* 78年4月の初ベスト・アルバム「ダブル・プラチナム」で歳末大感謝祭を開催後、キッスご一行はメンバー各人のソロ一斉発売つう画期的かついささか乱暴な快挙に着手いたします。期限はみな平等、ジャケも同じアングルでどうしたって比べられちゃいます。活動も一段落してバンド内の力関係、不満、野望渦巻く中その結果は吉と出たか凶と出たか狂と出たか。まずは不満組と見られるお二人を。
ピーター・クリスさん。45年生まれ最年長。ドラムってこともあってバンド内4番目の立場にありましたがベス、ハードラック・ウーマンの2大ヒットで一挙にクリーンナップ的立場に。とにかく声がよくて。神様と親に感謝しなさい(^0^)。ライブでもピンで歌のスポットライトはこの人だけ。もしや一人でもやってけるんじゃないかと思っても何の不思議は無し。その為にはこのソロ製作の機会は千載一遇のチャンス、制約数有れど燃えたのには違いあるまいか。ドラマーのアルバムちゅうともうどったんばったんあくまでもぶっ叩き大フューチャー大会かもしくは全然楽器から離れたヴォーカルかって二パターンだと思いますがピーターさんの場合は明らかに後者、リンゴ・スターだ。曲作りのパートナーはギターも担当のスタン・ペンリッジと言う人とプロデュースも担当のシーン・デラニーとゆう人。うーん誰なんだ(^0^)。お友達でしょうか。密かに書き溜めてた曲も多かったのでしょう。全オリジナルで意気込み相当のもの。だがしかしそこが運命の分かれ道、ボーカリストで成功するためにはとことん良い曲を選びに選んだカバー集の方が成功する確率は高い訳で、またこれからソロで活躍するためにはオリジナルで固めた方がいいと。後ろの道を選択したピータちゃん、その辺の勝負はどうだったか。あくまでも個人的感想ですが9勝6敗かな。件の2大ヒットもあってポップ曲主体の構成。そのポップてのがやっかいでセンスが丸出しになっちゃう。外しちゃうと恥ずかしい代物になってしまう恐怖道なのかと。なもんで聴いててやばいなあと思う瞬間も無いでは無い。だけど歌が何てたってうまいすからそれでも聴かせちゃいます。そして中には4.のドンチュー・レット・ミー・ダウンとか最後のアイ・キャント・ストップ・ザ・レインなんて必殺、惚れ惚れ曲もあって総合的には買ってしもうても何ら後悔などありませぬ。とにもかくにも一枚作り上げちゃってさあ自信深めちゃったぞ。どうしましょう。で仮面の正体の途中で脱退、ソロ活動に突入もやっぱパッとしなかったんだよなあ。一時はホームレスになっちまったって噂まで。その意味じゃ罪深いアルバムかもしれませぬ。
そしてバンド内の花形リード・ギタリスト、エース・フレーリーさん。バンドへの加入は一番最後。実はリオン・ラッセル氏じゃないかなんて噂もありました。いっとう目立ちながらも曲作りへの関与は少なく自分の音楽の実現その意味じゃ悶々としてたに違いありません。お薬&アルコール耽溺との話も有り、抜けるんじゃないかーてなきな臭い雰囲気の中でのこのソロ話です。やっぱり燃えてました。プロデュースは本丸エディ・クレーマー氏担ぎ出しに成功、出だしから気合満点のハード・ロックでぶっ飛ばしてもうノリノリだー。歌はそのやっぱりギタリストですからピーターちゃんみたいにロッド・スチュワートかーてな具合には世の中うまくいかない。でも無理にうまく歌おうとせずぶっきらぼうに徹しているのが最大の魅力だと思います。どっかで感じた雰囲気だなあと思うたらこれはあのジョ−ン・ジェットの感じ。音楽もけっこう共通してるかも。グラムなピッカピカのある直球ハードロック連発です。リフ満開でやれ気持良いなあと聴いてたら突如登場は英国でヒットしたハローの曲、ラス・バラード作のニューヨーク・グルーブ。よくぞ選んだなあと喜んでたらシングルカットでヒットしちゃいました。これには他のメンバーもびっくりしたかと。本人もびっくりして俺ピンでいけちゃうんじゃないかと。アルバムの売上げもジーンさんに次ぐ2位記録しちゃって。なもんでキッス素顔化の83年の時脱退してしまいました。誰だ素顔が辛かったなんて言うのは。このアルバムの話に戻しますと歌も思いっきり歌いインストではギターも思い切り弾き曲も出すものは全部出したってんで4人の中じゃ一番力を出し尽くした本望盤だと。キッスとも音楽違うし単体で光ってるって意味じゃ一番かなと思いました。誰に言われるでなくわたしゃたまに聴いてしまう。
(マスター)04.10.31
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