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今日の推薦盤一覧2005.2上

 

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2/1(火)
ブギは世界を巡る
cover
Rockin' All over the World
Status Quo
1977

シリーズ「ブギー兄弟」

どーん。ついにブギが世界を巡る日がやってまいりました。ステータス・クオーのめまいぐるぐるヴァーティゴ・レーベル時代の諸作が再発だ。3月7日だ。早いよ。いんや忘れぬうちに予約だ。だー。ちゅう訳で予算もあるだ。まずどれにしよとなりますとこうゆう時はライブだぐおって方はライブを。あ、いかんその1月5日発売のやつがアマゾンはんでもう入手難になっておる。早いよー。数が少ないのか。ますます持ってやばいっす。してベスト盤をお持ちの方も多かろうのう。の中からお気に入りの曲が入ってるやつから行きましょう。そして次は年。体にバチっと来るサウンドの年代のやつを。てな訳で何は無くとも江戸紫じゃ無かったこのロッキン・オー・オバ・ザ・ワールドだわい。77年です。迷ったら77年と私なんか決めてますがこの年のブツはまず間違いが無いってほどアルバムの当たり年。アナログ技術が円熟、完成の域に達して70’sにコツコツ頑張って来たバンドの音楽も熟して食べごろ見ごろが丁度シンクロ。このブギ一筋二千年のクオーも例外ではありません。時は正に先ほどのライブを出した後、とぐろを巻いて登りつめたブギー竜巻が皆様に存分にご賞味されてさあ心機一転新たな船出を漕ぎ出そう状態の時であります。ブギー兄弟になって初めて外部のプロデューサーを頼みました。ピップ・ウィリアムスさん。って誰だよ全身エレキバンか。違います人間です。この時点でアレックス・ハーヴェイ・バンド、ブラッドストーン、マッド、エドウィン・スターと仕事をして来たお方。私もよく知らないんすがマイク・ヴァーノンさん人脈だと思われます。ブギとファンクの人だな。そのピップさんと共に作り上げたこの盤、すっきりしゃっきり素軽いフットワーク、坂路をラスト12.3秒で駆け上がりすっかり仕上がっておりますそしてトモにも肉が付いて重量感溢れるって競馬好きにしかわからんじゃないか。そんな感じです。さあ離陸だ空をゆこうってな具合に始まる1.ハードタイムズ。いつものようにチャーミングな歌声は変わらず。さあギアを5速に入れてかっ飛ばすぞの2.。や珍しやのファンキイ・カッティングからボ・ディドリー・ビートで来る3.レッツ・ライド。ロックパイルを思い出すぞ。おわこれも珍しやレゲエだ何か中島みゆきだの哀愁ロシアピロシキ味の4.ベイビイ少年。ヘヴィな16ビートブギの5.。パイレーツ(進め)の鬼カッティング・ギタリスト、ミック・グリーン氏との共作でござる。ブギ・コネクション強固。いえーずんずんブギだクオーだの6.ロッカーズ・ローリン。思い切り頭振って下さい。さーアナログではここで引っくり返す。CDでも心でB面しておくれ。登場です。目玉の7.タイトル曲。海を渡った心の兄、ジョン・フォガティ作ロッキン・オー・オバ・ザ・ワールド。イギリス人のクオーさん達はフットワーク軽くちょっと恥ずかしそうなとこがいかにもチャーミング。ブギの中にもメロディアスなこの曲、ばっちしはまって代表曲となりました。ご存分にローリン。続いてでっかいビートの8.私は誰(ここはどこ)、でチェンジ・オブ・ペースをして、ZZトップもかくやの高速ブギの9.遠すぎて。サビがいかしたメロですぞ。そして10.の「あなたに」。もう最高です。ごんごんバンドがたまーにやってくれるアコな曲。例外無しにそれは素敵。ボッサな空気もあって狂おしいくらいじゃ。11.のダーティ・ウォーター。上手いぞ曲作り。掴みのフレーズはこれだってなもの。心の清いイーグルスみたいだったりして。〆の1曲は12.後ろからギュッと羽交い絞めチョークスリーパー、じゃ無かった抱きしめて、だな。トラッド・ブギです。11.でも感じられたイギリス故郷のメロ。しかも完全にブギ。これにやられた人は後にカバーする「オール・アラウンド・マイ・ハット」のスティーライ・スパンも食べてみてね。とまあ、ブギィ心に基づいた音楽総登場で華やかで楽し過ぎるこの盤、もしまだの方がおったら是非にと安心してお奨め。あ、CDではまだおまけがあるのだ。サントラの「第3次世界大戦」に入ってたビートルズ・カバー「ゲッティング・ベター」。いやもうこれがまた素敵。ビートルズものって95%はそのアクの強さに負けてすっとこどっこいになっちまうのがおちだけど、さすがのカバー名人、見事にブギでトルズでクオー。真っ直ぐな野郎のすることは無敵じゃわい。

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2/2(水)
ライブど真ん中
cover
Foghat Live
Foghat
1977

シリーズ「ブギー兄弟」

満を持しての1977年、英国の誇るアメリカ育ちのブギー・バンド、フォガットが待望のライブ盤を発表しました。なぜこの時期だったかー。そりゃ前年に出たんですよ水島さーん。何がってほらヒット曲。スローライドじゃ。何と最高位20位まで行きました。横浜ブギブラザースのレパートリーでもあるこの曲、何と最高位20位まで行きました。こんなこたぁもうねえかもしれない。今がライブ会場最高盛り上がりの時だってんで出しました。オラタチうけたいだと全米くまなくツアーしまくってたフォガットさんご一行、そりゃもうライブのキモの真髄を会得しております。押しも引きもお手の物でござい。長ーーーい音が有効なのだ。きゅいーーーーんとタタラを踏んでのロッド・プライス氏のスライド・ギタアが必殺技。アメリカのでっかいアリーナ会場ではこちょこちょ弾いてもわからんのね。「アーーントニオーー猪木ーーー二所石部屋ー」と同じ。お、相撲の呼び出しだって伸ーーばすのだ。なもんでロック・バンド・ギターは顔をしかめてきゅーいいいんしまくります。サンタナさんたな。スライド・ギターってやつぁあ座って膝に乗せてしまいますとお役所仕事今日も計算経理ですになってしまいますが、立ってバーの一つでも持ってみなさい。フレットの無いところまで音が出るんですぜ。どんどんどんどん駆け上がってブリッジのとこまで到達してもうこれ以上いけないよーって失神するんです。凄いです。それをやってるのがこのライブ盤です。選曲はこの時点でのグレーテスト・ヒット。当たったのも当たらなかったのも少しでも皆様が知ってそうなシングル盤をどだーっと。でもないか(^0^)。その貴重な1曲フール・フォー・ザ・シティで幕開けだー。45位まで上がったぞ。最初からエナジー120%全開だぞ。2曲目は掴みキメ・ギターフレーズのホーム・イン・マイ・ハンド。ギター、ヴォーカル、ギターだけになったり。ドラムとヴォーカルだけになって客席煽るのは常道の道の果て。ラストでやってるでしょ登りつめスライド。3.はブギー・クラシックのアーイ・ジャス・ウォナ・メイ・ラーブ・トゥ・ユ。83位まで上がったっす。つうかわしらので無くとも皆さんご存知ですので、歌わせちゃったりしちゃおうかな。おー成功だ。二つのギターで掛け合って思いっ切りブギービートどかん。いえー最後のづんどこに座布団10枚。4.はシャッフルのロード・フィーヴァ。えー知らないっすかあ。2ndに入ってたんですけど。ええい、シャッフルだ。のれ。ずっと演奏してただけに練れてるぞい。イケてるに間違い無し。そんじゃこれはご存知のハニー・ハッシュ。知らなくてもトレン・ケプト・ア・ローリンだ。高速だぞ。頭振り過ぎてふらふら。はいよーシルバー。ラストは何にいたしましょう。帰っちゃおうかな。え、まだあれやってないって。やります。スロー・ライド。でっかいど。地球三個分くらい。後はもんどんがどんが。250%出し切りました。帰って寝ます。1枚組で正解。パシっとやってパシっと終わる江戸っ子じゃけん、神田の生まれだい。

