今日の感謝盤一覧2005.11上 |
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11/1(火) 70年代に突入。世界は黒いマグマが沸々と煮えたぎっておりました。そのマグマの正体はファンク・ミュージック。やけに腰がむずむずして踊りたくなる叫びたくなるそして吹きたくなったのが、このベテラン・ジャズ・トランペッター、ドナルド・バード氏です。ジャズのトランペッターと申さばマイルス・デイビス氏。その10歳ほど年下。一世代ほどお若くデビューは1955年です。溢れる意欲は音楽意欲、当然見つめるはその時一番ビビッドなサウンドだ。70年JB親分のセックス・マシーン、同年カーティス・メイフィールドおじさんの「カーティス」、スライ・ストーンの「暴動」は71年、マービン・ゲイ氏「ワッツ・ゴーイン・ノン」も71年、ダニー・ハサウエイ氏デビュー70年、これらキラーの裏には山のようなファンキー有り。ロックンロールに次ぐ新しいビートが生まれようとしてました。バード氏も前作前年「エチオピアの夜」でファンク入道、さらなる無限の可能性を求めてミュージシャンを探しに探してこれだっつうメンツ集合のその時、この「ブラック・バード」が生まれました。時は72年4月。その数ヵ月後には先輩マイルス氏の必殺「オン・ザ・コーナー」。片腕に選んだのがラリー・ミゼルとゆう男。みぜるきかぜるいわぜる。作曲、アレンジと大活躍。ドラムスには翌年、ハービー・ハンコックス氏のこれまたキラー「ヘッド・ハンターズ」でさらなるぶっ飛びしたハービイ・メイソン氏。あまりにファンキイ、切れ過ぎて歌物のバックでは叩かせて貰えなかった男。ベースにはテキサス・ファンクの雄、クルーセーダーズからウイルトン・フェルダー氏が。本業はサックスでござるが、ベースを弾かせるとこれが天下一品。あまりに上手いんでバンドにベーシストが寄り付かなかった。そして同じくベースにチャック・レイニー氏。中指一本上下のみで超絶グルーヴを発進する男。ポンピン&ぐいのり求めるならチャックさん。さー、このご両人の名を聞いてピンと来た方は110番、そうです、エイジャに至るスティーリー・ダン・サウンドのボトムを支えた二人だ。ギターはディーン・パークス氏、デヴィッド・T・ウォーカー氏。気がつけばこれ以降様々なアルバムでお姿発見。鍵盤はジョー・サンプル氏。これら百戦の勇士達が集い、何かものしようとチャンレンジしたアルバムがこれ。もちろん後のクロスオーバー、フュージョンの姿有り。しかし何よりも魅力的なのは、一体全体何が生まれるのか本人達にもわからなかった雰囲気。やってる内にこれかこれかって発見を演奏側も次々と掴んでいく喜びが。アルバムの隅々まで光が充満してきらめいてます。この喜びの音楽を街が放って置く訳も無く、ジャズ・アルバムではもち最高位1位、ブラック・チャートでも最高位2位、ポップでも最高位36位とブルー・ノート史上最大の売上げとなったとゆう。数多のミュージシャンも夢中で聴いたはず。そして参加したミュージシャン達は・・・ここで得たものを音楽の伝書鳩となって実際に各地で展開、新たな個性と出会ってさらに花開くファンク。音楽ですから気に入る気に入らないは貴方次第。ただ、この分野で黎明期キー・アルバムの一つであることは間違いないかと思います。後は前述盤の他、クインシー・ジョーンズ氏の「ボディ・ヒート」、グロ−バー・ワシントンJR氏の「ミスター・マジック」。生きがいいのは目でわかる。取れたてだよ。 |
11/2(水) バッドフィンガー74年のアイビーズ時代を含めて6枚目のアルバムです。ワーナー移籍後初LP、アップルの残り香盤「アス」のリリース数週間後にリリースとゆうことで無残なまでの売上げだったとゆう。おまけにそのアスではジャケでニンジンに釣られて彷徨うロバさんにされて。まったくもう止めなさいそうゆうことは。当時そんなに不遇なら今こそ大切にみんなで聴く時だ。さあ、心機一転です。タイトルも満を持してのバンド名冠。とにかくほんとに愛しくて愛しくてたまりません。出来うんぬんは考えることなく何回も何回も聴いてしまう。それはもう1曲目のアイ・ミス・ユーがまずあるからだ。針を落とすといきなり出て来ますハムさん作。うううわーと感情こみ上げてもういいですこの1曲がまずあってくれれば・・・全てのこのアルバムの曲を受け止めますって気持ちになる。そして2曲目の「シャイン・オン」。日が照って欲しいよな。ぽっかぽかに。74年になっても全く変わらぬバッドフィンガー。周りが勝手に時代遅れにしてしまったのかよ終始周りが勝手に。モランドさんのラブ・イズ・イージーを無事通過して、ピート氏の「失われた友の歌」。このフック、このフレーズ、そこここで泣く泣きます。5.はエヴァンス氏の「何でしゃべっちゃいかんの?」。禁句かビートルズ。どの曲か思い出しそうになる寸前で止める。