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試聴はここで



*昔MTVでクリップを見てえらい気になっていたバンド、ラーズ。買ってみました。このジャケだからどうしたって目に付く(^0^)。そのクリップの曲はこのCDでは5.の「ゼア・シー・ゴーズ」。ともかく良い曲です。実はアナログで1回見かけたことがあってその時は何と5600円。最近のバンドとしてはこれは異常な高値です。何がそんなと興味しんしんで聴いてみただよ。
結成は86年。場所は英リバプール。デモテープが地元で評判になってGO!DISCSつうビューティフル・サウスを擁するインディーズとしては大手、って変な表現だけど、そこから直接オファーを受けてデビューとゆうまー何てラッキイな奴らなんでしょ。この後のニルヴァーナ、フー・ファイターズ、サマーキャンプ、サードアイブランドなんかの怒涛のギターバンド快進撃の先陣を切ったバンドとなった次第。レーベルとしてはハウスマーティンズの成功で次の次のーと探していた正にぽっかりはまりました。そんな期待のバンドですからレーベル側のご意見、圧力相当なもんだったらしくこんなかわいい顔してるくせに頑固&血気盛んなメンバーと衝突続出、アルバム製作までえらい時間が。プロデューサーとケンカとかしてたらしい。すったもんだの末プロデュースはXTC、U2とギターバンドをやらせたら天下一品の男スティーブ・リリーホワイトに決定。こない大物なら連中も納得喜んでやったかと思えば本人達は不満たらたら、自分たちだけでやりたかったんだと。うーん世間知らずちゅうか怖いもん知らずロッカーの鏡であります。うるせー文句言うなとにかく録音せいと完成させリリースされたのがこのCDなのだ。
 実際聴いてみると何がそんな不満なのだの素晴らしい出来で。ゲートドラムって80’sの権化サウンドを自分で始めたくせにやめたのも一番速かったリリーホワイト氏、実にバランスのとれた気持ち良い音を作ってます。特にお得意のギターの音録り、今回も冴えに冴えて腰あり切れありでまー。問題があるとすれば言ってみれば既出のそんな音が彼らにとってはつまらなかったってことかな。良きにしけ悪しきにしけプロデューサーの色に染められちゃたまらんと。でも感じますそんな君らのトンパチぶりが。欲が無いつうか音楽真っ直ぐ、コビふるとか他の事考えてる時間などあるもんかいの真剣さ真面目さ。誰に直接影響されたとかで無く自然にその時代で混ざり合った自分たちの音楽がひしひしと。何よりも曲が素晴らしく、先の「ゼア・シー・ゴーズ」はそりゃ目立つキラー、シングル曲王者、これは音楽好きなら誰でもKOの力あり。別にロックとか聴いて無い人でもこの世界に引きずり込んでしまうかも。次のシングル「テイムレス・メロディ」もがらっと雰囲気変えての、これはロック好きなら誰でもKO。この2曲を中心に後はこの手のギター爽快が好きならぞっこんとなってしまうものだと思いました。穢れてないREMと言いますか。REMが穢れてるって訳じゃありませぬが。
 で、この素敵な盤をものしたラーズ兄さんたち。大喝采、期待爆発となったのにこの後あっさりと崩壊、消えてしまいおった。自らのプロデュースでアルバム製作できなかった、それが世に出てしまったのがよほど堪えたらしい。ヒットしたのも評価されたのも逆にイライラの原因になってリーダーのリー・メイバース君、酒浸りになって荒れて、今ではすっかり足を洗ってるそうですが。実に惜しい話であります。商売がどうしたって絡むレコード業界って矛盾してるけど音楽するのには辛いとこかもしれん。かね出して作ってやるんだからと口出すからなあ。自分たちの思ってる音楽像で売り出そうとしやがる。真面目なら真面目なだけ辛い目にあってしまう可能性大で。ニューウエイブ初期の誰もがわからない状態の時に勝手にやって出せた時代と違ってこの時期のデビューとなると余計そうゆうことがあったかもしれん。現在ならなおさら。だからいやらしいバンドばっか目に付く気がするけど。
 才人、はみ出し者、真面目、ロックに不可欠の三拍子揃ったそうゆうバンドです。最後のとは言いたくありませぬが。

(マスター)2004.9.16

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