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2/3(木)
その後のARS
cover
Partly Plugged
Atlanta Rhythm Section
1997/1/13

シリーズ「南部鉄道」

安いですとゆうので中古レコばっか買っております私ですけどCDだって買います。安ければ(^0^)。しかもそれがアトランタ・リズム・セクションってことならもう飛びついて。いやこんなのあったんですねえ。97年の盤。一番新しいのは巷で全然見たこと無いですのEufalaってやつだと。これはその前のやつ。最近だよなあって7年前や、時は疾風のごとく。デビュー25周年記念で作ったアンプラグド盤らしい。例のMTVのものみたいですけどやったのかTVで。見たいじゃないか。物凄く。アンプラとは申してもタイトルのまんま一部電気です。最初から4曲目までは新曲。うーん、この形でしか出せんとしたら一抹の寂しさ涙ぽろり。メンバーは中心人物のコブさんがおらん。曲作りには参加しておるけど。リズム・セクションも変わったのか。巨漢のポールちゃんがいないなんて。でも夜のヴォーカルのハモンドさん健在です。ギターのベイリー氏、鍵盤のディーン氏も。色々あったんだろなあとここでも涙腺。待望の新曲はと言えば、あああ、変わってないぞ。とそれだけで嬉しくなってしまいます。久々だからと言って力丸出し曲を入れないとこもこの人達らしくて。3曲目のスローちゅうよりしっとりナンバーが最高です。これまた変わっておらん。4.も素敵。これは何と申しますかトラッド風味があって。サザン・トラッドってすげえな(^0^)。このくそビデオクリップ時代のやつめって内容みたい。そりゃ言いたかろう。てめえらにはあの時代の素晴らしさをわかるめえだって。立派な頑固親父になりました。こうでなければいかん。がはは。それで脅かしといてそれを証明する5.からはリアル・アンプラグドなヒット連発。まずは81年の馬ジャケ「キネラ」から大名曲の「エイリアン」。ぐぐぐぐぐぐたまらん。合うとは思ったけどアンプラはまり過ぎ。言葉に窮する素晴らしさだわ。泣くよギターが。次はこれぞ必殺「ソー・イントゥ・ユー」。許せん廃盤状態の「ロックンロール魂」からの曲。いやもーこの侘びさって言ったら。生になって3倍増し。存分に悶えて下さい。夜の帝王ハモンド氏の歌健在です。次だって必殺、78年「シャンペン・ジャム」からの「イマジナリー・ラバー」。どうしましょう。何も書けん。存分に悶えてください。押さえに押さえた演奏からどわわと湧き出す情念1000t。サティスファクション・ギャランティ。勘弁してくでーとお次は軽ーく同じく「シャンペン・ジャム」からの「I'm Not Gonna Let It Bother Me Tonight」。長いタイトルはザビのとこでメロディをコロコロ転がすためのもの。言葉が気持ち良いのだ。ローリンな南部心ここにあり。9.は嬉しい初期盤「Third Annual Pipe Dream」からの名曲「エンジェル」。えーんじぇる、エーンジェルのとこで悶えるのだ。悶えて下さい。さてラストはアルバム「負け犬」の冒頭に入ってました「Do It or Die」。「やるか死ぬか」ってのはサイコロ丁半バクチの「のるかそるか」って意味らしく、これがこの盤のラストに入ってて染み方が違います。「どんなやっかいごとが君にふりかかっても、何故だと悩む時が続いても、全てがうまく行かなくても、君はやり続けるのだ。のるかそるかでサイコロをころがしてみろ。負けて負けて負け続けても。時が君を笑っても、君はまた挑戦するんだ。人が何を言っても気にするな。連中は君のことなどわかっちゃいない。スルってことがわかっていても。人生は賭け事みたいなもんだ。勝者と敗者はいつだってごろごろ転がっている。だからサイコロは振り続けなければならない。君は生き返るしかないんだ。そうそれでノルかそるか。」とまあ、今の俺にも染みちゃうよ。これで頑張ってきたんだなあアトランタ・リズム・セクション。ずっとダイスを転がして下さい。

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2/4(金)
悲喜劇劇団
cover
Greatest Hits
Dr. Hook
1995

