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今日の感謝盤一覧2005.12下

 

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1

12/16(金)
底抜け脱線NW
cover
Flaunt It
Sigue Sigue Sputnik
1986

シリーズ「新波倶楽部」

*時は1986年、NWの最終兵器としてブリテン国から登場はこのジグ・ジグ・スパトニックちゃん。このソ連の人工衛星スプートニクと乗ってましたワンちゃんの名前を合体させたバンド名を持つ連中、そりゃもう激賞に次ぐ激賞で迎えられたんだよ。当時のMMが出てまいりましたのでクロスレビューからご紹介いたしますと
まずはK氏
「それがいったいどうしたんだ!?って気分。2点」
M氏
「このバンドはハッタリ以前のまやかしでしかない。1点」
そして重鎮Nのとうよう氏
「「なんじゃこれは。こんなものが音楽か!0点。」
Oh!私の数UBのテストの点数かと思いました。素晴らしき平均点です。ちなみに10点満点でこれだよ。もうこれだけで買うっきゃないす。何でこんな好かれたかと申しますと、そもそもはジェネレーションXのベース弾き、トニー・ジェイムス氏が、看板スタアのビリー・アイドルちゃんが一旗上げにニュー・ヨークに行ってしまったため、さて困ったとぶち上げたバンドでございまして、昔の名前で出ていますに加え、契約金15億円で大メジャーEMIと契約などと振れ回り、しかもこのパンクにあるまじきチャラチャラしたカッコ。アルバム・タイトルが「見せびらかしましょう」。テキトーな日本語ふゅうちゃあ。21センチュリー・ボーイなんて恐れ多いシングル出すわ、肝心の音楽はと言えば当事出たてのジャメイカはレゲエの新ジャンル「スレンテン」のパクリ。しかもあまりにも早過ぎ!。てんで妬み謗り蔑み軽薄とまあこれは褒められるっきゃ無いわ。プロデュースはジョルジオ・モロダー氏でござる。

見た目で判断して、見た目で判断せず、見た目をあえて楽しみましょう。

決して尊敬などされず好かれもせずなのにとっても売れちゃって人気者。これはロックの理想だよ。悲しき宣伝契約金15億円。思い切りハッタリ大ボラとしか思えず。出すわきゃねえぞ。実際はTV出演一本4万円クラスの若手芸人並と想像し、もし貰ったとしても税金96%で大社会貢献、何て偉い連中なのだ。あ、それでも6000万ゲットか。いいなあ。スレンテン自体が極めてお気楽極楽な登場でございます。とにかく貧乏なジャメイカン、スタジオに有ったカシオトーンをいじって遊んでいたらプリセットのリズム・パターンにオオウケ。こりゃ使えるってんで思い切り誤解使用でレゲエと合体した代物。ずっと生き残るも何も勢い一発のネタですけんの。それ聴いてそりゃワシの丸Cだってモロダー氏が燃えたのも無理無し。勢い一発だって私の専売特許、今を然る事1972年、グラムの時代にチコリー・チップってバンドやってました。手作りの気ぐるみ&ハード化粧の大バカ・バンドでヒット3曲。今こそ蘇らせる時だ。パンクの成れの果て期にパンクならば全パンク否定で爆発してやるわで総決算。それがパンクてなもんじゃないのかい。狙うは映画「ブレードランナー」の「わかもと」の看板みたいな音楽。「水を飲んではいけません」とか「過激な暴力。食べ物は美味しい。」とかこの日本語アドバイザーさん、ナイスや。非難のツボ突いてます。そしてバンドがロック界で生き残るには不可欠な哀愁風味は皆無。メロディも皆無。名前の無い馬のごとく一音でずうっと。究極の刹那。現在も何と活動中。ついこないだもイタリア、スペインでライブしたんだって。こんな痛快なことがあるでしょうか。私だって数学のテスト一桁点数取ってたってどっちかってゆうと理系の仕事、今してんだよ。好きかどうかはまた別だけど。人生も音楽も不条理。それで無くっちゃ面白くありません。大好きですジグジグ。

歌詞みちゃおかな
たりらー、鼻からにんじーん

21世紀ボーイ

ステレオ
ビデオ
SFセックス
レッツ・ゴーゴー
れっつごー
土星の夢、レーザー光線
21世紀セックスマシーン
XXの缶
XXを投げて
タイメックスkjd
今こそゴーゴー
俺は宇宙カウボーイ
俺は21世紀ウイーピィー少年
「これは新世代のテレビです。」
シアミセ、ればねせ
中国人が裸TVでしゃべってる
シンガポール、エル・サルバドール、コカコーラ、マーキュリー、贅沢
私をどうか使用してください。
俺は宇宙カウボーイ
俺は21世紀ウイーピィー少年
「レデース&ジェントルメン、今が1990年です」
エンブリオ、UFO、きちがい、おー最高ホラーショー
お尻と唇とビュウティクイーン。パーテーしましょう。
ビーナスライン、セクシートランプ。お化粧たっぷりベガス風
俺は宇宙カウボーイ
俺は21世紀ウイーピィー少年
アメリカンドリーム。レッツゴオ。ごーごーごー。
アイ・ラーブ・テクノロジィ。

曲目等詳細

試聴はここで

12/17(土)
アバで泣く
cover
Fernando
ABBA

1976/9

シリーズ「完璧なシングル」

*今回の「完璧なシングル」は
「フェルナンド/Fernando」
アバです。
英国では76年3月に登場、あれよあれよとゆうまに最高位1位に君臨、アメリカではそれに遅れること半年、9月の4週に登場、最高位13位まで上がりました曲です。アバの数ある名曲の中ではとりわけ印象に残ってた曲つう訳ではなかったんすがママミア同様、先日いきなし開眼してしもうた。もう今年は予想に反して本業仕事が鬼スケジュール。やれ胸が痛い気持ち悪いとあまりのスケジュールにパニくっておったところ、ちゃぶ通「チャートでロック」記事を書く為に聞いたのよフェルナンドを、まず仕事中に。そしたら来ました。アバで泣く。って言っても大体の方がそうであるように涙がどわっと貯まってやばい不覚だ状態になったんすが、そうゆうところがあるのだこの曲には。アバで泣く。パンカーに取ってこれほど人に言えぬことがあるでしょうかい。もしやロットンさんんも泣くかもしれぬので不意打ち食らわしてみたし。ぎゃはは。アバはださい。こいつはアメリカでもそう思われてたようで、TVコメディ「ザッツ70’sショー」でも「フェルナンドー」がそうゆう扱いで描写されてたりして、それでも皆で楽しそうに歌うのだ。ま、フィルムを見てもあのカッコですから・・・田舎っぽいと申しますかハイセンスとは言えぬよなあ。音楽も究極の親しみやすさ、ベタネタも多いし外人にとってはスウェーデン訛りも感じるのでしょう。しかして気が付くととんでも無くエキストリームな仕掛け有り。このフェルナンドは特にそうだと思います。大体フェルナンドって何なのだ。とわからぬ内にもう語感でエキゾチック魔力に掛かってしまっている。で、イントロがコンドルが飛んでいくで。ケーナかパンフルートか、こりゃ南米のはずなのにどうゆう訳か北欧に無理やり転換イメージ。部屋中の温度が一挙に下がりの。アンデスの標高3000mの気温とスウェーデンの気温が一致するからかの。ガラスの仮面「二人の王女」のオリゲルド状態になる訳です。コードはAで始まるメジャーなのに

聞こえますか?フェルナンドのドラムの音が
思い出します、遠い昔、今日と同じような星降る夜に
焚き木の光の中で フェルナンド
貴方はそっと奏でるギタアで、一人静かにハミングしてた
私には遠くで奏でるドラムと音楽が聞こえました
まるでそれは兵隊のラッパ、遠くで遠くで呼び出されるように

それらは近づいてきました フェルナンド
毎時間ごとに、毎分ごとに しまいには永遠に感じられるほど
私は恐れました フェルナンド
私達はとても若く 人生を謳歌し まるで死に対して心の準備が無く
銃砲のうなりを恐れることに何の恥ずかしさもありません
それらで泣くしかないではありませんか


あまりにベタな哀愁モードで。どうしましょう。なのが訳してみたらこうだったのか。平和な毎日に忍び寄る戦火への恐怖の歌だったとは・・。
来るのはこの直後、コーラス部分、いきなり王女アルディスが登場するのだ。


その夜空気に中に何かがありました
星は瞬き フェルナンド
それらは僕と君に自由のために光り輝き フェルナンド
失うものは何も無いと確信し、後悔何もなし
いっぱい同じことをしなければならなかったとしたら します 我が友フェルナンド
いっぱい同じことをしなければならなかったとしたら します 我が友フェルナンド

どわっと来るのも当然か。恐れ、落ちた直後、このひるまぬ飽くなき抵抗の意志。メロと音と共に光が充満して、クールなアバ歌唱の中に子連れ狼中村錦之助氏の口元の恥を0.3mm動かす笑顔のような強烈な、まったく


今私達は年老いて、髪も白み フェルナンド
そして長き年月が経ち、ライフルがあなたの腕に抱かれているのを見ます
ドラムの音が聞こえますか?フェルナンド
あなたはリオグランデで戦火を交える運命の夜を今再び思い出しますか?
私は誇りを持って戦った貴方の目をそこに見てしまいます
この国の自由のために

その夜空気に中に何かがありました
星は瞬き フェルナンド
それらは僕と君に自由のために光り輝き フェルナンド
失うものは何も無いと確信し、後悔何もなし
いっぱい同じことをしなければならなかったとしたら します 我が友フェルナンド
いっぱい同じことをしなければならなかったとしたら します 我が友フェルナンド


微妙だ。歌詞だけ見ると反戦か、はたまた自由のために戦うのを厭わずかわかりません。鍵は一つ「リオグランデ」。アメリカ人にとって誇り高き「リオグランデの戦い」。ジョン・フォード監督で映画にもなりました。アパッチ・インデアンと騎兵隊の壮絶な戦いは自由を守るためかはたまたとんでも無き侵略か。この歌ではどちらかと主張はせず、全ては聞く側の心に委ねられてます。ポップスは民の心の鏡。笑うも泣くも怒るもやる側では無く聴く側だとゆうキートンの無表情のようなアバのクールネスにその真髄を見、次はダンシング・クイーンだよ。その前にこの重くしかも解放する、しかも考えてしまう曲を初めての「グレーテスト・ヒット」アルバムの冒頭に新曲として持ってきた。アバ、やはり只者でありません。しかも言葉わからぬとも音楽だけで何かを吹っ切らせる力をも。くれた。最後はやはりアルディスだと心より希望いたしますフェルナンド。

