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カール・ダグラス・ファミリー・トゥリー
英国ファンクの連綿

Kung Fu Fighting: The Best of Carl Douglasl

1995/2/1

"これは際物に有らず。"

カーク・ダグラスではありません。カール・ダグラスです。1974年にアメリカでナンバー1ヒットになりました「吠えろドラゴン」を歌ってる方。何と75年年間チャートでも14位。それを収録した1stアルバムです。実はこの人英国ポップ。バックもゴンザレスを始めエゲレスのファンク道の猛者たちがずらり。あまりに面白いんでファミリー・ツリーに挑戦しようかと思ってる次第です。中身はとゆうと英国らしいピシッと引き締まった演奏をバックに実にいい曲を。時にはオーリアンズを思い起こさせるメローグルーブ満載です。
これは際物にあらず。これだからやめられませんわ。
ドラムはイアン・ゴム「サマー・ホリデイ」と同じ人ー!
英国ソウルはもう独特の世界がありまして、一つはこのカールさんのように、カリブ系のヴォーカルスタイル、も一つはホット・チョコレートに代表される変態エキセン系、さらにアフリカ系、インド系と。
アメリカのビレッジ・ピープルのヴォーカルも英国系ではないかと。さらにはこのカールさんの変装もしくは弟ではないかと疑っておるのです[(^o^)]。はてさて。

 

Carl Douglas-
Clem Cattini - Drums
Barry DeSouza - Drums
Richard Dodd - Engineer
Steven Elson - Producer
Chris Karan - Percussion
Paul Klein - Producer
Frank McDonald - Bass
Chris Rae - Guitar
Frank Ricotti - Percussion
Pip Williams - Guitar, Arranger
Biddu - Arranger, Producer
Bones - Vocals (bckgr)
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The Bee Gees
Eric Clapton/Jimmy Page
Fancy
Johnny Kidd & the Pirates
The Kinks
Lou Reed
The Wombles
Kate Bush
David Byron
David Essex
Matthew Fisher
Ian Gomm
John Gustafson
The London Symphony Orchestra
Elliott Murphy
Lou Reed
Rah Band
Al Stewart
Rick Wakeman
Kevin Ayers
Jeff Beck
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Phil Everly
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Clannad
Steve Earle
Steve Harley & Cockney rebel Psychomodo
George Harrison Cloud Nine
Matching Mole
Roy Orbison Mystery Girl
Ringo Starr
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Kung Fu Fighting
Carl Douglas
1974/11


はっ、ほ
ディスコでGO!
最近、団塊の世代向きのディスコなるものが出て来てると聞きました。そこで男女おっさん連合が踊ってるのね。
うらまやしい。私より一世代上の方たちで、一番ハードに仕事もなすって、そして一番恩恵も受けてる方たちかも。だって年金も貰えるでしょ。
うちらわかんないもんな。貰えるかどうか。
ま、それはどの時代に生まれたかって運命で、それより前だと戦争に巻き込まれちゃうし、戦国時代になんか生まれちゃったら首はねられるかもしれないしなあ。
己の時代で己たちで何とか良くしていくしかねえなあ。
そのためには前世代に妙に義理立てとか出来ねえなあ。
なんて感慨はともかく

そのデスコテックでおそらくばんばんかかってるのがカンフー・ディスコものであります。
ディスコつうたらサタデイ・ナイト・フィーバーで始まるバスドラ4つ打ちの70’s後半のブームだぎゃあ。
その前に第1次世界ディスコブームが有りましたのです。おそらく。ははは。わし、10代前半でしたから噂しか聞いてません。
コモドアーズのバンプとかヴァン・マッコイのハッスルとかステップなりお尻ぶつけるなり、踊りの形態から来るブームの他に、主流をなしていたのが、インチキ異国情緒もの。それとモンスターもの。
そのインチキ異国情緒ものの2大スターはジンギスカンと本日のパーフェクト・シングル主役、カンフーものだぜ。
先駆けはーーーーー

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カン・フー・ファイティング
吼えろドラゴン
カール・ダグラス


ディスコとカンフー、合体の理由はそりゃもう至極当たり前のことで、同時代に流行っていたからです。
ブルース・リー神「燃えよドラゴン」の公開が1973年12月。この「吼えろドラゴン」のイギリス本国でのヒットは74年の8月最高位1位。アメリカでも大ヒット、11月にエントリー、最高位こちらも1位。私はその「全米TOP40」ラジオでハマりました。はっほ。
日本盤のジャケは思いっきりブルース・リーさん。許可取ってたのかー??。
これぞ狙いすました一発ヒットのキング。二発目名曲なのに惜しいところでズッコケ、その後も似たようなので押す押す、でもだめー、って完璧じゃん。
さて、
カールさん。正体は・・・・・この場合、出生不明、香港でカラテの修行を積んだ後、何故か歌も歌い、全英カラテ道場の道場歌になり、いかつい外人がみんなで歌っているのをレコード会社の人が耳にしてシングル化、そしたら大ヒット!・・・つうのが浪漫が有っていいなあ。
現実は・・どうしよう、書くべきか・・・これまた浪漫有るから書こうっと。
カール氏は英国ソウル・シンガーの出生国王道、ジャマイカ出身です(カリフォルニアって話もあるけどこの際)。ご存知の通りジャマイカは英国領でしたから、機会が有れば夢の本国イギリスで一旗上げてビッグになるぜと。カールさんも上京して奮闘。出会ったのがゴンザレスつう158人はメンバーがいるんじゃないかってゆうファンク集団です。後にロッド・スチュワート・バンドのフィル・チェン氏とか、英国では何か人気が無いため自然と集まった類は友を呼ぶ軍団だ。そんで、楽器はファンキー達人ばっかだったけど、それに対抗できる歌うたいは、やっぱマジ黒い人でっしょっとカールさん、まんまと合体、同じく西インド諸島(カリブ)出身の怪しいプロデューサー、微動だにせずとゆうビドウって人と出会うわけやねん。
そんで、何とか少しでも売れて喰っていけるようになりたいなあとみんなで画策してデッチ上げた、失礼、製作したのがこのカンフー・ファンティングだったってことです。
そしたらこんなにヒットしちゃって。みんなで作ったのにクレジットがカール氏名義になってるんで、お金が廻って行かず、多少揉めたらしいけど、ま、いいかっ、成功したんだしって、みんな人物がでかい。音楽が好き。
それでは歌ってもらいましょう。吼えろドラゴンっ。

