2015/04/20(月)高音質CD

また出たよ。
“高音質CD決定版“「UHQCD」。製法を根本から変更しメモリーテック開発 - AV Watch

CD規格に準拠している以上、それ以上にはならんだろ、というのが俺の解釈。ま、「本当に音質がよくなるんです!」という向きは勝手に喜んで買えばいいと思うよ。
キズ等によって、読み込み時にエラーが多発して訂正されたり補完されたりした場合に、音質が変化するようなことはあると思うけど、正常に読み取れるレベルのものを、それ以上どうこうしたところで、デジタルデータが変わる訳でもない。通常のCDと同じデータが書かれているなら(ここ重要)、少なくともDACに流れるデータは同じだ。

記事に「スタンパ原盤のピットを完全に転写することはできなかった」という部分があるが、確かに物理的には間違ってない。ナノレベル、それ以下でも良いけど、確かに物理的には全く同じにはならないだろうよ。ただし、CDという規格に則って、読み込みエラー率が規格範囲内に収まるように作成されるのだから*1、CDとしては問題無い。もちろん読み込み上も原盤と同じデータで読み込まれる。したがって、記事にあるように原盤と違うから、というのは音質に寄与する話ではない。まあ、某Blu-spec CDも同じ話だな。

本当に違うなら、全く同じビット列の原盤から、通常の生産のCDと、お前らが言う高音質()CDとを作って、音質比較してみろと。二重盲検法を用いて、統計学的に有意差が出るようにしっかりとした統計方法でさ。
そういう批判があるのをわかっておきながら、絶対にそういった比較をしないよね。発売する側が証明してくれれば説得力があるのにね。消費者側から見て胡散臭いと思っても何もやりようがない。詐欺扱いにするには音質に差が無いことを証明する必要があるし、原盤が絶対同じであることを証明できない。だからそういう批判は放置してるんだよな。タチ悪いわ。


本当に高音質にしたければ、マスタリングをやり直した方がいいんじゃないかという楽曲が山のようにある現状。まず元の収録をどうにかしろよ、って話。特に最近のJPOPやアニメ関連が酷い。
ついでなので俺理論、俺推論(邪推)など書いておく。

音質が悪いなあ、音割れてないかこれ、みたいな曲があったら波形を見て欲しい。おそらくピーク(0dB)を超えて波形がカットされてるはず。最近の曲にとても多い。特にアニメ。アニソンとかでダイナミックレンジそんなに必要無いんだから、綺麗に収まるように収録すればいいものを、なぜかピークオーバーするように音圧上げてるのが意味わからん。なんなのこの風潮。
それとマスタリングも酷いのが結構ある。逆かまぼこか、みたいなドンシャリだったりとか。ちゃんとしたオーディオ環境で綺麗に聴く前提になってないんだろうな、たぶん。適当なアンプ内蔵の安スピーカー再生だったり、mp3化してDAP本体のみ+安イヤホン、みたいなのを前提にしているから、聴きやすい調整にしているんじゃないかな。勝手な想像だけど。

おそらく他にもいろんな理由があるんだろうが、最近の状況を見て何となく思ったことが1つ。
具体例があるわけではなく、想像でしかないんだけど、ハイレゾの販売を見越して、CDはわざと音圧を上げている、またはピークオーバーしているのをわかっていながら放置している、ってことはないだろうか。当然オリジナルの音源はちゃんとピークに収まった状態だろうから、ハイレゾ化する時にダイナミックレンジが広がることに伴ってキッチリと納めて、CDとの音質の差をさらに広げようとしているのは?という穿った見方。
最近のアイマス関係で、Blu-ray Audioが同梱されていることがあるが、この2ch版を聴くと、CDと比べて音量が低いんだよね。これはピークを綺麗に収まるようにしたんじゃないかと。そのうち詳しく比較してみたい。

*1 : CDマークを記載している以上当たり前。規格外ならマークを使用できないし、今時市販音楽CDを生産するのに、そんな粗悪CDを生産するライン自体あるのか疑問。

2015/03/12(木)大喜利

sonyの自称高音質microSDカードだが、ネット上の批判が多すぎてビビったのか、先日、impressに追加燃料記事が投下された。
【藤本健のDigital Audio Laboratory】第626回:ソニー“高音質”microSDカード開発者に質問をぶつけた - AV Watch

