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ろっくす超大特選盤



*ボブ・ディランさん。ろっくす初登場かも。何たって魔人だし。いや別に嫌いって訳じゃ無くて高校生の学祭の時に弾き語ちゃった恥ずかしい過去があるくらいなんすが。とにかく大ビッグネームです。ま、大物さんだからつうてその人その人にとって偉いって限ったもんでもなく。大体クラシックロックなんてえもんは大物さんだらけ。無条件で立派と思いなさいみたいな強迫観念だらけで窮屈になっていかん。1回そんなんチャラにしないと楽しむためにはつまらなくなってしまうわ。逆にそれが嫌でわざわざ重箱の隅みたいなバンドばっか聴くのもまたあほくさいし。関係無いけど新しいものも聴かなけりゃならんってのも強迫観念だな。とにかくつまらんものはつまらん面白ければ聴けばいいと人生半分超して時間が貴重になる昨今つくづく思う次第であります。さて血のワタチ。や轍。一旦隠遁生活に入って復活したのがこの直前のザ・バンドとの共演2枚。熱狂的に迎えられパワーみなぎる演奏で健在なりわしゃディランじゃいいたしました。さて次の一手はと世界が固唾を呑んでたとこ登場したのがこれ。あらますっかりリセット、どらえもんはじめの気持ちを取り戻そう盤だ。どうだろうとてつもな有名曲は無いんだろうけどなぜ世間がこの人にこれだけ夢中になってしまうかの全ての答えがあるアルバムです。歌い方がやらしいよとか顔が気持ち悪いとか詐欺師みたいだとかもし思ってても逆らうことが出来ずはまってしまうかもしれない。内容は弾き語りとそれにそっと寄り添う演奏だけ。そのバックは73年にデュアリング・バンジョースつう今何時代?のヒットを飛ばしたエリック・ワイズバーグとデリバランスの面々。そして1,3,4,7,8は取り直しで地元ミネアポリスの無名ミュージシャン達。いずれもけっして俺が俺がではなく、俺が俺がしてないボブさんのバックを粛々として務めてます。だからまあ歌しか入ってません。そしてその歌がやばい。麻薬なんだわ。シングルでもヒットした1.のブルーにこんがらがってからまー何だろうーん、うーん、聴いてくれこのー。少なくともわたしゃ一枚聴き終わったら、えーもう終わったのもっとに今でもなってしまいます。で何歌ってんだろって歌詞見るとけっこうちんぷんかんぷんなくせにおーって(^0^)。騙されてる気もいたしますが。だとしたら嫌な悪魔だよこの人は。猪木、馬場クラスのとんでも人間であるこたあ確かだな。ベタ褒めか罵るしか手は無し。どっちにいたしますか?

(山)2005.2.14


V2

血の轍
ボブ・ディラン
1975/1/17


聞くところによると、みうらじゅん氏が離婚して再婚なさったらしい。

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出来ちゃった離婚で再婚だと。違うか・・出来ちゃった再婚で離婚か。
人の生き方として最大の幸福で生きていらっしゃったと思っていたが、
上の人格と下の人格がご本人もはっきり申してたように分離して人様を不幸の渦に巻き込んでしもうたか。
その昔、ドームでのキッスでのコンサートで、俺がエースのギターソロの時、
チャンスとばかりトイレに出向き、
その途中、席の最後部後ろの通路で小さな女の子と手をつないで楽しそうに見ているあの方を見た。

あの女の子との関係は、そうなるとどうなったのだろうか?
得意の人相鑑定で、氏の人となりを見ようにも、サングラスをかけられているので本当のところはわからぬ。

じゅん氏と言えばボブのディラン氏。
聞くところによると新譜を出したとか。高齢恒例久かたぶりに。
何でも”愛揺れるハート”がテーマらしく。
”愛揺れるハート”なのかよ。さぞかし困ったであろうM氏失恋
だが俺はといえば
そんなことはまったく知らないで今日はこの盤へ感謝しようとしていた。

