相談を寄せられた傷病フクロウの内容と、顛末のレポートを、
了承を得てここに転載させていただきました。

教えられることの多い報告です

HOMEMENUへ     救急に戻る
2005.10.18

2005.10.18さんよりのレポート

このホームページがあって本当に良かったと思います。突然ふくろうが現れどうしていいのかわからず、今考えてみるとどこか専門の施設に預ける方法もあったのですがこれも何かの運命(?)かとインターネットを探し回りました。羽根が痛んでいる・・どの羽根か・・ここが痛んでいればどういう支障があるのか・・毎日訪れてました。それと野生の生き物との距離や「自然に」とはどういうことか考えるきっかけができました。
------------------------------------------------------
 約1年前の朝7時前。出勤するために車を出そうとしたらガレージの前に何かがうずくまっていました。旦那が「剥製が落ちてるのかと思った」という感じでフクロウがいました。
 車を出そうとしても飛ばないので近寄ってみると頭から羽根にコールタールのようなものがべったり付いていて(匂いはなかったです)濡れていました。住宅街の道路の真ん中でどうしようかと思いましたが、時間がないのでとりあえず旦那が昔テレビで見たとおり「布をかけたらおとなしくなる」を実行し犬用のバリケンに入れて保護しました。
 仕事があったのでそのまま家に置いておきました。夕方旦那が近くの動物病院に連れていきましたが「ふくろうは診れません」ということでした。「ふくろう」と書いていますがこの時点では「みみずく」と思っていました。もちろん野生ということもわかりませんでした。(けっこう都会なのです)その夜はわけがわからず茹でた豚肉と水を入れておきましたが食べてませんでした。
 インターネットで調べていると「ふくろう」は高価な鳥ということがわかり、警察と保健所に問い合わせがないか調べました。ペットが逃げたという届け出はなく、野鳥かもしれないので県の森林保全課を教えてもらい連絡してみると「野鳥保護の指定病院が県に3箇所ありますということで一番近いY動物病院に連絡をして連れていきました。
 保護して二日目のことでした。その間おとなしいので生きているか心配でした。保温は近くにオイルヒーターを置いて、ゲージには布をかけておきました。動物病院でも先生ははじめ「みみずく」と言ってました。1日預けて麻酔をかけて洗っても落ちないので羽根をカットしてもらいました。写真は羽根をカットした姿です。


 動物病院の先生は基本的に放鳥を進められましたが、羽根をカットして羽根の付け根は肌が見えているようで「保温できるのですか?」と聞くと「一度は自然界から落ちこぼれた個体なので。」だめでもこの子の運命だという感じでした。病院では生の牛肉とビタミン剤入りの水を与えてました。あと保護した時の様子を細かく報告し、今後保護するためには許可が必要なこと聞きました。奈良県は森林保全課に電話連絡をし、またまた保護した状況と今の状況の説明をして写真を送付しましたら画像のような「鳥獣飼養登録証」と「アニマルレスキュー教本」「野鳥をたすけるはじめの一歩」が送られてきました。この本は「ふくろう」に関してはあまり説明がありません。
 
奈良県森林保全課より送られてきた登録証と小冊子です。

 話が少し前後しますが(バタバタしてたので、そうそう動物病院の費用は「野鳥保護」ということですべて無料でした。)もう少し羽根が生えそろってから放鳥しようということになって、動物病院を退院した後すぐにえさの準備をするためにまたインターネットで「猛禽類のえさ」を探しました。(病院では牛肉あげてましたがそれは経済的に困ります)一番近い岐阜県の専門店にふくろうを連れて車を走らせました。お店の方に診てもらって「野生の成鳥である」ということがはっきりしました。ふくろうは車が苦手らしくてちょっと下痢気味でした。店には10種類以上のふくろうがいて鷲や鷹や(鷹匠をしていらっしゃるようで演技を見せてもらいました)初めてのことばっかりで色々と聞きたいこともありましたがとりあえずえさの説明とうずらのさばき方を教えてもらいました。マウスが栄養的には良いらしいのですが臭いがきつく初めての人には無理かもということで内臓付きのうずらの冷凍とビタミン(粉末)、カルシウム(粉末)、ザ・フクロウという本を購入しました。
お店の人にも野鳥を保護で飼育する場合にはくれぐれも届出をするようにと念をおされました。(問題になっているらしいです)それにしてもふくろうは高価ですねぇ
 ウズラをさばくのには、クラフト用のハサミ(歯が短いもの力がいれやすい)100均ショップの梅酒漬け用のピンセット(先が丸くて長いのでえさを与える時に大変便利)ということも教えてもらいました。





