第5幕 狂宴の終わり

ここまでのダメダメな展開に変化が訪れることに期待を抱けないまま、セッションは進む。
DM「(疲れた口調で)じゃあ、次はVecna本体だ。」

魔法神Vecna
第1ラウンド
初めてDeityの本体がでたとあって、ReadyにまわるPC達。
ここまで地道に自らの20のクラスをまんべんなく能力を使うことをめざしていたR2氏も、Turn Undeadを使用して目的を達成する。
しかし、PCが様子見をしているこの状況はDMにとって絶好の好機!!

DM「諸悪の根元に向かって、Mordenkainen's Disjunction。魔法効果全消去!」

諸悪の根元H.Maz氏「ぐはっ!」


ここで、今まで沈黙を守っていた男が動く!!
KK氏「この一瞬を待っていたん 、だ 〜!! Reactive CounterspellでCounter!!」



しかし、DMもここで負けるわけにはいかない。
DM「フハハッ!! 何のために魔法神Vecnaを使ったと思っておる。このMordenkainen's DisjunctionはSpell-like AbilityだからCounter不能だ!!」

KK氏「なにーっ!!(これだけがほとんど唯一の見せ場だったのに)」
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
さて、ひとしきり余韻を味わったところで、DMは次の責務を果たさなければならない。
一つの事項をとあるPLに確認するという作業を。


DM「んで篠原さん、巻き戻すんでしょ?」

篠原氏「もちろん!!」

サイオニックにはTime Regressionという、「時間を1d4+1ラウンド巻き戻す」という狂った超能力がある。使う度に500Exp必要とか制限があるのだが、

篠原氏のPCは『無限使用可能、効果最大化して必ず5ラウンド巻き戻すアイテム』1を保持しているのだ。


今までのことはすっきりさっぱり無かったことにして2、再びVecnaに挑戦するPC達。


再び1ラウンド目
H.Maz氏「じゃあ、本気でいくかぁ。イニシアチブ1万ちょっとですが、さきにうごいていいですよね?」


DM「どんと来い!」

H.Maz氏「ジャベリン投げて、AC1万ちょっとまで。当たりましたよね?
 じゃあ・・・ダメージ1万ちょっとありますけど、生きてます?」



DM「やはりSTRも強化していたのかぁっ!!
 だったら、はじめからやれぇぇぇぇえぇっ!!」

H.Maz氏「いや、それだと他の皆さんに悪いですし・・・。」


・・・その先、DMは神々のデータを検索したが、「邪神をたくさん出して集中砲火」以外手だてが無かった。

DM「おめでとう、君たちは神々を超えた」
R2氏「ちょっと待て、約2名だ。2名。」
H.Maz氏「Epic Level Handbook発売後のセッションはいつやりますか?」

DM「これ以上どう強くなろうっていうんじゃぁぁぁあぁ!!」

                

             ご意見・ご感想など

1)落ちのためにここで明かしているが、篠原氏がこのアイテムを持っていることはセッション開始時から宣言されていた。つまり、DMとしてはラウンド最初に魔法を剥ぐなどして篠原氏のPCを即死させる必要があった。
DeityといえどCaster LevelはPCとどっこいなので、確実にいくにはDispellではなくMordenkainen's Disjunctionが欲しい。そして、KK氏のキャラがReactive Counterspellでラウンド1回はCounterするので、Quicken SpellでHasteして手番を増やしても、「Mordenkainen's Disjunctionの2回目をかけて篠原氏の防御を剥ぐ→時間巻き戻し」がせいぜいの抵抗。
もちろん、こちらがDMでルールと状況を握っている以上、Spell Casterを増やしてCounterの手数上対応できなくする、Dead Magic Areaを宣言してRealm出身者の魔法のみ無効にする、一番単純なものでSupreme Initiativeで先手をとってQuicken SpellでHaste&接近してHarmからの一撃など、いくらでも手は考えられる。ただ、ルール的にPCが確実に死ぬ状況を算出し、確実に殺す作業はいきなりDMが「じゃあ死んだ」と一方的に宣言するのと理不尽さは大差ない。シナリオを持ったセッションのシナリオ上の演出としてはあり得るが、単発戦闘オンリーセッションではよろしくないだろう。

2)余談だが、結局この巻き戻りでR2氏のPCがTurn Undeadを使った事実も消滅し、能力をすべて使い切れなかったことになったような。