4/1(木)
で〜いぶっ
Crazy from the Heat
David Lee Roth
1985
シリーズ「はぐれメタル友の会」
で〜いぶっ!。ヴァーン・ヘイレンの初代ヴォーカルのデビッド・リー・ロスさんのまだバンド在籍時に出したソロEPでございます。ここからカリフォルニア・ガールズが大ヒット、MTVでぼこんぼこん流れたクリップも大うけで脱退のきっかけになっちゃったのかいな。その意味じゃ罪なEPですが個人的にはやったねでいぶはんの大喝采盤だー。初期ヴァン・ヘイレン良かったすよねえ。超人性格良ニコニコギタリスト、エディさんとディック・マードックみたいなこのトンパチ・デイブさんの組合せが最高でヘヴィメタ・ファン以外にアピールする魅力もたっぷりでした。そのトンパチさんがソロ出すとなるとってんで出て来たこれ量こそ少ないけど予想通りいや超えてますファンシイ!コンビを組んだのが喝采ものだの”ザ・ポップ”エドガー・ウインターさん。&エルトン・ジョン・バンドで映画音楽でも活躍のジェイムス・ニュートン・ハワードさん。&ロス・スタジオミューシャンの猛者さん達ご一行。まず何つっても選曲が最高です。これはエドガーさんの進言か二人で企んだのか、ああ、これをあんたに歌わせたいてなキュート&ワンダホーな4曲だよ。まず1.イージー・ストリート。これはお約束かな。エドガーさんじゃけん、彼のアルバム「恐怖のショック療法」よりよりによって2曲目のジャジイなこれを。デイブちゃんの声はルイ・アームストロングだ!てんで狙いはそこと。で2曲目は「ジャスト・ア・ジゴロ〜アイ・エント・ガット・ノーバディ」。両方ともジャズのスタンダード。もちろんルイさんも歌ってますがここで最高にした元ネタは同じルイさんでもルイ・プリマさんの方。プリマさん。誰じゃって感じですが戦前から大活躍しておりましたニュー・オリンズ出身のトランペット吹き&歌手の人。彼が作った「シング・シング・シング」ってインスト曲は聴けばああこれかーってどなたも思うはず。わたしゃこのシング〜が好きでしてバンドやってた時にパクリ曲作ってライブの最初にやっておったのですよ。もといこの人、声がデイブさんしてます(^0^)。なもんでちびっとひねってのこの人ヴァージョン採用。ほぼ同じメドレー形式です。ジャスト・アジゴロは他にアレックス・センセーショナル・ハーヴェイ氏も同様のアレンジでやってたりセロニアス・モンクさんがとつとつピアノで泣きたくなるヴァージョンでやってたり名演揃いなのだ。そしてエイット・ガット・ノーバディ。これも大好きでまずタジ・マハールさんのミュージック・ファ・ヤ内でやってるフォー・ミルス・ブラザースの歌中に出て来たのでまずやられザ・バンドも歌にしたベッシー・スミスさんでやられファッツ・ウォーラー、レオン・レッドボーン、ローズマリー・クルーニイとこれも飽きずに同じ曲聴けちゃうくらいの名演ばっか。後半の盛り上がりが人によって違って笑えます。ライ・クーダーが「ジャズ」アルバムでやりそうな曲なんだけど有名過ぎるんでやめたのかな。3.はアメリカ人の心の拠り所ビーチボーイズのカリフォルニア・ガールズ。件のクリップともども大傑作となりました。あれ笑ったよなあ。ほぼキャラがローリーとかぶってたりして。ははは。コーラスにものほんさん達も参加でキラキラしてるアレンジ共々アメリカン・マジカル・ワールド全開です。で最終曲はココナッツ・グローブ。これがうなるぞラヴィン・スプーフルの曲。しかもどっちかとゆうと地味な方。冒頭のイージー・ストリートとこれでこの盤が単なるお笑いおふざけ盤じゃ無いぞと宣言してます。真ん中の2曲だって本気なのだ。さきほどのライさんのジャズと同じコンセプト。つくづく思いますがファンとしては願わくばこれ路線をこの後も突き詰めて欲しかったなあ。ヴァン・ダイク・パークスさんとか組んだりして(^0^)。エンターテイメント精神溢れた俗っぽく懐古趣味にならない新しいアメリカンポップが出来たかもしれないんすが...。ご存知の通りデイブさん、ソロ転向後はザッパ・バンドのスティーヴ・ヴァイ氏と組んでエンタメ・メタル路線一直線しましてこれが今一成功しなかった。ヴァイさん腕はもちろんユーモアもバッチリなんだけど惜しむらくはデイブさんともどもキャッチーな曲作る才がちと足りない。ここはせめてエドガーさんだけでも続けて助っ人してくれたらとこの稀有なヴォーカリスト、デイブさん、今からでも遅くない。やさぐれる前にこれでやってくれ。頼むよう。
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4/2(金)
屈託無き男達
Kilimanjaro
Teardrop Explodes
1980/10
シリーズ「新波倶楽部」
エコー&ザ・バニイメンのクロコダイルズのとこで書かせていただいたように80’sに入って俄然活気付いて来たリヴァプール・シーン、あのキャバーン・クラブの隣に位置したとゆうエリックスとゆうライブハウスに集まったバンドが様々に刺激しあって一つのムーブメントを形作りました。最初の火種はスプリットエンズのあくを少し取ったような英国POPバンド、デフ・スクール。そのメンバーが親方格になって若手のバンドが続々と。その筆頭が先ほどのエコバニ、そして人気ではけっして劣らなかったとゆうこのティアドロップスです。これはその彼らの1stアルバム。このバンドにはエコバニのイアン・マカロックちあんも在籍してたこともあって直接的ライバル通しだな星君。さてコーヒーみたいなタイトルですが(^0^)キリマン。ヴォーカルは後にソロで活躍、亀に変身したジュリアン・コープさん。ジュリアンなんちゅう少女漫画みたいな名前なんでネオサイケの王子様扱いされてたような気が。けど個人的にはこの人何かとってもある意味素朴ちゅうかオイモちゃん_<(_
_)>_。この盤は音は出がほぼ同じライバルだけあってコンプ、ばっちりかかった切れまくりギターとかドアーズのようにひゃーひゃー舞うオルガンとかエコバニととても共通するとこあるのだけど感触はかなり違って、あっちはともかく悩んでますがこっちは明るいと言いますが屈託無くてポジティブ。ラッパが入ってるのもあるのかもしれませんが。エコバニのクロコにも入ってるレッド・イン・ザ・ブックス(これマカロックさんとコープさんの共作)がこちらにも入ってるので聴き比べるとおもしろいす。そんな訳でかっこよさって面ではエコバニに文句無く1票投じるけどこちらにはそのままで負けてない不思議な魅力有り。何かなあ曲が良いのか悪いのかわからんうちに何回も聴いてるとどんどんこれは名曲ばかりなんじゃないかと思えてきたりして。なもんで私がバンドやっててお金が無くてどんどんNW名盤を売りまくってしまった時もこれは売れなくて生き残ってまだ手元に残っております。なんでだろうと自分でも不思議だけど愛着あってねえ。中で際立つのはやっぱシングルになったトリーズンって曲。この名状しがたきポップは他で味わえない快感でもう大好きです。これは悩まなくても完全に名曲。この味コープさんがソロになってもしっかり引き継がれてやっぱ追いかけたりして。だだあれだテアドロップスの2nd、これ買って聴いたはずなんだけどまるで記憶、印象無し、もちろん売っちゃって、んー、なぜだろう。曲が今一だったのか、機会を見つけて是非取り戻し確認したいと常々思っております。プロデュースはカメレオンズ。エコバニ、クロコと同じ。それぞれのバンドの味に合わせてまるで違う音にしたその手腕たるややっぱ見事。うちらにもこんな先輩がおれば。くー。