99/02さんよりのレポート

翼を骨折したアオバズク

初めまして・HPみました。そこで是非お聞きしたいと思いましてメールさせていてだきます。去年の7月、翼を骨折したアオバズク保護しました。
もう野生には戻れないという事で家で面倒を見ています。とてもかわいく大事にしてますが、どうしたら良いのかわからない事があります。まず、爪は切らなくてよいですか?切った方がいいのですか?
それと、出来るだけ部屋に放してやりますが、翼が折れてあまり飛べないので不時着する事があり夜は、オオム籠に入れてますが、中で暴れるときがあり翼が
以前よりボロボロになっています。何か良い考えはありませんか?
名前は、ポーと言います。まだまだ懐いてませんが、出来る事はしてやりたいです。

kyusokuの返事
爪は切らなくてよいですか?切った方がいいのですか?

自然界では、木にとまることを繰り返して摩耗します。
飼育下で、もし爪や嘴が「巻く」ほど伸びるようなら切って下さい。
切ったら、線香の先で切ったところを焼いて消毒する人もいます。
それはむしろケバをとる意味はあると思いますが・・・・

バタバタするのは仕方がないでしょうねぇ。
慣れていないときは。
夜、籠に入れておられるようですが、この人、夜が元気な人ですから(^-^)逆にされる
のも一つの手かも・・・・あるいは飛び上がれないほど大きな禽舎にするとか、・・・・(^-^)そうもいきませんよね。
そのうち、治まると思いますよ、きつと。
いずれにしても、もう野生復帰は無理だと(翼の骨折後時間が経っているし)思われるので、天下晴れて可愛がってやろうと思われ
るのなら、法的手続きをなさった方がよろしいと思いますよ。
「救急」で体験された方のtxtがありますので、参考になさって下さい。

餌は、なにを与えているのでしょう?。

どうもありがとうございます!!
HPのフクロウの救急なんですが、その所だけ矢印から手に変わらず見れないのですが、やり方間違ってるのかしら?
それと、法的手続きですが獣医さんにも言われ大阪府の緑の環境整備室に問い合わせをしました。結果、地域によって色々で大阪府では野鳥保護に関してまだきちんとした定めがなく善意でして頂いているのに費用がかかったりと・・・と言うような返答でした。後々問題になりはしないかと言いましたが、そのような事がありましたら説明させていただきますとの事でした。ちょっといい加減ですね。
餌は、冷凍のラットや鶉の雛ですが、時々ビタミンを入れます。
他になのか良いものがありますか?
以前は、コオロギや、スーパーワーム、鳥ささみでしたが栄養価が乏しいとの事で今は上記です。

完璧です(^_^)

フクロウの救急拝見しました。
多くのフクロウが保護され、そのうち極僅かしか野生に戻れないのですね。
ポーを保護したのは、私の住んでいる街中の住宅地です。こんな所に何故フクロウがいるのかと思いましたが、近くの神社に巣を作っているらしいのです。多分其処の子でしょう。
私のイメージでフクロウは陰気な鳥だと思っていました。所が、毎日観ていると、いろんな表情をする鳥だということに気がつきました。驚いた顔眠そうな顔、瞳孔の変化、頭をかくしぐさ、とてもカワイイ鳥でした。
その姿を写真にと思いましたが、レンズを向けるといつも同じ顔になります。カワイイと思う反面、外で飛ばしてやりたいと思う気持ちで複雑です。
メール掲載の事ですが、私ので良ければどうぞ。
ありがとうございました!!

