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*孤高の辺境人イアン・アンダーソン王が率いるジェスロ・タル、77年の「神秘の森」に続く芸能人スポット盤邦題「逞しい馬」だー。前作で突入のブレーメン・トラッド路線は今回も引き継がれて今度は森に生息する動物達の物語であります。ムツゴロウさんかー。音楽など日頃縁の無い人でも競馬好きなら2頭一人引きするイアン王のお姿を見てつい買ってしまうかもしれん。馬体診断などせないように。ほんとに買ってしまったら中身を聴いて腰抜かすだろなあ。馬出走と言いましても決して平地の芝2000m天皇賞では無くて障害競走です。しかも英国荒野&森競馬場、やれ岩場有り川有り底なし沼有りでもう大変。疲労が蓄積してる人はギックリ腰になるやもしれません。治療がうまくいけばマッサージにもなるよ。てな具合で冒頭から暴走するイアン節、メロディに絡みつく変拍子の嵐、やっぱタル共和国の音楽はこうしてくれたらもう嬉しくて涙が出ちゃうだって女の子だもん。もう既にこの味わいにはまってしもうた人は1曲目「そしてネズミ警察はけして眠らない」の最後で「ネバー・スリープスネバスリープス」と一緒に片手上げて頭バッキンしてるでしょう。まだタル世界に入って無い方もここでついやってしまったらもうおしまいです。貴方も仲間だ。最初は頭こんがらがり何じゃと思ってもまあせっかく買ったんだから5回くらいは聴いてくださり。そしたらもうこのずったんばっこんが気持ちよくなっちゃって。はい。聴く頭の体操じゃけんのう。聴き進んで行きますと4.のモスのとこで妙なデジャブが襲ってくるかもしれません。そうですこれはピーター・ガブリエル天使のソルベリー・ヒルだ。それが入ってる向こうのカー・アルバムが77年だけどまさかパクっった訳ではないよなあ。以前にもホテル・カリフォルニアの元歌を作ってしまうた人ですからこれは偶然かと思う。いやそれにしてもクリソツ。ってことはハワード・ジョーンズのニュー・ソングにも似てるのだな。その方面が好きな方にもこうなると大推薦出来ちゃう。いわゆる世間タル世界においても有名な曲ってのは無いかもしれませんが聴いた各々方各個人個人にとっても有名曲が出来ちゃうとゆうアルバムかと思います。わたしゃ7.の「一匹の茶色のねずみ」が好きで。これかわいいすよねえ。で、この盤のど真ん中に位置するのがタイトル曲の「宅間伸馬」。別に現実味の無い離婚しそうでしない夫婦の歌ではなくて重い馬の話。太め残り。歌詞を自己流で訳しても何をゆうてるのかさっぱしわかりませぬが想像力を刺激させる言葉が満載でして。それが歌とゆうものだ。一節が耳に入りイマジネイションが空を駆け巡れば大成功。かのごとく全編英国の塊、英国民じゃ無きゃこんなんわかるかいと思うたら全米最高位19位、イギリスでは17位とほぼ同じくらい売れちゃったとゆう大快挙。みんなの心の故郷ブレーメンに届きました。時代的にもこの78年、アナログ・レコーディング技術の最高到達地点、ベストな環境の中でのタル・アルバムです。印象地味で買い逃してる貴兄、行っちゃって下さい。最初の一枚でもまったくOKだとここに宣言いたす所存。出て来い所存。パパラパー。

(マスター)2004.10.29








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