シリーズ「ヒット王」

さー困った。ドクター・フックです。いくらロック好きだって言ったからってようアメリカ歌謡曲まで付き合ってられっかい、しかも何じゃこの連中は。アホや。と申されましても何の弁解もしようが無し。その通りです。しかもこのジャケ、勘弁してくでー。何の気も使って無いぞ。これでも最初のリリースの時はメンバーのアホ面フューチャーの素敵なやつだったんだけど。ますます持ってやばい。試聴リンクに貼ってますキャピトルのベストはその辺り気を使って素敵な月明かり。メンバーの顔がばれないようにしてますのでもしあれでしたらそれを。しかーしあえて推させていただきたいこっちを。激安、妥協無き10曲じゃい。フック先生ご存知の方はああ、あれかと思い出していただけますがご存知無い方はこれでも73年から82年までの10年間に9曲アメリカでトップ40ヒットを放ったスターさん達です。いつまでたってもお願い聴いて、ヒットしてえって感じだったりしましたが。ははは。結成は68年で最初はドクター・フック&メディスン・ショーと名乗って地元ニュージャージーのバーで酔っ払い相手にコツコツとカントリー・ロックを演奏して最初のブレークは73年2月の「カバー・オブ・ローリング・ストーン」って曲。出来うることならローリング・ストーンス誌の表紙を飾って故郷の母ちゃん喜ばせたいようつう必死かつ自虐ギャグ曲がウケて最高位6位、本当に表紙になりましたつう涙涙のエピソードが。それはかなり有名で「へぇ」とロック・トリビア連中で終わったよ。いかーん。ましてや完全に一発屋パターンだ。しかもこのベスト盤には入ってないぞ。同じネタのミリオネアつうみのさんの顔がどわっと出てきそうな曲1曲目で渋いです。曲としてはこっちがイケてるのでありかと。まこんなでした。さーそれでシーンから消えてしもうたのか。いや根性が違います。復活はそれから3年立った76年。すっかり諦めて(^0^)枯淡の境地に立って放ったサム・クックの名曲カバー「オンリー・シックスティーン」。これが全米中の人の胸を締め付けました。最高位6位。やったよ父ちゃん。やややこれでいけるのかとこれ以降はペーソス第一、嬉しくも悲しい泣き笑いソング専門のバンドに。味としてはリンゴ・スターさんでございます。みんな好きですよねえ。あの味。その年の6月、次のシングル「ア・リトル・ビット・モア」。今度はオリジナルだ。これも当たった。名曲だもん。「もうちょっと」ってゆうのがいいじゃないですか。最高位11位です。次のシングルは4.なんですけどこれはちとコケた。55位。良い曲なんだけどあまりにも柳の下でして。いや芸能界は甘くない。して仕切り直しお次は2年の月日を経ての5.シュアリング・ナイト・トゥゲザー。78年10月。この時代ならこれだとAORに挑戦して最高位6位。全精力を傾けたキラー曲です。続く77年にリリースした6.ウォーク・ライト・インは再びノベルティに戻ってデスコに挑戦、軽く55位。でもここまで来れば自信獲得してますから。大丈夫。79年の6月にリリースの7.ではTKディスコ風で軽やかにまたキラー曲、最高位6位まで。TKってのがちょっとまた古くてこの人達らしいや。11月には次の8.。今度はフィリー風AOR。最早ノベルティ抜きにして堂々たる名曲です。私はこれかなベストは。最高位12位。80’sに突入しても死にません。次は80年3月9.セクシー・ナイツ。時代にぴったしのセレビーな雰囲気。似合ってないのが似合って最大ヒット。それでも5位(^0^)。その後2曲コケてそのうちの一つが最後の「イヤーズ・フロム・ナウ」。55位だけどこれが涙腺直撃の真面目曲。必死にやりました70’s。やりきったぜって胸を張って言えると思う。アルバムでは数々のやっちゃった曲多数。悶えに悶えてのキラー・シングル。それでも5位くらいまでしか行かない。それでも聴いた人は間違いなく愛してます。この10曲に込められた思いたるやいかばかりのものか。今となっては激安で楽しんでください。わしらは全米中を廻ってます。いや世界中を。日本には・・・。来ねえだろなあ。

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2/5(土)
ポップ玉手箱
cover
Once Upon a Star
Bay City Rollers
1975/5

シリーズ「ヒット王」

当サイト、メルマガちゃぶ通本日発行分の記事「チャートでロック英国編」でバイバイ・ベイビー1位記念「噂のベイ・シティ・ローラーズ」WANTEDだー。手前味噌ですまぬ。この変形工夫楽しジャケを讃えるため、詳細ページもコリコリにしてしもうた。上にあるメンバーのお顔の上の方クリックしてみて下され。現在CDではどうなっておるかは知りませぬがアナログではこんなんなっておったのだ。きゃあ。さて2枚目にして人気絶頂えらいことになってますローラーズ旋風。人気とは裏腹にチャート上ではどうも巡り合わせが悪くてシングルは1位になれなかったもののバイ・バイ・ベイビがテリー・サバラスおじさんのイフを撃退して1位に。名実ともに時代のナンバー1となりました。どんどん人気が出て特にまーきゃわいいルックス大人気ながら精進は怠っておりません。曲作りの修行にいそしみプロデューサーを同じように自作自立を目指して頑張っていたスイートのフィル・ウエインマン氏に依頼、気合の入った一枚であります。とはゆうものの聴き心地は至ってリラックス、ゆったりとしてるとこなんざニクイぞ。何たって代表曲、これででっかくなりましたのバイ・バイ・ベイビで幕開け。今が旬、アメリカ西海岸チェルシー・レーベルのスタッフライター、ボブ・クルーさんとフォー・シーズンスのボブ・ゴーディオ氏とゆうボブ・ボブコンビ作。65年にフォー・シーズンスでヒットいたしました。これちゃぶ通で書くの忘れたよー。3連の響きがノスタルジアくすぐるプリティ・ソングだで。これはもうプロの仕事です。2.は前年度から一挙に出だしたデスコ題材のフォークナー/ウッド作。かなりのチャート好きと見た。早いっす。これが何と途中のリフがディーヴォのジョコ・ホモそっくりだとゆう。これは偶然だろうか。それともパクったのだろうか。ディーヴォは確かもうアングラ活動してたと思ったので彼らが聴いたのか。まさかなー。それとも逆か。ありえる。何か愉快。A面最後の6.キーポン・ダンシンは71年の12月に出た彼らのデビュー・シングルのセルフ・カバー。65年にアメリカのジェントリーズってバンドの曲です。初心忘れず、よりプリティなヴァージョンで。あの時はヴォーカルはレスリーさんじゃなくノビーさんだったのね(だよな)。さー、その他の注目の彼らオリジナルはとゆうと。これがまた良い曲ばっか。曲作りのキャリアいかばかりかは知りませんがこれは凄い。少なくとも大量に音楽を聴いていたことに間違いは無し。グラム・エラに大活躍のロイ・ウッド氏の音楽とも共通する極上のスイート・ポップの連続であります。ことに10.のフォークナー=ウッド作ひとりぼっちの十代。これはもう大傑作でして。まー何故にシングルカットせんかったか。謎だわ。マジで全編素敵なこの盤。同時期チャップマン=チン、シュワディワディ、ルーベッツなどにけっして勝るとも劣らず。下手な芸術家音楽買って悩むくらいならこれ買ってハッピィになりましょう。何よりも音楽で残りますローラーズは。

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日本盤

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2/6(日)
荒野のファンキイ
cover
Rough and Ready
Jeff Beck
1971/10