           98/12さんよりのレポート
交通事故のフクロウ

第1信

はじめまして。広島県に住む、村上と申します。 先日、交通事故で翼の骨が折れたフクロウを保護しました。 動物園の方に相談すると、鳥の骨折は素人では難しいので、動物園に連れてくれば保護はするけど、最終的には安楽死になるかもしれないと言われ、かわいそうになって、今我が家で面倒を見ています。でも、翼の骨折をどのようにしてやればよいのか、よく分からないし、動物病院でもなかなかフクロウの骨折を治せる人はいないのことだったので困っています。餌も、とりあえず、動物園の方の言われたように、鳥の手羽先などを叩いて、骨といっしょに食べさせて、あと、鳥のレバーなど内臓関係も一緒に与えています。 何か、骨折についてよい方法等あれば教えてください。 また、食事についても何を与えればよいか教えてください。 よろしくお願いします。

第2信

お久しぶりです。 その節は、フクロウのことで色々とお世話になり、ありがとうございました。 もっと早く連絡したかったのですが、我が家のパソコンがメールをいただいた直後に 故障して、やっと今日直りましたので遅くなりました。 あの後、広島に住んでいる方から、情報をいただき、疾病鳥の世話をしておられる方 を紹介していただき、その方に連絡しました。すると、私の住む町で、同じような仕 事をしている方を紹介していただいたので、その方のところで面倒を見ていただくこ とになりました。 何も知らない素人があーだこーだやっていても、フクロウがかわいそうかなと思い、 鳥に詳しい人に預けたほうが、フクロウのためにもいいのではないかと、家族で相談 して預けることにしました。 ほんとにありがとうございました。 私の出したメールは、もし皆さんのお役に立てるようなものであれば、どうぞ掲載し てください。

   98/05 さんよりのレポート
ガラス窓に衝突したアオバズク

覚えておりますでしょうか、以前我が家のガラスに激突したアオバズクの手当についてご教授をお願いした者です。
その節は有り難うございました。
その後、割り箸から餌(鳥肉)を食べるようになり、季節も寒くなっていましたのでこのまま春まで様子を見ることにしました。ところがある日、また壁に頭をぶつけておかしくなってしまいました。
心配で動物園に保護をお願いしたのですが、これが間違いでした。係りの人に手渡しでしか餌を食べない旨申し渡したのですが忙しいせいか、そこまで面倒を見てはくれないようでした。
後日面会に行ったところ、そんなに心配ならなぜここに連れてきたのかなどと悪態をつかれる始末。結局この子は他界しました。残念です。

http://www.imix.or.jp/drkhg/www/

川本相一


       98/05さんよりのレポート
工場内で倒れていたミミヅク

第1信
はじめまして。私は37歳の会社員(男性)です。 実は、私の家には1匹のミミズクが居ります。
 これは昨年(平成9年)12月10日に、会社の工場内で、倒れていたものを拾ってきて、現在に至っております。
 最初のうちは、立つこともままならなかったのですが、図書館でフクロウ関連の本を読み、(残念ながら、あなた様の本ではありませんでした)鶏の挽肉などを与えながら、看病したところ、とても元気になり、今では部屋の中を飛び回っております。
 今年4月にパソコンなるものを購入し、インターネットを始めました。そして先日買ったYAHOO!6月号で、このページ
を知り、早々に拝見させて頂きました。
 さて本日(平成10年5月13日)、「救急」のコーナーを拝見し、これはぜひあなた様のご意見・ご指導を仰ぎたいと思いメールを出すことにしました。

「悪魔のささやき」の通り、最初は元気になったら自然に帰してやろうと思っていたのですが、最近はこのまま飼い続けたいと思う気持ちが強くなってきたのです。
 飼い始めて半年が過ぎ、もう自分で餌を捕ることができないのではないかと心配しております。

 私の心から悪魔を追い払い、我が家のミミズク(ホー助)を自然に帰してやるアドバイスを、ぜひお願い致します。
 あと、ホー助の種類が分かりません。お教え願えれば幸いと存じます。
<特徴>
1.頭のてっぺんからしっぽの先まで約20cm
2.羽根を広げるとだいたい40cm
3.羽根の色は、枯れ葉のようです
4.目は1円玉くらいで、黒目の周囲はオレンジ色
5.ホー助と呼ぶと、クウーンと返事をしますが、呼ばないと
 滅多に鳴きません
6.鶏肉と牛肉を好んで食べます(魚、豚肉、ミミズ、昆虫など
 を与えても、全然食べません)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 長々と、勝手なことばかり書いてしまいましたが、ご迷惑でなければ、よろしくご指導お願いします。
 最後になりましたが、これからもお体に気をつけ、ステキなページを見せて下さい。


