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今日の感謝盤一覧2005.11上

 

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11/1(火)
黒鳥グルーヴ
cover
Black Byrd
Donald Byrd
1972/4/3

シリーズ「FunX!」

70年代に突入。世界は黒いマグマが沸々と煮えたぎっておりました。そのマグマの正体はファンク・ミュージック。やけに腰がむずむずして踊りたくなる叫びたくなるそして吹きたくなったのが、このベテラン・ジャズ・トランペッター、ドナルド・バード氏です。ジャズのトランペッターと申さばマイルス・デイビス氏。その10歳ほど年下。一世代ほどお若くデビューは1955年です。溢れる意欲は音楽意欲、当然見つめるはその時一番ビビッドなサウンドだ。70年JB親分のセックス・マシーン、同年カーティス・メイフィールドおじさんの「カーティス」、スライ・ストーンの「暴動」は71年、マービン・ゲイ氏「ワッツ・ゴーイン・ノン」も71年、ダニー・ハサウエイ氏デビュー70年、これらキラーの裏には山のようなファンキー有り。ロックンロールに次ぐ新しいビートが生まれようとしてました。バード氏も前作前年「エチオピアの夜」でファンク入道、さらなる無限の可能性を求めてミュージシャンを探しに探してこれだっつうメンツ集合のその時、この「ブラック・バード」が生まれました。時は72年4月。その数ヵ月後には先輩マイルス氏の必殺「オン・ザ・コーナー」。片腕に選んだのがラリー・ミゼルとゆう男。みぜるきかぜるいわぜる。作曲、アレンジと大活躍。ドラムスには翌年、ハービー・ハンコックス氏のこれまたキラー「ヘッド・ハンターズ」でさらなるぶっ飛びしたハービイ・メイソン氏。あまりにファンキイ、切れ過ぎて歌物のバックでは叩かせて貰えなかった男。ベースにはテキサス・ファンクの雄、クルーセーダーズからウイルトン・フェルダー氏が。本業はサックスでござるが、ベースを弾かせるとこれが天下一品。あまりに上手いんでバンドにベーシストが寄り付かなかった。そして同じくベースにチャック・レイニー氏。中指一本上下のみで超絶グルーヴを発進する男。ポンピン&ぐいのり求めるならチャックさん。さー、このご両人の名を聞いてピンと来た方は110番、そうです、エイジャに至るスティーリー・ダン・サウンドのボトムを支えた二人だ。ギターはディーン・パークス氏、デヴィッド・T・ウォーカー氏。気がつけばこれ以降様々なアルバムでお姿発見。鍵盤はジョー・サンプル氏。これら百戦の勇士達が集い、何かものしようとチャンレンジしたアルバムがこれ。もちろん後のクロスオーバー、フュージョンの姿有り。しかし何よりも魅力的なのは、一体全体何が生まれるのか本人達にもわからなかった雰囲気。やってる内にこれかこれかって発見を演奏側も次々と掴んでいく喜びが。アルバムの隅々まで光が充満してきらめいてます。この喜びの音楽を街が放って置く訳も無く、ジャズ・アルバムではもち最高位1位、ブラック・チャートでも最高位2位、ポップでも最高位36位とブルー・ノート史上最大の売上げとなったとゆう。数多のミュージシャンも夢中で聴いたはず。そして参加したミュージシャン達は・・・ここで得たものを音楽の伝書鳩となって実際に各地で展開、新たな個性と出会ってさらに花開くファンク。音楽ですから気に入る気に入らないは貴方次第。ただ、この分野で黎明期キー・アルバムの一つであることは間違いないかと思います。後は前述盤の他、クインシー・ジョーンズ氏の「ボディ・ヒート」、グロ−バー・ワシントンJR氏の「ミスター・マジック」。生きがいいのは目でわかる。取れたてだよ。

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11/2(水)
愛しい
cover
Badfinger
Badfinger
1974/2

シリーズ「力POP」

バッドフィンガー74年のアイビーズ時代を含めて6枚目のアルバムです。ワーナー移籍後初LP、アップルの残り香盤「アス」のリリース数週間後にリリースとゆうことで無残なまでの売上げだったとゆう。おまけにそのアスではジャケでニンジンに釣られて彷徨うロバさんにされて。まったくもう止めなさいそうゆうことは。当時そんなに不遇なら今こそ大切にみんなで聴く時だ。さあ、心機一転です。タイトルも満を持してのバンド名冠。とにかくほんとに愛しくて愛しくてたまりません。出来うんぬんは考えることなく何回も何回も聴いてしまう。それはもう1曲目のアイ・ミス・ユーがまずあるからだ。針を落とすといきなり出て来ますハムさん作。うううわーと感情こみ上げてもういいですこの1曲がまずあってくれれば・・・全てのこのアルバムの曲を受け止めますって気持ちになる。そして2曲目の「シャイン・オン」。日が照って欲しいよな。ぽっかぽかに。74年になっても全く変わらぬバッドフィンガー。周りが勝手に時代遅れにしてしまったのかよ終始周りが勝手に。モランドさんのラブ・イズ・イージーを無事通過して、ピート氏の「失われた友の歌」。このフック、このフレーズ、そこここで泣く泣きます。5.はエヴァンス氏の「何でしゃべっちゃいかんの?」。禁句かビートルズ。どの曲か思い出しそうになる寸前で止める。止めとこう。ジョンちゃんだ。孤高で頑張る弟子。真っ当に受け継ぐ蛮勇ここにあり。A面はモランドさんおヘヴィ・マイナーな「アイランド」で終曲。ロックのキャッチーがこれだと思う。B面最初、7曲目は雰囲気一点、めちゃめちゃファンキー、スタックス・ソウルな「艶消しスパム」から。ハムさん作。ここでも掴みのメロは当然。ブルース・ブラザースにやって貰えば最高。だった。8.はエレピの響きが何とも魅惑、「ここからどこにいくのだろう?」。タイトルがー。エヴァンスさん作。胸に染み入る愛し曲です。途中のスティール・ドラムの音までむせび泣いてるじゃないか。負け犬じゃないってば。9.は唯一のドラムス、ギボンズ氏作。「私の心は飛び去って」。触ればばらばらになりそうな。ガラス細工みたいだ。苦境のバンド状況、内情もそりゃ色々あったと聞きます。それを考えると辛いけど。音楽で気持ちはしっかりと・・届けば・・ミュージシャンとして・・なんて言えないな。いくら思ってもわかるはずは無いし。ただただ聴かせてもらいます本気で。ぐっと来てるところに10.のハムさん作「ロンリー・ユー」でさらに追い打ち。やばいです。やばいほど美しいバラード。何も書けないよ。世界に響け。11.ジョーイ氏作「あきらめなさい」。あきらめたくないです。どうかお願いします。ラストは同じくモランドさんの暴走かっとばしチューンで。ぶっ飛ばしOK。たまには何もかも忘れて。製作はクリス・トーマス氏。70’S中盤でがっちり聴けます彼の音でしっかりバンドを受け止めてます。このステレオぽく無いきゅっとキュートな音がまた・・・最高。ロクシー・ミュージックのあの「サイレン」の音。とことん英国。なんもかも愛しくてまた聴いちゃうよ最初から。

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11/3(木)
世界一短いアルバム
cover
Part 3
KC & the Sunshine Band
1976

