ドラムス庫 マスター・ピックアップ

私はじめて遭遇したドラマーがナイジェル・オルソンだったもんでドタバタしててラウドだと嬉しくなっちゃうんです。

*フィジカルのカシミールもちろんでサンプリングしてライブに参加して貰ったらライブハウスが揺れたりして、あと「ワントン・ソング」のバスドラとスネアとハイハットの絶妙なからみ。うまいねー。ドラムはバスドラだねー。

*デビッド・ボウイのロウ。どーしたのってくらい、どかすかしたドラム。じゃがいまだに誰が叩いているのか知らぬ。何故か知ろうとする気が起こらなかったのだ。

*ザッパ「ロクシー&エルスホエア」のチェスター・トンプソン。ブラックの方のはしなやかさが気持ちがよかー。ジェネシス「セコンズ・アウト」も楽しかー。

*XTC「ブラック・シー」とガブちゃん「V」。
ゲート・エコー・ドラムは絶対にボンゾをみんなしたかったんだと思うのだ。初期にして完全なこの2枚で目的は達したぞ。

**

リズム魂
フィジカル・グラフィティ
レッド・ツェッペリン

”容赦無く叩きのめされて下さい。気持ち良いです。もっと、もっと。”

ドラムだけでいっちゃうくらいドラムが強力な盤をピックアップいたします。
1枚目は75年のこの作品。ドラムはご存知、この頃ジェイムス・ブラウンに夢中だったとゆうジョン・ボーナムさん。初っ端の「カスタード・パイ」からもう、クイまくりのリズムでKOされます。それから後は頭の中はどんすかどんすか。絶対にバスドラの前皮は外さんぞとゆう、ボンゾさんのナチュラル・ビッグ・エコー・ドラムが鳴り響きます。お話を承るところ、普通のセットで叩いておられたようで、彼が叩くと自然にこの音になったそうです。これはもうドラムの神様がやどっていたとしか思えん。特徴として思うのは、上と下のバランスがとても良いとゆうこと。手数だけ、足数だけ多くなることはなく、全身これドラム・キットになりきって、ドラム版ジミヘンと化しております。数曲あえてピックするとしたら「カスタード・パイ」「トランプルド・アンダーフット」「カシミール」「ワントン・ソング」。これだけでも試聴してみてくださいな。
もちろんドラムだけの盤ではござりません。独特の空気感がまたたまらなく、静謐な曲の美しさも特筆すべきなのです。普通じゃない人達の普通じゃ無い音楽じゃないでしょうか。

試聴はここで

*

時代を超える
V
ピーター・ガブリエル

”時代を超える音楽。さあ、聴いて下さい。”

80年作品。プロデューサーのスティ−ブ・リリーホワイトとフィル・コリンズはこのアルバムで、ゲート・リバーブ・ドラムを発明します。元々ノイズをカットするのに使われていたノイズゲートとゆうエフェクターを、一種のノイズであるドラムのリバーブ、その消えてゆく後半に効かすことによって、深みがあってかつ、切れのあるサウンドが得られます。おそらく軽妙ではあるがいささか重量感には欠けた所のある自身のドラムを強化するために考えたのだとは思いますが、それにしても狙いはばっちり。この後、80年代を席巻するドラム・サウンドとなって行きます。さて、最初期のこのアルバムではまだ効果の使用は控えめですがそれがかえって過剰に使用した作品よりも古さを感じさせず時代を超えたものにしていると思います。何をどう作るかとゆうものを完璧に捕らえやってのけた成果がここにあります。ピーターの作品の中でもこの空気はこの作品のみですので、彼のファンのみならず音楽ファン全部にお奨めしたいアルバムです。

しかーし、ジョン・ボーナムはエフェクター無しで、この効果をやってのけていたんだよなー。恐るべし。

試聴はここで←ベストアルバムの中、2、11、16曲目

 

ボウイの真髄
ロウ
デビッド・ボウイ

”ヨーロッパのボウイここにあり。”

1977年のこのアルバムには当時衝撃を受けました。轟音のように湧き上がるドラム・ビート。俳句のように無駄を排したシンプルな歌。暗さを漂わせながらも高揚感のあるアレンジは何かを見つけた喜びを表しているかのようです。B面になると打って変わって静謐な世界に突入するのですが、しっかりとした構成でけっしてビート感を失いません。
それにしてもこのドラム・サウンド。忽然とこのアルバムで現れたのですが、まさにゲートリバーブ・ドラム。先を進みすぎていたがためか、フォロワーを産み出さなかったのですが、何年か後のNWに与えた影響は計り知れず。ちなみにニック・ロウはソロ・ミニ・アルバムの題名を「ボウイ」にしました(爆)。

ジャケット、サウンド、歌、空気...私はこのアルバムがボウイの最高傑作だと思います。

試聴はここで

 

*