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ペット&サウンズのお部屋

Sの音楽史U

by 島田@青梅

ジャケットをクリックでアルバム詳細が見れます。

(10)〜やっぱりビートルズだ!〜

 YMO中心に洋楽を広く聴いていた島田@青梅少年は、高校生活にはいると、大体趣味が定まってきた。今までの広く浅くという趣向よりも深く狭くという趣向になりつつあった。
 YMOへの興味も薄れ、はたまた洋楽も、ラジオのエアチェックは続いたが、決まったアーティストに”はまる”傾向になった。ビートルズ効果もあってか、次第にブリティッシュロックに目を向けるようにもなった。そして邦楽ではあいかわらずサザン固定だった。これだけは今も変わらない。
 ストーンズやクラプトンなどの大御所ブリティッシュロックのアルバムを買うようになったのも、この頃だ。やっぱりビートルズでしょう(勝手だなあ)というわけで、ビートルズの著書を買ったり、ベストをカセットに詰め込んで聴きだした。もちろんソロもチェック。ジョンとポールの音楽的な指向性の違いも分かってきた。高校高学年は、ほとんどビートルズにはまるようになった。音楽だけでなくアーティスト性でも憧れるようになったし。ジョンの死は、当時はあまり実感がなかったが、その時はジョンがいなくなったことを、遅ればせながら痛感するようになった。・・・1985年、18歳の少年はこの頃はビートルズ、サザンが中心だったような気がする。そうだ、最初に買ったCDはビートルズなのでした。しかもオリジナルアルバムを全部揃えたぞと(サザンもね!)。

(11)〜サーフミュージックなんてよお〜

リアルストーリーは残念ながら絶版なのです

 大学時代は、相変わらずビートルズやクラプトンなどの大御所や、サザンなどを聴いて過ごしていた。20歳だった少年は、ある日雑誌”ぴあ”の新刊ページに目が止まる。”「ビーチボーイズリアルストーリー/スティーブンゲインズ著(上・下)」”解説は、ビーチボーイズの栄光の裏にひそむ挫折を謳っている。いわゆる暴露本だ。へええ、ビーチボーイズかあ。ビーチボーイズといえば、名前はもちろんのこと、曲もCMやTV番組でフレーズ単位で流れていたのを記憶していた。海のシーンでは、サーフィンUSAとか(風雲タケシ城のコーナーでも流れてたっけね)...。サーフミュージックなんてよお。その時はサーフミュージックなんて軽い音楽はタイプじゃなかったし、どうでもよかったのが本音だ。
 でもまてよ、サザンの桑田の著書で読んだことがある。ビーチボーイズは”ただもの”じゃない・・・みたいなことを。その時はそれまでだった。一応頭の片隅にでも閉まっておいたが。

(12)〜少年、ビーチボーイズの世界へ〜

(今回の投稿は、一部フィクションを含みます。ご了承のほどを・・・)

 1989年、大学をさぼりがちだった少年は、TVでMTVを見ていた。
TVにアロハな集団が映った。それはココモのビデオクリップだった。
初めてまじまじと彼らのお姿を拝見した瞬間だ。おー、これがビーチボーイズか・・・。
南国風なトロピカルな曲に、少年は”うむ、なかなかいいな、これ”と正直思った。
 曲もそうだが、その映像にも惹かれるものがあった。アロハを着た(と思う)ボーカルの男(マイク)は、視聴者を引きつけるなにかを持っていた。「彼がリーダーだな」、
その時はそう思っていた。そうとしか思えなかった。とにかくその時はそう思ったのだから仕方がない。
 ・・・しばらくして、TVの映像が私の耳元でつぶやいた・・・。”こっちへおいでよ。少年・・・。君はもうすぐ僕らの世界にどっぷりつかるんだ・・・”
少年は、最初はなんのことかさっぱりわからなかった。でもTVからその声が聞こえてくる・・・。TVでは、お構いなしに相変わらずアロハな集団がトロピカルな音楽を演っている。じゃあ、誰が・・・?

(13)〜BB5、なんていいんだ!〜

 ココモに触発された少年は、ビーチボーイズの音楽を知りたいと思いました。ある日、レンタルCD屋さんで一枚のCDを借りました。それはBBのベスト盤「MADE IN USA」でした。何枚ものCDのついでに借りた一枚・・・それがBBのベスト盤だったのです。
 「MADE IN USA」・・・サーフィンサファリから夢のカリフォルニアまでをほぼ年代順に収めたベスト盤でしたが、少年はそんなことにはお構いなしに、とりあえずCDをトレイに乗せ、再生します。一曲目は「サーフィンサファリ」。いきなり、少年の胸に衝撃が襲いました。こりゃマジだ。とにかく良いと思った瞬間です。いいじゃん、ビーチボーイズ!マイクラブの鼻にかかったボーカルと躍動感あるバックグラウンドが心地よいと思いました。おええ!!!。すぐ少年は夢中になりました。サーフソングも馬鹿にできん。BBのサーフソングが一時期だけだったと知る由もない少年は、その時そう思いました。
 そして、あるトラックからトラックへの瞬間、一種の違和感を覚えました。そうです、「グッドバイブレーション」です。おお、なんだこれは。バーバラアンの次のグッドバイブレーション。その時は、良いと言うより、ホント一瞬耳を疑ったのでした。今までの曲と全く違う!レンタルCD屋さんよ...間違えたかな?いや、そんなことはない。
何曲か続けて聴いていくうちに、彼らの変化を見てとれるようになった。うーむ、ビーチボーイズ。ほんと、ただ者じゃねえだあ(あんたどこの人だ!?)。
 すごくいいなあ。なんどもこのCDを繰り返し聴いた少年の心はもうビーチボーイズ一色だったのです。

(14)〜ビーチボーイズの研究始める〜

 ついでに買ったBBのベスト盤により、少年の音楽人生は変わってしまった。
この頃からビーチボーイズのことを無性に知りたくなり、ビーチボーイズと月日を共にすることになる。まずは、オリジナル盤CDを何枚か買った。そして、また何枚・・・。
知らなかった曲すべてが新鮮で、心を揺るがされた。そして、かつてぴあに載っていたビーチボーイズリアルストーリーを買った。今まで知らなかったBBの過去が浮き彫りになった。今までBBのイメージを誤解してただけに、驚かされ、ますます熱心に読んだ。
 BBのオリジナルアルバムを全部揃えていく。・・・そして月日は経ち、ブートにまで手を出すようになった少年。まさにBBがすべてだったのだ。

(15)〜最終回ビーチボーイズありがとう!〜

 BBに、すっかりはまってしまった少年は、現在までBBの音楽をひたすら聴き続けます。もちろん、その他の洋楽も邦楽も同じように愛していましたが、BB中心だったことは言うまでもないでしょう。もし、BBと出会わなかったら?と考えることが多々あります。自分の音楽史はどうなったんだろうって...。
 ビーチボーイズもそうですが、ビートルズ然り、サザンオールスターズ然り・・・色々な局面で彼らの音楽を聞き、勇気づけられ、時には感動し、今の自分があったのだな、と思います。ビーチボーイズを初め、私の音楽史に彩りを与えてくれた才能ある数々のアーティストたち・・・。自分でいうのもなんですが、私は幸せ者だなと思います。幸せと感動を与えてくれたビーチボーイズ・・・そして数々のアーティスト達には感謝です。
 これからもいっぱいいっぱい音楽を聴き続けていくんだろうなあ・・・。もっともっと自分の人生に感動を与えてくれるアーティストが出現してくれることを切に望む少年
(いずれじじい)なのであります。(完)