2015/06/10(水)うさんくさい

HDDの違いで音質に差が出るのか?オリオスペックで確かめてみた (取材中に見つけた○○なもの) - AKIBA PC Hotline!

個人的には、こういう非科学的な雰囲気がするものは大嫌いな派なので、この結果は信用に値するものとは思っていない。
百歩譲って、DAC~アナログ段と同じ電源配下にぶら下がる機器、ってならまだノイズの影響も考えられるけど、それそれのストレージをNASに入れて、ネットワーク経由で接続して、ネットワーク越しに転送した音源データを再生して音質が変わるワケねーだろ。アホか。「変わるかもしれない」とか思ってる時点で洗脳されてるっての。
いや本当の意味でフラシーボ効果を狙ったものなら、満足感や優越感から、脳が勝手に「良い!」と認識するかもしれないので、そういう意味では効果はあるかもね。実は音質に違いはないんだけど、本人が満足したらそれでいい、みたいな。

ただ、そういうことじゃなく、一応目的としては科学的に評価しよう、って体裁を取っているのに、この中途半端具合がもうね、全然科学的に評価しようと思ってないことの裏返し的な感じ。腹黒さ満載。
そもそも、思い込みやフラシーボを排除する方法をちゃんと考えてやれよと思う。参加者を募る段階で、違う可能性があると思っているか、絶対同じになるはずだと思っているか、まず個人の認識をアンケートすべき。それに、二重盲検法*1か、トライアングルテスト*2のどちらかを採用して、アンケートと調査結果から、きちんと統計学的に有意差があるかどうかを評価すればいい。
今回のは全てが中途半端。言い方が悪いがこんなの環境が異なるかどうかの保証もない。邪推するけどショップがSSDの販売プロモーションを兼ねてやってるとしか思えない。

本当に差があることを証明したいなら、ちゃんとした環境で、ちゃんとした手法で、統計学的に問題無い形で評価して欲しいところ。それで有意差が明らかになればものすごい発見だし、誰の文句も受けず堂々と「音質に差があります」って売り出せるのに。
今回のHDD/SSDに限らず、オーディオ関連ではショップも、メーカーも、ウェブサイトも、雑誌も、どこもかしこもこういう調査・評価を行わないのはなぜなのかなあ(棒

*1 : ABXテスト。1つ目を提示後、2つ目を提示(変化させないパターンも含む)して違いがあるかを答える。変化有無に有意差があるかを調べる

*2 : 3点識別法。どちらかを2つにし計3つを提示(AAB/ABB)にして1つしかない方を答えさせる

2015/05/20(水)ボーカルに温かみ

光城精工、4,690円のロック式電源ケーブル。「ボーカルに温かみ」 - AV Watch

電源ケーブルを変えるとボーカルに温かみが出るんだって。すごいねー(棒
つーかこういうクソ業者何とかしろよマジで。というか大手がオカルト紹介してんじゃねーよ。ちゃんとオカルトなら別にいいんだよ。問題は本当に効果があるように謳って売るなってこと。オカルトならちゃんとオカルトで売れ。

2015/05/14(木)調子に乗りすぎ

AKのDAP、新しいのが出るみたい。クソ高いの。
Astell&Kern、超ハイエンドプレーヤー「AK380」発表。384kHz/32bitネイティブ再生 - AV Watch

製品はそれなりなんだろうし、需要があるから否定する話ではないけど、個人的な感覚としては調子に乗ってんなー、って感じ。
そもそも、物質的な材料の原価が高いとか、全くの新しい製品をゼロから生み出した、とかじゃなければ、ここまで値段が高くなる理由がない。適当に理由を付けて、差別化して、儲けようとしているだけにしか見えない。貧乏人のひがみなんだろうけど。
なので、高級時計が高いのはわかるのよ。材料原価が高かったり(金や宝石類使うし)、部品がほぼ手作りだったり、他に作ることができない技術が関わったりしているから。一方でオーディオ機であまりにも高い製品については、価格の妥当性を感じないのよね。有名なGOLD何とかのCDPみたいなと一緒じゃん、って思うワケ。
ま、金が捨てるほどある奴は買えばいいと思う。俺は宝くじ当たっても買わないけど。

というか、DAPで384k/32bitってそこまで必要か?録音機材でそこまでレート高いのとかあるのかね。それにファイルサイズでかすぎるだろ。単純なPCM(WAV)の生データで計算すると約3MB/secだよ。5分で900MBくらいになる計算だ。DAPへの格納もさることながら、保持、管理したくないサイズだわ。

2015/04/20(月)高音質CD

また出たよ。
“高音質CD決定版“「UHQCD」。製法を根本から変更しメモリーテック開発 - AV Watch

CD規格に準拠している以上、それ以上にはならんだろ、というのが俺の解釈。ま、「本当に音質がよくなるんです!」という向きは勝手に喜んで買えばいいと思うよ。
キズ等によって、読み込み時にエラーが多発して訂正されたり補完されたりした場合に、音質が変化するようなことはあると思うけど、正常に読み取れるレベルのものを、それ以上どうこうしたところで、デジタルデータが変わる訳でもない。通常のCDと同じデータが書かれているなら(ここ重要)、少なくともDACに流れるデータは同じだ。