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日本盤
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4/3(土)
土曜ビートルズ
Back to the Egg
Wings
1979/3/24
シリーズ「トルズを聴こう」
前作でまた3人に戻ってしまったウイングス、これではいかんとメンバー募集、デニーさんの知り合いでエルトン・ジョンのシングルマン等で叩いているドラマーのスティーブ・ホリーさん、そしてローレンス・ジュバーさんとゆう二人が加入いたしました。ポールの製作意欲は衰えることを知らずさあやったるでと早くも78年6月からこのウイングス最後のアルバムが録音開始されたのであーる。コンセプトは新生ウイングスだからかな「卵」。原点に帰れ、初めの感動を思い出そうてんでこれはもしやパンクの影響もあったのかいな。パンクと言えばここでソロになって初めて外部プロデューサーを起用。その人はクリス・トーマス氏。ミカ旦那(^0^)。ホワイトアルバムのエンジニアを勤めて旧知の仲だったとはいえセックス・ピストルズをやった直後、やっぱポールさん何か期するところあったかも。クリスさんと言えばコンパクト・ポップでドライビングロック名人、その手腕はここかしこに見受けられますど。今回今までウイングスではバンドサウンド+弦ラッパてな感じで通してたのにけっこう色んな音を盛り込んでアクセントぴぴと、それをとっちらかすことなくまとめたのはトーマスさんならではの御技なのかも。ちらっとサイレンの頃のロクシー感じるとこあったりスピン・イット・オンのギターの音なんかゴッド・セイブ・ザ・クイーンかいな。あとリンダさん含有率が低い気が。これでウイングスで頑張るぞだったのがけっこうソロ色が濃くなってはい。出だしのレセプションからちとびっくりした。どファンク。ここまで濃いファンクは初めてだー。しかもベースがうまい。シングルは次のゲッティング・クローサー。中ヒット止まりだったけど、元気は一杯で。後半立ち上がってくる音がロクシーぽい。好きだからそう思っちゃうのかな。しっかし新生なったのに閉じてどーする(^0^)。メロディが足りないなあなどと世間では言われてるらしいが何の何の、アゲンアゲンアゲンアンアゲンなんかニックロウしてるぞ。かなり胸キュンです。してあっしのベストトラックはこれまた中ヒットシングルのアロウ・スルー・ミー。ポール流AORの大名作。スティーリーダンかと思っちゃったY。ラッパの入り方なんかAJAやし。そいやミドルなレゲ・ビートがガウチョなのかも。そしてこの盤最大の仕掛けがロッケストラのテーマです。このころ滅多に外に出なかったレッド・ゼッペリンのジョン・ボーナム、ジョン・ポール・ジョーンズ両氏、ピート・タウンゼント、デイブ・ギルモア、ロニー・レインさんとパンク勢が聞いたらうへぇと言いそうなオールド・ウエイヴィなお歴々でどわーっとアホ曲をぐおーんと。ドラムの音はやっぱおおおおボーナムさんだ。そこで大風呂敷広げて置くもその後はまったくいつものポールさんなのがまったくこの人らしくて、ははは。あ、トゥ・ユーのギターなんかマンザネラさんぽい。これもズンドコ・ロクシーぽいなあそういや。刺激的です。で、しっとりしたメドレー2曲でちょっと感傷的になってしまう終わり方。もうウイングスはこれで終わりなんて考えていたのかななんて想像してしまうくらい。このアルバム、売り上げは今一だったんだな。まあ時代があれだから逆風もあったのだけど。そんな中でもマイペースでかつ自分流に刺激入れてるやっぱ大したもんだと。これまた捨て置くなんてトンでもない大切なアルバムです。なんたってウイングスなんだから。
CDになってボートラにクリスマス関係の歌が入りました。これで続けて聴いちゃうと印象ががらっと変わった。クリスマスに(^0^)。だってワンダホー・クリスマスタイムってほんとポールちゃんらしい力の抜けた良い曲なんだもん。さらっとしてるそんなとこが好きだなあ。
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外盤
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4/4(日)
噂の噂
Rumours
Fleetwood Mac
1977/2/4
シリーズ「ヒット王」
前作ファンタスティック・マックでついに長いトンネルを抜けて成功を手にしたマック、金銭的にはもちろん音楽的にもこれぞってものを手にして満を持しての2回目の挑戦、それがこの”噂”です。結果はご存知の通り大成功、前作を上回るスーパーな売上げで全米の家庭に一枚はあったのでは無いでしょうかのう。それを受けての来日公演を私も見に行きました。そりゃもう大感動、堅実な英国組、ラフな米国二人とすげえバランス取れてんなあとひたすら楽しかった想い出があります。一見ハッピイでポジティブな印象のこれが実はトンでもない環境で作られたとわかったのはだいぶ後の事。そうです、あのファンタスティック・マックのあと、バンド内の二組のカップルが破局してたんですねえ。さらに棟梁のミックさんもかみさんのジョニー・ボイド、パティ・ボイドさんの妹らしい、と離婚してたとゆう。クリスティン、ジョンの夫婦はジョンさんの酒癖が元で「あたしもー我慢できまへん」だったらしいすがスティーヴィ、リンジイのカップルは長いこと不遇時代リンジイさんの闘病時代など苦楽を共にしたろうに、成功がどちらかの人格を変えたか、貧乏時代には目標をお互い持って嫌なとこには目をつぶって結束してたのが成功で不満が一挙に出たのか。ミックさんのとこも同じだったのか。とにもかくにも恐ろしい状態で、売れちゃったんで今や自分達の責任を超えた期待を受けてのレコーディング、さぞ壮絶だったかと。