試聴はここで

12/18(日)
ライブ・キラー2発
cover
Shout It Out Loud & Beth
Kiss

1976

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「狂気の叫び & ベス
Shout It Out Loud & Beth」
/キッス。
必殺アルバム「デストロイヤー」からくしくも続けて収録の対照的なシングルです。
まずは
「Shout It Out Loud 」。
キッスのライブ・キラーなハード・ロック・チューンと申しますか全員合唱ベスト3といやあロックンロール・オールナイトとラブ・ガンそしてこの狂気の叫びだと思いますがいかがでしょうか。これが始まると来たぁとばかりにサビ大唱和。スタジアムどっかーん状態になるぞ。イントロの一音目のギターの音でわかるもんね。元ネタが有ったそうです。ホリーズの「I Wanna Shout」。70年の「Moving Finger」アルバムの曲で、キッスの前身バンドのウイッキド・レスターでカバーしてやってたと。それを歌詞を変えサウンドを変えての大変身で再生。聴きますと掛け合いこそそうだけどよくもまああれからここへ。ポール&ジーンの耳センスに乾杯。キモはドラムス、4分音符叩き。これはモータウンだな。掛け合いボーカルてのもモータウンオハコだったからそこから連想なのかも。ガッガッガッと歩むが如き行進ビートのこれ、実際やってみるとえらい難しいものです。とにかく腰座ってやること難儀でついついどんどんビートが走っちゃう。バンドの力量が試される時だ。ナイスなんは普通はこれだけでずうっと通すのが前段歌部分になると普通の8ビートに転換するとこ。イントロのバスドラ・オフに合わせてベースが高い所で踊り、ギターはトゥイン・リードで必殺フレーズ、全員がこれでもかの見せ場。それで歌に入ると一回下げて今度は二人の掛け合いで歌って、手拍子2発、サビで全員唱和だもん、文句付けようが無しの必殺ぶりです。手拍子なんか付けようが無いよ。拳突き上げるのみ。行進行進。

わはは、夜は始まったぜ、あんた楽しんでるね
さあ君はそれを見つけることが出来るか(出来るかー)
自分をナンバー1だと思わなきゃいかんぜよ
よーくそれを肝に据えなきゃな(据えなきゃな)

何を言うにもするのにも関係ないね
何を言ったかなんてすっかり忘れちまいな
俺らは別の方法ではそれを出来んから
皆そらほらロックンロールだ、うぉおお、おおおー

叫べ、叫べ、叫べやかましく

叫べ、叫べ、叫べやかましく

気持ち悪いなんて感じたなら、出来ることがあるぜ
打ちひしがれたハートでそこに座っているなよ(いるなよー)
近所の友達全部呼んでからに
パーテー始めようぜ(はじめよーぜー)

まっことやかましいやつなんて周りから言わせるんじゃない
ヤツラは爺で理解なんかできゃしない
ボウズども娘っ子どもと傍若無人にレッツゴー
堂々としてればいいのさ

叫べ、叫べ、叫べやかましく
叫べ、叫べ、叫べやかましく

叫べ、叫べ、叫べやかましく
叫べ、叫べ、叫べやかましく
さー、パーテーだパーテーだどっかーん

叫べ、叫べ、叫べやかましく
叫べ、叫べ、叫べやかましく
もっとでっかく
叫べ、叫べ、叫べやかましく
叫べ、叫べ、叫べやかましく
皆で叫べ

おう、いえい


これだね。問答無用の若者ソング。誰かが歌ってくれねばならぬ、それはキッスだ。これっきゃないの簡潔ギター・ソロを片耳に後は叫べ叫べもうそれはやかましく。どうかよろしく。

そしてでっかく盛り上がったところで
キッス流チークタイムの
「ベス」。
TOP40デビュー以来3曲目で、何とまあ最高位7位、最大ヒットとなってしまいました。もうこれが無くちゃキッスとは言えません。だいだい無かったらライブで他の3人が休めないっす。なんてね。そりゃ句読点な歌なんだけど恐るべき巨大句読点。カラオケでピーターさんがこれを歌う姿は東京ドームを一挙に歌謡ショーにしてしまう。しかもあの顔のままで。っつう究極のミスマッチがヒットのツボです。誰がこのネタのヒント持ってきたか。多分プロデューサーのボブ・エズリン氏かと。キッスのお師匠さんといやあアリス・クーパー氏。そのアリスさんと長いこと仕事をしてるエズリン氏を三顧の礼を持って監督に迎えましたけん、その人気秘密の数々を聞き出したかと。その中でもとっておきのネタと持ち上げ上手なシモンズさんについばらしちゃったのが「実はアリスが本気で狙ってる路線はバラード」ってこと。「前年5月に出した「オンリー・ウーマン」は気まぐれなんかじゃありません。これからはマッチョな野郎がふと漏らす泣き言。これよこれ。次のアリスのシングルなんか・・・」ってくしくも翌月10月にランクインすることになる「俺は泣かない」のネタを漏らしちゃったと想像。よく似てますはい。アリスさんはエルトンのバラードをご参考に。それをまたまた参考にしましたキッスはエルトン臭さ抜けてよりオリジナルとなりの、しかしバックのストリングスはエルトンちゃんの「フレンズ」アルバムぽかったりして、それはエズリン氏のお仕事。元のタイトルは「ベック」だったらしい。ジェフのベックでは無くて「レベッカ、ベックリー」の略称で、何かなあベックだとピンとこんなってシモンズ氏がベスにしましょうと。ピーターさんが奥さんのリディアさんに向けて書きました。

C dm Cmaj7 Am G
ベス、君の呼ぶ声が聞こえる でも僕はすぐには家に帰れないんだ

F G C E E7
僕とガキどもは演奏中    サウンドを見つけることが出来ない

Am G F Em
もう少し時間があったら   すぐにでも帰りたいよ

D7 F Am   Am G
君達が呼んでいるのを思うと  おー、ベス、僕にいったい何が出来る?

F F C
ベス、僕にいったい何が出来る?

君はとっても空っぽな気持ちと言う 家ってあるだけじゃ家じゃ無いのよと
そして、僕はいつもどこか他の場所にいる
そして、君はそこで一人ぼっち

もう少し時間があったら すぐにでも帰りたいよ
君達が呼んでいるのを思うと おー、ベス、僕にいったい何が出来る?
ベス、僕にいったい何が出来る?

ベス、僕は君は寂しがってるのを知ってる
そして君が幸せでいることを望んでいる
だって、僕とガキどもはずっと演奏中
一晩中


「叫べ叫べ」とか言っておきながら・・実はキツイところもあるんだね、オイオイと貰い泣きしてしまいそうな単身赴任ソングで。一挙に身近に感じてしまいますキッスを。特に男性諸氏は。これ以上正直なものは無いつう身上の吐露で。トロにゃ。ロック・バンドがまっこと支持されるには同性の支持は不可欠じゃけん。これはキラーです。作ったピーターさんはそれどころじゃ無かったろうけど。これで益々人気者になって益々家に帰れないかもしれないけど。思わぬヒットでバンド内バランスが崩れちゃったけど。大吉は大凶を呼ぶか。女性の方はどう思うのかな。調子良いよな、お気楽に仕事しちゃってさとか・・だったりして。最初はデトロイト・ロック・シティのB面でした。これも作戦・・・だったりして。ドゥービーのブラック・ウォーターの例を見て。なんて考えるのは汚い大人。あーやだやだ。

試聴はここで

12/19(月)
澄んだ火の玉
cover
Firefall
Firefall
1976

シリーズ「うえす塔こうす塔」

*1976年9月にTOP40ランクインの「完璧なシングル」、

ユー・アー・ザ・ウーマン/You Are the Woman

収録のファイアフォールの1stアルバムです。この時期みんな聴きたかったんだようウエストコースト・ロックが。イーグルスの完全ブレークでもっともっとそうゆうの。カントリー・ロックとはちょっと違うんだよ、ウエストコーストっ。しかしこれがなかなか有りません。70’sって各々のバンドの個性がほんと飛びぬけてますから。周りで勝手にシーンみたいの作って期待したってイーグルスはイーグルス。いっちゃん成功したからサウンドの代表格と言われてもねえ、そう都合良く同じくらい素敵で同じサウンドのは。そんな中、登場がこのファイアフォール。本人達は特に意識することなくいつものようにバンド組もうぜって組んだのかもしれませぬが周りがこりゃもうほって置きませんでした。デビューと同時にどっかーん。シングル「ユー・アー・ザ・ウーマン」もどっかああん。でもちょおっと違うんだよ。アクの塊みたいなバンドだったのだ。リーダーはミスター詠嘆男、リック・ロバーツ氏。ロスに上京して名門フライング・ブリトー・ブラザースに加入、そしてあのスーパー・バンド、マナサスに入ってピッカリさんスティーブン・スティルス氏と確実に音楽を共有した方です。残念無念短命に終わってしまったマナサス後、どうしてもあの音味が忘れられない、やり残したことがあると故郷コロラド州ボウルダーに戻ったリックさん。くしくもその時町は全米中の音楽シーンで注目されるところとなっておった。シカゴのウイリアム・ガルシオ氏が作ったカリブ・ランチ・スタジオにエルトンさん、EW&F、ジョーのウォルシュさん、先のスティルスさんなどが録音に入城、スモッグもこもこのLAを避難したミュージシャンも続々結集してました。コロラドといやあまず思い浮かべるのが喫茶。マイアミと並ぶ。何ででしょ喫茶。とにかく風光明媚な所だって言うのは間違い無さそう。道の周りには見事なまでに何も無し。街は高地だから寒そうだけんどまあ綺麗。ジャケットは当然コロラド川か。で、バンド組もうぜと一声かけたロバーツさんの元に集結した暇な・・・もとい丁度フリーエージェントだったメンツはまず元バーズ、FBBとゆう超大物ドラマーのマイケル・クラーク氏。放浪生活をおくっていたらしい。そしてフロントの相方として東部で活動してた誰なんだ貴方はのラリー・バーネット氏。リード・ギターに地元の花形満バンド、ゼファーのジョック・バートリー氏。ベースにはこれまた大物、ジョ・ジョ・ガンにおりましたマーク・アンデス氏。となるとこの後続出するスーパー・バンドのハシリかもしれん。これら猛者が集ったファイアフォール、音楽は至って直球です。まるでスタジオ・ライブで録音したのかいなってくらいの人数分それだけのプレイ。リズム・セクションどんた、アコ・ギターじゃじゃん、リードエレキがグイーン、そして歌とコーラス。バカテクも無し。目指した音楽に向かって良い歌をやるのだ。その目指した音楽は1曲目で高らかに鳴り響きます。マナサスでやりましたキラー・ナンバー「イット・ダズント・マター」。あの時ロバーツ氏はスティルスさんのチャカポコ・ラテンにぞっこんラブになってしまったのだ。お師匠様、私がその道をどんどん開きますと言うのがこのファイアフォール。師匠の歌にさらに詠嘆を加えたメキシカン・スタイルで嘆く嘆く。ただし温度はコロラド気温。せいぜい3度位。透明感が音の隅々に充満してたまりません。これが全米でうけたのは前年ブレークしたテキサスのフレディ・フェンダー氏の下地があったかも。で、問題の1stシングル「ユー・アー・ザ・ウーマン」。ちゃかぽこを控え目に、この時期のイギリスでなら全くヒットする可能性無きお気楽極楽パラダイスな曲でした。その北米小林旭な歌声に敬意を表して訳さらば


