、無視決め込むことなく真正面から関わりあったクロスカウンター級真っ白になっちまったぜアルバムです。

曲目等詳細

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1/12(木)
無頼
cover
Kill 'Em & Eat 'Em
The Pink Fairies
1987

シリーズ「直球野郎一本勝負」

*ピーンク・フェアリーズ!。桃色妖精達。fromUK。1987年の復活盤がこの「みんなぶち殺し&喰う」です。愛想無し、金無し、男前無し、ヒット無し、あるのは筋肉とエナジーと熱と時間のみの英国無頼軍団の一員。構成団員はプリティ・シングス、ホークウインド、モーターヘッド、デヴァイアンツ、そしてこのピンクスら。そばに寄らばやたらでっかく風呂入ってないでしょの臭いぷんぷん、外人だ外人だ、通常なら噛み切れない肉をもりもり。あ、行かないでー。友達になって貰うには怖いけど音楽なら大丈夫。凄みも野蛮もすべて魅力となってこんなにタフなロックはちっとやそっとで聴けやしません。ラウドだ。POPなんて言ったら噛み付かれるかもしらんがキャッチー、文字通り音で殺してそして喰って〜。そもそも結成は70年、やんちゃサイケバンド、デヴァイアンツのミック・ファーレン氏がこれまたどやんちゃなバンド、プリティ・シングスのドラマー、トゥインクちゃんと仲良しになってバンドやろうぜ。気が付きゃ張本人ミックさんいなくなって、それでも類は友を呼ぶの野獣連中によってバンドはレッツゴー。この辺りの事情はどうなんだろ。頭はトゥインクさんだってことかと。そしたらまあ彼も1stの後、脱退してしもた。野獣ですから言い出したら聞かず、俺は他にやりたいこと出来たからお前やれてなもんか。別にそんなに売れてもいないし縛りは無いぞ。3作目「KINGS OF OBLIVION」で問題児ラリー・ウォーリス氏がギター、歌で加入です。バンドは知らなくてもピンクの空飛ぶブタちゃんジャケット見た方も多いかと。私はこのラリーさんのファンでして、初遭遇は「ライブ・スティッフ・ライブ」盤で。A面最後の「ポリス・カー」!やられた。ぐそぐそになっただみ声で哀愁昇天ロックを歌う。何ら本人は以前と変わらなかったのだろうけど元々根がパンクだったのね。新しい波のチンピラ連中に混じっても何ら違和感無し。むしろ親分風情漂い。その時点では誰だかまったくわからんも音でわかっただよ。モーターヘッドの初代ギタリストでも有り。1stでプレイして突然失踪。みんな突然失踪が好き。しかし怒ったりせず友達通し。ああプロレスな世界。77年の出来事。で、ピンクスはどうなったかとゆうと、多分ぐそぐそ。いつのまにかやらなくなったってか。そんなに売れてないし支障はありません。そんなこんなで世間ではパンクの嵐吹き荒れ、NWが引き継ぎ、誰も安全ピン刺さなくなった87年に突然またやろうぜピンクスで。集まったのが空飛ぶブタ時の黄金メンバーたち。79年にジャグズってナイスPOPバンドで瞬間浮上したトゥインクちゃんも合流、お友達アンディ・クロコウン氏もギターでと5人の親父たち再び立ち上がる。で、どーだ。この音は。泣く子も黙るこの落ち着かなさぶり。3.「アイスクリームが溶けるのを待ちながら」。思わず一緒に歌ってしまうこと必然。そしてひとたび聴いてしまえばこれから喰う時はこの歌が必須となります。いいのか悪いのか。味は塩味。4.の「LSDキメ」ってタイトルもアホや。音はブギ時代いかにも悪そうだった頃のストーンズ流前進ブギ。これも一緒に歌おうよ。アイスクリームからLSDまで快楽部門の誘惑にまるっきし弱そうながら一番の快楽はロック。くたばらずにやり続け。ラリーさんの悶える哀愁曲も健在。どっかGS思い出したりして。レーベルはデーモン。納得です。
さてCDが出てるのかとアマゾン見れば、今のところ97年版のやつが中古で有り。4180円って。ぐお。他は7000円、9000円って。おいおい。そりゃま中身は100万円級だけんども、しかし、こんなに世にCD溢れ音楽溢れってのにどうなってんだ。売りやすいのしか表に出んってのは昔も今も変わらず。むしろ益々ひどくなってるのかも。親切そうに向こうから寄って来るのはろくなもんは無しとゆうのが家訓なんで今日も今日とてほんとにWANTな音を探します。で、こうゆうどかんな音楽に出会うと至福の一語。もちろん高額では買わず。いや買えず。出会う時は出会う。出会ったら行っちゃって下さい。「Kill 'Em & Eat 'Em」。間違いなくロック。足を洗えない人たちのための。

