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今日の感謝盤一覧2005.7下

 

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7/17(日)
ストレンジなマジック
cover
Face the Music
Electric Light Orchestra
1975/10

シリーズ「桜の木クリニック」

好きなバンドがブレークする瞬間を聴くときほど音楽ファンにとって幸せな時間はありません。それはもちろんリアルタイムでも後追いでも。とにかく大好きなELO。エルドラド、フェイス・ザ・ミュージック、ニュー・ワールド・レコード。この3枚は宝物。人生盤です。特にエルドラドからこのフェイス・ザ・ミュージックに移る瞬間は正にストレンジ・マジック。ぞくぞくしちゃう。前人未到、自分達だけの音楽を作ろうとして少しづつ少しづつ、それは下世話、POPさのバランスであったり各楽器の音色、混ざり具合であったり歌い方だったり尺だったり、オブリガードのフレーズであったり。やろうとすることだけは最初からハッキリしてた。無類のビートルズ・ファン、ジェフ・リン氏がマジカル・ミステリー・ツアー、特にアイ・アム・ザ・ウォーラスのワンダー世界を自分達で何とかものにする。一番素敵に自分で聴きたくて。それが完全に見えたのがこのアルバムだと思います。見えた上で時は1975年。ディスコつう踊りの音楽の黎明期。その楽しさの香りを自然に吸収してその端々しさイキの良さまでもちゃっかり入れちゃってもうピカピカだ。とにかくでかかったのはエンジニア、マックとの出会いです。前作の「見果てぬ想い」のシングル大ヒットでツアーにつぐツアー、その最中にシングル2曲録音のために立ち寄ったミュンヘンはミュージックランド・スタジオ。そこにその男はおったとゆう。才能をみるみるうちに開花宣言していったルイス・クラーク氏とリチャード・タンディ氏と共にここにELOの三奉行勢揃い、マック氏の爆弾ダンゴサウンドで一本真ん中に芯が通ってケリー・グロウカット氏の魔法の裏声、ベブ・ベバン氏の80’sゲート・ドラム先取り爆音ドラム、バンド・マジックです。ミュンヘンでつうのがまた。ちょうどデスコの世界ではシルバー・コンベンション、ドナ・サマー嬢によるミュンヘン・サウンドのブレーク取っ掛かり時期で。こうゆうの逢うべき時期に人は逢うのでしょうか。思わば感動的です。冒頭はお約束幕開け大風呂敷インスト。これでもうワクワクドキドキ。ああLPを買ったこれからELOのめくるめく世界が始まっちゃうって気分大盛り上がり。ここはいつもちょっとやり過ぎかなってくらいなのが嬉しい。続くは前作同様バラードでリレー。この瞬間は映画です。タイトルがせりあがってクレジットが次々と出てくるのが見えるぞ。東洋風で有ったりほんとハリウッドドリームなのだ。で出て来る必殺シングル、イビル・ウーマン。フィラデルフィア・ソウルがっちり吸収。ピアノのリフのイントロ。16ビートのカッティング。コーラスは欠かせません英国伝統事務所勤務トウシロウお姉さん風。サビのオマヌケなカウベルが素敵。弦はざらざら、小編成チェロの松ヤニが弾ける香りがするアイ・アム・ザ・ウォーラス・ワンダーのまんま。これはビートルズがなし得なかった音楽です。4.ナイトライダーではついに登場、パフィでお馴染み、ずんだかずんだかビート。ポルタメント、ロール共に全開の弦が素敵で。ポーカーではELOロックンロール。ちょっとモタリ気味のベバン氏のドラムで重さ3倍増し。音が流れません。タンディさんの鍵盤もこの音しかない。とことんドラマチックに展開して次のストレンジ・マジックのさわさわとしたエレキの出て来る瞬間。トロとウニと松坂牛脂身を一緒に食した瞬間に匹敵します。多分。松坂牛はまだ未経験なんで(^0^)。恐ろしく単純なメロディ構成。これ以上何も足すことが出来ません。最後のバースでメロが瞬間ガーシュイン調になる。スリリングです。ダウン・ホーム・タウンはインチキ西部劇。これもお得意。町には中国人の医者が住んでおって訳のわからない漢方薬を日夜製造してる様が見えます。フォスター大佐が参勤交代で通過しました。太った黒人のメイドも見えます。風と共に去りぬで出て来るあの人です。最後は夢の夢、ハリウッド・ドリームで大団円。ああ、ELOのアルバムを聴いた。お金払って良かったなあ。すっかり勇者になって映画館を出て来ました。買ってきたパンフレット、よく見れば電気椅子。イギリス人です。シャレがきつい。

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7/18(月)
ふたりのシーズン
cover
Odessey & Oracle
The Zombies
1968

シリーズ「おひさまPOP」

凄いです。ゾンビーズ。凄いですこのアルバム「オデッセイとオラクル」。聴く度に耳がくらくら。とんでも無い音楽でペット・サウンズが生んだ子供では一番症状が重症、録音がアビーロード、エンジニアもジェフ・エメリックつう最高の環境で、ビートルズとビーチボーイズの美味しいとこ腹一杯吸収して。歌は上手いは演奏も文句無し、コーラス完璧、何より曲のモノが違います。間違えて買ったとしても後悔などまるで無く一回聴いてピンと来なくとも音楽好きならいつか必ずドカンと直撃すると確信いたします。そんなに凄いのなら名立たるデカ・バンド同様スーパースター列伝に名をつられなかったえらい不思議。これ聴いた時私もほんと不思議でした。で、ライナー読みちと調べてみると・・・えらいついてない君だったのか。あまりに気の毒なんでついてないバンド大賞を上げたいくらいです。結成は63年2月つうことで普通に学友通しでバンドを組んだ。名前をゾンビーズにしたのがこの先のすったもんだの序章かも。一発で覚えられるけど、こりゃキワモノ感てんこ盛りだ。当時のビートバンドならこの上無いレコード会社デッカからデビュー。デビュー・シングル「シーズ・ナット・ゼア」が全英最高位12位、全米最高位2位の大ヒット。一躍注目のバンドに。とここまでは最高にラッキーマンだ。ところがその後が。あまりにその曲のインパクト強すぎたのか後のヒットが続かず。売れなくて音楽もしょうもないものだったのならまだ諦めもつくのでしょうけど、バンドは急速に成長して行きました。会社は出来たんだからとヒットを望むし結果が付いてこないとプロデューサーともソリが合わなくなる。それで67年に誘われてCBSに移籍。期待大きくアビーロードで先の最高のスタッフで録音。第一弾シングルは「フレンズ・オブ・マイン」。これがまるで売れず。第2弾は「独房44」。これもまるで駄目。聴いていただければおわかりになると思います。何故ヒットしなかったか今ではまったく理解不能。両曲とも滅茶苦茶キャッチーだしPOP。しいて言えばフレンズ〜の方は複雑って言えば複雑、難解な感じがしたのかなあ。独房44の方はペット・サウンズの不幸を受け継いだとしか言えないよ。アメリカで同様にあのアルバムにショックを受けて出て来たあまたの素敵おひさまPOPのバンド同様、最高の音楽を作りながら謎の不発。音楽最高なのにこれまた結果が出ないと周囲もまた本人たちは一番持って行きようの無い不安爆発だったのかと想像します。それでバンドは2つの派閥に分かれてしまい分裂。ボーカルのコリンさん、ギターのポールさんはカタギに。ところが会社との契約がありました。残ったメンバーのアージェント氏とホワイト氏の二人はアビーロードセッションで録音してあったものの中から12曲選んでとにかくアルバム完成。それはモノだったため作り直し要求されて何と自費でステレオにし直して発売。でもやっぱ全くヒットせず。本国で駄目だったんだからこっちでも駄目だろうと発売中止にしてたのはアメリカのCBS。これで一巻の終わりかと思いきや。そこで登場は歩くパーじゃないや当時プロデューサーでCBSに入社したてのあのアル・クーパー氏です。何か面白いブツは無いかと英国へ出張、持って帰った40枚のアルバムの中からこれを発見。何てことだこんな物凄いものがオクラかえと仰天して会社に強力プッシュして、まずは「今日からスタート」をシングル発売。あはは全くそうだ。で2番目の「ふたりのシーズン」で来ました。怒涛の大ヒット最高位3位、アルバム「オデッセイとオラクル」発売、B面を「フレンズ・オブ・マイン」に変えてまたも「ふたりのシーズン」発売。100万枚超の大ヒット。しかしバンドはありません。アージェントさんたちは次のバンドの準備してた。欲しいゾンビーズのレコードって言われて急遽録音したり古いものから出してきたり、その間、アメリカ南部でニセモノ出現、ライブで荒稼ぎしたりとしっちゃかめっちゃか。カタギになってたコリンさん、この68年のアメリカ騒動見て69年にカムバック、ニール・マッカーサー名義で「シーズ・ナット・ゼア」のちょいサイケ・バージョンで中ヒット、72年には本名に直してのシングル・ヒット2曲とプチ・ブーム。日本ではカーナビーツの好きさ好きさ好きさで有名、もちろんふたりのシーズンも。後はすっぽり抜けて時は経ち、ようやく最近、CD時代になって改めて聴いた人間皆びっくりです。アージェント氏はバンド、アージェントで「北条ヘラ」とキッスがカバーしても有名になった「ゴッド・ゲイブ・ロックンロール・トゥ・ユー」などヒットで大成功、これがまた、私も好きで素敵なんすがゾンビーズと結び付かない同じ人なのかーの音楽でイメージがごちゃごちゃ混乱します。なのに「オデッセイとオラクル」。そんなこたあまるで関係無く静かで超然とした名盤。これらを踏まえて感慨に耽りながら今日も仰天しながら聴きました。けど、一番いいのは何も知らないでいきなし聴くことかもとかも思っちゃう。ああ、書いちゃった。すみません。「ふたりのシーズン」もアルバムの中で浮き上がっています。他の曲と違う。不思議だ。高崎さんはシングルのライナーでブルース調とか書いてるし。そうなのかー?!。