どう読んでも検証になってないし、科学的根拠は明確になっていない。結局のところ提灯記事にしか思えず、火に油を注いだだけじゃないか。
科学的な根拠を示さず、個人の感想として「明らかに違いがあります」というのをどれだけ言われたところで、まるで説得力がない。批判がある中での反論として、絶対的な自信があって、本当に高音質であることを証明したければ、きちんとした検証を行った結果を記事にすれば良いだけ。開発者(発売する会社の中の人)がどれだけウリを説明したって意味が無い。
やるなら、オーディオ(音質)に興味がある層とそうでない層、年齢なんかを統計・分析できるようにばらけて、二重盲検法(ダブルブラインドテスト。参考)を実施し、結果を掲載すればいい。

また、ノイズとか音質とか言うのであれば波形なりノイズ量なりを計測して掲載すればいい。これができないのは、できない理由(=科学的根拠が無い)があるからだと思わざるを得ない。

で、だ。なにはともあれ、Amazonのレビューを見てみることをオススメしたい。必見だ。
Amazon.co.jp: カスタマーレビュー: ソニー microSDXCメモリーカード 64GB Class10 高音質モデル SR-64HXA

2015/03/03(火)ネットオーディオとNASの状況

しばらく前から検討していた、ネットオーディオ(及びNAS)環境構築について現状を纏める。

とにかく何をするにしてもまずNASが必須であるのは確定なんだが、じゃあどのメーカーの何を、いつ買うのよ、ってところで止まっている。
理由は、NETGEARのReadyNASが、今年1月に新製品を発表したこと。現状、安いNASはReadyNASしかないんじゃないかというくらい、CPが良さそう。メーカー的にはQNAPのが品質やソフトの作り的には良さそうだが、ハードスペックと価格が釣り合ってない。比較的安価なTS-231も出たが、それでもスペック的には高い状況。現時点だとド安定であろう、ReadyNASでも良いんだが、せっかく新製品が発表されたのに販売される前に旧機種を買うのもなんだよな、ということで様子見をしているところ。

一方、メインのPC席でのプレーヤーをどうするかも決めかねている。小型PCでfoobar2000をプレーヤーにするのか、専用機とするのかの2択な状況。
PCはDSD再生可能、場所を取らないが、総合的に値段が高い、環境作りと維持が必要。
専用機はそのまま使えるし、安いが、据え置き機なので場所を取るし、DSDが再生不可。

そんな感じなので、NASもプレーヤーも様子をみているところで、データだけを黙々と作っている。
基本的には、CDはマスターとしてwav+cueを保存した上で、再生するためのデータとしてトラックに分けたflacを作る方針にした。ジャケはファイル埋め込みで。
ギャップレスがー、とも思ったが、実際ギャップレスで再生しなければならないようなソースがほとんど無いことに気づいたので、そのあたりは妥協した。
このflac作りがまた面倒で…。地味にやってはいるが、終わる気がしない。

・EACでwav+cueを作る
・タグを拾えない場合、Player.exeで取ってきてEACへ転送
・foobar2000またはテキストレベルでcueファイルを修正*1
・foobar2000で、トラック単位のflacへ変換
・ジャケの準備。500x500を基準に綺麗なものを探すか作る。
・mp3tagでflacへジャケ埋め込み
・適切なdir構造を作って格納

こんな感じ。これ、ある程度有名な邦楽、洋楽しか聴かないなら超簡単に終わると思う。Media Go使うとかすればジャケ込みであっさり行くのではなかろうか。
アニソンやゲーム多めで、wav+cueが欲しい、となるととたんに面倒くさくなるというね。

*1 : アーティスト名表記や複数人の場合の表記のゆれを補正するなど。例えば姓名の間の半角スペースや、複数人の場合の区切り文字、アニメキャラの場合の声優表記有無など

2015/02/25(水)ハイレゾ

以前からあるけど、こういうのはハイレゾと言っていいのだろうか。
「トップをねらえ!」や「マクロス」など、FlyingDogのハイレゾ楽曲8作品が配信開始 - AV Watch

マスターが44.1KHz/16bitのものを、何かしらの変換でサンプリングレートとビット長を上げて、アップコンバートしたとしても、それはデータ的にはハイレゾかもしれないが、元の音源がハイレゾじゃない以上、ハイレゾ音楽と言えるのだろうか。

