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今日の感謝盤一覧2005.6下

 

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6/16(木)
エメラルドの記念碑
cover
A Tabua de Esmeralda
Jorge Ben
1974

シリーズ「民族力」

ジョルジ・ベンちゃん。ブラジルの人です。「終〜わりやーな、あぽーあぽーあぽー♪」のメロディを聞けば皆様あああの曲かとご存知と思われます。うちでは76年の超ファンキー大作「アフリカ・ブラジル」一発でKO、マットに寝っぱなし、町でLPを見かければ速即買いつう特別な存在の方で、並み居るブラジル勢の中でも抜けちゃってるのはこの方だけのジャンルつうかその唯我独尊道にたまらなく惹かれちゃってるからかもしれません。ですから普段全くブラジルに無縁の方でも全くOKと思われ自信を持ってお奨め。長いこと彼の70’sのアルバムを探して来ました。「アフリカ〜」で狂った後、NHKFMの「軽音楽をあなたに」でアルバムを一挙放送してくれてカセットにとってたんだけど何せ20うん年前のものでテープ切れて聞けず。中古アナログは出ないしCDはねえし途方にくれてたらこの74年の盤だけあるでは無いですか。発見速買いです。情報まるで無くタイトルさえまともに読めず(^0^)、何とか当時の邦題では「エメラルドの記念碑」とゆうもので神話を題材に展開される音楽ってことを掴む。それでこのジャケなんだ。私、中世の遠近感の無いペタリンコの絵が大好きなもんでそれでもやられ。さあ聴こう。かすかな記憶蘇りこれだこれだー!。当時は地味だーって思ってしまったんだ。オコチャマだったのだ俺はと今になって涙する。とてつもなきこれは傑作であります。えー神話題材つうてもちっとも辛気臭いものではありません。力抜けたメロウ・グルーヴ満載音楽。昔地味だと思っちゃったのはまずベンちゃんが弾いてるのが生ギターってことがあり。あのギンギンな「アフリカ〜」と比べればそれだけでマイルドなのです。基本はまるで変わらず素敵な空耳天国も同じ。主旋律は言葉あれで歌えませんからー。コーラスやサビで参加したくなります。「あーあーあーあー」とか。もし日本盤再び世に出ること有らば邦題は3.は「えー晴れ〜」にしたい。ここでは何とダブが登場。これは異常に早い反応。ジャメイカでも始まったばかりだよ。しかもレゲエでは無くあくまで己音楽でやっちまってる。それに切れ込むツブがざらざらのサージェント・ペパーみたいなストリングス。背筋にナイフのスリルくー。4.では待ってました!ベンちゃんと言えば高速クイーカ。うひふひほひゃほふぃってやつ。この曲のタイトルは「困りしやー」。聴いたら一日中「困り〜しや〜♪」ってフレーズが頭から離れません。5.は「マッサージ鬼隊」。腰をぽりぽりほぐしてくれる揉み鬼お兄さん5人の打楽器連合連打が天国です。6.マギー司郎のことを歌ってるらしく。いや春日部のお弁当屋さんでやったんだけど。わかるかな〜。7.は「萌え〜」(^0^)。メイド喫茶のコスチュームで歌うベンちゃん。おえ。9.ではいきなし英語で「ジーザスは私の人生、ジーザスは私の友達」っていきなしヘヴィで面食らうも、失礼ながらこちらもその調子の良いフレーズに一緒にへらへら歌ってしまう。いかん、それが手か。私は曹洞宗なのに。いや臨済宗だったっけ。10.は「なものーら、名も無きオーラ」。ほとんどハナモゲラ。ちなみに私のオーラは真っ赤に燃えてます。青にしたいんだけどなかなか。何を食べればなるのかな。最後のは何と申しましょうかキャロル・キング。つづれ織りの。ってほんとか。と全12曲突っ込みしっぱなし。「アフリカ・ブラジル」の喰うか喰われるかのど迫力とは違います。何とものんびりして。癒しつう言葉はムカムカするけど確かにどっか治されてしまう。何よりクセになっちゃうのだ。この人のメロディは。治されてしまったあげく病気にかかってしまいました。ベン病。重症です。治らなくとも結構。

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6/17(金)
おくさ〜ん
cover
Ain't That a Bitch
Johnny Guitar Watson
1976

シリーズ「ブラック道」

当ROCKSのメルマガのちゃぶ通の拙小説「横浜ブギブラザース」において出演してくれた(^0^)唯一の外タレさん、ブルース界一の伊達男といやあこのジョニー・ギター・ワトソン兄い。このアルバムは彼の問題作、DJMレーベル移籍第一弾「あばずれじゃないわよ」。何が問題って論争が当時起こりました。日本の黒いもの取り扱い雑誌等でこれを評価するか否やを。アホかー(←ここ5倍字)。評価するもの何も好きなやつは好きで嫌いなやつは嫌いでいいじゃないかーと思うのだけどそうはいかない人もおるらしい。音楽を好きになるのに原因がどうしても必要な方には確かにほとほと困ったブツであります。ま、本当に困るのは原因が必要ってことで、大抵はまず好きになってどうしてって聞かれれば、うーんとうなってそう言えばこうゆうとこかなってひねり出すでも違うかなとそうなると思うけど、まずお顔でしょ、年収でしょ家柄でしょ性格でしょとなりますと音楽お見合い派と音楽自由恋愛派との間の壮絶な代理戦争勃発。あなたはどちら派。私白い歯。もとい、どこが困るって、まず歌はヘロヘロ。声は細いし棒歌い。しかもWで録音してたりして。じゃ名前にあるんだからさぞかしギターがお上手、かとゆうとそれだってペンペンぺきーんっと何だか情けなーとか言われかねないっすよ。で、そんなん駄目駄目ってなんるかとゆうとこれがまたえらくかっこいいのだ。バックはかなーりおされいやお洒落でっせ。ジョージ・目の上アイシャドウ・ベンスンさんとタメで勝負出来るくらい。しかしとにかく悪そう。ジャケをご覧下さい。まんまです。バチっと白尽くめでキメてらっしゃるが多分全て盗品流れでございまして(推定)、もしくはバクチのカタにこれでも頂くかと没収いたしたものに違いなく(推定)、美女を左右に従えております(推定。多分女性)。左が荻野目それあケーコ、右がフィオナ・アポー。ちなみに右上はマネージャー犬のバボース君。スティーリー・ダンの裏側に位置する夜のディーコン・ブルースを奏でて粋な兄ちゃん今日もXXXかい、羨ましいねえってなもんだ。焦るな焦るなその内グーンと感じさせてやるぜとクールな曲をびしばし。いえーいとか言ってるとタイトル曲ではいきなり「奥さ〜ん」って。これ空耳では無く日本語です。兄貴マジで日本ビイキ。てなやつをことごとくかっこいいって感じる人のみどうぞ行ってください。女癖は悪いはバクチはするは給料はうちに入れないんです。どうしたらいいのでしょう。みの「どこがいいのそんな男。別れりゃいいじゃない。」「でも愛情がまだありまして・・・」みの「じゃしょうがないじゃない。運命だと思って我慢しなさい。」て音楽で展開してますから、好きになったら運命だと思って我慢しましょう。音楽ならいいじゃない、それで。