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7/19(火)
バルタン星人ほほほ
cover
Sylvie Vartan
Sylvie Vartan
1972

シリーズ「おフランス」

シルヴィ・バルタンさん。仏国の大スタア。バルタン星人です。別に似てるからバルタン星人だった訳では無くそれほど60’sの我が国で人気があったらしいとゆうことで。縦に長い容姿から連想したのかもしれませぬけど。先日行ったレコ屋さんで壁に飾ってたものゲット、700円、こりゃもうけ、家に帰って聴いてみたら各所数箇所針飛び。こうゆう時ほどCDが素敵だと思う時はありません。飛んだ箇所それは想像力でおぎない(^0^)アイドル歌謡だ。誰に支持されるかといやー、きゃあばるたん〜の当時少年青年親父のみーちゃんはーちゃんであることには間違い無し。しかあしそれだけでは無いこたああまたの歌謡史が証明するところ、何人かわからぬガキでさえ「♪せそわどへなそびは」とアイドルを探せを歌うのだ。結局歌が素敵なものが永遠に残る。足しも引けもせない流行歌は最高です。しかもこれはおフランス製。パリのマイアミにいる気分になれますから。言うことなしなのだ。現在もTVCMでもてもてです。ANAので「あなたのとりこ」、イオンのでは「アイドルを探せ」、2大名曲が放映中。圧倒的な時代の臭い込みのメロディと歌唱が画面に人を呼ぶぞ。CDでも各種ベストが出てるようです。リンクで見れますのでピンと来たもの入手なされてここではこのアナログのオスマシ顔、油断した顔込みで展覧しておきますのでゆっくりと眺めながら是非ご賞味下さい。プロフィールが載ってました。それによりますと生年は44年8月15日。ブルガリア生まれなんですって。高卒で大学入学資格初級。168cm50kg。瞳は栗色髪は金。4ヶ国語を話し好きな楽器はトランペット。好きな本は「星の王子様」。好きな食物はマトンの串焼き。趣味は釣りと馬券を買わない競馬見物。すきなものはてんとう虫、しだれ柳。未来の抱負はアリディさんの良き奥様になること。だそうです。面白そうなものだけ抜粋してすまぬ。完全版は詳細ページで。滅茶苦茶アイドルさんな歌詞と滅茶苦茶辛口な歌とが混在、やっぱりフランス女性、わたくしはここにおりますことよおほほほほな超然とした歌唱、何の迷いも無くクラシック曲に歌をのっけてさあどうだ、タフですおフランス。どうかお楽しみ下さい。

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7/20(水)
至上の音楽
cover
Spider Jiving
Andy Fairweather Low
1974

シリーズ「英国SSW」

こうゆうアルバム聴くとほとほと音楽雑誌なんてーもんは当てにならないなっての痛感します。あの人達も食う為に話題にしやすいものばっか記事にする訳でレビュー輸入盤コーナーなんかでこそっと取り上げたとしても気はそぞろ、最初から80点の心で書いて「渋いです。」の一言ですまされたりする。もしくはこの筋の人が書いてそうゆう方はこうゆうものなら何でも150点。読んでる人もその筋の方だからとカラー眼鏡で見ますんでそうこう言ってるうちに時は過ぎ去り世は流れ。何と申してもえらいのはエドセルさん。LP3枚をパーケージしてCDに。探せばこうして聴けるこの幸せよ。やっぱり美味い物喰うにはこちらから出掛けて自分で見つけなきゃいかんな。アンディ・フェアウエザー・ロウさんです。誰?私も長いこと誰?な方でした。最近ではエリック・クラプトン・バンドの鉄壁のサイド・ギタリストして有名。TVでライブが放映されても写るか写らないかのこの方がこんな最高の音楽を作ってらっしゃったとは。1950年ウエールズ生まれ。最初脚光を浴びたのは67年デビューのエイメン・コーナーとゆうバンドで何とアイドルさん扱いだったのだ。ライバルはピーター・フランプトン・ぴかちゅうさんのハード。人気絶大で出す曲出す曲ヒットにつぐヒット。69年までにナンバー1含む6曲をチャートに送り込みました。そんな人気者だったのにいきなしバンド解散。アンディさんも一旦はカタギになりかけたといいます。喧騒の音楽ビジネスが嫌になったのかな。しかし音楽への愛情断ち難く復帰、ウエールズの同期、デイブ・エドマンズ氏の初代ロックパイルのメンバーになってる。そして74年いよいよソロ・キャリア開始。契約したのはA&M。えらいのは全くこの会社。素晴らしい人選、環境でレコーディング許可しました。プロデューサーとして起用されたのがナッシュビルのエリオット・メイザー氏で、この方、あのニール・ヤング兄のハーベストのプロデューサーなのだ。録音はイギリスとアメリカ股にかけて。英国セッションではヘンリー・マックロー、デニス・シーウエル両氏、ウイングスのあの方々も参加。米国セッションのミュージシャンはエリオット氏のお膝元ナッシュビルの怪物バンド、エリア・コード615の皆さんです。そしてラッパ隊にはメンフィス・ホーンズ。まずはその方々の名人芸の数々聴くだけでご飯おかわり3倍は軽くいけちゃう。そしてその前に圧倒的なのは当のご本人。全曲自作の渾身の11曲。ヴォーカル・スタイルはブルー・アイド・ソウル。濃いです。お手本は多分スティーブ・マリオット氏かと。あのケツから搾り出す憧れのスタックス、メンフィス・ソウルの心で。CDのジャケ見て何かボズ・スキャッグスさんに似てるなと思われた方ぴんぽん。英国のボズさんかもしれん。ただしあの方はニューソウル以降の歌い方ですけど。音楽は遅れてきたスワンパーです。ロニー・レイン氏、マクギネス・フリントとか好きな方ならイチコロかと。ダテに遅れて来た訳では無くてそれだけ熟成されて芳香漂ってるのだ。熱唱のソウル・ナンバーもさることながら、やられちゃうのはさらっと来るバラード群で、誰が何と言おうと好きだオーティス大王のドック・オブ・ザ・ベイ。濃い人が力を抜いて歌う。でかいエンジン搭載のスーパーカーでゆっくりクルージングの快感をそんなん乗ったこと無いわてらでも味わえるぞ。「エブリデイ・アイ・ダイ」あたりから始まる後半の怒涛の名曲群。その最もたるものは全英最高位10位となった「レゲエ・チューン」です。文字通りレゲエなんだけどコーダ部で登場するトラッドメロディの奔流。か。たまらん。ラストの「ダンシン・イン・ザ・ダーク」でトドメ刺されて。74年と言いますと現在の雇い主クラプトンさんの「461 Ocean Boulevard」の年。同じようにレゲエでヒット。このアルバム知っちゃったからには・・・・こっちをこれから聴いてしまいます。お止め下さるな。判官ビイキとかではけっして無く、最高のアルバムなのだ。今年の己ベスト3入り決定。後の2枚は勿体無いので後日改めてやらせてもらおうっと。

