マッコウクジラ
マッコウクジラ科
Sperm Whale

Physeter macrocephalus


     




土佐沖に現われたマッコウクジラ


カイコウラ

ニュージランド・カイコウラで

室戸

室戸


ハクジラの中で最大のマッコウクジラのブロー(噴気)は
とても特徴的です。
ハクジラの噴気孔は一つ、体の左右真ん中にあります。
しかし、マッコウクジラの噴気孔は最前方左側に付いています。
そのため、ブローは斜め45度に力強く吹き上げられます。
さらに、他のクジラよりも噴気は水滴っぽく、霧状ではありません。
四枚の写真はマッコウクジラのブローです。

室戸

カイコウラ

室戸

室戸

カイコウラ


漢字 分類 英名 学名 体長♂♀ 体重♂♀ 繁殖 食性
抹香鯨 歯鯨亜目,マッコウクジラ科 Sperm Whale Physeter macrocephalus 18,4m
普通15.3m
雌で11,4m
を超えるものは少ない。

58tまで
44,5t ,18,8t
3-5年に
1回
イカ 底生魚類 ダイオウイカ

                   −潜水のチャンピオン−

世界中の海で深海にいるイカを補食するため、マッコウクジラは450メートルの深さまではなんなく潜り、しかもそこに一時間も留まることが出来る。海底ケーブルに巻き付いて死んでいた個体があったが、この時のケーブルは1116mの所に敷設されていた。したがって300メートル以上潜ることはしばしばあるようである。
 潜水後、水面まで浮上すると、次の潜水に移るまでに50回以上も呼吸する。仔クジラは、成獣ほどの潜水能力はないため、母親が潜水している間、水面近くで待機しているが、その間他のクジラによって保護されている。

体型:頭は大きく、四角い。頭は体長の1/4から1/3もある(脳油器官)。
背びれは低いコブになっているか、または三角形、噴気は左前方にしぶきとなって吐き出される。これは噴気孔が頭の中央になく、頭部左にある。さらにS字状になっているため。

歯:下顎の左右に片側25本ずつ、上顎には下歯の嵌り込むソケットがあるだけ。痕跡的歯はあるが露出しないで埋没。歯は餌を採るのには役立たず,雄同士の争いに使うらしい.,
ダイオウイカ(鴨川シーワールドにて)

   
  ダイオウイカの足                             吸盤
       マッコウクジラの頭にはダイオウイカの吸盤の痕や、足の先端にある爪で引っ掻いた痕が沢山ついている。 
潜水:深く潜水し(1000-3000m)静止してイカ等の餌が通りかかるのを待つ.
 
体色:ダークブラウンからダークグレイ。光の当たり方で異なった色に見えることもある。腹、口の周囲、頭の先端はしばしば明るいグレイから白っぽい。へその周囲は白い斑がある.年齢とともに頭から白色化する。尾の付け根や胸びれの裏側は褐色からグレイまでバリエーションが大きい。

ヒレ:胸ビレは小さく尾ビレは大きい.背ビレはこぶ状で後ろに続く.

分布:,世界中の外洋の海.♂,♀の育児群と住み分ける.

噴気:4-5m.左斜め前方。

妊娠期間:15ヶ月。授乳期間は約2年。雌は4〜5年の間隔で出産する。

新生仔:体長3.3〜4.7m。灰白色で一ヶ月もすると徐々に黒っぽくなってくる。

寿命:65−77歳位生きると思われている。

習性:複雑な社会構成を持つ。50頭までの大きな群れは普通独身の雄(成熟雄群)あるいは子供連れの雌(混合または育児群)からなる。
 繁殖期になると、大きな雄が10頭ほどの雌を引き連れてハーレムを作るため互いに闘争する。その他のグループは、ハーレムと関係なく単独あるいは数頭の小さな群れを作って行動する。
 近年、このハーレム説を否定する研究もある。
浮上時は背中しか見せない.深く潜る時は尾ビレを上げ潜る。ブリーチングをする(太った個体ほど良く飛び跳ねる),
メルヴィルの『白鯨』のモデルであり、ピノキオが呑まれるクジラでもある。

個体数:世界全体で732000頭と推定されている。南半球で410000頭、捕鯨の対象クジラだったため何世紀にもわたって捕獲されてきた。その結果生息数は相当減少したが、絶滅の危機にはない。



マッコウクジラの声へ

分布




マッコウクジラが見られる所
GO  ニュージランドカイコウラ

GO 高知県室戸


   クジラのカバーへ  HOMEへ