第2信
  早速のお返事、ありがとうございました!!!
 残念なことに、デジタルカメラなるものを所持しておりませんので、写真を送ることができません。
 写真はかなりの量を撮りましたが、スキャナも持っておりませんので、どうしても見てもらうことができないので残念です。 
 今日、もう一度フクロウのHPの写真を拝見させてもらいました。
顔や姿形はどれも同じようで、私には区別がつきませんでした。
ですが、黒目の廻りが橙色なので、オオミミズクかな?という気がします。
 ご心配のビタミンの件ですが、友人に獣医がいまして、彼から受けたアドバイスにより、週に1〜2度は牛のレバサシ用のレバーを与えております。
 私の最大の気がかりは、放したときに、自分で餌を捕ることができるかどうかです。
時々は、洗面器に金魚を入れておいたり、マウスやインコを同居させておいたりしても、まったく食べようとはしません。
 しかも、最近は、私の手からしか肉を食べようとしないのです。こんなことで、自分で餌を捕ることができるのでしょうか?放した途端に飢え死にするのではないかと考えると、とても逃がす気にはなれないのです。
 どうすれば自分で餌を捕るようになるのでしょうか?
 飼育環境は、6畳の部屋に、止まり木用の観葉植物を3本置き、部屋の中で放し飼い状態です。(最近すこし臭うようになったので換気扇を付けようかと考えています)
 とりとめもなく色々なことを書いてしまいましたが、良きアドバイスをお願いします。
「救急」欄への転載は、今後私のような不届き者がでないように、喜んで承知致します。
第3信

 本日(平成10年5月20日)、野鳥の捕獲許可証と飼養許可証を申請に行きまし
たので、その第一報をご連絡します。

まずは愛知県庁に電話してみました。
 相手(県の職員、以下相):はい、県庁です。
 私:野鳥の捕獲許可証と飼養許可証が欲しいのですが・・・。
 相:担当課にかわります。(約1分)
 相:林務課です。
 私:野鳥の捕獲許可証と飼養許可証が欲しいのですが・・・。
 相:担当の者にかわります。(約30秒)
 相:かわりました。
 私:野鳥の捕獲許可証と飼養許可証が欲しいのですが・・・。
 相:鳥の種類は何ですか?
 私:たぶんオオコノハズクだと思います。
 相:その鳥は飼うことができません。引き取りに行きますので、住所を言って下さ
い。
 私:弱っているんで、元気になるまで飼育したいのですが・・・。
 相:住所はどこですか?
 私:・・・半田市です。
 相:それでは、半田市にある「愛知県知多事務所」の方へ連絡しておきますので、
そちらで相談してください。
 私:はい、分かり(ガチャン)・・・ました。

次に「愛知県知多事務所」へ行ってみました。
 私:野鳥の捕獲許可証と飼養許可証が欲しいのですが・・・。
 50歳くらいの男性(課長らしい):県庁から電話がありました。担当の者を呼ん
で来ますので、すこしお待ち下さい。(と言って近くの女子事務員に「3階の会議室
に佐野君がいるから呼んできなさい」、別の女の子に「この方にお茶を差し上げて」
とテキパキ指示を出して下さいました)
 30歳くらいの男性(以下相):お待たせしました。申し訳ありませんが、保護し
たときの状況から現在に至るまでの経過を話してもらえませんか。
 私:(半年くらい前に、会社の工場で弱っているのを発見し、連れて帰ったことな
ど説明)
 相:そうですか。まことに残念ですが、愛知県の条例ではメジロ・ホオジロなど4
種類の野鳥しか飼うことができません。でも、野生に帰すまでの仮保護でしたら、許
可が出ると思います。(と言って、「傷病野鳥保護記録書」というのを記入しまし
た)
 相:実物を見て、登録をしないと許可証が出ませんので、一度連れてきてもらえま
せんか?
 私:では来週の月曜日に連れてきます。
 相:よろしくお願いします。記念にこれをお持ち下さい。(と言って、「野鳥11
0ばん」鳥たちの救急手帳という冊子と、「ふれあいの 手と手をつなぐ いこいの
木」、「鳥たちを 包む自然の あたたかさ」と印刷されたシャープペンシルを下さ
いました)

