*長いこと未CD化だった唯一のトーキングヘッズのアルバム、82年発表のライブ盤がついにCDとなりました。もちろんリマスター、そしてボートラ仰山追加で。ヘッズのライブ盤ちゅうとこの後出たデカスーツジャケのストップ・メイキング・センスが映画共々インパクトデカ。こっちの盤の方は急ぎ働きの印象強く当時のレビューも散々、メンバー達も気に入ってなかったようで、で、来ない再登場に時間がかかった模様です。確かにリメイン・イン・ライトの祭の後に出ましたので時期が悪かった。けど後から聴いてみるとんーそんなに悪いかなあと思っておったので待望です。
まさに。
ボートラを加えて編集意図がさらに明確になりました。ディスク1が件のリメインインライト以前のファンキイ・ラジオ体操時代を。10,11はラジオ放送用レコード、プロモ用のワーナー・ブラザース・ミュージック・ショーから。これ私持ってたのよー。テープに録って赤貧の為売っちゃったんだけどテープどっかに行っちゃった。くーかなり内容エキサイティングだったのにー。ワン・ショー丸ごと(つうてもレコ1枚分だけど)だもんなあ。ここで足してくれるのも良いけど出来れば単体で出しておくれ。他のワーナー・ショーものも。良いの仰山あります。音質調整が良くて各音源の切り替わりちょっと聴きにはわからず自然な盛り上がり、この辺はさすがライノのお仕事です。ライノと言えば今回のジャケット、珍しくちいと地味。だけどデータはちゃんと載っております。で、この一枚目、最高です。大好きな時代のヘッズのライブがこんな聴けるなんて。しかし実にキチンとしたバンドだなあと再認識。英国パンクが杓子定規、型にはまったロックを破壊したろとワイルドな印象が強いのに比べてNYパンクはだら〜っとした享楽的なメリケンロック、これに鉄槌を食らわし、己を律し、緊張感の中でバシっと音楽をやるつう修行の中の喜び(^0^)なんて大げさですが、あるのだなあっと。確かに喜びだらけだわ。脳幹シナプスからアドレナリンぷちゅぷちゅ。とても毎日規則正しくお家はさぞ整理整頓されているであろうウエイマス・フランツ夫婦の鉄壁8ビート。無我の境地で黙々と夫はリズムを刻み妻はキャベツ千切り100個の様相で音を搾り出しております。これに絡むはこれまた律儀なサブ音楽家ジェリーさん。そして打ちっ放しカッティングの男バーン。笑わないアル・グリーン・ボーカルは必死の形相でキートン走り、ドイツまで行ってしまいました。ホワイト・ピープルの心の故郷はやっぱドイツなのであろうか。個人的クライマックスはファインド・ア・ジョブ〜マインドの流れ部分です。まーいんどっ。
2枚目はリマイン・イン・ライト後、助っ人4番打者外人を加えての編成と。毎日が盆踊り時代です。ギュイーンマン、エイドリアン・ブリュウ、親指男バスタ・ジョーンズ、ピニュピニュ神父バニー・ウォレル、ケツから声ノナ・ヘンドリクス、ポコペン小僧スティーヴ・スケイルズら豪華怪獣勢揃い。最初は小編成、どんどん加わって最後には何人だのお馴染みの模様もそのまま味わえる。何と1〜3、7,8,10は81年の2/27日の日本公演中野サンプラザのライブから。わたしゃこの時のライブ、みみちんと見に行きました。会場は渋谷公会堂だったけど。前座がトムトムクラブでこの音は日本だけで当時出たプロモレコードに入ってるらしい。うーん聴きたい。会場では同時来日のジャパンの皆さんが見に来てると噂ひそひそ。何かが起こってるリズム革命だーって空気が充満してて熱気むんむんでした。そのライブはさすがにびっくりしたなもうの印象が強烈だったです。前回の来日の時と同じバンドなのかーって感じで。さてこのCDの方。なんせ祭ですから1枚目に比べてぐっとフットワーク軽く。ただしビル街で盆踊り敢行なんで皆が踊るためのど真ん中にある心のヤグラを作りながら徐々に進行。何とか出来上がってフルメンバーで全開ぶっ飛ばすのはワンス・インア・ライフタイムから。ところがこれがけっこう大変そうで。枠を取っ払ってリズム大解放したリメインの曲は一期一会の要素強く、毎回のライブ毎に何にも無い大都会にジャングルを作るのは厳しいのだ。極め付けのボーン・アンダー・パンチスでベースのリフを変えリフレッシュ図るも自分を上げて行くのが・・・。早くいやあ飽きちゃうんだろうかと。はい、同趣向でバンドやってたんで少しだけだけど気持ちわかります。この辺が当時の厳しいレビュー続出の原因かもしれませぬ。その金縛り苦しいが3枚目のアルバムからの曲、Life
During Wartimeではさあっと晴れてまた軽快さを取り戻し。形が自由を獲得することもあるのだなと。そしてオハコのサザン・ソウル・カバー・ヒット、テイク・ミー・トゥ・ザ・リバーへ。個人的にはコピーバンドでベースしてた時2番へ移る時トチった苦い思い出がどわっと。今でも汗が出るわ。間隔を置いて最後はリメイン曲、グレート・カーブで大団円。祭が終わります。終わった後にはああ、もうすぐ2学期だ。宿題やらねばの気分に。なったりして。
リマスターによる音質向上の効果は抜群。レコードはどっかへなって音だったから。これでこの時の大事件の顛末をキチンとした形でトーキング・ヘッズはカタを付けました。後は解散直前、己スワンプ時代のライブ盤が聴きたいです。これはまったく聴いたこと無いんで。欲張りだけど是非よろしくー。
(マスター)2004.8.25
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