ろっくす超大特選盤
*いまやトイストーリーを始めとする映画音楽で知らぬまに世界中の人々が愛しているランディ・ニューマン氏、彼のソロ・アルバムはこんなです。私は77年の小さな犯罪者がベストだけどそれは初遭遇のショック大きく、為がありこのセイル・アウエイもそれに匹敵するほど大きくレコードが擦り切れた。嫌な歌を歌う人です。ある程度の数の人が彼の歌を猛烈に愛したとすればそれと同数の人が嫌悪するかもしれない。ひどいことを歌ってるって。音楽は美しさの極みでして、アメリカが為しえた最高の遺産・世界に誇れる人々の宝を継承して。我々外人は歌詞なんぞ気にしなければ音楽だけで幸せな気分になれる。しかし平易な英語です。否応無しに入って来る。でやっぱり怒る人が。ひどいことを歌ってるって。シンガー・ソング・ライターとゆうことでその人たちは普通その人たち自身の気持とか主張とか歌います。ところがこのニューマンさん私には自分の気持主張をそのまま歌ってるようにはどうにも思えません。ある人間がアメリカにいた。そしてその人が善人であろうが悪人であろうが俗物であろうがその人が言うであろうことをそのまま歌にしてる。大抵の人がからかいたくなるような極端な人が題材であることが多くて言うことも半端じゃない。その人にとってはそれが現実で本物で他の人にとってもそれは痛くなるようなことなんで腹が立ってくる。歌うドキュメンタリー作家かも。してセイル・アウイ、ハナからそれが全開です。そもそもアメリカとは開拓の国。言い換えればそこに住んでた人々から土地と物を奪い自分たちが幸福になった国だったってことを否応無しに突き付ける。自由とは蛮人に正しい教えを与え見返りに自分たちに仕えよと。これは相当に痛い。だって実際にそうしてるから。どんなに善行をしてるアメリカ人でもその前提の上に生活してることを考えると。他の曲も万事その調子で、タイトルを見て曲だけ聴けば何ともかわいい「サイモン・スミスと踊る熊」だって中身を見れば何にも知らぬ無垢な熊を使って「お上品な方々」を喜ばして「オアシ」をいただく歌であります。「オールド・マン」では歳とって一人ぼっちになってしまった老人に非情な男が語りかけている。あんたなんか誰も必要としないって。「ポリティカル・サイエンス」では今のブッシュ大統領が本気で考えてるようなことをそのまま歌に。「わしらは完璧ではないかもしれぬがわしらがやろうとしてることは神様がご存知だ...わしらはやつらに金をやったのに感謝するどころか呪って喜んでいる。でかいのを一発落としてこっぱみじんにしてやるぜ」。一方「デイトン・オハイオ1903」ではそんなこと一切考えることなど思いもつかない人々のうららかな日曜日の午後の一時を。そして最後は「神の歌」。これらの歌を通して一貫してランディ氏が訴えてることがあるとすればそれも人間これも人間、笑ってる貴方も怒ってる貴方もこの歌われてる人々と同じ人間だってことか。弱いし視野狭窄だし欲望まみれだし。でもひどいことを言った後には悲しくなって優しい言葉を言わずにはおれない。言わずにすませられる人もおるけど。これを極上の音楽でやられるのです。でかくならざるを得ません。どうしたって。それにしても英語母国語の人たちはこれ聴いたらやっぱすげえだろうなあ。直に直撃だし。腹に一物、何やらやましい人なんか特に下手なパンク、デスコアなんかより不快かもしれぬ。焚書法が出来たらイの一番に焼かれるので今の内に是非どうぞ。 (マスター)2004.7.7 |
セイル・アウェイ&サイモン・スミスと踊る熊 ランディ・ニューマン 1972 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− セイル・アウェイ Sail Away Randy Newman - Sail Away http://jp.youtube.com/watch?v=xE5k2euahDI |
みなさんオピニオン\\ |
マスター> 確かに(^_^;)。はい、私も聴きたいです。 [07/08 08:32] 鯉之助> 「Sail Away」や「Political Science」のほうが「ホテカリ」よりも二億倍鋭いや。でも、いま聴きたいのは「Marie」です(~_~;) [07/08 00:22] マスター> ふさわしき日にふさわしき盤を。ですよねー?。セイル・アウエイ。大切なアルバムです。 [07/07 08:45] |
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