シリーズ「FuNx」

文化の日だ。今朝になって気付く。それならばマイアミ文化振興の為これだ。KC’s76年の大傑作アルバム「パート3」。ライノからのボートラ付CDも廃盤、原則入手可のものを感謝させて貰う原則の為臍を噛んでおったがふと見ると日本盤有り。アマゾーンさんを見るとおお手に入るとこでは手に入るではないですか。やったるで。マイアミ文化振興とは言っても深夜どこにも行くところが無くなりケーキ・セット一つで寝てしまうと店員さんに叩き起こされてしまう若者の簡易宿泊喫茶店のことではなくKCちゃんとお日様バンドのことだ。ザッツ・ザ・ウエイをはじめ誰でも知ってるシングル群。でもさオリジナル・アルバムつうとはてはてはーてとなってしまうはレコード会社も悪いよベストばっか出すんだもん。76年のこのアルバム聴いてつかんしゃい。5曲の完璧なシングル入り。そして残りの3曲も実際カットしてないだけで完璧なシングルなのだ。これほど聴いて短いアルバムは無し。30分実際短いか(^0^)。楽しくて短いんだ。誇りを持って我らディスコ・バンド、それがKC’sです。ファンキー大好きな白人レコード店員ハリー・ウエイン・ケイシーちゃん、鼻歌歌って盤整理してたら何だその鼻歌はと店長に訊かれて、はいこれは自分で作ったファンキーなやつですと。そこで怒らず才能を認め自らのレコード会社でデビューさせてしまったこの店長偉い偉すぎ。相棒のリチャード・フィンチと出会い、現地の歴戦の猛者ミュージシャンとバンド結成。もう真っ黒な人たち。何だこのぼんぼんの白人野郎って思ったぞきっと。そんな中、音楽の素敵さで邂逅、ケンカ、和解、結束、そして成功、これは映画にしたっておかしく無い物語だと思う。誰か作れ。最初こそ手探りでもわもわっとしておったが、才能と吸収力溢るる男KC、あっとゆうまに己音楽掴んで、ものしたシングル2曲「ゲットダウン今夜」「ザッツ・ザ・ウエイ」、等身大のダンス音楽でシングルチャート首位獲得の大成功。それを受けての3枚目アルバムがその名も「パート3」。やることはもう一つだけ。ファンキー・リズム・ギター+マイアミ・ラテン・リズム+いかした言葉の連呼連呼連呼。1曲目はベイビー・アイ・ラブ・ユー。言いたい事も一つだけ。「好きさ好きさ好きさ」。変拍子でちょっと気を持たせた後はもう踊れ踊れ。2.はシングル「ラップ・ア・アームズ・アラウンド・ミー」。この年一緒にツアーしたのがこれまた旬の超絶ファンク・バンド、オハイ・プレーヤーズ。憧れてます。真っ黒で。やりたいからやったモロへにゃな掛け声「へい〜」。決まった。この時の二つまとめて聴けるライブ音源は残ってないのか。ないのかー。ちょっとけだるさが目玉の君の腕に包まれて。体力付いていけない爺さん婆さんも心で踊ればOK。3.の「ファンキーでいこう」もシングル。原題は「わたしゃそれ好き」。ははは。「あー、僕はー君とそれするのが好きー、好きー。」それっつうのは釣りとかたんぽぽ採りとかまあ色々あるわな。ほぼ歌詞はそれだけだ。悪いか。うん全然。4.えー本日の完璧なシングルは「シェイク・ヨア・ブーティ」、KC&ザ・サンシャイン・バンドです。ミドルアップのリズムに乗って「♪振り振り振り、貴方と振り振り〜」。臭ぇ臭ぇ臭ぇ、臭ぇよぶって♪って聞えますか。それでもいいです。多分あってる。最初から最後までぶっといシェイク・ヨア・ブーティの塊。最早とりつかれてえらい迫力。鬼神のグルーヴを堪能するのみ。気が付けばA面は4曲中3曲がシングル。あは。B面は5.「レッツ・ゴー・パーティ」で始まり。「レッツ・ゴー・ユー・ノウ、レッツ・パーティ・レツ・ゴー・ゲットダウン」って最高の連呼シラブル。読むだけで腰が動くよ。これ以外一体何が必要だというのか。6.は「カモンカモンカモンカモン、イントゥ・マイ・ハート」。これ以外一体何が必要だというのか。これ以外一体何が必要だというのか。7.は、えー本日の完璧なシングルは「アイム・ユア・ブーギ・マン」、KC&ザ・サンシャイン・バンドです。待ちきれません始めちゃいますで始まったギターのカッティング、そのまま大サビに突入1,2,3「♪アイムヨアブーギまん、笑いあむ」、これがサビかと思ったらその後にさらに巨大サビが「アイムユアブーギマン、ブーギマン、ターン・ミーオン、アイムユアブーギマン、ブーギマン、ドゥ・ワッチュ・ウォント」ってこのシラブル。読んでるだけで腰が動きます。ラップってあるんですね。この快感を得る為にやたら色々くっちゃべっている訳で一発で決まればこれ以外一体何が必要だというのか。でラスト、えー本日の完璧なシングルは「愛はノン・ストップ」、KC&ザ・サンシャイン・バンドです。前曲と続く最強のノンストップ・メドレー。ギターのリズムが要となってユニゾンで「キピット・カミン・ラーブ、カーミンラブ、ドンストッピットなうドンストップのードンストップ〜〜」。お経のようだ。こんなお経読んだらくたばった人も生き返って踊り始めてしまいます。生きとし生けるもの天国でも地獄でもこうなったら全部踊れ。クソ単純な音楽だって?。そんじゃ訊くが、これ以外一体何が必要だというのか。

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11/4(金)
ヒム
cover
Partners in Crime
Rupert Holmes
1979

シリーズ「アダ懇談会」

LPオビのコピー文が強烈です。「大都会に生きる男の哀愁を心暖まるヴォーカルで聴かせてくれるシティ・ミュージックの実力派、ルパート・ホルムズ」。おおお物凄く合ってると思う一方、高倉健氏の顔をした渥美清さんが歌ってる姿を思い浮かべます。思い浮かべるかー。70’sを主に裏方さんで頑張って来たルパートさんの5枚目にしてブレーク・アルバムがこの「共犯者」。2曲のヒットも出ました。素直にオビのコピー文の通りイメージすりゃいいものを何でややこしい姿が出てしまうのかとゆうと、お名前を見るところ、お姿を見るところで全然違うんだもん。お姿は収録ヒット「エスケイプ」を歌ってるフィルムをTVで見たことがあります。ジャケではそそとしたナイスミドル風だけんどこれが見事なまでのお父さん。普段着で公開録画見に来てたお客さんがそのまま歌ってるのかと思ったよ。これでAORなイメージが真っ白。お名前は、プロデューサーとしてアメリカ音楽史上最も純で奇形なバンド、オーケストラ・ルナで、後は何故かイギリスのスパークス、セイラー、ジョン・マイルズ、ストローブスとこぞってエキセンな人たち。お父さんだから安心してやんちゃ出来るのかなと思うも、それほど構えた感じでも無し。経歴はイギリス生まれのNY育ち、お父さんがミュージシャンで、早くから音楽好きになって音楽学校に。学生時代からプロの現場に出入りして自作の曲を褒められたのが運の尽き。どんどん作曲して取り上げてくれる人も多数。70’s前半飛ぶ鳥を落とす勢いだったバーブラ・ストライザンド氏に認められて75年の「レイジー・アフタヌーン」でコンビを組んで一挙に注目を集めてと。ソロ・デビューは74年「ワイドスクリーン」で好きな音楽家は「ブルー・ムーン」を作曲したローレンツ・ハートさん。それらを頭の片隅にどばっと置いてこのアルバムを聴きますとさらにまあ楽しいこと。野心の無いビリー・ジョエル氏、NYのビル37階で働くバリー・マニロウさん、アスピリンを飲みすぎないウッディ・アレン氏、しょっちゅう一目惚れしてふられ続けてる、仕事は滅法真面目で信頼厚く、週末には一人で名画やってる映画館に行って、帰ったらこっそりスパークス聴いて踊ってる。有り得ない話じゃ無い。ほんとか(^0^)。それを演じてるのが筋金入りのプロのミュージシャン、ルパート・ホルムズってもう一つの姿。外からしっかり冷静に自分の歌う姿を見てる。曲はどれもイクラの粒粒みたいに美味しい。って結局は「エスケープ」、「ヒム」の二つのキラー・シングルが理屈抜き、もうやたらめったら大好きでそれで思い込み、想像で楽しんでる次第なんですけど。実際出て来るぞセイラーやルナのあの感じがふわっと。5.のドロップ・イットはボビー・マクファーリン氏の「ドント・ウォリー、ビー・ハッピー」にそっくりです。偶然かはたまた。実はこれ以前のアルバムはまだ聴いたこと無し。CD化されてないのもあったりして中古で偶然出会うのを待つしかないか。猛烈にもっと聴きたくなります。それらを聴けば・・・お父さん、奥が深そう。マッチョでも無いし、芸術家でも無いし、カリスマでも、二枚目でも、かと言って素人でも無い、70’s後半だからこそ生まれ得た最高の音楽って言い切る後悔無しわし。

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11/5(土)
比類無き登場
cover
Over My Head
Fleetwood Mac