シリーズ「ギター屋」

「粗製濫造」などとこりゃまた思い切ったタイトルを付けました第2期ジェフ・ベック・グループ第一弾。よっぽど機嫌が悪かったかベックさん。まーそれもそうかも。ベック・オラの後すぐニッキーさん止めちゃってやけくその米ツアー。その後ロッドと新バンド結成しようと惚れたヴァニラ・ファジのリズム・セクション、BとAと一緒にやろうとするもロッドさんマーキュリーとソロ契約そしてフェイセズに。さらに交通事故で3ヶ月の重症と相変わらずやることなすことうまく行きません。しゃあないわと70年春に回復した時廻りを見渡せば同じミッキー・モスト・プロにいたじゃないですかパワフル・ドラマー、コージー・パウエルさん。さあ一緒にやろう。今度はベースだ。うー、おらん。時代はファンキイだってんでモータウンへ赴き何とファンク・ブラザースのジェイムス・ジェマースンに誘いをかけるとゆう。実現したらそりゃ凄いけど相手にとっては目が点事件。引き受けるはずがありません。エルトン・ジョン・バンドに誘われちゃったりしたけどこれはまあどう考えても無理目つうことで断って、ようやく見つけましたベースのクライブ・チャーマン氏と鍵盤のマックス・ミドルトン氏。華は無いけど腕はあるよ。ヴォーカルはアレックスつう人が一瞬、すぐにボブ・テンチ氏を発見加入ってことでようやく陣容が整いました。それでうー待てないどわっと作ったので皮肉を込めて「粗製濫造」ってか。ベックさん初のセルフ・プロデュースです。まあ1期もミッキイさんは不在ばっかだってことで自分でやったようなもんでしょうけど。音楽は・・・変わったぞ。たった1年で天地引っくり返し。元々ソウルが大好きだったてのとファンキイなメンツ集合ってことでタイトルは実は「ラフ&ファンキー」でしたってことに。おまけにどないしたんや全オリジナルでござる。しかもベック氏単独作5曲も。かなり気合が入ってます。それでえらい新しいとことアナクロなとこがごった煮だった一期に比べて一気に時代の最前線に出ちゃった。スライ・ストーンの「暴動」は全く同じ年ですからまだファンクではありません。大岩のロックとニュー・ソウルの黒潮と白潮?がぶつかったホッカホカ音楽。こうゆうのをファンキイとゆう。自分がこう弾きたいようにように作った曲はお見事。暴れん坊将軍馬上で大鞭の巻でくにょっと歪んだギター、スライドがバンド・サンドでピッチピチ跳ねてます。ヴォーカルは・・・・。テンチさん、黒いんだけど黒くない人で。どうだろう。凄いディープな人だったらもっとえらい事になってたかそれともバランス壊してたか。微妙なバランスの上に立ってる音楽かとも思うので微妙です。コージーさんは意外とデカ叩きしてない。この後ソロでの馬鹿ロッカー振りが信じられませんクレヴァーなプレイぶり。マックス氏はもう最高です。生涯の相棒となるべき刺激つんつんのコードの響きを。これで曲がキャッチーだったら大ブレークしたと確信するもギターが息をするためにはそれもどうだったか。これで良かったような気もするし。曲うんぬんよりも演奏の出来が凄すぎて名盤化した盤であることは間違い無いと思います。相変わらず色んな意味で複雑なりベック世界(^_^;)。

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グッヅ

2/7(月)
人生ブギ
cover
The Very Best of John Lee Hooker
John Lee Hooker
1995

シリーズ「ブギー兄弟」

おやじ〜。つうか爺ちゃん〜。全世界ブギー兄弟の祖父ジョン・リーおじちゃんだ。もー人生最初っから最後までブギーしかもワン・コード一筋。これっきゃ出来ないっていやあそれまでよの豆顔だし。ブルース・ブラザースのレイ・チャールズの楽器屋に入る直前の場面でいきなし挿入される街角演奏場面覚えてますか。ZZトップの「La Grange」は1.のブギー・チルンのリフをパクったちゅうて裁判沙汰にまでなったし、何て言ってもキャンド・ヒートです。共演までして直系の子供。そして英国では・・英国でブルース・ブーム言うたって60’sに唯一チャート・ヒット飛ばしたのがBBでもフレディでもなくてこのジョン・リーさん。64年6月に7.のディンプルズが23位まで上がった。92年10月には8.の代表曲ブーンブーンが16位まで上がるつう謎のとんでもないことが起きたりして。その64年のヒットはブレイン・ドレインなモッズどもの仕業であろうがそれで電気走ったバンドマン連中、3年殺しでブギ病にかかって60’s後半からのブギバンド続出、我らがステイタス・クオーなんて国民バンドじゃけ怖い怖い。その秘密を知りたければこの盤にあり。さー買った買ったたったの10ドルちょいだよ。このおいちゃん1917年にミシシッピ州クラークスデイルの小作人のうちに生まれて幼少の頃ママ父のウリムーアさんにギターとてんこてんこつう足踏みビートを教えて貰ってブギ道入道。さまよい歩いてメイフィス、デトロイト。昼は一介の工場掃除夫、夜はナイトクラブでスーパーブギチルンに変身してしまうのだ。実際7つの顔を持つ男、芸名は十数個あるとゆう。ある時はテキサススリムまたあるときはジョニー・ウイリアムス、ジョンリーブッカー、ジョンリー・クッカー、デルタジョン、どらえもん、ぎた侍。何か悪いことでもしたのかねえ。と言うよりも五木ひろしのような演歌歌手パターンと思われる次第。音楽はだから最初っからブギーです。ワン・コード、しかも弾き語り。バンドが後に付きますけんどそれは勝手にそいつらがバックやってるだけで本人はいつもと同じ。それで通したってんだから、だいたい今の日本で熱唱ストリートR&B野郎に混じってやってる姿、想像してごらんなさいまし。なかなかでけんよ。やらんか。これ入手なされて聴かれた時、最初は何じゃこれお経か?って思われること必定。でもあーたPILとか聴いて喜んでるじゃないですか。我慢しなさい。って我慢して7.まで進みますと先ほどの全英ヒットのディンプルズ。おおお、ポップだって喜んじゃって。さすればもう術中に落ちてます。次第に何だか気持ちよくなって、何だこれは良いんじゃないかと思うことこれも必定。ギター・ソロ、きゅいーんとかも全然無いんだけどさあ。理由なんかさっぱしわかりません。美しいメロディもここで炸裂クライマックスもありません。だから教えることも出来ません。クラシックな音楽頭では全く楽しむこと不可能てなブギ・リトマス試験紙ですけど怖いですか?大丈夫、あなたは勇気あるロック少年です。いにしえのロック野郎達同様今ここで地下水脈でこっそり伝道されてきた秘密のブギー黒魔術いただいてみましょう。後はどうなってもわしは知らん。

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2/8(火)
ブギ入道
cover
Ma Kelly's Greasy Spoon
Status Quo
1970/10