止めとこう。ジョンちゃんだ。孤高で頑張る弟子。真っ当に受け継ぐ蛮勇ここにあり。A面はモランドさんおヘヴィ・マイナーな「アイランド」で終曲。ロックのキャッチーがこれだと思う。B面最初、7曲目は雰囲気一点、めちゃめちゃファンキー、スタックス・ソウルな「艶消しスパム」から。ハムさん作。ここでも掴みのメロは当然。ブルース・ブラザースにやって貰えば最高。だった。8.はエレピの響きが何とも魅惑、「ここからどこにいくのだろう?」。タイトルがー。エヴァンスさん作。胸に染み入る愛し曲です。途中のスティール・ドラムの音までむせび泣いてるじゃないか。負け犬じゃないってば。9.は唯一のドラムス、ギボンズ氏作。「私の心は飛び去って」。触ればばらばらになりそうな。ガラス細工みたいだ。苦境のバンド状況、内情もそりゃ色々あったと聞きます。それを考えると辛いけど。音楽で気持ちはしっかりと・・届けば・・ミュージシャンとして・・なんて言えないな。いくら思ってもわかるはずは無いし。ただただ聴かせてもらいます本気で。ぐっと来てるところに10.のハムさん作「ロンリー・ユー」でさらに追い打ち。やばいです。やばいほど美しいバラード。何も書けないよ。世界に響け。11.ジョーイ氏作「あきらめなさい」。あきらめたくないです。どうかお願いします。ラストは同じくモランドさんの暴走かっとばしチューンで。ぶっ飛ばしOK。たまには何もかも忘れて。製作はクリス・トーマス氏。70’S中盤でがっちり聴けます彼の音でしっかりバンドを受け止めてます。このステレオぽく無いきゅっとキュートな音がまた・・・最高。ロクシー・ミュージックのあの「サイレン」の音。とことん英国。なんもかも愛しくてまた聴いちゃうよ最初から。 |
11/3(木) 文化の日だ。今朝になって気付く。それならばマイアミ文化振興の為これだ。KC’s76年の大傑作アルバム「パート3」。ライノからのボートラ付CDも廃盤、原則入手可のものを感謝させて貰う原則の為臍を噛んでおったがふと見ると日本盤有り。アマゾーンさんを見るとおお手に入るとこでは手に入るではないですか。やったるで。マイアミ文化振興とは言っても深夜どこにも行くところが無くなりケーキ・セット一つで寝てしまうと店員さんに叩き起こされてしまう若者の簡易宿泊喫茶店のことではなくKCちゃんとお日様バンドのことだ。ザッツ・ザ・ウエイをはじめ誰でも知ってるシングル群。でもさオリジナル・アルバムつうとはてはてはーてとなってしまうはレコード会社も悪いよベストばっか出すんだもん。76年のこのアルバム聴いてつかんしゃい。5曲の完璧なシングル入り。そして残りの3曲も実際カットしてないだけで完璧なシングルなのだ。これほど聴いて短いアルバムは無し。30分実際短いか(^0^)。楽しくて短いんだ。誇りを持って我らディスコ・バンド、それがKC’sです。ファンキー大好きな白人レコード店員ハリー・ウエイン・ケイシーちゃん、鼻歌歌って盤整理してたら何だその鼻歌はと店長に訊かれて、はいこれは自分で作ったファンキーなやつですと。そこで怒らず才能を認め自らのレコード会社でデビューさせてしまったこの店長偉い偉すぎ。相棒のリチャード・フィンチと出会い、現地の歴戦の猛者ミュージシャンとバンド結成。もう真っ黒な人たち。何だこのぼんぼんの白人野郎って思ったぞきっと。そんな中、音楽の素敵さで邂逅、ケンカ、和解、結束、そして成功、これは映画にしたっておかしく無い物語だと思う。誰か作れ。最初こそ手探りでもわもわっとしておったが、才能と吸収力溢るる男KC、あっとゆうまに己音楽掴んで、ものしたシングル2曲「ゲットダウン今夜」「ザッツ・ザ・ウエイ」、等身大のダンス音楽でシングルチャート首位獲得の大成功。それを受けての3枚目アルバムがその名も「パート3」。やることはもう一つだけ。ファンキー・リズム・ギター+マイアミ・ラテン・リズム+いかした言葉の連呼連呼連呼。1曲目はベイビー・アイ・ラブ・ユー。言いたい事も一つだけ。「好きさ好きさ好きさ」。変拍子でちょっと気を持たせた後はもう踊れ踊れ。2.はシングル「ラップ・ア・アームズ・アラウンド・ミー」。この年一緒にツアーしたのがこれまた旬の超絶ファンク・バンド、オハイ・プレーヤーズ。憧れてます。真っ黒で。やりたいからやったモロへにゃな掛け声「へい〜」。決まった。この時の二つまとめて聴けるライブ音源は残ってないのか。ないのかー。ちょっとけだるさが目玉の君の腕に包まれて。体力付いていけない爺さん婆さんも心で踊ればOK。3.の「ファンキーでいこう」もシングル。原題は「わたしゃそれ好き」。ははは。「あー、僕はー君とそれするのが好きー、好きー。」それっつうのは釣りとかたんぽぽ採りとかまあ色々あるわな。ほぼ歌詞はそれだけだ。悪いか。うん全然。4.えー本日の完璧なシングルは「シェイク・ヨア・ブーティ」、KC&ザ・サンシャイン・バンドです。