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7/21(木)
汝を尊せよ
cover
Be Altitude: Respect Yourself
The Staple Singers
1972

シリーズ「ブラック道」

昨日やらせていただいたアンディ・フェアウエザー・ロウ氏のアルバムに引き続いてメンフィス・ホーンズがぶり言わせてるアルバムを。ステープル・シンガーズ!。1972年のキラー・アルバムです。すげえなあと思うソウル盤は数あれど、凄ぇ+大好き、自分の黒いベスト10で常に1位争いをしております。メンバーは4人。黒一点、ローバック”ポップス”ステイプルズ。父ちゃん。1915年生まれ。紅黒三点クリオッサ(34年生)、イヴォンヌ(39年生)、そして末っ子メイビス(40年生)とまあ左門豊作家族もかくやの歳の離れたファミリー・グループ。ロック・ファンにはラスト・ワルツでほんちゃんのライブに出演出来なかったもののどうしても出て貰いたく別撮りでとっときの「ザ・ウエイト」をザ・バンドと共演しましたから、ご存知無い方でもあああのと思われるかも。結成は51年シカゴで。思いっ切りゴスペルでエイメンしてた。その家族が一念発起、世にエイメン魂を流布すべく黄金のソウル・レーベル、スタックスと契約したのが68年でオーティス・レディング亡き後、アトランティックの配給を離れて独立した会社の看板を背負ってさー70’s、社長アル・ベルさんが陣頭指揮を取ってものしたのがこのリスペクト・ユアセルフ。「汝を尊せよ」だ。バックは当時ハイ・レーベルのハイ・リズムと双璧をなしてノリにのってたマッスル・ショールズの面々。そしてメンフィス・ホーンズ。ファンキィです。ブッカーT&MG’Sのはっちゃきビート、ハイの怨念ビートとはまた違う地面の中のキューカンバーの種の味。ぴっちぴちしたそのサウンドに乗って歌うは濃い声濃い声。うにゃやらおうおうやらにゃおーやらこねるこねる。最近デーヴァですか。和洋を問わずブラック風に歌い上げるのが流行りみたいですけどまあ年季が違うわな。20年間周囲の環境も含めてこねまくり人生ですから、もう2,3ヶ月習って形だけ何とかモノにして得意そうにしてるのとは訳が違う。おげ。親父発言だけどほんとだから仕方が無い。ですからいくら歌い上げても全くやかましくなく色艶とも素晴らしく艶やか心に染みる夏の夜。これだけ素晴らしいといくら味が濃こうが世間はほっとかず3曲ものポップ・チャート・ヒット出現です。まずリスペクト・ユアセルフ。後年、何とブルース・ウイリスさんがカバーしてお尻ふりふり胸毛ぼわぼわしたこの曲、最高位12位まで上がりました。必殺イントロ、ハイハット&ぽーんベースに導かれて登場するはぼよよーんヴォーカルの父ちゃんポップス、さらりと入って鬼の三姉妹コーラス絡み、段々来るぞ。娘乱入後は推すべし。この鍵盤、リムショットドラム、ベース、ラッパ、歌。音楽聴いて超上体験しよう。そして何と最高位1位を獲得したのが「アイル・テイク・ユー・ゼア」。わ、連れて行かれる。これもイントロの最初の一発でKOです。千鳥足の不思議なビート。同じくドラムはリムショット&ハイハット開きパシっ中心。これにうちゃうちゃギター入ったら即座にレゲエになってしまう。うう、とか、おんにゃとか歌詞と呻き混在で進行して行ってギターがパラポロリンと交錯、オー・マーシまーしなうとかずっと言ってるだけなんすが、バオーとハーモニカ直撃して頭くらくらするよ。音楽聴いて超上体験しよう。幽体離脱も可。裏ジャケみたいにジェット機に乗れます。三曲目は「ジス・ワールド」。最高位38位。アルバム冒頭でゴスペル・ヘッド・バッキン4万円ごんごんの曲。速度30kmオーバーで東名厚木インター近くでパトさんに拉致、本来なら免停なんだけど4万円で勘弁してあげるねと言われた優しいおまわりさんの無慈悲顔が思い出されます。その他、「あんた確かか?あんた確かか?」って物凄い形相で迫られる「アー・ユー・シュア」とか、ええとたしか確かだと思いますけど何分ヤワなもんで7割くらいは確かだと思いますと答える他優しくも厳しくも笑ってる名曲ばっか。「態度を明確にせよ、己を尊せよ」とスポーツ選手もしくは仕事マン、もしくは人生、生活に捧げられたメッセージ。声と楽器の一音一音で今日も叩き込まれました。ドーナツ喰うのはとりあえず一個にしとこ。

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7/22(金)
立ってなさい
cover
Countdown to Extinction
Megadeth
1992/7/12

