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今日の推薦盤一覧2004.10上

 

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1

10/1(金)
わしらは燃えている
cover
The Singles
The Clash
1991

シリーズ「新波倶楽部」

真正面熱血と言えばクラッシュ。ロンドンは燃えている退屈だ。じゃ自分たちで何とか面白くしてやろうつう前向き突進男達。そして極め付きのシングル・ヒッター・バンドであります。EPを含めて出したシングルは全部チャート入り、しかしながらその退屈な連中に1位を取ったのは91年の再発時のシュド・アイ・ステイ・オア・シュド・アイ・ゴーのみ後はせいぜい11位までつうナイスな連中だ。それもそのはず聴いてるのは極めて範囲が狭い。まずもってクラッシュの存在を認める認めないから話は始まってしまう。認めない人間は近寄るのもやだろうし、認める人間にとってはロンドンは言うに及ばず英国田舎の人間もそして遠く異国のポンニチにとってもイメージする憧れのパンクのぴったし。ピストルズはあっとゆうまにいなくなったし近寄ったら唾吐きかけられそうだし、そこに行くとクラッシュは勇気付けられて一緒に燃えてくれるぞ。言って置くけど本人たち相当真面目な連中です。音楽への愛情たるや半端なもので無し。荒ぶるロック取り戻してやるのデビュー時から一環してるそれは。ピストルズを筆頭に多くのパンク・バンドが崩壊撃沈するきっかけとなるアメリカ・ツアー経験後もやはり危機を迎えるも音楽へ、とにかくやりたいことを好き勝手に熱情注ぎ込むことによって乗り切った。ちょうどこのCDでは真ん中へん。パンクの権威になりかけた時にその真摯な精神そのままで可能性広げて。形は違えどそれはやっぱりパンクだってことを身を持って証明、支持するものはやっぱり支持します。そして最後の最後まであがき挑戦するも熱情を注ぎ込むことがどうしても出来なくなった時に潔く散った。最後は情けなくなっちゃった分もあるかもしれんが笑わば笑え、これがクラッシュ、目一杯クラッシュだの激闘歴史盤です。彼らの音楽に触れた人はそれぞれにそれぞれのベスト盤を頭の中に持ってるかもしれません。だがしかしこの世間に俺らのこれがシングルだと彼ら自身が表明したブツの数々、A面もB面もありゃしない。クオリティまったく変わらぬ全名曲。アルバムを無視してこれだけ愛し尽くしてもいっこうにかまわんと思います。リアル・ロックの一枚。ただあれだカリスマにしては絶対にいかん連中だと確信。兄貴はカリスマにならないでー。

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日本盤

グッヅ

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10/2(土)
詐欺師ロック
cover
The Great Rock & Roll Swindle
The Sex Pistols
1979

シリーズ「新波倶楽部」

熱血がクラッシュならすっかり完成された70’sロック・POPのぶち壊し役を一手に引き受けたのがセックス・ピストルズ。顰蹙買うことを第一モットーとし何を聞いても意地でもノー!ノー!。そしてマネージャーはいかがわしさ世界選手権優勝者ってよくこれだけ役者が揃ったはなあと感激感謝の一大イベントでした。世の中大不況、11歳で人生決められちゃう英国教育、ならロックやるか詐欺師になるかどっちかしかない。だども頼りのロックはすっかりキンキラキン、気が付きゃすっかりブルジョワ化してしまったからにはやるには詐欺師ロックしかあんめえな。そんなお先真っ暗な連中の命賭けた大博打であったかもしれん。それで走りに走って最後のメインレース、全米ストリップ小屋ツアーですってんてんになり「おめえら騙された気分はどんなだい。」つう名セリフ残してジョニー兄さん脱退。その後に製作封切られたがこの映画「偉大なるロックンロール詐欺師」であります。そしてこれはそのサントラ。実は私映画見てない。何とも情けない話でお話になりませぬがこのサントラだって実に強力。我が家のバカロック玉座に燦然と輝いておるのだ。騒ぎの元、様々な仕掛けを行ったインチキ野郎マルコム氏の仕切りですからもうこれぞ無茶苦茶、無茶苦茶ながらしっかし舌出して計算してるようでありこんなに楽しませてくれてええんかいなてなもんで。冒頭からオーケストラでゴ・セイブ・ザ・クイーンだも。ジョニーさん参加テイクも強力、しょうもないロック定番曲ジョニ・ビー・グッドじゃまともに歌う気まるでなく、返ってそれで最高のロックンロールに。悪態付いて終わらせるし。で出てくるのがピストルズ・ナンバーのデスコ・ヴァージョン。かなりしょうもなし。登場前夜のUKチャートにはこのスタイルのしょうもなしデスコがけっこう氾濫してて、憎悪の対象横綱格だったはず。それをやっちゃうのだから底意地が悪いったらない。待ってましたのアナーキー・イン・ザ・UKもあり。大喝采凶悪ヴァージョンで。モンキーズ・ナンバーもあるでよ。これはびっくりの大はまり。オリジナルかと思ってしまうほど。多分マジでこの曲好きですこいつら。でなきゃこんな気入れて出来ません。ノリノリしてたら次に出てくるのがおフランス・ヴァージョン・アナーキー・イン・ザ・UK。流麗なるミュゼット・アコーディオン入り。バカだねえ(^0^)。とLPだと一枚目、ここまでやってジョニーちゃん退場、2枚目シリー・シングスから言ってみりゃあ世に言う抜け殻ピストルズとなります。この曲、ボーカルはスティーブ・ジョーンズ。何か人が良さそう。まこと良い曲で極上パワーポップだからこれでニュー・オーダーしても私は大歓迎。そして出ました真打シド・ヴィシャス弟。やれば面白そうって最高のネタ、マイ・ウエイを喝采もののベタ挑戦で全開。やりぬいたなこのやろー。番町皿屋敷の番長のようにジョニさん再登場してばかやろこのやろ。ロック・アラウンド・クロックのヴァージョンでは世界一のピー(人力)で万歳したり、誰なんだこの唄は、あ、テンポール・チューダーか、へえ、で、誰なんだ(^0^)で己さえパロディして、けっこうロックンロール好きなんじゃんしたり、カンカン踊りを踊りましょしたりシナトラ・スタイルしたり最後はハリウッド色鶯谷ミュージックホールで、こっこまでやればザッパ先生も喜んだんじゃないか。もちろんわしも大喜びです。おちょくり世間なめ全力投球盤消える魔球付大お奨め。