中には、マスターアップした音源でなく、その前のトラック別の音源があって、それが44.1KHz/16bitだとしても、今の技術でマスタリングし、結果として96KHz/24bitとかのハイレゾになるのなら、それは意味があることだとは思う。それぞれ分離してあった音源を混ぜ合わせるわけだから、失われる情報が少なくて済むのは想像できる。
が、既に出来上がっているマスターが44.1KHz/16bitの音源を変換しただけ、ってのは個人的にちょっと納得いかない。

ちなみに、この疑問はやっぱりみんな思っていて、インタビューした記事があったりする。
【第73回】「ニセレゾ」疑惑の真相とは - K2HDのハイレゾは本当にハイレゾか? (1/7) - Phile-web

これを読んで思うのは、可聴領域より上の、20KHzから先の部分を倍音補完する話しかしてない点。サンプリングレートとビット長の制限によってカットされてしまった波形が生み出されるわけじゃない。
ハイハットやシンバルの高周波数帯の音と、様々な楽器が複雑に同時発生しているような音源なんかは、高周波数帯ではサンプリングレートの低さ(96KHzなどと比較して)と、量子化ビット数の低さ(同)とで失われている情報があるわけで。それを生み出すって無理だろ、と。

単純にレート、ビットを倍にして偽物のハイレゾじゃん、と言ってるわけじゃない。どんな高度な変換や加工をしたところで、最初のデジタル化の時点で生音と比較して失われているものは、いくら頑張っても出てきやしないよね、ということ。
CDよりは良いのだろうと思うけど、ハイレゾとして新たに金を出して買うべき音源か、というと微妙だ。特にCDを持っている場合は尚更ね。
このあたりは売る方もわかっていて、完全なるハイレゾと区別が付くようにしているようだ。

2015/02/24(火)ポタアン

ソニー、ウォークマンAにマッチする小型ヘッドフォンアンプ「PHA-1A」。約3万円 - AV Watch

個人的な偏見を多分に含むのでそのあたりを踏まえて。
まずこの製品、製品的にはWalkmanに限ってはいないのだが、Apple製品を持ってる人がsonyのポタアンを買うとは思えない。さらに海外高級DAPを使ってる人なんかは特に買うとは思えない。とすると、sonyのポタアンの主要顧客層は、必然的にWalkmanになるんじゃないかと。
さらに、PHA-1Aはsonyポタアンの中でも一番下の製品。、フラッグシップなDAPであるZXシリーズを使ってる人が、一番下のポタアンを買う理由も見あたらない。本体で充分だろ、って思うし、ポタアン買うなら上位機種を買うだろう。
ということを考えると、PHA-1Aってスマホかタブか、WalkmanのAシリーズでの需要がほとんどなんじゃないかと思うわけです。

んで、そういうことを踏まえて見てみると、本体デザインが工夫がなさすぎじゃないかと。普通の箱ぽい形状なワケですわ。側面がRを持ったデザインとかはあるけど、そんなことじゃなく。
超個人的な意見なんだけど、WMと合体させるアタッチメントとかを出して、収まりがいい箱形状になるとかさ、何か考えられなかったのかと。ほぼWMでしか使われないような機種なのに、シリコンバンドで纏めれば良いですよ、ってぶん投げすぎだろ。これだったらわざわざsony機買う理由ないじゃん。

WMは単に音源が入ったトランスポート機だと考えると、結局はDAP兼アンプとイヤホン/ヘッドホンで全て決まる。音源選択における操作性とかはあるにせよ、WM本体は音質に寄与しない。
そしてポタアンの形状が他のメーカーと大差ないのであれば、単純に音質だけで勝負することになるよねえ。そんな状況で、わざわざsony機買うか?って話。

まあ、WM+sonyポタアンを目指すなら、最初からZX買った方が良い気はするけどね。ただ現状だとZX1はもう古い感じがするし、ZX2は総額で倍かかるから、現実的にはWM+ポタアンのがコスト的にいいのかもしれない。
となると、やっぱりこの5万前後で音質を良く聞くための手段としては、WMが一体的に合体できるようなものだったら、よかったのになあ、って思った。俺もそれだったら買ったかもしれない。
OK キャンセル 確認 その他