しかも今回は前作のエンジニアをアシスタントにしたとは言えセルフ・プロデュース、話し合いも何も一触即発だったのではないかと想像されます。しかもしかもこれ用に皆が用意した歌がまた辛らつ、もろ恋愛関係ですから、いやこわー。大ヒットの理由の一つにこの破局を超えて生きていくとゆうテーマ、アメリカの家庭自体、「ビバリーヒルズ青春白書」など見るところによると壮絶なようですから、がツボを突きまくったこともあるんじゃないかと。音は前作の手法を受け継ぎ絞りに絞った余計な音が一切無いものです。何も引けない何も足せないかのごとく。感情がどうであれメンバー全員が最終的な像を同じものを見て岩の塊から削り取ってそれを出す作業だったのではないでしょうか。同時期の傑作スティーリーダンのエイジャ、またはスティーブ・ミラー・バンドの作品も同じ手法、吟味してこれしかないって一つ一つの音をはめなきゃいかんとこにはめていく、これをしたから長い期間のヒットに耐え、そしていつまでも古くならない音楽となったと確信いたします。それにあれだ変なフレーズの一つでも出そうもんなら大ゲンカしそうだもんなあ、この状況。デモを聴いた後各自しっかり考えて取り組んだのかと。それの象徴がニックスさん作のドリームス。楽譜見ると見事に同じ音符が続く起伏の無いメロディ、コードも二つかあ、これを出されたリンジイさん困ったろうなあ、歌詞も「また行っちゃうのね?自由が欲しいって?」だし(^0^)。びびりまくって苦しみもだえた末に出した結論があのヴァイオリン奏法。出だしからドラムとベースだけのとこに歌、そしてあのギターとあれっきゃありません。私バンドでコピイした覚えあり。ペダル使っても難しかったなあ。
さて今回のリマスター発売。23年の時を経て数々の謎が解き明かされたか。詳しくはそれはお聴きになった皆さんで発見してください。日本のオヘソ在住のナイスな友人のおかげで私も聴く事が出来ました。簡単な感想はと言えばまず従来盤のリマスター部分は、担当はブラボー、ライノの数々の作品で驚異の復刻をしたビル・イングロット氏だ。今回のお仕事はいややっぱ大したもの、いつものように派手なベースブースト、ロックダイナミズム感強調はしておりません。素直に分離良く透明感をます作業で。音楽を考えるとこれは当然で元々悪いものじゃなかったし。ただちょっとくぐもったとこが魅力の一つだったかもしれんと考えると。まあそれならオリジナルLPを買うのが一番かもなあ。CDフォーマットでベストの仕事となるとこれかもしれません。問題の2枚目の未発表部分、既発表曲はテンポがちと遅くて重くなったじゃないとか一つ楽器が足りないとかもろ原型とかせっかくうまく行ってたのに最後のほうでアホポン、棟梁ですが(^0^)が妙なことしたとか。ははは。聴いたらすぐわかりますんで。楽しめます。期待のまったくの未発表曲はとゆうとこれが意外と少ない。やっぱ下手なもの出すと叩かれに叩かれると。これぞってもん出したんでしょうねえ。出てきたやつはすっげえものになる可能性をまだかなり残した段階でこれまた想像力を刺激してくれて楽しいおます。最後のブルースジャムはとゆうとニックスさんの化粧待ちの間に沈黙に耐え切れず誰彼と無く始めたのかな。後半何やら恐ろしいぞ。
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日本盤(通常仕様)
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4/5(月)
わらべ唄
Transformer
Lou Reed
1972
シリーズ「glam!」
時は72年、グラム・エラ真っ盛り、な時にルー・リードさんの2ndはジギイ・スターダストで飛ぶ鳥を落とす勢いのデビッド・ボウイ&ミック・ロンソン両氏のプロデュースで製作されました。ジャケもご覧の通りお化粧まっちろでグラームでござりますが、まず最初にこいつはとんでもなき名作です。ルー・リードさんを元来嫌いな人でもこれだけはやられる可能性大、誰が歌ってようが誰が絡んでようがどこの誰だかやってるのか知らなかったとして聴いてもまずもって捕まってしまいます、きっと。まだ未聴の方はだまされたと思って買ってしまわれるのが一番近道\(^o^)/。大丈夫です。怖い音楽でも暗い音楽でも鼻につく音楽でもありません。ただ男の人が歌っていてそれが素敵な曲ばかり。聴いた後はいつのまにかサテライト・オブ・ラ〜ブって鼻歌歌っちゃってる自分発見です。とんでもないとこでやっちゃって赤面したりして(^0^)。製作担当のボウイちゃんはルーさん、ルーさんて書くと大柴さんみたいだけど、はは、すげえ大ファンだったりして、えー、ルーさんのいたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの大ファンだったそう。で、大好きな人のプロデュースで「お願い、どーかヴェルヴェッツみたいにやって〜、おねがいー」と。よっしゃっと世紀の都会わらべ唄バンドだったヴェルヴェッツと同じ精神の総わらべ唄状態。70年代を通じて脱力ヴォーカル選手権大会チャンピオン保持者のメンツにかけてだらーっと気合を入れてまあしかし良い曲ばかり作ったもんだ。ボイさんミックさんもそれに答えて自身のアルバムでの派手な展開はぐっと抑えて好サポート、そこにはこれだよのアレンジとてもとても素敵です。ボイちゃん発見つうのは前記サテライト・オブ・ラブでの「あーあっうおおおー」くらいだもんなあ。シングル・ヒットも出ました。「ワィルドサイドを歩け」。子供は内側大人は車道側ね。あ、それは知ってるって方はなお安心、あれに匹敵するやつばかりがこれには詰まっておるのだ。あ、あと一つだけ。ジャケはこうだけど中身は派手派手グラマーしてません。いたって落ち着いた、落ち着いたって言っちゃあれかもしれんが、音楽です。とにかく形容でけん。大好きです。
曲目等詳細
日本盤
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4/6(火)
ヒット責め
Gold
ABBA
1993/8/9
シリーズ「ヒット王」