ミドルアップのリズムに乗って「♪振り振り振り、貴方と振り振り〜」。臭ぇ臭ぇ臭ぇ、臭ぇよぶって♪って聞えますか。それでもいいです。多分あってる。最初から最後までぶっといシェイク・ヨア・ブーティの塊。最早とりつかれてえらい迫力。鬼神のグルーヴを堪能するのみ。気が付けばA面は4曲中3曲がシングル。あは。B面は5.「レッツ・ゴー・パーティ」で始まり。「レッツ・ゴー・ユー・ノウ、レッツ・パーティ・レツ・ゴー・ゲットダウン」って最高の連呼シラブル。読むだけで腰が動くよ。これ以外一体何が必要だというのか。6.は「カモンカモンカモンカモン、イントゥ・マイ・ハート」。これ以外一体何が必要だというのか。これ以外一体何が必要だというのか。7.は、えー本日の完璧なシングルは「アイム・ユア・ブーギ・マン」、KC&ザ・サンシャイン・バンドです。待ちきれません始めちゃいますで始まったギターのカッティング、そのまま大サビに突入1,2,3「♪アイムヨアブーギまん、笑いあむ」、これがサビかと思ったらその後にさらに巨大サビが「アイムユアブーギマン、ブーギマン、ターン・ミーオン、アイムユアブーギマン、ブーギマン、ドゥ・ワッチュ・ウォント」ってこのシラブル。読んでるだけで腰が動きます。ラップってあるんですね。この快感を得る為にやたら色々くっちゃべっている訳で一発で決まればこれ以外一体何が必要だというのか。でラスト、えー本日の完璧なシングルは「愛はノン・ストップ」、KC&ザ・サンシャイン・バンドです。前曲と続く最強のノンストップ・メドレー。ギターのリズムが要となってユニゾンで「キピット・カミン・ラーブ、カーミンラブ、ドンストッピットなうドンストップのードンストップ〜〜」。お経のようだ。こんなお経読んだらくたばった人も生き返って踊り始めてしまいます。生きとし生けるもの天国でも地獄でもこうなったら全部踊れ。クソ単純な音楽だって?。そんじゃ訊くが、これ以外一体何が必要だというのか。 |
11/4(金) LPオビのコピー文が強烈です。「大都会に生きる男の哀愁を心暖まるヴォーカルで聴かせてくれるシティ・ミュージックの実力派、ルパート・ホルムズ」。おおお物凄く合ってると思う一方、高倉健氏の顔をした渥美清さんが歌ってる姿を思い浮かべます。思い浮かべるかー。70’sを主に裏方さんで頑張って来たルパートさんの5枚目にしてブレーク・アルバムがこの「共犯者」。2曲のヒットも出ました。素直にオビのコピー文の通りイメージすりゃいいものを何でややこしい姿が出てしまうのかとゆうと、お名前を見るところ、お姿を見るところで全然違うんだもん。お姿は収録ヒット「エスケイプ」を歌ってるフィルムをTVで見たことがあります。ジャケではそそとしたナイスミドル風だけんどこれが見事なまでのお父さん。普段着で公開録画見に来てたお客さんがそのまま歌ってるのかと思ったよ。これでAORなイメージが真っ白。お名前は、プロデューサーとしてアメリカ音楽史上最も純で奇形なバンド、オーケストラ・ルナで、後は何故かイギリスのスパークス、セイラー、ジョン・マイルズ、ストローブスとこぞってエキセンな人たち。お父さんだから安心してやんちゃ出来るのかなと思うも、それほど構えた感じでも無し。経歴はイギリス生まれのNY育ち、お父さんがミュージシャンで、早くから音楽好きになって音楽学校に。学生時代からプロの現場に出入りして自作の曲を褒められたのが運の尽き。どんどん作曲して取り上げてくれる人も多数。70’s前半飛ぶ鳥を落とす勢いだったバーブラ・ストライザンド氏に認められて75年の「レイジー・アフタヌーン」でコンビを組んで一挙に注目を集めてと。ソロ・デビューは74年「ワイドスクリーン」で好きな音楽家は「ブルー・ムーン」を作曲したローレンツ・ハートさん。それらを頭の片隅にどばっと置いてこのアルバムを聴きますとさらにまあ楽しいこと。野心の無いビリー・ジョエル氏、NYのビル37階で働くバリー・マニロウさん、アスピリンを飲みすぎないウッディ・アレン氏、しょっちゅう一目惚れしてふられ続けてる、仕事は滅法真面目で信頼厚く、週末には一人で名画やってる映画館に行って、帰ったらこっそりスパークス聴いて踊ってる。有り得ない話じゃ無い。ほんとか(^0^)。それを演じてるのが筋金入りのプロのミュージシャン、ルパート・ホルムズってもう一つの姿。外からしっかり冷静に自分の歌う姿を見てる。曲はどれもイクラの粒粒みたいに美味しい。って結局は「エスケープ」、「ヒム」の二つのキラー・シングルが理屈抜き、もうやたらめったら大好きでそれで思い込み、想像で楽しんでる次第なんですけど。実際出て来るぞセイラーやルナのあの感じがふわっと。5.のドロップ・イットはボビー・マクファーリン氏の「ドント・ウォリー、ビー・ハッピー」にそっくりです。偶然かはたまた。実はこれ以前のアルバムはまだ聴いたこと無し。CD化されてないのもあったりして中古で偶然出会うのを待つしかないか。猛烈にもっと聴きたくなります。それらを聴けば・・・お父さん、奥が深そう。マッチョでも無いし、芸術家でも無いし、カリスマでも、二枚目でも、かと言って素人でも無い、70’s後半だからこそ生まれ得た最高の音楽って言い切る後悔無しわし。 |