曲目等詳細

外盤中古

グッヅ

10/3(日)
地獄の生2
cover
Alive II
Kiss
1977/11

シリーズ「直球野郎一本勝負」

本日は話題騒然人気絶頂のキッスさんにインタビュー。聴き手はご本人も大変なキッス・ファンだとゆう磯野家の波平さんです。
波「はじめまして。波平です。今日はキッスの皆さんにお会いすることが出来てまことに光栄です。」
ポール「おー波平さんじゃん。見とるでーサザエさん。あれやってあれやってー。」
波「あれですか?ごほん。「食わんと言ったら食わん。」
ジーン「キャー。嬉しわー。」
波「ごほん。ところで今回2枚目のライブ・アルバムをリリースされましたが。」
ジーン「んだ。で波平はんはどうゆうとこが気に入ったかい?」
波「わしですか?そりゃもう全部。ヒット曲てんこ盛りで毎日フネとお茶の時間に聴いております。」
水戸のご隠居「なんと言ってもデトロイト・ロック・シティが一曲目のライブ盤じゃ。問答無用じゃのう。」
ポール「誰この人?」
格「控えおろう。この方をどなたと思っておる。先の」
波「副将軍水戸光圀さんです。偉い人です。」
ジーン「偉い人け。」
バブー。ぼっ。バブー。ぼっ。ジーンちゃんでちゅう。
ポール「わ、熱い。誰だこの小僧っ子は?」
波「すみません。タラちゃんウイズイクラちゃんです。」
ジーン「わ、この子がイクラちゃんかい。メイクしてたからわからなかったで。」
「燃やすんですう。」ぼっ。
エース「あのう。おだも唄ってたんだげんど。きずいでぐでだだろか。」
ぼかっ。
ポール「てめ。こうゆう時だけ出てきやがって。サボりやがっただろ。不足分の曲録音の時。」
波「そう言えばあの新曲ではご自分の曲以外弾いて無いんですね。どうしたんですか?」
エース「めんごめんごー。カゼ薬と間違えてセーロ丸一ビン飲んじまったもんで。ラリってました。」
ポール「てめ、てめのせいでまたあのハゲとやるはめになったんやないけ。反省せい。」頭うりうりする。
波「ハゲと申しますと?」
ポール「いけね。しゃべっちゃった。企業秘密なんでここだけの話にしてもらいまっさ。このエースの前に一旦は加入しそうになったボブ・キューリックってやつなんや。何せつるっぱげやから頭に顔描いてもどうにもならんわなあてな訳で落としました。」
ジーン「あいつまた入れてくれってうるさかったぜー。」
エース「いげね。改心しまっがら勘弁しでえ。」
そこへピーターがベス歌いながら登場。もちオーケストラ・バック。和服姿でおばちゃんたちに花束もらいの。
「やーみなさん。僕。ピータ。元気〜?」
ポール「こいつ調子にのってるな。」
ジーン「んだのってるのってる。」
波「まあまあ。ピーターさん。思わぬとこでベスを。この想い出は大切に墓場まで。ハードラックウーマンも最高でしたですよ。」
ピータ「さんきゅさんきゅ。まヒット曲だからとーぜんとーぜん。」
ジーン、怒りのあまり口から吐血。だらー。だらちゃんでつう。
波「わ、ジーンさんの後藤サンダーももちろんです。もちろんいかしてました。」
ちょんちょん。
波「わ、ポールさん。えーもちろんですとも。ラブガンやシャウト・イット・ラウドなんかはあなた無しでは生きていけません。ちまたではアルバムでは今一、ライブで映えそうだなあって曲をやっぱり最高にやってくれたって言ってましたよ。」
ポール「なぬ今一ー!誰じゃそないなこと言ったのは。」
波「あの・・・アナゴ君って人で。」
ポール「うお許さん海山商事潰してやる。」
ジーン「サザエさんとデートさせてくれたら許してあげんよ。」
マスオ「えー、それだけは勘弁してくださいよう。」
一同爆笑。

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日本盤

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グッヅ

10/4(月)
飛び出せ青春
cover
Sound of the Jam
The Jam
2003

シリーズ「新波倶楽部」

クラッシュが熱血、セックス・ピストルズがノー!、ストラングラーズがズンドコならこのジャムは青春です。恥ずかしいほど真剣で頑固、固くて。他のパンク・バンドと違って風体もちゃんとしててまネオ・モッズってことも出自の空気は同じ。当時の本国ライブ・ビデオ見ると会場の火が出る血を吹く雰囲気はもう只者じゃない。それほど切羽詰った何かがあったのか。こればっかは当時の日本じゃ想像出来ないものなんですが。そんな中、出て来た笑ってる場合じゃ無い超真面目ロックにこちらも打たれない訳が無い。サウンドはほぼ一本勝負、縦割り8ビート・ドラムスにゴリンゴリン・リッケンバッカーベース、ジャカジャカ・リッケンバッカー・ギター、そこに青さぷんぷん犬声のウエラー氏の不器用ボーカル、これにさらに輪をかけて青く江戸っ子なブルース氏の掛け声コーラスが絡むとゆう。ストラングラーズ同様、これさえやってくれればもう満足。モッズってことでザ・フー?、いいんやむしろキンクス、だってデビッド・ワッツ。ここで聴いても一回キンクス聴いた人多数と聞き。で、これ一本とはゆうもののキャリアを経る毎に少しづつ曲作りがこなれてサウンドも多様化するように。この辺はビートルズの道のような。これを成長と言って良いのか若さゆえの我慢の無さって言っていいのか最近はわかんなくなってるんですが。ウエラー氏、成功でお金が出来てレコード買いまくり聴きあさったんだろうなあ。やりたいことがメキメキ出てきて。それは当然だしわかりすぎるほどわかるけど。デビューして逃げ馬がわき目もふらずゴールに向かって突進、連戦戦勝、は良いんだけど来年のことを考えて差す競馬も覚えなくっちゃとなってそれで勝てたか。どうも3位入着が続くとなってしまったような気がする。ブルース氏のコーラスが消えて変わりに女性コーラスやラッパが登場して。それで音楽は広がるけどジャムじゃ無くなってきてしまった。だから解散、スタイル・カウンシルへの道に。なんと言って良いのか、うーん、失った物はでかいような気がしてしょうがないす。何かかけがえの無いものを捨てたような。ジャムってやつはかっこ悪いかもしれないしそりゃ言うこときかないやつだったかもしれないけど、天のいたずらかキャリアの最初に出合ったこの3人の音楽がそれぞれにとって一番良さを発揮出来るようなものだったものだと思えて仕方が無し。だって実際この後のウエラー氏の音楽でこれほどいわく言いがたき感情を持ったことなど一度も無いんで。まあこれは当然私個人の気持なんすが、それだけにこのジャムの音楽大切にしてます。本人達にもっと大切にしてもらいたいんだけど。かと言って今もう一度やって出来るものなのかわからないけどなあ。過去って落とすべきものなのか未熟って駄目なものなのか、もしかしてその時にしか有り得なかった宝石なのか勝てばいいってものなのかもう頭ぐるんぐるん。そんなこと思っちゃうのも青春の音楽ってことかもしれません。