1975/12

シリーズ「完璧なシングル」

今回の「完璧なシングル」は
「ファンタスティック・マックの3枚」、
フリートウッド・マックです。60年代末にブルース・バンドとして出発したマックが、時代と共にメンバー・チェンジを重ね、サウンドも人と共に変貌、音楽の充実とは裏腹に念願のアメリカ成功は難航して、ついにたどり着きました。この地点に。正にツルっと一皮むけたごとくの大成功。そのきっかけはもちろん、新加入の若きアメリカ人二人、リンジー・バッキンガム&スティーヴィ・ニックスの両人、そして新進気鋭のプロデューサー、キース・オルスン氏です。そこで何が起こったか。実録判明さば一つの映画になるほどドラマティックに違いなし。誰か作れ。ファンタスティック・マックな音がどうやって作られたか。その一端は21世紀リマスターで少し垣間見ることが出来ました。新生マックと言えば超ロングランなアルバムの売上げ。そのどかんな存在をバックにしたシングル3枚。そこにもドキドキするような気持ちがこもっていると思います。
アルバムの発売は7月、ツアーをしながら少しづつ手ごたえを獲得した12月最初のキラー・シングルがTOP40に登場。
「オーバー・マイ・ヘッド」。クリスティン・マクヴィさん作。加入以来変わらぬ個性。変わらぬ魅力の曲を作り続けて来たマクヴィさん、ここで何が変わったか。アレンジだ。やっぱバンドは売れないとなりますと試行錯誤の連続となるは仕方が無いところと思われ、様々に音を入れ、これかこれでは無い、やっぱこれかと。その曖昧模糊がこの以前ウエルチ・マックの魅力だったんですけど、やっぱそれではヒットは叶わず。新編成でもうこれで駄目なら清水舞台と腹をくくったのが良かったか、何よりキースさんの「絞りましょう絞りましょうこんなに良い曲なんだから裸でも大丈夫。極め付けの音だけを練りに練って絞りましょう。」との熱意と確固たる信念の賜物、そしてキラキラした目の若者二人の新鮮な声とフレーズが化学反応をついに起こしたのだ。どかーん。最初のシングルにこの曲を選んだのがまことに含蓄有り。しかも恥ずかしながらリマスターで初めて聴きましたシングル・ヴァージョン。それは初期のテイクだと思います。あえてそれを選んだのは生々しさ故か。それまでのマックの英国音楽から出発して混ざりに混ざって昇華して最早何のジャンルかわからなくなった妖しさ。それがギラギラ存在してる。呪術的空気もたっぷり。どんどん惹きこまれてしまいます。歌詞は生まれ変わるに相応しく「♪貴方は楽園に私を連れて行ってくれる。そこでまた氷のように冷たく立って。私は飛んでしまった。とってもいい気分よ。」。超然さんだー。そして魔法にかかった聴き手はアルバムを買い、そこで遭遇するのがアルバム・ヴァージョン。フェイド・インで始まり、さらに氷柱のように慄然と立っている。漂う霧靄が晴れて青い色の水が見えます。研ぎ澄まされたフレーズ。ここで完璧なシングルが完結。アルバム連動合わせ技の稀代なるもの。

魔女降臨
cover
Rhiannon
Fleetwood Ma

1976/4

2枚目のシングルは翌76年の春4月にリリースされました。
「リアノン」。新生マックの花形、スティーヴィ・ニックスさん作。魔女ですから。実はこの時4万3千歳であったかも(^0^)。ですから既に超ニックスさんです。紛れも無く。コードはAm、C,Fの実質2つ。メロディの上下は無く、バックのフレーズもそのメロディを踏襲とゆうこれ以上無いシンプルさ。これしか作れなかったんだろつうたら身もフタもありま温泉ほてる高揚。例え作れませんでもそれがもう己の個性にぴったし、私なのほほほほほつう白鳥の麗子さんのごとき揺るがぬ姿はこれでしか表せぬわ。歌詞もリアノンとは私のことですと宣言、好きになるに決まってるわ、だって魔力持ってますからそしてこの美貌、歳も取りませんことよ。実際そうなってしまうんだから言い切るに限る(^0^)。例えあんまりそう感じてない人もそうなのかーって。2番目にこのシングルで新メンバー只者で無しとの表明、見事としか言えません。アルバム・ヴァージョンもこれに限ってはほぼ同空気。いぢれる訳が無い。最初から存在してましたから。

本領発揮
cover
Say You Love Me
Fleetwood Mac

1976/7

そしてホップ、ステップ、ジャンプ、3枚目のトドメ
「セイ・ユア・ラブ・ミー」。再びマクヴィさん作のあまりにもワンダーなキラー曲だ。コード進行は前段でA,E,A、展開でF#m、D,Aと落としてパアアっと解放するつう、参りましたシンプルでしかも迷い無く、これしか無いです。そしてメロディはそのコード字面以上、とんでも無い地点までたどり着く。終始一貫抑えながら。シングル・ヴァージョンは生きの良さが勝負。これも初期テイクだと思いますが。外れたフレーズも確かにあるかと。しかしそれで曲と出会った驚きがそのままこちらに伝わって来ます。歌うは慈悲で持って愛をの歌。ちょっとコミカルに。希望と期待を持って。最後はフォーリン、フォーリン、フォーリンと連呼。これが効いてる。一緒にフォーリンするわこれは。確実に。そのフォーリンで際立つのがここで登場、リンジー・バッキンガムさん。臨時にガムを噛んだら罰金くらった人。イエーの一言で存在アピール。そうかこの人なのか。と。この曲にて前2曲でもまだ眉唾で金ツバ食べてた人も完全にフォーリン。アルバムに導かれて、今度はタンポでぽんぽんと叩かれた後の名刀の光となったセイ・ユア・ラブ・ミーに遭遇します。さすれば、もう抜けられません。マック1日3食。健康にも抜群の効果です。

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11/6(日)
春風?の恋
cover
I'd Really Love to See You Tonight
England Dan & John Ford Coley

1976/7

シリーズ「完璧なシングル」

本日の「完璧なシングル」は
「秋風の恋」、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーです。
元ミュージシャンの配管工をパパに持つダン・シールズ君が、高校の時、ジョン・フォード君とお友達になりディオで活動開始したのが60’s末、70年にA&Mと契約してデビューしたのはいいけれど、出したヒットは日本での「シーモンの涙」のみ。どうもパッとしなくてクビになってしまいました。やばいですと次のレコード会社を探すマネージャー氏。ミシシッピのシンガソングライター、パーカー・マクギー氏のこの「秋風の恋」をこれだと発掘してデモ製作、各社に交渉を。アトランティックにアプローチしてたところ、どうも反応悪し。しかしたまたまお隣の部屋で聴いていたのがビッグ・ツリー・レコードのダグ・モリス氏。あー良い曲だなあとと契約し、そして全米チャート最高位2位になってしまったのだから人生は綱渡り、何が起こるかわかりません。だいたい聴いてみりゃあダグさんならずとも最高の曲だってわかるのに。レコード会社のバカチンぶりって洋の東西を問わないんだな。これが70年代のアメリカン・ポップスです。ジャンル右側の最先端。左側でもいいんだけど(^0^)。食い物に例えれば洋菓子で、生クリームとチョコレート、赤や黄色の果物がテンコ盛り盛りだぞ。辛党の方はそれ聞いただけでうえっっとなるでしょうがそれもまた正解。でも嫌いでもお菓子が世の中から無くなればいいとまでは思わんでしょうから。そうゆうものだと思います音楽も。大抵の方はたまには食べたいっすケーキ。それも甘〜いの。誇りを持って真剣にケーキ作るお店は繁盛するのだ。甘けりゃそれでいいって訳では無し。使用コードはF,G,C、Em,Am。これで勝負の3コード族。maj7とか使ってませんのでAORじゃないぞ。音は中音域勝負AMラジオでばっちし。さあ歌を聴こう。
「♪もしもし、しばらく。どう。元気?何で電話したかって?いやもうほんとに君と話をしたかったんだ。
立ち入った話をするつもりは無いよ。君の生活に干渉するつもりも無い。でも星は綺麗だし、暖かい風だってそよいでる。君に今夜会って本当に愛したいんだ。」
って、電話の歌です。元恋人にしてるようです。愕然といたすのはここで判明、季節は春だっつうこと。日本でのリリース時期に合わせて「秋風」になったのかー。まあ春でも秋でも風は口実なんで重要じゃないけど、秋で染み付いたこの曲の印象重要です。見なかったことにしよう。謙虚な口ぶりながら最後にとんでもない強気の攻め、それはやけに筋肉な歌い振りにも出てる。さて返事はいかに?先を聞いてみますと
「♪僕らは風が気持ちいい公園を散歩することだって出来る。海岸沿いをドライブすることだって。家にいてTVを見ることも。でもそれが僕のしたいことじゃないって君は知ってるよね。」
とさらに口説いております。どうやら相手はさほど乗り気ではない模様。困ってしまってやんやんややん。展開に突入。
「♪約束してくれって言ってる訳じゃないよ。嘘をついてくれなくていい。僕たちは昔一緒に楽しかったよね。僕は愛してると言って、そしてさよならと言った。」
と来てサビに再び、リフレイン、フェイドアウトで終わり。かなり形勢不利のようです。だいたいだな女々しいのは男の常。ここで引き下がればまあいいけれど、これ繰り返したらストーカーになってしまうつうこの曲、覚えがある皆さんにウケまして、大ヒットで実際そうゆう目に有ってる女の方はラジオでまでそんなん言われて堪忍やーと思ったかも。マッチョな方々には何じゃこりゃXの腐ったのみたいにこのーって暴れたけど、駄目ですいい曲だから。ましてや日本では歌詞がわかりません。評論家の先生が毒にも薬にもならんてわめいても、そりゃわめく方がアホや。「♪君の生活に干渉するつもりも無い。」お頼み申し上げます。