シリーズ「ヘビメタ虎の穴」

ロック界の笑わん殿下、デイブ・ムスっとしてなさい、じゃあないデイブ・ムステイン氏率いるメガデスです。どーんとブレークの5作目。最近TVの「ヘビメタさん」で油断しまくりのキャラで嬉しいマーティ・フリードマンちゃんが加入して2作目。しかしあの方、ほんとにこんな厳しいバンドにいたのだろうか。最後のロックバンドREMの後に登場した最初のロックバンドがこのメガデス。最初はこれがえらいグランドレスリング寝技しかしない決め技は片エビ固めのにつうそりゃもうストロングなプロレスをやっていた。しかもそれは高速な動き。よく腰を悪くしなかったと思うのだけど人はそれをスラッシュと呼ぶ。スラッシュと聴いて何?と登場するのはナポソロと何をイリヤのクリヤキン。ああ話が続かぬ。もとい4作ものパンプアップ、果てしなきと思われたところに新加入マーティさんの美空ひばり好きが影響したのでしょうか。ついにバンドにメロディの神様が降臨です。しかし態度は同じ。いやより厳しくなったかもしれん。ジャケ通り悪魔が骨ソロバンをやってる最中、60年間立たされてるピカード船長のような音楽。しかもご飯まで骨ですかー。ああああと叫びたくなる気持ちわかるよ。まずもって音色が鬼だ。残響の時代の80’sに引導を渡すからっからの音。さらに塩をたっぷり振りかけてスキン&ボーンズになったところで苦虫噛み潰してムスティン君喰いよる。半端な気持ちで近づくとジャガー横田の婿にしちゃうぞの1曲目シキン・オマ・ティース。ここでほぼ半数が蹴り倒されます。マーティー君息継ぎなしのギターソロ。生き残った人間だけが楽しめるはキラーチューン、狂乱のシンフォニーだ。盲信して己を無くした人間へ突き付ける破滅の歌。MTVのアニメ「ビーバス&バットヘッド」でクリップ、見た時はぶっ飛び。これ以上キツイ映画は無いんじゃないかの「ジョニーは戦場へ行った」の映像を折り込んでどっかんどっかんミサイル爆発。それでこの歌詞だからお前はどうゆう態度なんだと逃れようも無し。何にもわからんビーバスらはヘッドバッキン。その前にサビの甘美さに容赦無く引き込まれるからそれも無理は無いぞ。さらに苦虫の行進続く3.。4.。びっくりバラードやってるよメガデスが。まだ笑わぬ。5.水戸黄門の登場に続きチラッと笑った(口の端が少し動いたの発見)デイブさん、遥か昔のブギウギ絡めて叫ぶ「弾丸の汗〜〜」。一糸乱れぬ行進の間奏にただただ圧倒されます。さあ5.「これが私の生き様だ。」。ついに登場メガデス流泣きのメロディ。鳥肌立ちますこの大技。この感触がたまらなく好きでこの盤の時期が一番、私にとって。続くアルバム・タイトル・チューンもメロディは続き、引いて引いて炸裂するサビ世界。ドボチョン一家の前段に続く、韻を踏んで言葉が戦慄に絡みつく。破滅的なバンドではけっしてありませぬメガデス。この曲の歌詞をご覧下さい。体を張って見栄と自己満足の為に破滅行為を繰り返す人間に匕首を突きつけてます。そう言うからにはのこの厳しい音なのだ。ちょっと甘やかしたかなと思い8.はまたまたチョークスリーパー、冒頭から「やれるものならやってみろ」。腰に来るミドルテンポの9.最高トロ。浪曲歌いの歓談10.最後は口に灰を突っ込まれて大団円。歌詞吟味出来る日本盤を。と言いたいところですけどCCCDだと。しかも前は入っていた日本だけの必殺ボートラ、ブレークダウン、そして映画「ビルとテッドの地獄旅行」のための「ゴー・トゥ・ヘル」が今度のは無し。どこへ回されたのだろう。外盤買っても歌詞は付いてるはずなんで原詞を己で噛み締めるのが一番かな。とにかく根性座ってます。鍛錬もさぞかし半端で無し。毎度作っては解散かとか噂立ったのもわかる渾身の音楽。聴く方もケツの穴締めねば申し訳ありませぬわ。喝。

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7/23(土)
LAの夜は魔窟
cover
One of These Nights
The Eagles
1975/6

シリーズ「完璧なシングル」

今週の「完璧なシングル」は「呪われた夜/イーグルス」です。70’sを代表するアメリカンロック・バンド横綱がディケイドのど真ん中に放ったキラー・チューン。グレン・キャンベルのカントリー・ボーイそのままに憧れの地カリフォルニアLAに入城してはや4年、腕達者の男一人、既に見ていた男一人、スカウトされた男一人、引っ張る田舎者二人。とにかく成功したかった。特に失敗しても最早帰る地は無い二人は。正にシーンの中での自分たちそのもの、アウトローを演じて場所を見つけ次の居場所を求めた前作「境界線にて」でやっと勝ち取ったナンバー1シングル「我が至上の愛」。この成功を逃す訳には行きません。今度は中心で動かして行かねばならぬ。さあどうしよう。元来不器用なバンドが次に取った手は、やっぱり素直に己立ち位置をここだと示した一作でした。魔窟の中で戸惑い恐れる気持ち。この時LAで魔窟の代表と言ったらデスコだそりゃ。カウボーイハットを外す勇気まだ無くそのまま入ってやらされたファンキイ・ソング。それがこの呪われた夜です。ワイルド・チェリーのプレイ・ザット・ファンキ−・ミュージックと同じ状況で。彼らはオハイオつう本場育ちだからあそこまでクローン出来て開き直れた。しかし鷲達はそうは行きませぬ。顔つき合わせて悩む。そこで出たのがベースのマイズナー氏のヤケクソの飛躍フレーズ。ふざけてバーニー氏がチャとその後にギター入れる。それだ!と直感のフライ、ヘンリーの二人、どーんどんと曲を書きました。問題は己でも十分わかってる全くグルーヴ出来ないドラム。マイズナー氏は自分で考えて後悔しながらとんでもないフレーズを弾いてます。ドラムは・・・AWB、KC’S当時出始めたホワイト・ファンクの曲を見つめる。そこで見つけたのが4つ打ちバスドラ・リズム。これです。これが後のディスコ・ブームを席巻した4つ打ちの異常に早い採用となり見つけることが出来たセンスが成功の所以なしごなでもあるどん。ぶよーん、チャ、どんどんと土台は決まった。それからまず入れるはツインリード・ギター。これはそのまま西部劇のまんま。歌のメロディは泣きたい気持ちのマイナーで。思わぬ簡単ドラムを手に入れたヘンリー氏が泣く。その間これならなんとか出来る16ビートカッティングをリズム・ギターは入れ、ツインリード隊が間に入れるオブリガードはレーベル・パートナー、黒いロックを難なくやってしまうオーリアンズのジョン・ホール氏のフレーズを拝借。コーラスは得意のファルセットでビー・ジーズ同様あっちから来たソウルが出来る。クライマックス、感極まったところで出すギター・ソロ。ここで生きますスカウトされたフェルダー軍曹。とことん粘ってスクイーズしながら切れもある愛器レスポールでこれしかないフレーズを決めてくれた。白が黒くなるために獲得したBBキング直系のポール・コゾフ・スタイル。もう一つの黒、カントリー・ロックンロールの人間しかいないバンドにあえて入れた異質分子が世界を広げて初めてなしえた。完璧なシングルここに登場です。75年6月の2週に39位ランクイン、7週後には1位を獲得します。6月4週には奇しくもビー・ジーズのジャイブ・トーキンも登場。お互い風を吹き合って高度3000mまで上昇しました鷲。売れたい野心と努力、才能が奇跡のように合体したPOPミュージックの鑑だと思います。チャの一つとっても長すぎず短すぎずその按配がプロだ。なお文中の曲製作過程は全て私の妄想。失礼いたしました。

シングル盤ジャケ

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7/24(日)
超イケてる
cover
Riptide
Robert Palmer
1985/11

