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2011年07月17日の記事

2011/07/17(日)復活を遂げた酒

福島県双葉郡浪江町請戸に、鈴木酒造店という酒蔵があった。代表酒は「磐城 壽」。震災前の情報しかないが、ここだ(→磐城壽)。
場所を見てわかる通り海岸に一番近い酒蔵で、すぐ目の前が海。今回の震災で津波の被害があったことは想像出来よう。この酒蔵も津波の被害に遭い、従業員は全員無事だったものの、蔵は全滅した。人間以外全てだ。

しかし奇跡が起こった。震災の前に、会津にあるハイテクセンターという研究施設に研究用にと酵母菌を預けていたのだった。蔵は無くなってしまったが、磐城壽の酵母が生きていればまた酒は造れる。そして、会津地方の某酒蔵の環境を借りて、酒を造ろうということになった。残っていた酵母を選別・培養し、新しい環境、水、米で酒を造った。
そして、その酒がこの度完成したのだ。
福島民報「浪江の酒、南会津で復活 鈴木酒造店の「磐城壽」ラベル貼り」

元々、結構好きで飲んでいた酒でもあったので、今回の被災はとても残念だったし胸が痛かった。しかし従業員が全員無事だったのと酵母が残っていたのとで、また酒を造ると聞いたときにいたく感激した。
いつも通っている酒屋があるのだが、そこでは前から鈴木酒造店の酒の取扱があったので、今回の復活した酒を買えないか相談してところ、少ない本数だが入るかもしれないとのこと。買えるかどうかわからないが、一応予約をお願いしていた。そして今日行ってみたら入荷したとのことで、1本だけ売っていただけることに!

この復活した磐城壽をカミさんの実家に持って行って、一緒に飲んだ。スッキリして甘さもほどよくバランスが良い酒だ。酒造りに対する思いと、奇跡が生んだ酒。味わって大事に飲んでいきたい。
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