おまえは娘、おいらが夢みてたョ
最初からわかっていたんだヨ
心からじっくりお顔拝見

あんまり話しかけてくれないけど
それはもうおこがましくって
もう少しでもそばにいてくれるだけで
近くに感じられてよう

おまえは娘、おいらが夢みてたョ
最初からわかっていたんだヨ
心からじっくりお顔拝見

もうそんなかわいい顔、おいらは見たことが無いヨ
けっして見せ掛けだけじゃないし
おいらが見つめちゃうのはそれだけ特別な訳があるんだ
だからここにずっといるんだよ

おまえは娘、おいらが夢みてたョ
最初からわかっていたんだヨ
心からじっくりお顔拝見

さわさわとしたギター・ソロ

おいらの気持ちを告白なんて出来ないヨ
俺の流儀じゃ全然無いんだけど
おまえはもうおいらの心をメロメロにしたんサ
ニコっと笑ってくれるたんびにヨ

おまえは娘、おいらが夢みてたョ
最初からわかっていたんだヨ
心からじっくりお顔拝見

おー、おいらのハート おおおおいらの気持ち〜


ほんとに惚れてしまった女人が出てしもうた伊達男の歌かの。それとも伊達男の振りしていきがってるけどシャイな若者さんか。先日あんまり好みだったってんで四六時中見つめてたらストーカーってことで訴えられて有罪になってしもた事件が本邦でありましたけど、そんなー爽やかで無いものとは違うこと希望。恋愛小唄です。うるわし。旭兄さんにマジカバーして貰いたい。ほけほけしたフルートが強力薬味でございます。
さらにこのアルバム、さすが1stだけあって書き溜めた名曲がずらり。土の男バーネット氏の「シンデレラ」、詠嘆極まる「メキシコ」など見せ場各所で飽きることなどけっしてありません。あ、ポコペン担当はマナサスのジョー・ララ氏。お師匠様お借りしました、って感じでしょうか。気合入ってます。

曲目等詳細

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12/20(火)
中世レッツゴー
cover
Midnight Mushrumps
Gryphon
1974

シリーズ「プログレ支部」

*もうすぐクリスマスー。早いっすねえ。急いで気分に浸らねばと今日はこのアルバムに感謝したひ。
グリフォンの「ミッドナイト・マッシュランプス」、邦題「真夜中の狂宴」。
相当飲めや歌えみたいだけんど合ってるのかな邦題。調べるとマッシュランプってマッシュルームのことみたい。真夜中のマッシュルーム。貫禄は無いけどずっとかわゆい。あ、そうか。で裏ジャケに巨大きのこが。マッシュとゆうよりバンデル星人みたい。もしや毒キノコか。クリムゾン王が勃興させましたプログレるロック。宮殿アルバムで範と為しましたのがジャズとロックの蜜月。そしてビートルズがお先に先鞭のクラシックとロックのお見合いってものが。さすれば俄然やる気出しました英国の音楽屋さんたち。クラシックが有りならうちらには民謡が有るで無いかいとトラッド大好き派がどわっと。まあクリムゾン王の為したことを継いだとゆうより別路線同時発生かとは思うけど。70’sに入りそれとはちと違うアプローチで挑んだのがこのグリフォンさんです。企むは古楽とロックの融合。イギリス中世の音楽を当事の楽器を織り交ぜつつ組んずほぐれつしたらさぞかし楽しかろうとものした2枚目のアルバムがこれです。考えるのも言葉で書くのもサラっと行けちゃうけど、こりゃかなり難儀なことかと。作り方によっては下手すりゃ相当辛気臭いつうか小理屈ぽいものになってしまいそう。それがあーた、やったねグリフォンさん。目が澄んでいるのかスカっと爽やか、さすが英国人と申しますか品良く深く薫り高く。NHK特集みたいにもならず、ほらどわーっと白玉が分厚く鳴っていかにも感動して下さいの中に適当にエキゾ風味で昔の楽器鳴ってます、みたいのとは全然違います。やですねえそゆうの下品で。従って地味でござるが耐用年数は長し。お茶の時間にキンクスと日替わりでご使用あれ。オレンジペコちゃんもさぞかし美味かろう。さて中世とゆうとどのくらいの年代なのでありましょうか。日本史はよう1本の線なんで得意だったんすが世界史は錯綜しててごっちゃになっちゃうので苦手で、うむむ、思い出すのは「ピピンの乱」とか。いやピピンってかわゆいなとか、覚えてただけで。調べるとピピンちゃんはローマ方面の人か。となるとあれだヘンリー八世と1645人の妻か。調ぶるとヘンリーちゃんは在位1509〜47。違うか。となるとエリザベス女王杯1世か。うぬぬ、女王さまはヘンリーさんの直後のよう。となると後はあの方しかおるまい。アーサー王と電卓の騎士。調べると「5世紀後半から6世紀前半」。イエスこれだ。モンティパイソン映画で見ました。みんなでマンガの肉を食べてる相当グロい時代か。短絡的だ。よく中世は暗黒時代とか申すけど、確かに百年戦争とかバラ戦争とか戦争ばっかしやがって。でも庶民は今と同じようにそんな中でも小さな貴重な幸せを求めて生活してたに違いなし。そんな食卓がこのレコードを聴くと眼前に現れます。多数使用の笛類はまずはクラムホーン。ぺよーとか音がいかにも出そう。そしてキラー楽器のリコーダー。ソプラノからテナーからバスまで各種。バス・リコーダーって。高校の時、音楽を選択してアルトリコーダー吹かされたよ。私ギター弾きのくせに指が短くてドラえもんみたいなもんで指が届かなくてねえ、えらい苦労しました。アルトでそうならバスだといったいどうなるのか。考えただけでも恐ろしい。のを軽々と吹いてます。練習量考えると・・・恐ろしい。ボーカル入りは1曲のみ。ご安心を。ドラムもベースもここぞって時に登場。どでかい音で鳴らして浸りたくなる。平安、鎌倉幕府時代と現代の結合。日本でそれやったらとんでもな事態が発生しそうなだけにこの素敵さは奇跡です。

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12/21(水)
条件反射
cover
The At The Sound of the Bell
Pavlov's Dog
1975

シリーズ「プログレ支部」

**鐘だ鐘だ鐘鳴らそ聖夜だし逆さ吊り〜。撮影中すっかり頭に血が上ってしまわれたであろうインパクト強大ジャケのこのバンドは、パブロフス・ドッグです。してこのアルバムは75年の2nd。邦題は「条件反射」。パブロフの犬だからよー、条件反射に決まってるじゃん。膝かっくん。って原題は「鐘の音楽にて」だよ。逆さ吊りまでしたのにもう台無しって裏ジャケでは頭抱えてます。多分ノートルダムのせむし男だろな。猿じゃ無いよな。このジャケで買うの撤退した人は68%はいると見た。扮しているのはメンバーさんじゃ無いと思い(多分)。フロントマンのデビッド・サーカンプ氏は、ほれこの通り素敵なロッカーです。この名状難し音楽を持つ犬ちゃん、出身は米南部セントルイス。プログレシブ・ロックの名盤として雑誌なんかに10年に1回は登場してる模様。しかしセントルイス、なぜに。邦盤が廃盤模様ですので結成の経緯を簡単に書かせていただきますと・・

※1970年高校生デビッド・サーカンプ君とベースのリチャード・ストックトン君がアマチュア・バンド結成、すぐ解散
※なぜかっつううと、チャック・ベリー氏のバック・バンドにいたドラムスのマイク・サフロン氏のバンド「アニマ・マンディ」にデビッド君が引き抜かれたため。
※結成以来1年間ライブも出来ず、解散。
※翌73年、デビッド君とサーカンプ君、再びバンド結成目論む。サフロン氏と仲間が再び寄ってきて、結局「アニマ」バンドの再結成に。狭い世界だ。バンド名変更「パブロフス・ドッグ・アンド・ザ・コンディションド・レフリックス・ソウル・レビュー・アンド・コンサート・クワイア」。長過ぎ。売れる気があるのかー。若いってすてき。
※ブルース中心のレパートリーからオリジナル勝負に。しかーし。ソウル・バンドと思われて(そりゃそうだ)、ライブで総すかん。諦めず、REOスピードワゴンにいたとゆうギタリスト、スティーブ・スコーフィナ氏引き抜き、鍵盤のデビッド・ハミルトン氏、フルートのダグ・レイバーン氏加えて頑張る。有望バンドだって騙して誘ったのだと。
※敏腕マネージャー、ロン・パウエル氏に出会う。嫌がる彼をごり押しで引き受けさせる。
※ブルー・オイスター・カルトのプロデューサー、サンディ・パールマン氏が偶然セントルイスのクラブでライブ鑑賞。丁度プログレ方面進出を目論んでいたCBSからそれでデビュー。お犬さんアルバム発売。ドラムスのサフロンさん、ヴァイオリンのカーベルさん諦めて脱退。ギターのトマス・ニクスン氏加入。

とまあ何といばらの道を歩んで来たこと。で、2枚目のこのアルバム製作とゆうことになるんですが、ドラムがおらんでよ。困った。そこは当事有名人サンディさんの力か。呼ばれたのは何とビル・ブルフォード氏だ!。暇だったか。そしてロクシー・ミュージックのアンディ・マッケイ氏も!。ブレッカー・ブラザースのマイケル・ブレッカーさん。
しかして、このパフロフの犬ちゃんバンドは、プログレなのでしょうか。これがまた微妙。問題の御仁はフロントマンのデビッド君だ。4歳のころ、ぜんそくで死に掛けたとゆう彼は少年期、長いことアリゾナのインディアン居留地にある病院で療養生活を送ったとゆうことで。そこで聞いたネイティブ・アメリカンの歌に強烈な影響を受けて、その時読んだ神話やファンタジーの本と共に独自の個性を。針を落とさば仰天のハイトーン・ヴォイスが。女人とも間違う、違うレコかけたのかとびびるほど。メロトロンの妙なる響きに導かれて始まる「シー・ケイム・シャイニング」、曲はもしちょっとした機会があらばヒットしたんじゃないかってフォーク風味。ビルさんがこんなまともなドラム叩いてるの聴いたことなし。そのままちょっと歪んだ歌に身を浸していると次第にマッケイ氏のぷっぷくぷーサックスが乱入してきたり、ロクシーの影が。喜ぶ。そうなるとスプリット・エンズか。そういえばボーカル・スタイルが似てる。セントルイスとイギリスと豪州がない交ぜになってからに、終盤、そのまま大プログレ大会で大団円に向かう様壮絶です。ビル氏も大爆発。未来世界の光景にも突入。

鬼っ子であることは間違い無いかと。誰がアレンジ、サウンド・プロダクションしたのだろう。この恐るべき個性に対してどうやったらいいか。誰も彼も判然とせぬまま混交とした様が何より魅力的です。これが75年かって時代の訳わかんないのも。誰が聞いても気に入られるって音楽じゃ無いなきっと。それは相当やばい覚悟のものだ。私はと言えば・・・何回も何回も折につけて聴き、喜ぶ。大切です。