この続きは、5月25日にまた報告させて頂きます。
なお、ホー助ですが、黒目の周りは、充血したような赤っぽい橙色で、首の横から後
ろにかけて、白っぽい羽毛が生えており、また足首まで羽根が生えていることから、
「オオコノハズク」だと判断しました。(写真では分かりにくかったようですが、あ
なたの所見が大変参考になりました)

追伸:この帰りに、本屋に寄ったところ、「野鳥のキューソク」を発見し、早々に購
入いたしました。大変おもしろいです!
第4信


5月25日
 今日、ホー助を連れて、愛知県知多事務所林務課へ行って来ました。
 先日お話をした佐野さんが対応して下さり、ホー助の体長、体重の測定と写真撮影
を行いました。
そして「後日申請書を送付しますので、今日のところはお引き取り下さい」と言わ
れ、帰ってまいりました。
 また帰る前に、たまたま林務課に来ていた、愛知野鳥の森で元飼育係りをなさって
いた森さんという方を紹介して頂き、貴重なお話を伺うことができました。

森さんのお話:
 愛知県民が、このようなところへ野鳥を拾ったなどと言って持ってきた場合、拾っ
た人が育てる気がない場合は、「愛知野鳥の森」に放鳥するそうです。自力で飛べな
い場合は、飼育係が面倒を見ますが、自分で餌が捕れるようになどのリハビリは行な
わず、(人手が少ないそうです) 従って、人に馴れた猛禽類は、季節によっては餌
を捕れずに死ぬことが多いとのことでした。基本的に、人に拾われたような鳥は、自
然界からの落ちこぼれで、人に拾われなければ死んでいたという考えでお仕事をな
さっているそうです。(なんたって公務員だもんな)
 ただ、コノハズクは、愛知県の県鳥となっているため、待遇が良く、自分で餌を捕
る訓練まで行うそうです。(ホー助は、オオコノハズクのため、この適用はされませ
ん) まず小鳥をつぶして与え、それを餌だと認識させる。ことから始めたらどうか
とアドバイスされました。

 私は今、悩んでいます。ホー助を野生に帰してやろうと、決意はしました。しかし
そのために、これから何十羽という小鳥を殺すことなど、私にはできそうにありませ
ん。かといって、みすみす死ぬ可能性が高いような、野鳥の森などに持っていくのも
まっぴらです。だからといってこのまま飼い続けることはできないようです。
 こんな四面楚歌な私に、良きアドバイスをお願いいたします。

      98.04 さんよりのレポート
片目の傷ついたフクロウ

実は片目の傷ついたふくろうを拾って、2日ほど飼っています。
これからどうしたらいいでしょう。かなり大きな大人のフクロウです。

久則様
さっそくお返事頂きありがとうございました。
すぐに読んでいただけるとは思わず、いい加減なメールですみませんでした。私は清水良昭の妻 真弓です。
夫の名前で出してしまい、重ねてすみませんでした。
私は長野県の長野市のそばの須坂市という所に住んでいます。
さて、手元にいるのは間違いなく成鳥の「フクロウ」です。
体長は40pほどで体重は620g、翼長310o、嘴の長さは37.7oです。♂の可能性が高いと思います。
23日の夜に近くのリンゴ畑の道路上に落ちているのを拾われて、我が家に来ました。右目が痛んでいるようで
最初は開いていなかったのですが、少しずつ開いてきました。
くちばしと胸が血で少し汚れています。
今は段ボールに入れて暗くしています。
26日朝まで、朝晩鳥のささみを1本ずつと2ccの水を飲んでいます。糞もします。なんとなく元気がないようで
とてもおとなしいのが気になります。
とにかく我が家で少し休んでもらって、29日には放してしまうつもりではいますが、片目がよくきかなくても
なんとか生きていけるでしょうか・・・・