11/5(土) 今回の「完璧なシングル」は 魔女降臨 2枚目のシングルは翌76年の春4月にリリースされました。 本領発揮 そしてホップ、ステップ、ジャンプ、3枚目のトドメ |
11/6(日) 本日の「完璧なシングル」は |
11/6(日) 今回の「完璧なシングル」は |
11/7(月) 週末を中心に「完璧なシングルを讃える会」とゆうタイトルで名曲について書かせて貰ってます。「完璧な映画を讃える会」でするならば必ず入るのがこの「ザ・スティング」。ポリースの六さん歌っている人でなく、リングでほほーいって言ってる人でなく73年暮にアメリカで公開された映画です。監督はジョージ・ロイ・ヒル氏、主演はポール・ニューマン、ボブ・レッドフォード、そしてロバート・ショーさん。音楽はマーヴィン・ハムリッシュさんが担当、19世紀後半から20世紀始めに活躍した作曲家スコット・ジョプリンさんの曲を蘇らせました。完璧な映画にはもちろん完璧な音楽が不可欠で、完璧な映画音楽はもしサントラだけ聴いても独自の光放ってピカピカしているのだ。しかしまあスティング最高です。完全なストーリー映画ですから「結末は誰にも話さないで下さい」、1回見て仰天、大拍手!、2回、3回見て飽きるかと思わば、また仰天、大拍手!。これはもう俳優さん、裏方さん含め作ってる人のこの映画に関わって嬉しくてたまらないって空気ががんがんごんごんスクリーンを通じて伝わって来るからだな。七人の侍なんかもそうで、こうゆう映画見てるとこちらまで嬉しくてたまらなくなります。さあ音楽。メイン・テーマを始めほとんどを占めてますスコット・ジョプリンさんの曲。ジャニス・ジョプリンさんの父さんで無くレド・ゼッペリンの船長でなくラグタイムとゆう音楽の横綱音楽家さんです。ラグタイムとは19世紀後半にアメリカで生まれたブラック・ミュージックで、規則正しい左手2拍子リズムに対して好きに弾くもんねの右手が微妙にずれたシンコペーションでメロディを弾いて独特のグルーヴを生み出す音楽だい。俺にはこう聴こえるしこう弾きたい音楽では俺は自由だ音楽。1世紀以上前の音楽ですからノスタルジア強烈に感じるのは当たり前だけど決して古い未完成のものではありません。人はその時代時代、時代の音の中で常に最高の音楽を作り続けて来たのだ。その環境はその時間でしか生み出せないものですからこれはもう掛け替えのないもの、大切にそして真面目に感謝したいです。だってほんとに素敵だから。シングル・カットされて大ヒットしたジ・エンターテイナーをはじめ冒頭のソレイス、誰もが聞いたことがある胸キュン、メリー・ゴー・ラウンドの音楽、どれもこれもよー、やばいっす、聴くたびにどわっとこの時代の音楽にはまりたくなる。生まれ変わったらピアノ弾きになりたいといつも思ってまして、その時はガキの頃からニュー・オリンズに修行に行ってドクター・ジョン先生に師事してえ、もしくはジョプリン先生にエンターテイナー教わりてえ。好きで好きで練習したことあって今でも何とか弾けることは弾けるけどなんか違うんだよな。小学生のキャッチボールと野茂の155km速球くらいに。当たり前だけど。 |
11/8(火) まったく人生ってやつぁやった分しかいいことが無い。しかもそれでもいいことがあるって限らないを地で行くバンド、REOスピードワゴンです。71年デビューのちゃきちゃきの70’s組だ。徹底的なツアー又ツアーで力と人気を少しづつ少しづつ獲得してようやくブレークのきっかけを掴んだのが77年のライブ・アルバムで。ここでどかんと弾けたら同時期苦労が花開いたピーター・フランプトン氏みたいになれたんだけど、惜しむらくはシングル・ヒットがありませんでした。再びツアー。その勢いをもって翌年出したツナ・フィッシュ・アルバム。出来は最高。しかし自信を持ってさあどうだのシングル「ロール・ウイズ・ザ・チェンジス」は最高位58位。ガク。しかしクビの皮一枚つながったよ。さあ一挙にいったるでーとなるも世は何やら不穏な空気、ニュー・ウエイブなるもの、それを通じて音世界がどどっと変わるテクノロジーの波が来ちゃった。今までのアメリカン・ロックの人たちは押しなべて古臭く見えちゃうわ、さらにMTVだと。やばいですルックスは僕たち、なんでほんとにやばいです。やばいですを土俵際でうっちゃったのがこのアルバム「禁じられた夜」。あーだこーだと考えてもしゃあないし出来ないし、自分達でプロデュース、真正面からのREOで勝負しました。何よりも強い味方にはクローニン氏にはポップスの神様が降臨していた。