シリーズ「英国SSW」

80’sで元気だったメジャー・レーベルといやぁそりゃヴァージンとアイランドです。そのアイランドの大将格として八面六臂の活躍をなされたのがこのロバパーさん。びっくりしたなもうのパワー・ステーション参加でどかんと爆発を受けて出したのが85年のこのリップタイドです。無愛想お姉ちゃんバックで熱唱のビデオクリップ。最高です。今でももち通用するアイデアだ。パーさん、ずっとシーンから一歩引いたところで伊達男さんやってました。その時その時にやりたい音楽に焦点を絞って名盤をどしどしと。ニュー・オリンズ・ファンクから始まってちょっとAOR、一転テクノ、そしてパー流ハウスつうか飛んでるやつをかまして最前線に立ったのが前作プライドです。周囲はせっかくええ男なんだからスタンダードかAORをやり続けてくれたらなあとか思ってたかもしれませぬが、そこはニヤっと笑ってちょっとだけやって、後はすかしてすかして。何の因果か、ファンだったとゆうジュラン・ジュランのジョン・テイラー君に出会ったのが運の尽き。ど派手なバンドのまん前でやるはめになっちまったよう。でもパーさんしか考えられん。パワステの歌手は。熱唱型でありながら引きのスタイルつう稀有な才の持ち主。同じ引きのスタイル、マーク・ボランはんの曲をあのととこんまでやり通した音で歌うには彼で無ければ。視線と耳をぐっと一回引っ張りこんでボっと出します。さあ、売れちゃったよ。じゃ行っちゃおうかなとニっと笑ってます。パワステの陣容引っ張って己のニュー・アルバム。録音はシグマ、レディランド、パワステ、そして主戦場パナマのコンパスポイントで。プロデュースもバーナード・エドワーズ氏に依頼した。で、風に乗って全く同じ路線で行くと思いきや。素直にするかいロバートさんでっせ。冒頭は34年作のスタンダード「リップタイド」。アイランド・レーベルの80’s匂いぷんぷんのファンタジー・サウンドに乗って。はい、期待通りにスタンダードですよってニっ。焦るな焦るなって意味もあり。ゆっくり料理をどうぞてか。で飛び出す2.「超イケてる」。待ってましたのハイパー・ハードロック。しかしちゃーんとプライドの音は生きてます。トニ・トプさんのでっかいドラム最高。これにまた絶妙の残響が。パワステみたいにど派手でなく、丁度いい塩梅の。こうゆうのは徹底的にやるか、それとも一番適した按配でやるかどっちかで無くちゃいけません。エフェクターあるから使いましたってのじゃすぐ陳腐に古く聞えてしまう。実際80’sの音はこれが多くて、その点この曲は全く古く無し。立体の音像を目指した80’sのサウンドの最高地点です。それをまた証明するのが3.恋におぼれて。あのやる気0のデルモ姉さんたちの顔が出て来る出て来る。真ん中でニターっとパー氏。古くなりそうでならないナウな曲だ。笑ってても馬鹿にしてる人は痛い目にあうかも。4.トリックバッグはアール・キング氏作ニュー・オリンズ・ファンク。そっちに行った訳でなくこっちにいるままだよとこれで表明してます。プライドのハイパーアクティブな音のまんまで。裏で入るドラムを追っかける突っかかる歌がイエス!。ここでレコだとB面。今度は自作でスタンダード調の曲を。冗談抜きに素敵曲。ほんとにスタンダードになっちゃう。6.ターン・ユー・オンは、もう、これがこの時のパーさんの最前線の音です。機械をも打ち砕く引きのクールヴォイス。かっこいいとしか言葉無し。下手すりゃ今でも最前線のままだぞこりゃ。7.フレッシュ・ウインドは超辛ハードロックファンク。熱くなればなるほど温度は冷えていきます。ボンゾさんが生きておったら叩きたかったろうな。8.もハイパーなロバ・パー・ファンク。でっかくも繊細なアレンジで愛の修行敢行です。ニっと笑いながら。最後はゆったりとリップタイド再び。レース激走の後、静かにクールダウン。ここまでのキャリアを全て出して歌えるアルバムを作りました。この後再びこうゆうの出してくれるにはみんなが切実に望むしか無かった。残念ながらそれはかなわず。今頃美女天使に囲まれてそれ歌ってるところかな。

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7/25(月)
暗闇祭ついに始まる
cover
Funkadelic
Funkadelic
1970

シリーズ「FUNX」

全世界暗闇音楽チャートのベスト10常連ファンカデリックのデビュー・アルバムです。黒い上に真っ暗ですから見えないよう。そこにいきなり万華鏡から光差込み、ジャケットのような音が聞こえてくる訳だ。何しろ確実にこな極東の国でカリントウをおやつに食ってるような人間に向けて音楽をやってません。まずそこで底無しの疎外感を感じる。育ちも食い物も仕事も何もかも違います。あるあるあるって共感もなにもあるものか。てこたあポップスじゃない。ハードルは高いぞ。どゴスペル、どブルースなんかもそうだけど。仲間に入れないんじゃないか。迂闊に良いなんか言ったらどこが良いんだとか頭はたかれそうです。これはあれだちょこっと海外に言って見て来たからつうてわかるとも思えず。そこで暮らしてうん十年、苦しさをも骨の髄でもそれでもどうかな。身もふたもないかもしれん。とゆう訳で扉をちょこっと開けて隙間から覗き見る。そこでは何やら酒池肉林の饗宴が。もうもうと立ち込める煙は。おクスリだな。吸えば見えるか。ガスマスク着用です。快楽にいつもつきまとうのは破滅の影。気持ち良ければいいほどでかし。多分ここで聴こえるのは切れ掛かって片足を破滅壷にズボっと突っ込んでしまっている音楽か。怖いし恐ろしいし。でも見てしまう。怖いものには魅力あり。毒だとわかってるものほど美味そう。実際、かっこいいのです。ジミヘンドリックス・マシンガンをスローモーションで乱射してかのような「マミー、ファンカデリックって何?見ちゃだめ」から始まってダブの空気は既に体の中にあったのかと思わせる音の数々。無責任にジャンルで言っちゃえばサイケデリック・ヘヴィ・ファンク・ロックか。同じリフが延々と繰り返され黒獣兄さんたちが叫ぶのたくるの図。デトロイトの床屋さん、ジョージ・クリントン理容室に集まったその頭髪どうやって刈るのかのお兄さん達。親分ジョージのバック・バンドから飛び出してわめき始めたフグの肝のヌカ漬けみたいな毒々のこれは人にお勧めできません。精神状態ダウナーな時は特に。私もいまだ入って50cmのところでうろうろしているところです。かと言ってその気にならなければ苦痛しか無し。覚悟するしかないか。

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7/26(火)
僕と踊って
cover
Live at the Long Branch & More
Modern Lovers
1972-1973