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12/22(木)
一緒で幸せ
cover
Happiness Is Being With the Spinners
The Spinners
1976

シリーズ「ブラック道」

*んもーいいなあ、暖かいなあ、エンドレスです、聴きだすとスピナーズ。ほんとにタイトル通り「幸せはスピナーズと一緒なこと」。そしてこのジャケット。この通りの音楽で。今年はフィリー・ソウルのマッハの壁を破った個人的に記念すべき年でして、好きですから超大好きになりました。元々大好きだったこのスピナーズはだからもうウルトラ超大好き。あはは、駄目だ聞き惚れちゃって何も書けないよ。スピナーズのフィラデルフィア・ソウルのアルバムも6枚目。廻りを見渡せばすっかりソウルも様変わり、ファンクは爛熟期に入ろうとし、いよいよディスコ時代に突入。揺り返しでジョニー・テイラーおじちゃんの親父ソウル・ブームが有ったりして。いよいよロックも巻き込んでの踊り踊りに。な中でスピさん。なーんも変わりません。ただただ素敵な曲を素敵なアレンジで素敵な歌で歌う。毎回毎回出るアルバムで幸せになり今度のアルバムもまた。捨て曲など有ろうはずも無くこれもああまたこれもの連続です。リード・ボーカル部分はそりゃも歌えんけどコーラス部分でいつのまにか参加してたりして。そのジャケの輪の隅っこに聴いた人みんな入っちゃうのね。シングル・ヒットは4.のアップ・テンポ曲「ラバーバンド・マン」。「ザ・軽快」。昔から謎で・・なんだろラバーバンド・マンって。どうやら輪ゴム芸人さんのことらしく。びよーんびよーんびんびんびんと様々な音を出して芸をするハード芸な人。この曲でもバックでびょんびょんと鳴ってます。リード・ボーカルはもちろん、くわまんクリソツのフィリッペ・ウエインさん。

さあ私のステッキを下さいな
私の帽子もどうぞ
お急ぎあれ、遅れませんように
楽しいしゃべりのお時間が始まりますぞ

へい、ご準備あれ 輪ゴム男の演芸です
聞いたことないでしょ こんな輪ゴム男の音は
くらくらしちゃいます 輪ゴム男が始めちゃったら

おお神様、なんてこったい
やつのすることと来たら 何もかも絶品だよ



虎さんの口上よろしく、軽やかにしゃべくり踊る輪ゴム男の姿がもう眼前に。このビートはなんだろ。冷静に聴かば、聴けないんだけど、聴かば、不思議。それこそ輪ゴムの音からベース・フレーズが出来てドラムが・・・一緒に全部湧き上がって来たごとし。他に類無し歌詞の通りだから参っちゃう。

シングルヒットをど真ん中に。今回も素敵、ミディアム・バラード。ハナの「今、そう一緒に」のイントロと低音歌歌唱が聴こえてきただけで鳥肌ぞわー。続けて2.「あなた方全部が私の人生に必要です」と言い切る。人と人はラバーバンドでつながっている。好きでも嫌いでも。さらに暗闇のランプのような3.「もし愛の中にいられないなら」。このメロディ。や。後半だって、5.「トニ大好き」。スティーリーのダン好きにはたまりませんディーコンな空気満点。6.「かがり火の前の4つの手」。何て素敵なタイトルなんでしょう。タイトルに負けません曲だって。丁寧に作られた100年ものの家具みたいな7.「ザ・クラウン」。ラストはアップで楽しくウキウキ「起きろよスーザン」。
こればっかは今のブラック・ミュージックでは聴くことが出来なくなってしまった音楽です。何で当たり前の歌が聴けなくなったかさっぱしわからんが。向こうの人もどうしてかなあって思ってるのかも。有るのは無理やり逃げていく黒っぽさをかき集めたかのようなデフォルメ歌いばっかで。もしくは全てを諦めたラップさん。さらりとさ、いい曲をやればいいじゃんか。言葉ころころの快感とメロディの麗しさ備えた音楽を。って一番難儀で貴重なことなのかも。あまりに色々なことを抱え込み過ぎてしもた。今は噛み締める時でも何らおかしくはありません。

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12/23(金)
サンタさんへ
cover
Come Dancing With the Kinks:
The Best of the Kinks 1977-1986
The Kinks
1986

シリーズ「街角キンクス」

*何が幸せってクリスマスの前日の金曜日にキンクスを聴くことです「ファーザ・クリススマス」。当然その曲だけで納まるはずも無くそれ収録のこのアリスタ時代のベスト盤に身も心も浸ります。いやーいい顔してますジャケット。詐欺師に扮した山城新伍氏のようです。で声は郷ひろみくりそつ。顔がちょめちょめで声がひろみGO。ぐっとフットワークが軽くなったアリスタ70’sアーンド80’sのキンクス、爽快、ヴェリー・ファン、ナイス旋律、涙、スリル、サスペンス。どこがそないにいいかっつううと何よりナンバー1じゃない幸せをこれほど証明してくれる方はおらんでよ。売れに売れて大金持ちになってしもうてさあそれからどうするってのが才能有るロッカーの大命題でありますからに。まさか「僕、いまやお金持ち。楽しい楽しい毎日店ごとお洋服買いますよ。車も2台は当たり前、10台20台持ってます〜」なんて歌おうものならコンチクショーって誰も聴いてくれません。ま、デイビス卿ならそんなになってもナイスな斬り返しソングを歌ってくれそうですが、レコード会社もうるさいしよ、妙な期待されちゃうし、堅苦しいったらありゃしないと体内制御装置が効いてやらないのだ。だからケチじゃないよ。ケチかな。黒デイビス、白デイビスがいて、きっと両方かも。当然自分が音楽界で一番偉いなんて考えもしません。思われたくも無いし迷惑だろな。音楽聴けば一目瞭然です。このめくるめく名曲群で判明、つくづくポップス大好きな人です。特にチャートPOP。いつもカー・ラジオでTOP40聞いてたのかも。で、もう素直にこうゆう音で俺もやりたいでよとやっちゃう。それに関わった人の音楽も。そりゃ恋人だったり、恋人の恋人になってしまう人であったり、気になって聴いて、そりゃ好き好き愛してるで夢中になることもあり、むかつくぜよこんなやつに何でと思いながらいいじゃんこれとか結局好きになったり。なもんでストーンズみたいだったりモロプリテンダーズだったりシンプルマインズだったり(きつ)、トム・ロビンソン・バンドだったり。仕上げる一歩手前で「ああ、俺やっちゃったよ。」とちょろっと舌を出す調味料をパラパラと。通常は人はそれをパクりと呼び、聴かばむかつきます。よく行く中華料理屋さんでかかるJ・POPがよーそれで、何だよこれモロあれじゃんって。で、俺はアーティストでござるって態度でやけに堂々と歌ってたりするもんだから腹は立つ。ところがどっこいキンクスではそれがまるで無し。早い話がむかつくパクラーは所謂「大根」で、デイビス卿は名役者ってことでしょうが。何よりその音楽を前にして作った己の曲が、まあ真っ直ぐなこと。思い切り真正面のメロディです。ですから逆にあっちがマネしたんだろと思わせてしまう。80’s超えて真っ直ぐなメロ作るってことがいかに困難なことであったか。キンキーキンキーひねくれ坊主、ってやたらですけんど、私はデイビス卿凄く素直な人であるとここに宣言。ギャグ好き中学生のまま育ったミュージシャンがここにも一人。さあ「ファーザ・クリスマス」を聴こう。


僕がまだちっちゃかった頃、サンタクロースを信じていたんだよ
もちろんそれが僕のパパだってこと知っていたけど
で、クリスマスには靴下をぶらさげて プレゼントを開いては大喜び
でもこの前デパートの前で突っ立ってファーザー・クリスマス(サンタクロース)になった時
クソガキの集団がやって来て、まとわりつくのよ
私のトナカイをボコボコにしやがって
言いやがった
「サンタさんよう、金くれよ
下らないおもちゃなんかどうでもいいからよう
くれないならあんたもボコボコにしてやるからな
あんたの食いブチ欲しいんだよ、むかつかせるなよ
そんなおもちゃんなんか金持ちのへなちょこガキにくれちまいな
俺の弟にはスティーブ・オースティンみたいな服なんかいらねえよ
かわゆいキャラなんか俺の妹は欲しがってないぜ
ジクソーパズルとか人生ゲームの札なんか欲しくない
欲しいのはゲンナマだけだっつうの

サンタさんよう、金くれよ
むかつかせるならボコボコにしてやるからな
サンタさんよう、金くれよ
下らないおもちゃなんかどうでもいいからよう
でも俺の父ちゃんに仕事をくれねえか だって父ちゃんには必要なんだ
食わせなきゃならないのがいっぱいで
でもあんたが何かしようってんなら、俺はマシンガンを持つぜ
俺の名前を聞けば街中のガキどもが震え上がるんだからな

サンタさんよう、金くれよ
てめえのアホなおもちゃに関わってる暇はねえんだよ
くれないならあんたもボコボコにしてやるからな
そんなおもちゃんなんか金持ちのへなちょこガキにくれちまいな

あんたにメリーメリーくりすます
素敵な時をお祈りします
でも何にも持たぬ子供のことをどうか思い出して
美味しい美味しいワインを飲んでるその時に

サンタさんよう、金くれよ
てめえのアホなおもちゃに関わってる暇はねえんだよ
くれないならあんたもボコボコにしてやるからな
そんなおもちゃんなんか金持ちのへなちょこガキにくれちまいな



今時こんな正直なクリスマス・ソングあるでしょうか。何とかエイドやら何とかワールドでつるんでやる大金持ちロッカーより、音楽家としてぽんとリアルなこのクリスマス歌を作る男を我は信ぜり。この風景が見えるか見えないかで決まるかと思います。聴く方も同じ、この歌でそこが見えるか見えないか見ないか。

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12/24(土)
楽園にて
cover
Wonderland
XTC

1983

シリーズ「完璧なシングル」

*今回の「完璧なシングル」は
「ワンダーランド/Wonderland」
XTCです。
存在自体がクリスマスなアルバム「ママー」からのひっそりとしたシングル・カット。作と歌ははミスター・ワンダー・ポップのコリン・ムールディングさんです。どこかクリスマスなんだろと思うに・・・???。何かクリスマス。元々冬の国の冬の音楽の冬のバンドがほっと一息、人肌してみようと作ったアルバムだからかもしれません。全世界で87%はジーザスうんぬんゆうよりサンタが主役、うんにゃ鳥と小麦粉には気の毒だが何かお祭、何か楽しくて戦いも一休み、ご馳走食べてっての、実はもっともイエス様が望んだ姿かも。それはだからワンダーランド。果たしてこの世に楽園はあるのか。
自ら作らねばならないよきっと。