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6/18(土)
宇宙のトム少佐
cover
Space Oddity
David Bowie
1969

シリーズ「完璧なシングル」

デビッド・ボウイ1969年の初シングル・ブレーク曲、それがスペース・オディティです。7月20日にアポロ11号が人類初月面着陸に成功し、映画「2001年宇宙の旅」が前年公開大成功とゆう空前の宇宙ブーム、正にジャスト・タイミングなこの曲は全英最高位5位のヒットとなりました。同時にボイちゃんは宇宙の男となり遭難して火星から帰還するのは3年後の「スターマン」の時。あまりに強烈だったんでイメージがばっちり付いちゃったのもそりゃ無理は無いかも。そして問題は1975年。グラムも去り当人はアメリカに渡りソウルなヤング・メリケンに変身した11月に再びトム少佐はイギリスに戻ってきます。10月の2週に23位で初登場するやいなやあっとゆうまにチャートを駆け上がり11月2週3週と1位獲得。これはもう本気のヒットとなりました。なぜこの時期に?カップリングでチェンジスそしてヴェルベット・ゴールドマインつう超弩級のもんてなのもありましょう。その直前にリリースされたフェイムはアメリカでの大歓迎ぶりとは裏腹に不振、英国民全員がソウルな男ボイに納得してなかったのだ。もしかして一番納得してなかったのはRCAで不安に思っての再発かもしれませんが。そして宇宙ブームともグラムとも無縁な時期に本当の意味でこの曲を噛み締める。あまりの良さに全員我を忘れ気付いたら圧倒的1位と。と考えちゃうのはあまりにドリーミィかな。実際あまりにも完璧です。ボウイ氏の頭の中にはトム少佐の額の皺までくっきりと見えておりその場で演奏するミュージシャンみんなにもそれが見えていた。やることは明白で後は音に残すのみ。ですからこれ以上他になすことは無く、宇宙の時が永遠のようにこの曲も朽ち果てることはありません。虚空の彼方からストロークされるアコ・ギター。無毛ながら妙にお肉が付いているボイ氏の抑えにに抑えた歌と圧迫されたメロディ。コードはメジャー感増して希望の光りが。メジャー7に変わってくつろぎのブリキの椅子操縦席。ギターソロの最後のぶっ壊れ方は何故録り直さなかったのだろう。これは壊れてなきゃいけなかったのだ。ぶーん。一方的地上司令室の呼びかけと1回だけ宙に浮いてるよーと伝えるのみ後は独り言の宇宙飛行士。最後は連絡を絶ち今もどこかを彷徨ってます。必要な時にはいつでも呼び出せる。2001年はもう過ぎてしまった現在でも。

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6/19(日)
化け物
cover
Youthquake
Dead or Alive
1985

シリーズ「from 80's」

デッド・オア・アライブだー。と言えばユー・スピン・ミー・ラウンドで、これはそれを収録の2ndアルバムです。タイトルは造語で「若き震撼」。人となり、音楽共にこれぞ80’s。申し子なのだ。音楽が古くなるってのはそれが時代と寝てしまっているつうのがあるけどこれほど熟睡してしもうてると逆に時代と心中、切り取って丸ごと連れて来てくれるからいつまでも妖怪のように生きているのです。リーダーはピート・バーンズ。他のメンバーは・・わからぬ。写真はのっけて貰ってるけどジャケにも名前も無し。ピートさんはリバプール出身でミステリー・ガールズってバンドを経て同じ学校の同級生らとDOAを結成、3枚のシングルをインディーからリリース後、82年にエピックと契約、KC’sのザッツ・ザ・ウエイのカバーがヒット、1stアルバムは「美醜の館」って凄いな。結婚しておって奥さんの名前はリンさん。美容室で知り合ったおしどり夫婦だそう。はいいんだけど他に恋人もいるそうで、それはバンドのドラマー、スティーブ・コイ氏。3人で住んで仲良くやってたつうことで。おおお。現在ではどうなのかな。まさか続いてたらびっくり。小バーンズちゃんがいたりして。とまあこちとらには想像でけん有様の生活を送ってるお人がもう遠慮せず全開で音にそれを変えてご開陳です。ほとんど打ち込み。乱打。ギターも機械化された音で全て作り物の様相濃く。デジタルシンセの登場後、あっとゆうまに進歩はしたもののまだまだ楽器としての練り込みは浅く、下手に使って思惑とは逆に下品さばっか目立っちゃっておろおろしてるベテランを尻目に安っぽいなら安っぽい音楽をとことん作りゃあいいじゃないかてなもんだ。オクターブ・ベースでウペうぺうぺと80’sブギーを基本にメケメケメケとシーケンス、びゃっとオーケストラ・ヒット。全てはカメラのさくらやさんのワゴンセールのマジックインキ宣伝ポスターのように確信犯。あんたがいるなら踊っとくれいらないならとっととお帰りってバンド名通り死ぬか生きるかっていやー男らしいっすよ。男じゃ出来ないほど。ピートさん発言も爆発しっぱなしでした。わざと世間に顰蹙を買いたいかのように。ちょっと先輩のお姉仲間、ブロンスキ・ビートのようにゴールデン街か花園神社かっつう趣も無く、新宿のアルタ前を天然毛皮着て闊歩して、あんた化け物や。化け物は見てみたいものです。見られて見られてますます輝く。どうか存分に顰蹙しておくんなまし。覚悟を持って鬼になり冥府魔道の芸人人生、河原乞食でけっこうのけっしてアーティストなどとは呼ばせぬ至高の芸人さんなのだ。あ、褒めたら萎んじゃった。このクソ野郎、踊ってやるぜ。喜んでます。