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11/6(日)
ホワイト・ボーイ
cover
Play That Funky Music
Wild Cherry

1976/7

シリーズ「完璧なシングル」

今回の「完璧なシングル」は
「ロックンロール・オールナイト」、キッスです。
いわずと知れた代表曲。世界で最も繰り返し演奏されて、ライブで聴いた延べ人数も最大では無いのかギネスにのってるんじゃないかつうお化けナンバー。それでいてどうゆう訳か飽きることも無く、もしやってくれなきゃコンサート成立しません。自分達も承知でキワモノ道で発進したキッスがこの曲をものにしたおかげで30年間火を噴き続け血をだらりんするはめに。途中呪縛から逃れるために化粧落とした時もこの曲だけはやめることが出来なかった。天から選ばれちゃったに違いなくもう諦めてください。この曲のライバルと言えますのがかしまし娘のテーマ、そして牧シンジさんのあーあやんなっちゃった、そしてアントニオ猪木の延髄斬り、ジャイアント馬場の16文キックかな。芸人なら誰でも獲得したいキメの一曲。どんなんい滑ってもこれをバッチリきめれば大丈夫てなもんだ。それがしっかり定着するためには本人達がその気で作ってるのは言うまでも無く、最後に認めるのは観客です。ツアーでそれを実証し、そのツアー・ヴァージョンが最初のシングル・ヒットとなったキッス。その意味でも完璧だなこりゃ。しかしまー何でこんなに飽きないのか。考え出すと夜も眠れずグーグーいびき。何を歌ってるのだろう。一晩中ロックンロールでぶっ飛ばそう!だろうと大方の人は訳詞も見ないで納得。それでOKなとこが世界だ。あえて見てみたら「♪優勝した親友がっ、勇気を出すルームげっほっ」ってこれはそのまま読み(^0^)。「♪あんたが欲しいものは全部出すぜ、部屋がほっかほかになるまで踊り続けられるやつ、あんた方が俺らをワイルドにさせて、そしてあんた方をクレージーにさせてやる。へい、叫んでくれ。もっと叫んでくれ。俺は一晩中ロックンロールをしたい。毎日パーティで。俺は一晩中ロックンロールをしたい。毎日パーティで。」。わ、とんでもなく真っ直ぐ。デビュー当時、順風満帆って訳にはいかず苦悩した彼ら。何よりも客が欲しい、音楽に酔ってくれて煽ってくれる本当の客がって、どん詰まりに来ての心からの叫びをそのまんま恥も外聞も無く出して曲にしました。じゃないとさー、ふんぎってこんな格好までして寂しいよう哀しいよう。続けられるか否かはあなた方次第です。それを30年間、ライブの〆に持って来ていつもあの時の気持ちに戻っている。やり続けられる訳だ。コードは・・・コードはやけに複雑にも聞こえると思ってましたが、実際はD,A,D,A、G,A、キメはCとG。♪ユー・キポン・シャウティンのとこはF,G。サビはD,D7、A,Gつう恐るべき基本3コード。もっと恐ろしいのはこれを生ギターでそのまま弾いてみてください。このメロディが出てこないぞ。間の抜けたフォークみたいになります。それをこんなにするのはロックンロールの魔術としか言えませぬ。そしてメロディがどっかマイナー入ってる。メジャー・コードにマイナーってブルースかいな。つうよりやっぱどん詰まりのけっこう情けない感入ってる所以か。最初はパラパラの拍手の、好奇の目でしか見てくれないお客さんたちの前でやらなきゃならない。そんな光景目に浮かべますと味わいさらに深く。まっとうな人生捨てて冥府魔道入りしなきゃならない芸人みんなのテーマソングだな。しかるに応援したくなる。自分のお葬式だってへたすりゃメイクしたままを望まれる人生やってくれてるんだから。30年、いやこれからも50年、60年分の重みを持った完璧なシングルです。

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11/7(月)
ラグタイム時間
cover
The Sting
Original Soundtrack
1974

シリーズ「Movies」

週末を中心に「完璧なシングルを讃える会」とゆうタイトルで名曲について書かせて貰ってます。「完璧な映画を讃える会」でするならば必ず入るのがこの「ザ・スティング」。ポリースの六さん歌っている人でなく、リングでほほーいって言ってる人でなく73年暮にアメリカで公開された映画です。監督はジョージ・ロイ・ヒル氏、主演はポール・ニューマン、ボブ・レッドフォード、そしてロバート・ショーさん。音楽はマーヴィン・ハムリッシュさんが担当、19世紀後半から20世紀始めに活躍した作曲家スコット・ジョプリンさんの曲を蘇らせました。完璧な映画にはもちろん完璧な音楽が不可欠で、完璧な映画音楽はもしサントラだけ聴いても独自の光放ってピカピカしているのだ。しかしまあスティング最高です。完全なストーリー映画ですから「結末は誰にも話さないで下さい」、1回見て仰天、大拍手!、2回、3回見て飽きるかと思わば、また仰天、大拍手!。これはもう俳優さん、裏方さん含め作ってる人のこの映画に関わって嬉しくてたまらないって空気ががんがんごんごんスクリーンを通じて伝わって来るからだな。七人の侍なんかもそうで、こうゆう映画見てるとこちらまで嬉しくてたまらなくなります。さあ音楽。メイン・テーマを始めほとんどを占めてますスコット・ジョプリンさんの曲。ジャニス・ジョプリンさんの父さんで無くレド・ゼッペリンの船長でなくラグタイムとゆう音楽の横綱音楽家さんです。ラグタイムとは19世紀後半にアメリカで生まれたブラック・ミュージックで、規則正しい左手2拍子リズムに対して好きに弾くもんねの右手が微妙にずれたシンコペーションでメロディを弾いて独特のグルーヴを生み出す音楽だい。俺にはこう聴こえるしこう弾きたい音楽では俺は自由だ音楽。1世紀以上前の音楽ですからノスタルジア強烈に感じるのは当たり前だけど決して古い未完成のものではありません。人はその時代時代、時代の音の中で常に最高の音楽を作り続けて来たのだ。その環境はその時間でしか生み出せないものですからこれはもう掛け替えのないもの、大切にそして真面目に感謝したいです。だってほんとに素敵だから。シングル・カットされて大ヒットしたジ・エンターテイナーをはじめ冒頭のソレイス、誰もが聞いたことがある胸キュン、メリー・ゴー・ラウンドの音楽、どれもこれもよー、やばいっす、聴くたびにどわっとこの時代の音楽にはまりたくなる。生まれ変わったらピアノ弾きになりたいといつも思ってまして、その時はガキの頃からニュー・オリンズに修行に行ってドクター・ジョン先生に師事してえ、もしくはジョプリン先生にエンターテイナー教わりてえ。好きで好きで練習したことあって今でも何とか弾けることは弾けるけどなんか違うんだよな。小学生のキャッチボールと野茂の155km速球くらいに。当たり前だけど。
 監督のジョージ・ロイ・ヒルさんによるライナーノーツが付いてます。それによりますとこのスコットさんの曲を使いたいと思ったのは、自分の子供が弾いてくれたことがきっかけだったそう。続けて親戚の子供がたまたま家族パーティで弾いてくれて、それでもうぞっこん。あまりに惚れ込んだので自分自身で猛練習、映画に付けようと思ったけどさすがにそれは諦めて、呼び寄せましたのが、ブロードウエイの劇監督時代に一緒に仕事をしたマーヴィン・ハムリッシュ氏。彼の演奏はそりゃもう素晴らしく、彼もまたラグタイムにぞっこんだったので話はとんとん拍子とゆう次第。
 ライ・クーダー氏の「ジャズ」アルバムはお好きですか?ランディ・ニューマンさんの音楽は?もし愛聴なさっておらば、なおさら無条件で没入必須。同じ光が見えます。映画を既に見て泣いた方も、サントラでさらに楽しめば最高。記憶の映像と共に楽しめ、さらに映像から離れて自分のスティングが過ごせちゃう。実際仕事しながら聴くと全てがうまく行くような気がします。で、ジャケットを壁に掛けたくなるのだ。飾りたくなるジャケット大賞。