最近は訳のわからぬところでもうけまくりABBAを好きだなどと言うのが恥ずかしくなって来てます昨今ですが、この英国編集のベストなど改めて聴いてしまいますと、およよ、全部知ってるでは無いか、しかも全部好きでは無いか(^0^)。チャートをノートに付けてた時そいや全部いつのまにか赤字でお気に入り印にしておったしなあ。ファンだぞ俺。フィルムを見たりしますとあのおばはん二人ですしねえあの洋服センスですしねえ赤面嵐でへこんだりしますがレディオで聴く分にゃあ..やっぱ声はおばはんだけど、ははは、問題はあるものかい。どこが良いっていったって曲が良いのは当然として、まずこの素っ気無さだなや。無慈悲と言いますか。聴くなら聴いてみろつう男っぽさがあるぞ。演奏の匿名性はこうゆうヒットものなら洋の東西を問わずなんすがそれにしたって決然としてます。かしっかしっとはめるとこにはめて俺は俺だって誰にもわからんでもかまわんとこれにしたって非情。POPつうのは基本的に厳しく非情なんだよな。媚売ってる暇や余裕があるんなら極めなきゃあかんとゆう。そしてなんつったってスエーデンですから異国ムード、およそ世界中の人々が何となくイメージしております寒そうだなあって空気をそのままお届けぴざあら。きちんと軽くなまっておくれだし。ベースは英国POPなんでアメリカ人はそれに関しては愛憎半ばするようでどんな良い曲でもまったくヒットしないことも多々有りですが、それはスエーデンですからOKみたいでその辺が訳わからんですけど。我が日本人ならもちろん諸手を上げてOKだー。フェルナンドでは無節操にもアンデスまであんです。えー全19曲1時間20分あまりありますがこれがまたまったく飽きません。個人的にベスト5を上げさせていただければ1位がサビがハードでグッと来るSOS。2位がもろロイ・ウッド、ドクター&メディックスのカバーでは本人がサックス吹いたりしてますが、のウォータルー。この辺はもうのけぞるくらい良いぞー。3位がパンキイなマネマネマネ。4位がタケちゃんのテイク・ア・チャンス・オン・ミー、5位がシルヴプレのノウイング・ミー、ノウイング・ユーとフェルナンドの同率となっております。憂歌団のダンシン・クイーンですら耳タコかいなと思いきやけっこう喜んでたりしてますので、後はもうウーパー・ルーパーとかザ・ネイム・オブ・ザ・ゲームとかあげりゃきりないわ。わたしゃパンク好きわたしゃヘビメタ好きわたしゃ演歌好きとか好みがなんであろうと有無を言わさず気に入らせてしまう恐ろしきヒット根性気迫満点のアバであります。
曲目等詳細
日本盤
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4/7(水)
日本洋楽楽団
NOUVELLES VAGUES
ムーンライダーズ
1978/12/25
シリーズ「新波倶楽部」
日本の洋楽ファンにとって一番近しい日本のバンド、それはこのムーンライダーズかと思います。って思っていいのか(^0^)。いいか。思います。の78年の作品がヌーベルバーグ。そもそもミュージシャンちゅうのには2種類あると考えまして何より先に音楽好きでやたらめったら音楽聴いてその時に好きな気に入ってる音楽をやりたくてしょうがないリスナーズ・ミュージシャン、も一つはまず言いたいこと出したいことがあってそれを出す方法として音楽をするとゆうアーティスト・ミュージシャン。ムーンライダーズ、一応リーダー役の鈴木慶一氏は前者の典型の方ではないかと。わたしゃ音楽ちゅうもの夢中になってからずっともっぱら洋楽好きだったんですけどこのムーンライダーズに本格的に興味を持ちましたのは実は慶一氏のある雑誌に寄稿しておりました洋楽アルバムレビューからだったのであります。くしくもこの盤が出たあたり。その記事はプログレに関するもので、今まで興味が無かったそのジャンルに彼がどんどん興味を持ち始めてこれもこれも面白いぞちゅうものでした。いやあ面白かった、その記事が。思わず乗せられて載ってたアルバムこっちまでどんどん買っちゃったくらい。してそれらの盤がことごとくまた良くて、こりゃあ趣味が同じだ。して当のご本人のバンドはどうなんだろうと。それ以前のムーンライダーズのイメージと言えばまあイスタンブールマンボの曲を少しラジオで聴いたことありまして、何とボズ・スキャッグスそっくりに歌う人がおるもんだなあ。その時夢中だったらしいですが(^0^)。で本格的に聴いたヌーベルバーグ、こちらの第一印象はまあカフェ・ジャックスだ。先ほどの記事の中で今一番面白いと書いていたのが英国のプログレ・ポップ・バンドのカフェ・ジャックス。速攻でやっちゃうんだと嬉しいやら笑うやら快哉するやらで。はい。好きだったらすぐやりたいそのアマチュアぽさにまず共感を。パクリちゅうても相手がそんなバンドだからなあ。誰も知らないかもしれんし、下手すりゃ共倒れ。ほんまに好きじゃなきゃ出来ん所業だ。他の曲のそこかしこにもさっきの記事中のバンドのエッセンスがそこかしこに。こりゃあおもしれーですんなりとお気に入りブックマーク入り。ただ引っ掛かるとこも無いわけじゃなかった。まず歌詞。こっちは洋楽に慣れてるんで直接的に言葉が入って来るのが恥ずかしくてまいった。またちょっと恥ずかしい言葉が出てくるんだこれが。特に2.にはまいった。こちらもはにかんでお昼寝しそうに。「僕」とか「俺」とか何か恥ずかしい。これはもしや本人達もちと恥ずかしいのではないかと。でもやりたいからやってますってとこがまた良いところかもしれんなあ。そしても一つの残念点、それは音質。日本のバンドって最終的にいつも無難な音質にされてしまうとこがあってかねがねやだったんですがやっぱりこの盤もそれが。これは一体どうしたことか。エンジニアがレコードってゆうのはこうゆう音にするのがプロちゅうもんだよって本人達の意向に関わらず最後にはこうゆう音にしてしまうのか。絶対ラズベリーズみたいな豪快なのにはならんのだよなあ。昔ライブで偉そうにしてたPAの人思い出していやーな気分になってしまった。これがぶっとい音でやってくれたらと思うと、これからでもいいから実現しないものか。てなハンデがありながらも興味はしんしん、この後も続けて聴くことにはなるのですが。ベストトラックは最後の曲、かしぶちさん訳詞のミルトン・ナシメントのカバー、トラベシア。これは後年、原曲聴いてますますその良さが倍増いたしました。日本語に直して歌うってこうゆうことなんだよなと。実にびったしはまって。さすがリスナーズ・ミュージシャン、ど真ん中をいつも見てるのですね。
曲目等詳細
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4/8(木)
奇跡
Round the Back
Cafe Jacques
1977
シリーズ「プログレ支部」
