*ホワイト・ファンクの代名詞アベレージ・ホワイト・バンド、そのブレーク・アルバムがこの2作目AWBです。70’s前半に花開いたファンク・ミュージック。全米シーンではブラック勢のベテラン、ジェイムス・ブラウン親父、スライ・ストーン兄貴は元気、さらには新興勢力も続々登場とディスコ前夜にグルーヴの嵐を巻き起こしておりました。ところがどっこいいつもならすぐに取り入れてロック化してしまうホワイト連中には4番でエースがなかなか出ない。じっとりと皆待ってたところ彗星のようにぴゅーんと登場は何と異国スコットランド出身のAWBでござります。ホワイト、ブラックで活動拠点がはっきり分かれてるであろうアメリカでなかなか出現しなかったのは仕方が無かったのかもしれませぬが、それに引き換え英国、特に北部では根っからソウル好きが大勢、寒いから踊らにゃやってられなかったとかメンバーは仰ってるけどクラブではノーザン・ソウルの数々がアメリカ人なぞ目じゃないくらいディープに展開してたそうで。そこで育った黒好きの若者達、やっぱ業界で成功するならロンドンロンドン愉快なロンドンだろがーと上京、各自スタジオ・セッションマンとしてこつこつ働いてた時に、おーおめもスコットランド人かえ、おーおらもだってんで意気投合、結成となった次第。さあバンドだ、チャート荒らしてスタアだーと勢い込んだは良いけれど時は70’s前半場所は英国、右を向いても左を向いてもグラム兄弟ばっかし、こりゃあかんと意を決して夢の新大陸アメリカに渡る事に。アメリカではまずMCAと契約してShow Your Handつう盤を出したもののその充実振りと裏腹にちいともヒットせず、くそ負けてたまるかわしらにはもう帰るとこなぞ無いんじゃと仕切り直し、次に契約したのがアトランティック。音楽の神様は見捨てておりませんでした。そこにいたのが名匠プロデューサー、アリフ・マーディン。この時期ホール&オーツのアバンダンド・ランチョネットを手掛け、後にはビージーズをホワイト・ソウル化させて化け物にしちゃったトルコ人のおっさんでござる。正に人を得てのアルバム製作。アリフさんのたってのたくらみと言えばファンク・ミュージック、何とも魅力的な宝の宝庫であるけれどやっておるのは当然ブラックさんばかり、ブラックの人達のやるファンクは一言で言えばひねくれております。そりゃそうだぐおーっと盛り上がって来た公民権運動と連動、自らにしか出来ない部分を拡大強調して来た結果がファンクですけん。ホワイト世界から対極にあります。当然仲間内でしかわからん符丁みたいな要素もわざと沢山盛り込んでる。別にあっちの人が買ってくれなくともけっこうとゆう訳で。しかし惜しいまったく惜しいこの音楽きっとブルースについでロックの柱になるのにとアリフさん、そうしたしがらみの無い若者を探していたところ出会ったのがこの海の向こうの田舎若人たち。目がキラキラしておりました。まず作戦としては白人であることを隠すつうか正体不明に。バンド名は正直なだけにアイロニーだけど、まあジャケの尻マークを代名詞に突進しようと。ヒットするに従って噂が噂を呼びこれやってんの白人なんだってよとなってそこで効果百倍でございます。中身はもう自信満々だったのでしょう。もうブラックそっくりにやるのが楽しくってしょうがないってゆう歌い方。だけど。最初にブレークしたのはご存知インスト曲、ピック・アップ・ザ・ピーセズ。JBスタイルのファンキイ&ホーンながらそこはイギリス人、グルーブ一発悪く言えばだーらだらしてないできちっと起承転結、すっきりと直球どかんと。特に目立つのはドラム、ハイハットの締めぱしぱしってこの快感ってありゃしません。適所適所に絡む、ぱこぱこーってパーカッションを入れたのはアリフさんかえ。これもあると無いとは大違いの快感ポイントだー。そして終わり方。これでもう出来たとたんナンバー1になるのは間違い無しのものに。そして先のボーカル曲群です。わかって聴くと白人だよなあって感じだけど知らなきゃやっぱ真っ黒。スクール・ボーイ・クラッシュ、パーソン・トゥ・パーソン、ガ・トゥ・ラブ、ワーク・トゥ・ドゥとこれまたぴしっと締まった名曲ばかり。