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日本盤

グッヅ

10/5(火)
うきうきPOP
cover
Flight Recorder
Flying Machine
2004

シリーズ「おひさまPOP」

今年に入ってドはまりのUKチャート。忘れかけていたあの曲この曲が出てきて嬉しい悲鳴を上げています。これもその一つフライング・マシーン。うちにシングルあったんだよなあ。「笑って!ローズマリーちゃん」「急いで!ベイビーちゃん」の2つのキラー以外の曲が聴きたくて聴きたくて。作曲家マコーレイ・カルキンじゃ無かったトニー・マコーレイの作品集買ってとろとろー。そしたら先日中古屋さん行ったらLPのベスト・オブ・フライング・マシーンが有って仰天、高かったけど一にも二にも買ってしまいました。もしやと調べたらなんと今年の春、キャッスルからCDが出ておった。二度びっくり。ダブリまくりなんで今すぐは手は出せんけど廃盤になるまでにはこれも行っちゃいたいです。チャートをつらつら眺めると英国人ってやつぁ毎週毎週ニューエントリーばっかで実に新し物好き、流行大好き。でもあれなんです、一回好きになった曲は忘れない。再発とか何らかのチャンスがあればそれこそその時の流行など関係無しで再びチャートに上げちゃったりする。このフライングマシーンの音楽もそんな感じかと思います。と言っても音楽自体はそんな感じなんだけど英国本国ではヒットせんかったですけど(^_^;)。時は60’s後半、69年、英国ラグビー出身の(ラグビーって土地あるんだー)ギター、ヴォーカルのトニー・ニューマン、ギターのサム・ケンプが地元のバンド、ピンカートンズの面々と合体、メインライターのトニー・マコウレイと運命的出会いをしたのが運のつき、どうゆう訳かアメリカのコングレスってレーベルから先の「笑って!ローズマリーちゃん」を出してどゆう訳かイギリスよりアメリカで5位まで上がる大ヒット、1stアルバムをこれまたアメリカのジェイナス・レコードから出して2弾シングル「ベイビーちゃん」71年5月に第3弾「ヘイ・リトル・ガール」とこれらはヒットしなかったんだけど(^0^)。えー多分本国でヒットしなかったのはアメリカで先にヒットしたってことが第一原因かと思われます。むかついたんだわきっと。妙なとこにこだわる節ありUK人。まヤンキイもそうだけど。だってマコーレイさん絡みの他のバンドの曲(しかも同じローズマリー登場しちゃったりする)はおしなべて当たってるのでそれ以外ちと思い当たらないす。ヒットはともかく中身が重要、ローズマリーちゃん、ビートルズのヒア・ゼア・アンド・エブリホエア思い出します。しかも匹敵する名曲。マコーレイ氏の曲って職業作曲家のくせに手馴れた技術でちょいちょいって感じがちいともしません。本人も天からメロディが降って来るまでいつ出来るか3分か2ヶ月かわからんて申してたそうでそれも納得の自然で染み渡るメロディをお作りになります。ヘルプからラバーソウルまでのビートルスはあっとゆうまに駆け抜けたけどほっとくには実に惜しかったあの感触、そしてバカラック世界の洗練さ粋さ、相棒のマクロード氏と組むとモータウンの味も加わってのポップスの美味しいとこ満点でもう悶えちゃうのみ。そんな彼らの作にベストぴいたしなのがトニーさんのほんのり甘いボーカルとゆうことで。マコーレイ−マクロード両氏以外の曲ももちろんやってますがこれもいいやつばっか。モンキーズぽいのやらカントリー風のやらよくぞそんなんばっかやらせてもらえたなあと感嘆してしまいました。まあLPの10曲がそうだったんでCDでの残りの40曲ちょっとどきどきしちゃうけど、あれだ10曲必殺あれば大当たりでは無いですか。先にお買いになった方是非感想をお聞かせください。私も入手の暁にはもう一回ご報告させていただきます。こうゆうのがちゃんとCDになる世の中、まだまだ捨てもんじゃないなあ。

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10/6(水)
ロック!
cover
Fire and Water
Free
1970