こうゆうバンドを勝手に応援するためにわたしゃこのろっくすをやってると言っても過言ではありません、それほど惚れ込んでいるバンド、カフェ・ジャックスです。たった2枚しか残していないアルバムのこれは1st。ムーンライダーズの鈴木慶一氏のレビューでその存在を知って誰じゃこりゃのメンバー、当時知ってる名前と言えばゲストのフィル・ピカチュウ・コリンズさんくらいでしたがそのあまりにもの絶賛振りに思い切って探しに探して購入、横浜、東京のレコ屋さん巡って足が棒になったよ。でやっと入手、かけてみたらこれがもうびっくり。こんなバンドがいたのか。なんなんだこれは。以来、人生バンドとして私の右脳にインプットされ続けてます。音楽はと言えば狭間の音楽、プログレの要素もあり10CCみたいなポップもありスティーリー・ダンを思い出す瞬間あり、どうゆうわけかリトルフィートしてる時あり。一番の特徴はそのエキゾチティズム。無国籍。シンガポール?南仏?4.の曲名にもあるように「さらば愛しき人よ」、ハンフリー・ボガードのフィリップ・マーロウが煙草をふーっとふかして雨のパリの酒場カウンターでぶつぶつ何か言ってる風景がお茶の間に忽然と現れて来てしまいます。メンバーはこの時点で3人。ボーカル・ギターはクリストファー・トムソンさん。このバンドしか名前を見たことが無いす。その独特のヴォーカルはこのバンドの特徴であってまたその癖であかんちゅう人はあかんって言う人もあるかと。イギイさんボウイさん所属の世界低音倶楽部(^0^)からおお独自だ初出だと大いなる賛辞がよされらたとゆう(うそ)。キーボードはピーター・ベイチさん。後にペンギン・カフェ・オーケストラであのぱほぱほアコーディオン弾いてます。ドラムのマイケル・オグドリー氏は後にシンプル・マインズにちょこっと参加。で重要人物、それはプロデュースのルパート・ハインさん。ミスター・シャープと異名を取るこのお方、フィックスのあの切れまくりサウンドでお馴染みですがこの盤でもそのセンス塊の手腕を惜しむことなく発揮、代表作って言っても良いんじゃないかと。ゲストには前記のフィル・コリンズ氏。隣のスタジオでジェネシスのレコーディングしてたそうでハイン氏と知り合いで呼ばれたそう。正直言ってこの盤のどこでぱたこんさせてるかわからぬ。この盤製作時にベーシストが脱退してしまったのでここで弾いてるお方がジョン・G・ペリーさん。キャラヴァンの夜毎太る女に参加してる人だ。かなり貢献しててサウンドの核となってます。も一人マルチな人ジェフ・リチャードソンさん、この人も中後期キャラヴァン人だ。はい、後はどうか現在奇跡的に日本盤が出ているこれをぜひ入手していただいて堪能してみて下さい。この77年にしか出てきようがなかった音だけど、時はパンク出現おおわらわ時代、5年後だったらエジンバラ周辺同郷のスティーリー・ダン・シンドローム、ダニイ・ウイルソンらと共にブレークしたかもしれんが、くそースーパートランプも最初は苦戦したようにこう言ったジャンル分けしにくいバンドはいつの時代も辛い局面に立たねばなりませんす。シングル・ヒット向けじゃないところに味があるのでそう言った面でも不利。だから勝手に応援しちゃいます。これは相当な音楽なのだ。
曲目等詳細
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4/9(金)
お帰りブギ兄弟
Honkin' on Bobo
Aerosmith
2004/3/30
シリーズ「ブギー兄弟」
これが熱くなるなっていわれたって無理でござんすよのエアロスミスの新譜登場。その名も本気のボーボー。ブラジルでもぼーぼぼぼーでもxxでも無し本気だぜ。お帰りブギー兄弟。そもそもエアロ、出だしはちゃきちゃきのブギーブラザースだったんだよなあ。んでファンク兄弟になって散開、戻って来ては長期持続モードのヒット兄弟、で今回はヒット兄弟の懐、余裕のまま戻って来ておくれだね、ブギーに。製作はドロー・ザ・ライン以来の再会、大家のジャック・ダグラスさん、納められてるナンバーは1曲を除いてブルース・クラシック・カバーと気合の入り方が違います。ジャケの美しさも見ておくれよう。しっかしタイラー唇ちゃん、凄いねえ。世界一シャウター顕在です。つうか歳取ってさらにパワーアップしてるんじゃないか。わしらも見習って頑張らねばなあ。盤を通じて渋さ知らずのとこがまた良いぞ。この曲群で渋くやられた日にゃあそりゃもう爺むさい、歳考えればそれも当然のとこを、これだ、もうロックです。ど派手。それが何より嬉しいじゃあーりませんか。収録曲は12。1.はもうクラシック。作者はボ・ディドリー。だよな(^0^)。プリティ・シングスを始め色んな人がやっておりました。2.はスマイリー・ルイスが最初にやった人かな。3.はサニー・ボーイ・ウイリアムソンの曲。BBキング親父もやっております。4.はお馴染み。これもサニー・ボーイさんの曲。ゼムがなんつっても有名ですがテッド・ニュージェント、AC/DCもやっとるぜ。5.は何だろう。知らないぞ。6.はボニー・レイット姉御の師匠、フレッド・マクドウェル爺の曲。7.もそうですがこれはもうストーンズのお座敷ブルース版がお馴染みですね。8.はこの盤唯一のメンバー・オリジナル。これら猛者曲に混じって何ら違和感無く遜色無きは貫禄のなせる業でござるか。9.はウイリー・ディクソン作。ハンブル・パイのめっちゃやたら熱いヴァージョンを思い出すぞ。10.は、ばぶー・リトル・ウォルターおいちゃんの曲。11.はおっかないジャケットのやつとかに入ってるフリートウッドマックのやつだ。そして最後12.はブルース・トラッド。つうか黒人霊歌時代のだな。個人的にはライ・クーダー兄さんのヴァージョンが真っ先に。の12曲。何のてらいもない選び方だと思う。原曲並べて聴くと激渋、セピアかかるこの世界をこんなんしちゃうんだからさすがエアロだ。年季入ってからのこれでこれからさらに期待爆発。これからも気合が入ることが出来る好きなことを思い切ってやっておくれよう。ヒット兄弟時代は、私ご無沙汰でしたが、これならもう、今後もお世話になります。どうかよろしゅう。
曲目等詳細
限定盤
日本盤
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4/10(土)
土曜ビートルズ
Extra Texture
George Harrison
1975/9/22
シリーズ「トルズを聴こう」
