2010/07/05(月)1mで15,000円のLANケーブル

「オーディオ向け」のLANケーブルが発売に、1クラス上のサウンド?

最近特に目立つ高級デジタルケーブルだが、またトンデモな製品が出たようだ。
これ騙されて買う奴いるのかな。というかこれを微妙に肯定も否定もしないような記事を書くなよな。どう考えたってオーディオに全く関係ないんだから、真っ向否定するか、小馬鹿にすることで否定のニュアンスを含めて欲しいわ。馬鹿な奴は騙されればいい、という問題ではなくて、こういうのが当たり前に蔓延ってるのが問題。駆逐されて欲しい。

ちなみに言っておくと、「一重シールドのケーブルに比べて20~30dBの放射電力量を抑える効果が証明された」というのは別に否定しないし、謳ってる以上正しいんだろう。LANケーブルとして高品質であるのは結構。ただ、オーディオには全く関係ない。
販売元曰く、
この優れたノイズ対策により、オーディオデータのストレージからネットワークプレーヤへの確実なデータ転送を実現、1クラス上のサウンドを実現します。
とあるので、ストレージにあるデータにアクセスして取り出し、再生する、要は現行のデジタルオーディオで使用するデータ伝送のために使用することを想定した説明になっている。すなわち、PCで使うLANケーブルと用途としては何ら違いはない。これで「オーディオ的に」違いがあるというのなら、別PCからデータをLANケーブルを使用してコピーするとJPEG画像が劣化したりとか、TXTファイルの中身が変わったりとかするんです!などと同じことを言っているということだ。

こういう、物理的な仕様を記載してあたかもオーディオ的に違いがあるように誤解させて売る悪徳ケーブル屋は爆発してしまえと思うわ。物理的には確かに違いがあるが、扱うのがデジタルデータである以上、伝送上の物理特性はどうだろうと関係なく、正しい情報として最終的に受け取られれば結果は全く変わらない。というのを、それなりの機関、マスコミが伝えない限り、こういう悪徳商法は残ったままになるのだろう。
HDMIケーブルやUSBケーブルも同様に、AVとしては何ら違いはなく、規格さえ満たしていればどれも同じ、ということを知って欲しい。

あとちょっと別の話として、LANケーブルをAV伝送に使う規格が制定されつつある。これは従来のEthernet用とは別の使い方で、HDMIケーブルのように、直接データを伝送する仕組みだと思う(詳細はわからないが)。
この規格が出てくると、また高級オーディオLANケーブルが大量発生するものと予想する。先に言っておくが、これもデジタルデータの伝送になるだろうから、ケーブルの差は生まれないだろう。HDMIが先にあるのに、それより劣る仕組みになるとは考えにくい。
ただ、情報量が多くなると(高域になると)ケーブルの対ノイズは結構シビアになるだろうから、100円のカテ5eとかではダメだと思う。この辺の事実上の差が生まれてしまうあたりに、高級ケーブルの存在理由(ある意味捏造だが)を増長させてしまうような感じがして、今から嫌な予感がするなあ。
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