ザ・ローリング・ストーンズ リトルフィート Gentle Giant ザ・バンド ジミー・クリフ キンクス スーパートランプ
トッド・ラングレン ランディ・ニューマン

 



ラブ・ユー・ライブ
ザ・ローリング・ストーンズ

「ストーンズ・ライブの集大成。いかにして私はブラック・ミュージックの虜になったか。興奮が君を待っている。」

私はライブ・アルバムが好きでございます。70年代とゆうのは優れたライブ・アルバムが多数出現した年代でもありまして、それらをピックアップしてみようとゆうのが今回の試み。
まず初っ端は77年作のこの作品。70年代後半には特に重要作品目白押し。しかも何らかのかたちで有機的につながってるのではないかとゆう、気配があり、興奮しました。このアルバムでのキーワードは汎黒人音楽。ロックンロール、ブルース、レゲ、サンバと雑食的に何でも飲みこんでしまうロックの凄さを十二分に堪能出来ます。ファンクとレゲに関してはストーンズはほんと美味い。ちょっと間を外したベース、タメの効いたドラム、アバウトなギターが実にフィットしてます。この感覚はこのリズム隊でしか無しえんだろうなあ。レゲエは70年代初頭の歌謡レゲエの時代。マーリー以前のものを完全に咀嚼しております、見事。そしてミック・ジャガーのブルース・ハープ。これはかなりいけてます。特にアンプリファイドの音色が一番おいいしいところをまた。

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マスター記

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めくるめく音楽の漬物
ウエイティング・フォー・コロンブス
リトルフィート

”ミュージシャンズ・ミュージシャン、リトルフィート本量発揮。ロバートもジミーもロリーも夢中なんです。”

78年のこの作品は、前回取り上げた「ラブー・ユー・ライブ」と奇妙とゆうか必然的とゆうか、同時期に出たことも有り私には兄弟のように思えるんです。特に後半、ミック・テーラーとのブルース・セッションから、サンバ化した「Feats Don't Fail Me Now」の流れが。ストーンズと同じものを食べたけど出てきたものが違いますとゆうことで、目指してるものは共通するものが確かにあります。なんてことを大学時代にクラブの人たちに漏らしたら怒られた怒られた。ストーンズは偉大でそんな訳のわからんバンドと一緒にするなですと。でもねー、本当に音楽好きがバンドやってるならスタンドアローンで音楽を作ってるはず無いし、色んなものが絡み合ってると思うんですがねえ。どうもやみくもにそれだけを崇拝してる人は苦手です。なんてことを言ってる間にもロバート・プラントはこのアルバムでのプレイが気に入ってドラムのリッチーさんをソロ・アルバムでバンドに加えたし、ジミー・ペイジやロリー・ギャラガーはツアー中はいつも聴いてたそうで、ルーツ・ミュージックを独特の解釈で自分たちのものにしているところが、親近感あったんでしょうなあ。

これまでのCD化では分割されてラスト・レコード・アルバムに入っていたミック・テイラー参加部分(夢のスライド共演!)が一緒になったコンプリート盤が出るようです。ここ。