記事に「スタンパ原盤のピットを完全に転写することはできなかった」という部分があるが、確かに物理的には間違ってない。ナノレベル、それ以下でも良いけど、確かに物理的には全く同じにはならないだろうよ。ただし、CDという規格に則って、読み込みエラー率が規格範囲内に収まるように作成されるのだから*1、CDとしては問題無い。もちろん読み込み上も原盤と同じデータで読み込まれる。したがって、記事にあるように原盤と違うから、というのは音質に寄与する話ではない。まあ、某Blu-spec CDも同じ話だな。

本当に違うなら、全く同じビット列の原盤から、通常の生産のCDと、お前らが言う高音質()CDとを作って、音質比較してみろと。二重盲検法を用いて、統計学的に有意差が出るようにしっかりとした統計方法でさ。
そういう批判があるのをわかっておきながら、絶対にそういった比較をしないよね。発売する側が証明してくれれば説得力があるのにね。消費者側から見て胡散臭いと思っても何もやりようがない。詐欺扱いにするには音質に差が無いことを証明する必要があるし、原盤が絶対同じであることを証明できない。だからそういう批判は放置してるんだよな。タチ悪いわ。


本当に高音質にしたければ、マスタリングをやり直した方がいいんじゃないかという楽曲が山のようにある現状。まず元の収録をどうにかしろよ、って話。特に最近のJPOPやアニメ関連が酷い。
ついでなので俺理論、俺推論(邪推)など書いておく。

音質が悪いなあ、音割れてないかこれ、みたいな曲があったら波形を見て欲しい。おそらくピーク(0dB)を超えて波形がカットされてるはず。最近の曲にとても多い。特にアニメ。アニソンとかでダイナミックレンジそんなに必要無いんだから、綺麗に収まるように収録すればいいものを、なぜかピークオーバーするように音圧上げてるのが意味わからん。なんなのこの風潮。
それとマスタリングも酷いのが結構ある。逆かまぼこか、みたいなドンシャリだったりとか。ちゃんとしたオーディオ環境で綺麗に聴く前提になってないんだろうな、たぶん。適当なアンプ内蔵の安スピーカー再生だったり、mp3化してDAP本体のみ+安イヤホン、みたいなのを前提にしているから、聴きやすい調整にしているんじゃないかな。勝手な想像だけど。

おそらく他にもいろんな理由があるんだろうが、最近の状況を見て何となく思ったことが1つ。
具体例があるわけではなく、想像でしかないんだけど、ハイレゾの販売を見越して、CDはわざと音圧を上げている、またはピークオーバーしているのをわかっていながら放置している、ってことはないだろうか。当然オリジナルの音源はちゃんとピークに収まった状態だろうから、ハイレゾ化する時にダイナミックレンジが広がることに伴ってキッチリと納めて、CDとの音質の差をさらに広げようとしているのは?という穿った見方。
最近のアイマス関係で、Blu-ray Audioが同梱されていることがあるが、この2ch版を聴くと、CDと比べて音量が低いんだよね。これはピークを綺麗に収まるようにしたんじゃないかと。そのうち詳しく比較してみたい。

*1 : CDマークを記載している以上当たり前。規格外ならマークを使用できないし、今時市販音楽CDを生産するのに、そんな粗悪CDを生産するライン自体あるのか疑問。

2015/03/12(木)大喜利

sonyの自称高音質microSDカードだが、ネット上の批判が多すぎてビビったのか、先日、impressに追加燃料記事が投下された。
【藤本健のDigital Audio Laboratory】第626回:ソニー“高音質”microSDカード開発者に質問をぶつけた - AV Watch

どう読んでも検証になってないし、科学的根拠は明確になっていない。結局のところ提灯記事にしか思えず、火に油を注いだだけじゃないか。
科学的な根拠を示さず、個人の感想として「明らかに違いがあります」というのをどれだけ言われたところで、まるで説得力がない。批判がある中での反論として、絶対的な自信があって、本当に高音質であることを証明したければ、きちんとした検証を行った結果を記事にすれば良いだけ。開発者(発売する会社の中の人)がどれだけウリを説明したって意味が無い。
やるなら、オーディオ(音質)に興味がある層とそうでない層、年齢なんかを統計・分析できるようにばらけて、二重盲検法(ダブルブラインドテスト。参考)を実施し、結果を掲載すればいい。

また、ノイズとか音質とか言うのであれば波形なりノイズ量なりを計測して掲載すればいい。これができないのは、できない理由(=科学的根拠が無い)があるからだと思わざるを得ない。

で、だ。なにはともあれ、Amazonのレビューを見てみることをオススメしたい。必見だ。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: ソニー microSDXCメモリーカード 64GB Class10 高音質モデル SR-64HXA
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