シリーズ「ブギー兄弟」

ロック史に残るスーパー・エクセレントおばちゃんジャケのこの盤はステイタス・クオー、70年の3rdアルバムです。サイケサイケの世の中でサイケサイケしておったクオーさん、64年のジョン・リー・フッカー「ディンプルズ」がどーも心の片隅に残ってしょうがない。もう我慢出来んとついにブギー道入道してしまいました。まずは5月に先行閃光シングル「Down The Dustpipe」排水管降下/最高位12位をかっとばした後、その変身を決定すべく送り出したのがこれ。おばちゃんジャケも戻れない自分へのマニフェストか。冒頭、回転車輪ブルースでもう全開です。このだる〜いシャッフルビート、正にフッカー・フィーリングの心直撃。もちろんあんな弾き語り1コードでは出来ませんから自分流でございます。奇しくもアメリカのブギ兄弟長男キャンドヒートにシンクロするもそこは末っ子。茶目っ気たっぷりね。続いては強大リフの8ビートブギ「Daughter」。ブルージイつうよりマーシービートなメロが快感。ペコペコした鍵盤ともどもこりゃはまる。3.のエヴリシングがこれまた最高。訛りががっちり入ったアコ・バラードでして小編成弦楽団も応援の哀愁メロディがもう。と落とした後4.シャイ・フライ。ごんごん。マペット踊りまくる馬鹿ロックだぞ。この例えようも無いポップ感、クールにかっ飛ばすとこが秘伝ミソ使用の行列が出来ます。5.の4月、夏そして水曜日は再びヘヴィブギ。まったりした引きの美学満開。重いけどやっぱ茶目っ気たっぷしでポッピイ。焼酎割り。酔いますとっぷり。引っくり返して6.ジュニアズ・ウエイリング。正統ブギど真ん中チューン。70’sライブ幕開け定番曲に相応しい堂々たる一品。これでみんなに覚悟してもらいます。7.ラッキイ・レディ。ボンゴぽこぺん入りのマナサスみたいなラテン・ブリティッシュ・ブルース。何じゃそりゃ。しかもロンドンロンドン世界のロンドンのステージで演奏しとります。一瞬入るオルガンがグルーヴィかつセンス。ブルースをこうやれるのも末っ子ならではの所業かもな。かわいくて親も許す。8.ニード・ヨア・ラブ。空ピックのストロークがもうかっこいー重量ナンバー。どことなくグループサウンズの空気もあったりして。地下ゴーゴーバーではこれで髪振り乱して踊ります。最後のリズム・チェンジ後、ここまで聴いた人はもうこの世界に虜になってるはずだ。次のレイジイ・ポーカー・ブルースは同時期クソ真面目にブルース一直線してたフリートウッド・マックのカバー。ブルースをカバーしてたマックのカバーって(^0^)。やっぱり軽快、文句有ります?ってノリが身上ですから。文句有りません。ラストは50tの一本どっこなノリが最高なメドレー。これもグループサウンズな雰囲気メロがもう素敵です。失神してもいいですか。あ、誰も助けてくれない。立ち直ってまた頭振るわ。意地。ああ、ギター弾きてぇ。そしてスピードアップさあ行くぞ。ずんこずんこずんこずんこ。途中踊るトラッドに一瞬変身で何故ブギが英国人に愛されるかちょと見えたような。ボートラ1曲目で同年11月のヒット、イン・マイ・チェア/最高位21位の別テイク収録。よりだる〜い。ボートラ2曲目Gerdundulaがこれまたトラッド英国の&ブギイ。やー、この滅茶苦茶な混じり具合が極上。この1曲の味わい入ってて旨味3倍増しかも。そして「排水管降下」と「ジュニアズ・ウエイリング」の別テイク。排水管のギターのリフ、別なやつでどっかで聴いたんだけどなあ。思い出せん。はい、これだけ喜んでますように私この盤、クオーのアルバムの中でも1、2を争うぐらい好きであります。ジャケに騙されてはいけない。いやジャケの素晴らしさそのままだなこりゃ。全てがピッカピカ。

曲目等詳細

試聴はここで

2/9(水)
ビート・ジャズ
cover
Canteloupe Island
Herbie Hancock
1995

シリーズ「JazZ」

これはハービー・ハンコック氏60年代のブルー・ノート・レーベル時代の曲、6曲を集めましたコンピ盤です。ジャズ界一軽薄、失礼、もといフットワークの軽い男として顰蹙買いまくっておったハンコックさん。記憶に新しいところでは80’sの(新しいかー)ロキットなどとゆうのを覚えてる方もおられると思います。POPな人なんだろうなー。昔から皆が楽しまないような音楽はやらなかった。それが過ぎるとおいおいつうことになってしまった次第で。そしてこの時代60’sは正にヒップな存在でした。特に愛されたのがイギリスにおいてモッズの連中。新しくてクールでファンキーでってのを目を皿のようにしてジャンル無用で聴いていたブレイン・ドレインって呼ばれた不良どもがこれで踊ったと聴きます。リフを元にした8ビートで。ジャンルでゆうとソウル・ジャズとかファンキー・ジャズとかゆうのになるのでしょうけどわたしゃビート・ジャズって勝手に呼んでる。リフだからわたしらロックな人にも入りやすいのね。さて重要曲はまずはなんつっても2.の「ウォーターメロンマン」。スイカ男登場。あまりに素敵なんでカバーされたこと枚挙にいとまなし。ジャズ畑は別にしてもまずはマンフレッドマン、スライストーンもJB’Sのフレッド・ウエズリーはまだわかるけどスライ&ロビーのレゲ・ヴァージョンもかわゆい。ジャズのクールなかっこよさはもちろん、メロが曲としてジャンル超えてるのだ。そして1.のカンタロープ島。これは現代に蘇っております。3秒聴いただけでああ、あれあれっどっかで聴いたと思われるかも。アシッド・ジャズのUS3(あす3と読むらしい)が93年にサンプリングしてヒットさせた。言葉のせただけでほぼまんま。この連中も英国だからよっぽどこの感じが好きらしいぞい。映画「欲望」のサントラもやったくらいですから、ハンコックさんの音楽、確かに行った事は無いけどロンドン裏通りぽい。スウィンギン・ろんどんだなや。これで闊歩したらさぞ気持ち良かろう。流行を追うってことがまだ生き生きとしてて素敵だった時代。これが吸えます。3.のドリフティンはモロ・ジャズ。これぞジャズ空気。やらしいなあ(^0^)。このいやらしさが最高。4.のめくら男めくら男。って2回もピー。これもリフのビートジャズ。ニュー・オリンズ風味もあり。5.はもージャズ喫茶。濃いブラック・コーヒーのお味。まいうー。最後6.はメイデン・ヴォヤージはビートジャズ。どクール。静謐な空気の中うごめくぞ何物かが。このビート・ジャズはお仲間が沢山います。主流の眉曲げモダン・ジャズとは別にこれこそが実に生活で愛されてたジャズと見た。私もこっちの方が好き。ハンコック氏はこの後の70’s、マイルス・バンド経由でファンクどろどろの世界に突入。めざとい人じゃけに。それも味が濃厚最高です。いづれまた。まずはこれでコーヒー飲ませてもらいますわ。まいうー。

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2/10(木)
与太者ロンドン
cover
The Five Faces of Manfred Mann
Manfred Mann
1964/9/11

シリーズ「マン」

その「ウォーターメロンマン」をヴォーカル入カバーしてるのがこのマンフレッド・マン。遥か昔64年のデビュー盤がこれです。アースバンドは夢中なるもわたしゃ昔はちいとも関心無かった。だってかっこ悪いんだもん。60’s英国ったらビートルズ、ストーンズ、キンクス、スモールフェイセズ〜〜〜だもんなあ。レコもなかなか目に付かなかったし。シングル曲は知ってましたけどそれ以上はなかなか。でも歳取ってから聴いてこれは良かったかもしれん。染み方が違います。すげーバンドだったんだなあつうのが聴き返すたびに思うこと。とにかく演奏が上手い。デビューなのにこれかよー。経歴はベストの文章に書いた通りで母体はジャズやっておった人達ですから。ノリも他のバンドとは違うぞ。恐ろしくジャストな演奏。むしろ前ノリかも。そのつんのめるようなサウンドにのって歌うはアイドルだと思ってたポール・ジョーンズさん。確かにシングルではかなりかわゆい。ところがアルバムでは正体隠すことは出来ないねえ。かなり悪そう。デビュー前に意味無く人を5回は殴ったと見た。とんでもないヤツだわ。バンドやってなかったらどうなっていたことか。同期、若き日のミック・ジャガーを彷彿とさせます。食い付いてます。ガブっと歌に。えらいソウルフル。その悪そうなヴォーカルがどクールな演奏にのってるのでかっこよさが際立つ際立つ。えー何やら正体不明で何をやる人達なんだってのがこのバンドの長所でありまたとっつき難いとゆう欠点でもあります。タイトルの「5つの顔を持つ男マンフレッド」とはよくぞつけたもの。多羅尾伴内には2つ足りぬ(^0^)。ハープもヴィブラフォンも登場。極彩色のようでモノクロ。ブルースもR&Bもとにかく軽々と。オリジナルを全く尊重せず(^0^)、尊重せずってこたあ無いか、とにかく己のスタイルでやり通して。文句あるかってなもん。こりゃかなりパンクかもしれん。それでもまだ正体不明なとこは依然として残るし。引きづってまた聴きたくなる底無し感だから全く困るわどうしてくれる。件の「スイカ男」カバーはUS盤の同名タイトルの盤に入ってます。現在CDではプリティ・フラミンゴと2in1。あっちはタイトルは同じだけど曲目全く違ってさらに訳のわからん選曲で楽しましてくれるぞい。フラミンゴはまた改めて。それでも一番悪そうな音楽はこの1st。不良音楽が好きな人は是非聴いてみて下さい。