見えるかい?
ラブと愛情 
そこに示されるとき
それはあなたの望むこと
あなたの神秘楽園に包まれて

ゆっくりと走ることは
あなたを育む
紳士
あなたは結ばれたと思い
素晴らしい楽園に閉じこもる

私みたいな思いがけない人間では君を縛り付けることなんか出来ません
君にとって明らかに間抜けな私

ある日あなたは自分の名前から解放されるでしょう
そしていつか君自身のために私を望む日が来る
その時、心からようこそと私は言います

深夜の饗宴にて
全ての会話は
きどったやからを惑わせます
貴方のマジカル・ワンダーランドにて
深さから外れ
階級から外れ
君の人生の様相は
変化の兆し
悲劇的楽園に捕らえられて
光り輝く富の全てが台無し
まもなく自業自得で転落する時が参るのでそのつもりで

ある日あなたは自分の名前から解放されるでしょう
そしていつか君自身のために私を望む日が来る
その時、心からようこそと私は言います

あなたの神秘楽園に包まれて

薄っぺらで
ありもしない
御伽噺な
ワンダーランドにて



例によって私の力及ばぬ解釈訳です。びっくりしたなもうつうか、でもやっぱりかな。そうそう聴き手の思う通りにやってくれるほど音楽甘く無し。それにしても・・皮肉たっぷり六本木昼ズ族への歌だったとは(だよな)。光り輝く富にまるで縁の無い身としては、そうだそうだと共に快哉を叫びたい気分で・・・、ありますが・・・、やっぱり私が想う「ワンダーランド」は「ワンダーランド」で別にいて貰い・・迎えますクリスマス。暖かい歌声、チャイニーズなピコポン・シンセとデイブ・グレゴリー氏の流し素麺みたいな麗しのギターに包まれて自家製フライドチキンをささやかに食べれればそれで幸せ。
かなりのワンダーランドだと思う。

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12/25(日)
ウー、ベイブ
cover
Hurricane Smith
Hurricane Smith
1972

シリーズ「英国シンガーソングライター」

*今日の感謝盤は「完璧なシングル」
ウー、ベイブ
ドント・レット・イット・ダイ
フー・ワズ・イット?
の3曲を含むハリケーン・スミス氏、72年の唯一のアルバムです。長い間探してました。年の瀬も押し迫って思いがけなくボロボロのLPゲット。聴けばもうツボ、良くて良くて今年のベスト3入りだがや。去年のジェスロ・タル「クリスマス・アルバム」といい、この点だけは何故かツイてるとゆう。何とか感謝したいなあと駄目元でアマゾン調べてみたら、うわCDが出ているでは無いですか。しかもうち一枚は日本盤。凄い国だ。えー、誰だこの親父は・・・、ジョージ・マーティン氏の元でビートルズのエンジニアを務めた人であり、ピンク・フロイド初期作のプロデューサー、他にバークレイ・ジェイムス・ハーヴェストとかの製作も、そして自らも48歳になんなんとする71年にデビュー、3曲の母国英国でのヒットと1曲の最高位3位の米国ヒットを出した人です。その音楽は上記プロデュース作からすりゃプログレてるかと思いきやぎっちょんちょん、まるで違うノスタルジア・ミュージック。ノスタルジアっつうかうーんと時代を超えてると言いますか、そうだビートルズの「ロッキー・ラクーン」、「ウェナイ64」のポールちゃんのあの部分をほんとの親父がやったと。同期ギルバート・オサリバン氏の音楽をその時代を過ごしたほんとの親父がやったとゆう感じです。実際、完璧シングルの1曲「フー・ワズ・イット?」はオサリバン氏「バック・トゥ・フロント」アルバムに入ってるあの名曲で。声はもう究極のゲロゲロ声。明日のジョーの丹下段平似。「ジョーの子守唄」も歌えるきっと。ジョーの子守唄と言えばサントラでは何故かコロンボ小池朝雄氏が歌ってるんだけどTV放送内ではちゃんと藤岡重慶氏(ファンタスティック!)が歌ってると思うんだけど。うーむ。とゆうわけで段平さんがギルバート・オサリバンばんの歌を歌ってるのです。何と痛快なことでありましょうか。しかもそれがまたバチはまり。
昨日はぐれた狼が
 今日はマットで血を流し
 明日を目指して立ち上がる
(立て 立て立て 立つんだジョー)
 子守り歌はリングにゃないぜ
 立たなきゃ昨日に逆戻り
くらい感動します。これがPOPソングの醍醐味。何でこんなにいいのか理由を説明しろってわからんぞ。わからんことが一番凄いのだ。最大ヒットは「うー、ベイブ(ウァット・ウッド・ユー・セイ)です。歌詞がまた・・・



希望を持っても、半分チャンスがあると思っても
あなたともしやダンスしても、お願いしてもよろしいですか?
承諾してくださるでしょうか?それとも丁寧にお断りになる?
寒くて雨の日に突然日の光が現れるかなあ
オー、ベイブ、何て仰るでしょうか?

あなたはそこにおらっしゃるのですね、スイート・ロリポップ。
私はここにおります、ついついおしゃべりに、へいへい
夜通し貴方を愛するために
銀河を貴方と歩きたいがために
毎日毎日貴方に花を届けます
オー、ベイブ、何て仰るでしょうか?

だってベイビイ、知ってます
わかってます私が貴方にぞっこんなのを
そしてもしかしたら貴方を振り向かすことが出来るかも
ああ、もし貴方がその言葉を言ってくれたら
ともあれ
オー、ベイブ、何て仰るでしょうか?


何とまあかわいらしい謙虚なおじさんの恋歌。全然ロックじゃありません(^0^)。シンガー・ソング・ライターの時代にこそあれの、てめえを着飾ること無いその世代の歌。音楽。
もう1曲、英国での最初で最大、最高位2位のヒット、「ドント・レット・イット・ダイ」。これまた駄目だ。染みちゃって。とても平易な英語でしてこちらでよろしかったらご覧下さり歌詞をご賞味下さい。
他に日本と関係あるのかな。ちょっとオリエンタルなワルツ・タイムの「テイク・スキ・ホーム」、CDでは6.のインスト、もうこれは正にロッキー・ラクーンの世界「未完成無声映画のテーマ」なんてもう・・・生きてて良かったドント・レット・イット・ダイ。イギリスのヴァン・ダイク・パークスおじさんです。「ジャンプ」と並んで大切なアルバムになりそう。

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12/26(月)
裏庭の異邦人
cover
Stranger in My Own Backyard
Gilbert O'Sullivan
1974

シリーズ「英国シンガーソングライター」

*ギルバート・オサリバン氏の1974年の4枚目のアルバムです。「裏庭の異邦人」。正確には「自分自身の裏庭の異邦人」か。あまりにもイギリスンなお兄さんのギルバートさんの中には海の向こうメリケンに憧れるもう一人の自分がおりまして。行ってもいいでしょうか。行きますと初の島外録音。LPでは本仕立てになってますジャケを開くとカリフォルニアの海辺でゴロンわーい、犬と遊んだり、馬車に乗ったり、現地クソガキ、失礼、お子様達と記念撮影したりして実に楽しそう。録音風景も笑顔満載で新しい環境で嬉々として精気溢れる歌声満載です。本国ではグラムの波がさーっと引き始めてこれからどうなるのかな、アメリカでは自分旅を終えて、さー街へ出ようとゆう空気が。な中、オサリバンさんも怒涛の如しヒット・ラッシュも一段落でアローン・アゲイン、ナチュラリー、な場所がここでした。何より全く騒がず焦らず自然に74年のギルバートらしく、大ヒットが無くたって、それが何より嬉しいっす。冒頭には恒例の短いご挨拶が再び復帰、ちゃきちゃきファンキーな「ア・ウーマンズ・プレース」で発進。シングル・カットされてたのかー。ヒットの痕跡無し。あまりにもあのブンチャブンチャ曲群の素晴らしさ、イメージ焼きついてるもんで。深入りさば、自然な成り行きで違和感無いけど、それと大ヒットな人気とはまた別でございます。曲の素晴らしさともまた別。ファンキーとメロの強力合体「ゲット・ダウン」みたいな特級じゃないとしても責められるいわれはございません。どこと無しエルトンさんファンキーと共通する香りあるのはやっぱ同じ水飲んでるからかな。2曲目「ノー・モア」で戻って来ます。あのギルバートさんが。やっぱり白いご飯だよなとホッとしちゃうのも事実なんだよ。どぅどぅどぅどぅーどぅ。3.「悲しくなるのってとっても簡単」もよーく炊き上がった白いご飯。あのどっか悲喜劇な胸きゅんです。気付きますはキンクスのデイビス卿と声が似てる。絶対に大陸では聞けないブリテン血統の声なのかも。つうことはひろみ郷とも似てるのかー。4.の「マイ父さん」がまたたまりません。弾き語りシンプルの裸ソング。胸毛丸見えのギルバートさんメロで。笑ってるし。元来これだけで成立します。5.「結婚マシーン」は日本でシングル・カット、本国ではどうたったかちとわかりませぬ。それも納得のハイライト・キラー曲です。穏やかに流れるどっかエルトン「ダニエル」やビリー・ジョエル氏「ジャスタウエイユアー」想い出すキラ星で。元はバカラックさんかも。



その日が来るかもしれません
お互い別な道を歩んで別な人生を歩む日が
君は信じないだろうけど
でもそんな風にも言われてるもんなんだ
結婚生活はベッドで始まって
何かしらげんなりして終わったりする

君は本当に僕を愛してると言ってくれる
僕も君が感じてるのと同じくらいそうだって言うよ
でも誰が本当にわかってくれるかな
二人がそんなに近い存在になろうとは
お互いのその気持ちが変わらない

君にキスをするよ、そしてもう1回キス
そして神様に1回お祈り、結婚しよう
心変わりする時が来ないように
僕たちの全部の夢が終わってしまうような問題で

だからその日が来るかもしれません
お互い別な道を歩んで別な人生を歩む日が
君が正に待って、見つめる
でもうろたえないで
何と言っても君は何かを得たのだから
結婚マシーンの一部になった時
結婚マシーンの一部になった時


例によって大訳です。難しい言葉は無いんだけど表現が微妙。取りようによっては全く別な感じになるやも。どんな歌かはどうか皆さんそれぞれに。

7.イフ・ユー・エバー。再びたまらぬオサリバン節曲に。これも出来ても出来なくても自分で訳したくなるな。現在ギルバート先進国の本邦でのみCDが発売されてる模様ですけど、ゲットした折は対訳当てにせずご自身でどうか大訳をば。何より楽しいかと。
8.ザ・シング・イズは軽快にピアノ・ブギイ。
とここまでがアナログではA面。たっぷりとあの世界を堪能して、さてこの先は・・・・。つい毎度全曲、こうこうそうそうと感謝し尽したくなっちゃうけど・・・、いかーん、驚きも楽しみのうち。特にこの先は・・・メリー・ゴーラウンドみたいな。
ギルバートさんはいつもシングルとアルバムとで別な魅力を味合わせてくれます。1パンチ・キャッチーな魅力はあちらで、そしてじっくりとこちらで。どちらもはまるともう大変だよ。ってご存知ですね、もう皆さん。

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12/27(火)
愛のうコリーダ
cover
Chas Jankel
Chas Jankel
1981

