まほ 日刊ろっくす 前日のWANTED rocks  home back    



 

*5年振りのニュー・アルバムが悲しいかな生前最後のアルバムになってしまった。ダブル・ファンタジー。私が一番彼の作品の中で聴いたものなんです。と言っても自分からじゃないのが悲しいところ。80年12月8日前後には秋葉原でカセットテープ売りのバイトしておりまして事件の後街中でこれが流れておりました。悲劇にも関わらず穏やかな空気がスターティング・オーバーでは流れてキッスキッスキッスでは街中爆笑ちゅうか後半凍り付き(^0^)、そこにいてほんと困ったす。元来性に合ってなかったそのバイトと一緒になって苦い思い出がどうしても付きまとってしまう。な個人的事情はありますが...ヨーコさんとうまく行かなくなってLAで飲んだくれてたジョンちゃん、心の壁愛の橋アルバムでのエルトン・ジョンとの共演曲「真夜中を突っ走れ」が1位になったらエルトンさんのコンサートにゲストで出ておくれとの約束をして何と1位になってエルトン・ライブに登場、その時粋だねエルトン君、ヨーコさんを呼び寄せていて電撃的仲直りを演出、彼のおかげで寄りを戻してうん豪傑彼女と付き合うにはこれっきゃないと息子ショーン君の誕生もあり主婦業と育児に専念して5年。父ちゃんはお仕事なんにゃのとの愛息の一言で一念発起したのか再び音楽に立ち向かいます。いつだってその時の状況、気持ちそのままの音楽を作ってきた彼。当然新作は本当の意味で初めて幸せに溢れた愛情満載のアルバムに。ヨーコさんは相変わらず私がやらなきゃ誰がやる状態だけど。はは。書き溜めていた曲のクオリティもジョンさんヨーコさん共々抜群、デビッド・ボウイのかつてのパートナー、アール・スリックそしてトニー・レビン、アンディ・ニューマークら名手の好サポートもあって弾けるファンク風味高揚する空気を反映してる素敵な盤だと思います。さてこれから、安定した生活の中で音楽をすること、生き抜くことってやる気満々だったって時に。あの事件が。よりによって自分の大ファンだって男に。よりによって一番嫌いな武器で。よりによって親切にサインをしてあげようかって時に。無慈悲な現実に世界中が涙して。死して英雄化は彼ほどの男なら仕方があるまいが、それまでしっかり彼の音楽を聴いてきた人間ほどそのはかなさ辛さをかみ締めたに違いないと思います。彼同様生きていくのに生きていくだけで苦しんだ男に殺されたんだからなあ。ジョンちゃんははたしてもう一度あの男が来たらわかってはいてもニコニコしてサインをしてあげようとするだろうか。多分ひゃあと言って一目散に逃げ出すかと。それが私の好きなジョン・レノンです。

(山)2004.5.15




ウーマン