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11/8(火)
結実
cover
Hi Infidelity
REO Speedwagon
1980/12

シリーズ「ヒット王」

まったく人生ってやつぁやった分しかいいことが無い。しかもそれでもいいことがあるって限らないを地で行くバンド、REOスピードワゴンです。71年デビューのちゃきちゃきの70’s組だ。徹底的なツアー又ツアーで力と人気を少しづつ少しづつ獲得してようやくブレークのきっかけを掴んだのが77年のライブ・アルバムで。ここでどかんと弾けたら同時期苦労が花開いたピーター・フランプトン氏みたいになれたんだけど、惜しむらくはシングル・ヒットがありませんでした。再びツアー。その勢いをもって翌年出したツナ・フィッシュ・アルバム。出来は最高。しかし自信を持ってさあどうだのシングル「ロール・ウイズ・ザ・チェンジス」は最高位58位。ガク。しかしクビの皮一枚つながったよ。さあ一挙にいったるでーとなるも世は何やら不穏な空気、ニュー・ウエイブなるもの、それを通じて音世界がどどっと変わるテクノロジーの波が来ちゃった。今までのアメリカン・ロックの人たちは押しなべて古臭く見えちゃうわ、さらにMTVだと。やばいですルックスは僕たち、なんでほんとにやばいです。やばいですを土俵際でうっちゃったのがこのアルバム「禁じられた夜」。あーだこーだと考えてもしゃあないし出来ないし、自分達でプロデュース、真正面からのREOで勝負しました。何よりも強い味方にはクローニン氏にはポップスの神様が降臨していた。演奏力は既に120%、残るはツボを付く曲を得ることだけでしたから、そうなったらもう無敵です。世間がどのような音楽状況でも関係無し。レベルを遥かに超えた曲を作らば自分達で風を起こして飛び上がれます。キラー曲テンコ盛り。まずは1.ドント・レット・ヒム・ゴー。ボ・ディドリー・ビート・ポップスの最高傑作。ポリスの手法を参考にしたのかな。まさかなー。前段はボで責めてサビで8ビート、甘美なメロで開放、お見事。音は究極REO。ハード・ギターにヒャーヒャー・オルガン、迷い無く澄み切ったケヴィン氏の歌。ポップ・シングル・チャート最高位20位。2.キーポン・ラビング・ユー。ほんとは待ってました。いつかいつかと。出たシングル買い捲って1位にさせてあげたかった。させておくれよ頼むから。させてくれました。完璧なシングル登場。迷い無く酔えるリフレイン。そこへ持っていく前段の素敵さ。えらい大切。見事なエンディング。最初聴いた時、終わったらみんな拍手したに違いありません。デビューから10年目、ついに獲得した全米第1位だ。REO最大の武器はチームワーク。いつだって共に辛苦を舐めて共に成長してきたを証明するのがギターのゲイリーさん作3.フォロウ・マイ・ハート。一直線に突破。そして同じくゲイリーさん作4.イン・ヨア・レター。躊躇したら出来ませんこんな曲は。オールディーズ完全踏襲のパワー・ポップだ。確かにどっかにあるに違いなし。こうゆう曲は。しかし歌詞の数だけメロディはある。やれそうでやれないみんなが求める曲をついに作りおった。最高位20位。続いてもゲイリーさん快進撃。5.テイク・イット・オン・ザ・ラン。あんたが作ってくれたかと泣いたよクローニンさんは。相棒だから出来る双子みたいな名バラードです。最高位5位。裏返してB面。6.タフ・ガイズ。ケヴィン節、炸裂。ちゃきちゃき江戸っ子メロ。へにゃじゃないよ貴方は。あなたこそタフ・ガイ。最高位25位。メイン・ストリーム・ロック・チャートで。で書いてるけどこの頃はもうチャート追っかけてませんでしたので、何だそれは(^0^)。とにかく成功。万歳。これまたサビ良し前良しのパワーポップが7.アウト・オブ・シーズン。メイン・ストリームで最高位59位。極意ってね。おお、パンクだの8.シェイキン・イット・ルース。ベースのブルース氏作、歌のサムワン・トゥナイト。おお、チープ・トリックだ。ラストはケヴィンさん作ワルツ・タイムの大バラード、そこにいたかった。これでい続けられます。今までのうっぷんをはらすかのように全10曲中、6曲がシングルだぞのこのアルバム。感嘆の一語です。私みたいにすっかりあっちの世界に行っちゃった薄情なヤツでもこれだけは嬉しくて、聞けと言われなくても力で聞いちゃったぞ。何よりもこんなにツアーして音楽して。正直もう嫌、音楽なんて聴くのもやるのも、飽きちゃったよーって思うこともあったと思う。迷ってあれやこれや足して足してしたくなったとも。それなのにこうして削ぎ落としてど真ん中の自分の音楽の最良の部分を。さすがプロだ。でっかい。

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11/9(水)
化け物
cover
El Rayo-X
David Lindley
1981

シリーズ「ギター屋」

化けもの」って呼ばれてこんなん嬉しそうにしてる人をほかに知りませんデビッド・リンドレイさんです。満を持して登場の1stソロ・アルバム「エル・ラーヨX」。プロデュースは盟友ジャクソン・ブラウン氏とお仲間エンジニアのグレッグ・ラダーニョさん。リンドレイさんって、リンドレイちゃんって呼びたくなる。笑顔が素敵なおいちゃんだ。各種弦楽器を操るテダレで特にお役所事務姿となっちゃいますラップ・スティール・ギターの名手として世界に轟いてます。ジャクソン氏のランニン・オン・エンプティのギュオーーンね。ライ・クーダーさんの一のお友達でもあるかと。ライさんがその世界では学者肌って感じなのに対してリンちゃんはより音楽屋さん肌って印象を持ってます。ライさんが見つけてきた音を、横で聴いて、ぎゃははぎゃははとオオウケ、それナイス、最高、俺もやっていい?いいよねえって言いながら即効もうやってるつう。ライさん、おいおいって思いながら嬉しそうって絵が思い浮かびます。その楽しげな感じがそのままこのアルバムでも。歌も凄いんだよ。何が凄いってその声。生まれた時ピンクの小象に踏まれちゃったかその異様に甲高い声。件のジャクソンさんのエンプティ・アルバムの「ステイ」での有り様、びっくりしたのなんのって。女の人かと思ったよ。シンディ・ローパーさんのマネしたら上手そう。そんなもんでさぞかし気色悪いかと思わばこれがまた聞いてるだけで嬉しくなる。その声とうんちゃうんちゃギター、1stですからそれこそとびっきり大好きな曲たちが次々と出て来るその様、この世の幸せとはこうゆうことだわ。1曲1曲忘れられません。ロミオの歌でしょ、エバリー兄弟のバイ・バイ・ラブ、FABな人たちで超有名なトゥイスト・アンド・シャウト。このベタな選曲。リンちゃんならでは。それをテキサス、琉球、ジャメイカ、LA横断の大世界楽園音楽にしちゃうのもリンちゃんならでは。お付き合いした人たちの恩も音も忘れない。ヒューイ・ピアノ・スミス氏のツバ黒粕と新茄子ブルース!。ブギウギ・スカ。そして何よりマーキュリー・ブルースだ。その昔何の因果かセッション・バンドでやることとなりまして、スライドをコピーしました。そりゃもう必死。この超絶プレイをやらなきゃならんとは。泣きながら何とか出来るようになったものの・・・ついて行くのがやっとだよ。このテンポでこの粘りのあるスライドは出来るもんじゃありません。とことん音楽と弦の楽器が好きで。やったんだろな練習。練習とは多分思って無いぞ。好きで好きでしょうがなくやる音楽はいつでも最高です。こんな化けものだったら夏と言わず冬と言わず出て来てくださいまし。

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11/10(木)
くんずほぐれつ
cover
Of Queues & Cures
National Health
1978