奥さんパティがあろうことか大親友エリック・クラプトンはんとくっついっちゃって別居、裁判、酒浸り、自らのレーベル、ダークホースを立ち上げてのラヴィ・シャンカールとのツアーの酷評(前半えんえんとラヴィさんのコーナーだったらしく(^0^))と70’s前半が嘘だったのような逆風吹き荒れるハリソンさん。それを払うには音楽しか無いとばかりに1年の間隔で作ったのがこの「ジョージ・ハリソン帝国」です。いつもの友達がしっかりサポートもやけに孤独な印象を受けるのはそんなためかなあ。1曲目ユーはシングルカットで中ヒット、ロニー・スペクターさんのためのシングルの作り直しだそうです。とっても明るいけどやっぱり振り払うかのごとく。前作ガラガラの声だったのは元通りになって一安心。そしても一つの目玉は3.の「ジス・ギター」。これはどうしたってホワイトアルバムのホワイル・マイ・ギターを思い出してしまうよ。あの時のギターはエリックさんだったのだなあ。今回はこのフェイズ・ギターはあのジェシ・デイビスさんです。なぜ自分で今回も弾かなかったのか。辛かったのか。ギターを泣かせるのが。こっちも聴いて泣いてしまいます。と目立つ目玉は2曲なんだけどこのアルバムのキモはその他の似たような(^0^)、穏やかな曲群にあるような気がしてなりません。これをやることで自分を保っていたのか。それは遠い海の向こうのこちらには想像するしか無いのですが。一緒に傷を静かに治してくれるようなそんな曲たち。そんな中で裏ジャケに書いてある「このアルバムに出演していない人たち....ピーター・セラーズ...エリック・アイドル」の名前を見てほっとしたりして。ギャグを忘れていなければ大丈夫だあ。セラーズさんと友達だったんだ。彼が時々やる中国人の扮装はジョージの東洋大好きの影響だったそうで、そうなのかー。で、このアルバム、前作ダークホースに引き続き売り上げ不調、と言ったって最高位8位まで言ってるのだけど、でダークホース・レーベル出発の際の親会社A&Mとの間に軋轢が。まだまだ北風がぴゅうぴゅうと。でも私は好きです、この時代。ジョージはやっぱジョージだもの。しかもこの時期にしか出来ない表情な訳で。あの文字くり貫きLPジャケットは今でもしっかり頭の中で浮き上がっています。彼にとっても聴く人にとっても個人的に誰にも言わないで聴き続ける盤ではないかと。
曲目等詳細
日本盤
試聴はここで。
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4/11(日)
ファンタスティーック
Fleetwood Mac
Fleetwood Mac
1975/7
シリーズ「ヒット王」
まず最初に、この盤は特別なんす。マックの最高の出来のものは何かと問わるればそりゃあ噂でんがなと答えますが一番好きなのはと言えば別の要素もごんごん加わっちゃってこれになっちゃう。それは昔も今もまったく変わらず今回のリマスターでさらに思いを深くいたしました。これを出す前のマックはと言いますとブリティッシュ・ブルース・バンドから脱却、独自の英国ロック路線を粘り強く歩むもことごとくセールス的に敗退、メンバーも固定出来ぬ有様ではたと考えたリーダーのミック・フリートウッドさん、これはプロダクションに問題があるのではとエンジニアのオーディションを行います。そんな時やってきたんがこの盤のプロデューサー、サウンド・シティ・スタジオのキース・オルセン氏。こんなんやってますと聴かせたのが自らの初製作盤、バッキンガム・ニックスのアルバム。まったく売れんかったその盤を聴いてピピっと来たミックさん、キース氏もろともバッキンガム・ニックスをバンドに加入させるべくアプローチ開始。丁度フロントマンのボブ”エボニアイズ”ウエルチ眼鏡が止めちゃったとこだったのね。しかしまたもや成功しておらん人間を入れようとするとは。この時点では海のものとも山のものともわからんのにこれは人生を賭けたカンだったかもしれぬ。最初はリンジイさんのみ入れようとしたらしいが彼がこの娘は欠かせない相棒です、わたしゃ一緒じゃなきゃ嫌よと恋の病にとろんとした目で言ったものだからこりゃ仕方が無いと二人とも加入させて、ツアーで手探りから両者のサウンド融合。そしてこの盤の製作にかかった次第でございます。毎回聴く度に思う謎、それまでの盤と打って変わったこの洗練は何故か。今日もこの直前の盤、あのおっとろしいジャケの美女と野獣を聴きますとマクヴィさん作の曲においてはもうすでにかなり噂マックしてるんだけどやっぱかなり垢抜けない。ド真ん中突き抜けそうでぼわっとしてる。これがこの盤でがらっと音楽の中心絞込み音が出来たのはやっぱリンジイさんニックスさんの存在故か。言い換えればぼわっとしてたのはその後のパリスでは全然違うことしてシャープになったものの元来はぼわっと男のボブ・ウエルチさんがいけなかったのかもしれません。ぼわっとが味でそれはそれで良いんだけど。さらに不思議なのはリンジイ・バッキンガムのアルバムも洗練と言うには今ひとつだったこと。これは両者の出会いによって何かわからぬバンド・マジック、初めてこれって音がみんなに見えたのだろうかと。それが伺えるのがリマスターで登場のJAM
NO.2。これは剣豪の果し合いみたいに凄いす。ちょんちょんと突き合ってお互いの間合いと音を確かめてる。そしてコンサート。たまたま入手のその頃の音を聴くと見事にそれ以前のマックの音と噂マックの混ざり合いでござった。な訳で新生マックはまごう事無くバンドであります。一人一人では出来得ない音が全員揃って初めて出来得たと。それがこの頃は心底わかっていたからこそこの後二つのカップルが破綻しても必死になって次の噂を作ったので無いかと思っています。
最初に戻って何で私がこの盤を特別だと思うか。それはその最初に融合して出来たこの音のキラメキが最初でなければあり得ない音で詰まっているのが大きいかも。それが特別な雰囲気空気で味わえる。すっかり溶け合ってこれはどのジャンルのどの音楽だなんて最早わからんようになってるもんな。ここまでの境地に達してるのは私が聴いた今までの音楽の中でもひじょうに稀なのです。摩訶不思議。音楽聴く一番の魅力はそれなんで。それの真骨頂はオーバー・マイ・ヘッド。チャートに上がって来て最初聴いた時はそりゃもうこれは何なんだ、ソウルか、バンジョー入ってるし、何なんだーっと感じたのを今でもくっきり覚えております。
今回のリマスターで(ご好意でVさんに速攻で聴かせていただきました。もう大感謝。)音はと言えばそれは噂と同じく地味ながら的確なグレードアップ。同じく名人ビル・イングロット氏の手によって締めるとこは締め出すとこは出しの文句無しこれがリマスターだ音です。未発表は先ほどのジャムだけなんだけど嬉しいのはシングル・ヴァージョンの付加。改めてびっくり。こんなんだったっけ。まったく別録だったのか。だよな。普通はシングルの方が無難にキャッチーにするのが当たり前だけどこれはこっちの方が異様な迫力、怖いくらいです。どう怖いかはどうか聴いてみてくださいまし。これはこのヴァージョンを加えてがこの時点でのマック像丸ごとだなっと完全納得した次第であります。
曲目等詳細
日本盤(通常仕様)
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4/12(月)
隣の入口
Stax Gold
Various Artists
1998