追伸
リトルフィートの代表作のこのアルバム、前回ばらばらにされてリリースされていたのを一枚にして、リマスターしただけだと思っておりましたが....何と未発表曲収録!しかも超強力なやつが。これはもう今年の未発表曲収録大賞です。
*One Love Stand
オリジナルは「ラスト・レコード・アルバム」収録。まさかこの曲がライブで聴けるとは。来日した時にやってくれたかなあ。この大きなうねりが最大の魅力なんです。
*Rock And Roll Doctor
同「アメージング!」収録。前曲とのつなぎのところで鳥肌ぞわー。わわわ、凄すぎるぞい。リトルフィートでもっとも親しみ難い、前曲とこれ、前回の時にボツになったのはわかります。当時、何とかしてアルバム売ろうと彼ら必死だったもんなあ。しかしながら、基本的に聴きこんで魅力がわかるフィートのこの2曲は彼等の最高傑作でもあります。この難曲をさらっとやっちゃうのも凄い。74年頃の演奏の音を聴いたことがありますが、あの時の鬼気迫る様子から今回は余裕のグルーブとなり、本人たちが楽しんでる様子がひしひしと。プログレよりプログレ。この2曲聴くために買っても損は無しです。
*Skin It Back
同「アメージング!」収録。前回「Hoy-Hoy!」収録の時の謎のフェイドアウトから数十年(笑)、やっと完全バージョンが。フィートの中でもっとも直感的にかっこいいファンク・ナンバー。やっぱりかっこいい。
*On Your Way Down
同「ディキシー・チキン」収録。アラン・トゥーサン作で、セカンド・ギタリストのポール・バレルのきこきこギターの魅力炸裂。ロリー・ギャラガーが彼を好きだっだの思い出してにんまりします。
*Walkin All Night
同「ディキシー・チキン」収録。何と言ってもイントロ。ギターで練習したくなる(笑)。これもライブの音聴けるとは。生きてると良いことあるなあ。
*Cold, Cold, Cold
同「アメージング!」収録。フィートにしか出せない味たっぷり。この前出たDVDのやつも凄かったけど、これもゆったりとしたノリがたまらんのです。
*Day At The Dog Races
同「タイム・ラブズ・ア・ヒーロー」収録。オリジナル発表時には賛否両論有りましたが、素直にかっこいいではありませんか。途中のチョッパー混ぜベースソロを聴いて、来日時目の前でやたら指の長いおじさんが信じられない音の塊を出してくれたことを思い出してタイムスリップ状態に。最高のリズム隊だと今でも。
以上は資料無い状態で書いてますので間違いあるかもしれませんが、この追加曲を加えてさらにこのアルバムはパワーアップ。無敵となりました。初めて買おうとする方はぜひともこのアルバムから。できうれば聴きこんでどっぷりと魅力を味わって下さい。するめ、漬物バンドなのです。

以下は伏せ字にしております。フィートをすでにかなり好きな方のみお読み下さい。毒入り。
*Skin It Back (Outtake first issued on "Hoy-Hoy!")
*Red Streamliner (Outtake first issued on "Hoy-Hoy!")
*Teenage Nervous Breakdown (Outtake first issued on "Hoy-Hoy!")
今回納得いかんのがこの3曲。時間が余ったからなのか「ホイホイ」のやつをほいほいと入れてます。Red Streamlinerは良いんだけどファンとしてはドゥービーそっくりの裏声コーラスに赤面してしまったりして。 Teenage Nervous Breakdownはフィート史上もっとも取りなおしてアレンジが変わっていった曲。何故そこまでこだわったか私にはわからん。これも聴いてると恥ずかしくなる曲なんだよなあ。もっと良いのがあるんだったら隠さず出しなさい(爆)。

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マスター記

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プログレ明訓高校
PLAYING THE FOOL
Gentle Giant

”これぞプログレの全員野球。我々の勝利はチームワークのおかげですっ。”

「ラブ・ユー・ライブ」「ウエイティング・フォー・コロンブス」と来て、さらにもしかしてつながってるぞーと思ったのがこの76年のアルバム。肝は1分足らずの「Sweet Georgia Brown」に有り。古いジャズ曲なんですが、ここだけ一変してジャンゴ・ラインハルト&ステファン・グラッペリの世界に。カレー・ライスの福神漬けのように効いてる効いてる。プログレは4大バンドだけじゃ、あーりませんとゆうことを当時思い知ったのもこのアルバムであります。各方面で今一つメジャーでないのは、スター選手がいなくて、実際私もメンバーの名前知らず>^_^<、美形さんもおそらくいなく、有名なのはジャケットのジャイ子だけとゆうことなのからでしょうが、バンド全員が一塊となって打倒星君にに向かって突進するさまは、ひたすらの感動の嵐なのです。お金の分は音楽を楽しみ尽くしたいと方にぴったりの凝縮アルバム。みんなで聴いてみよー。

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マスター記

 

一生聴けます。古くなりません。
ロック・オブ・エイジス
ザ・バンド

”音楽って深いなあ。ビートルズと並ぶ柱です。”