演奏力は既に120%、残るはツボを付く曲を得ることだけでしたから、そうなったらもう無敵です。世間がどのような音楽状況でも関係無し。レベルを遥かに超えた曲を作らば自分達で風を起こして飛び上がれます。キラー曲テンコ盛り。まずは1.ドント・レット・ヒム・ゴー。ボ・ディドリー・ビート・ポップスの最高傑作。ポリスの手法を参考にしたのかな。まさかなー。前段はボで責めてサビで8ビート、甘美なメロで開放、お見事。音は究極REO。ハード・ギターにヒャーヒャー・オルガン、迷い無く澄み切ったケヴィン氏の歌。ポップ・シングル・チャート最高位20位。2.キーポン・ラビング・ユー。ほんとは待ってました。いつかいつかと。出たシングル買い捲って1位にさせてあげたかった。させておくれよ頼むから。させてくれました。完璧なシングル登場。迷い無く酔えるリフレイン。そこへ持っていく前段の素敵さ。えらい大切。見事なエンディング。最初聴いた時、終わったらみんな拍手したに違いありません。デビューから10年目、ついに獲得した全米第1位だ。REO最大の武器はチームワーク。いつだって共に辛苦を舐めて共に成長してきたを証明するのがギターのゲイリーさん作3.フォロウ・マイ・ハート。一直線に突破。そして同じくゲイリーさん作4.イン・ヨア・レター。躊躇したら出来ませんこんな曲は。オールディーズ完全踏襲のパワー・ポップだ。確かにどっかにあるに違いなし。こうゆう曲は。しかし歌詞の数だけメロディはある。やれそうでやれないみんなが求める曲をついに作りおった。最高位20位。続いてもゲイリーさん快進撃。5.テイク・イット・オン・ザ・ラン。あんたが作ってくれたかと泣いたよクローニンさんは。相棒だから出来る双子みたいな名バラードです。最高位5位。裏返してB面。6.タフ・ガイズ。ケヴィン節、炸裂。ちゃきちゃき江戸っ子メロ。へにゃじゃないよ貴方は。あなたこそタフ・ガイ。最高位25位。メイン・ストリーム・ロック・チャートで。で書いてるけどこの頃はもうチャート追っかけてませんでしたので、何だそれは(^0^)。とにかく成功。万歳。これまたサビ良し前良しのパワーポップが7.アウト・オブ・シーズン。メイン・ストリームで最高位59位。極意ってね。おお、パンクだの8.シェイキン・イット・ルース。ベースのブルース氏作、歌のサムワン・トゥナイト。おお、チープ・トリックだ。ラストはケヴィンさん作ワルツ・タイムの大バラード、そこにいたかった。これでい続けられます。今までのうっぷんをはらすかのように全10曲中、6曲がシングルだぞのこのアルバム。感嘆の一語です。私みたいにすっかりあっちの世界に行っちゃった薄情なヤツでもこれだけは嬉しくて、聞けと言われなくても力で聞いちゃったぞ。何よりもこんなにツアーして音楽して。正直もう嫌、音楽なんて聴くのもやるのも、飽きちゃったよーって思うこともあったと思う。迷ってあれやこれや足して足してしたくなったとも。それなのにこうして削ぎ落としてど真ん中の自分の音楽の最良の部分を。さすがプロだ。でっかい。 |
11/9(水) 化けもの」って呼ばれてこんなん嬉しそうにしてる人をほかに知りませんデビッド・リンドレイさんです。満を持して登場の1stソロ・アルバム「エル・ラーヨX」。プロデュースは盟友ジャクソン・ブラウン氏とお仲間エンジニアのグレッグ・ラダーニョさん。リンドレイさんって、リンドレイちゃんって呼びたくなる。笑顔が素敵なおいちゃんだ。各種弦楽器を操るテダレで特にお役所事務姿となっちゃいますラップ・スティール・ギターの名手として世界に轟いてます。ジャクソン氏のランニン・オン・エンプティのギュオーーンね。ライ・クーダーさんの一のお友達でもあるかと。ライさんがその世界では学者肌って感じなのに対してリンちゃんはより音楽屋さん肌って印象を持ってます。ライさんが見つけてきた音を、横で聴いて、ぎゃははぎゃははとオオウケ、それナイス、最高、俺もやっていい?いいよねえって言いながら即効もうやってるつう。ライさん、おいおいって思いながら嬉しそうって絵が思い浮かびます。その楽しげな感じがそのままこのアルバムでも。歌も凄いんだよ。何が凄いってその声。生まれた時ピンクの小象に踏まれちゃったかその異様に甲高い声。件のジャクソンさんのエンプティ・アルバムの「ステイ」での有り様、びっくりしたのなんのって。女の人かと思ったよ。シンディ・ローパーさんのマネしたら上手そう。そんなもんでさぞかし気色悪いかと思わばこれがまた聞いてるだけで嬉しくなる。その声とうんちゃうんちゃギター、1stですからそれこそとびっきり大好きな曲たちが次々と出て来るその様、この世の幸せとはこうゆうことだわ。1曲1曲忘れられません。ロミオの歌でしょ、エバリー兄弟のバイ・バイ・ラブ、FABな人たちで超有名なトゥイスト・アンド・シャウト。このベタな選曲。リンちゃんならでは。それをテキサス、琉球、ジャメイカ、LA横断の大世界楽園音楽にしちゃうのもリンちゃんならでは。