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みなさん燃えてるカンフーだったぞ
その猫どもは光より速かったんだぞ
実際、ちいとも恐れなんか持ってなく
そんでもってどんぴしゃの時に闘った

ヤツラはファンキーなチャイナマン ファンキーなチャイナタウンの
ヤツラはカラテチョップどが カラテチョップどぎ
古の中国絵画で その型は見ることが出来ます
フェイントから、滑り込んで すかさず尻にキック

みなさん燃えてるカンフーだったぞ
その猫どもは光より速かったんだぞ
実際、ちいとも恐れなんか持ってなく
そんでもってどんぴしゃの時に闘った

ファンキーなビリー珍がいた リトル・サミー・チャンもいた
言うのだ「さあ来い、大ボス(はっほ)、かかってきなさい」
お辞儀しまして、礼を尽くし、腕をふりふりしだします
突然モーション、スキップ おお、僕らは新世界にトリップしちゃうよ

みなさん燃えてるカンフーだったぞ
その猫どもは光より速かったんだぞ
実際、ちいとも恐れなんか持ってなく
そんでもってどんぴしゃの時に闘った


あちょーっ。ああ、目に浮かぶ。みんなカンフーに夢中でした。小学生から大人まで。真似したでしょー。

各国での思わぬ大ヒットの報を聞いたカール&ゴンザレス&ビドウさん。大喜びで連夜の宴会。三日目にはたと気付き、これはまだまだ儲けられ・・、失礼、皆さんを喜ばせられると急遽スタジオ入りしました。
急げ急げ、あっとゆうまに作っちゃったよ2弾目。
ノッてますからー、これまた奇跡の名曲になったです。
11月にリリース。だけどもさ、英国では最高位35位、米では最高位48位。
上出来上出来、しゃあないもん。酒代には充分です、とまた宴会に戻る。

歌っていただきましょう、その第2弾

踊れ!カンフー
ダンス・ザ・カンフー


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おーは、踊れカンフー(どうすりゃいいか教えます)
カンフー踊ればいいのサ
おーは、踊れカンフー(そう、それそれ)
カンフー踊ればいいのサ

君、左にスイング すかさず右にスイング
この新ダンスする方々はほんまダイナマイトや
ステップ全部、ポエトリーなモーションね
さあリズムに身を任して
そう闘いみたいに感じてネ
皆さん、聞いとくレ、おー固くなんかならずに
これで全部っしょ 君がするべきことさ

おーは、踊れカンフー(どうすりゃいいか教えます)
カンフー踊ればいいのサ
おーは、踊れカンフー(そう、それそれ)
カンフー踊ればいいのサ

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手に手を取って 我慢なんかしないで
ジャンプして そっくり返りなさいナ
華麗なるチョウチョのようにムービンして
ナチュラル・ハイになりましょう
ファイトするみたいにフィーリング
皆さん、聞いとくレ、おー固くなんかならずに
これで全部っしょ 君がするべきことさ

おーは、踊れカンフー(どうすりゃいいか教えます)
カンフー踊ればいいのサ
はっは、踊れカンフー(そう、それそれ)
カンフー踊ればいいのサ

イカこんな感じ

おーは、いつのまにかカンフーてば、踊りのステップになってるサ。多分どんなのかわかってないで歌ってると思います。ははは。

で   カールさん、この2曲で英国の紅白歌手になりました。ご満悦。
しかし、もっと恐ろしい方々がおった。
日本のレコード会社の人だ。
邦題って便利なものがあるからサ、他の無関係な曲もカンフー漬けにして、出すは出すは。

必殺ドラゴン拳/カール・ダグラス
シャンハイ・カンフー/カール・ダグラス
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あの娘とカンフー/カール・ダグラス


愉快愉快。ぎゃはは。

えー、カールさんのみならず、ウルトラ怪獣みたいにカンフー戦士続出しました。
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チャイニーズ・カンフー/バンザイ

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ジャンボ鶴田氏のテーマでござった。思い出せない・・・聞けば思い出すよ。あれあれ。

マッチョ・ドラゴン/藤波辰巳
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さすがライバル。しかもドラゴンとは俺の事だって、すかさず返し技。B面はしかも「ドラゴン体操」。どんな体操だ。

カールさん本国でも思わぬ嵐が・・・

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リー・ペリーおじさんのダブ盤。

まったくもってカンフー・ディスコだけでご飯15杯はいけます。小さな悩み大きな悩みも消失。
これぞ

カン・フー天国/ジミー・ジェイムス&バカボンズ。

他にもあと28枚くらい有りそう。


(山)2007.01.13

入手先参考(僕たちの洋楽ヒット Vol.7 1973~75 、アマゾン)


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吼えてるカンフー動画

Kung Fu Fighting - Carl Douglas
http://www.youtube.com/watch?v=doF-bGoMPY4


CARL DOUGLAS - DANCE THE KUNG FU (1975)
http://www.youtube.com/watch?v=eEdlCthnXc4



The English translation page : here.