シリーズ「プログレ支部」

ああプログレが聞きたい。それもハードなやつ。ぐそぐそのビートと愛想も何も無いメロと果てしなく長い時間のもの。そんな気分になる時がうららかな秋の日差しの午後、ふとありませんか?。ありませんか。そんな貴方に私に英国国立健康療養所のプログレ整体科のこの先生達の音楽を。78年の2nd、その名も「待ち行列と療法について」。この病院は南のカンタベリー地区にあります。この地方には60’s末からどうゆう訳かプログレ整体師の方々が集結、日夜あっちの骨、こっちの骨をかくかく外す研究を続けておって病院も多数。しかも転勤が頻繁で、てめえあそこの俺のソロの時わざとテンポ外しただろうとか言って殴り合いのケンカをしてはよその病院に移って、たまに先生から患者になってたりして。しかもしばらく時間が経つとケンカのことなどすっかり忘れてまた一緒に働いてまたてめえ俺のソロの時に余計な音入れやがってと殴りあう大変な仲良しさんたち。まるでどこぞのプロレス界のようです。この英国国立健康療養所はハットフィールド&ザ・ノース医院の方たちがギルガメッシュ病院と経営合併して出来ました。最新の医療機器を完備・・・なんてぇことは無く相変わらず設備は全て人力。しかし長年のパンプアップでみんな筋肉はもりもり、一撃にして首の関節をばんらばんらに出来る。その技をしかも連続してご披露いたす所存。容赦ありゃしまそん。世にジャズロック療法とも呼ばれてるらしいのですが音のメスやら包帯は全てロック印が付いている。大概のジャズのようにテーマが有ってまず皆さん気を揃えてそれから一斉にどばばばばばってゆうのともちゃいま。どこからどこまで作曲して予定の行動かうっかり暴走やらかしてしまったインプロか判然とせず、いきなし人懐っこいメロが出て来たと思うと、「先生、どこへ行くんですかー」と監獄さん、いや看護婦さんも泣きわめく始末。まともに治療代もいただいてない様子で皆さん貧乏の極みらしいのに相当幸せそうです。患者さんも皆地獄固めかけられて幸せそう。あれだ学生時代、体育界系の部活やってた方は思い出されると思いますが、サーキット・トレーニングつう地獄の練習がありました。校庭一周走ったあとうさぎ跳び、そしてダッシュそして両手をぱんぱんしながら阿波踊りそしてチャック・ベリーになってトイレの覗き、じゃ無かったアヒル歩きで3周ってやつ。死ぬほど辛いのに何故やるのか。誰もわからない。しかしやる。ですからこの分野で有名なロバート・フリップ博士つうきちがい博士が申してますようにこれはディシプリン・ロックと呼ばせてもらおうぞ。修行ロックです。ところがぎっちょんぎょちょん。LP日本盤ライナーに書かれてあるのを読ませていただくと、この先生達、普段はギャグばかりかましてほとんど狂騒状態ってんだから、この音楽もぎゃははぎゃははと笑いながらやってたらしく、それで死ぬほど練習して殴り合って、やばいです。下手すりゃ健康保険も効かない治療代も今なら日本盤CDが出てまして人の常識範囲内の値段で診察可能。受診しに行きますか?頼んでもいないのに値段の10倍は筋肉揉みしてくれますことは保障いたします。

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11/11(金)
ハブ・ファン?
cover
Struttin' My Stuff
Elvin Bishop
1975/12

シリーズ「ギター屋」

一昨日感謝させて貰ったデビッド・リンドレイさんに対してどーもまるで人気が無さそうですのがこのエルヴィン・ビショップ氏。何となくアンドレ・ザ・ジャイアントに似てるのがいかんのか。それに伴って下半身でぶなイメージがあるのか。本人も気にしてたかジャケで全身ご披露。実際はナイススタイルだよ。中央でガニのイメージが付いちゃった。とほ。ポーズ付けてるんだけどどっか決まってないとこ。これが魅力なんだからこりゃもう仕方が無いか。諦めて下さい。この75年のアルバムその名も「ええところをお見せしまっせ」。最大ヒット盤です。最高位18位。2曲の完璧なシングル入り。一つは5.の「愛に狂って」。最高位3位だ。ヴォーカルは後にスターシップでお目目ばっちり化粧してカメラ目線に邁進しましたミッキー・トーマスちゃん。ギデオン・ダニエルとゆうゴスペル歌手さんの弟子でお師匠さんの紹介でビショップ氏の元で歌うこととなりました。師の期待を裏切ること無い、目の澄んだ快唱です。で、ギタリストのシングルですから花はギター・ソロ。出だしのメロディがキングトーンズのグッナイ・ベイベにそっくりで「きいっといー、つかはトンテカラリン♪」。この歌にはこのソロしかありえませんの完全無比のフレーズ。これを聞けば彼の音楽人生がわかっちゃうてな点でも何とまあ深いことよ。さらにすげえのはシングルでは思い切ったなハサミでちょっきん、その自分のソロを編集してざっくり短くしちゃった。これがまた上手い!。これをしたからシングルとして完璧になったその慧眼に感服です。バックでたゆたうピアノにも注目をば。これこそがカントリー・ピアノ。演るはフィリップ・アーバーグ氏。そしてもう1曲の「完璧なシングル」は1.のタイトル・チューン「しとらんよ、まあ、したか」。実はこれシングル・カットしてません。しかしラジオではかかった。あまりにかっこよくて。今でもたまにFENでかかります。突然これがかかって聞いちゃうと燃える燃える。「愛に狂って」からは想像できません、どファンクで、御大自らのラップとコーラスで織り成すグルーヴ天国。ホワイト・ファンク半インスト&インスト名曲4選には同率首位で入賞です。他の曲はAWBの「ピーセズ」と「ケイク」、そしてエドガーのウインターさんの「フランケン」。それくらい問答無用にかっこいい。これを浴びるためだけにアルバム買っても損はしませんぜ兄貴。
 エルヴィンさん、42年生まれ、生国はカリフォルニアのグランデール。10歳の時にオクラホマにお引越し、周りは完全な白人コミュニティで音楽に夢中になった彼はメキシコからLAから聞こえてくるラジオで黒い音楽への憧れつのらせていたといいます。59年に奨学金を貰ってシカゴの大学に入学、念願かなってのブルース本場、すぐに黒いお友達作ってクラブに入り浸り。ハウリン・ウルフ・バンドのギタリスト、スモーキイ・スマザースさんにブルース・ギターを教えて貰いました。60’sの初めにハープ奏者のポール・バターフィールド氏と知り合ってバンド結成。それがあのバターフィールド・ブルース・バンド。もう一人そりゃもう凄いギタリストおりました。68年に独立してソロアルバムを発表。自らのバンドでサン・フランシスコ拠点にライブまたライブと。シスコですからそこはベイ・エリア・ファンクの拠点です。74年にキャプリコーン・レーベルと契約してこのアルバムで大成功だ。とキャリアを覗かせて貰うとこの盤の音楽に大納得。ファンクにカントリー、ブルースに、なーんの無理もありゃしない。そしてこの愉快な愉快な愉快なキャラ、決まるときには決まるけど油断しまくりで。それは名曲「マイ・ガール」のカバーに出てるぞ。これはもうズッコケます。誰か止めなかったのか。反して件の「愛に狂って」では陶酔、「スタッフ」始めファンク曲では切れまくり。プロデュースはジョー・ウォルシュさん、イーグルスでの仕事で名を成すビル・シムジク氏。アシスタント・エンジニアとマスタリングで80’sアイランドの主役アレックス・サドキン氏の名前も。そうです。ばっちり楽しめること請け合いなのだ。人間一人一人に音楽は一ジャンル、集って合わせて出て来る唯一のもの、感謝します。

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11/12(土)
リキの電話番号
cover
Rikki Don't Lose That Number
Steely Dan