前述のリトルフィートのライブは、ニューオリンズ・ファンクに影響を受けたバンドが、ロスのファンク・バンド、タワー・オブ・パワーのホーン・セクションを加えてパワーアップしたアルバムですが、このザ・バンドのアルバムは、そのニュー・オリンズ・ファンクの生みの親、アラン・トゥーサンのアレンジのホーンセクションでサウンドに深みを増すとゆう。聴き比べると実に楽しいです。アランさん、さすがの人。これしかないぞってアレンジ。アメリカ南部の憂いを表現したかのような音選びは、音にも詩がちゃんとあるんだなーって感じさせてくれます。
ザ・バンドの演奏は、我々は自分たちの歌をただただ演奏して聴いて欲しいんだと欲求が真摯に感じられるすばらしいもの。熱狂を追い求めて来たロック界に何か違う一発を与えました。結局ロックとかジャズとか関係無しに有るのは音楽だけ、自分たちに染み付いた音楽だけってことが今更ながらに、しかし初めて無垢に提示されたのではないでしょうか。当時ミック・ジャガーが強烈に意識したのもわかるような気がします。


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前向きに生きる

IN CONCERT: BEST OF
ジミー・クリフ

シリーズ「LIVEアルバムはお好き?」

”前向きに前向きに”

76年の作品です。レゲエとゆうのは世間の太陽と海とゆうイメージとは裏腹に、カリブ海の音楽の中で異端で、唯一暗さと重さを持っている音楽です。だがしかーし、このジミイさんだけは、ちょっと違って暗さを背負いながらも明るくやって行こうぜとゆうものがビンビン感じられる人なのです。その軽やかな歌を聴いていると生きる気力が湧いてくるとゆうもの。日本にレゲエが紹介された時はまずジミーさん、そしてボブ・マーリー氏とゆう順番だったのですが、これは素晴らしいことだったんじゃないかと思っております。数々の名曲をご賞味あれ。

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黙って聴くのが一番かな。
TO THE BONE
キンクス

”コメント書けない素晴らしさ”

1996年発表で本来ならエントリー資格無いんですが、管理人特権と(笑)、収録曲がクラシックなので(爆)、特別エントリーです。キンクスのライブの中では一番演奏が、何と言ったら良いのかなあ、まともで(笑)、曲もよだれが出るものばかりだし、とにかく初めての方にはぜひこれをお奨めしたいです。会場の後ろの方からいつも自分の演奏してる姿を見ているもう一人の自分がいるってゆう感覚満載(なんじゃそりゃ)。良い曲だなあってただただうっとりするも良し、ここから旅に出るのも良し、どないしてもええから、聴いてみましょうね。うーん、本当に好きな盤について書くのは難しいなあ。

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みんながスター
エブリバディズ・イン・ショウビズ
キンクス

シリーズ「LIVEアルバムはお好き?」

”みんながスタア”

72年作品。キンクスの作品中、かなり好きなものです。それは名曲「セルロイド・ヒーローズ」が入ってるとゆうのももちろんですけど。うーん、うまく説明でけん。いつものキンクスがいつものように炸裂してくれてるから。初期のようにビートの世界では無いけれど、当たり前のように名曲だらけだし、いや名曲とゆうより一人一人にとってかわいい曲だらけとゆうことかなあ。「湯・リアリ・ガット・ホルド・オン・ミー」してる「あったかじゃがいも」やぢょんちゃんしてる「ホテルに座って」なんてたまらんです。後半はライブになっております。例によってラフにかわゆくかましてくれてます。ホーン・セクション入りで、これがボードビル調で良いんですよ。同時期のザ・バンド「ロック・オブ・エイジス」と一緒に聴くとおもしろいですよー。共通する空気が流れてます。見ている地点が同じでも、実に英国とアメリカ大陸です。ダウン・トゥ・アースやろうとしてもどーやってもイギリスになるんだよねー。最後のバナナボート〜スキン・アンド・ボーン〜ベイビー・フェイス〜ローラたまらーん。ローラなんて...いや書くのやめとこ聴いて粋さを味わってね。なおひろみゴーにカバーしてもらいたくなる瞬間あり[(^o^)]。

これは売りにくいアルバムだわあ

 

