−潜水のチャンピオン−
世界中の海で深海にいるイカを補食するため、マッコウクジラは450メートルの深さまではなんなく潜り、しかもそこに一時間も留まることが出来る。海底ケーブルに巻き付いて死んでいた個体があったが、この時のケーブルは1116mの所に敷設されていた。したがって300メートル以上潜ることはしばしばあるようである。
潜水後、水面まで浮上すると、次の潜水に移るまでに50回以上も呼吸する。仔クジラは、成獣ほどの潜水能力はないため、母親が潜水している間、水面近くで待機しているが、その間他のクジラによって保護されている。
体型:頭は大きく、四角い。頭は体長の1/4から1/3もある(脳油器官)。
背びれは低いコブになっているか、または三角形、噴気は左前方にしぶきとなって吐き出される。これは噴気孔が頭の中央になく、頭部左にある。さらにS字状になっているため。
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歯:下顎の左右に片側25本ずつ、上顎には下歯の嵌り込むソケットがあるだけ。痕跡的歯はあるが露出しないで埋没。歯は餌を採るのには役立たず,雄同士の争いに使うらしい.,
ダイオウイカ(鴨川シーワールドにて)
ダイオウイカの足 吸盤
マッコウクジラの頭にはダイオウイカの吸盤の痕や、足の先端にある爪で引っ掻いた痕が沢山ついている。 |
潜水:深く潜水し(1000-3000m)静止してイカ等の餌が通りかかるのを待つ.
体色:ダークブラウンからダークグレイ。光の当たり方で異なった色に見えることもある。腹、口の周囲、頭の先端はしばしば明るいグレイから白っぽい。へその周囲は白い斑がある.年齢とともに頭から白色化する。尾の付け根や胸びれの裏側は褐色からグレイまでバリエーションが大きい。
ヒレ:胸ビレは小さく尾ビレは大きい.背ビレはこぶ状で後ろに続く.
分布:,世界中の外洋の海.♂,♀の育児群と住み分ける.
噴気:4-5m.左斜め前方。
妊娠期間:15ヶ月。授乳期間は約2年。雌は4〜5年の間隔で出産する。
新生仔:体長3.3〜4.7m。灰白色で一ヶ月もすると徐々に黒っぽくなってくる。
寿命:65−77歳位生きると思われている。
習性:複雑な社会構成を持つ。50頭までの大きな群れは普通独身の雄(成熟雄群)あるいは子供連れの雌(混合または育児群)からなる。
繁殖期になると、大きな雄が10頭ほどの雌を引き連れてハーレムを作るため互いに闘争する。その他のグループは、ハーレムと関係なく単独あるいは数頭の小さな群れを作って行動する。
近年、このハーレム説を否定する研究もある。
浮上時は背中しか見せない.深く潜る時は尾ビレを上げ潜る。ブリーチングをする(太った個体ほど良く飛び跳ねる),
メルヴィルの『白鯨』のモデルであり、ピノキオが呑まれるクジラでもある。
個体数:世界全体で732000頭と推定されている。南半球で410000頭、捕鯨の対象クジラだったため何世紀にもわたって捕獲されてきた。その結果生息数は相当減少したが、絶滅の危機にはない。
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