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6/20(月)
ヒゲ部
cover
Mungo Jerry
Mungo Jerry
1970

シリーズ「英国POP探検隊」

マンゴ・ジェリー。70年代前半にイギリスで人気絶大だった猿の惑星バンドです。現在、TVCMのトロピカーナのバックで何気無く最大のヒット曲「イン・ザ・サマータイム」が流れて密かに話題沸騰?してないか。これは彼らの1stアルバムで日本では2年前に紙ジャケリリースされたんすが例によって現在入手難らしく中古がえらい値段に。外盤BGOレーベルの2ndとの2in1のお得なやつが入手可ですんで是非それを。せっかく酔狂にもCMでやってくれてるのにねえ。がんがん売ればいいのに。まぬけ。うちで買ったのは例によってアナログ中古。貼ったジャケのやつです。中央部にレコード盤にまで貫通する穴が有りのカット盤。無慈悲な事をします。まー何しろ人気のあったバンドで「イン・ザ・〜」は70年の6月からほぼ2ヶ月間1位の座に座り続けたつう。グラム登場前に若者のオバカ音楽への欲求を一挙に引き受けていたのだ。真面目に分析いたせば60’sサイケの後どどっと出て来たシリアスなヘヴィロックへの反動。アメリカで勃発したダウン・トゥ・アース、ルーツに立ち返ろう運動への英国の回答、そしたらスキッフル・スタイルがそこにあった。てなことになるんでしょうけど私が勝手に想像するに(何しろ出自が情報無いから)、時は1969年世界ウルトラ髭コンテスト・イン・英国大会がロンドンで行われた時に一人の若者が脚光を浴びることとなった。彼の名はレイ・ドーセット。何しろその髭はもみ上げ部から一直線に下に伸びアゴで連結するところを丁寧にそこだけ剃っているつうマサルさんならもう嬉しくて卒倒しちゃうってなもの。そのあまりの衝撃に開催5分後に優勝が決定。エントリーしていた他のメンバーも素直にそれに従いすっかり意気投合。何かをしようってことになりました。目的は世界中に髭を普及することで一番手っ取り早いのは時代は音楽だってな訳でバンド結成。さー何をしようか。ドラム叩けるやつはおるか?おらん。ほら何とかって言ったエリックか、やつみたいにサラサラサラーってギター弾けるやつおるか?おらん。じゃ何でもいいや出来る楽器弾けや。これで出来る音楽つうと。「うちのお父さんがこんなレコード持ってました親分」とメンバーが持って来たのは古いブルース、タンパ・レッドとか。それとコメディ、ボードビル。わははこりゃええわとよくも聴きもせないで早速始めました。何曲か録音したところでレコード会社に送付。「どこがいいかな。」「こんなん出してくれるのはPYEってとこだけらしいすよ。」。送ったら即採用。この時期色々訳のわからん音楽が続出。それがまたそれなりに売れちゃったもんだから会社の人も何がいいか判断が出来なくっていたのだ。思う壺。アルバムを録音しました。「あー、歌詞が出来てねえや、しかたねえお前カズーでソロやれ。」「親分2番です」「ぎゃはは、おもしれえな。え2番、うっぱぱふぱふぺぺぽんぽんぽん、歌詞なんかいらないぞ。」てな具合に完成。発売。会社のお偉いさんは目が点。「やばい。この先いつまた録音できるかわからんからもう1曲」と録音して出したシングル「イン・ザ・サマータイム」が大ヒット。したもんだからもう調子にのって自信満々。これで突っ走るぞー。となったのかと。音楽はそうだなビートルズで言えば「ハニー・パイ」「レディ・マドンナ」、ポールさんお得意のうんぱうんぱものを演奏しながらコケて泥まみれになったようなものかと。泥だらけになって顔を上げたら満面の笑顔にスキっ歯。私、正直言ってヒット曲だけ聴いた段階では少々不気味で何じゃこりゃ感強くて。ようやくこうしてオリジナル・アルバム聴いて納得しました。底抜けに楽しいやつらです。目的はそれだけだったのかー。さらにトランプって曲。ふと真顔になってとてつもなくリリカル。踵の先から頭の天辺までしみた。他には・・・うーんと教えてあげない。清水の舞台によじ登って買っても何ら後悔しない名盤です。そういやそうだ、まともなドラムは全く入ってないんだこのアルバム。気が付かなかったよ。

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6/21(火)
歌を唄う
cover
Mirror Moves
The Psychedelic Furs
1984

シリーズ「from 80's」

サイケデリック・ファーズ。と言えばプリティ・イン・ピンク。と言えばプリティ・イン・ピンク。と言えばぷり。壊れちゃった。が即座に思い出され、そして次にはトッド・ラングレン・プロデュースのアルバムをトッドさん方面から責めとなってしまっていたのだ。ベタなバンド名ですから私たちはサイケデリックな毛皮ふさふさでーすとゆう最初のイメージが強烈でその割にはプリティ・イン・ピンク。どうゆうバンドなんだで20年経ってしもうたわ。眼前にこの中古LPが現れた時もそんな訳でしばし躊躇、棚に戻してはまた手に戻してはを繰り返したあげくに清水しました。さー聴こう。そしたら1曲目。これがまた地味でしかものほほんとしてる。もんだからまたまた面食らったよ。バックの演奏も上手いけどどこがどうと言う事も無く、ボイちゃんに似てると評判のヴォーカルもアカシヤのサンマに聴こえてきたりして。いかんこれはやっちまったかと思い。しかしせっかく清水したし付き合おう耐えられなくなるまで。と曲は進む。2曲目もたんたん。3曲目に突入。そしたら夜明けが来た。西から太陽が昇って猫がネコヤナギ。さーっと霧が晴れて、うわいい曲だ。不意打ち喰らったわ。OMDに似た開放感。好きですからOMD。ツボです。とゆう訳で一回、東西の障壁を乗り越えましたら後はもう聴く態度が違います。やることなすこと全てOKとなりました。つまりこのファーズは普通のバンドです。いい曲を書こうとし書き、歌おうとし歌うとゆう。そして歌の為に演奏。極めて当たり前のことを真摯に実行するだけ。ギミックとは無縁でした。アレンジもここまで音楽してた人間がこの時点で自然に出る音のみ。凄く真面目な人達だと思います。押し付けてこず厚かましく無く。こっちから迎えに行かねば入って来ない。そんなバンドは大好きですから。B面に移ってもどんどん瞳孔が開いて行き、聴き終わり、おかわり。2回目になると最初はピンと来なかった1,2曲目もバッチリ。おかわりにおかわりするたびに曲が見えて、全名曲。腰が座ったバンドだったぞ、サイケデリック・ファーズ。次からは躊躇しません。来たれ四角い顔。

