ろっくす超大特選盤
*70年代の一時期、バッド・カンパニーはそれはもうロック・ファンにとってパープルやゼップに匹敵するくらいでっかい存在でありました。何つってもフリー、モット・ザ・フープル、キング・クリムゾンのメンバーが作った掛け値なしのスーパー・バンド、もっともモットは日本ではあんまし人気が無かったのでもっぱらフリーのポール・ロジャースが作った2番目のバンドだーてなことで。バンド名もバッド・カンパニー、いやーかっこいい。レーベルもスワン・ソング、レコード盤の真ん中でのけぞる鳥人間、これがロックファンの浪漫心をくすぐらせないわきゃあない。そしてとりわけ当時のロックバンドをやってたもの、ギターを買ってミュージシャンを夢見るものにとってさらにどでかい存在、それは衝撃の1曲目キャント・ゲット・イナフだ。パッと聴いてやったあこれは簡単だとC、B♭、Fのイントロはアルペジオの王道、天国への階段、リフの王道、スモーク・オン・ザ・ウォーターとならんでコードの王道として君臨しておった。もっとも他の曲同様、続くとこでもうつまづくのだけど(^0^)。なーんも新しいことをやってないバドコ、実はものすごー新しかったと今になって思うのはこのとてつもないシンプルさではないかと。大抵のロックバンドはいやー出来ません、すげえなああのプレイ、あんな風に弾けたらなあとゆうとこで威厳を誇るもんだがこのバドコ、先のキャント〜を始めやろうと思えば誰にでも出来ます。なもんで数多の初心者ロックバンドがこれに挑戦、しかーしこれがとてつもなくヘタレな結果に。シンプルなだけに実力の差がこれまた誰にでも一目瞭然、全員一同落ち込んで、ラウンドアバウトなど仕掛け満載でよくやったなあコピーと別方向で感心してもらう方針に変えるのであったとほほ。70’s中盤になるとロックもある程度形式が出揃ったとこで出て来た地力だけで勝負のバンド、それがこのバドコだったと思います。それは意識してかしないでか。フリーでバンド維持にほとほと疲れていたポール・ロジャース、サイモン・カーク。モット時代に彼らが再結成フリーの時アメリカ・ツアーで同行してすっかり意気投合、ようやく成功したモットでヴォーカルのイアン・ハンターの資質と合わずますます自分の曲をやって貰わなくなっていったミック・ラルフス。天然優しおいちゃんボズ・バレル。でっかいのはやはりようやっと成功したモットのすべての若き野郎どもを体験したミックさんかも。良い曲を書いておれば余計なことはしないのが一番だと気付いたのか。彼のキャッチー&ポップな資質にご存知哀愁野郎のロジャースちゃんが組み合わさって、ドライヴィング・ロックにちびっと哀愁風味の極上ブリティッシュが完成。みんな涙大感激。なのは良いがここからが問題。フリーに比べるとどーも...とかあまりに素人にも出来るそのサウンドで、ふっバドコねなどとバカにされる次第で。軽いってのがバカにされる第一の原因のようですが、それはあれだボズさんのオポンチ・ベースの貢献大だぞきっと。フロントの二人の切れまくる音、ロックステディなサイモンさんのドラムの間を縫ってぽこーんとずんこずんこと絡むそのフレーズたるや、あはは、能天気です。そこが分かれ目。わたしゃそれがあるからこそ好きなんだけど。先にも書いたように問答無用のシンプルサウンドが大好きです。注釈入らない大ロックが。それが最も自然に出来たのがこの1stで、私がロックを聴きたいと思わせる全てがここにあります。ギタリストより作曲家で行きたかった上がり性のラルフスちゃんの喜びが伝わってくるよう。 (マスター)2004.4/15 |