決定盤か。
Paris

スーパートランプ

シリーズ「LIVEアルバムはお好き?」

"最高の時期の最高の記録。"

80年作品。「ブレックファースト・イン・アメリカ」で世界的にブレークした英国のバンドスパトラのライブ・アルバムです。わたしゃこのアルバムのこと知りませんでした。すっかりパンクしたのかなあ。中身はとゆうとこれは文句無い選曲。欲を言えば「ババジ」が有ればもー決定盤じゃ。この人達の場合、このアルバムのように”ディーコン・ブルース”リック・デイビスさんがメインでやってもらって、間にロージャー・ホジソンさんの必殺ヒット・チューンが混ざるのが良し。ホジソンさんばかりだとめめしさ連発になる恐れ有り(笑)。この辺は「ミラクルズ」のころのジェファーソン・スターシップと同じです。ホジソンさんがこの後抜けちゃったのも同じなんだけど、やめなきゃ良かったのになー。このバンドの微妙なバランスは絶妙で彼にはそれが必要だったのに。とゆうことで、最後のベストメンバーでお送りする、日本ではポップ色強いプログレとゆうことでほんと長いこと人気の無かったスパトラの素晴らしいライブを是非お楽しみ下さい。NHK「ヤングミュージックショー」の感激が再び。

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アナザー・ライブ

トッド・ラングレンズ・ユートピア

シリーズ「ライブ・アルバムはお好き?」

"ぶっち切れ"

75年発表。今になってしびれちゃってるシリーズ。昔は「ドゥ・ヤ」ばかり聴いていたつーバチ当たりな私。先日再会して聴いてみたらあらららら、良いじゃないですか。プログレがすっかり好きになってしまった今では、すんなり入って来る音の数々。しかもファンキー臭までたっぷり臭ってきまして、音の感触がすっかり肌に溶け込みました。これは初代ユートピアのライブな訳なんですが、音が随分しなやかで、後の4人組の硬質な感じとは随分異なります。ベースの名手、ジョン・シーグラーのおかげかな。A面の構成にはもーうっとり。変拍子が心地良いです。B面入るとホール&オーツのフレーズぽいのが出て来たりしてにんまりしますが、ソロ・アルバムからの「ヘヴィ・メタル・キッズ」から抑制がとれて炸裂するトッドが笑えます。何しろ元気。このタガが外れて弾けてる感じが正にロックってことだと。そしてポップが魅力的になる源の狂気だと。そしてムーブの3コード名曲「ドゥ・ヤ」、最後の高らかに勝利宣言「ジャスト・ワン・ビクトリー」。これは昭和のニアリー・ヒューマンだぞ。これは今更ですがトッドのベスト・アルバムの一枚になります。全然古くさくないのであります。

現在唯一発売されてるこのUK盤、ジャケットがオリジナルと変わっております。元のプログレ・パロディみたいなのも良かったけど、これも良いねえ。

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Randy Newman Live

ランディ・ニューマン

1971

"丸裸な唄。"

アメリカのシンガーソングライター、ランディ・ニューマンのライブ・アルバム。もう丸裸です。ピアノとボーカルのみで彼の作った歌をただ聴くのみ。彼の歌が嫌いな人にはとても耐えられませんが彼の歌が好きな人間にとってはもう天国、その独特のラグタイム・タッチのピアノとクールな歌を徹底的に楽しめます。この時ばかりは英語がわからんのが悔しい。彼の歌は人を馬鹿にしてるようでいて、そうゆう馬鹿にしてる人間もみんな同じ、歌ってる俺だって同じ、実は優しい眼差しでそんな弱い人間を見つめています。この簡素な演奏でそれは完成している世界なので、レコードでアレンジする時、プロデューサーは悩むだろうなあ。とゆうわけでこの後彼はバンドでやることを前提とした曲作りを始めてその最初の完成が「小さな犯罪者」とゆうわけです。なにはともあれシンプルなだけにこの盤の中に収められた演奏はいくら時代を経てもけっして古くなることは無いでしょう。様々なミュージシャンが彼をフェイバリットにあげています。その秘密はもしかしたらこの中に。

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バックは偉大なる復活W