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6/22(水)
倫敦の伊達男
cover
20 Beat Classics
Georgie Fame & the Blue Flames
1982

シリーズ「英国SSW」

60’s中盤のロンドンでお洒落と粋を旨として闊歩しておりましたモッズな若者達。イカす音楽ならジャズであろうがソウルであろうが何でも聴くぜ踊るぜとその生き方をブレイン・ドレインと称したそうです。そしてそれを演奏るぜと体現したのがこの兄ちゃんジョージー・フェイム氏。風貌は優男、若い美空ひばりでビッグ・バンドとか従えちゃってヒャーヒャー、オルガン弾いてサラっと唄う。今、当時のフィルムを見てもさぞかしぶいぶい言わせて皆から憧れの眼差しで見られただろうなあつうかっこよさ有り。このアルバムはそんな彼が自ら選曲したブイブイ期の曲20曲ギッシギシのコンピ盤です。いやもうマジ人気あったらしく64年暮から67年暮までの絶頂期にナンバー1を2曲含んでヒット曲は何と10曲。その間アメリカではTOP40ヒットは2曲なんで正に地域限定のアイドルさんだぞ。オルガンに目覚めたのはブッカーT&MG’Sのグリーン・オニオンを聴いてからと聞きます。ですからけっこうノリが軽い。おおかっこいいと思ったらパクっと喰い付いてサクってってやっちゃう。かといって軽薄つう訳では無くてもうその時は寝食を忘れて夢中になってる様伺われ。だってこのヴォーカルですから。お聴きになればおわかりに。邪心つうものまったくありません。性格って音楽に出ますから。普段の生活はどうかは知りませぬが、「ウーロン!」とか言ってるかもしれませぬが(^0^)、こと音楽に関しては目が澄んでるぞ。あんまり黒いとも思えませぬそのまんまボーカルで夢中になってやってそれが皆のやりたいこと聴きたいこととジャスト一致して天辺に立ったつう感じかと。やる曲は当時のアメリカのヒップなクールなホットな曲。ジェイムス・ブラウンだって果敢に挑戦しちゃう。66年に一躍ブームになったニュー・オリンズR&Bだって早速挑戦。カバー合戦になったボビー・ヘブちゃんのサニーだって勿論参加して嬉々として歌い。もちろん元曲の方が味は天然。テクも濃さも凄いに決まってる。でもよーここはロンドンだからよー。倫敦の空で「呪われた夜」そのままかけても何だかなあでしょ。ですからうちらの雰囲気に合った形でカバーします。そしたらここならではのオリジナルになるわい。はい、その気持ちよーくわかります。聴いてもそりゃもうかっこいい。うちには後年これらの曲をセルフカバーしたアルバムがあります。そこでもほぼ同じアレンジでやってるんだけどこれがまた素敵で。再録でイカシてるって例はほとんどありません。本気のカバーでけっしてこれが偽物では無く本物の証明かと。と私は感じますが。ご判断は是非皆さんの耳で。サンプリングでパパパと持って来てしまう今と違って本物との差に本人は苦悩しながらどうやったらかっこよく出来るか工夫に工夫をした熱情が。サクと聴かせちゃうのは兄ちゃん、優男だけどプロだ。あ、いかん。偉大な先達に私なんかがそんなん申して申し訳ありませぬ。言っちゃう親しみやすさが最大な魅力かと思い。

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輸入盤

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6/23(木)
挨拶状到着
cover
Greetings From Asbury Park, N.J.
Bruce Springsteen
1973/1/5

シリーズ「あんふぉーげった房」

新作発表、それに伴う旧作の紙ジャケリリースでがぜん盛り上がっておりますブルース・スプリングスティーンさん。これは今をさかのぼること28年前のデビュー作「アズベリーパークNJからの挨拶状」です。この世の中にベスト新人に相応しいアルバム大賞ってのがあったらもう進呈しちゃいたいものなのだ。初々しいザ・ワールドではちきれそう。CBSの社屋の階段を脱兎の如く駆け上がり踊り場でじゃんかじゃんかギターかき鳴らし歌をがなりまくったら採用OK、それじゃ下のスタジオで早速録音しなさいって思えるくらい出来たて熱々触ったら火傷するぜ。実際は会社とフォークロック路線かロックやりたいすで色々あったり昔のバンド仲間集めたりけっこう周到だったらしい。口は出すけど金は出さんつうこの当時のCBSの態度モロでござる。ほぼ同期のエアロスミスの1stと感触は似て元のアナログ盤の音は悪いぞ。CDになってそれはどうなったのかな。それでものし上がった者だけしっかりプッシュしてやろうつう大会社のエゴがびんびんも、それに立ち向かいやってやるつう気迫満点。そう考えるとあくまでドライなレコード会社の態度ってのはけっこう正しいのかも。最高の環境が素晴らしいレコードを生み出すとは限らん。特に新人の場合、大仰なプロダクションだと加工されて飲み込まれてしまうかもしれんし。とゆうことで聴き出すと最初からレコード盤の方から喰い付いてきます。光りで目もくらみ。高速言葉連射に追いつかないバックの音。スリリング。地面が固まる前、神様がぐるぐるかき混ぜてる地球初日のよう。男は黙って・・・じゃなくブルース兄貴は多弁です。目に入る全ての情景を余す事無く活写する人間イタコ状態。己のオピニオンも無く只只活写するのみ。それがたまらなく魅力で。メアリーも尼僧もクレイジー・ジェニーもワイルド・ビリーもヘイジー・デイヴィもキラー・ジョーも丸で目の前でクダ巻いてるみたいに見える見える。前から不思議だったのはブルースさん、ニュージャージーはアズベリーパークの出身だと聞き、それで何故これだけ驚きを持って自分の街を見ることが出来るのかと。そしたら聞くと生まれ育ちは15kくらい離れたフリーホールドって町だつうことで、18になって出て来たそうで。それならわかります。ATGの青春映画世界だきっと。中途半端な距離で大都会を見つめ憧れる気持ち。スティーリー・ダンもそうだけどそれで街が見えるんだな。はるか太平洋を隔てた島国でも貴方の目と耳をを通して見えます。こっちも何も言えず見るのみ。まとまることなんざとても出来ないでっかい曲連続のこの盤。ボスじゃないアンチャンなブルースさんの魅力爆発です。こればっかは本人も戻ることは出来ない、唯一の時間。もう一つ・・・・。一番この盤に感謝してるのはマンフレッド・マンさんかと。ブルースさんががちゃがちゃとやってくれておいてくれたおかげで光りで目もくらみ、フォー・ユー、スピリット・イン・ザ・ナイトを自分の音楽でものに出来ました。しかーしスピリット・イン・ザ・ナイトだけはどう聴いてもブルース・ヴァージョンだな。ニューヨーク一派が大好きなこの寺尾聡リフと手拍子街並闊歩ビート。たまりません。そしてラストの都会で聖者になるのはそりゃもたいへんだ。この後の展開が聴きたい。完全バージョンはあるのでしょうか。