血の轍
〜Blood on the Tracks


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34年前の1975年1月17日発のちゃきちゃきの新譜。
得意の人相判断によるとボブ氏の目は、策士であります。
いくつになってもギラギラと何かやらかそうと企む。
あまりにもその眼光鋭く、いい人か悪い人かはわからん。
かねて承知のごとく、その歌い方はフェイク。無理してあのみょうちきりんしてる。
”うららー、うららー”の時の山本リンダ嬢のように。
地声で歌ったら、ウィーン少年合唱団になってしまうか?
そんなことはあるまいが、あまりに自分でもつまらなく平凡で、捻り出した末の声なのでありましょう。
であるから
詐欺師。良い詐欺師つうのがいるとしたらそうかもしれんが、執念深く一世一代を賭けた大悪詐欺師なのかもしれん。
しかし
困ったことにそれがいいのだ。
この盤、
70’sのヘソに出た。
周囲を震撼させたザ・バンドとの競演”偉大なる復活”の半年後だとゆう。
思いきしパンクしてたあの騒ぎになった割りに売れなかったとゆうあの盤のあと。


困ったことに、
おいらはあの盤で氏に夢中になり、なり過ぎて出来もしないのに高校が臭い、いや、高校学祭で弾き語りをしてしもた。
そのいわく盤のあとで、勢いでテキトーに出来たから作っちゃったみたいに見える。
あまりにもの短い間隔だったから。
しかしこの方は一生策士、そんなこたぁするわきゃねぇ。
ライナーノートには、氏の気まぐれに従って、バックの連中も偶然に、必死になってかき集めたと書かれておる。
しかしこの方は一生策士、そんなこたぁするわきゃねぇ。
バック担当のエリック・ワイズバーグ氏率いるデリヴァランスは、
1973年の2月から世にも不思議なバンジョー・デュエット・インスト”デュエリング・バンジョーズ”で最高位2位を獲得した連中じゃん。
収録曲の"You're A Big Girl Now"という言い回しはスタイリスティックスの同名ヒット曲になぞらえたものだとー&
”また、歌詞中の"But what's sense of changing horses in the midstream"という行はその当時ヒットしていたタワー・オブ・パワーの"Don't Change Horses"のパロディ。”
とな。ウィッキッペを信じればの話だが。

ヒットチャート、チェックしまくりでござる。

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な、
このアルバム、実際はと言えば、そっと寄り添いけっしてでしゃばる事の無い演奏を背にした、
ただのボブ・ディラン歌唱集。
ほんまにただの歌が集まった基本、素うどんディラン集。
例の如く奔流のように言葉が連射されている。
でね、こんなんなら普通はさっぱし面白くなくてもおかしくはねえが、
困ったことに、これが良くてたまらん。
何言ってるのかわからんでも良くて良くてたまらん。悔しいことに。

で、さらに困ったことに、歌詞を吟味してみると・・・
1曲目、

ブルーにこんがらがって
〜Tangled Up in Blue


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1975年3月29日39位で全米TOP40初登場、以後31-31位。最高位31位。



ある朝早く、お天道様は輝いていた
俺は寝床で寝転んで、
アイツは変わってしまったかな
髪の毛はまだ赤い色のままかな
と考えた

アイツの家族、ヤツラが言うのには、
俺たちが一緒に生きて行くのなら
絶対に生活は悲惨なものになるだろうとな
ヤツラは母ちゃんの手縫いの服は好きになる事無く
父ちゃんの通帳には大金が入ってるってわけでは無かった

で、俺は道の端っこに立っていたのだ
俺の靴には雨が降りかかる
東海岸に逃げ去って行く
神のみぞ知る、
俺はいくらかの代償を支払って何とかしのいだんだ
ブルーまみれになりながら

アイツは結婚していた
俺たちが初めて出会った時
すぐに離婚したさ
俺はアイツを泥沼から救い出したんだ、俺思うに
でもちょっとばっか無理やり力づくだったな

俺たちは車を出せるだけのスピードで走らせ
そいつを西部に乗り捨てた
暗く哀しい夜に別れ
双方ともそれが一番良いと納得してね

アイツは俺を見るために振り返った
俺が行ってしまいそうになったので
俺は肩越しにアイツが言うのを聞いた
「わたしたち、いつか街でまた会うわね。」
ブルーまみれになりながら

俺はグレート・ノース・ウッドで仕事にありついた
しばらくの間、コックとして働く
しかしそんな仕事は俺はまったく好きじゃなかった
だから、ある日、斧でクビをばっさりさ

んで、俺はニュー・オリンズに流れ流れ
ツイてたことにそこで偶然雇われた
しばらく漁師として働くことに
ドラクロワのすぐ沖でな

だがずっと俺は一人ぼっちだった
過去は背中にびったし貼り付いていた
俺はたくさんの女に出会った
けどアイツのことが俺の心から離れない
俺はただただもっと
ブルーまみれになってしまった