シリーズ「パブロック部」

*本日の感謝盤は、完璧なシングル
「愛のコリーダ/Ai No Corrida」
収録のチャズ・ジャンケル氏1981年のアルバムです。愛のコリイダといやー有名なのは直後に御大クインシー・ジョーンズ氏によってカバーされたヴァージョン。それでクインシー氏嫌いになっちまったんですけどその名声を利用してのまんまパクリ、金襴緞子を
飾りつけ、ヒットかっさらうなんて音楽屋仁義にもとる行い、悪徳商人みてえだ、お天道様が見逃してもこの遠山桜は許さめえぞ。と息巻いてたらそのヴァージョンのちゃっかりチャズさん参加してるでねえかい。嬉しかったのかい。と息巻いてるくせにあっしもチャ
ズ氏のヴァージョンはシングルしか知らず。今回目出度くアルバム聴いてようやく歓喜してる次第ですのですまねえ誤るのは拙者でござる。本年度ベスト10入りさせて頂きますのでどうか許してくだされい。
チャズ・ジャンケルさん。何と申しましても英国のジェリー藤尾、イアン・デューリーおじさんのブロックヘッズの要人だった方です。才気爆発の2nd「ドゥ・イット・ユアセルフ」のあの悶絶サウンドはやっぱし貴方が作ってたのねを証明するウルトラ・ソロ・アルバムなのだ。せっかくブレークしたブロックヘッズを一旦抜けたのは「愛のコリーダ」つうキラー・ナンバー作っちゃって、まさかイアンおじさんに歌ってもらう訳にいかねえ、まるで似合わないし、てことだと思い。作はもちろんチャズさんご本人、そしてケニー・ヤング氏。ケニー氏と言えば、うお、くしくも今年のベスト10入りのアルバム「FOX」のリーダーさん。日の当たらぬ天才さん通し夢の合体、私の好きな音楽も知らぬ間につながってるだよ。


だっこするわい
タッチするわい
もうメロメロでくーらくら

思うわい
飲むわい

お前をトレーに乗せて盛り付けちゃお
ご覧
ガアル
それ毎日行っちゃおう
このやり方、感じちゃってるかえ?
挟んでチョーだい
夢見ます
それ知らしめてくれないなら
私は溺れます
助けんでええ

それが私の好きなやり方
ごらんガアル
スリルたっぷりの貴方

半分殺して
それが貴方のやり方
愛のコリーダ
そこが私のいるべきところ


そうとう恥ずかしいので、これくらいで勘弁してやるわい覚えてやがれと立ち去る。改めて聴くに問答無用にイカス。チャズ氏、何と申してもサウンド・センス、センスとしか言いようが無いな、最高です。それは録音音質も含めて。他に類無き透明且つ輪郭くっきり、厚ぼったく無く、スコーンと抜けて。ですからようクインシー御大がやったことといやあ、華麗なる女子コーラス隊に歌わせて例のトレードマーク・パシーン手拍子入れてエコーどすこいくれえだな。元祖は品のいい分、地味ですからやられただけ。アルバムは当然頭でかましてます「愛のコリーダ」。そしてぐっとクールダウンのピアノインスト。それがまた・・・最高。センスの元はそこにありてなもんだ。そして再びファンク・ナンバーと、サンドウイッチで進行。やってるやってる、あの独特のラティーノ・ピアノ連打と喜ぶぞー「ドゥ・イット・ユアセルフ」ファンの皆さん。やってるやってるーとあのレゲエ・タッチ。ブロックヘッズの応援無しでもパワーダウンいささかも無し。故はチャズ氏の揺るがぬ音楽ゆえであります。2曲のベースでクマ原田氏参加。律儀に支える律儀な男。スティーリー・ダン好きご用達アルバム再び。ジャジーなファンクの素晴らしさ、英国の果てでも見事に結実だ。

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12/28(水)
ペルソナだで
cover
Personalidade: The Best of Brazil
Jorge Ben
1987

シリーズ「FunX」

*世界3大ベンと言えば
和田ベン
ベンジー
そしてこのブラジルの
ジョルジ・ベン
です。
このアルバムは87年のベスト盤。絶頂期ベン70’sの至玉のグルーヴが満載、色んな意味でベスト盤大賞をも進呈したひ一物です。ただ問題はちと入手難。今は中古が出てるけど無き場合は「The Definitive Collection」でも遜色ありませぬ。つうか外れ無しな
のだ。ベンちゃんは終始一貫ベンちゃんなのでどのアルバム買ってももうベンちゃんですけん。でもさキラー曲が出来れば入ってるやつがいいっす。てことでそれは
マシュケナダ
ショビ・ショバ
タジ・マハール
の3曲。この3曲が入っておれば間違いなくめくりめくれます。くらくらしちゃいます。個人的に今年はベンちゃんの年でした。高校生の時に「アフリカ・ブラジル」でロック野郎のあっしがブラジル音楽などさっぱし訳わかんないままKOされてから30年だよ、もっと聴きたい欲しくとも、レコード、CDが無いのだ。手も足も出ん。それがどうゆう訳か今年に入ってどばっとLP発見。平均価格1300円でうちには高額だったけど、相手はベンちゃんだげ、少しづつ無くなりゃしないかとどきどきしながら買って。そんたんびに悶絶。トドメがこのベストです。やっぱLPだけど「デジタル・リマスタード」だって。LPの意味があるのかー(^0^)。いにしえのミュージシャンの盤を欲しいなと思う時、最初の一枚となるはベスト盤ってパターンがやっぱ多いかと。それで聴いて駄目だったら「くそー」で終わり、はまったらそれでも「これで満足です」と終わってしまうか、「もっともっと」と深入りするか。確かに「これでいいです」って満足してしまうベスト盤ってけっこうあるような気がする。それはそれで気に入ってるんだからOKだけんど、長いキャリアのミュージシャンの場合、ベストで納まらぬ当然傑作いっぱいだがんな。勿体無いっす。窓としてたまらぬ魅力のベストであればなお最高です。さーこの「ペルソナだで」アルバム、1曲目は63年ブレーク・デビュー盤「Samba Esquema Novo」から。しかしてこのテイクは10年後のベスト盤「Anos Depois」から。しかしてこれ只のベストにあらず己リメイク持ち歌を3曲づつメドレーでやっちまうとゆう。ここでは「Por Causa de Voce, Menina/Chove Chuva/Mas Que Nada」、先の必殺2曲含む。ベストからベストへの掟破り収録、ちらっとってのが憎いよこの。ショビ・ショバ、マシュケはセルメンのヴァージョンが何つっても大有名、曲が極上なんでそれはそれでワンダホルだけど、やっぱベンちゃんだ。「ぬおー」と咽び上がる感じがよう、いくら月影千草先生が鬼コーチしてもそこだけは他人様にはでけん。このベストTOベストの反則技、LPではB面冒頭に当たる7.で「Pais Tropical/Fio Maravilha/Taj Mahal」、キラー・タジ含めてもう1回。これで件の「Anos Depois」も欲しくなり、さらにその元のも欲しくなり。タジ・マハルなんて再演何回もやってますから底無し無間地獄の階段に一歩足を乗っけるはめはめは大王だ。その他の曲の収録理由は・・・本国でヒットしたかどーかなんてのはさぱしわかりませんから、わからーん。でも聴けばわかる。名曲だから。言葉は全く心配要らず。ポルトガル日本語だ。4.「小原、らびえら」。小原さんがらびえらしてる様を哀感込めて歌います。5.は英語だからなお安心。皆さんでコタツの前でマラカス振って「テキ意地マ・ブラザ・チャールズ」って合唱しましょう。結婚記念日に二人で踊るには6.の「キハラびーあ」がお奨め。ジャイアント・キマラさん家も踊ったって。ほひほひファンの森尾さん家は8.の「モリオ風呂、ふぃかお褒め」がお気に入り。お得な電話ファンは次の9.「おテレフォン得ノバメンテ」。最後はキラー・アルバム「アフリカ・ブラジル」からやっぱり鹿の汁だの「鹿だ汁だ」。世界中に数えるほどしかおりませんソングバードの一人、ベンちゃんの選りすぐりを、是非お楽しみ下さい。

もう一つのベスト

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12/29(木)
やさしくスマイル
cover
Make Me Smile (Come Up and See Me)
Steve Harley & Cockney Rebel

1975/2

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「やさしくスマイル
/Make Me Smile (Come Up And See Me)」
/スティーブ・ハーレーとコックニー・レベル
です。リリースは1975年そうそう、2月にチャートインして瞬く間に1位に駆け上がりました。もちろん英国チャートでの話でアメリカではもうさっぱし。こんだけロンドン訛りがありゃあそりゃ無理だあ。儚い夢、いつか終わると覚悟しつつも消えていったグラム。このたまらなく穏やかな曲を聴いて本当に実感したのではと想像いたします。映画「ヴェルベット・ゴールドマイン」でもラストに大フューチャー。何とまあ場違いな感じながら見事に締めくくりおった。結局その映画で何に泣いたって、この曲が流れてきた瞬間だったのございます。言葉がわからぬともこの曲タイトル、メロディ、アレンジ、歌で総てが伝わってきてしまう。これを完璧と言わずして何と申しましょう。しかし何を歌っているか。怖いもの見たさで覗きますと・・。イギリス歌だから怖いぞ。あ、コードはもう簡単。前段ではF,C,G。サビのところはDm、F,C,G。ちょっとそこのアコギで弾いてみて下さい。驚異的です。これだけでやさしくスマイルになります。


(駆け上がるユニゾンイントロ。曲を予告するストップ&ゴー。どうやって考え付いたかわからぬ。)

君はまったくうまくやったよ
全部、総ての和音破り
ぼくらを見事に投げ飛ばした
何と言ってもゲームの邪魔をしたんだ
キンキンしてて、まあ何て退屈
青い目、青い目、どうしてそんなに嘘を付くことが出来るの

やってきて僕をごらん、笑わせておくれ
じゃなきゃ君の望むままに、ワイルドになってあげる

なーんにも残ってはいない 全部無くなって行ってしまった
多分君はしばらく遅れるだろうけど
それはちょうどテストみたいなもので、僕らにとってゲームなんだ
勝つにしろ負けるにしろ笑うのはとっても無理
抵抗、抵抗、 たった一人で隠れなければ

やってきて僕をごらん、笑わせておくれ
じゃなきゃ君の望むままに、ワイルドになってあげる

もっとって言われても、全部君が持っていってしまった
僕の母なる地球への信頼から
きみはどうしてすべて僕が信じていることを無視できるのかい?
僕は何が信じられるか、何に価値があるのかわかっているのに
あっちへ行って、行ってくれ、多分試すことが出来るなんて言わないで