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グッヅ

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6/24(金)
72年のロック
cover
Stories
Stories
1972

シリーズ「イーストコースト」

ストーリーズです。どマイナーかーっ。アメリカンなチャート・ヒットをお好きな方ならリアルタイムでも後追いでライノのコンピ等で親しまれておりましても名前はあまり聞かなくとも飛び切りの1曲やるグループ、ミュージシャンに遭遇されると思います。キング・ハーベストのダンシン・イン・ザ・ムーンライトとかオザーク・マウンテン・デアデビルスのジャッキー・ブルーとか、ターザン・ボーイとか。俗に言います一発屋さん。このストーリーズも73年に「ブラザー・ルイ」とゆう曲で1位を獲得しました。♪るいるいるいるわーって。おおタガワヨウスケ。間奏部ではレイラと怪奇大作戦が錯綜するつう否が応でも記憶に残る曲で。これはその彼らの1stアルバムです。今週中古LPで発見。思わずおおおとその場でうなる。帰って調べるとこれ自体は1回CD化!されたものの廃盤、しかしここから6曲収録されてるベスト盤があったのでこれは感謝出来るるいるいと喜んでいたら・・・今日見たら品切れでー。中古が出てるもののその値段たるや34800円って。さんまんーー。こりゃまった仰天たまりんこ。ガクっ。どんなすげー音楽をやってる盤でも3万出して買うものはあるまい。ボリ過ぎや。何かムカつくな。時間が経てばそれ相応の値段で出現すると思いますが、えー試聴なさって即聴きたくなりましたらBBSにでもお書き下さい。はい。それ以上はここでは書けない(^0^)。とゆうことで感謝の気持ちは治まらずやります。経歴は当サイト「45回転ばーん」のシングルのライナーに書いてある以上のことは私もちょっとわかりません。詳しくはそちらを見ていただくとしてアメリカはNYのバンドです。最大の魅力はリード・ヴォーカルのイアン・ロイド氏。この方の歌がそりゃもう素晴らしくて。ジャニス・ジョプリン嬢、ロバート・プラント氏、ロッド・スチュワート兄を足して3.45賭けた感じ。もしフォーリナーにルー・グラムさんの代わりに入ってたとしたらそりゃもう大物さんになっておっても不思議はありません。惜しむらくはメンバーの写真見てもどの方だかさっぱしわからん容姿の引きの無さかな。そりゃ最大の欠点だと申される方もおりますでしょうが。とにかく歌の魔力、それには抗えない。曲はもうとっちらかってます。リトル・フィートのビル・ペインさんが作る曲みたいで。70’s初期、ヒットをまるで意識しなくてロック出来た時代ならでは。コンパクトPOPが好きな私には辛い分野なんだけどそれでも惹かれてやまないのは歌の素晴らしさもそうだけど、その時その時のメロディがたまらなく素敵で。その瞬間にぐおと引き込まれる。何回も聴く。ジャンルも混交。ハードロックでは無いロック。かと言ってウッドストックとも言いがたく。ホール&オーツみたいにソウル影も無し。72年に米東海岸で生まれた音楽としか言いようが無くて。悶えちゃうけど。今のバンドは経験則でさらっとまとめた音楽を作っちゃいます。しかしこの当時は自分なりに自分の音楽を作ることがまだまだ出来て、それがまた不器用でがちゃがちゃしてて。それが魅力です。ミュージシャンにとって凄い幸せな時代だったのかもしれん。苦しくとも。若い人達はこうゆうバンドはどう聴こえるのだろう。クソかな。だとしたら気の毒。懐かしさで喜ばれるのはそりゃ当然として、それとは別に新鮮に音楽の光り浴びることが出来ると確信いたします。聴いてるともしかしてサンマン出しちゃう人もいるかもなとふと思い。やめましょう。それならレコード・プレーヤー買った方がいい。私は1000円で入手しました。

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6/25(土)
お狐遁走
cover
Fox on the Run
Sweet
1975