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日本盤

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2/11(金)
サイケ・ブルース
cover
Electric Mud
Muddy Waters
1968

シリーズ「ブラック道」

シカゴ・ブルース親方、マディさんをWANTEDさせていただくのはこれが最初です。その最初にこれ「電気マッド」やるなんてこのーとんでもないやろーだって言われそう。やります。時は1968年。ぺんぺん。世はサイケデリック・ブームの真っ只中でありました。そこに登場はアメリカ老舗ブルースレコード会社チェスの社長さん。「どうかねマディさん、フォーク・ブルース・ブームも一段落したことだしさぼってばかりいないでロックやって働きなさい。」「ほえー、でどないなのやったらええでっしゃろ。」「それはまー今流行のサイケだろな。ジミヘンみたいなの。ほれそこにチャールズって男がいるから相談して適当に決めなさい。」「ほーい。」「チャールズさんチャールズさん、あんなこと言ってます。何とかして下さい。またペンキ塗りに戻るのは嫌です。」「うーん、困っただなや。おいらが知ってるのはジャズの変態さんばかりだなや。ま変態さんだからそゆうのも出来るじゃろ。」と消臭いや召集されたのが、当地シカゴでジャズファンク始めていたベースのルイスさん、後にマイルス・デイヴィス暗黒4部作で外道の限りを尽くしその当時はロータリー・コネクションつうサイケ・ファンクバンドに参加してたギターのピート・コージーさん、ドラムもそのバンドのモリスさん、こいつらばかりだと音楽にならんと呼んだのが職人ギタリスト、フィル・アップチャーチさん等々。「どうないしよか。」「まージミヘンやれつうんだからあのドンデコデン・ビートだろな。」と1曲目はブルース名曲、フォガットもカバーしました「アイ・ジャス・ウァナメイうにゃうにゃうにゃ」。「ほなやろや。」やりました。凄いことになってしまいました。マディさん言葉乗せるのに四苦八苦。「いやー凄かったなあ。もともっと。次は御大のオハコ、ちんXデカ男や。」。やりました。凄いことになってしまいました。「ぎゃはは。こりゃええわ。次はそうだなあロックやろ。ほらしばらく前にここにやって来て録音してたロックの連中、ほらストーンズとか言ったっけ。あいつらの曲やってみよ。」「でもおらメロディ知らないぞな。」「ここに歌詞があるから適当に歌ってけれ。」「ほーい。」やりました。何とかなるものです。「いやーロックだ。ぎゃはは。」「よっしゃ次や。」やったら困った凄い怖いものなってしもうた。「やばこれじゃちょっと怒られるか。じゃ最後にテンプスのマイ・ガールやれば堪忍してくれるかの。」「そやそや。」何がそうなんだか。そんな具合に、次々とでかチンx少年とかやって。「やー、出来た。これでサイケロックスター、マッド・ウォーターズ誕生や。みんな大受けやでー。」そしたらまー大変。マスコミは激怒、ブルース・ファンは激怒、当のジミヘンさんには吐き気がするとまで言われちゃって。「何や巷ではえらいことになってるらしいで」「何やそんな受けたのかい。また作っちゃろ。」って続編まで作っちゃった。おかげで今に至るまでトンデモ作品の代表みたいに言われるはめになっちゃったよ。このクソ盤、絶対に聴いちゃいかんと言うのが一番簡単じゃ。でもさーそんな言われると聴きたくなるのがロック・ファンのサーガノベルいや性ですけん。わたしゃ好きですぞい。無茶苦茶だから。ファンカデリックだし。初期の彼らのまんま。ジミさんの音楽はとてもとてーもまね出来ませんから、ブラック感覚ではきっとこう聴こえてやるとこうなるのだな。ギターなどは後のアイズレー・ブラザースのアプローチそのまんまです。暴れん坊将軍北島三郎ヒップホップで歌う。きゃーやな企画英語でタイトル書いてあったりして。それでマディさんはどうなの。はい、親方も最初はとまどっているものの段々変にノッて来ちゃって楽しそうですらあります。こんなことで動じる人じゃ無し。だてに顔はデカくない。とにかくまーやかましい音楽。ヘドが出るわもしくは最高!、真っ二つに分かれることは間違い無し。買われちゃって怒ってもわしゃ知らん。多かれ少なかれ音楽とはそうゆうものかと。ノルかソルか。人生はドゥー・イット・オア・ダイだわ。がはは。名盤入り?。さすがに遠慮した方がええですか。

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2/12(土)
ジャッキー・ブルー
cover
It'll Shine When It Shines
Ozark Mountain Daredevils
1974