やってきて僕をごらん、笑わせておくれ
じゃなきゃ君の望むままに、ワイルドになってあげる

やってきて僕をごらん、笑わせておくれ
じゃなきゃ君の望むままに、ワイルドになってあげる


どうでしょうか。やっぱりグラムへの鎮魂歌に思えるのですが。「僕の母なる地球への信頼から」ってとこは「From my belief in Mother Earth 」で、どうもアイザック・アシモフ氏の短編から引用してるようにも。
プロデュースは完璧なシングル製造人のアラン・パーソンズ氏。パイロットと共に最初期のお仕事。この曲では盟友アンドリュー・パウエル氏のドラマな弦は無し。まずはコックニー・レベル・サウンドのキモだったそれを外した慧眼に心底感服。そして間奏のフラメンコ生ギター。染みます。後にアル・スチュワート氏のキラー2発で再びの必殺技。そっと始まってそっと終わるだけに、いつまでも心の中で鳴っている。祭は終わっても、君が笑わせてくれるなら、いつだってワイルドになれるのだ。

試聴はここで

12/30(金)
ひょっこり寄ってね
cover
Magic/January/Call Me Round/Just a Smile
Pilot

1974-1975

シリーズ「完璧なシングル」

*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
「マジック/ジャニュアリー/コール・ミー・ラウンド/
ジャスト・ア・スマイル
/Magic/January/Call Me Round/Just a Smile」
/パイロット。
1974年から75年にかけての必殺シングル4連発です。とにかく名曲を作ることにかけては神様に選ばれた天使達、他にもそりゃいっぱい。シングルって意味じゃ「カナダ」も完璧ではござるが、時の勢いを味方に付けたとゆう意味でこの4連発、衝撃的でした。そこにパイロットって存在があって、丁度プロデューサー業を本格開始したアラン・パーソンズ氏がいたってのもビートルズの4人が集まったことくらいPOPファンには大感謝したいことです。全部の要素がびたりと合って何を為すか全員熟知、最初からそこにシングルがあったかのごとく見えてたんだろうな完成形が。
それではまず全世界仰天のチャート初登場曲
「マジック」。
実際は「ジャスト・ア・スマイル」が1stシングルらしく、それがコケたつうのも信じられない話だけど、いくら世間が抵抗しようとも「マジック」の威力にはかなわないぜ。「スマイル」は後でリベンジだ。何たってイントロから妥協無き強烈掴みの連続です。立ちに立ったギターとぱんぱんぱんぱんさあ手拍子手拍子の手拍子。いきなし一番美味しいサビから始まって、どこまで上がるの血管切れちゃうと脳裏に焼きつく高音ヴォイスだげに。第2サビって言っていいくらいのメロが続いて、その二つのサンドイッチで突進。余計なもの一切無し。ギターソロはトゥイン・リード。第3サビの極上フレーズ。控え目ながら盛り上げるラッパと弦。最初からわかっていたかのような大エンドといやも何回聴いてもお見事。玉屋〜。歌詞の掴みももちろん。誰もが経験してるマジック・ショーに掛けての歌っても素敵だよなあ。


ほーほーほー、これが魔術、ご存知だね
信じないなんて、そりゃ殺生。
ほーほーほー、これが魔術、ご存知だね
信じないなんて、そりゃあきません。

目覚めることなんかありません
夜明けを見ることなんかも
朝、枕に抱きついて
日がな一日ベッドの中
頭の中には音楽
朝の光の中、流れてるクレージーな音楽だよ

ほーほーほー、これが魔術、ご存知だね
信じないなんて、そりゃ殺生。
ほーほーほー、これが魔術、ご存知だね
信じないなんて、そりゃあきません。

大好き私の太陽いっぱいの日
遥か遠くを夢見てサ
朝、枕で夢見ます
目覚めることなんかありゃしない
夜明けなんか見りゃしない
朝、枕に抱きついちゃいます

ほーほーほー、これが魔術、ご存知だね
信じないなんて、そりゃ殺生。
ほーほーほー、これが魔術、ご存知だね
信じないなんて、そりゃあきません。


意味なんか・・・あるのかー。素晴らしいメロが浮かんだ朝のその瞬間をヴィヴィッドに生中継。そりゃもうマジックみたいですって。歌詞を書くのももどかしい感じがぱちぱちでございます。なもんで聴いてるこっちも一緒に曲誕生に立ち会ったかのごとく元気満杯だ。全英チャート最高位11位、全米チャート最高位5位。

さて11月に颯爽登場「マジック」に続いてリリースは急がなければの1月ランクイン、だってそれは
「January」
ですから。
前作から続いてるがごとくのイントロ。またしても一番美味しいサビ先頭でまあ、またしても第2サビみたいなメイン・メロ。またしても手拍子。弦。サンドウィッチ。全く同じ進行で呆れるどころか嬉しくて嬉しくて。完全に手口を掌握した詐欺師みたいなもんで(例え極悪)、音楽なら喜んで騙されます。歌詞はとゆうと「ジャニュアリ、へこほんこみ禿のみ」じゃ無いだろうから・・・


ジャニュアリー。うんざりで疲れちゃった。君は僕の心にびったし張り付いて。
君の目で僕は悲しくなっちゃう
嘘付いてるでしょ
行かないで、行かないで

ジャニュアリー、冷たくしないで、怒っちゃいや
やって来ては悲しくさせる
おー、ジャニュアリー
行かないで、行かないで

人生、それは高く高く
見せることも出来る、吹き飛ばすことも
世界に目覚めることも、ちっぽけな世界だけどさ
知って欲しい、見せたいんだ
太陽、まるで火の様な
連れて来て、行っちゃわないで
僕の愛しい家から連れ出してよ
知って欲しい、見せたいんだ
君は世界に直面してる 君は世界に直面してる

ジャニュアリー。うんざりで疲れちゃった。君は僕の心にびったし張り付いて。
君の目で僕は悲しくなっちゃう
嘘付いてるでしょ
行かないで、行かないで

ジャニュアリー、冷たくしないで、怒っちゃいや
やって来ては悲しくさせる
おー、ジャニュアリー
行かないで、行かないで

時、それはあっとゆうまに過ぎ去る
サニー・デイ、飛んでいく
英国の夏は行っちゃった、随分前に
登りつめて、大爆発
太陽、まるで火の様な
連れて来て、行っちゃわないで
僕の愛しい家から連れ出してよ
知って欲しい、見せたいんだ
君は世界に直面してる 君は世界に直面してる

ジャニュアリー。うんざりで疲れちゃった。君は僕の心にびったし張り付いて。
君の目で僕は悲しくなっちゃう
嘘付いてるでしょ
行かないで、行かないで

ジャニュアリー、冷たくしないで、怒っちゃいや
やって来ては悲しくさせる
おー、ジャニュアリー
行かないで、行かないで


はい、「English summers are gone, so long」のところで全英第1位獲得、アメリカではカスリもしません。恋する人もお正月色々でお年玉がっぽり取られちゃう人も、どうにもこうにも貧乏で寒いようって人もそうそうと。

大ヒットの余韻を噛み締めるように、ちょっと間を置いた4月。暖かくなってまいりました。パイロットが帰ってきた。
「Call Me Round」
凍ってるのか。いんや、「ちょっと寄ってね」です。またしても手拍子(^0^)、ギター(^0^)、いきなし美味しいとこのサビ先頭(^0^)、第2サビのメインメロ。鬼の顔も3度まで。普通ならいい加減にせいやとなるところ。これがまたたまらん今度は胸キュン度増したメロディですからたまりません。まったくリセットの気持ちで3曲のうち、どれが好きなんだろうって気持ちになっちゃいます。このまま全部これでやってー。さあ歌詞だと思ったら全世界どこにもありゃしない。3曲目ヒットとなると印象だけで冷たいじゃないかよう。チャートも全英最高位34位。そんなー。後悔するぞ。ちゃんと聴こう。21世紀に。

何だよ勝手に飽きちゃったのかよ、うちらはまだまだ元気満杯でっせっと今度は秋の9月にリリースは、リベンジです。この曲だけはもう1回見てもらわねばの
「Just a Smile」
そうそうスマイル。アルバムの1曲目でもあり。この曲だけは静かに引きの第一メロディで。そっと来たなーっと思ったらサビで全開。ブチ切れ高音、そして手拍子。2回目の第一メロディは既に第2サビに変身しているのです。それでサンドイッチ。それでリセット。4曲の中でどれが好きだろう。もう全部好きだよ。参った。

いつだって君は僕の隣にいる
いつだって
僕のものにすることは出来ない
いつだって
もし沢山愛して欲しいのなら、僕はそこにいるよ
これだけは一緒の気持ちだと思う
いつだって

微笑んで、ただそう笑って
どこに夢中だかもうわからない
どんなに魅力溢れているか自分でわかってないでしょ
一切合財発見しちゃって
もう空にも上る気分
どんなに僕をノボセさせるか君はわかっちゃいない、どんなに

誰もが誰かと一緒になりたがってる
でも僕には君しかしないよ
僕と君
いつだって君は僕の隣にいる
いつだって
誰にも否定できない、何とかやっていこう

微笑んで、ただそう笑って
どこに夢中だかもうわからない
どんなに魅力溢れているか自分でわかってないでしょ
一切合財発見しちゃって
もう空にも上る気分
どんなに僕をノボセさせるか君はわかっちゃいない、どんなに

えー、恥ずかしいです。サビの切々さはこりゃ本気だな。こればっかはこんな歌かと思ってました。こっ恥ずかしいけど、どっかユーモラスでとぼけてるから大丈夫。歌は歌だよーって。メロがあるからこんなん歌えますって。全英最高位31位。ちゃんと聴いた人だけのもの。

試聴はここで

12/31(土)
どすこーい
cover
Trampled Under Foot
Led Zeppelin

1975/5

シリーズ「完璧なシングル」

*いよいよ大晦日。泣いても笑ってもシャウトしても2005年は今日で最後だ。とゆうことで今年最後の「完璧なシングル」は
「ブリティッシュ・ファンクなロックの細き道」。
無謀にも4バンドの超キラーな4曲に挑戦。
一口にファンクとゆってもでっかく分けて2つに分かれると無理やり。一つはブルースに始まりソウルを経てファンクに至る道。黒い分野ではJB親分、ミーターズ、Pファンクら暗闇に黒の人たちです。もう一つはジャズからソウルを経てファンクに突入いたす道。白い歯っていいねのEW&Fが代表選手か。ここでは前者の道に入道した寒い国イギリスの猛者どもの4キラーナムバーに大感謝。元々かの国ではファンクは誕生以来まことに冷たい目で凝視されておりました。ソウルとはモータウンなり。手拍子打ってスイートなメロディが必要じゃの信念厚く、大陸での狂熱的勃興にも我関せず、チャートに登場は非常に稀な状態で。ところがどっこいしょ、意外なところから風穴が開いたのだぴゅう。ことの起こりは大ロック・バンド、レッド・ツェッペリン。ナンバー4アルバムから果敢にもファンク道に入道、さらにノリノリの5を経ての超大作フィジカル・グラフィティからの完璧シングル

「トランプルド・アンダー・フット/Trampled Under Foot」

で何と全米チャート入りを果たしてしまいました。ジョーンズ氏による明らかにfromスティーヴィー・ワンダー氏迷信のグゴガゴ・クラヴィネットのまるまるソウル・リフ。そこに極めてロックなプラント氏の歌、ペイジ氏のギンギラ・ギター、そして何よりも一番ソウル好きの男、ボンゾ氏のメガ・ドラムが加わるとこれが大ロックなのだ。形はファンクなのに。しかもでっかい。地でとにかく幅、高さ、奥行きともやたらとでかいぞうゼップってバンドは。まるで無理せず、まんまで大貫禄なんだからこりゃ仕方が無い。ロックは形で無く態度だ佇まいだと証明したこの曲が成功したのはでかく有形無形の波紋を彼の地の妖怪どもに与えたその曲で歌うは