シリーズ「新波倶楽部」

愛とペーソスの戦士、ジョナサン・リッチマンさんです。戦士じゃないな。もとい。愛とペーソスのたれぱんだリッチマン兄貴率いるモダーンラバーズの何と72,3年のカリフォルニアでのライブ収めたアルバムです。モダンラバーズといやあラストの曲ロードランナーでパンク期に注目されたバンド、てっきりその頃のライブだと思い込んでいたら、今日見直したら72年だってー。5年前に全く同じことをやっていたのか。それどころかリッチマンはん今と全く同じだ。30年間たれ一筋。ご存知でしょうか。ジョナサンさん。生涯唯一世間でフューチャーされた時と言えば映画「メリーにくびったけ」。ドラマーさんと二人で劇中で登場。悲しくも暖かい歌を歌ってました。日本語吹き替えはモト冬樹氏。しかも訳して歌ってたとゆう。映画面白いのなんのって。ツボです。歌もオオツボ。余談ですけど映画のエンドロールに流れる曲。ファウンデーションズのビルド・ミー・アップ・バターカップ。いやどっかで聴いたことあるぞと探しまくり。トニー・マコーレイさん、フライング・マシーンを自分再発見、英国チャートにはまるきっかけとなったのだ。感謝。でモダーンズ。まったくねえ、どこがいいんでしょう(^0^)。演奏はヘタだし、歌はヘロヘロ、華麗なるギターソロなんか世の中にあるのすっかり忘れちゃうし。題材はショボイし。身の回りで起こったことをことごとく歌う歌うイタコさん。しょぼければショぼいほど何とも素敵で2.のダンス・ウイズ・ミーなど「♪ああ、ボクちゃん、寂しい。めいっぱい頭撫で付けて良い男になったからさあ。踊って〜」。4.のホスピタルは「♪嬉しいな。病院を退院したよ。何しようかな。カツどん食べようかな。焼肉だな。上ミノ(一部日本化)」。7.の「ハイウエイをかっ飛ばそうぜ」は「ハイウエイをぶっ飛ばすぜ。目指すはケンタッキー・フライド・チキン。何で2本買うと一本は小さいのなんだろう。むかつくったらありゃしない。暴れてやる。(一部日本か)」とかまあそうゆうことを歌ってる訳です。これで何でパンク大王になれたか不思議ですけんど(何たってピストルズもカバーしたりしたんだから)曲調がバズコックス元祖みたいだったりする瞬間もあるからそれか。知らん。バンドの皆さんは若くて元気です。後にトーキングヘッズ入りするジェリー・ハリソンさんもいる。弾ける気迫とジョナサン兄貴のへろへろの対象が妙にワンダホ。お客さんはやたら少ない。まばらな拍手が自分のバンド時代思い出しちゃった。それでも我関せず歌い続けるカリフォルニアの若大将。ペーソスとかゆう言葉をよく意味も思い出せずもつかいたくなる。このサンワリ君音楽、別に縁が無ければ一生縁がありません。何の因果か縁が出来たら一生もの。この前やらせていただいたメガデスのアルバムと対極にあり。これだから音楽聴くの止められません。レコードで持ってるんだけど白状すると同じ面を2回目にボケーっと聴いても気づかない時有り。要は大好きなんだな。

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7/27(水)
馬の耳に念仏
cover
A Nod Is as Good as a Wink...To a Blind Horse
Faces
1971

シリーズ「英国ロッド・スチュワート」

ロンさん、上手い。がっがっがってね。新横浜ブギー大学で入試に出るんです。「っ」のところの返し。これを会得しなければブギーは出来ません。「っ」専攻の教授がおって日夜生徒に一日8時間こればっかやらせてるんだよ。それでもなかなか。入ってすぐ教材が1.のジュディの農場のイントロです。一応うた歌いも待機させとるけどなかなか歌までたどりつかん。どあんがっんがっんがっんがっ。しっかり弾きたまえ諸君。この時、ロッドさんもノリにのってた訳で。ほぼ同時期録音「エブリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー」、シングルの「マギー・メイ」がどっかーん。やたらキラキラし始めてしまいおったからには、ロニーのレインさんだって本気出しちゃうよ。2.の「荒っぽい奴」です。ロッドさんはウーロン飲みに行ってる。じゃ無くて飲みながらハーモニカぱぷー。後半えんえんと演奏だけになる計算して無さナイス。さあバラードだ。用意はいいか?「愛はここに」。ピアノとしっとり寄り添うギター。とろりん。歌は。歌はロッド兄さん。次はレイン氏のホンキー・トンカー・ソング。交互に歌ってくれるこの幸せよ。あらゆるタイミングがぴたりんこ合って奇跡のようにやってくれたこの5人。もうやってくれてるだけで、ありがたやありがたや正しく生きて来て良かったですかみさまー、だけど曲まで素敵だなんて勿体無か聴かせていただきます。え、次は「ステイ・ウイズ・ミー」ですか。ぐわ失神。諸君簡単にこの曲を弾けると思ったら大間違いだと「っ」専攻の教授が言う。んっがっ会得したかね。音をスコっスコっ抜き抜きのファンキイ・ベース込みでペロペロペロペローってピアノとズンカズンカのドラムと絶唱。諦めなさい。諸君には無理だ。黙ってハイテク・フェイセズ面々の演奏を聴き・・あ、終わっちゃった。黙ってわしはもう一回聴く。くー。先生が泣いてる内にこっそり裏聴いちゃお。「崩れおちるもの」。孤高なるロニーさんの世界。ああ、ロッド兄が後ろでコーラス取ってる。一緒に。名曲です。全然焦ってない夏のバーゲン満喫曲だよ。7.メンフィスは楽しみましょうチャック・ベリーすけべさんの曲。たらりんこ始まるものも後半黙ってません。どうやって出すんだのへにゃりんこギター音。トゥ・バアアッド!。次の曲はトゥ・バッド。ロッド=ロンの直球ブギ。雷のような生ギター・カッティング。直後のきゅわつう突っ込み。戦慄が背中にじろ。入れるべきところに音を入れる男たち。短い時間ながら濃厚な音逢引きの結果です。ラストは出しっぱなしスライド・ギターと歌の対決のための「君に必要なもの」。私らにとっても貴方がたにとっても必要なものはフェイセズ。ああ、出口がもうすぐ見えてきちゃった。すばやく頭に戻ってもう一回。飽きることは決して無いけど聴き過ぎて飽きちゃったらどうしよう。困ったなこりゃ。最後のスティール・ドラムを入れようって言い出したのは誰?。握手させて下さい。

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7/28(木)
あなべら
cover
See Jungle! See Jungle! Go Join Your Gang, Yeah, City All Over! Go Ape Crazy!
Bow Wow Wow
1981

シリーズ「新波倶楽部」

バウ・ワウ・ワウ。何だ何だ何だバウワウか山本恭司氏かー。とゆうても今は両方とも忘却の彼方にどぴゅーんですからどうしましょ。80’sの初めにイギリスで巻き起こったドンガラガッタ・リズム革命の嵐の中、呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーんなバンドです。当時の週刊ロンドン芸能の論評では「昨今ブームとなってるお笑いブームはキャラだけの人材多し。こんなことでは長く持たず飽きられたらあっとゆうまに消えるであろう。」と載っているのが目に浮かぶ。はい、あっとゆうまに消えました。しかも完全やらせです。でもでもでもだ。それが面白いか面白くないかは全く別問題。この素人アマチュワ文化祭バンドの面白さ楽しさったらそりゃもターザンだって天使だって踊りだすぞ。仕掛け人はセックス・ピストルズ騒動を巻き起こしたマルコム・マクラーレン氏。ジョニー・ロットン無き後、シド・ビシャス君をソロで売り出そうと画策したものの彼は天国で歌うことを選択。それで次に目を付けたのがアダム・アントとゆう若者。ところがケンカして決別。チクショオとバンドのギタリスト、マシュー・アシュマン君を引き抜いてその音楽アイデアは俺のものだとライバル・バンドをでっちあげたとゆう次第。それがこのバウ・ワウ・ワウ。メンバーはアシュマン君のほか
ベースにリロイ・ゴーマン
ドラムスにデイブ・バルバロッサ
そしてヴォーカルにアナベラ。
このアナベラさん、当時何と14歳だったそうで、生まれはビルマはラングーンの移民さんです。嘘みたいな話だけどクリーニング店でバイト中、ラジオにあわせて鼻歌ふんふんしてたところ、前を通りかかったのが件のマルコムはん。お、これはとオーディションに誘ったのだと。ほんとか。本人はクリフ・リチャード、スティービー・ワンダーのファンらしい。それがまあいきなし裸に剥かれてジャケット撮らされるは、頭モヒカンに刈られて歌うは「私は踊れない、歌えない、何にも出来ない、道もわからない、私は15歳の愚かなピエロ、私はロックンロールのあやつり人形、バンドの名前は「ワンワンワン」、うさぎにでもなったほうがましなくらい(チワワは素敵な合言葉より」なんだからこれは虐待ではないか。どっかで見たことのある歌詞の内容だな。フランス・ギャル嬢か。ああ現在幸せな生活を送ってらられることを祈るのみです。移民の子供にこないなことして当然顰蹙の嵐、しかし顰蹙真っ只中でただでは済まぬのがロックだわい。捨てるものなしエナジーはちきれんばかりの怖いもの知らずアナベラさん、カッっと目を見開いて歌います。音楽は基本はどんどこビート。現在判明してるルーツは71年のジョー・コンゴ氏つう南ア出身のミュージシャンのヒットから北アフリカ、ブルンディ族のドラムがこれまたヒットして、これがグラム飛び越してパンクの時代に蘇ったとゆう。食いも粘りも無くステディなビートなんで白い人間でも一発でノレる。それを基本にこれまたアフリカ・西のリンガラミュージックからペラペラ・ギターを直輸入。ぺらぺらギタアつうとシャドウズ→エンニョ・モリコーネ→マカロニ・ウエスタン、アフリカつうと→サンバ、とまあ連想して思いつくもの全てぶちこんだ。アマチュア魂爆発だけんども腕が達者な連中を集めたのがマルコム氏のただならぬところ。ベースのゴーマン氏、名は鯛を表すてんで傲慢かましてよかの弾きまくりバカテクです。年取った人間がこれをやらかしたら売れ線狙いの只のいやらしい連中だけんど、これは許される。無常なほど若い。無茶は特権だけん。爽快で海に向かって馬鹿野郎なかっこよさあり。ワン・アイデア、勢い一発だから失速するのは当たり前で、売れて生意気絶頂、マルコム氏と別れて次のアルバムでは生粋の業界人マイク・チャップマン氏と組んでブロンディみたいになりたいなも本人たちに最早気力のチャージ無し。文字通り霧散してしもた。カセットによるデビューの次に出たこのアルバムの時が絶頂です。既にはかなさも感じる刹那、今でもビカビカだぞ。
現在入手可のCDは名前を変えて日本でのライブとカップリング。ライブの方がスピード感落ちるのがまたらしくて素敵だ。