シリーズ「悪い仲間達連合」

もし何らかの事情でまだ未聴の方、もしくは昔持ってたけど今手元にもう無い方に大きなお世話ですけど書きます。何か良い音楽、CD無いかなあとお迷いになったら何は無くともこれ行ってしまいしょう。62年暮からビートルズが口火を切ったロック、たった8年でここまで変貌、到達してしまいました。若干二十歳そこそこの若者たちによって。いや若者だったから出来たかもしれません。まんまブルースから出発して僅か2年3作目で自分たち目指す音楽自分たちの資質を最大に活かす音楽を作り出してしまった。同時代のロックの盛り上がり、サザンソウルの存在、そんな後押しももちろん、出るべき時に最高の形で出たのがこのアルバム「ファイア・アンド・ワオーター」です。何も足せない何も引けないってのがありましたが正にこれがそう。ここにある7曲はそれ故に未来永劫いささかも古くなる事無く輝きを放ち続けます。そりゃ今の音楽に比べたら地味です。だけど音楽にこれ以上のものが一体必要でしょうか?渋いのか。熱いです。この4ピースの一つ一つの音の中に凝縮されたエネルギー、情報量はCDの盤面焦がしパソコンのCPUハンガップさせちゃうぞ。俺は知らん。昔はまあ老成した音楽をと思ってたんだけど今はさっきも書いたようにこれは若いときじゃなきゃ出来ない音楽じゃないかと思ってます。このビート、この速度でこの密度は溢れる元気が無きゃできん。気力と共にそれを支える体力無いと途中で折れてしまうかと。そりゃ形だけはどんな歳とっても演奏できますが。そうゆう意味ではザ・バンドのビッグ・ピンクそしてブラウン・アルバムと同じ。茶色の地面をはがすと真っ赤でどろどろのマグマが渦巻いてる。それが証拠に当人達にとってもこの全力出した4点バランス、どっか一つずれるととんでもない方向へ飛んで行ってしまう。これもまた若さゆえにそれもまた早く到来してしまいました。惜しすぎるほど惜しいけどそれもまた必然だったかもしれません。はかなかった故にさらにこの盤は光を増して輝いておるのだ。

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日本盤

10/7(木)
挑戦
cover
Don't Be Fooled by the Name
Geordie
1974

シリーズ「Glam!」

愛すべき英国ハードロックバンド、ジョーディの2ndです。題して「名前でだまされませんぜ」。ヴォーカルは後年AC/DCでお馴染みになるブライアン・ジョンソンさん。デビュー曲「オール・ビコーズ・オブ・ユー」が大ヒット、勢いに乗って来日までしてしまいおって。最初はどう考えてもスレイドだーてな感覚で受けておったはずで1stも彼らに勝るとも劣らないまでもかなり迫る(^0^)ファニーな大バカ三太郎で最高でした。さてこの2枚目、いかん、このままではスレイド二番煎じで終わってしまうと真正面大真面目ハードロックに挑戦。特にゼップ路線。ゼップ二番煎じに終わってしまうぢゃないかー?とは誰も疑問を呈しなかったらしい。はは。結果、ものすごーパワフル力ロック成功です。ただ売上げはコケた模様。みんなバカヤロウ望んでいたのね。かくゆう私もそうゆ面ではちと寂しい。だけどブライアンさん歌えるからねえ。演奏力も基礎体力有りだから貴重なリアルタイム・ハードロック・アルバムなのだ。けっしておろそかには出来ぬ。目玉は「朝日のあたる家」。同郷のアニマルズに敬意を表して。これだけはバカロックだけど。なんせ肝心なオルガン弾きがいませんからそれをコーラスで補おうとしてます。「むー」って(^0^)。これはどう考えても無理筋。けどその無理がかわいいの。はい。他の曲はえーっと、曲を作ってるギター弾きのマルコム氏のアイドルはジミー・ペイジさんってことでリフの鬼と化してる。ただギターソロが嫌いらしく。いいのかそれで。時々弾いてて先の「朝日の〜」とか3.のソー・ホァットとかでは見事なスライドとかやってんだけど弾かないねえしかし。謎だ。やっぱこれはハードロックバンドとしては弱点だろなあ。どうしたってみんなギターヒーロ待っちゃうから。でもそれで関節技しかしないレスラーのようにガチンコになってるとも言えます。関節技つうよりずーっとヘッドロックとかスリーパーホールドかけてる感じかな。体は馬鹿でかく顔も凶悪。ドン・レオ・ジョナサンとか。人間発電所。4.のマーシナリイ・マンではジミー・ペイジ、ステージ上で弓とテルミン使用のパフォーマンス風の音を再現してます。弓とテルミン抜きで。とゆうことでジョーディに関してはこの言葉を捧げるしかない。「人は欠点があるから素晴らしい。」。聴きながらけっこう文句ばっか言ってるくせに大好きでしょっちゅう聴いてるよ俺。ブツ見たら即買っちゃうし。名盤じゃ無くても楽しいのあるからロックって最高なんだよなあ。

曲目等詳細

10/8(金)
摩天楼闊歩
cover
Dante's Casino
The Monochrome Set
1990

シリーズ「エキゾチカ」

これまで名曲含有率94%とゆう恐るべき英国無国籍音楽探検バンド、モノクローム・セット。今回は新大陸摩天楼に上陸いたしました。前々作はイタリアからモロッコへの旅、そして前作ロスト・ウイークエンド(レコード会社の関係からいつまでも再発無しくやしー)は新大陸へ渡る船中の物語しかもタイタニック、女装してた為生き残って命からがらニューヨークにたどり着いただよ。一曲目から意気揚々ビル街を闊歩するかのようなハツラツとした音が飛び出して来ます。ドラムに初めてゲートエコーをかけた。90年になってやっと。世の中はもうこの音飽き飽きしてるっちゅうのに。けどこれが効いてまして気分高揚してる様をヴィヴィッドに活写してる次第。使うべきとこに使えば使えますってほくそえんでるビド氏の顔が思い浮かぶ。で曲目がベラモンテでっからまだヨーロッパ気分が抜け切ってません。せっかくアメリカに来たのに訪れるのは外人街ばかり。2曲目ではスパニッシュ、ゲートは外して、復帰レスター・スクエア氏のギター冴え渡り踊り子が踊りまくる。3曲目、元カウボーイが経営してるハイテクビルに潜入、ゲート強烈、わーいつのまに世間はこんななっちゃんだとちとびっくりそして意気消沈、そしたら4曲目で綺麗な女人が慰めてくれました。インド系の美女だよ。すっかり元気取り戻してその場で踊ります(5曲目)。モロッコで見た金色の水の唄で。その場にいたカウボーイが生ギターで伴奏してくれた。すっかり意気投合した三人は一緒に住もうとゆうことになり不動産屋さんと物件を廻ります。出来れば家の神様が住んでるうちにしたいって言ってるけどそりゃ無理かも(6曲目)。見つけました神様がいる家。郊外の森の外れ小さいながらかわいい家です。さっそくバルコニーで歌う主人公(7曲目)。放浪の旅の想い出と共に。すっかり落ち着いたけど根はやっぱバカボンドな人間。ふらふらとまた街に出てきてしまいました。街には凶悪な顔をした悪漢が一杯。恐ろしい顔で笑顔を浮かべ悪の誘いをしてきます(8曲目)。走って逃げて誰もいない通りに。雨上がりの路上に光るはガス灯の白い光のみ(9曲目)。何をここにしに来たのかしばし考える。光が青に金に銀に虹色に。自分は平和と愛を探してるだけだそしたらいつまでも若い命を燃やせるぞいと走り出し(9曲目)迷い込んだのは袋小路、そこで待っていたのは・・・・。
とゆう話(多分)を完璧なアレンジとKOメロディで奏でてます。雰囲気はビートルズ前ビド君幼少期の音楽の記憶、そして現在、を行ったり来たり。またも聴く人それぞれに自分の映像を持つことが出来るアルバムを作ってくれました。