シリーズ「完璧なシングル」

今週の完璧なシングルは1975年5月に英国でリリースの「フォックス・オン・ザ・ラン」B−−yスイート。グラム・ロックの発生から最盛期を全速力で駆け抜けた正にスイートなバンドのキラー・シングルです。結成は60’s末。演奏力はあってもちと作曲能力が無く、レコード会社にいぢられてなかなか成功せず不遇な日々を送っておったその時に出会ったのがグラム界最高の作曲家コンビ、ニッキー・チン&マイク・チャップマン、息もぴったし相思相愛で数々のヒット曲をとばしました。しかーしいつまでも寄りかかっておっては己の成長は無し。自分達の手で自分達の音楽をしたいぞと研鑽の日々。努力が実って最初の自作シングル「16トン」の最高位9位の成功を序章として出来ました最高傑作。この業界ヒット出さないと何事も思う通りには出来ません。どうしてこんなスーパーな曲が出来たのか。それまでお世辞にも曲作り上手いとは言えず。どうもやりたいことが多過ぎて字余り字余りって感が。ところがどっこい肝据えてかかったのが功を奏したのか、完璧です。すぐそばヒット・ソングの神様がいてさんざ演奏もして来たんですから落ち着いて考えれば身について無い訳が無し。ハードに責める、皆が喜ぶのその折り合いです。コードはもう簡単。ほぼ3コード。イントロのビコビコビコビコのテクノ予感から大風呂敷びらーで掴みはOK。追い討ちをかけるシンセのフレーズ。同じコード進行のままで落とす序章のメロディ、そのまま見事にリフレインに突入、ドラム連打のキメ、そしてイントロに戻る。2番では元祖クイーン風コーラスが絡み、リフレイン、押さえに抑えたギターソロ、リフレイン、フェイドアウトと全く無駄が無し、アレンジも完璧。この瞬間、名実共にチニ・チャプ超えを果たしました。さー大変なのはこんなすげー曲作っちゃって、今度は超える相手が自分になっちゃった。そりゃもうこれで初めてスイートにやられた人も数多く、こんなのこんなのって期待もかかります。本人達も同様にこんなのこんなのと思ってはいる一方、もうヒット曲はうんざりだって気持ちも同時に有り。11月にはアメリカでも最高位5位の大ヒット。待望の英米両制覇を果たして思うとおりに出来る環境を獲得。そしてそれを自作からは思い切りやりどんどんハードに。でちょっとだけやらせて貰ったのにそしたら一挙に売上げダウンと。げに悲しきはミュージシャン人生です。私だってフォックス・オン・ザ・ランみたいなのもっとやって欲しかったよ。歌詞も秀逸。とても平易な英語で何を言ってるのか意味はわかる。しかし何を言いたいのかはさっぱしわからんとゆう(^0^)。人それぞれに己の解釈が可能。これはヒットシングルの歌詞の真骨頂だと思います。そしてそれだけに永遠に残るのだお狐さん遁走。最高です。

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6/26(日)
とろける77分
cover
A's, B's and Rarities
Pilot
2005/4/5

シリーズ「力POP」

新譜CDだ。我が家にとっては事件です。よっぽどじゃ無いと手を出さず。値段の関係で(T_T)。でもパイロットです。これまた我が家にとって鬼門のバンド。そりゃもう大好きなくせに4大シングルと1stしか持って無い。CDは今まで無かったしアナログは馬鹿高い。今年になってオリジナルアルバム「新たなる離陸」がリリースされた。涙が出るほど欲しいよ。でも値段の関係で・・・。泣いてたらこれを見つけてしまいました。英EMIから出ているシングル山盛り収録のコンピ盤。安い。決定。しかもてんこ盛り77分。しかも通常けしからんことにこのシリーズはCCCDで出ているところ、これだけは収録時間の関係で通常盤です。趣旨は最高です。会社が持ってる音源を中途半端なベストにせずシングル盤をリリース順に入れてくれて。歓喜の企画だ。してあのパイロットのシングル集だから悪いはずは無い。聴いたらやっぱり。あまりに素晴らしくて無いてます。買って良かった。待って良かった。音質は・・勝手に思うにこれはシングル盤モードにしたか。あの上気した空気の音で嬉しいことに。曲は当然あのキラー4大シングルで始まる。春夏秋冬、起承転結、七転八倒、焼肉定食なあの4曲。あまり聴くもんだからもしかして飽きちゃったらどうしよう止めとくかと思うほど素晴らしき。アラン・パーソンズと作り出したこの曲群。英国POP、いや世界POPのかけがえの無い宝です。底無しのメロディの才を持った連中ですからB面も凄い。B面なんだからって我慢出来ず。とろけるメロディが零れ落ちてる名曲で。あああと口あんぐり開けて聴くしか無いです。続けて1stと2ndからの曲が。改めて気付きます。XTCだー。実際はもちろん逆だけど(^0^)。ビートルズの再来とこればっかはマジに言われてもおかしく無かったけどそれ以上にXTC。アンディさんは否定するだろうけど少なくともこれは育ちは恐ろしいほど同じと思い。レディ・ラックですぜ。そこここのメロ・フレーズが驚くほど映像重なり。うんうんと頷き喜び。両方ともファンだからよう。15からは新規一転新パートナー、ロイ・トーマス・ベイカー氏製作。これがまた笑っちゃうほどベイカーさん。あのクイーンのギターとコーラスが。この方いつもそうだけどそのまんま持って来てくれるから。嬉しいじゃないか。クイーンも根っこは同じです。どうゆう訳かメロディ極上が身上のバンドは苦戦を強いられるロック世界。パイロットも4大シングルの後はがくっと世間に登場機会減ってしまいました。しかしこれほどの人達が才能がいきなし枯れることなど有り得ず。その証明がきちんと事実としてこの盤の後半に。確かに時代の後押しは無くなったかもしれんが音楽はぎんぎらぎんに光ってます。で、別な面として。皆がこのパイロットを好きな理由は・・・やっぱあの高音ヴォーカルメロだよな。何もそこまで限界に挑戦しなくてもいいのにー。ってやつ。これが頑張れって応援したくなる。もう健気で。それが一番陰と陽、見事な構成で発揮されたのが「マジック」。あまりにインパクト大。で、そのあと苦戦したのかもと思い。それでも何故これだけのものがとちいとも納得できんわ。こうして聴くと。

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6/27(月)
英国の米国バンド
cover
the Best of Clover
Clover
1986