本当にお返事をいただけたこと、うれしく思います。
ありがとうございました。また何かアドバイスがあればお願いします。


岩本久則  様
 傷ついたフクロウについての情報ありがとうございました。
予定どおり29日には放鳥するつもりです。
メールは掲載していただいて結構です。

実は、この困ったフクロウが27日00:30ごろ段ボールの中で一声鳴きました。00:00ころから、ごく近所でフクロウが鳴き、その声に反応するようにガタガタと暴れだし、その後ゴロスケホーホーと鳴いたのです。こんな近くでフクロウの声を聞いたのは生まれて初めてです。我が家の近所には最低2羽フクロウがいることになります。
 我が家はすぐそばに標高900m程の背の低い山があり、すそ野には果樹園や水田が広がっています。神社の林や雑木林も近く、毎年3月のはじめ頃から深夜、フクロウの声が聞こえてきます。このフクロウも、その山ろくの林道で保護されたもので、同じ場所で放すつもりです。なんとかそれまで、無事にすごさせてやりたいと思っています。今日は妻が仕事から帰宅すると、フクロウは10cmくらいの段ボールの隙間から飛び出していて、本棚の前に立っていたそうです。食欲もあるようなので、できるだけストレスを与えずにおくようにします。
昨日、野外のフクロウが鳴く少し前、アオバズクの声をこの春初めて耳にしました。しばらくの間、楽しめそうです。



再三のお返事ありがとうございました。

実際にフクロウの世話をしている清水良昭より(真弓の夫です)

ふっくらもこもこしているフクロウが、ほんの小さな隙間からすり抜けて出られるとは思ってもみませんでした。驚きました。
                         真弓より       
    
二人で交互にメールを送ってすみません。夫婦で鳥好きな清水でした。


無事に帰りました。
久則様
いろいろと楽しませてくれたフクロウは、29日11時頃に拾われた場所の奧の雑木林の中へ返してきました。人目につかない林の中で、地上1m程の枯れた幹に止まらせたところ、喉をぐるぐる震わせて生き生きした顔でじっと止まっていました。
最後にネズミでもと思い、ネコにも頼んだりしましたが、捕まらなかったので、鶏の手羽先の柔らかな骨を砕いて肉の中に丸めてくれておきました。
最後の2日は部屋の中で放し飼いにして羽も動かせるようにしましたし、
食欲もありそうなので、片目はなんとなく開きにくいようですが、なんとか生きてくれるのではないかと思います。
 フクロウは知恵の神と言われますが、確かに面と向かっていると、深い瞳が何かを訴えているようで、今にも語り始め
そうで、しぱらく見つめあってしまいました。情が移って別れ難くなったので、私たちはお別れに、フクロウと記念撮影をしました。
 これで一件落着!
 そのうち巣箱も掛けてみようと思います。
清水良昭 真弓より
                     清水ご夫妻とフクロウの後日談
 4月にフクロウを保護して、いろいろとお世話になった清水良昭・真弓です。
 その後、フクロウを放鳥した近くの雑木林に何度か行ってみました。だいじょうぶだったのだろうかと心配だったのですが、フクロウの姿は鳴く、糞だけが残されていました。「きっと無事だよ」と話しています。折しも5月17日の20:30-20:45に、我が家から30mくらい離れた電柱のてっぺんでフクロウが啼いたのです。太く良く響く声で何度も啼いて去って行きました。姿も観察できたのですが、怪我をした嘴や喉の部分は暗くて確認できませんでした。
きっとあいつだ?と思いたいですよね。
 1歳3ヶ月になる娘は、よほど印象に残っているらしく、フクロウの話をしていると、口をパクパク言わせながら、額に入ったフクロウの写真をヨチヨチ歩きで持って来ます。そんな時、小さな生き物たちに優しい目を向けるような子に育ったらいいなあと思います。
 写真も何枚か撮りました。電子化する術を持ちませんので郵送したいのですが、差し障りのない送付先を教えてください。
 長野は梅雨の影が微塵もなく、30度以上の猛暑が続いています。ツバメやスズメやシジュウカラの巣立ち幼鳥の頼りない姿をあちこちで見かけます。無事に生き延びてほしいものです。
 1998.07.04  清水良昭・真弓