曲目等詳細

試聴はここで

1/13(金)
ドキュメント
cover
Live at the Rainbow 1973: The Complete Concert
Sweet
1973/12/21

シリーズ「GLAM!」

*89年発売の再結成ライブCDを聴いていささか複雑な喜び方、それにつけても全盛期のライブを聴きたい。無いのかと落ち着いてもう一回探してみたら・・・ありました。あるじゃないか。気が付かなかった私もアホや。1999年発売のBBCライブ。1973年12月21日ロンドン・レンボウ・シアターにて。見つけたらもう抗いようも無く扱ってる米大陸のお店にアマゾンさん通じて追っかけ注文、正月またいだけど意外と早く来たぞ。聴くまでこんなわくわくしたの久しぶり。で、聴いてみたら・・・・こ、これは。ドキュメントだ。とてつも無き。改めてBBCの恐ろしさをも痛感です。
1973年は英POP界にとって重要な年。グラムの花が百花繚乱、出て来る曲、曲みんなどっかん。売れてる曲も売れてない曲もみんな時と共に生き生きして。スイートも運命共同体のソングライター・チーム「チャップマン=チン」も72年9月の「Wig-Wam Bam」でグラム本格入道、73年はブロックバスターが1月に1位、5月ヘルレイザーが2位、9月ボールルーム・ブリッツが同じく2位、そしてこのライブが行われたクリスマス時は丁度トドメの名曲ティーネージ・ランページが発売される時点って、文字通り絶頂期だ。スイートにとってもグラムにとっても。その時間が臭いと共に丸ごと入ってる。録音はあえて書くぞな、最高です。ロックのライブは綺麗に録る以前にロックな録音でなければならぬ。さすが歴戦の強者BBCスタッフ、あのコンサートを見に行って感じるキシキシしたPAの音、体に感じるドラム圧、ケツがびりびりベースの音、ハウる寸前ギターの音を臨界点でキャッチだ。またキャッチさせざるを得ないほどバンドのテンション凄いよ。元々腕は達者な上に人気、意欲の後押しがあればもう無敵です。ナイスなる音楽人を認めることにかけてはお世辞抜きとことん誠実な人、ピート・タウンゼント氏が絶賛もこれ聴いちゃ思わず大納得。嬉しいのはこの時期ならでは、グラム以前のPOP期の名曲リトル・ウイリーがグラム・ヴァージョンで聴ける!始まりのストリップ・ミュージックでもうわくわく。あのきんらきんら格好のままでのアコースティック・セットも有りの、お約束ロックンロール・メドレーも、ドラムソロ・フューチャー長尺のそりゃもう工夫しまくりの「黄金の腕を持つ男」も、ロックが一番ロックだった時代のコンサート定番進行の一番生きが良かった時。スイートのライブって意味を超えてもこれは掛替えの無いものです。各所各所に細かく喜べるツッコミ所もあり。ネタばらししたくない。皆さん是非聴いて突っ込んで下さい。CDインナーには当時のパンフも掲載で、これも載せませんので入手の折に是非お楽しみを。
それにつけてもBBC。立場をいかんなく利用した、じゃないな(^0^)、発揮した見事なる仕事。この時を捕らえたなんて。他にも数え切れないほどのお宝有り。色々な事情でライブ盤を出し損ねたバンドの音もかなり持ってる。スパークスとか。何とかきちんとした形で連続で出せないものだろうか。これをきっかけにしてうちにある断片音源を整理してるんだけど、ため息付いてます。今となっては著作権うんぬん超えて人類のマジ世界遺産なり。

曲目等詳細

試聴はここで

1/14(土)
バラードにようこそ
cover
cover
Only Woman & I Nver Cry
Alice Cooper

1975/1976

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
Only Woman & I Nver Cry/
アリス・クーパー。
映画「ウエインズ・ワールド」でウエインとガースが会ったとたん、思わずひざまずき「神さま〜」となってしまった男、いや神さま〜。アメリカン・グラムを孤高で引っ張り、同時にアメリカン・ハードロックの頭目として少年少女のかけがえの無い悪ドラえもんでしたきっと。そんな彼がグラムの終焉と共に地獄に一時帰宅したのが1973年。2年間の地獄研修の後、新たな使命を閻魔様からおうせつかり俗界に立ち戻ったのが1975年の事であります。その姿はタキシード姿に山高帽。ちょっと見、いかした中年紳士。わからないよ悪魔だなんて。わかるよ。呼ばれてもいない応接間でいかにも優しげな歌を歌います。家族はみんなその美しいイントロでもううっとり。
曲はOnly Woman Bleed。



