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日本盤

*ロック・ファンにお馴染みのブルース・ハモニカ吹きと言いましたらこのサニー・ボーイ・ウイリアムスン2世氏。後年渡英してクラプトン・ヤードバーズとの共演盤があるあのお方です。本名はアレック・フォード、通称ライス・ミラーで芸名はSBW2とゆう3つの名を持つ男じゃ。サニー・ボーイ2世とゆうからには1世さんもおってそれは48年に亡くなった方です。生地はミシシッピ州グレンドーラ、最初は南部で活動、50年代にシカゴへ行きものしたのがこの堕ちて外すのブルースとゆう次第。恐るべきジャケットでまず一回見たら忘れられません。てめえら俺らはこんなんだ覚悟せいよって聴く前に既に脅かされている。中身はもうナイスでノリノリ、ノーブルでそうだな野放図ちゅうより気品と貫禄しかも野生のボーカル、ワウワウワウとこれぞワウワウなハープの音色、絶妙に歪んで渋いぞイエーなんて掛け声かけたくなる。もこちらはポンニチ、店の端っこでこっそり聴かせていただいてます。大体これ録音した時に遥か彼方の東洋の国で聴くやつらのことなど毛ほども考えてはおらんでしょうから。夢の国アメリカで夢の裏側にごっそり位置して恨み節やらグチやら小さな自慢やらを安酒飲みながら自分たちでロッキンしている。そこへ何を考えたか東洋人がカメラ持参、ペーラペラした服装でやって来てステージのまん前でイエーとか言ってからに、それを見ていたサニー・ボーイさん、ちびっと合図をいたしたら廻りの真っ黒い連中が「いえー、ブラザー。お前はブルースの心がわかってるなー兄弟。」とかおだてられて「ええ、まあね。レコードだってうん千枚持ってんだぞー。」とか言って「いえー金持ち兄弟。」てな具合に一斉にたかられてもういい気持ち、終わって店を出た後では「け、ジャップめ。虫唾がはしらあ。」、ご本人ブラザーになれたとハイな気分でふと見るとジャケのおじさんが寝転がってじっとこっちを見ている。関わらないように視線を外してホテルに小走りに向かうの図が想像されます。げに深き真っ暗な溝が横たわっておるからにやっぱり店の隅っこのポンニチ。こっそりびっくりさせていただくしか。たとえこの隔絶感に慣れてしまっても結局は金持ち兄弟にしかなれぬ。時には同様に端っこでびっくり組、ホワイト・ブルース連中を気軽に聴いて、憧れを味わってしもうてもどうか勘弁してくだされ。だって素晴らしい音楽、どうしても聴いてしまいます。

(マスター)2004.9.22









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