曲目等詳細

10/9(土)
恐山入城
cover
Nocturne
Siouxsie & the Banshees
1983

シリーズ「新波倶楽部」

最初期女性リーダー・UKパンク・バンドでありスージー・スーさん元セックス・ピストルス親衛隊、最初の頃にはシド・ヴィシャスちゃんがドラムだったり香港庭園だったりスーさん容姿が今話題のゴスロリ?元祖だったり日本盤でのバンド名がスゥージー・スー&ザ・バンスィーズだったりしてましたバンシーズの代表作はこれだって勝手に言ってよかですか?発表前年82年の新宿ツバキハウス公演に行ったものでインパクト大、この頃がいっちゃん強力に刷り込まれております。あのときゃあもうすし詰め満員、ピョンピョン飛びながら見たけど今の今までギタリストは元マガジンのジョン・マクガフ氏だと思い込んでました。この盤もそうだけどキュアのロバート”ロバスミ熊さん”スミスちゃんだったのね。二人ゴスロリ状態だったはずなのに何故気付かなかったのか。いややっぱあの時はマクガフ氏だったよなあ。ご存知の方いらしたら教えて下さいましー。とゆうのもバンシーズでのギタープレイはそれくらい両者似てまして、まあロバスミちゃんがマクガフ氏のプレイを忠実にやっておくれだとゆうこともありますが。恐るべきはやっぱりスージー姉御のボーカル。まるでメロディの上下を命賭けても歌ってやるものかと呪いイタコスタイルを貫き通してます。だもんでビートルズのディア・プルーデンスやヘルター・スケルターやろうとも完全に恐山化、これがまたぴったしはまってのカバー名作だがや。当然バンドも姉御の呪詛を最大に盛り立てるかのごとくドラムのバッジーはこの時期シーンを席巻したズンドコ・ブルンディ・ドラムからヒントのハイハット刻み替わりにタムをドカスカデンぶったたきベースはひたすらヅドドドドドと刻みのギターはフランジャーで揺らしてアルペジオでビロリん、ビロリンってほぼ全編1パターンだまいったか。当然こうなると最初部分聴いただけで何じゃこりゃあかんてな人も多数出ること予想、それも無理からぬことでありますが、はまったかっこいいと思った人には最後まで付き合ってもらうよ。覚悟召され。イスラエルでどわーっと開陳したこのライブ、しばらくは修行状態堅持、聴衆も自らの体内ビートを呼び覚ます作業に専念することとなります。そして出たな妖怪ハッピイ・ハウス。ここから一挙大輪の花が咲く。満を持してのスペルバウンドで宴は高輪プリンスホテル、熱狂も最大になってああ、幸せ音楽でらりるれろ、いやラリれるわになれますわよ。こないなライブはおよそ西洋音楽ではありえない所業で形態としてはジェームス・ブラウン神父とかアフリカン・ミュージックのライブとかに感覚近し次第でスパニッシュ空気、欧州どろりんの音楽でこれを経験させてくれるバンシーズ、とっても貴重で偉い人たちだと思います。あの経験は忘れがたく、しばらく自分のバンドでもずだだだビートが幅を利かせたもんであんたそれで売れなかったかもしれないじゃない。責任取って下さい(^0^)。なんてね。