お付き合いした人たちの恩も音も忘れない。ヒューイ・ピアノ・スミス氏のツバ黒粕と新茄子ブルース!。ブギウギ・スカ。そして何よりマーキュリー・ブルースだ。その昔何の因果かセッション・バンドでやることとなりまして、スライドをコピーしました。そりゃもう必死。この超絶プレイをやらなきゃならんとは。泣きながら何とか出来るようになったものの・・・ついて行くのがやっとだよ。このテンポでこの粘りのあるスライドは出来るもんじゃありません。とことん音楽と弦の楽器が好きで。やったんだろな練習。練習とは多分思って無いぞ。好きで好きでしょうがなくやる音楽はいつでも最高です。こんな化けものだったら夏と言わず冬と言わず出て来てくださいまし。 |
11/10(木) ああプログレが聞きたい。それもハードなやつ。ぐそぐそのビートと愛想も何も無いメロと果てしなく長い時間のもの。そんな気分になる時がうららかな秋の日差しの午後、ふとありませんか?。ありませんか。そんな貴方に私に英国国立健康療養所のプログレ整体科のこの先生達の音楽を。78年の2nd、その名も「待ち行列と療法について」。この病院は南のカンタベリー地区にあります。この地方には60’s末からどうゆう訳かプログレ整体師の方々が集結、日夜あっちの骨、こっちの骨をかくかく外す研究を続けておって病院も多数。しかも転勤が頻繁で、てめえあそこの俺のソロの時わざとテンポ外しただろうとか言って殴り合いのケンカをしてはよその病院に移って、たまに先生から患者になってたりして。しかもしばらく時間が経つとケンカのことなどすっかり忘れてまた一緒に働いてまたてめえ俺のソロの時に余計な音入れやがってと殴りあう大変な仲良しさんたち。まるでどこぞのプロレス界のようです。この英国国立健康療養所はハットフィールド&ザ・ノース医院の方たちがギルガメッシュ病院と経営合併して出来ました。最新の医療機器を完備・・・なんてぇことは無く相変わらず設備は全て人力。しかし長年のパンプアップでみんな筋肉はもりもり、一撃にして首の関節をばんらばんらに出来る。その技をしかも連続してご披露いたす所存。容赦ありゃしまそん。世にジャズロック療法とも呼ばれてるらしいのですが音のメスやら包帯は全てロック印が付いている。大概のジャズのようにテーマが有ってまず皆さん気を揃えてそれから一斉にどばばばばばってゆうのともちゃいま。どこからどこまで作曲して予定の行動かうっかり暴走やらかしてしまったインプロか判然とせず、いきなし人懐っこいメロが出て来たと思うと、「先生、どこへ行くんですかー」と監獄さん、いや看護婦さんも泣きわめく始末。まともに治療代もいただいてない様子で皆さん貧乏の極みらしいのに相当幸せそうです。患者さんも皆地獄固めかけられて幸せそう。あれだ学生時代、体育界系の部活やってた方は思い出されると思いますが、サーキット・トレーニングつう地獄の練習がありました。校庭一周走ったあとうさぎ跳び、そしてダッシュそして両手をぱんぱんしながら阿波踊りそしてチャック・ベリーになってトイレの覗き、じゃ無かったアヒル歩きで3周ってやつ。死ぬほど辛いのに何故やるのか。誰もわからない。しかしやる。ですからこの分野で有名なロバート・フリップ博士つうきちがい博士が申してますようにこれはディシプリン・ロックと呼ばせてもらおうぞ。修行ロックです。ところがぎっちょんぎょちょん。LP日本盤ライナーに書かれてあるのを読ませていただくと、この先生達、普段はギャグばかりかましてほとんど狂騒状態ってんだから、この音楽もぎゃははぎゃははと笑いながらやってたらしく、それで死ぬほど練習して殴り合って、やばいです。下手すりゃ健康保険も効かない治療代も今なら日本盤CDが出てまして人の常識範囲内の値段で診察可能。受診しに行きますか?頼んでもいないのに値段の10倍は筋肉揉みしてくれますことは保障いたします。 |
11/11(金) 一昨日感謝させて貰ったデビッド・リンドレイさんに対してどーもまるで人気が無さそうですのがこのエルヴィン・ビショップ氏。何となくアンドレ・ザ・ジャイアントに似てるのがいかんのか。それに伴って下半身でぶなイメージがあるのか。本人も気にしてたかジャケで全身ご披露。実際はナイススタイルだよ。中央でガニのイメージが付いちゃった。とほ。ポーズ付けてるんだけどどっか決まってないとこ。これが魅力なんだからこりゃもう仕方が無いか。諦めて下さい。この75年のアルバムその名も「ええところをお見せしまっせ」。最大ヒット盤です。最高位18位。2曲の完璧なシングル入り。一つは5.の「愛に狂って」。最高位3位だ。ヴォーカルは後にスターシップでお目目ばっちり化粧してカメラ目線に邁進しましたミッキー・トーマスちゃん。ギデオン・ダニエルとゆうゴスペル歌手さんの弟子でお師匠さんの紹介でビショップ氏の元で歌うこととなりました。師の期待を裏切ること無い、目の澄んだ快唱です。