1974/6

シリーズ「完璧なシングル」

*今回の「完璧なシングル」は
「リキの電話番号」、スティーリー・ダンです。74年6月8日にTOP40エントリー、最高位4位の大ヒット・ナンバーです。3rdアルバム「さわやか革命」の冒頭を飾るこの力強くしかも不可思議な曲、何たってダンちゃんですから当方リキ不足承知でくらいついて挑戦いたす所存。出て来いショゾーン。まずはイントロ。噂ですと、噂も何も聴けば一発でわかりますが、これはファンキー・ソウル・ジャズの名ピアニスト、ホレス・シルバー氏の「ソング・フォー・マイ・ファーザー」のリフです。さすがジャズ狂のお二人の所産、東海岸の顔ロックの所以なしごなであります。しかしまたチャレンジでもあり。まんまなんで。原曲ですとこのリフにバッパバッパなラッパ隊が一発で覚えられるナイスなテーマを乗っける。さー、ダンさんはどう出るか。あ、その前にそのイントロ前の謎の打楽器連打。カリンバにも木琴にも聴こえるそれ。これでハナから魔界ムード満点になってしまう訳で。何故入れたのか考えると三日は眠れなくなりなおかつまだわかりませんのでそのわかりませんを楽しむ。イントロのベースのリフは2音。コードは何かと調べるとこれがEとゆう説出て来た。うーむ、確かに、そこにある生ギターでロー・コード押さえてみて下さい。6弦のルートと5弦部分でやると・・・おおおリキだ。しかしただのEなのか。これだけではメジャーかマイナーかわからぬ。そこがミソかも。そして歌に突入。コードは下がってDに。いきなし転調か。店長、転調です。えー、当方ジュリアード音楽院どころか練馬歌謡学院にも入学してないしがない文系男子目指したミュージシャンですので理論的にはいささか妖しいですのでそのつもりでフェルプス君。で、Dと来てAと来て、Eと来る。で唖然とする。何の変哲も無い3コード。ほんとかよ。そこにある生でやってごらんな。ほんとです。キメでF#m7で渡し、Aでキメ。そしてサビはEに。ここが絶妙。イントロのシルバーさんの曲の空気を残しつつ、リキのメロディに転じてるとゆう荒業を。EからGに、「Send it off in a letter to your self」のとこはA,G,D。2回目の「♪Rikki don't lose〜」はC、そしてEm。てことは店長、また転調ですか。C,D,Aでキメて、Eのイントロに再び戻ると。コードはなーんも謎が無い、しかし組み合わせが・・まるで理解できん。少なくともこんなんでわたしゃ曲作る発想無し。どうゆう育ち方したんだかこの二人は。してイントロで空気だけはのぞかし、サビになって全開になるリズム 。8ビートは確かだけど元が元だけに、ジャズつうたら4ビートだげんに、しかし元曲もラテンにシフトしてる。そのリズムは・・・・ずーっと悩みに悩んでました。デビュー・ヒットの「ドゥ・イット・アゲイン」にも共通するこのリズム。どうもチャ・チャ・チャかと想像。あの「おもちゃのチャチャチャ」のやつ。キューバ発生とゆうギロでギー・ギロ、ギー・ギロがキモだっつうそれで、現在に至るまで常にダンさんの8ビートにこびりついてる感覚だと思います。なんでかつうてもそれは郊外のニュー・ヨーカー。身近なところでNYの印象はラテン移民のリズム・シティ、ジャズと込みで体に染み付いたのでしょうか。ラテンに行って8ビートに近づいたジャズとそもそも8ビートのロック、そしてどこか都会のカウボーイのカントリー、こんなん混ぜた音楽はもちろん初出だ。で、コードは明快、ピアノはメロディとユニゾン部分多し。力強く。終盤寸前の展開ではAmaj7、G#m7、Amaj7、C#7、F#m7、Aと一挙にシティ突入、イントロの謎のカリンバ絡まり、「♪Rikki don't lose that number, Rikki don't lose that number ...」と嘆息して終了。こちらも嘆息。あまりに見事で。歌詞は・・・何を歌っているのか。
「♪君は去っていくと聞いた。それもいいだろう。私はこれからワイルドになれるかとほんのちょっと思っていたんだが。君は恐れていたのか。振り返って走った。でも、もし心変わりをしたなら・・・
”リキはその電話番号をなくさなかった。君はもう誰にもかけたくないんだ。自分自身で念を押すほど
リキはその電話番号をなくさなかった。その事実だけ君のもの。家に帰った時には多分それで良かったと思ってるだろうけど”
私には街に友人がいる。彼は君の名前を聞いた。私達は何とかスロウハンド通りをドライブすることが出来る。
このままゲームを続けていられるかはわからない。でも、もし、君が心変わりをしたなら・・・
”リキはその電話番号をなくさなかった。君はもう誰にもかけたくないんだ。自分自身で念を押すほど
リキはその電話番号をなくさなかった。その事実だけ君のもの。家に帰った時には多分それで良かったと思ってるだろうけど”
君は私には合ってないと言うが、それはまるで自分の気持ちをわかっちゃいない。君はきっと心変わりするさ。
”リキはその電話番号をなくさなかった。君はもう誰にもかけたくないんだ。自分自身で念を押すほど
リキはその電話番号をなくさなかった。その事実だけ君のもの。家に帰った時には多分それで良かったと思ってるだろうけど”
リキはその電話番号をなくさなかった。リキはその電話番号をなくさなかった。リキはその電話番号をなくさなかった・・・
力強くも女々しい、これぞ男の中の男の曲です(泣き笑い)。リキは街の友人、長州小力か。その友人が二人をつなぎとめる最後の綱か。もしくは、・・・もしくは、「Rikki Don't Lose That Number」。リキが三人称であれば「Don't」じゃなくて「Doesn't」になる。とゆうことはリキは「君」のことか・・・・。直接話しかけてる。では何故「you」じゃないのか。愛称で呼ぶことでつながりの深さを・・・。んーーーー。

皆さんはどう思われますか?

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11/13(日)
紫の炎
cover
Burn
Deep Purple

1974/1

シリーズ「完璧なシングル」

本日は「完璧なシングル」入りディープ・パープル9枚目のアルバムに大感謝。ディープインパクト3冠達成記念!。菊花賞での道中引っ掛かりながらラスト150mでの鬼神の如きスパートを見てこれに音を付けるとすらばそりゃもう「紫の炎」だ違いないと思う。「完璧なシングル」はもちろんそのアルバムの冒頭を飾る「バーーーン」だ。第2期パープルのぶっとい鉄骨だったギラン氏、グローバー氏が脱退してピーンチ、しかし音神さまはあんたらにはまだやることがあんべとつかわしあそばしたのが歌うブティック、イケメン店員、デビッド・カバさまと歌うベーシスト愚連隊員、グレン・ヒューズさん。これ以上の人材はあろうかってんだ。後はリッチーさんナイスな曲とリフ、一発お願いします。ばああん。ぎゃあと世界中のハードロック好きがあまりの喜びに地上3002mは飛び上がった。当時のロック・ラジオの花となり、みんな持ってるのにリクエスト、かかると大騒ぎ。ロックといやーパープルでございます。あまりにもかけたんで横浜のNHK−FMなんぞは「嵐の女」と無理やり合体させて「紫の女」などつうものまでやりまして、それもみんな大喜び。普通じゃありません。ロックで我を忘れられた時代、何とまあ幸せなことよ。およそロックで楽器を志すもの、特にギター野郎にとってリッチーさまは神様です。初めてエレキを買ったその時はたとえアメリカンロックが好きであろうとまずスモーク・オン・ザ・ウォーターを弾いたもんじゃ(しかし単音)。弾けた弾けたと喜んでその気にさせてくれるありがたーい存在。その気になって練習練習そして第2の関門がこの「バーン」。このイントロに挑戦、クリア出来たものは第2ステージ賞金50万円に進める。今聴くとそないに速いとは思えませんが、速く感じたのよこれが。実際エフェクターに頼らずきちんとピッキングすると大変です。軽々はリッチーさん。で、まあ、ギタリストが出来ましたコピーしましたと同級生で組んだバンド練習に馳せ参しますと、そこで途方に暮れてるのがメンバーの連中。考えてもしょうが無いぞやってみよう。イントロまではバッチリOK。ところが歌に入るとドラムが撃沈です。なんてーフレーズ叩きやがるんだペイスさん。一発は軽いがその軽さを蝶のように舞い蜂の様に刺すうんたらたっこぽこんぺぷーの壮絶。歌も撃沈。それにあわせてどうやって歌やーいいの。ドラマーは諦めてはしょりんで叩くことに決定。歌はもう細かいことも大きいとこも気にしないことにする。でさあ、キメまで行きますが、そこでふと見ると死んでるのがベーシスト君。パープルやってる以上やらなくていいと思ってた歌やれってか。しかも”あ”−ーーー”ってギランさん並怪鳥裏声。無理です。コーラスじゃありません。ダブル・リード・ボーカル。聴く分にはこんなまー贅沢な天国ありゃしない。文句などあろうものかい。あ、いた。文句出始めた人が。俺が目立たんって(^0^)。えー、同級生バンドの方はここでも何とか進めりゃいいよって大きなとこも目をつぶり、キーボード・ソロへ。バンド内で一番お金持ちの子、幼少時からバイエルンなど習ってました鍵盤担当のヒロ君は嬉しそうにバッハしてます。わははやっとうまく出来てる。あ、その前にギターソロ。まあ好きにやってくれ。結局この曲は文化祭では無理だと結論が出てさよならー。聴くだけにしよ。でもやりてーなー。「♪空は赤いよわかんねえけど、深夜に大地を眺めておりました。人はいいます女はこんちくしょう。あんたを燃えさすゆれゆれお手手でー。街はめらめら、通りは火まみれ、女の火柱空高く、わしらはアホや、女は嘘つき、ただただ言いたいのは「燃えろ〜〜〜」←無理やり歌わば歌える。ところがこの曲ほんとにシングルなのかとふと考える。いやもちろん日本では無敵なシングルだけんど、英米ではいったいカットしたんだろうか。チャートではかすってもいなかった様子。イギリスはグラムで見えなかったのかもしれんが。むー。アルバムは英最高位3位、米最高位9位。何だ見えてるじゃん。じゃ何故だ。あちらではハードなロックはヒットしません。日本が正常です。
えー、アルバム。こんなすげーもの冒頭にかましちゃったら後の曲は総B面状態になってしまうじゃないか。B面はB面でも天下無敵なのはミストリーテッド。ロックはB面であろうが最高は最高だっってのは皆さんご存知の通り。没入さばそこにはその喜びあり。