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7/29(金)
クマくまくま
cover
Rock 'N' Roll with the Modern Lovers
Jonathan Richman & the Modern Lovers
1977/2

シリーズ「新波倶楽部」

またかよー。3日前にやらせていただきましたジョナサンさん。またです。おかゆやおじやみたいに普段は忘れてるけど食べちゃうとあまりの美味さにはまってしまうのがこの人の音楽。持ってなかったこれ注文したら即、届きました。今丁度仕事で疲れがピーク、体調も悪くてしかも風邪ひいてしもうたこんな時にこれほどぴったしなものはありません。しかし何で俺これ今まで買わなかったんだろ。一番ど真ん中です。ジョナサーン音楽の。それでも数あるアルバムの中からなぜこれを選んだか。まずはいジャケをご覧下さい。真ん中で笑ってます。ジョナサン兄貴。そうとう幸せそう。多幸の極みだは。72年のライブの時よりかなり痩せて。やだ胸毛だわ。バンドの皆さん異様です。特に後ろのドラマーさんに注目。何だこのドラムセットはー。見えにくいけど横になってる巨大な物は銅鑼です。大体ロックバンドの銅鑼ってキメの時にどがーんって鳴らすって相場なんで後ろにこれでもかって吊るしとくものなのに。ドラムを買いに行ったらこれだよって言われて銅鑼をかったのか。それで予算が無くなりましてバスドラはタムを横にしまして。あはは小ちぇえ。豪華シンバルセットが見えます。3連装だ。これで8割方狙いは定まりまして曲目はどうだろうと見てみたら、ああああ、私の好きな「アイスクリーム・マン」が入ってる。「エジプシャン・レゲエ」もー。某AMGで試聴。決まった。届いてアホポンのように聴いてます。おかげで体調もだいぶ回復し。ところで・・・。世の中のロックバンドが一番恐れることと言ったら何か。そりゃもう音がショボく情けなくなってしまうことかも。しかしこのジョナサンさんはショボさを最大の味方に出来ます世界で唯一の音楽家でござい。そしてこの盤ではショボ道を究めるべく全て生楽器で演奏してます。1曲目の「スイーピング・ウインド」でもうその世界は絶頂に。何だこの中華フレーズはー。銅鑼も大活躍。昔の弥次喜多珍道中映画だとうちのまほさん発言。腹抱えて笑いながら大根の花みたいにしんみりしちゃうのが嬉しくて泣き笑い。次は大好きな「アイスクリーム・マン」。♪嬉しいな。アイスおじさんがやってきた。チンチンベルを鳴らしながら〜。何にしようかなー。餃子味かな〜。ホームランバーでもう一本当てようっと(一部改変)♪。こんな歌歌ってくれる人他にいるかよ。そして続々飛び出す名曲郡。レプリカントもおいちゃんおばちゃんも皆勢ぞろいでロックンロール踊り出す。全部書いて喜ぶと後35025文字必要となりますので泣いてかいつまんで、7.の南アフリカ・フォークソング。アフリカって言ったって中華やんか。レゲエだし。ああ楽し。これでノリノリで奇声もおまけ。その路線の極みが10.のエジプト人レゲエです。お馬さんぽこぽこ。寅さんか柴又か。この感じあれに似てるマッドネスの1stの世界。こうゆうのもう大好きですからエンドレスでもOK。何とイギリスで大ヒット。最高位5位まで上がったってんだから最高ですイギリス人。しかもパンクど真ん中の77年の話だからなー。そして最高なのが次のクマヤ。クマクマクマくまったなあーって歌ってます。どう考えてもこれはコリラックマのテーマソングで好きな人は買って聴いて縫いぐるみうりうりしたらこんな幸せはござりませんかと。バディ・ホリー・スタイルだし。次の「バスの車輪」は童謡とロックンロールの衝撃合体。♪バスの車輪はくるくる廻る。廻る廻るよ街中を〜♪って凄い嬉しそうに延々と歌います。ぎゃはは。もう駄目。最高。人生盤に決定。何かやなことがあって落ち込んだ時も聴こうっと。中には馬鹿にするなって怒る人もいるかもしれないな。重症だ。そんな人のほうこそほんと心配です。何で音楽聴いてるのかな。こんな音楽聴いてる俺ってイカシてるでしょって人に言ってえばるためだきっと。そうゆう人には聴かせてあげませんだ。なはは。

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7/30(土)
馬。名前はまだ無い
cover
A Horse With No Name
America
1972