曲目等詳細

試聴はここで

グッヅ

10/10(日)
地獄からの脱出
cover
Dynasty
Kiss
1979

シリーズ「直球野郎一本勝負」

今日は普通に書こう(^0^)。キッス79年の9作目、アライブUで区切りを付けて各メンバーのソロ作も一挙に出しました。結果は売上げ面ではアルバムではジーンさんの勝利、シングルでは何とエースさんのうっちゃり勝利で終わり売れると立場有利に働くキッス力学、今回の盤ではどうでしょうか?びょーん。何とポールさんの逆転勝利、さすがキッスに命を賭ける男、1・のラビング・ユー・ベイベで世間をあっと驚かすヒットを放ったのだー。それは何とキッスがデスコに挑戦。えらいこっちゃ。賛否両論もあるも大成功、まるで流行りものじゃけん、後で笑われるよなあって見越してるかのごとくチープにそしてとことんデスコしなすってそれが返ってエバーグリーンになっちゃったわ。パシーンの恥ずかしいシンドラも今となっては愛すべき存在に外せない。フィルムでもケレン見無くてやっぱキッス!偉い!。そしてポールさんのさらに駄目押しは3.のシュア・ノウ・サムシング。共にアンプラグドでやった2ndに入ってたジーン氏のゴーイン・ブラインドと共にキッス・アダルト・ハードロックの大傑作、これこそ永遠曲であります。残るマジック・タッチも哀愁どきゅーんで冴えてるわーポールさん新たなもの掴みなすったようです。この路線は哀愁好きにはたまらんものある。他のメンバーも負けてません。僕ピータも今回は豪華呉服をまとうことなく軽快ナンバー、ダーティ・リヴィンで。ここでは何とジーン氏もチョッパーで応えてる。グルーヴィン。この人のベース実にセンス良くてキッスの音楽を古くさせない要素の一つはこの人の的確かつ絶妙なベースワークにありと見た。アキラ。さてそのジーンちゃんは?。相変わらず外れ無しの曲作り。己のテーマみたいな5.のカリスマ、どスケベ道を行く8.のX線の目。X線のサビの凝り方が地味ながら凄いっす。そして問題児エース君。シングル売れたことでますます微妙な立場になってしまったような。この4人がキッスだと実に大切に思ってるポール、ジーン両氏も気を使ってか2曲自作曲登場。それに応えて7.のハードタイムズでは前段の凝ったリフ、サビで一転掴みのメロディと才能発揮、ラストの曲ではこれまたがっちり掴むサビと。サービスで2.ローリング・ストーンズの2000男まで入って曲が粒揃いなことでは今までのオリジナル・アルバム中一番じゃ無いかと思います。まあ言ってみりゃ覚えやすくPOPなものが増えたってことですけど、それがけっして悪いことだとは思いませぬ。何もキャッチーに出来たものを小難しくする必要無し。特にキッスは直球一本勝負だし。余裕も少し出来たようにも感じられ世間はパンクで逆風だとゆうのに自分たちのキャラで遊んでるかのごときこの縁日屋台お面屋さん盤、彼らのアルバムではベスト3に入るほどわたしゃ好きだぞー。

曲目等詳細

日本盤

試聴はここで

グッヅ

10/11(月)
ちょっと待ちねえ
cover
Moondog Matinee
The Band
1973/10/15

シリーズ「The Band」

ザ・バンドつうのも実に入りにくいバンドだと思います。最初から謎の大御所雰囲気ぷんぷん、何か埃ぽくて、そのくせ渋いって言葉一言で片付けられやすくって、ああああゆうのねで済んじゃったりしたりして。私も最初は加藤茶似の人がおるなあってくらいしか中学生の頃は思っていなかった。チャートにも縁が無いし。それがボブ・ディランとのライブ・アルバムでおおエキサイティング、でそのセピア色に浪漫感じた時点でもう一挙に大はまりとなった次第です。それでも初期モノはやっぱ敷居が高い感じもありまして、まあそれは本人達も確信を持って俳優で言えばアーネスト・ボーグナインとかリー・マービンとか戦争映画に出てくる世界おっかない顔選手権エントリー常連みたいな人たちが跋扈する世界の音楽をやってる訳でしゃあない面も。でこのアルバム、ムーンドッグ・マチネーの登場だー。先のおっかない顔音楽でも怒りの葡萄のヘンリー・フォンダとか大脱走のチャールズ・ブロンソン程度時折ボルサリーノのジャン・ポール・ベルモンドが登場するくらいに留められてる実に入りやすい音楽なんです。実際昔現場に出てた時一緒に働いていた電気屋さんの主任さん、ギターが出来るつうんで無理やり一緒にイカ天出てもらったお方なんすがライブでやろうぜと車でこの盤聴かせたら泣きやがった。洋楽などまるで縁の無い人だったんすが。確かに全て先入観とっぱらうとこれほどわかりやすくごーんと来る音楽は無いかと。この盤の収録曲、実は彼らのオリジナルではありません。ビートルズとほぼ同世代ながら彼らの活躍してた時期にはドサ、明日のジョーに出てくるドサ・ボクシングみたいなもんで長いことクラブ廻りしてた時にやってた当時のヒット曲をカバーしてたものばかり。ビートルズもドサ出身なんだよな。でもザ・バンドのばやいそれが長くてしかも北米地域ってことで地域密着型貧乏人志向強いのも無理からぬ所業で。そこにもちゃんとある素晴らしい音楽を追い求めて来て自分の音楽を作って来ました。で、ここに来てさらに自分たちのルーツをもう一度、はじめの気持を取り戻そう運動とゆう訳で。きびしーうるさーいリーダー、ロビー・ロバートソン氏のきゅうきゅうの音作りから一歩離れてお互いにちとリラックスして音楽やってみようってことになったのかもしれません。我々としてはまず食いついちゃうのは「第3の男のテーマ」だー。映画のラストシーンの絵も忘れがたくそしてあのメロディも。バンドさん、そこは嬉しいことにまっつぐ真正面からそのままやってくれてます。ただし音色は全編彼らのもの。あとはグレート・プリテンダー。プラターズでお馴染み。フレディ・マーキュリーちゃんもソロでやったなあ。これもまっつぐ。メロディに馴染みがある分、リチャード・マニュエル氏のヴォーカルの素晴らしさにKOされちまう。他の曲は我々異国東洋ポンニチからすればちと馴染みが薄いものばかりかもしれませんがそれぞれひねくれたとこの無い名曲揃い、バンドもやっぱりひねくれずそのままやってそれがまた素晴らしいこと。アイム・レディではグレムリンも踊り出しちゃうし、ホ−リーカウではのほほんとしちゃうしシェア・ヨア・ラブでは泣くし、最後のサム・クック・ナンバー、ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カムではもう涙で顔崩れちゃってぐしょぐしょだあな。タイトルからして歳を取れば取るほど感じいっちゃう。言葉わかんなくとも唄の威力だこれが。大胆な解釈、自分たちのアレンジで原曲を凌駕しちゃう例は音楽界で多々有ると思いますがこれだけそのまんまで原曲の素晴らしさはそのまんま、そしてザ・バンドってバンド、自分たちの素晴らしさを出してる例はそう無いかと思います。彼らも改めてこれで何かを確信したかと。このまっつぐ清らかなって言って良いほどの透明な空気そのままで次の大傑作「南十字星」に挑むこととなります。バンドって言ったら最初の2枚って大抵の名盤本には書いていると思うけど何もそのまま従うことなし。後になって聴く自由って訳でここはこれから聴くって凄くありだと思います。彼ら自身だってこれから始めたのですから。