シリーズ「パブロック部」

クローバー。何なんだー。4つ葉を見つけますとラッキーさん。では無くて、80’sのミスター誠実な男、ヒューイ・ルイス氏率いるニュースの前身バンドです。とある理由で前から聴きたくてしょうがなかった。そしたら先日中古LPで発見。3m飛び上がって天井に頭痛打。CDではついこの前2枚とも復刻されました。この盤はどうやらニュースの成功を睨んでマーキュリー・レコードがそう言えばうちにおったなあとあやかりで出した模様。ジャケにはもう一枚ジャケが写ってる。曲もちょっとだけ2枚以外のが入ってて損したような得したような。そりゃまCD2枚とも買うにこした事無いけど馬券も当たらねえしなあ。ここはラッキーっと己納得。そうゆう訳でこの盤に沿って何とか感謝させていただきます。さてクローバー。結成は67年カリフォルニアで。メンバーにはもちろんヒューイ・ルイスさん、そして後にドゥービー・ブラザースで八面六臂のマルチ・プレーヤーで活躍するジョン・マクフィさんがおるつう考えてみりゃあスーパーな顔ぶれ。70’s初めにアメリカに来ていた後にスティッフ・レーベルを興すデイブ・ロビンソンさん(ブリンズレイズのツアーの時か)と知り合ったのが運のつき、よしゃあいいのにイギリスに渡ってパブ・ロック・バンドになってしまいました。売れなかったのにさらに売れない世界に突入(^0^)。まあとにもかくにもアルバムを製作出来た。2枚なのか4枚なのかちょっと情報無くてわからーん。復刻された2枚では製作はAC/DC、グラハム・パーカー「ヒート・トリートメント」でお馴染み、剃刀プロデューサー、ロバート”マット”ランジ氏による製作。エンジニアは何とニック・ロウ氏だとー!。デイブさんコネクション。その縁でエルビス・コステロのあの衝撃の1st「マイ・エイム・イズ・トゥルー」のバックをやることとなりました(ヒューイさん抜き)。パンク勃興期の最重要作の音楽を担ったのがカリフォルニア・バンドだってのも面白いぞ。そこでの演奏はもう最高でした。ラフなところが絶妙なノリを生んでこれこそ正にホワイト・グルーヴてなもんで。それを聴いてたんでイギリス時代のこのバンドの音がどうしても聴きたかったのです。で、聴いたらまー三つ子の魂百まで。こりゃニュースだ。そして「マイ・エイム〜」の謎もちょっぴり氷解。とてつもなくプロフェッショナルな上手いバンドです。かっちり演奏。とするとあのラフはニックさんマジックだったか。まずびっくりするのはヴォーカルがもう一人いる。マクフィさんなのかな。どっちかってゆうとリードはこの方の方で。ニックさんタイプの人懐っこいタイプ。そしてヒューイ氏があの音のハーモニカ吹きながらジョン・オーツさんのように絡む。とえらく贅沢。曲の題材は「ああ、こんなとこまで来ちまってよう。カリフォルニアの青い空が懐かしいぞえ。」ってもの多し。可哀そう。帰して上げてー(^0^)。「チキン・ファンク」なんて自虐的タイトルの曲ではファンクとトラッドを無理やり合体させるベタなサービス展開。やっぱりどこまでも誠実。キラー曲は「Unavailable」CDの中の「ストリーツ・オブ・ロンドン」。泣きました。滅茶苦茶良い曲で。他にはロッカ・バラード有り、ニックさん風ロッキン・ナンバー有り、ブギ有り。ハーモニカとギターのトゥイン・リードも既に登場。あの鉄壁コーラスもまんまで登場。ニュースで成功した時には売れるために相当レコード会社から口出し多かったらしくヘキヘキしてたとのことで、ホームシックかかって寂しいながら音楽的にはこの頃の方がのびのびと楽しくやっていたのでは無いかと思います。その様子は聴いててもびんびん伝わっていや楽しいのなんの。重箱の隅を突付いてのお宝盤鑑賞てな訳では絶対に無く。純粋に最高に素敵な音楽。ヒューイ・ルイス&ニュースが少しでも好きだったらもうこりゃたまりません。ニックさん好きにも。もちろんだ。

入手参考もう一枚

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6/28(火)
ジャケに非ず陽光
cover
The Minx
The Cyrkle
1970

シリーズ「おひさまPOP」

いやもう最高。我が家のパワープレイアルバムです。とか言っちゃうとおめぇようどんな生活してるずらかぁとトンマに突っ込まれてしまいそうなジャケですミンクス。「牝馬」。60’sのバンド、ザ・サークルの作品。これぞ昔の新譜。リアルタイムでは誰が聞いておったのかーつう代物でやっぱ21世紀は勿体無いの時代、進歩より泡喰って前ばかり見て零して捨ててしまった宝物をもう一回見つめ直す100年かもって考えてしまった。えーポルノ映画のサントラだそうです。NY出身の連中によって結成、ブライアン・エプスタイン氏がマネージャーでジョン・レノン氏がバンド名の名付け親だそうでおおとなり大成功かと思いきや小ヒットはあったもののこれがまたさっぱし売れず喰うためにやって来たのはこの仕事。スパイ映画として作られたものの面白くなーいってお色気映画にされちゃったつうこれまた可哀そうな映画のサントラす。状況からいやあ音楽だってやる気なしのスカスカの情け無いものになろうかと思わばこれがさにあらず。音楽家の性か。せっかくの創造チャンス逃すものかの大力作だ。まいった。しかし困るよこのジャケ。真昼間からお父さんが買うには勇気入るぞな。買ったけど(^0^)。しかもデカジャケLPで。でもネットで買えるから今は。こっそりどうぞ。私事なんすがミンクスって昔やってたバンドの名前なんです。メンバーにいすゞの人がおったもんで。と複雑な心境で聴き始めるも中身は噂に違わぬお日様POPでした。60’sに生まれた極楽音楽図鑑みたい。ビーチ・ボーイズのコーラス、ペット・サウンズの万華鏡有り、サイモンとガーファンクルのリリカルさ有り、6.のニコールではビートルズのベイビ・アイム・ア・リッチマンのサイケ、8.の映画テーマはバカラック=ティファナブラス、デュアン・エディ風エレキ・インストも。いやあ楽しい。けっしてちょこちょこいぢってるつうもんじゃで無く腰が座ってるし。何と言っても曲が最高。気合と同時にほがらかさも満点、テーマ曲なんか石立ドラマの主題曲みたいです。それだけでやられちゃうんだけんど。しかしまあいかにも見つけるな聴くなの外面の裏にこんな宝石有り。隠しても隠しても素晴らしいものはいつか世に出るのだなあと世の中悪いもんじゃねえなあとそんなことでも嬉しくなってしまって。今度は逆に変な伝説物扱いで祭り上げられて嫌なイメージ付かなきゃいいなと願うのみ。雑音でこっちは大切に聴いてるのに嫌ーな思いするのは御免だから。経緯からしても全く損得抜きだよ。偉く無くて音楽の熱情だけで作られたものだと確信出来るものであります。マンフレッドマンのアップ・ザ・ジャンクションと並んで60’sPOPサントラの横綱。我が家の棚最前線配置、決定です。