シリーズ「完璧なシングル」

今週の「完璧なシングル」は「名前の無い馬/アメリカ」です。時は1972年激動の60’sも終わり、ベトナム戦争もどん詰まり、わてら何したらいいのけんねのムードにピッタシはまって大ヒットしました。ってわかったようなこと書くんじゃなひ。わたしゃ12歳、そんなこたあわかりようも無くウルトラマン見てたのさ。微妙に後追いのこの曲、初めて出会ったのは香港へ旅行に行った友達のお土産のバッタ盤アナログLP。ビニール袋に入っててジャケは白黒、価格は50円ほどだったつうそのわびしさと曲の感じが妙に合って心の溝にボリボリ彫刻刀(Uの字)で彫り込まれました。後年TVゲームにはまった時、あの名作「ダービースタリオン」で馬名が「ナマエノナイウマ」つうのを作ったのは言うまでもありません。未勝利で撃沈、ニューコンビーフになってしもた。やっぱり名前が無かったのがいけなかったのかなあ。アメリカさんも付けてやれよ馬に名前。「ぽん太」とか「雪路」とか「犬」とか「パピー」とか。えー、完璧なシングル史上最もメロディが動かない曲です。イントロは生ギター、コードはEm。おお2本指で押さえられる神の贈り物のようなコードだ。あのニール・ヤング氏の孤独の旅路もこれ。で喜んでいますと次のやつはD6/9。ぶ、ぶんすう。なぜヤクブンして2/3にならんのか。で、何よりどうやればいいのだとここで早くも挫折する。が・・・・、実際どうすればいいのかとゆうとこれです。
Em ------ D6/9 ------ Em9 ------ Dmaj9 ------
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|**||| *||*|| |*|||* |||**|
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何と平行移動全て2本指だ。返って間違いやすい。などと贅沢は言ってはならぬ。これなら弾けるぞルンルン。して曲中もずっとこの4つで通せますからもう安心。歌が始まります。音階は驚くなミとレの二つだけ(ソとファでも可能レとドでもあコード違うわ)。音域が半オクターブしかない私でも出来ます。そうですヒット曲、しかも完璧なものの第一の条件は誰でも弾ける誰でも歌える。しかあああし、やってみると本物アメリカさんには遠く及ばずつうのがミソなのだ。この簡易なコード、簡易なメロ、単調なビート、これには海より深い訳があります。歌の歌詞を見てみましょう。
♪この旅の最初の方で全ての生き物をわしは見つけた
そこには草木、鳥、岩やそんなもの、砂漠に丘に雨があっての
最初に見つけたのはド派手な花で、天気は曇りです
気温は暑く、地面はカラカラ、しかし空気は音に満ち溢れておったのじゃ

♪わしは砂漠で名前の無い馬とおった
雨降り後でそりゃもうええ気分じゃったよ
砂漠ではの、自分の名前さえ忘れてしまいおって
だっての、誰もお前さんに悩み持ち込むやつはおらんけに

らーらーらーらららーらららーらーら

とまあ要するに砂漠一人股旅物、馬と珍道中ですからこのお馬さんビートなのです。最初のバージョンではお椀裏返してパッカパッカが入っておったそうですがさすがにそれはおマヌケとコンガにしましたって話は聞いたことなし。注目すべきはサビに入ってもほぼ同じメロディ・ラインなこと。あまりの日照にメロディも金縛りになる。そしてこの人、二日目にはもう日焼けバンバンしてしまって、そうこうしいてる内に川に遭遇します。どうやら洪水で愛するものを亡くした悲しい過去があるらしい。

らーらーらーらららーらららーらーら

九日目には馬を放してしまいます。砂漠が終わって海に出たからだそうです。そんな、そしたらこの曲は「名前の無い馬の無い」になってしまう。そこにもありとあらゆる生きとし生ける物がおり、海も砂漠と変わらぬことを実感、深い絶望に落ちる。つう侘びと寂びでワサビになってしまうような塩辛い歌。そこに聴き、歌う人間がそれぞれの思いを込めて、今でも生き続ける。それでもアメリカで無ければこの歌は出来ません。オイットニイ・ヒュウストンまたはアライヤ・キャリーさんが壮絶に前メロを歌い上げ、サビでは15人の絶叫黒カミサン隊がヒップホッパーDJ&ファンキイ・ホーンで「らーらららららららーぎゃあ」って歌ったらそりゃもう台無しJr。やりかねないけど・・・・・。やっぱり馬には名前をつけてはいけないようです。

シングル盤ジャケ

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7/31(日)
クレージーわしら
cover
Sladest
Slade
1973

シリーズ「新波倶楽部」

スレイド、スレイダー、スレイデスト。1973年の絶頂期に惜しげもなく出されたベスト盤がこのスレイデスト。ばかロッカーの聖典だ。ジャケットをご覧あれ。これほどバンドの有り様を現しているジャケットは滅多にございません。既にシングルをみな買っているガキどもも親の財布からちょこっと札抜き出して買ってしまう訳だ。大馬鹿野郎にもアイドル仕様の写真満載。紗を入れてるノディさんニンマリ、デイブ・ヒルちゃんどうしても歯がポロリと出ちゃうの。裏ジャケでは熱狂のステージの様子が。ああああ何故ロンドンブーツが必要だったかこれでわかります。足短か。履いてるのにー。頭でか。カールコードがびよーんと宙を舞ってます。ドラムが何故そんな前に。つうかステージせま。てあしたまみたいな突っ込み入れたくなるああこの楽しさよ。豪華にキンキンラキンなギター、衣装ながらちっとも値段が高く見えません。世の中の矛盾の全てをぶち込んだかの様なこの風情、これがスレイドの全魅力です。どう見てもかっこよくは無い。でもかっこいい。才能がはちきれんばかりの曲群、メロディは踊ってる。でも音質極悪プロダクション粗雑、しかあしこれが綺麗な音だったらどうする。すれいとになってしまうわ。イモな音なのか。全然ダサく無い。華麗なるギターソロも無し。歌はガナるだけ。さーどうする。世の中で立派だ偉いと褒められる要素は一つも無いぞ。それでも最高ナイスだ。これがロックでは無いのか。イケメンイケメンって整ってれば良いのか。整って無い美は無いのか。わあああとシャウト。
英語ライナーによりますと
10 Wild Winds Are Blowin'
・・・最初のシングル盤。とにもかくにもこれが馬鹿騒ぎの始まり。
7 The Shape of Things to Come
・・・映画「街の野獣」のテーマ曲。初めてトップ・オブ・ザ・ポップスで歌った曲だそう。どんな映画だったんだ。
11 Know Who You Are
・・・初期アンブローズ・スレードの頃の曲。歌詞は主にデイブ・ヒルさんが担当らしい。
6 Pouk Hill
・・・ポウク・ヒルはウォルバーハンプトンつうところにある美しい田園地方とにこと。アルバム・ジャケットを撮影しようと画策、雪の降る中、上半身裸での撮影。全員風邪をひいた。
4 One Way Hotel
・・・極貧の下積み時代の曲。ホテルの部屋にメンバー4人とローディ2人が同居していたそうで、あまりの過密ぶりに気を紛らわすために作ったのとのこと。うーんこの人たちとぎゅうぎゅう。臭って来そうです。
12 Get Down and Get With It
・・・全英チャートTOP20に初めて到達した曲。最初にこれだつうものを掴んで作った曲でもあるそう。やかましさは全曲中一番。どんな小さな音でかけてもうるさいと親父にどなられるので注意。
9 Coz I Luv You
・・・初めて売れるシングルを意識して書いた曲だそう。これだつう公式を見つけたらしい。確かにこれです。才能は掴み取るものだな。
2 Look Wot You Dun
・・・最初はお蔵入りだったらしい。コーラス部を作り直して出したら大ヒット。
8 Take Me Back 'Ome
・・・ステージの有様をレコードで再現すべく作られた。メンバーは代表作と言い張っている。
14 Mama Weer All Crazee Now
・・・ステージ終了後、会場の様子を見てみるとえらい盛り上がりでキチガイじみていたその様子を活写した見事なるクレージー曲。このバンドが呆れるのだから客の方も相当なものであります。
3 Gudbye T' Jane
・・・アメリカ・ツアー中、出演したTVのインタビュー番組で最前列で途方にくれていた小さな女の子の歌。収録の前にお気に入りの靴を無くしてしまったらしい。メンバーも一緒になって探してあげたそうな。リハ無しで30分で録音だと。
13 Look at Last Nite
・・・成功せずに消えていってしまったミュージシャンの分も背負って自分たちはやっているのだ、そしてこの成功も長くは続かないだろうと言う。
1. Cum on Feel the Noize
・・・リバプールで客に寄って何かを得て作られました。全身ノイズの輝きです。
5 Skweeze Me Pleeze Me
・・・さあ、みんなで歌おう。
でかジャケのページ、思わず力を入れざるを得なかったす。「NEXT」で次の絵を見てください。

曲目等詳細

試聴はここで