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日本盤

グッヅ

10/12(火)
上陸モダンジャ-ズ
cover
Time Out
Dave Brubeck Quartet
1959

シリーズ「JaZz」

アリナミンのCM他でお馴染み、テーマのメロディだけは95%の人がご存知、後の部分ははて?なテイク・ファイブが入ってる59年のデイブ・ブルーベック氏のアルバムです。ジャズのジャンルで言うとウエスト・コースト・ジャズとかクール・ジャズになるのでしょうか。ウエストコーストと言いましてもペダルスティールは入ってないよー。何でそんなんいきなりだーと言いますと中身のそなジャンルを超えた素晴らしさはもちろんのことこのテイク・ファイブ、英国チャートに初めて入ってきたモダンジャズなんす。それまでのUKジャズつうとトラッドジャズ一本、パッカパーなのをこよなく愛し自分たち流にアレンジ、ケニー・ボールさんとゆう人がが大人気で40年代からモダンジャズあるちゅのにまるで見なかったことのようになっておりました。ブルーベック氏にしても録音キャリア10年目のアルバム、しかも61年の10月にそろーっとヒット、それでも最高位6位まで行ったんだからこれは熱狂的に受け入れられたって言っていいかも。なぜいきなりなんだーてのを考えるにまず白人さんがやってるのもあるだろなあ。それと求道的なあの独特のモダンジャズの色合い薄く、一見軽くて、お洒落、粋だてのも。まあ何よりあのメロディですから。それが一番かも。そんな訳でこの盤のUKポップシーンに与えた衝撃たるや物凄いもの、その後の影響もすげーと推理することが出来ます。それは中身を聴いていただければ一目瞭然で1曲目トルコ風ブルーロンドに針を落としたとたん出てくるのが変拍子の嵐、わ俺イエスのCDかけちゃったよって確認すること2回いや間違っとらんと確信した時に4ビートジャズになってああ安心となったらまた変拍子とまーこの時点でこれをビル・ブラッドフォード幼少の時聴き狂ったんだろなあと想像してしまいます。この変拍子→4ビートの切り替わり時の快感って言ったら無いす。しかもクール。かっこえー。変拍子が当時ジャズ界で流行ったのもあるんだけど白人ジャズマンにとってステディなビートでのファンキイさではとてもブラックさんにかなわずってとこに風穴開けるしてやったりの手段だったのでは無いかと。それはロックでも同じだあな。無理せず自分で出来る最上の道を選んだとこにまず大勝利への道が。それは主人公ブルーベック氏のピアノにも。何か味薄いなーてな風だけど華麗で軽やか。2.のイントロ部分をリック・ウエイクマン氏が幼少のミギリ必死にコピイしたとみた。ほんとかよ(^0^)。あとロックへの最大の影響発見!そこかしこにビートルズ・メロディらしきものが出てきます。時代前じゃんかよ。タイムマシーンみたいだ。一聴してわかるのは5.のケイシーズ・ワルツの1分4秒あたり、いきなりオール・マイ・ラビングが登場します。これけっこうびっくり。ポールちゃんの脳みそにこびりついていたのでしょうか。この端正で律儀な世界も英国人気質にぴったしだったと推測しますがジャズ界のスーパートランプ、DBQ、いかがでしょうか。確実に一線超えてますんで買ってあちゃーと思うことはまず無いと確信いたします。

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日本盤

10/13(水)
友達
cover
Mahoney's Last Stand
Ron Wood & Ronnie Lane
1976

シリーズ「英国シンガーソングライター」

ロニー・レイン。フェセズのミスター・ヒューマン。ロニー・ウッド。フェイセズのミスター・パーティ(^0^)。そんなTWOロニーズがフェイセズ在籍中、「馬の耳に念仏」と「ウーララ」の間72年にこっそり作っていた映画サントラ盤です。マホニーズ・ラスト・スタンド。アキレスじゃない。しかしそんな映画聞いたことも無し。こんな素敵な音楽が詰まってる映画なら何は無くとも見てみたい。12チャンネルで深夜ふとやってくれないかな。気付かないぞ。ははは。発表自体はだいぶ後、76年のワン・フォー・ザ・ロードの後だったんでそのつもりでづっとおりました。そのくらい変わらぬ二人の世界、つーかレインさんの世界、彼、人に合わせて吸い込まれそうでどっこいかなりリーダシップ強い人です。ロンちゃんはやっぱにこにこして一緒にやる人。サントラってことでインスト含有率高し。冒頭の「今夜の曲」をはじめ派手にテーマ決めるぜって無理やりアデレナリン注入してるやつも。幕間に使うへにゃっとしたやつも。そして二人で仲良く唄って自分たちモード全開のものも。そのいずれもがいとおしく何とも暖かい、誰に頼まれなくたってしょっちゅうついかけてしまい浸りたくなる音楽です。この音楽が無くたって世界に何の影響も無し音楽界も何も変わらず、でも無かったらわしは困るよあなたもきっと困るよー。ラーメンの春巻かー。クレジットを見てみると気が付きゃピート・タウンゼンドさんもおる、リック・グレッチ氏もボビー・キース氏もイアン・スチュアート氏もマクラガン氏もとえらい豪華。だけどそんなこともあまり気にならなかったりして。聴こえるのは二人の声とロン氏のあのスライドそしてそれを支えたくって支えてる友達連中。音楽も映画もこうして発表するからにはどうしたってお金がからむけどこれはそんな中でも奇跡的に音楽オンリーだーって言い切りたくなります。元はアメリカン・ミュージック、でもブリティッシュ、アメリカンって言っても根はブリティッシュ、しんなり混ざりました。やっぱ春巻かな。ああ、食べちゃった。おかわりしよう。あーたこんな最後の曲やられちゃったらもうエンドレスになってしまいます。