(コードは考えなくて結構、リフ一発)
たらーりと油を塗っておくれ 素敵エレクトリック
その道でそれを放置 ママ、トリック無しよ
愛についてここで言及
愛についてここで言及

げんきゅう

故障無しのギア そいつはお前のオイルを溢れさせ
ママ、おいらのガスを大爆発 ママ、全部お願い
愛についてここで言及
愛についてここで言及

げんきゅう

あんたの頭巾のその下に そのヘヴィメタルはいかが
ベイビイ、一晩中だってやっちゃうよ チュウブのでっかい山を取っ払っておくれ
愛についてここで言及
愛についてここで言及

げんきゅう

特別製の自動車 ほんと特注だい
特別ってこたあ伝統ってことだ ママ、目で楽しましておくれ
愛についてここで言及
愛についてここで言及

げんきゅう

空調ばっちしの工場 風がびゅうんと巻き上がる
時間ごとにそれは保障済 ママ、新しいタイヤだな
愛についてここで言及
愛についてここで言及

げんきゅう

ハイウエイをぶっ飛ばせ、道のカミソリとは俺のことだ
おいらのガソリンをお前の髪にふりかえてやるぜえ
愛についてここで言及
愛についてここで言及

げんきゅう

言い出したらとまらへん
言い出したらとまらへん

おー、いえいえ、イエス、あー、のりのり
おー、いえいえい、イエス、来ちゃったよ

遥か百マイルからでもやって来て沢山サービスお願い
べいびー、俺のバルブをチェックしてや、君のオーバードライブをぴったし
愛についてここで言及
愛についてここで言及

げんきゅう

オー。イエス 全開オートマチック どんなサイズでもOK
俺のするこたあ全部ワンダー、俺がびったし来る前に既に
愛についてここで言及
愛についてここで言及

げんきゅう

おー、羽根のように軽いサスペンション、巻き具合は今にもばんらばんらに
お前のショールーム扉を覗いたらおいらはそりゃ大喜び
愛についてここで言及
愛についてここで言及

げんきゅう

それからはもう、言及するのやめられず プッシュプッシュ やってくれや べいびー おうはあうー


スケベ歌であるつうことは言うに及ばず。誰だ頭悪なんて言うのは。破れたスネアドラムが1ダース降って来ます。

試聴はここで

12/31(土)
生き残る
cover
Why Did You Do It
Stretch

1975/11

シリーズ「完璧なシングル」

*このトランプルド・アンダー・フットが大陸でヒットしたのが75年の5月。聴いたか聴かずか勇気を得たか、はたまた運命の巡り合わせ同時発生だったか、11月に突然全英チャートに登場したのが

「ホワイ・ディッド・ユー・ドゥ・イット/Why Did You Do It」

ストレッチです。ストレッチはボーカルのエルマー・ガントリー氏をリーダーとするイギリスのブギー・ブルース・バンド。ブレーク前にフリートウッド・マックの影武者として全米ツアーを敢行するとゆう暗い過去有り。とゆうのもエルマー氏ってボブ・ウエルチさんとルックスがそっくりなんです。ボブ氏とくりそつって時点でロック・アイドルとして致命的弱点を抱えた(失礼!)このバンド、大丈夫、ジャケでは姿は出しませんから。元来ロリー・ギャラガー兄貴スタイルの猪突猛進ロックを身上としたします。それが何をとち狂ったかブリブリのファンクでチャートに登場。見たところはゼップと同じ地点。ブルース、ブギが大好きで、どこが好きかって言うとあそこだから。あそこがやりたくってブルースやってたって訳で、あそこが見えるのならファンクも同じだい。ってことに気付く。聴くからに超低予算、そのまままんま音を録りましたって生生な音が返って色気増大。予算の90%を使って採用英断したラッパ隊の絡み大成功で、そりゃもうスーパーな出来に。焦げ臭い臭いの素敵さに思わずあんなに嫌がってる英国チャートを駆け上がったってんだから曲の力は膨大だ。しかーし、この挑戦はこの1曲のみで完結。あまりにもこの1曲に総てが集まり過ぎたのでありました。そして再びブギ街道を猪突猛進。

試聴はここで

12/31(土)
やったぜ
cover
Couldn't Get It Right
Climax Blues Band

1976/10

シリーズ「完璧なシングル」

*そのWhy Did You Do Itのヒットからほぼ1年、再びこの試みに参戦したのが

「クドゥント・ゲット・イット・ライト/Couldn't Get It Right」
クライマックス・ブルース・バンドです。

ストレッチのちょっと先輩、60’s末からのブリティッシュ・ブルース・ブームの一翼を担ったバンドだ。な中でも当初はクライマックス・シカゴ・ブルース・バンドって名乗ったくらいですから、ごりごりのブルース大好き。大学のサークル研究会状態。から雪が溶け出すように徐々に変貌。変貌の仕方が世間の欲求からずんれずんれだったのでどうも今一歩毎日マンガの肉を喰える生活にはならず。それがどうしたことか、ゼップ、ストレッチと同じ光を突然見てしまいました。自分達でも何が何だかわからぬうちにファンク天使の導くままに完成したのがこの曲だ。オイモさんが魅力の身上だったアレンジがどーよ、恐ろしくハイセンスであります。イントロのじゃーじゃじゃ、キョーン。のキョーンのギター・ハーモニクス。こりゃ考えオチじゃ出来ない神業。あると無いとじゃ大違い。時々失敗するのがかわゆい。そしてキモはカウベルだ。ぽく、ぽく、ぽく、ぽくって普通ならダッサダッサなとこ、転じてのナイス・フィーリン。カウベル・フューチャー・ソングの世界選手権でこの年優勝(うそ)。歴代の優勝曲はブルー・オイスター・カルトの死神、グランド・ファンク・レイルロードのアメリカン・バンド。押しなべてバンド名が長いのは何かの偶然ですかいの?感触がストレッチとくりそつです。アイデア、パクられたとしても一切文句言えず。一番怖いのは近い先輩です。口を開こうとしてもギロと睨まれて終わりやで。こちらは全英のみならず全米でも夢のブレーク。その秘密は



時は流れる ロックはロールいたします
ですから私はヒット・ザ・ロード、逃げ出そうかと
どうにもこうにも落ち着かず そんな思いにとらわれて
もっといいやり方が無いかと探し始めました

なもんで深夜の兆しを見逃さないようにしたんだけど
光はさっぱし見えず
ほんと見えなかったのです光が
一晩中道を見逃さないようにしたんですが
うまくやることが出来なくて
うまくやることが出来なくて

LAの熱狂は私を最高にさせてくれました
それが一番良かったのを認めねば
ぐーんと来て とっても深く
溺れることが出来た
もう元の道に戻ることなんか出来やしない

なもんで深夜の兆しを見逃さないようにしたんだけど
光はさっぱし見えず
ほんと見えなかったのです光が
一晩中道を見逃さないようにしたんですが
うまくやることが出来なくて
うまくやることが出来なくて

ニューユーク・シティは波で私をさらっていったのです
危うくその歓迎で死に掛けるほどに
そいつは私を足止めし プライドをもずたずたに
正に別な拒絶は運命を約束ってことでしょうか

なもんで深夜の兆しを見逃さないようにしたんだけど
光はさっぱし見えず
ほんと見えなかったのです光が
一晩中道を見逃さないようにしたんですが
うまくやることが出来なくて
うまくやることが出来なくて


京都にいるときゃ しのぶ〜と呼ばれたのえ〜 神戸じゃなぎさとお 名乗ったの状態でして、アメリカさん大好き、でも田舎者ですけ、ひどい目にに会いましたと。こりゃ米人大喜び。歌はもう真面目に音を求めるバンドマンの最後の身上吐露。トロにゃ。うまくやったじゃないですか。最後の最後に。しかし、ほんとに最後になってしまった。この挑戦はやはりこの1曲のみで。総てを凝縮し過ぎたのであります。最後の力で。復活はより柔らかくなった80’sになってから。そこでは既に失ったものも多く。

試聴はここで

12/31(土)
他にはいらん
cover
The Unconventional
Japan

1978

シリーズ「完璧なシングル」

*白ファンクの神様は強大なるZEP以外は一滴一滴しかファンクの恵みをお与えになりませんでした。そしてその2年後、神をも恐れぬ悪魔の子がこの曲をもって誕生

「奇しい絆 / The Unconventional」

ジャパンです。日本題、何て読むんだろ。きしい・・じゃないし、そうだうちのは日本盤CDだ。えーっと、「アンコンベンショナル」って書いてあるよ。困った。きっと「あやしい」だろな。あやしいから。さー、この曲をクライマックス・ブルース・バンドのと聴き比べて下さい。あらまー同じ。イントロとリフは違います。悪魔はカウベルを叩きません。しかし最初の歌メロが速度20%増しでほぼ同じだったりして。佇まい及びルックスがやたらと遠い世界ながら密かに好きだったのかも。うひひ。言われたら絶対顔を赤くして反論しやがるだろうけど、そうだろそうだろやーいのび太ってか。メロと音楽風景は同じとこ見たかもしれぬが、そりゃもう何をも恐れぬ生まれたての悪魔ぼんぼん。無茶な香りがたっぷし魅力だ。


お前はいったい何者なんだはっきりしやがれ
そしたら愛もどかんと来るぞ
そうゆうこった

なんも要求無し
なんもシニカル要求無し
誰もわかりゃしない

だって僕はダンシン
君のハートにダンシン
君のハートにダンシン、ナウ、ベイビー
おー、なんてえ始まり方だ
おう、見つけようと思ってるんだけど
僕らが知りうる全ての愛を
ま、そうゆうこった

変態じゃないぞ
この掟破りの愛は
他に知りたいなんて思わないぜ

遊びなんかじゃない
この掟破りの愛は
他に知りたいなんて思わないぜ

だって僕はダンシン
君のハートにダンシン
君のハートにダンシン、ナウ、ベイビー
おー、なんてえ始まり方だ
おう、見つけようと思ってるんだけど
僕らが知りうる全ての愛を
ま、そうゆうこった

不敵かつ傍若無人且つ無茶且つ不遜かつカツライス。でございます。他に知りたいなんて思わないぜ。
と言ってた、ジャパンはその後他に知ってしまい、得たものあり、失ったものあり。失ったものはどろどろで汚く格好悪かったもしれないがそりゃもう美しかった。逃したら再び得ることは不可能。最初からこれも最後の最後でした。

その後、この瞬間美芸に果敢に挑戦したものと言わば、ギャング・オブ・フォー。アルバム2枚でてっぺん。そしてレッド・ホット・チリ・ペッパーズ。レッチリがどうだったかは。

試聴はここで