男は得た。彼の種を宿す女を
男は力みなぎり、彼女は受け止めた
彼女は生涯を通じ、彼を喜ばすことに費やし
夕飯を作り続け、出来ることなら何でもした

彼女はしょっちゅう夜に一人で泣く
彼はタバコを吸い続け、酒を飲み続け そして家には寄り付かない

女だけが血を流す
女だけが血を流す
女だけが血を流す

男はあなたの髪を白くさせ、彼はあなたの生活を誤らす
あなたが望むこと全ては見事に打ち砕かれる。
彼はあなたの傍らで寝る あなたはこのゲームを憎んでいる 自分でも承知
一度ならず殴られて あなたは生きる 苦痛の愛の中で

彼女はしょっちゅう夜に一人で泣く
彼はタバコを吸い続け、酒を飲み続け そして家には寄り付かない

女だけが血を流す
女だけが血を流す
女だけが血を流す

黒い眼 全ての時間
小銭を無駄にするなかれ 汚れを落としなさい
そしてそこに膝まづき
私が血を流す様を見てくれるよう私に乞うのだ

女だけが血を流す
女だけが血を流す
女だけが血を流す



家族の空気は凍り付き、パパは子供たちに早く寝なさいと言い、ママは無言で洗い物に、そしてこの男の言うことは信じられると思う。パパは次の日の出勤の最中、車の中のカー・ラジオで聴き、「ちぇっ」っと舌打ちをするもいつのまにか口ずさんでしまう
Only women bleed
Only women bleed
Only women bleeeed
このようにして、全米ヒットチャート最高位12位。完全復活アリス・クーパー氏。見事に応接間に悪夢を。

密かに再びの訪問を待ちわびていたママの前に、彼が現れたのが次の年の10月。
今度は自分の話を聞いてくれとゆう。
背中から生ギターをくるりと返し歌うは
I Nver Cry

もし俺の顔に涙が流れるなら
それは骨の髄から俺を動揺させる ひるむよ ベイブ
ただの胸の痛み 眼の中に焼き付いている
そして君にはわかる 俺はけっして泣かない 俺は泣かない

俺は時々思ってる以上に酒を飲んでしまう
TVが消えてざーっと灰色の画面が出るまで
多分寂しいんだろう でも 俺は一人ぼっちなんかじゃない
夜はただ過ぎ去っていく
でも 俺はけっして泣かない

持って行ってくれ 俺の目を どっかに持って行ってくれ
めくらでいるほうがマシだと思うこともあるよ
粉々にしてくれ 石で俺のハートを 粉々に
全部それをさらして でも俺を一人ぼっちなんかにしないでくれ

だってこれが全部なんだ 俺が君に与えられることが出来たものは
信じてくれベイブ それは中古(ちゅうぶる)なんかじゃない
俺のハートはまっさらで 試したことなんか無いんだ
そして君にはわかる 俺はけっして泣かない
そして君にはわかる 俺はけっして泣かない
わかる わかる わかる わかっている
俺はけっして泣かない 泣かない

粉々にしてくれ 石で俺のハートを 粉々に
全部それをさらして でも俺を一人ぼっちなんかにしないでくれ

だってこれが全部なんだ 俺が君に与えられることが出来たものは
信じてくれベイブ それは中古(ちゅうぶる)なんかじゃない
俺のハートはまっさらで 試したことなんか無いんだ
そして君にはわかる 俺はけっして泣かない
そして君にはわかる 俺はけっして泣かない
わかる わかる わかる わかっている
俺はけっして泣かない 泣かない


ある家では、そこでよちよち、アリスちゃん可哀そうと抱きしめてくれ、ある家では、うざいと蹴飛ばされ。抱きしめてくれる家の方が多くて全米最高位12位。
ロック・スター、楽屋で化粧落としながらポロリと弱音の図。誰もがもしかしてと想像する琴線を直撃。直前に製作主任ボブ・エズリン氏がこのアイデアを弟子筋のキッスに酒の席でおだてられて不覚にも漏らし、ベス/キス誕生。先んじてのシングル・カットさるるも。元祖悪魔いささかもひるまず。堂々の完璧シングルです。
実は逆だったりして。キッスが先だったら
俺は泣く。