で、ギタリストのシングルですから花はギター・ソロ。出だしのメロディがキングトーンズのグッナイ・ベイベにそっくりで「きいっといー、つかはトンテカラリン♪」。この歌にはこのソロしかありえませんの完全無比のフレーズ。これを聞けば彼の音楽人生がわかっちゃうてな点でも何とまあ深いことよ。さらにすげえのはシングルでは思い切ったなハサミでちょっきん、その自分のソロを編集してざっくり短くしちゃった。これがまた上手い!。これをしたからシングルとして完璧になったその慧眼に感服です。バックでたゆたうピアノにも注目をば。これこそがカントリー・ピアノ。演るはフィリップ・アーバーグ氏。そしてもう1曲の「完璧なシングル」は1.のタイトル・チューン「しとらんよ、まあ、したか」。実はこれシングル・カットしてません。しかしラジオではかかった。あまりにかっこよくて。今でもたまにFENでかかります。突然これがかかって聞いちゃうと燃える燃える。「愛に狂って」からは想像できません、どファンクで、御大自らのラップとコーラスで織り成すグルーヴ天国。ホワイト・ファンク半インスト&インスト名曲4選には同率首位で入賞です。他の曲はAWBの「ピーセズ」と「ケイク」、そしてエドガーのウインターさんの「フランケン」。それくらい問答無用にかっこいい。これを浴びるためだけにアルバム買っても損はしませんぜ兄貴。 |
11/12(土) *今回の「完璧なシングル」は |
11/13(日) 本日は「完璧なシングル」入りディープ・パープル9枚目のアルバムに大感謝。ディープインパクト3冠達成記念!。菊花賞での道中引っ掛かりながらラスト150mでの鬼神の如きスパートを見てこれに音を付けるとすらばそりゃもう「紫の炎」だ違いないと思う。「完璧なシングル」はもちろんそのアルバムの冒頭を飾る「バーーーン」だ。第2期パープルのぶっとい鉄骨だったギラン氏、グローバー氏が脱退してピーンチ、しかし音神さまはあんたらにはまだやることがあんべとつかわしあそばしたのが歌うブティック、イケメン店員、デビッド・カバさまと歌うベーシスト愚連隊員、グレン・ヒューズさん。これ以上の人材はあろうかってんだ。後はリッチーさんナイスな曲とリフ、一発お願いします。ばああん。ぎゃあと世界中のハードロック好きがあまりの喜びに地上3002mは飛び上がった。当時のロック・ラジオの花となり、みんな持ってるのにリクエスト、かかると大騒ぎ。ロックといやーパープルでございます。あまりにもかけたんで横浜のNHK−FMなんぞは「嵐の女」と無理やり合体させて「紫の女」などつうものまでやりまして、それもみんな大喜び。普通じゃありません。ロックで我を忘れられた時代、何とまあ幸せなことよ。およそロックで楽器を志すもの、特にギター野郎にとってリッチーさまは神様です。初めてエレキを買ったその時はたとえアメリカンロックが好きであろうとまずスモーク・オン・ザ・ウォーターを弾いたもんじゃ(しかし単音)。弾けた弾けたと喜んでその気にさせてくれるありがたーい存在。その気になって練習練習そして第2の関門がこの「バーン」。このイントロに挑戦、クリア出来たものは第2ステージ賞金50万円に進める。今聴くとそないに速いとは思えませんが、速く感じたのよこれが。実際エフェクターに頼らずきちんとピッキングすると大変です。軽々はリッチーさん。で、まあ、ギタリストが出来ましたコピーしましたと同級生で組んだバンド練習に馳せ参しますと、そこで途方に暮れてるのがメンバーの連中。考えてもしょうが無いぞやってみよう。イントロまではバッチリOK。ところが歌に入るとドラムが撃沈です。なんてーフレーズ叩きやがるんだペイスさん。一発は軽いがその軽さを蝶のように舞い蜂の様に刺すうんたらたっこぽこんぺぷーの壮絶。歌も撃沈。それにあわせてどうやって歌やーいいの。ドラマーは諦めてはしょりんで叩くことに決定。歌はもう細かいことも大きいとこも気にしないことにする。でさあ、キメまで行きますが、そこでふと見ると死んでるのがベーシスト君。パープルやってる以上やらなくていいと思ってた歌やれってか。しかも”あ”−ーーー”ってギランさん並怪鳥裏声。無理です。コーラスじゃありません。ダブル・リード・ボーカル。聴く分にはこんなまー贅沢な天国ありゃしない。文句などあろうものかい。あ、いた。文句出始めた人が。俺が目立たんって(^0^)。えー、同級生バンドの方はここでも何とか進めりゃいいよって大きなとこも目をつぶり、キーボード・ソロへ。バンド内で一番お金持ちの子、幼少時からバイエルンなど習ってました鍵盤担当のヒロ君は嬉しそうにバッハしてます。わははやっとうまく出来てる。あ、その前にギターソロ。まあ好きにやってくれ。結局この曲は文化祭では無理だと結論が出てさよならー。聴くだけにしよ。でもやりてーなー。「♪空は赤いよわかんねえけど、深夜に大地を眺めておりました。人はいいます女はこんちくしょう。あんたを燃えさすゆれゆれお手手でー。街はめらめら、通りは火まみれ、女の火柱空高く、わしらはアホや、女は嘘つき、ただただ言いたいのは「燃えろ〜〜〜」←無理やり歌わば歌える。ところがこの曲ほんとにシングルなのかとふと考える。いやもちろん日本では無敵なシングルだけんど、英米ではいったいカットしたんだろうか。チャートではかすってもいなかった様子。イギリスはグラムで見えなかったのかもしれんが。むー。アルバムは英最高位3位、米最高位9位。何だ見えてるじゃん。じゃ何故だ。あちらではハードなロックはヒットしません。日本が正常です。 |