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*今週の「完璧なシングル」は 「キャント・ゲット・イナッフ」、バッド・カンパニーです。 1974年ロック史に燦然と輝くアマチュアの友曲。イナフじゃありません、イナッフです。もちろんイノウグフでも無し。それじゃぶふって笑っちゃうす。コードは4つです。C、B♭、F、そしてG。歌の内容は「おいら満足できねえあれをもっとくれよベイベ」。準備は出来ましたでしょうか。まずはカウントです。1、2、、1,2,3どたん。じゃーん(C)じゃじゃっ(B♭)じゃーん(F)じゃっぞー(B♭F)、はいもう1回、じゃーん、じゃじゃぞっぞー、じゃぞー。歌!C、B♭、F、B♭。テンポはミドル・シャッフル。コードは同じ。展開、カマンカマンカマン&ドゥイットではGへ一瞬、Cへ、F、D♯、C、あ、コード5つだ、サビはC、B♭、Fをうんちゃらうんちゃらとやっておくんなまし。きゃ出来る出来る。問題はフル・コードでございまするが何も全部ぐわしと抑えなくとも良し。この音抜いたらわからんつうギリギリのとこだけ抑えましょ。あかんどうしてもあかんでけんとロー・コードに退避するのだけは禁止。もちろんカポも。そないなことなされば一瞬にしてボブで乱になってしまうだに。ハードロックではこのようなフルコード、ボトムだけはぐわしをパワーコードと呼んでおります。いやかっこいい。パワーです力(ちから)。ロック・バンドのデビュー・シングルかく有るべき。正しく第一歩の曲でごるわ。フリー、モット・ザ・フープル、キング・クリムゾンと居並ぶ代官、百姓衆総出でへへぇと土下座するスウパアなバンドの出身者が打ち揃って集結のこのバアアッド・カンパニー。それらを全て抱えた上で全てを清流に流し苔むす石となりました。水澄み既に消え去りし情念の嵐。じっと座禅の78時間。煩悩の果てに見えましたのは3つの響き。それはブルース基本3コード。時をさかのぼるべく通常のさかさまで進行します。歌はつまるところシャッフルだなやと確信しての歩いて歩いてずんずんベース・ギター上に鎮座まし。そして何を歌いたいかよーく考えてみたら結局自分の人生はスケベだつうことを開眼した訳だ。こらー。しかもどうか一つと土下座までしてお願いしておる。恥はもう捨てたけんのう。こんな訳ですから1番だけで意思は充分に伝わる訳です。しかし2番の出だしは「リッスン!」。そして2番では全く同じ事を懇願します。けものです。この物凄い上手い歌い方で。さすがに少し恥ずかしくなったかギター・ソロ直前で叫ぶ。「笑わせんな!」。つい生まれ故郷の日本語が出てしまった。ギター・ソロは・・・おお、トゥイン・リードだ。バックではコード鳴ってる。二人しかギターいないのに。何故だ不思議だ。ライブではスカスカになってしまうぞ。とうろたえるのは止めにして是非友達を呼んできて二人でやってね。ギター弾けなくてもOK。仲良く二人で音を拾いましょう。ここの表現はつれなくあしらう相手側の様子を表していますので思いっきりてろりんとお願いします。ベースはおでんのがんもどきを頬張るように。ですからー。こんなにお願いしてるのに全然相手にしてくれないのでここからは心は泣いても表向きはクールにさらにお願いしましょう。「ジス・ワン!」。とえばるのもどうか忘れずに。シングル・ヴァージョンでは何とここからのギター・ソロ最も盛り上がる場所でフェイド・アウトしてしまいます。そりゃ無いぜよ。急いでアルバムを買いに走りましょう。まだ間に合う。続きだ。もうちょっとお願い。最後はそりゃもシャウトとなるわけです。でも最後は「しつこい!」と言われて去られてしまいました。「あー、ああぁ。」。万感の気持ちを込めて。 B面はアルバム未収録のまるでリトル・フィートな曲。 90度左に回転するのが正しい向きでは無いかと思ってしまうジャケをも含めて含めて完璧なシングルです。ジス・ワン。 by Yama(2005.09.03) Movin' On / Ready for Love / Rock Steady Bad Company 1974 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− バッド・カンパニー(紙ジャケット仕様) Bad Company Bad Company - Rock Steady http://jp.youtube.com/watch?v=frpPWTVRiKQ 。 |
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