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6/29(水)
夜明けのシンフォニー
cover
Volume, Contrast, Brilliance... Sessions & Singles, Vol. 1
The Monochrome Set
1983

シリーズ「新波倶楽部」

こよなく愛する前人無踏無国籍エキゾティック・バンド、ザ・モノクローム・セットの初期コンピ「音量、明暗、輝き、セッションとシングル第1巻」です。デビュー時に所属のラフトレード・レーベルでのシングルとBBC等での音源がはちきれんばかりに入ってる。私は1stでまずやられ朝も夜もグッバイ・ジョーな生活に2ndで追い討ちをかけられてゾンビ〜やゾンビーな日々を送ってたところ3枚目として登場。はいいんだけどせっかくメジャー、ヴァージン傘下のディンディスクに入ったのに世間の新波の風が去ったか、つうか新興レーベルチェリー・レッドから三願の礼を持って目玉として迎えられてまたも移籍。そしたら入手難になっちゃってついこないだです。アナログで出会ったのは。ラフトレードのシングルは徳間ジャパンでまとめてくれたLPで聴いてたんだけど。とにかくまあ20うん年越しの悲願。涙で耳が曇ってしばらく聴こえなかったよ。バンドとしてノリにノッてたこの頃、移籍記念で己の為した事をここでまとめてみようって試みも只で済む訳は無し。冒頭からアナウンスが入り架空のラジオ・ショー仕立てなのだ。最初は今でも最高傑作だと思ってます「夜明けのシンフォニー」。録音設備の貧しさで大手に移籍せざるを得なかったとの話もどうしてどうしてこのザクとした手触り、掛け替えの無いものと感じ。たった2分半あまりのジェットコースター・ムーヴィ。ラフトレードでの録音でいっちゃんかっこいいバンドの影の要人、アンドリュー・ウォーレン氏のフェイズシフター、びんびんのベースに身を委ねます。続くセッション&BBCの音、これがまた素敵。ラブ・ゾンビーズの紙やすりのような手触り。傷口に塩の刺激。これまた時間的制限等多々あれどそれが集中力と気迫を産む事もあるとゆう音楽魔術の証明かと。バランスもドラムがでかかったりするんだけど。不思議。デリケートな録音よりかっこいいとゆう。微妙な線です。ぎりぎリのレッドソーン。ここで最高、ここから先は壊れちゃう。ああ、シリコーン・ケーン素敵だ。タイトルだけでも。すみません。ここから先は聴きます。何も手に付かず。どうやらまたも入手難の境目になってるよう。何ともはや。必死になって入手するに値するレコードorCD。ひやかしはお断りだよ。世界にただ一つ。バー「魔の巣」に置いてある望郷チャンネルしか写らない白黒テレビなのだ。そうは簡単には聴取不能。

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6/30(木)
ちんぴら新調
cover
Monkey Island
Geils
1977

シリーズ「ブギー兄弟」

北米のチンピラ楽団、Jガイルズ・バンド、2枚組のぶちかましライブ・アルバムを出した後、心機一転バンド名をガイルズに改名、さー殴り込みだ「モンキー・アイランド」に。つうてもプロデュースとアレンジのクレジットにはしっかりJガイルズ・バンドの名前が。実は根は変わってませんと締め上げたら白状しましたぜ兄貴。冒頭からいきなし女子の歌声が聞こえてきて仰天。まさかリード・ヴォーカル交代、まさかフェイ・ダナウエイ。あの人こんな野太い声出せそうにねえよなってこの方はシシー・ヒューストンさんでした。シシーさんてあのオイットニイ・ヒューストンさんのママりんじゃ無いか。娘がサンダルみたいなつっかけて履くやつ何だっけを履いて駆け込み乗車、寸前ですってんころりんと派手にひっくり返って旦那のボビ男に八つ当たりしてしまいそうな豪快な歌声です。に続けてピータの声が聞こえて来て安心安心。この盤の目玉だ。サレンダー。イカシたファンキー・ロック。されんだー、お馬鹿さんって歌ってしまうよ。うっ、はって掛け声、うぱぱぱって手拍子も素敵。何回聴いても愛も変わらずやられてます。でさあ、2曲目の「あんたが大将」。これがまた。雰囲気一変のメロウ・ソング。出入りの後の束の間の休息ってな感じで。曲の良さも猿ことながらこんな演奏も出来るのだなあ。兄ちゃんも大人になりました。3曲目も一転、オールディーズ・ムードたっぷしの楽しき「アイ・ドゥ」。このケツの軽いヴォーカルがたまりません。それでも魔術師ディックさんのハモニカはいつものどす黒い音。「サムバディ」はビンゴビンゴ、クラヴィ大活躍のストーンズ・ファンキー。パッと聞かされたら間違えちゃう。キモはこんこんカウベルと、おおおおの集団コーラス、そしてずっちゃんがっがのガイルズ親分のギターソロだ。A面ラストは「私は落っこちた」。スターの孤独を歌い上げた大バラード。ピータちゃんが歌うと中バラードになってしまいますのが好きです。このA面の楽しさはもう超弩級。完全無敵。七転八倒ヤエノムテキ。もう一周ウイニングランどうかしてください。さーB面です。どうだ変身したでしょとばかりリズムマシーンに導かれてラテン調レゲエの「モンキーアイランド」で発進。島ですからラテンです。鍵盤のセスさん、乗っちゃって弾くの止めません。ここでのトランペットはディックさんだそうでさすが猿もの引っかくもの。ライブではとっかえひっかえやるのだろうか。かかかっこいいやってみたい。気が付けばえらい大作。場面がころころ転換、成功したかは貴方の耳で。ちょっと頑張っちゃったかなと恥ずかしそうに次はオールドタイミイなブルース・インストで。オハコです。「ソー・グッド」は正調ガイルズお気楽ソング。「わたしゃワイルド、いつも走ってます、いつもハイです。」だって(^0^)。馬鹿だねえ。最後は「レックエッジ」。「燃えカス」って意味かな。燃え尽きてバラード。ふりしてるぞ。まだまだ燃え尽きてませぬ。やり尽くさない魅力とちんぴらゴボウなモンキー・アイランドでした。大好きなアルバムです。

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