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ろっくす特選盤





*今年も容赦無くクリスマスがやって来ました。祝わねばならぬは。ケーキ食べて。鳥の足または胴体食べて。そして音楽は。容赦無く責めて来るわむとタツローの魔の手からようやく逃れた私はXTCのママーをターンテーブルの上に乗せたのであった。とゆう訳でママー。冬の暖炉の暖かさアルバムです。目ン玉むき出して食ってかかってた78年のデビューから早3年、雨後の濁流のように変化するシーンの中でXTCも変わりました。マネージャーの入れる容赦無きライブ・スケジュールにグロッキーしてしもうたアンディ・パートリッジ氏の容態は最悪に。その元凶のそのマネージャー氏と決別、ツアーの中止による借金の返済をするためにヴァージンに印税の前借をし、これからの盤から発生する利益はようやくバンドに直接入ることに。何とか落ち着いた状況の中、アンディ君も少しづつ回復して曲作りを始めて。さてニュー・アルバムを作りましょうと白刃の矢が立ちましたのがかねてからジャパンの「ティン・ドラム」でアンディ氏が唸りまくったお仕事をしたスティーヴ・ナイさんです。そして度重なるごたごたとアンディ氏のわがままに嫌気がさしてオーストラリアに引っ越してしもうたドラムのテリー・チェンバース氏を何とか説得、呼び戻してセッション開始。ところがあまりにも変わったサウンドとドラムの他にかわゆいパーカッションを入れたいとのA氏の提案に又もぶち切れ、ついに完全に辞めちゃった。ああ、今も元気かしら。急遽呼ばれたのが何と元グリッター・バンドのピート・フィップスさん。アルバムの外郭完成。シングルカット無しで発売しようとヴァージンを説得したけど却下。うんじゃとビート、モノクローム・セットで切れまくりのシャープ・プロデュースをしたボブ・サージェント氏製作の下、グレート・ファイア作って先行シングル・カットしたけどヒットせず。して次にコリンさんのもうこれはタイトル通り夢の曲「ワンダーランド」をシングルに。またもや駄目。ああ、もう予算大幅超過、待てませんと見切り発車して「ママー」LP発売。大した宣伝も無しでこれまた惨敗。シングル「ラヴ・オン・ア・ファームボーイズ・ウェイジス」も駄目とママ最悪だよう。それもそのはずこのどうしようも無く冬の温度のアルバムは8月にリリースされたのね。何とも間の悪い運命だらけです。内容は・・・悪いなんてとんでもなし。最高だぜ。前作も冬、しかも屋外、しかもアラスカ並の寒ーい空気の盤だったけど今回は火があります。それも偉大な。あのリバーヴ地獄からも逃れたすっきりとした音は一見してわかる派手さもはったりも無くなって実に自然な音楽に。だから地味で簡素に聴こえますけど。それが良いのだ今の今まで生き残ることに。ナイさんのお仕事見事なり。コリンさんの活躍ぶりも目を見張ります。最高傑作かもしれぬ鳥も鳴く桃源郷テクノの「ワンダーランド」。これが2曲目にあるだけでママーは傑作保証。くらくらしちゃう疾走ポール・マッカートニー節の「イン・ラヴィング・メモリー・オブ・ア・ネーム」だってB面にはあるし。アンディ君もその好調コリンちゃんに影響されてかいつになく穏やかな曲調のものを連発。それでもけっこう食ってかかってるけど。まあそれが無きゃ彼じゃ無いし。刺激的です。全体に流れる東欧風味は時代の空気か。トルコ〜ユーゴスラビア経由でモスクワ入りの音の旅。これこそ聴けば聴くほど好きになって。私は現在スカイラーキングかこれかってくらい大好き。名盤だぞ。最後のパンクポップアロール。=XTCでござる。ばいばーい。

(マスター)2004.12.24

みなさんオピニオン


マスター> ほんと繰り返しに耐えるアルバムだと思います。一番普通に録音してるっつうのもあるかもしれませんね。
name : きーすうぇすと
comment : ああ、冬の空気というのは確かに感じるかもしれないですね。XTCは大好きですが繰り返して聴いても胃がもたれないのはこのアルバム位じゃないでしょうか。あ、AV1というのもありますね。それでいてメロディは相変わらず冴えまくりなので素晴らしい。ひょっとしたらこれが一番回数聴いてるかも。
how : rocks









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