シリーズ「ブラック道」
まず何にやられちゃうって言ったってこのジャケット、燦然と輝くSTAXのレーベルマーク、Tシャツになって売れちゃうとゆうこれにひかれてついふらふらと買っちゃったりして(^0^)。STAX、モータウンがソウルの北の帝王なら南の王者はこのレーベル。真っ黒なサザンソウルをその質の高い音楽で60's,70'sに全国区にまで引き上げた張本人であります。出した名曲、それはもう星のごとく、シングル集めた2万円なんて凄いボックスありんすがんなもの宝くじか万馬券でも当てないことには買えないよう。で、その取っ掛かりにとてもふさわしくまたとってもふさわしくないかもしれないのがこの盤です。はは。STAXについて少しでもご存知の方はまずイメージするのはオーティス・レディング、そしてブッカーT&MG’S、そしてサム&デイブかな。ブルース・ブラザースでお馴染みのあの世界。あれアトランティックのソウル?と混ざっちゃってしまいますが全国販売を担当してたのがアトランティックとゆうことで密接な関係で。でこの盤まずそのサム&デイブが入ってません。ブルース・ブラザースつうと彼らの”ソウルマン”なのにー。それを外して何が入ってるかと言うとうーん基準は何だ\(^o^)/。先ほども書いたようにSTAXで有名なのは60's後半のサザンソウル大盛り上がり期、でもその前もその後も凄いんだよ、でも全部はとっても行けないからその中から私が好きな曲を選びましたてのかもしれん。でもでもさすがすればっかじゃ誰も買ってくれないかもしれないので最後に御大オーティスの大代表曲とMG’Sを入れましたってのかもしれまへん。その通りに(って勝手に決めてるけど)、まずもう全部曲が良いす。ポール・ロジャースからロッド・スチュワート、はてはブライアン・フェリー、デビッド・ボウイまでなみいる英国ロック勢が憧れのまなこで見つめたソウルの世界。ローカルに留まらず全米規模にまでなってしまったその魅力に聴けば思わず納得してくだはるはず。そして先のイメージを持ってはる人々には何じゃこりゃの嬉しい意外さも。70'sになってからのファンク路線、1.のステープル・シンガースや6.のジーン・ナイト、アイザック・ヘイズのシャフト、そして極め付け12.のバーケイズの爆裂ファンクのかっこよさって言ったら。さらにヘソの10.で3大ギタリストの一人、アルバート・キング登場、8ビート・ファンク・ブルースどでかいでかましてくれ、11.のプライヴェイト・ナンバー、曲名からしてポール・ウエラーちゃんが好きそうな名曲あり、13.おっ、ベスト・オブ・マイ・ラブのエモーションズだ、でもこれはそのヒットのずーっと前のやつですとかほじくりかえして面白そうな要素が一杯。選者のおいでおいで仲間においで〜が感じられて、くそーそうやすやすとと思っていてもふらふら〜と、ってそんな盤かと思います。味が濃そうで怖そうですがうめ〜ですんで安心なのだ。
曲目等詳細
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4/13(火)
ラジオで聴いた時
Now & Then
The Carpenters
1973/5
シリーズ「ヒット王」
70’sの音、カーペンターズ。私はこの盤に入ってる”イエスタデイ・ワンスモア”で洋楽を聴き始めました。中学に入ってすぐアイワの9800円のラジカセを買って貰ってそれが土曜日で次の朝、ラジオ付けて聴いたのがたしかニッポン放送カメちゃんのポップス・ベスト10。それが運のツキ、それまで音楽と言えばもち歌謡曲、しかもTVだけだったのが英語で歌ってるポップス初遭遇、英語習い立てで興味もあったのかいな、もちろん最初はほとんど何じゃこりゃあだったんだけど、その中でハナからああ良い曲だなあと思ったのがイエスタデイ・ワンスモアだなや。なんつうか大人でビンボくさい歌謡曲とは違って華やかで余裕で。英語の歌聴いてるんだぜみたいな背伸びも心地良かったのかもしれん。で、彼らの曲やってる番組探してはどんどん聴いたのだけどじきに不良化しちゃって(^0^)さあアルバム何か欲しいなあって時にはもうケッ、カーペンターズ、お子ちゃまじゃんなんて言う様になる。そのくせ実はまだ好きなので全米TOP40など生意気に聴きだす様になってもオンリー・イエスタデイとかランクインしてくると嬉しくなって自分で書き写してたチャート・ノートで赤字でこっそりマークしてたりして。あれから30年経ちました。フランク・ザッパやらポップ・グループとかサンラとかますます生意気なもん聴いちゃってすっかり汚れた、ははは、耳になって聴いてもまだイエスタデイ・ワンスモアは凄い。考えてみるに音楽もろくに知らない人間が初めて聴いて良いなあなんて思えるってかなり相当なもんだなと。音なんて空気の振動なんすからそれが感情を動かして嬉しくなるなどとゆうのは訳わからない宇宙のマジックです。だいたいザッパは難しくてカーペンターズはわかりやすいなんてのも謎。カーペンターズだってかなり複雑な音の技術で構築された音楽だかんな。フリーな音楽の対極にある彼らの音楽もある意味アバンギャルドだなあなんて思ったりして。怖いくらいに真面目に作って、この勢い的には最後の方のアルバムではかなり凄みがあります。ジス・マスカレードのカーン、柔のや〜ると〜思え〜ば〜カーンのカーンだけはやっちゃった(^0^)みたいでかわいいけど。ジャンバラヤなどあまりの洗練道でカントリーなのに全然土臭く無い。鋼鉄の感触で非人間的でテクノやないかってこれだけきゅうきゅう絞っていくとやってる本人たちが苦悩してたのも頷けます。アイ・キャン・メイク・ミュージックもシャレにならない悲痛な叫びに聴こえてきたりする。その覚悟の上にB面の頂点曲、イエスタデイ・ワンスモア、そしてオールディーズ・メドレーに突入。ギターのトニー・ペルーソさんのやけに陽気なDJでつなぐも楽しく気楽にやりたいけどやっぱ超真剣で作りこんじゃって最後のイエスタデイ・リプライズが、あの頃に戻りたいけど戻れないってマニフェストとなって。きゃんきゃん言って夢だドリームだと前進また前進のあげく間違いも山のようにしてしまったアメリカ自身なのかな、してみるとこのメドレーの選曲はなどと考える私はうーんやっぱもう汚れた耳かいな。イエスタデイ・ワンスモア。でも戻れない。けど汚して良かったかも。かなりしわわせなんで。ハナっからこのアレンジが良いんだよなあなどと生意気な口きくようになったのもあんたらのせいや。感謝してます。
曲目等詳細
日本盤
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4/14(水)
エクスキューズ・ミー
I'll Play the Blues for You
