*”さかしま”
つう、どナイスな邦題が付いてます人の良いデカダンス兄さんスティーブ・ハーリー率いるコックニー・レベルの2ndアルバムです。そもそもさかしまとはなんぞや。さかさまって意味だそうですがさかさまって付けたらどダサいか。19世紀仏の作家にユイマンスとゆう方がおってその人が著した象徴派デカダンスの聖書と呼ばれてる作品に同名の物がありそこから持ってきたのだな。わたしゃ読んだことありませぬが何かぴったし。ハナからムード大盛り上がりです。原題は造語で”精神病的準備万端”ってでも意味でしょうかい。そんな聴く前からホノボノとした感のあるこの盤、第1期コックニーのラストアルバムでもあります。グラムの終焉期に登場、スパークスと共にそんなことオラ知らねとひょうひょうにシーンをぶっとばしたコックニイ、1stの大成功で自信満々、このやり方で全然OKだと再び弦の魔術師アンドリュー・パウエル、EMIの至宝エンジニア、ジェフ・エメリック氏、そしてついに登場、ドラマティックなブリティッシュ・ポップ・ロックを作らせたらこの人の左に出るものはおっても右に出るものはいないとゆうアラン・パーソンズさんがプロデュースに参戦、盤石な布陣であります。例によってどこでOKテイクを出したのだろうのハーレーちゃんの歌も絶好調だ。一聴してわかります。デカダンス度大増大。大作2作を真ん中においてじっくり。しかしおもちゃ箱音楽は健在、ほんとのメロディはどこだーと探すもこれがほんとのメロディかもしれないのさかしま名曲の数々をご賞味あれ。その真ん中大作強力です。没入出来ること請け合い。前者リッツ、邦題はパステル・カラーのデカダンスの架空のインド都会音楽に宙を舞い、後者のキャバリエズ、邦題は偏執的ノスタルジー(^0^)でそれこそ偏執的にヘッドバッキン可能。これはロクシー・ミュージックのイン・エヴリ・ドリームと並んでリピート・グラム曲の名曲だ。シングルのミスター・ソフトでは持ち味の中途半端な異国に飛んで行けるし最後のタンブリング・ダウンでは真っ直ぐなポップ・メロディでまさしく転落の快感を。
さてジャケットでは真ん中で絶好調のハーレー氏、それに反してぶっちょ面の他のメンバーたち。大成功に伴いわしらにも曲作りに参加させろと申しましたがそれじゃコックニイにならんとハーレー氏一蹴、バンドはあえなくこの後空中分解してしまいおった。この盤で大活躍ヴァイオリンのジャン・ポール・クルッカーさんともこれでお別れ。くー。下手なんでどこからもお誘いが無く自分でバンドを作るしかなかった男、スティーブ・ハーレー、せっかくの大成功も万事休す。しかーし転んでも只では起きません。次作ではついにあの曲が。この不世出の作品を味わい尽くしつつ明日への夢が見れます。
(マスター)2004.7.29
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