こうゆうのはそれまでのファンク界ではありそうで無かったものばかりです。本家の人達も逆にびっくり影響もただならぬものじゃなかったんではないかと。とゆう訳で大成功、望みをかなえてこんな幸せなことはありませんAWB、ところが好事魔多し、残念なことにこの盤のブレーク後バンドの屋台骨ドラマーのロビー・マッキントッシュ氏が急死されてしまいました。そう言えば最後の曲だけやけに沈うつなんだよなあ。まったく惜しいとしか言えません。それだけにこの盤は貴重、大切なものです。後のAORの先駆けとしても今もまったく古くなることはありません。名盤です。はい。 (マスター)04.3.17 |
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Pick Up The 3 Pieces Average White Band 1974-1975 *本日の「完璧なシングル」は アヴェレージ・ホワイト・バンドの 必殺3曲を。 6月25日に大アリフ・マーディン伯がヘブン・スタジオに天使のアルバム製作に出掛けられてしまいました。 中央アジア、トルコからはるばる黒と白の音楽の架け橋として大陸に遣わされ、見事にそれを成し遂げてくれた音楽心の大恩人。 心からありがとう。 そしてこれからも貴方が生み出した数々の宝を愛し続けます。 プロデューサーとはミュージシャンに新しい出会いのチャンスを与え、それは人でもあり、音楽でも有り、その刺激でやる気とノル気を。夢と希望を。励まし、助言し、諌め、決定する。自分の音楽の上にそれを乗せてやるタイプの人とけっして自分は表に出ずそれを成し遂げる人と2タイプいると思い。そのどちらかがいいとゆうことは有りません。アリフさんは後者の生き方を極めた方です。 スコットランドからやって来たとにかくソウル大好きな若者達AWB。腕も充分、曲だって最高なもの作れる。しかしそれを生かすも殺すもそれを作品として出してくれるレコード会社、製作担当者です。ロンドンに出ても何しろディスコ以前、まるっきしファンク苦手なイギリス国民ですからちいともいいことはなく、起死回生で本場アメリカに渡っても、本場だからなー、真っ黒い超強力なファンカーがずらり。とにかく不安だらけだったかと想像します。どんな縁があったのかアリフさんに出会ったてのはやっぱし音楽の神様の粋な計らいかな。何より自分達のやろうとしてることを肯定してくれる存在に出会ったってのが最高の幸福だったかと。それはアリフさんにとっても同じ。色んな意味で「あなたにソウルがわかるのか?」って疑問を口に出されることも有っただろうし、空気として感じたことも多かっただろうと。それを結果で残し、信頼されての名盤の数々。それでも自分自身で「自分はソウルがわかるのか?」って疑問が常に有ったのでは無いでしょうか。それを証明出来る存在がAWB。 志に基づいた愛情と修練でソウル&ファンクは出来る。 そしてみんなが聴いてくれる。 1stシングル「Pick Up the Pieces」の全米1位獲得はそりゃもう最高の贈り物だ。 1974年12月21日にTOP40登場以来10週目の出来事。 ブラック・アルバム・チャートでも1位、黒シングルチャートでも5位。 製作者としての戦略も怠りなく。ジャケにメンバーは載せず。音楽だけでどーだの勝負をば。白ながら黒の歌、名人二人もおるも、敢えてインストでの勝負。ミドル・テンポで踊れる。出来立てほっかほかのディスコをもど真ん中に見据えたぜ。 プロデューサーとして何をアドバイスしたのかな。 左右に分けたダブルハイハットか。左では16ビート刻み、右では開いて閉じてのアクセント。 後半掛け声の登場と共に登場するシチリキほっきょっきょーのカンコココンカンパーカッションの効いてることと言ったら。 湧き上がるドラムロールのオカズも後半から。 「そら、行け行けー。そこだ。そうだそう。行けー。」ってブース内で叫んだぜよ。 そしてラストのキメ。夢の全米第一位の資格を得る為に。 誰もが無理だよーって言ったって、志は・・・・やらねば、成らぬ、絶対に。 そして肝心なのはシングル第2段であります。 前作1位で、正体はほぼバレてる。