試聴はここで

1/15(日)
羽ばたけ鳥
cover
cover
Saturday Night Special & Free Bird
Lynyrd Skynyrd

1975

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「Saturday Night Special & Free Bird」
Lynyrd Skynyrdです。
サザン・ロックの二の矢若手バンドとして1973年にデビュー、74年8月には「スイート・ホーム・アラバマ」の最高位8位の大ヒット(この曲は又の機会に)も放って一躍アメリカン・ロックの代表選手となりましたレーナード。へんてこ綴りはロック・カルトQの問題にもなりそうです。何でこんなにビッグになったかの大原因にはなんつってもキラー曲を少なくとも3曲は生み出したことに違いなし。いいの悪いの聴き手は勝手に言うけどよう名曲を作るってことが何と困難なことか。才能だけではそうもいかず、環境や時代をも味方に付けなければなりません。ですから1曲でも大キラーあらば大バンドであるのにレーナードは3曲でっせ。超大バンドです。その内の1曲は先の「うーうーうーアラバーマ」、そして何より私が惚れ込んでますのが
「Saturday Night Special
/サタデイ・ナイト・スペシャル」
1975年7月のヒット。3週だけTOP40圏内に位置して最高位27位。ロック・ナンバーとして誇るべきチャート・アクションだ。あまりにも切れ、重さとも有る辛いロックはそもそも大ヒット出来ず。日常を破壊してしまう為。そこへ曲の力だけでねじ込みランクインの次第。「サタデイ・ナイト・スペシャル」とはコルト38口径リボルバーの事で、当時アメリカで一番ポピュラーな拳銃だったと聞き及びます。あらゆるトラブルの源泉、何人がぶち殺されたことでしょうか。


二本足で忍び寄る 黒猫の歩みのように
そして裸で寝そべる二つの胴体
盗人は考える 失うものは何もないと
だから彼はこの家に忍び込む、いえー
鍵を外して 男が彼のズボンに手を伸ばしたその瞬間
38口径の弾丸が彼を貫く

それがサタデイ・ナイト・スペシャル
銃身を獲得 それは青くて冷たい
全く無用で悪徳
でもその口径で男は身長2m40cmと化す

ビッグ・ジムはウイスキーを飲んでいた
で、無為に夜を過ごす ポーカーを興じ
でプリティなオール・ジムは考え始める
誰かがイカサマやりやがってると
だからビッグ・ジムはケンカをおっ始め
俺は嘘は言ってないぜ
ビッグ・ジムはピストルの引き金を引き
友のこめかみに向けて正に一発発射

それがサタデイ・ナイト・スペシャル
銃身を獲得 それは青くて冷たい
全く無用で悪徳
でもその口径で男は身長2m40cmと化す

拳銃とは人殺しの為に作られたものだ
全く無用で悪徳
で、もしあんたがウイスキーを飲むのがお好みなら
あんたは多分自分自身を撃ち抜くだろう
で、何で俺らがそんなやつらを見捨てないかって?
海の底にへばりついてるような
そんな全部のアホどもがここらにうろつかないうちに
あんたや俺を撃ち殺したいと思ってるような

それがサタデイ・ナイト・スペシャル
銃身を獲得 それは青くて冷たい
全く無用で悪徳
でもその口径で男は身長2m40cmと化す

それがサタデイ・ナイト・スペシャル
俺は言いたい それと共にあんたがやることが出来ることを
で、これでこの歌はおしまい


警視庁ご用達啓蒙ソングで無いことは言うまでも無し。もしやレーナードの周囲で身近に起こってる事態ゆえ、発せらるる歌と想像するにさらに、さすがに呑気に日常過ごすポンニチのこちとらにも戦慄が。説得力は音楽でもう充分。生生なカウントに呼ばれて英国ハードロックと結婚したパワー・コード・リフ。弾丸発射を想起させるスネアの残響一打ち。背筋にナイフのハイハット開き3発。腰ダメのサビ。うめくようなギター。追い詰められるようなブリッジ中トロ。飲んだくれ声のロニー氏が最後に残した声。あっけなく終わる。映画「ロンゲスト・ヤード」の挿入歌。毛深いバート・レイノルズ。監督は「北国の帝王」の男映画名匠ロバート・アルドリッチ氏。全く無用で悪徳。バカとスリルはこうやって曲で殺るものだ。演るにしろ聴くにしろ。

