このコーナーの資料写真は、ワシントンスミソニアン博物館、大英自然史博物館、鮎川牡鹿ホエルランド、室戸図書館、その他で撮影してきたものです。

クジラの足 クジラに後ろ足があるのを知ってますか?
昔、クジラは陸を歩いていました。その証拠をご覧下さい
クジラの音声と声紋 クジラにヒゲがはえているの?
どんな風になっていて、どんな役割をしているのでしょう?
識別
見分け方
マッコウクジラは、「歯」のあるクジラの代表選手であるばかりでなく、なぞの多いクジラでもあります。          
イルカの耳 イルカはどうやって魚を食べているのでしょう?

クジラってなに?

1.クジラは哺乳類
クジラは海に住む哺乳類です。だから犬や猫や私たちと同じように肺呼吸をし、頸の骨もキリンや私たちと同じ7個ですし、オッパイもあればオチンチンもあります。
しかしそんなものをゆっさゆっさ、ブラリブラリでは、泳ぐのに邪魔になって仕方がありません。そこで普段は溝の内(グルーブといいます)にオチンチンは牽引筋という筋肉で吊り上げています。いったん用があり勃起したり、死んでしまうと筋肉が弛緩するので、雄の体外に出てくるのが普通です。
ほとんどのクジラの頸椎は、短く、くっついて一個の骨になっているため頸を回すことが出来ません。しかし、ペルーガだけは頸がくるくると回り、とても可愛いいです。
尾は、魚のように左右に動く鰭ではなくて、上下に動く水平な鰭になっています。この尻尾、鰭はフルークと呼ばれますが、フルークと同じく背鰭も骨のない肉質で、これは他の海生脊椎動物にない特殊な構造です。
2.他にも海に住む哺乳類がいる
海に住む哺乳類にはクジラの他にもオットセイやアザラシなどヒレアシ類とジュゴン、マナティのカイギュウ類がいます。クジラが最も水中生活に依存していてすべての時間を水中で過ごします。
 それに対してヒレアシ類は、交尾や出産などはまだ陸上で過ごす時間が多い海生哺乳類です。
3.哺乳類ならクジラには毛が生えている?
 ヒレアシ類とカイギュウ類は今でも、ことにヒレアシ類にはフサフサ毛が生えていますよね。ですがクジラの場合、ヒゲクジラはチョコチョコ生えていますが、例えばザトウクジラのコブには感覚器官的な毛があります。ハクジラは胎児の頃は生えていても大きくなると無くなります。

4. 赤ちゃんは?
クジラは一産一子です。人間と違って尻尾から生まれます。
産まれるとすぐに呼吸のために水面に出ます。人間の水中出産と同じです。だいたい、子供の大きさは親の30%といいますから大きいですよね。脂肪分の高いハイファット乳を飲んで見る見る大きくなりますが、子供の舌は特殊でお乳をくるりと包みます。その刺激でお乳がビュツと飛び出して海水を飲むことなくお乳だけ飲むことが出来るのだそうです。



クジラを大別すると、歯のあるクジラと、歯の代わりにひげがあるクジラがいます
ハクジラは
歯が生えています。
ハクジラには体毛がありません。(胎児期にはある)
ハクジラの手の指は5本あります。
盲腸がありません。
噴気孔(鼻の穴)がひとつ。マッコウクジラは左側の先端に付いていて、特徴のあるブローをします。
体長は雄の方が雌より大きい。

ヒゲクジラは
歯の代わりに片側数百枚のクジラヒゲがあります。
チョロチョロとした体毛があります。ザトウクジラの
コブにある体毛は感覚器官で水流などを感じていると言われています。
ヒゲクジラの手の指は4本です。
盲腸があります。
噴気孔が二つあります。
体長は平均してハクジラより大きいものが多くて、雌の方が雄より大きい。
プランクトンを食べるヒゲクジラの方が魚を食べるハクジラよりも身体は大きくなります。
一般に、餌のサイズが小さいほど効率が高いと言われていて、ヒゲクジラのようにクジラヒゲで濾過する濾過採食(フィルターフィーディング)方式を採用しているマンタやジンベイザメは、魚でも巨大になっています。



  



上がヒゲクジラのセミクジラで、下がハクジラのマッコウクジラ






  


クジラのミルク(シロナガスクジラでは一日一升瓶300本も出るのです)


人のお乳の脂肪分は3.3%、牛乳は3.5%、クジラはなんと43%(黄色の部分)なのです。
エバミルクのように見えますが、実際は魚肉やナッツのような味がするのだそうです。
一般に海生哺乳類の乳脂肪は高く、大急ぎで子供を大きくしなくてはならないからだと考えられています。

クジラの赤ん坊

初期の胎児には歯があります。やがて
クジラヒゲが伸びてくるとともに歯は無くなります

クジラの赤ちゃんは、母親のお腹の内で充分大きくなってから産まれます。
これは水中生活と無関係ではないかもしれません。産まれるとすぐに母親に海面まで押し上げられ呼吸します。
その時、すでに泳ぐことが出来ます。
オッパイは、ソケットのようなところに入っていて、赤ちゃんは海水をあまり飲まなくても高濃度のお乳を吸うことが出来ます。


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