シリーズ「うえす塔こうす塔」

1曲が良きにしけ悪しきにつけそのバンドのイメージを決定付けてしまうことがあります。その曲は「ジャッキー・ブルー」。75年の春に全米で最高位3位まで上がりました。そのバンドはオザーク・マウンテン・デアデビルス。アメリカのど真ん中、ちょうどオヘソの位置、ミズーリ州スプリングフィールドのバンドです。正に神様がくれた曲とはそれのことで、マジック、イリュージョンがとりついてて1回聴いたら忘れられず2回聴いたらやみつきに3回聴いたら4回聴きたくなるとゆう。ただ困ったことにいつも小沢君(バンド略称勝手に)がいつもやってる音楽と違ってて、全く神様はいたづらものだよ。スプリングフィールドつうところがどうゆう土地かはもう行ったこと無いんで想像出来ん。ただ写真を見るといやーやっぱアメリカ、だだっぴろいわ、こりゃ多分スピルバーグの映画「追跡」の光景みたいな海の香りのしないところだな。どうしたって陸の孤島でしょうしこの辺から出てるバンド、例えばブラック・オーク・アーカンソーとか、もちろんこの小沢君もどこか超然としてるとこ有り。ラジオでTOP40とかは聴いてるだろうから世間でどうゆうのが流行ってるっての知ってるでしょうけどそれでも全くマイ・ペース。そんなこと知ったことかいって雰囲気濃厚です。そんな小沢君がデビュー出来たのはイーグルスのおかげかもしれん。爽やかアメリカンが行けると踏んだ各レコード会社は似たようなバンドを目を血眼にして探しました。で、発見!土地は西海岸では無いけれどカントリー・ロックやっとるどってんで小沢君に白刃の刃が。プロデュースは決まってるじゃんグリン・ジョーンズってとこからもイーグルス並の活躍期待してたのがありあり。で期待に少しだけ答えて1stからは「If You Wanna Get to Heaven」って曲がちょっとだけヒットしました。ど田舎ムード満点のブギ・ナンバー。そして順調に2枚目をリリース。それがこの盤であります。本人達はと言えばヒットしようがしまいが至って気にせず(そうとしか思えぬ)、いつものように時が止まったがごとき音楽をやってくれて。1曲目からロバ、ぽっこぽこのどカントリー・ナンバーだ。確かにイーグルスもこんなんやりますが、どっか徹底的に違う味。やっぱ海が見えないって言いますか。砂塵と夜露の香りがします。暗さとは別の重さも。土地ってのは凄いねえ。その通りウエストコーストとサザン・ロックの合わさった音がしてるもん。2.はそのサザン色強しブギ・ナンバー。透明なボーカルが爽快です。メンバー全員による完璧なコーラスが寄り添って。3.は件のジャッキー・ブルー登場。ドラムのラリー・リー氏がヴォーカル。この方だけ一際特異な個性を持ってまして、どっか都会的。ジェファーソン・スターシップのマーティン・ベイリン氏とスーパートランプのホジソン氏と並んで3大泣きヴォーカルと勝手に言わせてもらおう。裏声気味のへにゃへにゃ歌声が何とも魅力的であります。曲は神様がくれたもんですからもー分類不可能。しかし何だろうこれ。ソウルぽくもあり歌謡曲ぽくもあり(^0^)、少なくともカントリー・ロックじゃ無し。さすがのイーグルスもこんな不可思議な曲は作ってません。私も最初は女の人が歌ってるのかーとも思ったこともあり性を超えて中性的でもあったりして。退廃の匂いもあるし。とにかくまあキラーだな。盤の中で浮きまくってます。4.になると何事もなかったようにまたいつもの小沢君に戻る。スカっと爽やかこれは西海岸風。例に漏れずジャッキーでこのバンドに入ったんですけどこうゆう曲聴いてまた別の喜び発見しました。5.になると何と虫の声登場。夜のキャンプの焚き木風景がどわっと眼前に。横で唄聴いてるみたいな気持ちに。お兄さん歌うまいねえ。五臓六腑に染み渡るジェントリーな名曲です。虫の声消えず今度はダークなアメリカ妖怪が跋扈する6.に。7.はサザン・カントリー。ハーモニカも西部劇スタイル。8.はちょっとまた都会つうか町程度ですけどモダンになります。アメリカにも共通する味で。こうゆうのはもう問答無用でKOされちゃう。9.はまたまたど田舎。じゃじゃ馬億万長者。メロディがアクト・ナチュラリーに似てます。10.はブレッドのイフみたいなアルペジオで始まる透明ソング。お兄さんいい歌書くねえ。11.は派手だー。とこれでもけっこう派手に聴こえちゃう。ははは。初期スティーリー・ダンにも通じます。ラストは容赦無き西部劇曲。ひゃあほう地味に絡んでるアコーディオンはさすがA&M、ニック・デカロ氏です。とゆう訳で全編こりゃもう言い訳出来ないほど地味かも。それでもかまわん、聴けば聴くほど手ごたえのあるある音楽が聴きたいって方に迷う事無くお奨めです。他も盤も外れ無く強力。丸ほどはまって後悔しませんオザーク山のむこうみずさんたちは。

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2/13(日)
JBイン・メンフィス
cover
Jeff Beck Group
Jeff Beck
1972/4

シリーズ「ギター屋」

通称オレンジ・アルバム。ジェフ・ベック史上最高傑作の誉(勝呂)高き盤です。前作でがっしりとした手ごたえを掴んだものの売上げは芳しくなく全米最高位46位、イギリスでは相変わらずさっぱりで仕切り直し、それでもソウル熱、ファンキー熱益々高じて、プロデューサーに頼んだのが英国ギタリストの羨望の的ブッカーT&MG’Sのスティーブ・クロッパー氏。レコーディングもメンフィスに乗り込んでウキウキの製作だったかと。私、麗しき(^0^)十代の頃、買って聴いたんですけど実は少々ピンと来なかった。ああ、罰当たりだ。とゆうのもトゥルースの後、これ聴いちゃったんで。例に漏れずロッド・ショック。どうしても歌比べちゃって。それにどうもこじんまりまとまってる気がして。まあそれが今では大好きですから。当時はファンキイ熱も今ほどでは無かったもんで。しゃあないなあ。それでもこれでロッドさんが歌ってたらって夢想はします。だってテンチ氏の歌い方けっこう似てますよねえ。ロッドちゃんはこうしたファンキー傾向なのやってなかったしそれだけにもしって気持ち高くなって。それだけ演奏がえらいことになってるってことだわ。今回はカバー曲が多くなってます。無理せずクロッパー氏と相談の上、良い曲をたっぷし料理してやろうつうことか。1.アイス・クリーム・ケークはベック氏の曲。うっぴゃぴゃきゃりゅくりゅきゅりーんギター初っ端から炸裂。ざくざくリズム弾いててもはみ出しそう。必死に暴走抑えてる様がまたエキサイティングで。しかしアイスクリームケーキ懐かしいすねえ。今はあるのだろうか。昔はクリスマスつうとこれ親父が買って来て。ケーキってこれのことかと思ってた。これがまた最初は美味いんだけど最後が寒くて。ま、モノホンじゃなくてラクトアイスだからだったろうが。カチカチだったし。なんてこと思い出しちゃう。いやーファンキーだミドルトン氏。発振してるギター。2.ファンキー・ロックンロール。ペっとかぎょとかつい入れてしまいます合間にギター。ソロの軟体ぶりがまた。3.ナッシュビル・スカイラインに入ってますボブ・ディラン氏の曲。あれこんなどソウルだったっけって聴き直してしまうほどのアレンジ。見事なり換骨脱脂。これロッドさん歌ったら。なんて思ってはいかんいかん。4.シュガ・ケイン。ベックとクロッパー氏の共作。これがもう大好きです。この妖しいリフ。MG’Sの香りがするグルーヴ。ニュー・オリンズ・ファンクぽくもあって。ミーターズとMG’Sかーなんてニンマリしちゃう。ベックさん抜きでも大好き。この盤で一番なんですけど駄目ですかい。5.はアシュフォード=シンプソンとブライアン・ホランドの曲かー。確かに歌付けるとそうだわ。シリータ、ダスティ・スプリングフィールド両嬢のヴァージョン聴くとああ、この曲だって感動してしまった。とにかく華やか&セレヴィーが特徴、それがベックさんでひねくれると。6.強引だはほんと強引なハードロックチューン。南部のドン、ドン・ニックス氏の曲。これもロッドちゃんが・・・7.はお気に入りスティーヴィー・ワンダー氏絡みソング。もうちょっとで大爆発な感じのワンダー氏の魅力がばっちり。って訳わからん。彼のヴァージョンはどの盤に入ってるのかな。続けて8.はベック氏オリジナル。自分の見せ場冒頭からたっぷし(^0^)。彼が歌作るとこうなるかってなところに興味しんしん。やっぱはみ出てます。どこで解決するのだ。テンチ氏悶絶してるぞ。ラストは必殺ディフィニットリー・メイビー。問答無用代表作かと。ホップ・ステップで飛び越えて哀しみの恋人達モードに。たっぷりこのクライベイビーを味わうのみです。この後のツアーでバンドはあっけなく崩壊。やりきった感が強かったのか。また虫がうづき出して次の居場所を求めてさすらうは素浪人花山弦吉。