「サタデイ・ナイト・スペシャル」に先立つ1月に飛び立った曲が77年の1月に再び、それは
「Free Bird/フリー・バード」。
ライブ・ヴァージョン。あなたはこの曲で何を思い出しますか。私はフリーバーズ。マイケル・ヘイズ、バディ・ロジャース、そしてジョー・コッカー氏くりそつテリー・ゴーディちゃんのプロレスラー・チームだ。83年に初来日なのか。もっと以前の印象が。場所は馬場さんの全日本プロレス。星条旗を振り回しながらこの曲のスライド・ギターに乗っての入場は今も目に焼き付いています。もちろん、それまでにもうフェイバリットと化してはいたが、それでトドメの一撃。テリー氏私より1歳年下なんだな。2001年に鬼籍に入られた今なおさらであります。元々9分を超える大作のこの曲。シングル・カット時には尺に併せて無残にも編集されて。それじゃあまるで予告編、こればっかは9分を聴かねば。隣で語りかけてくれるスタジオ版であれ、スタジアム全部が飛び立つライブ版であれ。


もし俺が明日発ったら
お前は俺のことを思い出してくれるか
俺は旅立たねばならない、今
何故なら見るべき世界が沢山俺にはある
でも、もし俺がここに留まったなら、ガール
事は同じって訳にはいかない
何故って俺は鳥のように自由だ、今
そしてこの鳥はお前の変えられないもの
そしてこの鳥はお前の変えられないもの
そしてこの鳥はお前の変えられないもの
神々は知る 俺はけっして変わらない

バイバイ、ベイビー 甘い恋だったぜ
この気持ちもけっして変わりはしない
でも頼むから悪くとらないでくれ
何故って神様も知ってる 俺が悪いやつだって
でも、もし俺がここに留まったなら、ガール
事は同じって訳にはいかない
そしてこの鳥をお前は変えられないだろう
そしてこの鳥をお前は変えることができない
そしてこの鳥をお前は変えることができない
神々は知る 俺はけっして変わらない
神よ助けてくれ 俺は変わることがでえでえでえでえでえ
神よ、俺は変われない
お前は飛びたくはないか 高く 自由な 鳥 いえー



またしても勝手な男の勝手な理屈で甘えたさんとの声が各方面からとゆう気もいたしたりして。でも結局、こんなこと言っときながらどっかに行ったりはしないような。しょうがねえなあ(^0^)。
は、ともかく、問題はこの後。この強烈な歌でさえ、まるで相撲の呼び出しと化すえらいこっちゃなギター・バトル開始。無茶な要求を集団で正当しにかかる。あまねくロック・ギターの必殺技リック大行進です。もし弾ければこない悦楽無し。弾けなくてもエア・ギターって手も。しかしこのフレーズ、それだけでは我慢できぬ。口ギターだな。どこかの酔狂な人が、人間だけ楽器だけでバンド組んで口だけでこれ再現したら面白れー。ドラム役が一人、鍵盤役が一人、ベース役は一人、ギターは弦が6本X3人で計18人、ボーカル含めて21人でどうぞ。
習得するは

1.
ちょちょちょーちょちょ、ちょちょんがちょーちょちょ、ちょちょんちょちょちょちょーちょちょーちょちょー
2.
ちょーかちょおかちょかちょーか
3.
ぺろる ぺろる ぺろる ぺろる ←前半の難関3連譜、しっかり合わせよう。
4.
てろるろ てろるろ てろるろ てろるろ ←続けて4連譜。
5。
てろーてろーてろーてろー ←ちょっと楽
6.
てーろろろん てーろろろん てーろろろん てーろろろん ←これもいけるぞ
7.
てーとろとろ てーとろとろ てーとろとろ てーとろとろ ←ここで染の輔染太郎、笠を持って登場
8.
1.を再び
9.
てーてと てーてと てーてと てーてと てーてと てーてと つちゃーちゃーちゃー
10.
てろるろたら てろるろたら てろるろたら てろるろたら ←クライマックスだ、頑張れ
11.
てろるれ てろるれ てろるれ てろるれ てろるれ てろるれ ←まだまだー
12.
ぺろる ぺろる ぺろる ぺろる ←苦しい時に3連かよー
13.
ちんちゅんちょんたらりー ちんちゅんちょんたらりー ←抜け出したぜ
14.
今までの全ての技投入
15.
大エンディングーーーー
16.
終わったと安心させてはならぬ、パープル調ボレロかまして、2弾キメ。

やりきったぜ。

試聴はここで