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日本盤

10/14(木)
りはびりー
cover
Greatest Hits of Brasil '66
Sergio Mendes & Brasil '66
1970

シリーズ「おひさまPOP」

誰が何と言おうとボッサノバは気持いい。嫌いな人は気持いい音とかほにゃらかした音楽を聴くと尻のあたりがむずむずして走っちゃう人なのでそれはそれで仕方が有りませぬが普段ロックやらどべかどんな音ばかり聴いていると無性にそれらに縁の無い音楽を聴きたくなることがあります。では何を聴くか。セルメンだー。セルジオ越後氏が啓蒙する麺を普及しにチャアザア村にやってきたらブラジル食堂つうのがあって66円で既にメニューにありました。それが証拠に後に77とか92とかインフレで上がって行きます。では無くて。60年代後半にアメリカを席巻した、多少かな6曲だから、ボッサの王子&巫女さん達です。アメリカなんかより日本とかの方が人気有ったのかもしれん。洋楽とか関係無しに名前はガキの頃から知ってるとゆう。でベンチャーズとセルメンはもうしょっちゅう来日してる貴方の街の公民館にもてな感じでともすれば軽んじられてたと思うけど最近謎のソフトロックブームで再びったらしい。ソフトロック総本山A&Mの屋台骨さんだっから。トミー・リピューマ氏とゆう運動靴好きな人のプロデュースで。ボーカル女性陣の一角ラニー・ホールって人はハープ・アルパートさんの奥さん。とこれくらいしか実は知りません。まーだいたいそんなことほっといてホケーっと楽しませていただくために聴くのだからそれはそれで良いとして、いいのか、いいとして、すげーぞモダンだ。なんでだろ。ボサノバとかメジャー7コードとかってのは永遠にお洒落です。メジャー7thコード。ギターのロー・コードのAの真ん中の音を半音(一つ)下げたやつでピンコピンコってそれを適当にアルペジるだけでそれっぽくなる。その割りにその後作るのがちんぷんかんぷんで私が断念した世界なんすがそれなんだがそれを魔術のように駆使してる12曲。今のCD時代にはちと少ない収録時間。だけどそれがいいの。足りないくらいが。ベスト盤はちょっと間が抜けてるとこがあったりするのが後を引いてすてき。あ、終わっちゃった。そいやイパネマの娘とかワン・ノート・サンバとかザ・ジョーカーとかまだまだフィールソーグッドなやつあります、ぐわ欲しいとなるのだ。曲目見ていただけた方はお気づきになったと思いますがビートルズの曲がやたらと多い。このビートルズの曲ってのがくせもの。かつてカバーして成功した例はほんと稀かと。なんだか間抜けになってしまうとゆう。これらセルメン一行版も最初聴いた時はうげうわおえと感じるかもなあ。ご想像通りまんまボッサしてますんで。だけど繰り返すとあら不思議、クセになります。もっともっとって。音楽マゾか。サイモン&ガーファンクルのずたぼろ、いやスカボロー・フェアは大はまり。バカラックさんのルック・オブ・ラブはもちろん鳥肌もんで。そしてその他の曲、これがまたワンダーな曲ばっかりで。試聴するなら最後のプリティ・ワールドからにしてくれー。ちと出てくるだけでわかるそのプリテーな世界、きっと貴方も持っておきたくなります。実際重宝しますよ。ど疲れの時にあまりスレイヤーは聴きません。いかんもっと聴きたくなってしまった。

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10/15(水)
江戸っ子
cover
Ultimate Collection
The Small Faces
1960

シリーズ「Golden 60's」

最近TVCMでシャラララリーが流れてきてびっくりのスモール・フェイセズ。お聴きになった方も多いかも。いきなりあのハイテンション・ヴォーカルがお茶の間に乱入すると仰天ぽん。60’sロンドンモッズ・シーンの西の横綱がフーなら東の横綱が彼ら。モッズてば何だったかつうととにかくかっこよく粋に決めちゃるって連中だったかと思います。顔だけ見るとまだ十代のぼんぼんがロニー・レインの音頭の元集い、究極のモッド・バンドやろうとして見事に成し遂げちゃった。そんな彼らが命を賭けたと思われるのがプリティな7インチ盤シングル。さーまとめて聴きたいぞとなるとコンピCDとなります。ちょっと前までは一挙にまとめたやつがあったんですけど現在は廃盤みたいでとなるとサンクチュアリーのこれがツボを突きますか。何がいいってまず曲が素敵です。POPで元気でキャッチー。そりゃもーライバルのフーにもキンクスにもストーンズにもそしてビートルズにだって負けてないぞ。そして演奏力、江戸っ子ヴォーカル、ロンドンのオーティス・レディング、熱いぜ火傷するぜいらっしゃいまし何にしやすかヴォーカルのスティーブ・マリオット氏がおる。常に沸騰点に達している歌声聴くだけでこっちだってシャウトしたくなるぜ。ぎゃお。彼のギターも弾けてます。ウイルコ・ジョンソンもかくやの切れまくりカッティング、そして音質。ぎごんつうアタックとコシの音は今は絶対に出せない代物だろうなあ。後のレイジー・ローリンぶりが想像出来ないヒップなイアン・マクレガンちゃんのオルガン&エレピプレイもきらきら。いざっちゅう時大爆発のケニー・ジョーンズ氏のドラムも大爆発だ。そして張本人ロニー・レインさん。もうこの頃はかっこよさに命を賭ける男。若い才気がぴかぴかに弾けて。ベースに才人がいるバンドは強力です。ビートルズしかりキッスしかり。けっして音楽がカビること無し。例のシャララリーだけお聴きになって他のはだいじょぶかなあって不安のあなた、もう心配ご無用、天駆け巡る名曲オンパレードですけん。ワチャゴナ・ドゥアバウティット、オール・オア・ナッシン、イッチクー・パーク、ティン・ソルジャー、アフターグロウ、レイジー・サンデイ、もう枚挙に暇がない。1曲1曲そのたびにこーんこーんと臨界点に一緒に行けちゃいま。レインさんの作曲能力ってほんと凄いんだなあと実感しちゃって。これは正に若い音楽です。生意気できばってて全力投球でかっこつけてる。こちとら歳取った今となっては眩しいけど嬉しい眩しさで聴けば聴くほどどんどん若くなって何でも出来そうな気になって。2、30年なんて大したことあんめえ。ばっち弾けてまだまだ頑張りましょう。いやーまたバンドまたやりたくなっちゃうなあ。

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