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グッヅ

2/14(月)
地の私
cover
Blood on the Tracks
Bob Dylan
1975/1/17

シリーズ「あんふぉーげった房」

ボブ・ディランさん。ろっくす初登場かも。何たって魔人だし。いや別に嫌いって訳じゃ無くて高校生の学祭の時に弾き語ちゃった恥ずかしい過去があるくらいなんすが。とにかく大ビッグネームです。ま、大物さんだからつうてその人その人にとって偉いって限ったもんでもなく。大体クラシックロックなんてえもんは大物さんだらけ。無条件で立派と思いなさいみたいな強迫観念だらけで窮屈になっていかん。1回そんなんチャラにしないと楽しむためにはつまらなくなってしまうわ。逆にそれが嫌でわざわざ重箱の隅みたいなバンドばっか聴くのもまたあほくさいし。関係無いけど新しいものも聴かなけりゃならんってのも強迫観念だな。とにかくつまらんものはつまらん面白ければ聴けばいいと人生半分超して時間が貴重になる昨今つくづく思う次第であります。さて血のワタチ。や轍。一旦隠遁生活に入って復活したのがこの直前のザ・バンドとの共演2枚。熱狂的に迎えられパワーみなぎる演奏で健在なりわしゃディランじゃいいたしました。さて次の一手はと世界が固唾を呑んでたとこ登場したのがこれ。あらますっかりリセット、どらえもんはじめの気持ちを取り戻そう盤だ。どうだろうとてつもな有名曲は無いんだろうけどなぜ世間がこの人にこれだけ夢中になってしまうかの全ての答えがあるアルバムです。歌い方がやらしいよとか顔が気持ち悪いとか詐欺師みたいだとかもし思ってても逆らうことが出来ずはまってしまうかもしれない。内容は弾き語りとそれにそっと寄り添う演奏だけ。そのバックは73年にデュアリング・バンジョースつう今何時代?のヒットを飛ばしたエリック・ワイズバーグとデリバランスの面々。そして1,3,4,7,8は取り直しで地元ミネアポリスの無名ミュージシャン達。いずれもけっして俺が俺がではなく、俺が俺がしてないボブさんのバックを粛々として務めてます。だからまあ歌しか入ってません。そしてその歌がやばい。麻薬なんだわ。シングルでもヒットした1.のブルーにこんがらがってからまー何だろうーん、うーん、聴いてくれこのー。少なくともわたしゃ一枚聴き終わったら、えーもう終わったのもっとに今でもなってしまいます。で何歌ってんだろって歌詞見るとけっこうちんぷんかんぷんなくせにおーって(^0^)。騙されてる気もいたしますが。だとしたら嫌な悪魔だよこの人は。猪木、馬場クラスのとんでも人間であるこたあ確かだな。ベタ褒めか罵るしか手は無し。どっちにいたしますか?

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グッヅ

2/15(火)
超絶虫歯菌
cover
Roller
Goblin
1976

シリーズ「ぷろぐれ支部」

先週プログレ棚で発見。やたーゴブリン虫歯菌ゲットー!とジャケ買い比率82%で購入して家に帰って聴いたら・・・。あら大変。ケツから火を吹いて腰抜かしました。凄いぞゴブリン。バチっと私のプログレツボにはまってしまった。サスペリア等のサントラで有名、音でおっかないサウンドをやらせたら世界で指折りの彼らは75年デビューのイタリアのバンドであります。これは2作目にして初のオリジナル・アルバム。デビューはサントラでありました。プログレちゅいますとキング・クリムゾンが始めたエピタフ系の耽美王子様路線と太陽とせんみついや戦慄に代表される武闘派路線つう二つに分かれると認識しておりますがこのゴブリンちゃんは明らかに武闘派。なのに関わらず泣きもちゃんとありますまあ美味しいバンド。ごめんこんな凄かったのに今の今までちあんと聴いて無かったよ。勿体無いことしたわ。ハナから来まっせー。タイトル曲ローラー。おりゃあこりゃUKかー。ウエットン氏もかくやのピック弾きゴリンゴリンベース。ビルさんこんにちわのツタタタドラム。ああ教会の鐘は鳴るの中世オルガン。あ、ゴブちゃんはちなみにインストバンドでござい。歌唱の国イタリアでインスト。なもんで楽器も歌っております。主メロがしっかりとしてる。この辺はサントラで鍛えられた証か。おめそんなんじゃ訳わかんめえよって監督にどやされながら音楽作ったのね(ほんとか)。よって格調高きプログレ研究勉学家の人々にはなんやこりゃ火サスかとかホラー映画野郎と罵られてるのかもしれんがそんなこたあ知ったこっちゃ無し。わかりやすくて馬鹿テクしかもど根性、言うこと無いじゃ無いですか。しかも瞬間的な引きも見事。緩急のセンス抜群で歌無しも飽きることはありません。カラっとしたコンパクトさはむしろカンサスとかに通じるかもしれん。と1.で既に口を極めて褒めてしもうた。2.は「水槽男」。チュウブラ・ベルズ調の導入でぴちゃぴちゃ水の音。そのまんまやー。べこーんと絡むベース。引っ張って引っ張って泣きに泣くギター登場。ああ下世話や。たまらん。庶民の味方。3.スニップ・スナップでびっくりてんぎょう。ファンク登場です。ファンクとは申してもあのジェントル・ジャイアントがやるような丁々発止のタメ・ビート・プログレ。そのビートをバックに辛子の効いた音色の鍵盤が踊りまわる。ハイハットの締め技見事なり。4.は原題はまるで読めぬ。邦題では「蛇の目覚め」つうからそうなんだわきっと。何とも気品高きピアノ・インスト。ザッパ氏を想起させるメロディ。うわーと浸っていると最後に拍手。これはライブなのかと思ったら拍手風の効果音ってやることが凝ってるぞ。アナログではここで引っくり返しての5.。その名も「ゴブリン」。怖いよーの導入部に導かれて辺拍子鍵盤トリル。お約束でどーんどーんと入ってまたもUK調の泣きのメロ。さすがバンド名冠した曲だけあって気合は入りまくりの堂々たる王者プログレです。この11分ほんとやばい。スリリングこの上無し。これでやられないロック・ファンはいないんじゃないか。最後はフランケンシュタイン博士。お得意の恐怖ネタで存分に怖がらせておくれです。間がたっぷりの格闘もので聴いたら、ああ、あの感じと悶絶すること請け合い。とまー、私が望むプログレ快感の全てがここに詰まっておりました。残るは歌なんだけどここには入る余地無いなあ。極めて映像的、目の前に見たことの無い映画がシネラマで横一杯に広がります。人生盤だな。

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