アイツはトップレスバーで働いていた
俺はビールを飲みに店に立ち寄る
俺はただただアイツの横顔を見続けていた
スポットライトの中でくっきりと照らされているその横顔を

で、時間が経ち、客どもがいなくなる
俺はただ普段の俺のようにふるまおうとしていた
アイツは俺の椅子の後ろに立っていた
俺に言ったね、
「あたい、アンタの名前知ってたかしら?」

俺は小声でぶつぶつとつぶやいた
アイツは俺の顔のシワをまじまじと見ていた
俺は認めねばなるまい
ちょっとは怯んでしまったことを
アイツが靴の紐を結ぼうとかがんだ時
ブルーでこんがらがってしまった

アイツはバーバーでストーブに火をつけ
俺にパイプをすすめた
「アタイ思うんだけど、アンタって挨拶ってもんを忘れちゃったみたいね。」
アイツは言った
「無口なタイプに見えるわ。」
それからアイツは一冊の詩集を開いた
そしてそれを俺に手渡す
イタリア人の詩人が書いたものだ
13世紀に

そしてそこに書かれている一言一句全部がまさしく真実で
燃え上がる石炭のように輝いていた
1ページ1ページが舐めるように
まるで俺の魂に描きこまれるようで
俺からお前にへ
ブルーにまみれまくってしまった

俺はモンタギュー街でヤツラと一緒に住んでいた
階段下の地下室だった
夜にはカフェで音楽が流れている
そして革命の気運があった

それからヤツは奴隷と商売を始めだした
そしてヤツの内側で何かが死んだ
アイツは持っているもの全部を売り払ってしまっていた
心の底から凍りつく

そしてついに底が抜けたとき
俺は世間と縁が無くなってしまい始めてしまった
俺がやる為にわかってるたった一つのことと言えば
続けることを続け続けることだけ
飛んでいる鳥がしてることみたいに
ブルーまみれになりながらさ

そう俺はまたフリダシに戻っている
俺は何とかしてアイツのところにたどり着かねばならぬ
俺たちが知ってたヤツラは全部
今では俺には幻だ
あるヤツらは数学者だった
あるヤツらは大工のカミさんたちだった
どうやってそいつが始まったのかまるでわからぬ
俺にはわからない
あいつらがどうやって自分の暮らしを立てているのか

だが俺は・・俺はまだ道の上
どっか別な場所に向かってさまよっている
俺たちはいつだって同じように感じていたはずで
俺たちはただ違ったモノの見方で見ていただけだったんだ

ブルーまみれになりながら



これはこれはこれはもう、
歌の映画では無いか。こんなシナリオ書ける成功者のミュージシャンがおるか?
もしかしたら最高位31位なんてーのを別にしてアメリカ人が一番好きなディラン氏の歌。
ピンク・フロイドの”コンフォタブリー・ナム”みたいな立場の。
今でもFENで、2時間半に1回はかかってるのではないか?

を筆頭に、キラー・ソング各所に配し、当然名盤と呼ばれるが、
困ったことに逆らう理由がねえよ。
ここに
イアン・ハンター氏の声を聞き、スティーヴ・ハーレー氏、ブライアン・フェリー氏、あまたの贔屓力士の声を聞き。
最後に
これ、2回目の感謝で書いていたことに気づき、まだディラン氏の盤はこれだけしか書かせて貰ってないことに気づき、
困り果てて終了。

喜んで。

(山)2009.6.3

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Blu-spec CD 血の轍

血の轍 (紙ジャケット仕様)

血の轍

血の轍

Blood on the Tracks

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Bob Dylan - Tangled Up In Blue
http://www.youtube.com/watch?v=rnDcTy7iF2s


Bob Dylan - Idiot Wind
http://www.youtube.com/watch?v=enhmhbNq76M


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ろっくすボブ・ディラン氏のページ

資料

英語資料

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English Version






みなさんオピニオン

マスター> なんでしょねえ。この魅力は。まったく。 [02/15 07:49]
oide> これは大好きなアルバムです。 [02/14 22:38]
マスター> ボブで乱だー。最近の一人人間解体状態歌唱はちょとツーマッチだけんども、逆らうことが出来んのがこの盤です。 [02/14 09:07]