前日のWANTED rocks  home back    



ろっくす特選盤





*70’s後半スティーリーダン”AJA”やトッド・ラングレン氏の”ミンクホロウ”などで素晴らしさにくらくら、しかし到底凡人が挑戦参加することなど不可能な世界に絶望するしかなかった所にそれらの凄さはじゅうじゅう認めつつもあえてひっくり返したパンク登場、こちとらもこれでもしかして出来るかもしれないと歌えるものはとにかく歌い楽器が触れるものはかき鳴らし詩を叫び何も出来ないと思ったものはとりあえず踊り暴れると一緒になって成長出来る希望を持ちました。XTCもそんな中生まれたバンドでそのやんちゃさに喝采、ところがどっこいみるみる内にでっかくなってアルバム”ブラック・シー”当たりからもう見事ですと平伏するしかなくなってしまい。そしてさらに86年のこのスカイラーキングを聴いてやっぱり才能無いと音楽は駄目だーと心底実感してしまいました。そこに登場したのはあの才人トッド・ラングレンってことで。因縁だわこれは。私と言えばあの時は降参したけれど今回はあがいて何とかこの素晴らしい音楽に近づきたくて当時出たてのカセット4TRでまねして曲作ったものの当然及ぶはずもなく、仕方が無い駄目でも自分の音楽するしかないなと。そうゆう意味でとことん聴き倒した思い出の盤です。さて本題に。XTCはこの盤を作る前けっして良い状態ではありませんでした。アンディ・パートリッジ氏の疲労によってライブ活動休止した後、それでも「ママー」「ビッグ・エクスプレス」と意欲作を作ったものの評価、セールスともども散々で、わずかに時間が出来て遊びでやった覆面バンド、デュークス・オブ・ストラトフィアのEPが本家より売れちゃったつう嬉しいのか悲しいのかわからんことが良い話くらいで。後は元マネージャーとの金銭問題の裁判とかお金がかかって食うにも困るくらいだったそう。当然所属レコード会社のヴァージンから印税の前借。そんな訳で次のアルバムの製作話が出た時、彼らの意見に逆らうことが出来ずアメリカ人のプロデューサーを起用することに。そしてアメリカでのレーベル、ゲフィンの意見によってその役目はかのトッド・ラングレンに決定いたしました。喜んだのはギターのデイブ・グレゴリーさん。トッド・フリークで自作自演コピー・テープを作っていたくらいですから。そしてベースのコリンちゃんも大歓迎。トッドさん実は以前からXTCのファンで特にコリンさんの曲が大好き、大評価しておったのです。な訳で渡米して彼所有のユートピア・スタジオで地獄の合宿録音が始まりおった。トッド氏は予想通り究極の仕切り屋さん、これまた予想通りコリン氏の曲ばっかし採用してハナからアンディさんご機嫌斜め、あれよあれよと指示されて録音進む中、徹底的に逆らうことで自分の存在を主張いたしました。彼もトッド氏の才能を充分に認めていたはずですがずっと自分でXTCの音楽を作って来た自負もあったのでしょう自分の知らないところでどんどん出来て行ってしまうとゆう不安と認められて無いのでは無いかとゆうミュージシャン・ジェラシーが。すったもんだの末、録音完了後もミックスの駄目出し2回、アンディさんもトッド氏ももうこんなアルバム投げちゃおうかと思ったものの何とか完成。そしたらこんな傑作が出来てしまいました。思うに多分トッド氏の思う通りにすっかりやらせていたらトッド・ラングレン&XTCつうアルバムにきっとなっていたと予想します。それが彼の望みでもあったろうし過去にそんな感じで仕事した前科も有りで。それはそれで素晴らしいものになったかもしれませんが、結果としてアンディさんが徹底抗戦したおかげで稀に見るトッド臭さのないトッド・プロデュース作になったとゆう。彼の力量はコンパクト&キャッチーなPOPさそしてピリっとスパイスの隠し技でいかんなく発揮、そして主人公はあくまでもXTCと。これはもう無敵、最初から最後までマジック満載のパラダイス・レコードです。揉めに揉めたつうたってお金の問題なんかじゃなくてジェラシーも含めて音楽の上ですから、これは叩き合って成長し大きく強くなった競馬馬みたいなものであるのだ。考えてみればこんな才人たち通しが出会ってそんな風に作ったレコードにこちとらがかなうはずも毛頭なく、何でそんなこと思ったか、恥ずかしい、やっぱしもやっぱしひたすら聴いて感動、平伏するのみです、はい。シングルは宗教色強しってことでもともとのLPには入ってなかったCDでは最後に収録のディア・ゴッドをB面にしたグラス。そしたらそのB面がアメリカのカレッジ・ラジオでがんがんかかるようになりヒット、引っ張られてアルバムも75万枚セールスと最後まで波乱のこの盤、アンディさんも今ではトッド氏に感謝しているんですって。

(マスター)2004.11.9









++ご意見をこちらより是非。後ほど掲載させていただきます++
名前:
オピニオン:

このページをどのようにして見つけましたか?