11/14(月) デイビー・ジョーンズちゃんじゃありません。ミスター335、野口五郎氏の真似をする男(あ、逆だ)、ラリー・カールトン氏の2ndアルバム「歌う/弾く」です。ラリーさんと申さば70’sの売れっ子セッション・ミュージシャン。私にとってはスティーリー・ダンのキッド・シャルメインのもうこの世とは思えないソロの人、そして同じくダンのAJAでの音楽監督の人。そしてフュージョンの人。フュージョン・ブームの時はすっかりパンカーだったもので、テク好き本邦で全盛だったそれはもうやでやでしょうが無かったです。当面の敵だなと若気の至り。正に愛憎半ばしてるぞ。な訳で斜めにしか聞いておらず先日入手しましたこのアルバムも初めて聞きました。清水舞台で買った引きは「73年」ってとこ。はるかフュージョン前。クロスオーバーよりも前だな。ドナルド・バード氏の「ブラック・バード」が出た年でもあるファンク要の時だったもので一体どんな音なんだろうと。聴いたらまーびっくり。歌ってるよ。歌ってるし音楽がまた。申し訳ありませんでした。大名盤です。今年の自分ベスト10入り決定。どう書かせてもらったら良いか。うーむ。ギターが上手いのはもう当然でして、おう歌ってる歌ってるギターがとほれぼれしてしまう。そんな人はそうおりません。大好きなオーリアンズのジョン・ホール氏のギターに惚れ惚れと同じ感触で感嘆。音楽は・・・まずシンガー・ソングライターだ。って言っても曲は書いてない(^0^)。この当時既に売れっ子で週15本のセッションこなしてたとゆうラリーさん。まるでギター自営業者、人事とは思えませんがそんな中の自らアルバムでは、お仕事では出来ないこと、歌ってみたかったそうです。当然歌には自信が無かったと思われますがこれが素敵。自分の力を熟知したそっとした無理しない歌唱で。そしてそれに合わせた音楽って言ったらSSWしか無い。協力者は売れっ子セッション仲間のマイケル・オマーティアン氏と推理。後に「反逆のテーマ」のリズム・ヘリテッジでブレーク、全米第1位を取った男。そしてその音楽のための曲を書いてくれたのがマイケルさんのお友達、アラン・オデイさん。1曲目、5曲目とキモのところで曲を提供してます。まさかここでこの方の名前を見るとは。ヘレン・レディ嬢の「アンジー・ベイビ」、自分でも「アンダーカバー・エンジェル」で大ヒット持ってる、アメリカン・ポップスのど真ん中な方。何とも場違いな(^0^)、そんなこたあないか、素敵な曲を。場違いなって書いたのは、まずこれ聴いてラリカルだってわかる人はおんめえって点で。オデイさんに限らず全部曲がそりゃもう素晴らしく、けっして片手間の息抜きで作ったアルバムではありません。まるでジェイムス・テイラー氏のアルバム聴いてる時みたいに泣いちゃう。歌で泣いてそこにあのギターが泣くんだからもう。もっと嬉しいことにLAニュー・オリンズ・ファンクも登場します。3.ワン・モア・チャンスなんか同年のリトル・フィート「ディキシー・チキン」の音の味と同質で、もう大好きなあたしゃ随喜の涙を。しかし何で。この年のLAにはこの空気が流れていたのか。この時既にクルーセーダーズには準メンバーとして(71年から)加入済み。そこでの音楽ともまた違う、バーバンクの臭いが。A、B面最後のインストにはそのクルーセーダーズの面々が完全バックアップしてます。それだけはSSWでは無く、辛口ジャズ・ファンク。ジェフ・ベック!MXRのディストーション使用だとゆうハードなギターがぐおーんぎゅーんどぱぱぱ。これはもう問答無用のかっこよさで、はい。参りました。アダコン原型みたいな6.ウエイビン&スマイリンも。これはホール&オーツのアバンダンド・ランチョネットと同じ空気。同時期だもんな。伊達にセッションの数こなしてません。お仕事で無味乾燥でやってたのでは無くそのたんびに精一杯、音楽愛情で臨んでいたと。結果沢山吸収してなおかつ意欲衰えることなく。あれだけギターを歌わせる人だもんな。音楽もそりゃ歌わせること出来るわ。重ね重ね申し訳無し。「当面の敵」だなんて1億年早かったです。はい。 |
11/15(火) テキサス・ブルースマン、雷ホプキンス、62年の「雷直撃」アルバム。いえー、でもよー47年頃の録音かも |