Albert King
1972
シリーズ「ブラック道」
米ブルース界3大キングの一人、アルバート師、1972年のアルバムです。時はニュー・ソウル、ファンク華やかなりし頃、そんな中STAXにおいてブッカーT&MG’Sと組んでずっと8ビート・ブルースをかまして来た彼が今回はバーケイズ、アイザック・ヘイズ・ムーヴメントそしてメンフィス・ホーンズをバックにやっておくれなその曲は...代表曲の一つ、わいがあんたのためにブルースを演ってあげんよ。情感のBBさん、豪快のフレディさんに対しましてアルバートはんの魅力、それは腹八分目のクールさではないかと感じております。でっかいなりしてかわゆいお顔、性格はわがまま(多分)、ギターはフライングV、これが見かけによらず繊細な音じゃ。軽々と唄って飄々と弾く。初見のインパクトは無いものの聴いてるうちにどっぷりはまって大好きになってしまうわ。アーシーの極地のジャンル、ブルース。定型の極みでもありますから問題はモチベーション、いかに気を入れて演ることが出来るか。そしてリアリティ。これが聴く側にいかに伝わるか。で何より飽きさせないこと(^0^)。全部同じじゃんって言われては身も蓋もありまへん。この時代、ご存知のようにロック勢によるブルースがもう大挙して嵐吹き荒れさせた後、ジミヘンやらクラプトンはんやらやたら派手で凄ぇやもてる顔だわで、彼らにリスペクトされてうほっほって喜んでばかりもいられません。ずっとブルースし続けなければ。でこの盤で”わしを刺激しておくれ”は時代の真っ黒い音との邂逅でござる。丁度8ビート・サザン・ソウルの梁山泊として君臨してきたSTAXレーベルも変革の時、16ビートの波が混ざりつつ粘ってファンクもかぶりつつ、その音に実に自然にのって歌いますアルバート師匠。バックがアイザック・ヘイズのバンドは言わずもがなバーケイズ、STAXの2ndホーム・バンドとして2番手ならではの柔らけー変わり身で流行の音を写して来た連中ですんで盛り立てる脇役としては文句無しでござる。リアリティもあるでござるよ。昔はさんざ苦労したけど今は何とかこないになれた、若い連中も助けてくれてどうだいこんな俺のギターでも聴いてみるかいてな(^0^)。白眉はやはり冒頭の前記表題曲。なんちゅう曲の良さ、題材の良さ。ギターソロの前に「エクスキューズ・ミー」なんて言っちゃってこのー。ソロ後半の空ピックがまたこのー。メンフィス・ホーンズの無慈悲なラッパ、サイドのワウワウ・ギターもこのー。他はどうか。2.はもはや曲がブルースでは無いブルース。5.はヘヴィ・ファンクでもあるブルース。ファンクですからJBさんも登場だ。もう一回洗濯し直しの6.。はい、ご飯のように毎日食べ続けられるブルースです。しかもおかわり。
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4/15(木)
リッスン
Bad Company
Bad Company
1974/6
シリーズ「悪い仲間達連合」
70年代の一時期、バッド・カンパニーはそれはもうロック・ファンにとってパープルやゼップに匹敵するくらいでっかい存在でありました。何つってもフリー、モット・ザ・フープル、キング・クリムゾンのメンバーが作った掛け値なしのスーパー・バンド、もっともモットは日本ではあんまし人気が無かったのでもっぱらフリーのポール・ロジャースが作った2番目のバンドだーてなことで。バンド名もバッド・カンパニー、いやーかっこいい。レーベルもスワン・ソング、レコード盤の真ん中でのけぞる鳥人間、これがロックファンの浪漫心をくすぐらせないわきゃあない。そしてとりわけ当時のロックバンドをやってたもの、ギターを買ってミュージシャンを夢見るものにとってさらにどでかい存在、それは衝撃の1曲目キャント・ゲット・イナフだ。パッと聴いてやったあこれは簡単だとC、B♭、Fのイントロはアルペジオの王道、天国への階段、リフの王道、スモーク・オン・ザ・ウォーターとならんでコードの王道として君臨しておった。もっとも他の曲同様、続くとこでもうつまづくのだけど(^0^)。なーんも新しいことをやってないバドコ、実はものすごー新しかったと今になって思うのはこのとてつもないシンプルさではないかと。大抵のロックバンドはいやー出来ません、すげえなああのプレイ、あんな風に弾けたらなあとゆうとこで威厳を誇るもんだがこのバドコ、先のキャント〜を始めやろうと思えば誰にでも出来ます。なもんで数多の初心者ロックバンドがこれに挑戦、しかーしこれがとてつもなくヘタレな結果に。シンプルなだけに実力の差がこれまた誰にでも一目瞭然、全員一同落ち込んで、ラウンドアバウトなど仕掛け満載でよくやったなあコピーと別方向で感心してもらう方針に変えるのであったとほほ。70’s中盤になるとロックもある程度形式が出揃ったとこで出て来た地力だけで勝負のバンド、それがこのバドコだったと思います。それは意識してかしないでか。フリーでバンド維持にほとほと疲れていたポール・ロジャース、サイモン・カーク。モット時代に彼らが再結成フリーの時アメリカ・ツアーで同行してすっかり意気投合、ようやく成功したモットでヴォーカルのイアン・ハンターの資質と合わずますます自分の曲をやって貰わなくなっていったミック・ラルフス。天然優しおいちゃんボズ・バレル。でっかいのはやはりようやっと成功したモットのすべての若き野郎どもを体験したミックさんかも。良い曲を書いておれば余計なことはしないのが一番だと気付いたのか。彼のキャッチー&ポップな資質にご存知哀愁野郎のロジャースちゃんが組み合わさって、ドライヴィング・ロックにちびっと哀愁風味の極上ブリティッシュが完成。みんな涙大感激。なのは良いがここからが問題。フリーに比べるとどーも...とかあまりに素人にも出来るそのサウンドで、ふっバドコねなどとバカにされる次第で。軽いってのがバカにされる第一の原因のようですが、それはあれだボズさんのオポンチ・ベースの貢献大だぞきっと。フロントの二人の切れまくる音、ロックステディなサイモンさんのドラムの間を縫ってぽこーんとずんこずんこと絡むそのフレーズたるや、あはは、能天気です。そこが分かれ目。わたしゃそれがあるからこそ好きなんだけど。先にも書いたように問答無用のシンプルサウンドが大好きです。注釈入らない大ロックが。それが最も自然に出来たのがこの1stで、私がロックを聴きたいと思わせる全てがここにあります。ギタリストより作曲家で行きたかった上がり性のラルフスちゃんの喜びが伝わってくるよう。
曲目等詳細
日本盤
試聴はここで。
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