曲目等詳細

試聴はここで

11/14(月)
歌う335
cover
Playing/Singing
Larry Carlton
1973

シリーズ「ギター屋」

デイビー・ジョーンズちゃんじゃありません。ミスター335、野口五郎氏の真似をする男(あ、逆だ)、ラリー・カールトン氏の2ndアルバム「歌う/弾く」です。ラリーさんと申さば70’sの売れっ子セッション・ミュージシャン。私にとってはスティーリー・ダンのキッド・シャルメインのもうこの世とは思えないソロの人、そして同じくダンのAJAでの音楽監督の人。そしてフュージョンの人。フュージョン・ブームの時はすっかりパンカーだったもので、テク好き本邦で全盛だったそれはもうやでやでしょうが無かったです。当面の敵だなと若気の至り。正に愛憎半ばしてるぞ。な訳で斜めにしか聞いておらず先日入手しましたこのアルバムも初めて聞きました。清水舞台で買った引きは「73年」ってとこ。はるかフュージョン前。クロスオーバーよりも前だな。ドナルド・バード氏の「ブラック・バード」が出た年でもあるファンク要の時だったもので一体どんな音なんだろうと。聴いたらまーびっくり。歌ってるよ。歌ってるし音楽がまた。申し訳ありませんでした。大名盤です。今年の自分ベスト10入り決定。どう書かせてもらったら良いか。うーむ。ギターが上手いのはもう当然でして、おう歌ってる歌ってるギターがとほれぼれしてしまう。そんな人はそうおりません。大好きなオーリアンズのジョン・ホール氏のギターに惚れ惚れと同じ感触で感嘆。音楽は・・・まずシンガー・ソングライターだ。って言っても曲は書いてない(^0^)。この当時既に売れっ子で週15本のセッションこなしてたとゆうラリーさん。まるでギター自営業者、人事とは思えませんがそんな中の自らアルバムでは、お仕事では出来ないこと、歌ってみたかったそうです。当然歌には自信が無かったと思われますがこれが素敵。自分の力を熟知したそっとした無理しない歌唱で。そしてそれに合わせた音楽って言ったらSSWしか無い。協力者は売れっ子セッション仲間のマイケル・オマーティアン氏と推理。後に「反逆のテーマ」のリズム・ヘリテッジでブレーク、全米第1位を取った男。そしてその音楽のための曲を書いてくれたのがマイケルさんのお友達、アラン・オデイさん。1曲目、5曲目とキモのところで曲を提供してます。まさかここでこの方の名前を見るとは。ヘレン・レディ嬢の「アンジー・ベイビ」、自分でも「アンダーカバー・エンジェル」で大ヒット持ってる、アメリカン・ポップスのど真ん中な方。何とも場違いな(^0^)、そんなこたあないか、素敵な曲を。場違いなって書いたのは、まずこれ聴いてラリカルだってわかる人はおんめえって点で。オデイさんに限らず全部曲がそりゃもう素晴らしく、けっして片手間の息抜きで作ったアルバムではありません。まるでジェイムス・テイラー氏のアルバム聴いてる時みたいに泣いちゃう。歌で泣いてそこにあのギターが泣くんだからもう。もっと嬉しいことにLAニュー・オリンズ・ファンクも登場します。3.ワン・モア・チャンスなんか同年のリトル・フィート「ディキシー・チキン」の音の味と同質で、もう大好きなあたしゃ随喜の涙を。しかし何で。この年のLAにはこの空気が流れていたのか。この時既にクルーセーダーズには準メンバーとして(71年から)加入済み。そこでの音楽ともまた違う、バーバンクの臭いが。A、B面最後のインストにはそのクルーセーダーズの面々が完全バックアップしてます。それだけはSSWでは無く、辛口ジャズ・ファンク。ジェフ・ベック!MXRのディストーション使用だとゆうハードなギターがぐおーんぎゅーんどぱぱぱ。これはもう問答無用のかっこよさで、はい。参りました。アダコン原型みたいな6.ウエイビン&スマイリンも。これはホール&オーツのアバンダンド・ランチョネットと同じ空気。同時期だもんな。伊達にセッションの数こなしてません。お仕事で無味乾燥でやってたのでは無くそのたんびに精一杯、音楽愛情で臨んでいたと。結果沢山吸収してなおかつ意欲衰えることなく。あれだけギターを歌わせる人だもんな。音楽もそりゃ歌わせること出来るわ。重ね重ね申し訳無し。「当面の敵」だなんて1億年早かったです。はい。

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11/15(火)
雷親父
cover
Lightnin' Strikes
Lightnin' Hopkins
1962

シリーズ「ブラック道」

テキサス・ブルースマン、雷ホプキンス、62年の「雷直撃」アルバム。いえー、でもよー47年頃の録音かも
しれないとよう。既に15年丼勘定。40年ぐらいどおってことないよー。弾き語るよ、バンドで演るいよー。声は真っ黒だよ。黒くて見えねえんだけどよ。雷直撃して黒の周りがぎろぎろに光って眩しいくらいだよ。生まれた時の赤子からこんな声で泣いてたのかよ。ぎゅえぎゅえぎゅえって。こいつはとんだガキだってんでよってたかって周りがそう育てたのかよ。そしたらこんなになっちまった。歌うしかねえよそら。ルイジアナ・ウーマンだ。聴いてくんろ。あ、まずはそのトリス一杯やってくんな。行くよ。「♪ルイジアナに行ったよ。おさんどんを作ってくれる娘を貰いに。ルイジアナに行ったよ。おさんどんを作ってくれる娘を貰いに。娘は朝早くやってきたよ。どんなに楽しみにしてるか知らなかったよ。朝飯を作ってくれたよ。俺のこと「かわゆいブラウンちゃん」って呼んでくれたよ。出来た朝飯を前にして俺を見たよ。一口喰って俺はひっくり返ったよ。」おおっとここまで。どうひっくり返ったはレコード買ってくんろ。ロハならここまでだ。こんなのもやってるよ。「悪魔はお前を見ている」。こんなんだ。「♪気をつけな。万事が万事。俺は気にしないけどな。悪魔がお前を見ている。気を付けたほうがいい、ねえちゃん。ちょいとしたことをする時にも。」。気を付けた方がいいぜ。魂を持ってこうとした悪魔から。声を奪っちゃった俺の言うことだからよ。歌うは。聴いてくんろ。ローリング&ローリング。「♪ぐるぐる。ぐるぐる。夜通しぐるぐるしちまったい。ぐるぐる。ぐるぐる。夜通しぐるぐるしちまったい。金ならねえよ。でも遠くに行っちまった。遠くに。遠くに。遠くに。行っちまったい。もう多分戻ってこれねえよ。遠くに行っちまったから。ご存知?金なら無いよ。でも遠くに行っちまったから。いいや。」。そんなもんだ。毎日は。歌うしかねえな。聴いてくんろ。メリー・ルーだ。「♪メリー・ルー。メリー・ルー。メリー・ルー、聞いてるかい。お前を呼んでるんだ。お前が誰かのものだとしても。俺のためにちょっとおっちんでくれねえか。お前に知らせがあるんだメリルー。お前に知らせがあるんだメリルー。何かしてくれよ。してくれねえのか。」。いっちまったよメリルー。仕方が無えな。歌うしか。聴いてくれるんなら。聴いてくれ。そこに座って。聴いてくれないなら。俺はあっちで歌うわ。

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