ろっくす特選盤
*真冬にコタツでアイスクリーム。こんな贅沢なことはありましょうか。又は豪雪の中で灼熱の音楽を聴いて心を溶かしましょう。レゲエの一大レーベル、トロージャンのカタログの中から英国でヒットした曲を集めたコンピレーション・ボックス・セットです。三枚組、50曲入り。しかもお値段が2400円くらい。中古ならもっと安い。こればっかはアナログでも同じくらいの値段で流通しておるようなのでCDがお得でござる。驚くことにこの50曲で60’sから70’sにかけての英国でヒットしたジャメイカン・ミュージックの92.35%は集めることが出来るつう恐るべきやアイランド/トロージャン・ライン。果たしてクリス・ブラックウェル氏の情熱が無かったらレゲエはどうなっておったか。そしてロックは。入手いたしましたらまずボーっと聴いてみてくださいまし。体がポッカポカしてきて頭はウキウキ、マジックなリズムと甘美なメロディの数々。それがこの値段でたっぷりと手に入る。ああ何と貧乏勤労社会人にとってありがたい幸せでしょうか。ご存知の通りジャマイカは長いこと英国領でございました。英国本国への移民も出稼ぎも多く直接的音楽交流が盛ん。それがチャート上に現れましたのが64年の3月、ミリー・スモールのマイ・ボーイ・ロリポップとゆう曲。この英国人ミュージシャンを後にジミー・クリフのバックなどで大活躍したアーネスト・ランブリン氏が指導して作った曲は大ヒットして最高位2位に。返す刀でアメリカでも大ヒットしちゃった。ただアメリカではキワモノ、一発屋扱いだったのに比べ英国ではこれで若者にも認知されてこれからの大進撃の確かな一歩になりました。それは・・・何故か入ってない(^_^;)。あれもクリスさんラインだったと思ったけど色々あるのかな。えー、それ以来面白いことにジャマイカの音楽の変化の毎にちょっとしたブームになってヒット曲出まくることに。次のブームは67年。当時肩で風切っておりましたモッズの連中の間でスカが大流行しました。それが69年まで続きます。それがこのボックスで言うと11.位まで。その間、2ビートベースのスカから8ビート・ソウルに対応してリズムがぐっと落ちたのーんびりしたロック・ステディとゆう音楽に変化が。それが70年から72年にかけて。ボックスで言うと35.まで。いやこのスカ〜ロック・ステディ期が最高なんです。1.のご存知スカタライツのナヴァロンの要塞。後にスペシャルズがカバーしたやつ。この音質なんてレッド・ツェッペリンもかくやの大爆発サウンド。ヘビメタも裸足で逃げ出すなや。スペシャルズと言えばそこかしこの曲で、ああ、あれあれつう2トーン勢でお馴染みのフレーズが出てきます。あの「ちきつ、ちきつ」って口で拍子を取るやつ。32.のモンキー・スパナーの冒頭「ジス・イズ・ヘヴィヘヴィ・モンスター・サウンド!」つうやつはそうあのマッドネスの1stの冒頭の雄叫び。ちゃんとつながっておるのだ。わたしゃ初めてこれ聴いた時、感動して尻から火が出ましたぼわ。72年にはついに登場、白人DJ、ジャッジ・ドレッドさん。ビッグ・シックスから続くビッグ・シリーズで一世を風靡。そして73年、またもや一大ブームが起こります。きっかけは46.のケン・ブース氏のブレッドのカバー、エヴリシング・アイ・オウン。最高位1位にまで上がりました。ちょうどロック・ステディからいよいよさらにうんちゃうんちゃ強調、洗練されたレゲエに移ろうかという時。レゲエによる大カバー大会の始まり始まり。元々ジャマイカではアメリカのラジオから流れてくる数々のソウル、アメリカン・ミュージックが聴かれておりました。現物は中々入手出来ないつうことでそれなら自前でやっちまおうと自国産のカバーが盛ん。ニセのシュープリュームスやオーティス・レディング、マーヴィン・ゲイ、サム・クックさんなどが一杯。その魅力たるや駄菓子屋で買うバッタもんのお菓子みたい。中にはモノホンより好きになってしまったりして。それがこの時期、英国にもばっちりはまった。他にジョン・ホルト氏とゆう役者を得て大ウケです。で、この辺までが歌謡レゲ大得意のトロージャンの天下。74年に登場したのは47.のアイレ・フィーリングス。ダブの登場です。75年にはノー・ウーマン、ノー・クライでボブ・マーリー出現。以後80’sまで英国チャートではほぼ寡占状態に。そしてレゲエにシンパシーを持ったパンクの登場、2トーン勢ネオ・スカ・ブームで再び火が付く、今度は英国産の若者によって。とゆうのがだいたいの流れとなる次第。ボックスを最後を飾るのはベテラン、最後のレゲエ歌手、デニス・ブラウン氏でござる。お気楽極楽、のんびり、けど一本芯が通ってますトロージャン・レゲエ。何よりやたら楽しい。エネルギーをもらえる。滅茶苦茶お奨めしたひ。特にボブ・マーリーしかお聴きになっていなかった方、そして最近のデジタル・レゲで入った人、是非いかがですか。これがもう戻ってこないかけがえの無い音楽です。 (マスター)2005.1.10 |
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