白い黒い集団だってことは。その衆目の中第2弾アルバムのタイトル曲で勝負だ。 時は1975年4月26日TOP40エントリー。 Cut the Cake 再び黒アルバム・チャートで1位獲得、黒シングル・チャートで7位。ポップ・チャートでは10位。黒が先行だ。 突破したぜ。 憎いねこのー。前作と同じイントロ入り方。何だ柳の下どぜうかと思わせておいて・・・・歌が登場。 その真っ黒さに驚く。そして喜ぶ。 ♪ ケーキをカット ちょっとちょうだい クリームをペロリとさせて ケーキをカット ううちょっとちょうだい ベイビー、僕のいう意味がわかるかい ケーキをカット ちょっとちょーだいよ 一緒にちょっとばっかしの愛も ケーキをカット ちょっとちょーだい それこそど満足僕ちゃん ちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいケーキをカット ああとっても美味しいやめることなんか出来ません ちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいちょーだいケーキをカット バッサリ斬って下さいな つづく ♪ 最後がまた決まってるって。 ラッパがバシっと終わるや、「カザケーク・・・ぷりいいいいず」って。 資格はもう充分だったんだけどなあ。1位の。いや心の最高位1位決定。 歌詞の意味は・・・・わかりますね。粋なファンク伝統のあれです。 そしてシングル第3弾、世間は飽きるってことしやがる。それを承知で真正面地味歌モノで勝負だ。 1975年9月ポップ・チャート順位は最高位39位、黒シングルでは25位。しかしそれ以上の意味がある。 If I Ever Lose This Heaven 作はパム・ソイヤーそして「アイ・ウォント・ユー」な人リオン・ウエア両氏。真っ黒な曲のカバーに挑戦。 ♪ 君がオバカさんだったら ただのオバカさんだったら 僕が訊くことって言ったら「なぜ?」だけ 君がプレイするなら 僕は言うだけ 確かにあたってるって感じているかい 本当のことなんて言わないで そんなことしないで 君は僕を落とすことは出来ない だって僕は既に君の掌中の中 僕をすっかり奪ったあとなんだよ おおおお もしこの天国を失うことがあったら もし もしこの天国を失うことがあったら うわ、僕はもうどうにかなってしまいそうだ おおおお もしこの天国を失うことがあったら もし もしこの天国を失うことがあったら うわ、僕はもうどうにかなってしまいそうだ もし君がとっても優しかったら とってもとても優しかったら その時突然君と交わる 君はとってもムーディ 僕はやられた 止めることなんかできゃしない 君は魅惑の人 とっても魅惑な 月の裏側なんかよりずううっと 君はエキサイティング 何回でも書けるよ 「君」とゆう題名の本の中に おおおお もしこの天国を失うことがあったら もし もしこの天国を失うことがあったら うわ、僕はもうどうにかなってしまいそうだ おおおお もしこの天国を失うことがあったら もし もしこの天国を失うことがあったら うわ、僕はもうどうにかなってしまいそうだ おおおお もしこの天国を失うことがあったら ♪ 言うまでも無く。 この曲は貴方の音楽のことです。 (山)2006.6.28 日本盤ベスト(アマゾン) AWB動画集 Pick Up the Pieces Cut the Cake School boy crush Put It Where You Want It 1979 Live(30minutes) AWB アヴェレージ・ホワイト・バンド 1974/8 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− アヴェレージ・ホワイト・バンド AWB Average White Band Live(1977) - Pick Up The Pieces http://jp.youtube.com/watch?v=Y5MwaIIPXgw . |
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